【ミリオンSS】歩「魔人と呪いの少女」
1 : 矢橋P   2024/04/23 23:07:11 ID:tkGvoJItjo
またお会い出来ました矢橋Pです
また性懲りもなくミリオン×パワポケのクロスSSを書かせていただきます
今回は 新球団ナマーズ編×電脳野球編×ミリオンライブ÷4 という内容になっております

 -注意点-
・このSSは 恵美「怪奇ハタ人間!」から三年後の世界です 
 前作→https://imasbbs.com/patio.cgi?read=30682
・オリジナル設定、原作改変もします
・プロデューサーは相変わらず登場しません
・今回はパワポケのキャラがガッツリ出ます。そのためパワポケを知らない人の為にも今回はプロフィールを細かく更新しようと思います

それでもどうかお願いします 
2 : へっぽこ大名行列   2024/04/23 23:33:37 ID:tkGvoJItjo
プロローグ


アタシは舞浜歩、21歳
地元は愛媛県なんだけど今は東京に出て来たんだ
えっ、なんでって?
アタシ、本場のダンスを学びにアメリカに留学したことあってさ
帰国後は何とかダンスを生かした職業に就きたくて上京してダンススクールに通ったりダンス大会に出場したりしていたんだ
だけど……悔しいことに鳴かず飛ばず
生活も苦しいし親もいい加減地元に戻ってこいって言うし……
仕方なく東京のとある会社の事務員に就職することにした

あ〜あ。アタシの人生って結局こんなもんかー   
ん?テレビのニュースがどうかしたの?

ええーっ!アタシの就職先の会社が潰れた!

アタシの就職は!?マイガー!!!

というわけでアタシ。無職になっちゃった……
3 : そこの人   2024/04/23 23:36:00 ID:tkGvoJItjo

5月5日 PM 17:00 とあるマンション


歩「中山先輩~人生ってくそ食らえだね」

中山「歩、飲み過ぎは良くないぞ」
 
4 : エビさん   2024/04/23 23:37:04 ID:tkGvoJItjo

歩(やけ酒で酔っ払ったアタシに付き合ってくれているのは中山正美、アタシより年上の女性だ。兄貴の友人でアメリカに居る兄貴があいつが心配だから自分の代わりにアタシを頼む。と言ったらしくこうして面倒を見てくれる)

歩(今日だってアタシの就職が失敗したって連絡したら自宅に上げてくれて飲み会を開いてくれた)
 
5 : 兄(C)   2024/04/23 23:37:57 ID:tkGvoJItjo

歩「よーやく就職出来たってところだったのに~」

中山「日本はフラッグマンショック以降どこもそうさ。歩が悪いんじゃない、次を目指して頑張れ」
 
6 : P殿   2024/04/23 23:40:11 ID:tkGvoJItjo
三年前だっけ、宇宙人がパライソタウンで騒動を起こしたのは
1万人以上が安否不明になって一時は日本中が騒然となったけど
宇宙人を撃退して住民も何とか無事戻ってきたらしい
何でも救出作戦に出たASと島にいたごく一部の住民が団結して宇宙人をやっつけちゃったんだって

それで、めでたしめでたしで終わればよかったんだけど……
日本政府の対応の遅さは国際的な信用を地に落としちゃった
そのせいで円安やら株価の下落やら起きちゃって
あと巨額の資金で建造されたパライソタウンの運用停止の影響も小さくなく
全てが影響して日本経済が悪くなっちゃった
それをフラッグマンショックって呼んでいる
7 : ごしゅPさま   2024/04/23 23:42:04 ID:tkGvoJItjo

歩「中山先輩はいいですよね~警察官でリストラとか無いでしょ~」

中山「そうでもないさ。警察だって色々あるんだぞ。……そうだ歩」

歩「な~に~」

中山「”顔の無い女”って知ってるか?」

歩「なにそれ~なぞなぞ?」

中山「知らないならそれでいい。忘れてくれ」

歩「そーなの」

歩「それで開田がさー」
 
8 : バカP   2024/04/23 23:42:35 ID:tkGvoJItjo




9 : Pチャン   2024/04/23 23:43:53 ID:tkGvoJItjo
PM 21:00


歩「それじゃそろそろ帰るかな」

中山「気をつけて帰れよ。タクシー呼ぶか?」

歩「アタシのアパートまで歩いて10分もかからないのにタクシーなんて要らないよ。それに酔いもさめてきたしさ」

歩「……今日はありがとう。少し落ち込んでたけど元気になったよ」

中山「おう、その調子で就職活動頑張れよ」

歩「ええ~それはどうかな~じゃまた」
 
10 : プロデューサー殿   2024/04/23 23:44:37 ID:tkGvoJItjo
バタン

中山「……相変わらず世話が焼ける。まあそんなところもかわいいんだが」

中山「顔の無い女……か」

中山「そうだ。あいつの就職先私の方からも探しておいてやるか」
 
11 : 毎日変態   2024/04/23 23:45:33 ID:tkGvoJItjo
ズズズズズズ

中山(何だ?このおどろおどろしさは)

ズズズズズズ

さっちゃんはね……

中山「!?」

---っていうんだ本当はね

中山「……」スッ

???「わたしのほんとうのなまえはなあに?」
 
12 : レジェンド変態   2024/04/23 23:45:55 ID:tkGvoJItjo








 
13 : 高木の所の飼い犬君   2024/04/23 23:46:55 ID:tkGvoJItjo
PM 22:00


ピンポーンピンポーン

歩「んー、どうしたんだろう」

ガチャ

歩「あれ、鍵が開いてる。無用心だなー」

歩「やーごめん!アタシ携帯忘れちゃってさー」

シーン

歩「……中山先輩?」
 
14 : 彦デューサー   2024/04/23 23:47:58 ID:tkGvoJItjo





 
15 : お父さんネズミさん   2024/04/23 23:48:39 ID:tkGvoJItjo


  第一幕 失踪

 
16 : der変態   2024/04/23 23:49:58 ID:tkGvoJItjo
5月6日 AM 8:30 
デンノーシティ
歩が部屋を借りているアパート

開田「それで中山先輩はその後帰ってこなかったんでやんすか」

歩「そーなんだよ。鍵開けっ放しもよくないって思ってさ。1時間ぐらい居たんだけど帰ってこないから結局そのままにして帰って来ちゃったよ」
 
17 : 3流プロデューサー   2024/04/23 23:52:26 ID:tkGvoJItjo

歩(こいつは開田具智(かいだぐじ)。同じアパートに住んでいるアタシの友人)

歩(もともと中山先輩とも知り合いで、就職するならアタシと同じところに……ってことで就職先も住むところも中山先輩の世話になりながら一緒のところにしたんだけどね)

歩(その会社が潰れてしまったから開田くんもアタシと同じ無職だ)
 
18 : 我が友   2024/04/23 23:53:48 ID:tkGvoJItjo

歩「スマホも置きっ放しだったし絶対おかしいよ」

開田「気になるでやんすけどオイラ達は就職活動があるでやんす」

歩「えー、アタシは焦らないでしばらくバイトをしながらのんびり探すよ」

開田「歩はのんきでやんす。……今度は絶対潰れない企業に入りたいものでやんすけどね」

歩「今の日本でそう言い切れるのは”大神グループ”ぐらいじゃない?」

開田「そんなの入れるわけないでやんす!」

歩「だよね」

開田「まあ入れば人生一生安泰でやんす。オイラも入りたいでやんす~」
19 : 魔法使いさん   2024/04/23 23:57:26 ID:tkGvoJItjo

歩(大神グループとは今日本でNo.1の企業だ)

歩(元々大きな企業だったけどフラッグマンショックで荒れる中、唯一ぐんぐんと急成長し抜きん出た)

歩(企業内容は主に工業製品の開発・製造と薬品を中心とした医療関係)

歩(日本企業にしては海外の企業にも強気で、2年前あのアメリカの企業No.1”ジャッジメント”が日本に進出した時に他の企業が怖じ気つくなか物申した事は今でも語り草)

歩(今や大神グループに逆らう企業は存在しない。政府でさえ大神グループの発言を無視できやしない。正に拡張抜きで日本で一番の企業 )

歩(実はアタシが住んでるアパートがあるデンノーシティは大神グループの工場が近くにある所謂ベッドタウンってところなんだ)
 
20 : プロデューサー君   2024/04/23 23:58:54 ID:tkGvoJItjo

歩「アタシ達なんかがそんな大企業に入れるわけないでしょ。まあ気楽に行こうよ良いとこ見つかるって」

開田「そうでやんすね」

歩「アタシはバイト行ってくるねー」
 
21 : 変態お化け   2024/04/23 23:59:42 ID:tkGvoJItjo




22 : 5流プロデューサー   2024/04/24 00:00:02 ID:80YJqhhwcU
PM 17:30

歩「あー今日もバイト疲れたな」

ガチャ

開田「歩~」

歩「あれ、どうしたのこんな夜に」

開田「実はオイラも気になって中山先輩のマンションに行って来たでやんす」

歩「そうなの、先輩居た?」

開田「いや、歩くんのいう通り鍵が開いていて部屋の中は誰も居なかったでやんす」

歩「そうなんだ。……先輩どうしちゃったんだろ」
 
23 : 師匠   2024/04/24 00:01:01 ID:80YJqhhwcU
開田「それが先輩の机に資料が置いてあったでやんす。何か手掛かりになるかもしれないでやんす」

歩「それって警察の捜査資料……って勝手に持って来ちゃだめだよ!」

開田「でも手掛かりが……」

歩「ダメ!今すぐ戻しに行って!」

開田「はいはいでやんす」

開田(でも戻す前にちょっとだけ……)



この後開田くんを本気で止めなかったことを後悔することになるんだ
24 : そなた   2024/04/24 00:02:20 ID:80YJqhhwcU

歩「まったく開田くんは……」

ピピピピッ

歩「ん?開田くんから電話だ。あっもしかして!」ピッ

歩「もしもし、先輩帰って来た?」

<歩!今すぐオイラの部屋に来てくれでやんす」

歩「どうしたの?」

<とにかく早く!

歩「仕方ないなぁ」
 
25 : そこの人   2024/04/24 00:05:02 ID:80YJqhhwcU
ガチャ

歩「入るよー。っと」

歩(玄関の扉を開けてまず目に入ったのは古くさい木の箱。届け物かな?)

ひとまずそれは無視して部屋の中へ入る

歩「まあいいや、開田くんどうしたのさ……」

と言いかけてアタシの体は硬直する。アタシが開田くんの部屋で見た光景は……


開田「歩、助けてくれでやんす!」

黒い女の影のようなものが開田くんを複数の黒い手を伸ばして飲み込む瞬間だったからだ

開田「うわぁぁぁぁぁぁ」

スポン
 
26 : MADE IN 変態   2024/04/24 00:05:46 ID:80YJqhhwcU
歩(開田くんが取り込まれた、いや喰われた!)

???「…………」

???「…………」ギロリ

歩「うひゃぁぁぁぁぁぁっ!」

ダダダダダッ
 
27 : Pくん   2024/04/24 00:06:25 ID:80YJqhhwcU
アタシは涙目になりながら急いで自分の部屋に戻り鍵を掛けて布団の中にうずくまったんだ

歩「うう……なんなんだよあれ……」ジワッ

その日アタシは部屋どころか布団の中すら出ることが出来なかった
でもこれから始まる奇妙で刺激的な毎日の序章に過ぎなかったんだ
 
28 : エビさん   2024/04/24 00:07:49 ID:80YJqhhwcU


  第二幕 魔人

 
29 : P君   2024/04/24 00:09:40 ID:80YJqhhwcU
5月7日 AM 6:00


歩「一夜明けて明るくなったし何とか部屋から出られたけど……」

歩「さすがに怖くて開田くんの部屋に行けないよ……」

歩(あれから開田くんに電話かけても出ないしやっぱり開田くんはあの化け物に……)ハッ

歩(まさか先輩もあの化け物に!)

歩(じゃあ次はアタシの番ってこと……)ブルブル

歩(そんなーーーーっ)バタン


そうしてその日も怖くて部屋から出ることが出来なかった……
 
30 : エビさん   2024/04/24 00:11:30 ID:80YJqhhwcU
5月8日 AM 9:00


歩(どうしよう。昨日バイト休んじゃったし今日は出ないと……)

歩(でもまだ怖い……せめて誰に相談すれば……)

歩(……あ、駄目だ。地元の友人は愛媛に居るし海外に居る兄貴には迷惑かけれないし)

歩(そもそもこの町に来たばっかりだから近くに居る友人なんて開田くんと中山先輩以外に居ないよ……)

ピンポーン
 
 
31 : プロデューサー君   2024/04/24 00:12:15 ID:80YJqhhwcU
歩「あっ、はーい」

ガチャ

渦木「すみません。警視庁刑事部捜査第一課特殊捜査第一係の渦木と申します」

歩「えっ、刑事さん」

突然の訪問者は化け物じゃなくてキリリと眼鏡をかけた刑事だった

渦木「捜査に協力していただきたいのですがお時間よろしいですか?」

歩「えーと、10時からバイトが始まる時間なのでその前なら……」
 
32 : そこの人   2024/04/24 00:13:01 ID:80YJqhhwcU


33 :   2024/04/24 00:13:42 ID:80YJqhhwcU

渦木「実はですね。私の部下が失踪事件に巻き込まれまして」

歩(部下……中山先輩のことか!)

歩「そ、そうなんですか」

渦木「彼女は真面目で優秀な人です。勝手に失踪なんてあり得ない」

渦木「それで彼女のマンションの防犯カメラを確認したのですが……」

歩(え……)

渦木「彼女、一昨日最後に部屋に入ってから出ていないんですよね」

渦木「その代わり怪しい男女が出入りしてましたが」

歩(アタシと開田くんのことだ……)

渦木「それで最後に入った開田具智さんの家に伺ったのですが彼居なくてですね」

渦木「その前に出入りしたあなたに話を伺おうと思いまして」キラーン

歩(あわわ……)パクパク
34 : Pさん   2024/04/24 00:15:02 ID:80YJqhhwcU
AM9:30

渦木「おや、もう時間ですか。また今度話しを伺います。その時には開田さんと一緒に話しを聞けるとよいのですが」

バタン

歩(絶対怪しまれてるよこれ……)アセダラダラ

歩「……とりあえずバイトに行こう」

警察に怪しまれてしまったものの、その緊張感で化け物に対する恐怖は吹っ飛んでしまい何とかバイトに行くことが出来た
 
35 : Pちゃん   2024/04/24 00:15:59 ID:80YJqhhwcU
PM17:30

歩(今日のバイトで4回もミスしちゃったよ……)

歩(まさか警察に疑われているなんて、怖がってる場合じゃない。何とか身の潔白を証明しないと)

歩(アタシの玄関の扉の前に木箱……これ、開田くんの部屋の前にもあったやつだ!)

歩(何でここに?)

歩(よくわかんないけど開田くんは中山先輩の部屋から資料を持ってきたって言ってた。この箱もそうなのかも)

昨日までのアタシなら怖がって放り投げたかもしれない
でも今のアタシは中山先輩と開田くんの手掛かりが欲しかったんだ

歩(よし、開けよう)
 
36 : そこの人   2024/04/24 00:17:11 ID:80YJqhhwcU
自分の部屋に戻って箱をおそるおそる開けてみると中から出てきたのは……

歩「ランプ?」コスコス



ドドドドン!!!


茜「呼ばれて飛び出てズドドドン!大魔人茜ちゃんだぞーー」

歩「魔人!?」
 
37 : 師匠   2024/04/24 00:18:00 ID:80YJqhhwcU
茜「ランプを擦って茜ちゃんの封印を解いたのはキミかにゃ?」

ランプから煙と共に魔人?を名乗る少女が飛び出してきた!

歩「そ、そうだけど」

茜「茜ちゃんの封印を解いたキミには願い事を3つ言いたまえ。この茜ちゃんが特別に叶えてさしあげよう」
 
38 : Pくん   2024/04/24 00:18:54 ID:80YJqhhwcU
歩(これっておとぎ話に出てくるじゃん!)

歩「え~本当に?夢じゃないよね。それじゃ……」

茜「あ、でもいくつか注意はあるよ。まず願いに関する願いは無理だね。願いの数を増やすとか願いを他人に譲渡するとか」

茜「あといくら大魔人茜ちゃんでも叶えられる願いに限度があるよ。何でもってわけじゃないにゃ~」

歩「例えばアタシをアメリカの大統領にとかは……」

茜「無理に決まってるでしょー!」

歩(なんだか段々怪しくなってきたなぁ……)
39 : 兄(C)   2024/04/24 00:20:08 ID:80YJqhhwcU
歩(ああ、これ願いだけ聞いて実は嘘でしたってパターンかな。過度な期待はしないでおこう)

歩「それじゃ……アタシの先輩と友人が何かに巻き込まれて行方不明なんだ。何とかならないかな?」

茜「うーん、ずいぶん曖昧な願いだにゃ~。そもそもその二人が黙ってキミの知らないところに行っただけって可能性もあるよね?」

歩「それは絶対ないよ!開田くんが何かに襲われたところは間違いなく見たしさ」

茜「でもその正体がわかんないんでしょ?正体わからないと解決しようがないにゃ~」

歩「それがわかんないから困っているんでしょ!」

茜「まーまー。それじゃ『二人が消えた謎を解いて二人を助ける』というのでいいかな」

歩「うん、それでいいよ」

歩(やっぱり駄目そう)
40 : Pーさん   2024/04/24 00:21:23 ID:80YJqhhwcU
歩「次は……友達!」

茜「友達?」

歩「アタシさ、今回で気付いたんだ独りぼっちの寂しさに。やっぱ友人は多い方がいいよ。5人以上欲しいな」

茜「なるほどね~。うんうんそれじゃ『仲間を5人以上作る』ってことでいいかな?」

歩(んん?何か変だな。まあいいか。どうせ胡散臭いし叶ったらラッキーぐらいに考えよ)
41 : 変態マスター   2024/04/24 00:21:55 ID:80YJqhhwcU
歩「最後か……何にしようかな」

歩「………………」ウーン

歩「最後の願いなんだけど……やっぱりアタシはダンスを捨てられない」

歩「だからダンスを生かしたところで就職したい。駄目かな」

茜「まあ可能だけど就職先に要望とかあるの?企業名とか待遇とか」

歩「ダンスを生かせる就職先なら何でもいいよ」

茜「オーケー、じゃ最後の願いは『ダンスを生かせるところに就職する』だね」
42 : へっぽこ大名行列   2024/04/24 00:22:39 ID:80YJqhhwcU

茜「ファイナルアンサー?」

歩「ファイナルアンサー!」

歩(ま、どうせやってみたけど駄目でしたーって落ちでしょ)
43 : プロデューサーさま   2024/04/24 00:23:33 ID:80YJqhhwcU
茜「それじゃ魔法をかけるよ!アンニャカタブラサッサ!」

ぽわわ~ん

歩「あれ、今アタシに魔法をかけたの?」

茜「そうだよ~」

歩「案外簡単なんだね。中山先輩と開田くんはどこー?」

茜「これから頑張らなきゃいけないね」

歩「え、どういうこと?」

茜「キミにさっきの願いを“1年以内に実現しないと死んじゃう”魔法をかけたからね」
44 : レジェンド変態   2024/04/24 00:24:54 ID:80YJqhhwcU
歩「…………………………」


歩「な、な、な、何だってええええええっ!!!」
 
45 : プロ太郎さん   2024/04/24 00:25:49 ID:80YJqhhwcU
茜「よかったね~絶対願いは叶うよ」

歩「それって叶うか叶わないで死ぬかの二択なだけじゃないか!」

茜「そーかもね。大丈夫死ぬ気になれば出来ないことじゃないしこの茜ちゃんもサポートするからね」

茜「それじゃここら辺でさよなら~」

ぽわわ~ん

歩「……あの…………ウソでしょ……」

歩「うそだと言ってよぉぉぉぉぉぉっ!」 
 
46 : 師匠   2024/04/24 00:41:57 ID:80YJqhhwcU
舞浜歩 成人主人公

遠い地元を離れて上京して来た女性
アメリカ仕込みのダンスは中々のものだが評価される機会に恵まれず
また本人も都会の風に打ちのめされてナイーブになり半ばやけに就職しようとしたところで
就職が失敗した
それが良かったのか悪かったのかは今後の彼女次第
何やら特殊な体質があるらしい
47 : ダーリン   2024/04/24 00:49:02 ID:80YJqhhwcU

中山正美(なかやままさみ)  優しい先輩

歩より年上の大人の女性。職業は警察官
歩のことは妹のように可愛がっていた
因みに彼女はアイマスでもパワポケでもないオリジナルキャラ
理由は……本編を見たらわかりますね
歌織先生の時の過ちは繰り返さない(戒め)
48 : 仕掛け人さま   2024/04/24 00:54:01 ID:80YJqhhwcU
開田具智 歩の同郷の友人

歩の友人で歩が上京する際にこれは幸いと一緒にくっ付いて来た
かなりのオタクで彼の部屋はフィギュアやグッズでいっぱい
…………え。オイラの出番これで終わり?
49 : プロデューサー様   2024/04/24 00:57:26 ID:80YJqhhwcU
渦木淳二  刑事

歩の身辺を捜査している刑事
中山先輩の上司だったらしい
50 : ぷろでゅーさー   2024/04/24 01:01:15 ID:80YJqhhwcU
茜ちゃん

ランプから突如出現した魔人
姿は美少女そのものだが何百年も生きているらしい
歩に怪しげな魔法をかけるが何やら理由があるようだ
51 : プロデューサーさん   2024/04/24 01:09:28 ID:80YJqhhwcU
今日はここまでにします
プロフィールの内容が薄いですが物語が進むにつれ更新していく予定です
ホラーサスペンスのように進行してますが中盤にはいつも通りに戻ります
次回で物語の大筋が見えてくるのでこのSSよくわからんってなってもどうかご視聴のほどお願いします
ストックがあるので早く投下出来ると思いますので
52 : Pサン   2024/04/24 21:17:34 ID:80YJqhhwcU


  第三幕 仲間

 
53 :   2024/04/24 21:19:34 ID:80YJqhhwcU
4月9日 8:00 アパート前

歩「……昨日のこと本当のことだったのかな……もしかして夢だったのかも」

歩「ついでに中山先輩や開田くんが消えたのも夢だったり……ならないか」

歩「今日もバイト頑張らないとね」
 
54 : あなた様   2024/04/24 21:21:44 ID:80YJqhhwcU

典子「…………」

歩「田村ちゃんおはよう」

典子「……おはようございます歩さん」

歩「田村ちゃんこれから学校?」

典子「典子でいいですよ年下ですし」

歩「あ……そうなの。典子ちゃん中学校だったよね」

典子「中学二年生です」

歩「中学二年生かぁ……」

典子「はい」 
 
55 :   2024/04/24 21:22:36 ID:80YJqhhwcU
歩「……………」

典子「………………」

歩(は、話しづらい子だなぁ)

典子「……じゃ」

歩「う、うん」


タタタッ


歩「ふぅ」
56 : プロヴァンスの風   2024/04/24 21:23:23 ID:80YJqhhwcU
さっきの少女は田村典子(たむらのりこ)このアパートの住民
彼女は家庭環境で色々あって無愛想だけど本当は良い子だ
 
57 : Pちゃま   2024/04/24 21:26:19 ID:80YJqhhwcU

典子父「どうも」スッ

歩「あ、田村さん」

典子父「すみませんね。愛想のない娘で」

歩「そんなことないよ。アタシは年相応で良い子だと思うよ」

典子父「これも母親がいないせいかなぁ。父親の私もリストラに遭って無職だし」

歩「あははは……それ言ったらアタシだって無職だよ」

典子父「お互い大変ですね。あはははは……」

歩「ははは……」

典子父「それじゃ……」スッ

歩(典子ちゃんの最大の問題はあの父親なんだよなぁ……)
 
58 : P様   2024/04/24 21:27:48 ID:80YJqhhwcU
ちなみにこのアパート。立地はともかくボロいせいか大家さんを除いたら
アタシや開田くん典子ちゃんを入れても4人しか住人がいないんだ
59 : プロ太郎さん   2024/04/24 21:28:24 ID:80YJqhhwcU



60 : ぷろでゅーしゃー   2024/04/24 21:28:49 ID:80YJqhhwcU
AM 10:00 とある倉庫

歩「今日もよろしくお願いします」

係長「おう今日も頼むぞ歩、朱里」

歩(この倉庫はアタシのバイト先。作業内容は荷物の仕分け作業だ)

歩(シフト制で融通も利くし拘束時間も長くないから次の仕事が見つかるまではここで働くつもり)
61 : Pしゃん   2024/04/24 21:29:39 ID:80YJqhhwcU
朱里「ちょっと歩、忘れてないでしょうね。一昨日あんたが欠勤した時ヘルプで出たのあたしなんだからね」

歩「わかってるよ。それでいつも通りでいい?」

朱里「そうよ。今日は仕事終わりにいつものファミレスでたっぷり奢ってもらうからね」

歩「ははは……。お手柔らかに」
62 : プロデューサーちゃん   2024/04/24 21:30:38 ID:80YJqhhwcU
歩(彼女は浜野朱里(はまのあかり)バイト仲間だ)

歩(アタシのバイト先の女性はアタシと朱里しか居なくて。だから自然と仲良くなったんだ)

歩(手先が器用なのか仕事が早いしアタシもよく助けられてるんだけど、たまに奢らされるんだよね)

歩(よくないなぁとは思うんだけど……彼女仕事中は支給される作業服を着てるから周りは気付かないけど私服はボロボロだしよく見ると肌や髪もちょっと荒れてる)

歩(気さくに話しかけてくる彼女だけど自分の環境や境遇の話は一切したことがない。……多分何かあるんだろうな)
 
63 : 番長さん   2024/04/24 21:31:55 ID:80YJqhhwcU

朱里「今日は楽しみね。さっさとバイトなんて片付けちゃいましょ」ニコニコ

歩(本人も喜んでるしまあいいかな)

その日はバイト終わりに朱里と二人で食事をしながら話し合った
一応朱里も気を遣って数こそ頼んだけどどれも安いメニューばかりで助かった
 
64 : お父さんネズミさん   2024/04/24 21:33:34 ID:80YJqhhwcU




65 : der変態   2024/04/24 21:37:11 ID:80YJqhhwcU
PM 19:30

歩「今日はなんか楽しかったなー。朱里と色々話し出来て良かったよ」ガチャ

茜「お帰りー」

歩「…………」

歩(ああ……夢じゃなかった)
 
66 : プロデューサー   2024/04/24 21:38:43 ID:80YJqhhwcU
茜「さっそくご飯にしますかご主人様?」

歩「外で食べて来たからいいよ。もしかしてご飯作ってくれた?」

茜「いや別に。ノリで言っただけだよ~?」

歩(こいつ……)

歩「それで、ご主人様ってアタシのこと?」

茜「そうだよ。茜ちゃんの封印を解いたんだからご主人様でしょ」

歩「ご主人様にあんな魔法をかけるものなの?」

茜「願いを叶えるには代償はつきものだよ。茜ちゃんの知り合いに願いを叶える代わりに魂を貰う悪魔がいるけどそっちがよかった?」

歩「そんなの絶対嫌だ!」
67 : 最低最悪変態プロデューサー   2024/04/24 21:50:08 ID:80YJqhhwcU
茜「まあ、うまい話はそんな簡単に無いってこと。願いは自分の力で叶えるのが一番だよ」

茜「それに茜ちゃんがアフターサービスとして願いを叶えるまでは傍にいて手伝ってあげるよ。何とかなる気がしてきたでしょ?」

歩(頼りになるのかなぁ?)

茜「そうだ。ご主人様がお出かけしている間、渦木って警察官が周りを調査してたよ?」

歩「あの警察官だ。このままだとマズいよね……やっぱり自分で謎を解いて無実を証明するしかないのかな」

歩(アタシ怖いの苦手なんだけど)
68 :   2024/04/24 21:51:31 ID:80YJqhhwcU
茜「じゃあ茜ちゃんから貴重な貴重なアドバイス!その調査をしていた警察官はこう呟いていたよ。”顔が無い女”ってね」

歩「それ先輩も言ってたよ!そういえば開田くんを喰ったあの化け物の顔が一瞬見えたけど黒い女の影にライトのような目が二つあるだけだった」

歩「顔が無い女、それがあの化け物の名前か」
69 : 監督   2024/04/24 21:52:07 ID:80YJqhhwcU
歩「っていうか茜って自由に出歩けるの?あまり出歩いて他の人に見つかると大騒ぎになっちゃうよ」

茜「このランプの周囲だったら多少動けるんだにゃ~。それと大丈夫、茜ちゃんの姿と声ははご主人様しか見えないし聞こえないよ」

歩(……茜と二人で話しているところを他の人に見られないようにしよう)

歩「そうなんだ……ご主人様って堅苦しいから名前で呼んで欲しいな。アタシの名前は舞浜歩だよ」

茜「じゃあマイハマンだね。あらためてよろしくねマイハマン♪」

歩「何でそうなるんだよ。マイガー!」
70 : ハニー   2024/04/24 21:53:49 ID:80YJqhhwcU

歩「顔が無い女かぁ」

歩(先輩もアタシに聞いてきたし何か関係があることは間違いない)

歩「ひとまずネットで調べてみようかな」スマホカチカチ


ズズズズズズズズ


歩「んー、スマホで検索しても出ないなー」


ズズズズズズズズズズズ

茜(…………)


ズズズズ……ズ!

茜「…………」キッ


ズズズ…… シュウウ
 
71 : P君   2024/04/24 21:54:32 ID:80YJqhhwcU

歩「駄目だ。検索したけど顔が無い女だけじゃ何も出てこないよ」

歩「あれ、茜どうかした?」

茜「何でもないよ」ニコニコ
 
72 : 変態大人   2024/04/24 21:55:27 ID:80YJqhhwcU
茜「そういえばマイハマンって順応能力が高いよね」

歩「そうかな?」

茜「顔が無い女もそうだし大魔人茜ちゃんを見てもそんなに驚かなかったでしょ?」

茜「茜ちゃん今までいくつかの人に現れたけど、驚いて会話になんなかったり慌てて逃げた人もいたにゃー」

茜「だからほとんど動じてなかったマイハマンはすごいよっ」

歩「それはね。実はアタシは霊感……っていうのかな?が強い方でさ」

歩「昔から幽霊とか精霊みたいなものとか見慣れているんだよ」

歩「何度見ても幽霊は怖いままだけどね」

茜(なるほど……ね)
73 : 最低最悪変態プロデューサー   2024/04/24 21:56:53 ID:80YJqhhwcU
茜「なるほど、マイハマンは素質があったってことだね。だから茜ちゃんもマイハマンに引き寄せられてここに来のかも」

歩「うう……。幽霊は怖いしこんなことに巻き込まれるし今までで得したことないよぉ」

茜「それで何か手掛かり見つかった?」

歩「うん、顔が無い女の手掛かりは無かったんだけど」

歩「不思議現象やオカルトを取り扱っているオカルトマニアが近くに住んでてさ」

歩「その人ブログにダメ元で連絡してみたら興味持ってくれて明後日会ってくれるってさ」

茜「おーっ、何か手掛かりになること聞けるかもね」

歩「明日と明後日はバイト休みだし頑張って調査するよ!」
 
74 : Pーさん   2024/04/24 21:57:40 ID:80YJqhhwcU





 
75 : 5流プロデューサー   2024/04/24 22:01:27 ID:80YJqhhwcU
>>53
4月9日となっていますが5月9日の間違いでした

 
76 : 変態大人   2024/04/24 22:02:01 ID:80YJqhhwcU
5月10日 AM 7:30

歩「いい天気だな~。絶好の調査日和だね」

典子「…………」

歩「典子ちゃん、花壇に水あげてるの?」

典子「……うん、ヒマワリ。私が水あげないと枯れちゃうから」

歩「そうだね。このアパートで花育てているの典子ちゃんだけだからね」

歩(そもそも大家さん入れて5人しか住人いないけど)
77 : 変態大人   2024/04/24 22:02:55 ID:80YJqhhwcU
典子「この子達他のヒマワリと違ってちょっと変わっているの」

典子「花が咲くまで半年」

歩「ヒマワリってそんなに花が咲くの遅かったっけ」

典子「うん」

歩「…………」

典子「……それじゃ学校に行くんで」


タッタッタッ
78 : 我が下僕   2024/04/24 22:04:01 ID:80YJqhhwcU


大家「オッホン」

歩「あ、大家さん」

大家「失礼だね、あたしだってアパートの周りを綺麗に整えたりしてるよ」

歩「今の話聞いていたんですか」

大家「あの子も大変だからね。気にかけているんだよ」

歩「ああ……確かに」
79 : P様   2024/04/24 22:04:43 ID:80YJqhhwcU
大家「でもあたしはお婆さんだからね。ああいう子はなるべく年が近い方がいいんだ。あんたもなるべく声をかけてやって」

歩「……うん」

大家「だけどねぇ。出来れば”同い年でガーデニングに詳しい女の子”があの子の近くに居てくれればいいんだけどね」

歩「そうだね……」
80 : ぷろでゅーさー   2024/04/24 22:05:24 ID:80YJqhhwcU
大家「そうだ、あんたの隣の部屋、空室だったろ?近々新しい人が引っ越してくるみたいだからよろしくね」

歩「わかりました」

歩(このタイミングで引っ越して来るの?茜絡みでトラブルとか起きなければいいけど)
 
81 : プロデューサー様   2024/04/24 22:06:46 ID:80YJqhhwcU




82 : 貴殿   2024/04/24 22:07:14 ID:80YJqhhwcU
PM 12:00   近所の公園

キュッ ダン ドン!

歩「ふーっ。こんなもんかな」

歩(一度は諦めかけたダンスだけど今も練習が出来る日はこの公園でダンスの練習をしている)
83 : 兄(C)   2024/04/24 22:08:13 ID:80YJqhhwcU
歩「そろそろ帰ろうかな」

矢橋「ばぁ~」

歩「うひゃっ」

矢橋「ねぇドキドキした?ドキドキしたでしょ?」

アタシを驚かしたのは二十歳になったかなってないかの女の子だった

歩「き、君は誰だよ」

矢橋「アタシ?アタシは矢橋美保(やはしみほ)って言うの。アンタは?」
84 : 3流プロデューサー   2024/04/24 22:09:11 ID:80YJqhhwcU
歩「アタシは舞浜歩だよ。もしかしてアタシが踊っているところ全部見てたの?」

矢橋「そーよ。いやーいいもの見せてもらったわ」

歩「見ないでよ!恥ずかしい」カアア

矢橋「やーだ。これからも見せてね。じゃ」

ダダダダッ

歩「な、何だったんだあの子……」
 
85 : プロデューサーはん   2024/04/24 22:10:17 ID:80YJqhhwcU






 
86 : お兄ちゃん   2024/04/24 22:10:59 ID:80YJqhhwcU
次の日
5月11日 AM 9:00

歩「よし、これからオカルトマニアの千脇さんのところに行って来るね」

茜「茜ちゃんも一緒に行こうかにゃ?」

歩「いいよ、留守番してて」

歩(連れて行ったらめんどくさそうだし)

茜「お土産はプリンでよろしくね~」

歩「何で!?旅行じゃないんだよ」

茜「ちえー」

そうして茜は家に置いてきてアタシは二駅ほど離れた千脇さんの家に向かった
87 : 彦デューサー   2024/04/24 22:12:30 ID:80YJqhhwcU


88 : ミスター・不純物   2024/04/24 22:12:57 ID:80YJqhhwcU
AM 11:00 千脇の家

歩「すみませーん。ブログで連絡した歩です」

千脇「ああ、君が舞浜歩さんか。まあ中に入って」


そして

カクカクシカジカ ゲットマイシャイン

歩「ってわけなんです」
89 : 仕掛け人さま   2024/04/24 22:14:13 ID:80YJqhhwcU
千脇「顔が無い女ねぇ。自分も結構都市伝説とか詳しいつもりだけど聞いたことないね」

歩「そうですか……」

千脇「でも最近突然人が失踪するって噂は聞いたことあるね。もしかしたらそれに関わってるかもしれない。何にせよ興味出てきたよ」

歩「本当に!」

千脇「まあ今の状況だと情報が少なすぎてなんとも言えないけどね」
90 : 変態・オブ・ザ・イヤー   2024/04/24 22:16:10 ID:80YJqhhwcU
千脇「そうだ。他の件なんだけどこの画像見てくれよ」

歩「これは……」

千脇「一年前に日本に向かってたアメリカの軍艦4隻が台風によって陸に打ち上げられた事件があったろ」

歩「そういえばあったね」

千脇「その時の画像らしいんだけど、ここに人影が写っているだろ」

歩「あっ本当だ」

千脇「軍艦を転覆させたのこの人影がやったんじゃないかって話しなのさ」
91 : Pさぁん   2024/04/24 22:17:38 ID:80YJqhhwcU
歩「まさか」

千脇「いーや、間違いないね。他にも……」

歩(あれ?もしかしてこの人そういう話しがしたくて家に呼んだんじゃ……)

歩「それじゃアタシは次の予定はあるからこの辺で……」

千脇「そうかい。じゃ新しい情報が出たらブログで教えてくれ」 
 
92 : P様   2024/04/24 22:19:11 ID:80YJqhhwcU




 
93 : 下僕   2024/04/24 22:19:38 ID:80YJqhhwcU
千脇「中々綺麗な女性だったな。顔の無い女ねぇ。まあブログのネタにはなるか」


ズズズズズズ

千脇「えーと、最近失踪事件あり。顔が無い女の仕業!?……っとタイトルはこんなもんでいいかな」カタカタ

ズズズズズズズズズ
 
94 : ごしゅPさま   2024/04/24 22:21:11 ID:80YJqhhwcU
千脇「ん、何だ?」


-さっちゃんはね


千脇「まさかこれが……」ゴソゴソ


---って言うんだほんとはね

千脇「これはスクープだ」つビデオカメラ
95 : ぷろでゅーしゃー   2024/04/24 22:21:45 ID:80YJqhhwcU
ズズズズズズズズズズズ!!!

???「わたしのほんとうのなまえはなあに?」

千脇「顔が無い女だろ!」つビデオカメラ


--ざんねん

???「は・ず・れ」


ガプッ
96 : Pさん   2024/04/24 22:22:10 ID:80YJqhhwcU




 
97 : Pチャン   2024/04/24 22:23:22 ID:80YJqhhwcU
PM 15:00 アパート前

歩「あまり収穫無かったなー」

渦木「舞浜歩さんですね」

歩「うわっ、刑事さん」

渦木「こないだの話の続きをしたいのですが……」

歩(ああ……アタシ終わったかも)

渦木「立ち話もあれですし近くの喫茶店に行きますか」

歩「はい……」
98 : おやぶん   2024/04/24 22:24:20 ID:80YJqhhwcU


99 : 変態大人   2024/04/24 22:24:36 ID:80YJqhhwcU
渦木「あれから開田さんの調査も行ったのですが……どうやら彼も行方不明みたいですね」

歩(どうやらもう隠しようないよね……もう正直に話すしかないよ)

歩「あの、信じてもらえないかもしれないんですけど全て話します!」
100 : 仕掛け人さま   2024/04/24 22:25:36 ID:80YJqhhwcU
カクカクシカジカユニゾンビート


歩(茜のこと以外は素直に話した)


渦木「女の姿をした化け物ですか」

歩「……信じられないですよね」

渦木「いえ信じますよ」
101 : Pサン   2024/04/24 22:26:20 ID:80YJqhhwcU
歩「えっ」

渦木「実はここ二日間のあなたの動きを見てました。まあ二人を攫ったり殺したりする人の動きでは無かったですし」

渦木「それに中山からはあなたのこと聞かされていたのでね。それを聞く限りはあなたはそんなことする人ではないでしょう」

歩(中山先輩……)

渦木「とはいえ警察官たるもの私情を挟むわけにはいきませんから一応調査は行ったわけです」
102 : レジェンド変態   2024/04/24 22:27:46 ID:80YJqhhwcU
渦木「ですが弱りましたね。あの現場にいたあなたからなら何か手掛かりが得れると思ったのですがこれでは……」

歩「あの!」

渦木「なんです?」

歩「アタシも捜査に協力させてください。あの二人はアタシにとっても大事な人達なんです」

渦木「お気持ちは嬉しいですが警察が一般人と一緒に捜査することは出来ないんですよ」
103 : プロちゃん   2024/04/24 22:29:53 ID:80YJqhhwcU
歩「うー……」

渦木「そうだ。武内ミーナという方はご存じで」

歩「知ってる!有名なジャーナリストですよね。あの『パライソタウンの真実』を発表したりとか」

渦木「ええ、そうです。実は彼女が今回の失踪事件に協力したいと言ってきまして。我々も捜査が手詰まりだったのでぜひ協力してもらおうと思っていたのです」

渦木「あなたは彼女と協力して我々とは別にに調査してもらえないでしょうか」

願ってもない申し出だ。アタシはすぐさま体を乗り出した

歩「アタシからもぜひお願いします!」

渦木「ちょうど今日会うことになってます。一緒に来てください」
104 : プロデューサーくん   2024/04/24 22:31:04 ID:80YJqhhwcU



105 : 毎日変態   2024/04/24 22:31:18 ID:80YJqhhwcU
とあるホテルのロビー


渦木「はて、待ち合わせ場所はここのはずですが……」

???「お待たせしました!」

渦木「おや、武内ミーナさんと聞いていましたが」

???「ミーナさんは色々あって今は動けません。代わりに亜利沙が来ました」
106 : プロヴァンスの風   2024/04/24 22:32:19 ID:80YJqhhwcU
亜利沙「申し遅れました。武内ミーナの一番弟子、松田亜利沙です!」

渦木「ミーナさんにお弟子さんがいたんですね。しかもお若いみたいですが」

亜利沙「ミーナさんには全然及びませんが亜利沙、任された以上全力でミーナさんの代理を務めます」

渦木「それは頼もしい。私は警視庁刑事部捜査第一課特殊捜査第一係の渦木淳二です」

歩(すごい。まだ大学生くらいの子があの武内ミーナの弟子だなんて...)
107 : ボス   2024/04/24 22:33:21 ID:80YJqhhwcU



渦木「なるほどそちらのジャーナリストの方々にも失踪者が出ていると」

亜利沙「そうです。それでこちらも独自で調査していたのですが……ミーナさんや亜利沙だけの手に負える事件じゃありません」

渦木「正直我々の手も余っている状況です。お互い協力して捜査すべきですね」

渦木「亜利沙さんはそのまま独自に捜査を進めてください。それ上で……歩さんと一緒に捜査していただけませんか」
108 : プロちゃん   2024/04/24 22:34:10 ID:80YJqhhwcU
歩「アタシは先輩と友人がその化け物に消される場面にいたんだ。きっと役に立てるよ!」

亜利沙「おお、今はどんな手掛かりでも欲しいところですからね。大歓迎ですぅ」

歩「よろしくね亜利沙さん」

亜利沙「歩さんの方が年上ですから亜利沙でいいですよ」


そうしてアタシと渦木刑事と亜利沙はお互いの情報を共有して事件を追って行くことにしたんだ
渦木刑事は頼もしい上に理解力があって亜利沙も年上ながらもあの武内ミーナさんから手ほどき受けていて頼りになりそうだ
これなら何とかなるかも
109 : あなた様   2024/04/24 22:35:02 ID:80YJqhhwcU




110 : せんせぇ   2024/04/24 22:35:46 ID:80YJqhhwcU
PM 20:00 歩の部屋

茜「遅かったね~収穫はあったの?」

歩「あったってもんじゃないよ」


カクカクシカジカプリティーニャンニャン


茜「へー。まずは刑事から疑い晴れて良かったね」

歩「本当だよ。亜利沙もすっごい人でさ。失踪事件の謎も何とかなりそう」

茜(そう簡単にうまくいくかにゃ……)
111 : 変態マスター   2024/04/24 22:36:39 ID:80YJqhhwcU
茜「そうだ。マイハマンが居ない間に新しいお隣さんが来たみたいだよ」

歩「大家さんが言ってた人かな」


ピンポーン


歩「噂をすればかな。はーい」ガチャ
112 : 魔法使いさん   2024/04/24 22:37:40 ID:80YJqhhwcU
???「夜分にごめんなさいね。今日から引っ越して来た者です」

???「これ、引っ越しの挨拶だぞ!」

歩(大人のお姉さんに……女子中学生かな)

歩「ありがとー。奥さんとお子さんですか?」
113 : レジェンド変態   2024/04/24 22:38:26 ID:80YJqhhwcU
???「えっ。……まあそうよ。百瀬莉緒です、今後ともよろしくね。そしてこの子が」

???「たまきだぞ。おおが……」

バッ

莉緒「百瀬、百瀬環よね環ちゃん」

環「もがもが」

歩(おおが……って言いかけた気がしたけど気のせいかな)
114 : Pサマ   2024/04/24 22:39:26 ID:80YJqhhwcU
歩「親子で引っ越して来たんだね。お父さんは仕事かな」

莉緒「わけがあって主人とは別れまして。それで引っ越してきたんです」

???「あたしからも自己紹介したほうがいいかい」

莉緒「あっ、もうしょうがないわね」
115 : ぷろでゅーさー   2024/04/24 22:40:19 ID:80YJqhhwcU
ひなた「初めまして木下ひなたっていうんだわ。今は莉緒さんのところでお世話になってるべさ」

歩「ひなたちゃんは莉緒さんの娘じゃないんだね」

莉緒「ま、まあわけあってね。預かっているのよ~」オホホ

環「それじゃお姉さんまたねー」

バタン



茜「何だか騒がしい人達だったね」

歩(茜ほどじゃないけどなあ)
116 : イルデューサー   2024/04/24 22:41:07 ID:80YJqhhwcU



 
117 : プロちゃん   2024/04/24 22:41:35 ID:80YJqhhwcU
「もー、苗字は言っちゃだめって言ってるでしょ?」

「ごめん莉緒」

「それとひなたちゃんも勝手に出てきちゃだめ。”あいつら”の仲間だったらどうするの」

「んー。あたしあの人は大丈夫な気がするんだわ」

「たまきもそう思うぞ」

「もう。しばらくここで身を隠すわよ、いいわね」

「「はーい」」
118 : お兄ちゃん   2024/04/24 22:43:20 ID:80YJqhhwcU
第三幕はここまでになります
次にプロフィールをあげます
119 : 我が友   2024/04/24 22:50:20 ID:80YJqhhwcU
田村典子   中学生

歩と同じアパートに住む中学二年生
父親があれなせいか中学生の割にはしっかりしている。料理の腕も中々のもの
ヒマワリはとある理由で育てているが手探りで育てているため
うまくいってないところもあるようだ
120 : 変態マスター   2024/04/24 22:57:31 ID:80YJqhhwcU
大家

歩が住んでるアパートを住み込みで管理しているお婆さん
本名は伊藤守
夫は先立ってしまい静かに余生を過ごしている
本人は和菓子とお笑い番組があれば幸せ
121 : 最低最悪変態プロデューサー   2024/04/24 23:04:39 ID:80YJqhhwcU
浜野朱里  歩のバイト仲間

歩のバイト先、倉庫の仕分け作業場で知り合った女性
女性ながら常人より動きが早く力もあり周りから重宝されている
彼女は自分のことは一切喋ろうとしないらしく、歩も歳すら知らないとのこと
歩とは気が合ったらしく、よき話し仲間だが何かに付けて奢らされるらしい
……因みに彼女と歩のバイト先の給与は非常に安い
122 : プロ太郎さん   2024/04/24 23:09:15 ID:80YJqhhwcU
矢橋美保  

歩が公園で出会った女性。歳は19歳
元々公園には休憩で何度か訪れていたがたまたまダンスを踊る歩を見つけてファンになった
……実は作者のペンネームはこのキャラから取ったらしい
123 : Pさん   2024/04/24 23:15:48 ID:80YJqhhwcU
渦木淳二  ベテラン刑事

今回の失踪事件を担当している刑事
頭脳明晰で行動力もあり一般人とコンタクトをとる柔軟さも持ち合わせている
刑事としてオカルト的なものは信じたくはないようだが今回は流石にそうは言える状況ではないようだ
既婚者であるが家庭内環境はうまくいってないらしい
124 : プロデューサー   2024/04/24 23:25:06 ID:80YJqhhwcU
千脇  オカルトマニア

その界隈では有名なオカルト関連のブログを運営している男
その範囲は心霊現象からUMAまで様々
常にブログ運営のため常にネタを探している
だが新たな犠牲者となってしまった
125 : ぷろでゅーしゃー   2024/04/24 23:32:07 ID:80YJqhhwcU
松田亜利沙  ジャーナリストの卵

あの事件からしばらくしてハタ侵略の取材を武内ミーナから受けた際
思い切って弟子入りをお願いした。始めはミーナも彼女の身を案じ渋っていたものの
今では自分の後継にと訓練中
ハタ侵略で築き上げた彼女なりのコネとパワーアップした亜利沙アンテナが彼女の武器
126 : 下僕   2024/04/24 23:39:06 ID:80YJqhhwcU
百瀬莉緒  フリーのエージェント

国際スパイは廃業し今は当てもなくふらふらしていた
……のだが今は重要な任務に就いている
保護者じみた生活が続いたせいか裏の技術の衰えを最近感じている
だが本人もそんな生活が自分に合っていると感じて悩んでいる
127 : お兄ちゃん   2024/04/24 23:44:37 ID:80YJqhhwcU
大神環  百瀬環?

ハタ怪異による大冒険も終わり無事普通の少女に戻った。はずだが……
ハタ人間の時は小学生だった彼女も今は中学生
彼女の姓はあの大企業と同じで…………
128 : ご主人様   2024/04/24 23:47:00 ID:80YJqhhwcU
木下ひなた  保護されている少女

環と一緒に莉緒に保護されている少女
何やら特殊な事情がありそうだ
129 : ミスター・オールドタイプ   2024/04/24 23:59:43 ID:80YJqhhwcU
今回はここまで
主な登場人物も出揃い、いよいよこれからってところですが
ストックも切れて次の更新はまたまったりになります
パワポケ4のころから登場し以後パワポケシリーズを最後まで影響を与え続けた大神の名が環と被っていたことに
最近気付いてこんなプロットになりました
Twitterじゃ大神の姓はミリオンよりパワポケで先に知ったという声があるほどでしたが作者は全く気付かずハタ人間を進めていました
今回も感想意見等は募集中です
新シリーズの率直な感想が欲しいので ではでは
130 : プロデューサー   2024/04/25 22:17:16 ID:nUbARlCfW.
大神と言われてどのキャラクターをイメージするかで世代と趣味がなんとなくわかる気がする
私はパワポケ4の大神です
131 : 矢橋P   2024/04/26 00:26:00 ID:qVLukch./I
>>130
大神といえばあとサクラ大戦も有名ですよね
同じパワポケの大神でも4とは
自分はすっかり野球選手の大神博之ではなく11~14の社長の博之のイメージの方が強くなりました
132 : お兄ちゃん   2024/04/26 23:23:25 ID:.qx5mW1Yec
このSSだと渦木さんは主人公の相棒ポジションにならないのかな
ミ-ナさんは!!!
武内ミ-ナの出番は無いんですか!!!
133 : 矢橋P   2024/04/27 20:07:38 ID:BcQeNtDKXI
>>132
すみません、ミーナさんは亜利沙に出番を譲りました
渦木さんとミーナさんと歩の三人で調査を進めてもよかったのですが
あまりパワポケキャラだけで固めるとせっかくミリオンとクロスさせてる意味が無くなるので……

執筆が進んでいるので近々投下できると思います
予告ですが第四幕のタイトルは 大神 です
134 : おやぶん   2024/04/28 23:51:52 ID:6AOy/3FEos


  第四幕 大神

 
135 : Pサマ   2024/04/28 23:53:45 ID:6AOy/3FEos

あれから数日経った
アタシと亜利沙は一旦お互いの情報を整理するための情報交換することになった
その打ち合わせを今日の午後行う予定だ
 
 
136 : ミスター・オールドタイプ   2024/04/28 23:54:35 ID:6AOy/3FEos
5月15日 AM 9:00 歩の自室


歩(今日はバイト休みだけど亜利沙の打ち合わせは午後からだ。空いた午前中はどうしよう。何も無ければダンスの練習でもしようかな)

茜「ね〜ね。暇なら茜ちゃんと遊ばない?マイハマンはもうちょっと茜ちゃんに構うべき!」

歩「えー。バイトから帰って来た時も遊んだりしているじゃない」

茜「茜ちゃんは常に構ってもらわないと寂しくて泣いちゃうんだよ?」

歩「だいたい遊ぶたってアタシはトランプしか持ってないからババ抜きぐらいしか出来ないよ?」

茜「もー。人間もここ数百年で大分進化しているみたいだしマイハマンもアップグレードしないと。茜ちゃんはビデオゲームってやつやってみたいな」

歩(どこでそんな知識仕入れてくるんだよ)
137 : プロデューサーちゃん   2024/04/28 23:56:18 ID:6AOy/3FEos

ピンポーン


歩「誰か来た。茜は他の人には見えないんだから静かにしててよ」

茜「はーい」

歩「誰ですかー」
 
138 : プロヴァンスの風   2024/04/28 23:56:53 ID:6AOy/3FEos
「環ちゃんまずいべさ」

「ちょっとぐらいいいでしょ、ね?」


歩(この声は)
139 : ミスター・馬車馬   2024/04/28 23:58:42 ID:6AOy/3FEos
ガチャ

環「おはようございます~」

ひなた「おはようございます……」

歩「おはよう。二人揃ってどうしたの、莉緒お母さんは?」

環「莉緒は出かけて居ないんだ。ねぇ、お姉さんたまきと一緒にあそぼ~」

ひなた「やっぱりダメだよぉ。莉緒さんに部屋から出ちゃだめだと言われてるべさ」

環「だってたまきずっと部屋に居るのつまんないんだもん。ひなたと二人きりじゃ退屈だぞ~。せめてお姉さんと三人で遊ぼうよ」

歩「よくわからないけど遊ぶくらいだったらいいよ」

環「やった!じゃあたまき達の部屋に来て」
 
140 : 毎日変態   2024/04/28 23:59:33 ID:6AOy/3FEos


141 : 番長さん   2024/04/29 00:00:20 ID:lI5CZHh8o6

歩「おじゃましまーす」

環「ここで遊べば部屋から出たことにはならないぞ」

ひなた「それはそうだけども……」

環「ねーねー。何して遊ぶ?おもちゃだったら色々あるんだ」
142 : ぷろでゅーしゃー   2024/04/29 00:02:34 ID:lI5CZHh8o6
歩(確かに玩具はたくさんあるけど……年頃の女の子二人が住んでる部屋にしては殺風景な気もする)

歩(まあ引っ越してきてばかりだろうしそんなものだよね)

歩「あっ、そのリストバンドおしゃれだね」

環「そう!このリストバンドたまきのお気に入りなんだ」キラーン

歩「ひなたちゃんは……リストバンドじゃなくてブレスレットを着けてるんだ。お揃いじゃないんだね」

ひなた「ええっと……」メソラシ

環「このリストバンドは特製品で二つもないから着けているのはたまきだけ。それにそのひなたのブレスレットも大事なものらしいぞ。だから毎日着けてるんだって」

ひなた「そうだねぇ」アセアセ

歩(両親の形見とかなのかな。いや、それは考え過ぎか)

歩(やっぱり二人とも中学生みたいだし年相応におしゃれだってしたいよね)
143 : ミスター・馬車馬   2024/04/29 00:03:41 ID:lI5CZHh8o6
環「………本当はたまき外で遊びたいんだ。けど外に出ちゃだめって言われてるから」

環「りおもいつも朝に出かけて夜まで帰ってこないし何だか寂しいぞ……」

ひなた「環ちゃん……」

歩「……そうなんだ。ならアタシが暇な時は相手しててもいいよ」

環「ほんとに!くふふ、うれしいぞ」

歩「あ、でもアタシもバイトで日中居ないことも多いからなぁ
 
144 : Pはん   2024/04/29 00:04:58 ID:lI5CZHh8o6


もわわ~ん


茜「しょーがないにゃ~。茜ちゃんが何とかしてあげよう」

ひなた「うわっ、なんだい」ガタッ

環「びっくりした」パチクリ

歩「茜、出てきちゃダメ……って二人とも茜が見えるの?」

茜「基本はマイハマンにしか見えないけど茜ちゃんは他とはひと味違うからね。茜ちゃんがちょちょいと力を出せば実体化出来るのだよ」

茜「話は聞いたよ!二人とも初めまして大魔人茜ちゃんだよ~」
 
145 : Pしゃん   2024/04/29 00:05:54 ID:lI5CZHh8o6
カクカクシガジカホップステップレインボー


環「そうなんだ。まあ宇宙人がいるんだもん、魔人だっているよね」

ひなた「環ちゃんはおっかながらなすぎだべさ」ドキドキ

茜「それでさ、実は茜ちゃんも普段は暇なのだ!だから特別にお二人に付き合ってあげよう」

茜「それでそこにあるゲーム機っていうやつで遊ぼ?マイハマンが持ってないからさ~」

歩(それが目当てじゃ無いだろうな)

環「いいぞ。くふふ、これで四人で遊べるね」
 
146 : おにいちゃん   2024/04/29 00:07:18 ID:lI5CZHh8o6


そうして午前中は四人で遊んだ
これからは手が空いてる時は茜が二人を構ってくれるらしい
アタシも忙しい時は茜に構えなくて茜が拗ねてたしありがたいよ

 
147 : ボス   2024/04/29 00:08:15 ID:lI5CZHh8o6
PM14:00 とあるカラオケ店


歩「打ち合わせここでするの?」

亜利沙「本当はホテルの一室とかが良いんですけどね。毎回利用してられませんし」

亜利沙「この中なら防音ですから他の人には聞こえないですし、飲み物などもオーダーできます。じゃあ始めますか」
 
148 : 3流プロデューサー   2024/04/29 00:09:02 ID:lI5CZHh8o6
歩「亜利沙の方はジャーナリストや新聞記者が数名行方不明か」

亜利沙「歩さんの方は警察官の先輩にご友人が行方不明。状況が同じなので同じ手口だと思うんですが……」

歩「被害者に共通点が無いよね……」

歩(そうなんだよ。先輩はともかく開田くんは先輩の何かに触れたか縁をしたから襲われた)

歩(だとすると何故アタシは襲われてないんだろう)
149 : Pーさん   2024/04/29 00:11:37 ID:lI5CZHh8o6
亜利沙「いま渦木警部に他に今回の失踪事件の被害者と思われる人のリストを用意してもらってます」

亜利沙「共通点を見つけるにはその後でもいいと思いますよ」

亜利沙「それより歩さんの友人が化け物に食われたという話しを聞いた限りこの失踪事件は人為的なものではなく怪奇現象ということですね……」

亜利沙「うーん。怪奇現象は亜利沙やミ-ナさんの専門外ですから……」
150 : プロデューサーくん   2024/04/29 00:12:49 ID:lI5CZHh8o6
歩「アタシも詳しいわけじゃないけど……あ、そうだ!」

亜利沙「こないだ心霊現象とかに詳しい人に会ったんだ。その人に協力してもらえると良いんじゃないかな」

亜利沙「オカルトマニアですか?」

歩「うん、ネットじゃ有名な人だよ。えーっと」スマホカチカチ


ズズズズズズ……
 
151 : 彦デューサー   2024/04/29 00:13:37 ID:lI5CZHh8o6
歩「あった。このブログサイトをやってる人でさー」



ズズズズズズズズズ……


亜利沙「!!」ピクピク

亜利沙「歩さん伏せてください!」バッ

歩「うえっ!?」ガン


ズズズズズズズズズ!!!

亜利沙(亜利沙アンテナがまだ最大限に警告してます。このままだと……)ピクピク
 
152 : おやぶん   2024/04/29 00:14:32 ID:lI5CZHh8o6
ズズズズズズ……ズ!


ズズズズ……シュウウウ


ズズ……





シーン
153 : 5流プロデューサー   2024/04/29 00:15:06 ID:lI5CZHh8o6
亜利沙(収まった?でも何故突然)

歩「あの-亜利沙?」

亜利沙「…………」キョロキョロ

亜利沙(亜利沙アンテナが収まったならひとまずは安心です。ひとたび動き出した亜利沙アンテナは少しでも危険な要素がある限り収まる事はないですからね)
154 : プロデューサー殿   2024/04/29 00:15:54 ID:lI5CZHh8o6
歩「大丈夫?汗びっしょりだよ」

亜利沙「ひとまず大丈夫です……」ホッ

歩「あっ!」

亜利沙「どうかしましたか」

歩「さっきの人のサイトなんだけどさ。アタシが会った日で最後に更新が止まっている……」

歩「一日一回は必ず更新していた人だからさ。ブログ内でも管理人が呪われたんじゃないかとコメント欄が大騒ぎだよ」

亜利沙「その人の最後のブログの記事って……」

歩「アタシが喋った失踪事件のことだ!千脇さんに会ったのは……亜利沙と初めて会った日だ」
155 : 5流プロデューサー   2024/04/29 00:17:17 ID:lI5CZHh8o6
亜利沙「…………」

亜利沙「歩さん、行きましょう明日その人の家に!」

歩「え、急だね」

亜利沙「急いだ方がいいです。歩さんが最後に会ったのが11日の日ならもう4日経っています。手掛かりが消える前に」

歩「じゃあ今日行こうか?」

亜利沙「いえ、亜利沙の準備があるので明日にしましょう。もう15時過ぎですしね」

歩「アタシ明日バイトなんだけど……」

亜利沙「バイトを休むこと出来ませんか?どうしても早く行きたいんです!」

亜利沙(亜利沙の予想が正しければ……)
156 : ミスター・不純物   2024/04/29 00:17:49 ID:lI5CZHh8o6
歩「わ、わかったよ。会社に連絡すれば大丈夫だしね」

歩(朱里にはまた奢ることになりそうだなぁ)

亜利沙「すみません。では明日朝の9時に自分のアパートの前に居てください。迎えに行きますので」

歩「迎えにって、駅で待ち合わせでもいいんだよ?」

亜利沙の勢いに思わず押されてアタシは頷くしか出来なかった
 
157 : Pサマ   2024/04/29 00:18:48 ID:lI5CZHh8o6







 
158 : Pはん   2024/04/29 00:19:01 ID:lI5CZHh8o6
5月16日 PM:900 アパート前

歩「そろそろ時間だけど……」


ブオオオン!


亜利沙「お待たせしました」

歩「おおっ」

アタシは少し驚いた。亜利沙は車を運転してきたからだ
159 : ミスター・馬車馬   2024/04/29 00:19:52 ID:lI5CZHh8o6
歩「すごいね。これ亜利沙の車?」バタン

亜利沙「いえ、レンタカーです。発信しますよ」ブロロ-

歩「えっ、レンタカーって高いんじゃ……駅で行ってもよかったのに」シートベルトソウチャク

亜利沙「こういう場合はレンタカーの方がいいんです。さあ住所教えてください」
160 : ミスター・馬車馬   2024/04/29 00:20:34 ID:lI5CZHh8o6



161 : 貴殿   2024/04/29 00:21:05 ID:lI5CZHh8o6
AM 9:30 千脇宅前

亜利沙「まず車停める場所を探しますので千脇さんの家の周りを一周します」

歩「そうだね」

亜利沙(ついでに他に怪しい車が無いかチェックです)


謎のハイエース


亜利沙(ビンゴですかね)

亜利沙「あそこの路上に停めます」

歩「あれ、車停めるなら公園の前か有料駐車場がいいんじゃ……」

亜利沙「駐禁の看板は無いですし長居はしないんで大丈夫です。広いところより少しでも目立たないところに停めないと」

亜利沙「それと車降りる前に”それ”着けてくださいね」

歩「白手(白い手袋)はわかるけど黒いジャケットにバイクのヘルメット?」

亜利沙「念のためですよ。亜利沙も着けますから」
162 : ぴぃちゃん   2024/04/29 00:22:06 ID:lI5CZHh8o6


歩「ここなんだけど……鍵かかってるね」

歩(そんなに甘くはないか)

亜利沙「大丈夫ですよ。これくらい...」カチャカチャ

歩「ええっ!いいの!?」

ガチャ

亜利沙「開きました。急ぎますよ!」

歩(これじゃ泥棒じゃん。ああ、だからヘルメットで顔を隠しているのか)
163 : ミスター・馬車馬   2024/04/29 00:23:09 ID:lI5CZHh8o6


歩「確かアタシが通されたのはこの部屋だからこの部屋が千脇さんの部屋だと思うけど」

亜利沙「部屋が直前まで生活していたって感じです。他の被害者と同じ、やはり千脇さんも顔の無い女にやられたみたいですね」

歩(パソコンが着けっぱなしか。直前までブログ書いてたのかな)

歩(待てよ!そういえば先輩の家もパソコン着けっぱなしだった)

亜利沙「これ……ビデオカメラです。もしかしたら何か映像が残っているかもしれません」

歩「こんなところに無造作に転がってるのおかしいしその可能性は高いね」
164 : 変態インザカントリー   2024/04/29 00:24:13 ID:lI5CZHh8o6
亜利沙「!!」ピクピク

亜利沙「歩さん帰りましょう」

歩「え、うん。まあ長居は無用だしね」

亜利沙「…………」窓チラ


謎の男「…………」


亜利沙「歩さん。車まで走りますよ!」

歩「えっ、亜利沙ちょっと待ってよ!」
165 : ハニー   2024/04/29 00:26:31 ID:lI5CZHh8o6
ダダダダダダダダッ!

亜利沙「早く早く!」

歩「どうしたのさ」

亜利沙「亜利沙達、怪しい男につけられてます!」

歩「えーーーっ!」
166 : せんせぇ   2024/04/29 00:27:20 ID:lI5CZHh8o6


歩(よし車が目の前に……)

謎の男「…………!」チャキ

謎の男「…………」パシュパシュ

歩(嘘っ!拳銃を撃ってきた!)

亜利沙「早く乗って」


バタン ブロロロロロロッ!!


謎の男「……」チッ
167 : プロデューサーちゃん   2024/04/29 00:28:10 ID:lI5CZHh8o6
歩「た、助かった……」

歩(そうか、車で来たのもヘルメットを被ったのもこのため……)

亜利沙「すみません。歩さんを危ない目に合わせてしまって」

歩「いいよ……。亜利沙は慣れてるの?まったく動じてないみたいだけど」

亜利沙「ミーナさんが行く現場じゃしょっちゅうですよ」

亜利沙「世間じゃミーナさんは権力に屈しないすごいジャーナリストだ!ぐらいにしか思われてないですけど、ミーナさんを快く思わない人は星の数ほどいますからね」

亜利沙「命だって当然狙われてますよ」

歩「……亜利沙は辛くないの」

亜利沙「辛くないといえば嘘になります。でもミーナさんに本当のジャーナリストを教えてもらいましたからね」

亜利沙「もう普通の生活には戻る気はありません」

歩(すごいよ亜利沙は)
168 : イルデューサー   2024/04/29 00:29:38 ID:lI5CZHh8o6
亜利沙「それとこれではっきりしましたね」

亜利沙「おかしいと思ったんですよ。こんなに失踪事件が起こってるのに騒ぎにならなすぎる」

亜利沙「裏で化け物が人を消してる傍ら表ではああいう連中が証拠を潰している。これじゃ警察も情報が全然得られない無いわけですよ」

亜利沙「顔の無い女の裏には別の巨大な組織が絡んでいます。渦木さんに伝えないと」

歩(え、もしかしてこの事件。かなり大きな事件なんじゃ……)

歩(でもアタシも今更退くことは出来ないよ!亜利沙を少しでも見習わないと)
 
169 : 変態大人   2024/04/29 00:31:40 ID:lI5CZHh8o6

尾行の可能性があったので思いっきり回り道して帰った
アタシも亜利沙も疲れたしビデオカメラの中身を確認するのは後日となった
でもあの怪しい男は何だったんだろう?
 
170 : せんせぇ   2024/04/29 00:32:06 ID:lI5CZHh8o6





 
171 : プロちゃん   2024/04/29 00:32:39 ID:lI5CZHh8o6
5月17日 AM 10:00 とある倉庫


朱里「歩~」ニコニコ

歩「は、はいぃ……」

朱里「あたしが言いたいことわかるよね?」

歩「き、昨日もヘルプで出たの」

朱里「おかげで明日も含めて6連勤なんだけど何か言うことある?」ニコニコ

歩「今日も何か奢ります」

朱里「やった!今日は少し豪華にハンバーグ店にしてもらおうかしら」フンフン

歩(とほほ……)
 
172 : イルデューサー   2024/04/29 00:33:23 ID:lI5CZHh8o6



173 : 3流プロデューサー   2024/04/29 00:33:42 ID:lI5CZHh8o6
PM 18:00 とあるハンバーグ店

歩「そういえばさ。朱里ってお酒飲まないよね」

朱里「どうしたの急に」モグモグ

歩「いや、なんか奢ってもらう場合ってお酒の方が喜ぶ人もいるじゃない」

朱里「そうね。まああたしは食べる方が好きだし」モグモグ

朱里「……お酒なんて飲んで酔っぱらったらいざって時に困るじゃない」モグモグ

歩「いざって時?」

朱里「独り言よ、気にしないで」モグモグ
 
174 : Pサン   2024/04/29 00:34:13 ID:lI5CZHh8o6



朱里「ご馳走様。また頼むわね」

歩「いやマジで勘弁してよ……」

朱里「それじゃあたしはあっちだから」

歩「また明日もよろしくねー」
175 : ミスター・不純物   2024/04/29 00:34:46 ID:lI5CZHh8o6


歩「さて帰ろ。あまり遅いと茜がうるさいんだよね~」

店員「お客様~財布落とされましたよ」

歩「すみません。ありがとうございます」

歩「ん、これ。朱里の財布じゃないか。今から追いかければ間に合うかな」
176 : 下僕   2024/04/29 00:35:32 ID:lI5CZHh8o6



朱里「…………」キョロキョロ

歩「朱里のやつどこに行くんだ?とりあえず追いかけよう」


そして


朱里「…………」スッスッスッ

歩「は、早い。見失わないように着いていくので精一杯だよ。とても声をかけられない……」

歩(でも何であんなに急かしているみたいなんだ?まるで人に見つかりたくないみたいじゃないか)
 
177 : そなた   2024/04/29 00:36:23 ID:lI5CZHh8o6

そして


朱里「…………」スッスッスッ

歩(くっついてここまで来ちゃったけどここから先は開発地区じゃないか)


開発地区とはデンノーシティの奥にあるエリアで大規模な開発現場が置かれているところ
当然人なんて住んでない
東京ドームの10倍以上の広大な土地を大神グループが買い上げて何でも新しい工場を建てたり従業員の住居を建設したりするのだとか
ただ色んな事実があるようで今は建設がストップしているらしい
確か関係者以外立ち入りは禁止されてるはずだけど……
178 : 我が下僕   2024/04/29 00:37:12 ID:lI5CZHh8o6
朱里「…………」スッスッスッ

歩(立ち入り禁止の看板を無視して柵を乗り越えてるぞあれってまずいんじゃ……)


そして


歩(結局アタシも入っちゃったよ……)

歩(でもここまで来たら気になってきた。朱里のやつ、何でこんなところに……)


歩「ん?」
179 : プロデューサーさま   2024/04/29 00:38:05 ID:lI5CZHh8o6
謎の男A「見つけたぜ~朱里ちゃん」

謎の男B「まさか俺達寄りのところに住んでいたなんてな。灯台下暗しってか」

謎の男C「それもここまでだけどな」

バキッ

朱里「うるさい連中ね。大神のサイボーグはいつから知能レベルが下がったのかしら」

謎の男B「痛って!」

謎の男A「問答無用ってか。いいね、始めようか」
 
180 : ミスター・馬車馬   2024/04/29 00:39:05 ID:lI5CZHh8o6
歩(なんだなんだ。朱里があの怪しい男達と喧嘩し始めたぞ)


シュバッ バシッ

謎の男A「旧式のサイボーグにしてはやるじゃん。でも……」

ガシッ

朱里(しまった!?)

怪しい男C「こっちは三人なんだぜ」
181 : der変態   2024/04/29 00:39:42 ID:lI5CZHh8o6
バキッ ドカッ ボコッ


歩(そんな袋叩きだ……)

ドコッ ブフッ グラッ

歩(もう勝負は付いてるでしょ)

ゴリッ グチャッ

歩「やめろ!」
 
182 :   2024/04/29 00:40:26 ID:lI5CZHh8o6
謎の男A「おい、何で一般人がここにいるんだ?」

謎の男B「どうすんだよ」

謎の男C「ちっ、引き上げるか」

謎の男B「本当にか?」

謎の男A「まあまあ、すぐに終わらせてもつまらないじゃないか。また次のお楽しみにしようぜ」

謎の男B「それもそうか。ぎゃはは」
183 : 3流プロデューサー   2024/04/29 00:40:57 ID:lI5CZHh8o6

歩(なんだコイツら。まるで弱いものいじめみたいに……)

謎の男C「それじゃ朱里ちゃん。また来るからよ」

謎の男B「今度も楽しみにしてるぜ。じゃあな」
 
184 : MADE IN 変態   2024/04/29 00:45:01 ID:lI5CZHh8o6

朱里「うう……」

歩「朱里、大丈夫?」

朱里「歩……なんでアンタがここに?」

歩「そんなことどうでもいいでしょ!」

朱里「……あたしを家まで運んでくれないかしら。それで大丈夫だから……」

歩「家ってどこさ」

朱里「……そこのビルよ」

歩「そこのビルって……まだ建設途中のビルじゃないか」

歩(よく見ると確かに人が出入りしていたであろう跡がある。朱里はこんなところに住んでいたのか!)

朱里「……あたしをそこに置いてアンタはもう帰りなさい」

歩「怪我人をそんなところに置いておけないよ!」ガシッ

朱里「ちょっと歩!」
 
185 : Pくん   2024/04/29 00:46:28 ID:lI5CZHh8o6
その後アタシは朱里を家まで運んできて急いで手当てしたんだ


朱里「……なんであたしをあのままにしておいてくれなかったの」

歩「怪我した朱里をそのままにしておけないでしょ」

歩「だいたいなんであんなところに住んでいるんだよ」

朱里「周りに迷惑かけないためよ。あたしが普通のところに住んでいたら周りにも被害が出るでしょ」

歩「……朱里はなんで追われているの?何か悪いことした訳じゃないよね」
186 : Pサン   2024/04/29 00:47:53 ID:lI5CZHh8o6
朱里「下手に隠しても無駄か……いいわ。あたしのこと話してあげる」

朱里「パライソタウンってあったでしょ?あたしはあそこで改造された第一世代サイボーグなのよ」

歩「サイボーグ!?」


サイボーグってあの大神が2年前に発表した次世代技術
確か一般的な実用化に向けて開発中って言ってたけど……
187 : ミジンコプロデューサー   2024/04/29 00:49:01 ID:lI5CZHh8o6
朱里「そんなの嘘よ。もう6年前にはサイボーグの技術は確立していたわ」

朱里「で、あたしはそれの初期型なのよ。まあ初期型でも後期の方らしいけどね」

朱里「ある時パライソタウンのサイボーグ開発部は第一世代から第二世代に世代交代することになってね。そのままだとあたし達第一世代は処分されそうだったから逃げてきたの」

※補足
瑞希、灰原、ブラッドは第二世代サイボーグです
188 : P君   2024/04/29 00:49:48 ID:lI5CZHh8o6
歩「それであいつらは朱里を連れ戻しにきた追っ手ってことなんだね」

朱里「それはちょっと違うわ。それで細々と暮らしていた時にヒーロー連合ってのがあってね。まあほとんど野良の超能力者の集まりみたいな集団だったんだけど」

朱里「暇だったしそこに所属することにしたの」

朱里「そこでの活動はまあまあ楽しかったわ。でも問題は2年前の”ジャッジメント”の日本進出」

朱里「アメリカNo.1の企業、ジャッジメントグループはフラッグマンショックで弱った日本に目を付けて支配しようと進出してきた」

朱里「それに唯一対抗しようとしたのが大神グループ。大神も日本の支配狙っていたところだったから邪魔だったんでしょうね」

朱里「大神VSジャッジメント。その勢力戦争は”裏”で行われることになった」
189 : ハニー   2024/04/29 00:50:57 ID:lI5CZHh8o6
歩「裏って……」

朱里「文字通り戦争よ。一般的には知られてないけどジャッジメントには非合法の”超能力者部隊”がいるの。超能力者はあっちが本場だからね」

朱里「その規模、強さは日本のASじゃ比にならないわ」

朱里「対する大神はパライソタウンから奪い取った技術で構成したサイボーグ部隊」

朱里「この二つの陣営が文字通り戦争を始めた。それが2年前のことよ」

朱里「それを知ったあたし達ヒーロー連合は一般人に被害が出ないよう第三陣営として参戦した。漁夫の利を狙ったりして上手く立ち回ったんだけどね」

朱里「だけど弱いところから先に潰すのはどこの世界でも同じ。最終的に大神とジャッジメントの総攻撃を受けたヒーロー連合は壊滅」

朱里「その後大神とジャッジメントの一騎打ちになったんだけど1年前に大きな戦いがあってから今は休戦中。どうやら両者痛み分けで終わったようね」
190 : プロヴァンスの風   2024/04/29 00:51:56 ID:lI5CZHh8o6
歩「何だか漫画のような話だね……」

朱里「でも休戦してから大分経ったわ。そろそろどちらかが動き出してもおかしくはない状況なはず」

朱里「あたしをボコボコにしたのは大神の第三世代サイボーグ。歩も見たでしょあいつらの態度」

歩「うん」

朱里「ふざけた連中でしょ。子供アニメのヘボい悪役だってあいつらよりは真面目にやってるわ。あんな力を誇示したいような連中がゴロゴロいるわ」

朱里「次の戦争に向けて戦力を集中させてる。だけどジャッジメントにまだ仕掛けたくない。それで持て余している戦力があたしみたいな残党狩りに勤しんでいるってわけなのよ」

朱里「奴らにとってはウサギ狩りみたいな感覚なんでしょうね」

歩「そんな……」

朱里「歩、覚えておきなさい。敗れたヒーローの末路は惨めなものなのよ」

茜(人間の世界もいつの間にかバイオレンスになったものだにゃー)
191 : ぷろでゅーしゃー   2024/04/29 00:52:51 ID:lI5CZHh8o6




 
192 : ボス   2024/04/29 00:53:08 ID:lI5CZHh8o6
5月18日 AM9:00 

歩「だめ!こんなにボロボロなのにバイトに行くなんて」

朱里「クビになるわけにはいかないの……。住居不明で履歴書も書けないあたしが働ける職場はあそこぐらいなのよ」

歩「係長にはアタシから言っておくから。とにかく今日はアタシの部屋で安静にしててよ」
 
193 : 毎日変態   2024/04/29 00:53:45 ID:lI5CZHh8o6
ガチャ


環「おはよー。あゆむ〜遊ぼ~。あれ、その女の人だれ~?」

歩「ちょうどよかった。環、アタシがバイトに行ってる間この女の人を見張ってて」

環「よくわかんないけど、わかったぞ」

朱里「ちょっと歩、この子供は誰なの」

環「たまきはたまきだぞ。お姉さんはなんて言うの~?」

歩「それじゃアタシはバイトに行ってくるから!」
194 : プロデューサーさま   2024/04/29 00:54:38 ID:lI5CZHh8o6



195 : おにいちゃん   2024/04/29 00:54:53 ID:lI5CZHh8o6
係長「そうか、朱里は休みか。連勤だったからな」

歩「そうですね。疲れが溜まっていると思います」

係長「他人事じゃないぞお前が休んだ分も出てるんだからな」

歩「はい……」

係長「だがこうやって教えてくれてありがとな。あいつ携帯も持ってないからこちらから連絡出来ないんだ」

歩「……係長」

係長「何だ?」

歩「実は……朱里の容態は大分悪いんです。だからしばらく休んだ方がいいと思います」

係長「そうなのか!いいぞ、人数は何とかなってるしな……そうだお前も休んで朱里を看病しろ」

歩「いいんですか」

係長「ああ、あいつと一番仲良いのはお前だからな。朱里が辞めてもらっては困るんだ」
196 : ぷろでゅーしゃー   2024/04/29 00:55:34 ID:lI5CZHh8o6
歩(良かった〜。これで調査に集中できる)

歩(でも今は朱里のことが優先か。でも今度あの三人組の追っ手が現れたらどうしようもない。どうすればいいんだろ……)

歩(……あれ、何だ?あの三人組が何か引っかかる……)
 
197 : Pくん   2024/04/29 00:56:14 ID:lI5CZHh8o6





 
198 : プロデューサー殿   2024/04/29 00:56:44 ID:lI5CZHh8o6
PM 17:30 アパート前



歩「バイトを終わらせて帰ってきたけど朱里は大丈夫かな」


バタン

環「あゆむ!」

歩「環、どうかしたの!」

環「ごめん、さっきたまきが少し目を離したときにあかりがいなくなっちゃった」

歩「そ、そんな」

環「ど、どうしよう」

歩「追いかけるしかないよ。行き先はあそこしかない!」

環「たまきも一緒に行くぞ」
 
199 : あなた様   2024/04/29 00:58:11 ID:lI5CZHh8o6
デンノーシティ 開発地区


サイボーグ男A「逃げなかったんだ。えらいね~」

朱里「なんだか疲れてきちゃってね。もう終わりにしてくれないかしら」

サイボーグ男B「諦めの境地みたいだなぁ。だけど困るんだよそれじゃあ」ハァ…

朱里「困る?」

サイボーグ男C「一応これ実戦訓練って名目なの。だから少しは抵抗してくれないと」

サイボーグ男C「無抵抗のやつを倒しても訓練にならないだろ?」

サイボーグ男A「こっちは最新装備の試し撃ちをしたくて夜まで出張って来てるんだぜ」ククク…

朱里(こいつら……)
200 : 変態大人   2024/04/29 00:58:52 ID:lI5CZHh8o6
歩「間に合った、朱里!」

環「あかり!」

朱里「なっ、二人とも。なんで……」

歩「あんたら何やっているんだよ。警察呼ぶぞ!」

歩(奴らだって騒ぎになるのは避けたいはず。これで……)
201 : あなた様   2024/04/29 00:59:41 ID:lI5CZHh8o6
サイボーグ男B「こないだのやつか」

サイボーグ男C「おい、どうすんだよ」

サイボーグ男A「……もういいや。めんどくせぇ。こいつらまとめて殺してしまおうぜ」

歩(え……)

サイボーグ男B「そうだな。俺達がどんな事件を起こそうがいくらでも上がもみ消してくれるからな」

サイボーグ男C「あんまり上に仕事させると怒られるぜ。まあ正当防衛で仕方なかったって報告すればいいか」
202 : プロデューサーくん   2024/04/29 01:00:31 ID:lI5CZHh8o6
朱里「ちょっと!あの二人は関係ないでしょ!」

サイボーグ男A「おお?朱里ちゃん、ちっとはやる気出たかい?」

環「……そこの三人は悪者なんだね。悪の戦闘員みたいだぞ」

サイボーグ男B「だったらどうだっていうんだよ。この世界はアニメじゃねぇんだ」

サイボーグ男C「ガキが泣いて叫んでもヒーロー様は現れませんでちゅよ~」

歩「た、環……」
203 : プロデューサー   2024/04/29 01:00:54 ID:lI5CZHh8o6
環「ヒーローなら……ここにいるッ!」

環「へ~~~ん、しんっ!」キラン


  \ピカッ/


環「たまきレッド!!!」

歩「うそぉぉぉっ!!」
204 : 変態・オブ・ザ・イヤー   2024/04/29 01:01:43 ID:lI5CZHh8o6
歩(環がブレスレットを掲げポーズを取ったら……赤いヒーロースーツを装着した!?)



サイボーグ男A「なんだこいつは」

サイボーグ男B「た、ただのコスプレだ。ふざけやがって」

環「コスプレかどうかはその身をもって確かめるんだな!」

バキッ

サイボーグ男B「うげっ」

サイボーグ男A「お、おい。ガキ相手だからって手加減してんじゃねえ」

環「まだそんなこと言える余裕が君達にあるのかっ!」

ドコッ

サイボーグ男A「ぐはっ」
205 : プロデューサーはん   2024/04/29 01:02:34 ID:lI5CZHh8o6
朱里「……強い。第三世代サイボーグを身体能力で圧倒しているわ」

歩(姿だけじゃなくて口調まで変わって、まるで環とは別人だ)

サイボーグ男C「けっ、これでもくらえ」ガシャン

朱里「あの男の指。マシンガンになってるわね」

歩「えっ、さすがにそれは」


ズダダダダン!!!
 
206 : EL変態   2024/04/29 01:03:27 ID:lI5CZHh8o6
歩「あわわわわ……」

歩(マジで!そんな映画みたいなことが……)

朱里(……あたしと違って無理なく武器を内蔵しているわね。こんなゴミみたいな下っ端でも第三世代サイボーグってことかしら)


環「かなり痛かったぞ」ブスブス

サイボーグC「嘘だろ、こいつ何なんだよ……」

歩(まともにくらったように見えたけど痛かったぐらいで済むの!?)
207 : お父さんネズミさん   2024/04/29 01:04:25 ID:lI5CZHh8o6
環「これはお返し!」

ドカーン

サイボーグ男C「ちくしょう……」

歩「すごい。このままやっちゃえ!」

朱里「…………」
208 : 変態マスター   2024/04/29 01:05:02 ID:lI5CZHh8o6
サイボーグ男達「ぐえぇぇ……」

環「大勝利だ」


\ピカッ/


環「ふーっ、終わったぞ」

歩「すごかったよ。環は強いんだね、本物のヒーローみたいだったよ」

環「へへ~ん」
209 : der変態   2024/04/29 01:05:36 ID:lI5CZHh8o6
朱里「……あんた達何やったかわかってるの」

朱里「こいつらはクズで雑魚だけど上にいるのはあの大神なのよ」

朱里「あいつらがその気になったらあたし達なんか一瞬で潰される。何で……放っておいてくれなかったの」

歩「だからアタシ達に黙って出てきたんだね」

朱里「そうよ。あんた達には関係ないでしょ」
210 : 我が友   2024/04/29 01:06:20 ID:lI5CZHh8o6
バン!!

歩「関係なくないだろ!朱里はアタシにとっての仲間なんだ」

朱里「…………」

朱里「仲間、ね。久しぶりに聞いたわそんな台詞」

朱里「はぁ……。もうあたしに関わるな、って言っても無駄みたいだから言うことはやめにするけど」

朱里「後で後悔しても文句は受け付けないからね」

環「あかり……」

歩「素直になれないだけだよ。多分……」
211 : プロデューサーはん   2024/04/29 01:07:26 ID:lI5CZHh8o6

パキーーン


歩「うっ!」

歩(何?頭の中で何かが砕けるような感覚がしたよ)

茜「それは願いを一つ達成した証拠だよ」

歩「茜!?なんでここに」

朱里「?」

環「あかね?見えないけどあかねがそこにいるの?」

環「あっ……たまきランプを持ってきてたんだ」

歩「ああ、それでか」
212 : Pチャン   2024/04/29 01:09:23 ID:lI5CZHh8o6

茜「今マイハマンは『仲間を5人以上作る』って願いをクリアーしたんだよ」

茜「亜利沙ちゃん、渦木、環ちゃんにひなたちゃん。そして今朱里で五人目ってなったわけだね」

茜「あと、願いは『五人以上』だから五人で止めずにどんどん作っていいんだぞっ。仲間にしておいた方が良いことあるかもね」

茜「残り願いは二つ。引き続き頑張ってね」ポワーン

歩「…………」

環「あゆむ?」

歩「ああああっ、願いのこと忘れてたのに~嫌なこと思い出させないでよ!」

朱里「何独り言ってるのよ」ハァ
213 : 魔法使いさん   2024/04/29 01:10:43 ID:lI5CZHh8o6
歩(あれ、ってことは朱里も……アタシを仲間だって認めてくれたってことだよね)

パンパン

莉緒「はいはい、話しはひと段落かしら。いやー良いわね。お姉さん好きよそういうの。あの子を思い出すわ」

環「りお~……り…お?」

莉緒「環ちゃん~。ここで何していたのかしら~」ニコニコ

環「あ……」

莉緒「あれほど目立つことはしないって約束したわよね~。お姉さんお仕置きしなきゃだめかしら~」

環「ひぇ~。ゆ、ゆるして~」

歩(ほんと、さっきとは別人なんだよね)
214 : 毎日変態   2024/04/29 01:11:16 ID:lI5CZHh8o6
莉緒「とりあえず帰るわよ。それと、あなた達も一緒にね」

歩(まあここまで来たら無関係ってわけにもいかないよね)

朱里「…………」

莉緒「ひとまず先に帰ってなさい。歩ちゃん、みんなを責任持って無事に帰しなさいよ。帰ったらお話があるからね」

歩「はは……莉緒さんは?」

莉緒「お姉さんはやることがあるから」
215 : お兄ちゃん   2024/04/29 01:11:29 ID:lI5CZHh8o6




 
216 : 師匠   2024/04/29 01:12:24 ID:lI5CZHh8o6
サイボーグ男A「な、なんだよ。お、俺達は大神のサイボーグ部隊なんだぞ」

莉緒「知ってるわ。だからよ」チャキ

莉緒「あなた達には死んでもらわないと困るの」

サイボーグ男C「ひぃっ。見逃してくれぇ」

莉緒「あなた達を生かして帰して上に報告されても困るの。あの子の存在をまだ知られたくないからね」

莉緒「恨んでくれても構わないわ。あの子のためなら……ね」
217 : ミジンコプロデューサー   2024/04/29 01:13:23 ID:lI5CZHh8o6
パァン パァン パァン




莉緒「久しぶりに殺しをしたわね。……嫌な気分」
 
218 : プロヴァンスの風   2024/04/29 01:14:41 ID:lI5CZHh8o6
PM 20:30 莉緒・環・ひなたの部屋


莉緒「まあ上がってちょうだい」

歩「うん……」

歩(なんだかピリピリしてるなあ)

朱里「…………」

莉緒「あの子達は席を外してもらってるわ」
219 : バカP   2024/04/29 01:16:33 ID:lI5CZHh8o6
莉緒「まずは確認だけどあなた”奇跡の素体”と言われた浜野朱里よね?」

歩(奇跡の素体?)

朱里「……その呼び方で言われるの好きじゃないから。次言ったらぶっ飛ばすわよ」

莉緒「そうだったの。まああなたはいいわ。問題は……」

莉緒「歩ちゃん。あなた大神やジャッジメントとは関係ないわよね」チャキ

そう言って莉緒はアタシに拳銃を突きつけてきた
目も本気だ
220 : 魔法使いさん   2024/04/29 01:17:48 ID:lI5CZHh8o6
歩「……今回の一連の流れ見ていたんでしょ?アタシが奴らと関わりあるように見えた?」

莉緒「……見え無いわ。あなたはただの一般人」スッ

莉緒「ごめんなさい。念の為確認させてもらったわ」

歩「ふーっ」

歩(緊張したぁ……)

朱里「あたしのことは知ってるようだし今度はそっちのこと喋ってくれないかしら」

朱里「まさか拳銃を向けておいてだんまりってことないわよね」

莉緒「そうね、お互いここは協力しましょ。敵は共通しているからね」
221 : Pたん   2024/04/29 01:19:32 ID:lI5CZHh8o6
莉緒「あの子の本当の名前は大神環」

朱里「まさか!」

莉緒「あの大神グループの会長、大神美智男の娘……ではないけどね。大神美智男の子供は大神博之ただ一人だから」

歩「大神博之ってあの野球選手の……」

莉緒「そう、環ちゃんは博之の従兄弟なのよ」

莉緒「従兄弟だから大神グループとは関係ないはずだけど、大神の家系であることには間違いないわ」

莉緒「極秘情報なのだけど……今大神は内部でゴタゴタしているみたいね。ジャッジメント絡みでしょうけど」

莉緒「それで不安要素は一つでも排除するような活発な動きがあるわ。その不安要素の一つが環ちゃん」
222 : Pちゃま   2024/04/29 01:20:33 ID:lI5CZHh8o6
莉緒「環ちゃんにその気が無くとも敵勢力にとっては大神を攻撃する良い材料になるからね。本来跡継ぎであるはずの博之が野球選手に専念するからと大神グループの跡を継ぐ気がないって公言しているのも拍車をかけたわ」

莉緒「そして2ヵ月前に環ちゃんは大神グループに攫われて1ヶ月以上も大神の施設の中に監禁させられた。あの下っ端のサイボーグは知らなかったあたり大神グループの中でもトップシークレットみたいだけど」

歩「そんな、酷い……」

莉緒「本当にね。彼女は大神って名前だけであんな目に遭っているのよ」

莉緒「私はとある人の依頼で環ちゃんを大神グループから救出した後、奴らに見つからないよう匿っているのよ」
223 : ご主人様   2024/04/29 01:23:45 ID:lI5CZHh8o6
朱里「……あのひなたって子は?」

莉緒「あの子は環ちゃんを救出する時に同じく監禁されてたから一緒に救出したの」

莉緒「ひなたちゃんに関しては事前に調べた大神グループの資料にもなかったしなぜ大神が監禁していたかわからない。環ちゃんレベルかそれ以上のトップシークレットみたいね」
224 :   2024/04/29 01:26:06 ID:lI5CZHh8o6
歩「ねえ、環がブレスレットでヒーローに変身したけどアレはどういうことなの?大神と関係があるの」

莉緒「あれも私にもはっきりしたことはよくわからない。少なくとも3年前のハタ侵略の時はあんなこと出来なかったはず」

莉緒「何でも環ちゃんが身につけてるブレスレットはガジェットらしいわ」

歩「ガジェット?何それ」

朱里「具現化によって生み出された本来存在しない機械のことよ」

歩「具現化?また知らないワードだ……」

莉緒「人間の意志、想いが形になって現実化することよ。ある時は超能力として、ある時は物となりガジェットに、そしてある時は幽霊のような存在として……」

歩(幽霊?もしかして……)

莉緒「大神は具現化現象の研究をしていたのかもしれない。それをなぜ環ちゃんが持っていたのかは謎だけど」
225 :   2024/04/29 01:27:39 ID:lI5CZHh8o6
朱里「なるほど、だいたいはわかったわ」

莉緒「当面のお互いの敵は大神でしょ?それで朱里には頼みたいことがあるの」

莉緒「私が居ない間はあの子達を守ってくれないかしら」

朱里「……あたしもあの子に助けられたしね。恩は返すわ」

莉緒「申し訳ないわね。あたしが出来ることはするから言ってちょうだい」

朱里「それは良いわね。……お互いあの大神相手にせいぜい頑張りましょ」

朱里「歩も改めてよろしく」

莉緒「巻き込んじゃってごめんね」

歩「いいよ。二人ともよろしく!」
226 : お兄ちゃん   2024/04/29 01:28:12 ID:lI5CZHh8o6
その後の話し合いで朱里はアタシの部屋に住むことになった
大神かぁ……なんだか話しが大きくなりすぎて飲み込めないけど仲間って認めてくれたんだものアタシも頑張るしかないよね
………………
…………
……
227 : プロデューサー君   2024/04/29 01:28:52 ID:lI5CZHh8o6




歩(ああっ!)

歩(頭の中で何かが引っかかってたんだけどわかった!)

歩(亜利沙と一緒に千脇さんの家に行った時遭遇したあの謎の男があの大神サイボーグ達と雰囲気そっくりなんだ)

歩(え……待てよ。だったら顔の無い女のバックにいる組織って……)

歩(大神なのか!)
228 : 監督   2024/04/29 01:45:41 ID:lI5CZHh8o6
第四幕はここまで

環、誕生日おめでとう
環の誕生日に環が大活躍した話を上げれたのは偶然だけどよかったです
このSSの朱里はポケ11の時より大分やさぐれています
11の朱里は人に奢らせるようなことしそうにないし……
環が変身する分このSSにはポケレンジャーは登場しない予定です
あとパワポケの名誉のためにいうとパワポケにはこんな5流悪役みたいなサイボーグは出て来ないです
229 : 矢橋P   2024/04/29 23:09:44 ID:lI5CZHh8o6
>>204
>>224
訂正です
ブレスレットとありますがリストバンドの間違いです
230 : ミスター・馬車馬   2024/04/30 21:01:57 ID:60GpoR6W7A
追加のプロフィールと捕捉説明を投下します
捕捉説明については見なくとも本編に影響は無いので見なくてよいです
231 : そこの人   2024/04/30 21:04:19 ID:60GpoR6W7A
浜野朱里

パライソタウンで改造された第一世代サイボーグ。
彼女は第一世代でも末期だったようで第二世代にやや近い。
第一世代後期になってサイボーグの適正を示す適合率というものが設定された際、彼女の場合は脅威の48%で周囲を驚かせ”奇跡の素体”と呼ばれた。
そのため他の第一世代サイボーグが一つか二つぐらいしか武器を装備してないのに対し彼女は四つ以上も武器を装備しているし、他の第一世代サイボーグによりも”長生き”である。
232 : バカP   2024/04/30 21:05:24 ID:60GpoR6W7A
大神環

実はあの大神博之の従兄弟。直接会ったことは無い。
そもそも大神グループと関わらないように育てられていたのだが、
本編が始まる2ヵ月前に大神グループの組織の一部によって拉致されて監禁させられていた。
本人はその時の記憶があまりなく例のリストバンドもいつの間にか手にしていたとのこと。
彼女のことを知っているのは大神グループでもほんの一部で、大神グループが彼女を使って何がしたかったのかは不明である。
そのリストバンドはガジェット(本来あり得ない機械)で環のヒーロー像を具現化している。
変身後口調が変わるのも環のヒーロー像に基づいている。
233 : 変態大人   2024/04/30 21:06:26 ID:60GpoR6W7A
木下ひなた

環と一緒に監禁させられていた少女。
監禁するに当たって同年代であったゆえに一緒に生活させた方が管理する側としても都合がよかったため一緒にさせられたところを莉緒に助けられた。
監禁していた理由は環とは違うようだが彼女の存在もまた大神グループのごく一部しか知らない。
因みに彼女の身につけているブレスレットは環のそれとは違いガジェットでは無い。
だがブレスレットの本当の意味を知っており、如何なる時もそのブレスレットを身につけている。
234 : 番長さん   2024/04/30 21:14:07 ID:60GpoR6W7A
※捕捉説明※
サイボーグの歴史

第一世代サイボーグ
第一世代がサイボーグの歴史としては一番長く前期と後期に分けられる
開発コンセプトは普通の人間の機械化及び武装。
前期は映画で出てくるような誰の目でも分かるいかにもといったサイボーグが多かった。
手探りな部分も多く腕や足を丸ごと金属化したり、酷い時にはロボットみたいなボディなサイボーグも見受けられた。
しかしあからさま過ぎて表に出せず用途が限定されすぎるのと、一番の問題は体の都合も考えず無理やり改造する事で”長くは持たない”ことだった。
後期に入り被験者達を少しは考慮する事にし、サイボーグ適合率というものが設定されてそれ以上の改造は行わない事になり少しは改善されたが実用は厳しいものがあった。
主な第一世代サイボーグ  曽根村 浜野朱里
 
235 : 夏の変態大三角形   2024/04/30 21:16:03 ID:60GpoR6W7A
第二世代サイボーグ

パライソタウン極秘研究所のサイボーグ部門の主任が絵垣東児に変わり、彼の意向の元サイボーグ開発は大きく転換することとなる。
人体の機械化を無理やり行うと肉体に負担が大きいと考えた絵垣は、人体を無理やり機械化するのではなく人間の元々の能力を機械のパーツや人工筋肉等で強化していく方針に切り替えた。
これにより見た目は普通の人間と変わらないため表での活動も出来、”長くは持たない”ということもなくなった。
コンセプトはサイボーグによる超人の製造。
また第二世代は第一世代の装備の一つ、コ・ブレインシステムが標準装備である。
これは脳の処理や反射などをサポートする装備でサイボーグ化によって強化された肉体を上手く活用することに一役買っている。
瑞希の弾丸すら掴む精密な動き、灰原の超絶な刀捌きはこのシステムによって生み出されている。
なお朱里にもコ・ブレインシステムは搭載されている。
主な第二世代サイボーグ 真壁瑞希 灰原 ブラッド
236 : ミジンコプロデューサー   2024/04/30 21:17:02 ID:60GpoR6W7A
第三世代サイボーグ

宇宙人のハタ侵略によってパライソタウンの極秘研究所は崩壊。
そのデータはパライソタウンの裏事業に一番出資していた大神グループが密かに回収し自分達で独自にサイボーグを開発していた。
そして新たに打ち出したのがこの第三世代サイボーグである。
コンセプトは安定感と量産化。
具体的な内容は第一世代の人体を機械による武装化を第二世代の技術で補うといったもので両世代のいいとこ取りではあるが中途半端でもあり、
灰原のような傑出した存在を生み出せないでいる。
237 : ミスター・馬車馬   2024/05/13 23:51:32 ID:NijBfn.s2g
近々更新出来ます
予告ですが第五幕のタイトルは イーエス の予定です
238 : der変態   2024/05/14 20:05:14 ID:1qR3eM7T7.


  第五幕 イーエス

 
239 : Pたん   2024/05/14 20:06:24 ID:1qR3eM7T7.

今日からしばらくアタシと朱里はバイトをお休み。
アタシは顔が無い女の調査に集中出来るし朱里も治療に専念出来るね。
朱里は不満そうだったけど一応は納得してくれた。
アタシだってバイト休んでいたら収入無いんだもの、出来れば早く決着つけて復帰しないと!
 
240 : P君   2024/05/14 20:07:13 ID:1qR3eM7T7.
5月19日 AM 7:00



歩「うーん、バイトが無いとのんびりでいいな~」

朱里「何のんきなこと言ってるのよ」

歩「うわっ!」

歩(そうだった、一昨日からアタシの部屋に朱里が住んでいるんだよね。今まで一人暮らしだったからちょっとまだ慣れないなぁ)
241 : ミスター・不純物   2024/05/14 20:08:10 ID:1qR3eM7T7.
朱里「昨日あんなことがあったっていうのに……。あなたの能天気さには感心したくなるわ」

歩「アタシはポジティブだからね。大神が相手だからってビクビクなんてしてられないよ」

朱里「……あたしはあんたみたいになれない。大神がその気になったらあたし達なんか……」
242 : do変態   2024/05/14 20:08:49 ID:1qR3eM7T7.
歩「…………」

歩「それじゃこういうのはどう?」

歩「ノック・オン・ウッド」コンコン

朱里「なにそれ?」

歩「アタシがアメリカに留学していた時に知ったおまじないみたいなものかな」

歩「幸福を願う時、または嫌なことが起こりそうな時木製品をこう呟きながら二回叩くんだよ。朱里もやってみる?」

朱里「迷信ね。そんなの信じないわ」

朱里「……けど少し気が楽になったわ。」

歩「それがおまじないの効果だよ。別にすがって何もしないわけじゃない。ちょっとした験担ぎみたいなものだよ」

朱里「……まあいいわ。朝ご飯にしましょ」
 
243 : プロデューサーはん   2024/05/14 20:09:29 ID:1qR3eM7T7.



244 : 仕掛け人さま   2024/05/14 20:10:49 ID:1qR3eM7T7.
AM 8:00


典子「………………」

歩「あ、典子ちゃんおはよう。」

典子「……歩さん」

歩「何かあったの?」

典子「……何でもないです。じゃ」
 
245 : 3流プロデューサー   2024/05/14 20:13:46 ID:1qR3eM7T7.
スタスタスタ

歩「典子ちゃん険しい顔して何かあった……って、ああ!」

歩(ヒマワリの芽が荒らされてる!)

典子父「どうやら昨日の夜中に野良猫が荒らしてしまったようでね」スッ

歩「確かにこれは猫の足跡だ!」

歩「それで典子ちゃんが悲しそうにしてたんだ。……お父さんその野良猫が荒らしているの見ていたの?」

典子父「あはは。いやー、俺も娘が大事にしてる花壇だし、黙って見てたわけじゃないんだけどね。睨んでみたり声をかけてみたりしたけど猫のやつ全く気にも止めないんだわ」

歩「そりゃそうでしょうね……」
246 : お兄ちゃん   2024/05/14 20:14:59 ID:1qR3eM7T7.
典子父「とにかく娘が困っているし、何とかしてくれないかい。ほら、君にしか頼めないからさ」

歩「そうだけど……どうすればいいんだろう」

ガチャ


朱里「歩、”一人”で何ぶつぶつ喋ってるの」

歩「まあ、ちょっとね」

歩(やっぱりアタシにしか見えないのか……)
247 : おやぶん   2024/05/14 20:16:32 ID:1qR3eM7T7.
そう、典子ちゃんの父親は半年前に交通事故で亡くなっている
アタシがさっき話しているのは典子ちゃんのお父さんの”幽霊”だ
母親もいなく一人残された典子ちゃんが心配でこの世に留まっているらしい
けど肝心の典子ちゃんに全く気付いてもらえないみたい
そして唯一気付いてもらえるのがアタシだけなんだ
 
248 : ボス   2024/05/14 20:17:36 ID:1qR3eM7T7.
典子父「では頼んだよ」スッ

歩「全く、困った父親だよ」

朱里「?」
 
249 : MADE IN 変態   2024/05/14 20:18:30 ID:1qR3eM7T7.




 
250 : Pたん   2024/05/14 20:18:50 ID:1qR3eM7T7.
歩「というわけなんだけど典子ちゃんの花壇、何とかならないかな」

朱里「あたしに振られても分かんないわよ。園芸は専門外で……」


ゴゴゴ……

歩・朱里「「!?」」
251 : プロヴァンスの風   2024/05/14 20:19:57 ID:1qR3eM7T7.
ひなた「ふふふ……」ゴゴゴ…

歩「ひなた……さん?」

ひなた「歩さん、そういうことなら早く言ってほしかったべさ」ゴゴゴ…

歩「う、うん」

環「ひなたにすっごいやる気のオーラみたいなものを感じるぞ」

ひなた「そうかいヒマワリか、久々に腕が鳴るねぇ」ウフフ……

ひなた「環ちゃんも手伝ってくれないかい?」

環「もちろんだぞ!」

歩(アタシ達大人が置いてきぼりにされてるんだけど……)

朱里(あの子、大人しいと思ってたけどあんな一面もあるのね)
252 : Pしゃん   2024/05/14 20:20:55 ID:1qR3eM7T7.
歩「あれ、でも莉緒に外に出ちゃ駄目って言われているけど大丈夫?」

朱里「あたしが見張ってるのなら多少の外出は許可出たわ。莉緒も無理に閉じ込めていたら反発して逆効果になるって思ったようね」

歩「ああ、だから昨日莉緒は朱里に環達のことを頼んだのか」
253 : プロデューサー君   2024/05/14 20:22:11 ID:1qR3eM7T7.
それからのひなたちゃんの行動はものすごく気合い入ったものだった
何でもひなたちゃんは元々ガーデニングが趣味だったみたい
それがここ最近の巣ごもりで我慢していたけど一気に火が付いたわけで、アタシも何か手伝おうとしたけど出る幕は無かったよ。
ひとまず典子ちゃんの件はひなたちゃんに任せてアタシは公園で日課のダンスの練習をすることにした
254 : ミスター・オールドタイプ   2024/05/14 20:22:28 ID:1qR3eM7T7.




255 : MADE IN 変態   2024/05/14 20:23:28 ID:1qR3eM7T7.
AM12:00 近所の公園



歩(一日のダンスのレッスン終わりっと)

歩「……また見てたでしょ?」

美保「なんだ気付いていたんだ。また驚かせようと思ってたんだけど」ヒョッコリ
256 : P様   2024/05/14 20:24:13 ID:1qR3eM7T7.
歩「矢橋さんだっけ、恥ずかしいから見ないでほしいんだけど……」

美保「美保でいいわ。矢橋さんは固い」

歩「へ?」

美保「もっとくだけてミホ~でもいいわよ」

歩「言わないよ!」
257 : ダーリン   2024/05/14 20:24:59 ID:1qR3eM7T7.
美保「ふーん。それとあんたのダンスぜんぜんまだまだへっぽこだけど見てて楽しいわ」

歩(ぜんぜんまだまだへっぽこ!?)

美保「あんたのダンスを見てからネットでプロのダンス動画見てみたけどやっぱり本物は違う!ってなるわね」

歩「だったらアタシなんかよりそっちを見てればいいじゃないか!」

美保「何言ってんのよ。荒削りなものがだんだん上手くなっていくのを見るのが良いんじゃない」

歩(めんどくさいなぁ……)
258 : おにいちゃん   2024/05/14 20:25:43 ID:1qR3eM7T7.
歩「そんなアタシに構うなんて美保は暇なんだね」

美保「そーね。会社の経営が軌道に乗っちゃったから忙しくなくなっちゃったの」

歩「会社って……美保は役員か何かなの?」

美保「まだ言ってなかったわね。アタシ、自分で会社立ち上げたの。肩書きはCEOってところかしら」

歩「CEO……?」

美保「わかりやすく言えば社長ね。シャ、チョ、ウ」

歩(え……アタシより年下な子が社長!?)
259 : 我が友   2024/05/14 20:26:36 ID:1qR3eM7T7.
美保「あ、もしかしてうらやましいの?」

歩(し、正直……)

歩「社長ならなおさら忙しいんじゃ……」

美保「あたしは休憩はきっちり取る主義なの。今時たとえ社長でも休憩もきっちり出来ないようじゃ社会は認めてくれないのよ?」

美保「まーあと、社員はあたし一人の小さい会社だからね。今はネットビジネスの時代ね~。自宅でパソコンとにらめっこしていればよいんだもの」
260 : 兄ちゃん   2024/05/14 20:27:48 ID:1qR3eM7T7.
歩「そうなんだ。自営業みたいだね」

美保「アンタも起業するならネットビジネスがおすすめよ。大神ネット様々ね」


ガタッ


美保「あら、どうしたの。驚いちゃった?」

歩「いや、ちょっとね」

歩(大神の名前出てきて思わず過剰に反応しちゃった……)
261 : Pはん   2024/05/14 20:28:15 ID:1qR3eM7T7.
歩「うちのアパートのネット回線も大神ネットだけどさ、大神ネットってそんなに良いの?」

美保「去年落ち目だった通信会社大手を大神が買収したでしょ?その後大神の名前を付けてニューリアルしたんだけど」

美保「普及させるために今サービスが手厚いのよ。今ならプロバイダー料金含め全てのサービスが全て無料、流石天下の大神だわ」

歩「そんなこと出来るの大神だけだろうね」
262 : Pちゃま   2024/05/14 20:28:50 ID:1qR3eM7T7.
もし自分が顔が無い女と関わらなかったら
もしアタシが朱里に環に莉緒に会うことがなかったら
流石は日本一の企業大神グループだと、陽気に笑い飛ばしていたんだろう
でも大神の裏の顔を知ってしまった今は……
アタシ達が敵に回した大神の大きさを改めてて実感させられる
263 : ミスター・不純物   2024/05/14 20:29:55 ID:1qR3eM7T7.
美保「でも今までの反応で確信したわ。あなた無職でしょ」

歩「何だよいきなり、失礼じゃないか!」

美保「否定はしないところをみると正解みたいね」

歩「ぐ……」

美保「まあ良いんじゃない?ただの怠慢な無職じゃないみたいだし、あんた夢もありそうだしね」

美保「あんたが無職でいるうちはあのダンスを見ていられそうだからしばらく無職のままでいいよっ。じゃ、そろそろ休憩の時間終わりだから帰るね~」サササッ

歩「二度と見にくるなー」
264 : そこの人   2024/05/14 20:30:36 ID:1qR3eM7T7.
歩「まったく……あれダンスシューズの紐が切れてる」

歩(今日時間あったら買いに行こうかな)
 
265 : おにいちゃん   2024/05/14 20:31:00 ID:1qR3eM7T7.




 
266 : 下僕   2024/05/14 20:33:15 ID:1qR3eM7T7.
PM 15:00 アパート前


典子「…………」トボトボ

典子「………あ」

典子「ヒマワリの芽が元通りになってる……」
267 : EL変態   2024/05/14 20:33:53 ID:1qR3eM7T7.
ひなた「ごめんねぇ。よけいなことだったかもしれないけどあたしがちょっといじらせてもらったんだわ」

ひなた「初めまして典子ちゃん。あたしは木下ひなた。つい最近このアパートに住むことになったのにあいさつも出来なくてごめんねぇ」

典子「いえ……私も引っ越されてる気付かなかったですから」
268 : do変態   2024/05/14 20:34:24 ID:1qR3eM7T7.
ひなた「それでねぇ、ガーデニングに関してはあたし力になれると思うよぉ」

典子「それでしたらまず野良猫の対策をしなきゃ……」

ガサガサ!

環「その野良猫ってこの子だよね。たまきが捕まえたぞ!」

野良猫<ニャー

典子「あ……」

環「この子は餌を探していただけなんだ。この子はたまき達が面倒見るからもう芽がいじられることは無くなると思うぞ」

典子「そこまでしなくても……私何もお返し出来ないですよ」
269 : ボス   2024/05/14 20:36:28 ID:1qR3eM7T7.
ひなた「典子ちゃんのことは歩さんに聞いたんだわ。一人でよくがんばってえらいよぉ」

環「のりこは中学二年生でしょ?たまきと同い年だぞ。たまき達とお友達になろうよ」

典子「……はい、こちらこそよろしくお願いします」

歩(典子ちゃんは独りで抱え込み過ぎなんだ。これでもっとアタシ達を頼ってくれれば良いんだけどね)
270 : ボス   2024/05/14 20:37:40 ID:1qR3eM7T7.

PM 17:00 デンノーシティ ジャッジメントスーパー

 
271 : ボス   2024/05/14 20:38:48 ID:1qR3eM7T7.
ひなた達と典子ちゃんの様子を見届けたアタシはダンスシューズの紐を買いにデンノーシティの端にあるジャッジメントスーパーに来ていた。
そう、ここは大神とやり合っているジャッジメントが経営している大規模デパートだ。
ジャッジメントが日本に進出してきた時、ジャッジメントはあえて大神のお膝元と言ってもよいこのデンノーシティにジャッジメント日本支部とジャッジメント系列のスーパーを建てた。
当然マスコミもジャッジメントによる大神への宣戦布告ってことで大きく取り上げた。
朱里は裏でやり合っているって言ってたけど表舞台でもこうやって大神とジャッジメントは争っているんだ。
272 : ボス   2024/05/14 20:39:46 ID:1qR3eM7T7.
歩(でも安いし品揃えも良いからそんな事情を分かっていても利用してしまうよね……)

歩(それにアタシのダンスシューズはアメリカ製だからアメリカから来たジャッジメント系列の方が揃え易いしね)

ガヤガヤガヤガヤ

歩「靴のコーナーは1階だったかな。いや外国ブランドは2階だったかも……」
273 : ボス   2024/05/14 20:40:54 ID:1qR3eM7T7.

スッ


歩(あれ……どうして……体が動かない)


???「騒がないでください」

歩(ア、アタシの背後に誰か居る……)

???「6階のフードコート。ふんわり茶屋に一人で来なさい。今すぐです」

スッ
274 : ボス   2024/05/14 20:42:05 ID:1qR3eM7T7.
歩(背後の人の気配が消えた瞬間アタシの体が動くようになった)

歩(ついに……なのかな……)


調査を開始して10日ぐらい経っただろう。遂に黒幕に目を付けられたのだろうか……
275 : ボス   2024/05/14 20:42:14 ID:1qR3eM7T7.



 
276 : ボス   2024/05/14 20:42:50 ID:1qR3eM7T7.
心の中では震えながら6階のふんわり茶屋という所に行くとそこそこ広い飲食スペースに客は二人しかいなかった。
物腰が柔らかそうな女性とフードを被った謎の人物だ。
人払いしているのかな……
277 : ボス   2024/05/14 20:43:35 ID:1qR3eM7T7.
???「お~、こちらですよ~。どうぞ座ってください~」

物腰が柔らかそうな女性が手を振りながら声をかけてきた。

歩「…………」ガタガタ

???「おや、震えていますな~。大丈夫です、まずはお茶でも飲んでください」

物腰が柔らかそうな女性の前には一杯のお茶とサンドイッチが置いてあった。
アタシの分なのだろう、アタシはおそるおそるお茶に口を付けた。
278 : ボス   2024/05/14 20:45:12 ID:1qR3eM7T7.
歩「……」ズズ……

???「そんなに怯えなくてもいいですよ~。二人でのんびりお茶とサンドイッチを食べたかっただけですから。”舞浜歩”さん」

歩「……アタシの情報は筒抜けなんだね。あんたは何者なんだ」

どうやらもう白を切っても無駄みたいだ
なら堂々と行こう
279 : ボス   2024/05/14 20:45:54 ID:1qR3eM7T7.
???「オカルトテクノロジーの申し子。と言っておきましょうか。ふふ~」

歩「オカルトテクノロジー……」

???「不可能を可能する科学のことですよ~」
280 : ボス   2024/05/14 20:46:42 ID:1qR3eM7T7.

カッ


歩(うっ、何だ……)


フードを被った謎の人物「…………」


歩「それでアタシをどうしたいの。このまま拉致でもするの?」
281 : ボス   2024/05/14 20:47:33 ID:1qR3eM7T7.

スッ

歩「えっ!」

まただ。さっきと同じ。アタシを含め周りに三人しかいなかったのに突然四人目の和服を着た雅やかな少女がアタシの隣にいつの間にかいた!
282 : ボス   2024/05/14 20:48:18 ID:1qR3eM7T7.
???「あなた……もしかして馬鹿なのですか?」

???「主様がせっかく用意した食事にろくに口を付けず、いきり立つなど……」

パンパン

???「紬ちゃん~大丈夫ですよ~。」

紬「ですが……」

???「歩さんが萎縮してしまってますよ~。下がってください」

紬「……はい」スッ
283 : ボス   2024/05/14 20:49:05 ID:1qR3eM7T7.
???「もう一度言いますが歩さんに危害を加える気はありませんよ~」

???「それで歩さん。歩さんが追っているアレ……」

歩「……顔が無い女のこと?」

???「私達は”イーエス”と呼んでますね」

歩「イーエス……」
284 : ボス   2024/05/14 20:50:12 ID:1qR3eM7T7.
???「歩さんはそのままイーエスを追って真実までたどり着いてください。私達は協力はしませんが邪魔もしませんので」

歩「……どういうこと」

フードを被った謎の人物「……」ゴニョゴニョ

???「……そうですか」

???「……おや、お茶もすっかり覚めてしまいましたな。それではこの辺でお開きにしましょう~」

歩「えっ」
285 : ボス   2024/05/14 20:50:49 ID:1qR3eM7T7.
???「最後に一つだけ。聞かれたのにちゃんと名乗ってませんでしたね。私の名前は宮尾美也です」

紬「!!」

美也「それでは”また”会いましょう~」
286 : ボス   2024/05/14 20:51:40 ID:1qR3eM7T7.
美也と名乗った人物はフードを被った謎の人物と紬を従えてのんびりアタシの視界から離れていった。
まるで追ってこれるものなら追って来てもいいですよ~ と言ってるように……

だけどイーエスと関わりがある人がこんな風に干渉してくるということはアタシ達の進んでいる方向は間違っていないということだ
アタシ達は少しずつ真実に近づいている
287 : ボス   2024/05/14 20:58:23 ID:1qR3eM7T7.




美也「それでルチアさん。ばっちりでしたか?」

フードを被った謎の人物「……ああ」ガバッ

ルチア「あいつの心の中は充分視させてもらっタ」

美也「しっかり教えてもらいますからね~。歩さんがあのことをどこまで知ってるかチェックしますよ~」

ルチア(チッ、面倒なヤツに借りを作っちまっタ)

紬「ですが主様、あの方に主様の名前を教える必要はなかったのでは?」

美也「紬ちゃん。勝手に心の中を覗くのですから名前ぐらいは名乗るのが礼儀ですよ~」
288 : ボス   2024/05/14 20:59:54 ID:1qR3eM7T7.






 
289 : ボス   2024/05/14 21:00:37 ID:1qR3eM7T7.
PM19:00 歩の部屋



朱里「遅かったわね。ちょっと買い物に行くだけじゃなかったの?」

歩「……色々あってさ」

朱里「……大丈夫?変な連中に絡まれたりしたりしなかったの?」

歩「それは大丈夫だよ」

歩「……朱里はさ。具現化についてどこまで知ってるの?」

朱里「具現化?まあ専門外だから詳しくないけど知ってる範囲なら……」
290 : ボス   2024/05/14 21:05:34 ID:1qR3eM7T7.





291 : ボス   2024/05/14 21:07:03 ID:1qR3eM7T7.
5月20日 AM 9:30 

今日はこれから亜利沙と渦木さんと一緒に今まで調査した内容を確認し合うことになっている。
千脇さんの家から回収したビデオカメラも一緒に確認する予定だ。
292 : ボス   2024/05/14 21:08:38 ID:1qR3eM7T7.
歩「朱里は……環達の面倒を見ていて居ないね」

歩「茜ー」


もわわ~ん


歩「も〜久しぶりに呼んでくれたね。寂しかったぞ~」

歩「これから警部さんに亜利沙って子がアタシの部屋に来るんだ」

歩「それでその時に茜をみんなに紹介するけどいいかな」

茜「おお?マイハマン突然どうしたの。茜ちゃんのことは秘密にするじゃなかったの?」

歩「亜利沙や渦木さんも仲間なんでしょ?仲間に隠し事は無しにしたいんだ」

茜「そーか。いやー茜ちゃんも有名になっちゃうね~」

歩「あの二人はそういうの耐性なさそうだしあまり混乱させないでよ」
293 : ボス   2024/05/14 21:09:31 ID:1qR3eM7T7.
<ピンポーン


歩「来たみたい」

ガチャ

渦木「お邪魔します」

亜利沙「でも当然どうしたんです歩さん。ホテルで話し合いする予定でしたのに突然自宅にするなんて」

歩「うん、ここの方が安全だと思ってさ」

亜利沙「歩さんそれって……」
294 : ボス   2024/05/14 21:12:08 ID:1qR3eM7T7.
歩「それより渦木さんこそ大丈夫なんですか?」

渦木「私ですか?ああ、今日は私、非番でしてね。今日は警部ではなく一般人としてここに居るので心配無用ですよ」

渦木「実は三日前に今回の失踪事件の調査本部が解散させられましてね。どのみち刑事としてこの件を捜査することはもう出来ないんですよ」

亜利沙「調査本部が解散!?どうしてですか!」

渦木「上からの圧力ですよ。まあ私は部下を一人消されているのでそんなものに従いませんけどね」

渦木「ただ亜利沙さん。あなたが言った何らかの組織がバックにいるって話は本当のようですね」
295 : ボス   2024/05/14 21:15:37 ID:1qR3eM7T7.
亜利沙「そんな事って……」

渦木「幸いなことに解散される前にそれまで捜査してきた資料はコピーしてきました。原本は今頃消去されているでしょうからね。まあばれたらただじゃ済みませんが」

亜利沙「わざわざ危険を冒してまで……ありがとうございます」

渦木「その資料の一つ、ここ最近失踪したと思われる人達の名簿です。見てみてください」

歩(改めて失踪した人の名簿を見てみたけどやはり特に共通点はないね)

渦木「一応被害者の住所をこの広域化した地図にしるしを付けてみましたが……」

渦木「分かったことは被害は関東地方の一部にしかみられないということぐらいですか」

歩(あれ、待てよ……もしかして)

渦木「ひとまず例のビデオカメラの中身を確認しましょう。今はそれが最大の手掛かりですから」
 
296 : ぷろでゅーさー   2024/05/14 21:17:01 ID:1qR3eM7T7.


ジーーーーーーー


ズズズズズズズズズ


千脇「ん、何だ?」


-さっちゃんはね


千脇「まさかこれが……」


---って言うんだほんとはね


千脇「これはスクープだ」つビデオカメラ


ズズズズズズズズズズズ!!!


???「わたしのほんとうのなまえはなあに?」

千脇「顔が無い女だろ!」つビデオカメラ



--ざんねん

???「は・ず・れ」


ガプッ


ゴトン
297 : そこの人   2024/05/14 21:17:57 ID:1qR3eM7T7.



歩「うえ………」

亜利沙「………」パクパク

渦木「これは………」

歩(予想はしてたけど……ここまで心霊現象みたいなものだったなんて。まるでホラー映画だよ)
298 : そこの人   2024/05/14 21:19:30 ID:1qR3eM7T7.
でも ホラー映画みたい なんて客観的な感想で済ませられるのはアタシが一度イーエスを見ているのと茜を始めとした超常現象に耐性があったからだ。
現に亜利沙や渦木さんは未だに信じられないといった反応をしている。
もしかしたら怪奇現象に見せかけた人為的な犯行だったんじゃないかと心の奥底で思っていたのかもしれない。
でもアタシはこれからもっと二人を驚愕させることを言わなきゃいけないんだ。
299 : そこの人   2024/05/14 21:21:22 ID:1qR3eM7T7.
歩「亜利沙、渦木さん聞いてほしいことがあるんです」

亜利沙「何ですか歩さん」

歩「ビデオカメラに映ってた化け物、顔が無い女ってアタシ達は呼んでいたけど名前をイーエスって言うみたいです」

渦木「イーエス、それはどこから出てきたんです」

歩「そしてイーエスの名付け親……つまりイーエスを生み出し、バックに居座る組織は……大神だと思う」

亜利沙「ええっ!あの大神ですか!?」

渦木「確かに大神なら警察にも圧力をかけるのは容易いでしょう。ですが大神は機械工業にしろ医療機関にしろテクノロジーで名が通っている会社ですよ。こんな怪奇現象とは対極な存在です」
300 : そこの人   2024/05/14 21:22:32 ID:1qR3eM7T7.
歩(渦木さんの言うことはもっともだ。アタシだって始めは大神がイーエスに関わっているだなんて信じられなかったよ。でも昨日それが確信に変わったんだ)

歩「実は昨日アタシはイーエスの関係者と思われる人に接触したんだ」

亜利沙「本当ですか!」

歩「相手が一方的に接触してきたんだけどね」

歩「イーエスって名前もその人が言ってたんだけどね。オカルトテクノロジー……不可能を可能にする科学だって言ってた。大神は裏でオカルトテクノロジーの研究をしているんじゃないか?」
301 : ごしゅPさま   2024/05/14 21:24:05 ID:1qR3eM7T7.
歩(渦木さんの言うことはもっともだ。アタシだって始めは大神がイーエスに関わっているだなんて信じられなかったよ。でも昨日それが確信に変わったんだ)

歩「実は昨日アタシはイーエスの関係者と思われる人に接触したんだ」

亜利沙「本当ですか!」

歩「相手が一方的に接触してきたんだけどね」

歩「イーエスって名前もその人が言ってたんだけどね。オカルトテクノロジー……不可能を可能にする科学だって言ってた。大神は裏でオカルトテクノロジーの研究をしているんじゃないか?」
302 : ごしゅPさま   2024/05/14 21:24:57 ID:1qR3eM7T7.
>>301
重複してしまった……
303 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:26:18 ID:1qR3eM7T7.
渦木「既存の技術だけでも天下を取ってる大神がわざわざそんな技術を何故?」

歩「それはわからない。……これはアタシの推理だけどイーエスはおそらくインターネットを通じて被害者の元に現れているんだ」

渦木「あの化け物がインターネットを通じて……もう一度ビデオカメラの映像を確認してみますか」
304 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:28:35 ID:1qR3eM7T7.
ジーーーーーーー


ズズズズズズズズズッ


ピタッ

歩「ここだよ!」

亜利沙「本当です!パソコン画面からイーエスが出現しているのが写ってます」

渦木「信じ難いですがあの化け物はパソコンなどの電子機器から現れるようですね。それで機械に強い大神が絡んでいると?」
305 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:30:19 ID:1qR3eM7T7.
歩「そうじゃないよ。被害者の共通点、それは大神ネットだ」

渦木「大神ネット?」

歩「さっき渦木さんの見せてくれた地図、あれは大神ネットが普及している範囲じゃない?」

亜利沙「あ……確か大神ネットはまだサービスを開始したばかりで大神グループの本社がある東京を中心とした関東でしか普及してません。ちょうどあの地図ぴったりの範囲です!」

渦木「まさか、大神ネットの開設自体がイーエスのための布石だったということですか!」

歩「もしくは大神ネットによるネット展開の邪魔者を消す露払いのような存在なのかもしれない」

歩「とにかく大神ネットで顔が無い女を調べたり書き込んだりするとイーエスに消される。だからこんだけ人が消されてもイーエスに関する情報が全く出ないんだ」
306 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:32:12 ID:1qR3eM7T7.
渦木「ですが歩さんも大神ネットでイーエスのことを調べたりしてますよね?それに私も一度ぐらいはネットで検索してますよ」

歩「それは……これが理由だよ」ドン

亜利沙「ランプ……ですか?」

歩「中山先輩も開田くんも消されたのにアタシが消されて無い理由、茜出てきて!」


ぽわわ~ん


茜「うーん、まさかそんなに早く気付くなんて」


渦木「……はあ?」

亜利沙「あわわ……」
307 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:33:11 ID:1qR3eM7T7.
歩「この子は茜。人の願いを叶える魔人なんだって」

茜「そうだよ。お二人ともよろしくっ!」


カクカクシカジカアイカネ?


亜利沙「亜利沙、理解が追いつきません」

渦木「私もです。まあしばらくホラー映画やファンタジー映画は観ないでしょうね。今起きている現実と比べてしまいますから」
308 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:34:12 ID:1qR3eM7T7.
茜「そーだよ。あんなフィクションより茜ちゃんの方が刺激的なんだよ」

亜利沙「でも……歩さん、願いを叶えないと……その、死んでしまうんですよね。何も思わないですか?」

歩「アタシも最初は愚痴りたくなったよ。でもアタシが消されてないのは茜のおかげだと思うんだ。そうでしょ?」
309 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:35:08 ID:1qR3eM7T7.
茜「正確にはマイハマンの願いのおかげだね」

茜「マイハマンにかけた魔法は茜ちゃんとマイハマンの契約みたいなものなんだよ。こういう契約は対価に何を差し出すかによって強さが変わる」

茜「顔が無い女だかイーエスだか知らないけどマイハマンが命をかけた契約をぽっと出での亡霊に邪魔はさせないよ」ゴゴゴゴゴゴ

亜利沙「おお……」
310 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:36:14 ID:1qR3eM7T7.
茜「それともう一つの願い。これは茜ちゃんにとっても予想外だったよ」

歩「もう一つの願いって仲間が欲しいって方かな?」

茜「そう、せっかく仲間が5人出来たのにそのうち一人をイーエスに消されて4人になっても困るでしょ?」

茜「だからマイハマンが仲間だと認めた人間も茜ちゃんのパワーによって呪い等の超常現象の被害に遭うことは無いってことだね」

亜利沙「あのカラオケボックスの時もそれで……」

茜「ちなみに茜ちゃんがいなかったらマイハマンは3回は消されているよ!良かったね~、さあ茜ちゃんを褒めたまえ」

歩「うん、ありがとう」ナデナデ
311 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:38:39 ID:1qR3eM7T7.
渦木「つまり……イーエスに消されないで調査出来るのは世界でも我々しかいないということですか」

茜「お~盛り上がってきたね~」

渦木「あまり喜んでいられないですよ。このままだと非常にまずいことになります」

渦木「大神ネットは今試験的に関東地方しか展開してないですが今年の末には全国展開すると発表されています」

亜利沙「な、そんなことになったらイーエスの被害は全国に広がります」

歩「イーエスだって試験的に動かしているだけかもしれないよ。今は人をひっそり消してるだけだけど、いずれは大神にとって邪魔者をイーエスを使って次々と消していくのかもしれない」

渦木「そうなれば大神に立ち向かうことが誰も出来なくなります。そうなる前に我々で何とかしないと……」
312 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:40:11 ID:1qR3eM7T7.
亜利沙「ある程度は覚悟してましたが……まさかこんなビックネームが出て来るなんて」

渦木「おや、亜利沙さん怖じ気づいたんですか」

亜利沙「まさか!燃えてきましたよ。亜利沙の記者人生で一番のヤマになりそうですよ」

歩(頼もしいなぁ……この二人が仲間で良かったよ)
313 : プロちゃん   2024/05/14 21:41:33 ID:1qR3eM7T7.
渦木「イーエスの正体は段々明らかになってきましたが……大神相手にこれからどうすればよいのか」

亜利沙「イーエスをどう止めればいいのかもわからないですぅ」

歩「うーん……」

茜「皆さんお困りかな?なら茜ちゃんからアドバイス。さっきビデオカメラの映像に歌が聞こえてなかった?」

歩「あれってサッちゃんの歌だよね」

亜利沙「子供の頃流行りましたよね。実は怖い歌だって都市伝説」
314 : プロちゃん   2024/05/14 21:43:09 ID:1qR3eM7T7.
茜「あれは“媒体“だよ。茜ちゃん達具現化された存在は元が必要なんだよ」

歩(茜も具現化現象なんだ……)

茜「茜ちゃんだって突然ぴょこんと草が生えるように生まれるわけじゃないんだよ?何でも願いを叶えてくれる魔人が居たらなーって願いから茜ちゃんは生まれたんだ」
315 : プロちゃん   2024/05/14 21:44:19 ID:1qR3eM7T7.
亜利沙「だとするとイーエスはどうやって生まれたんでしょうか」

茜「昔、憶測で生まれた怪談が広がって人間の恐怖の感情が具現化して噂が本当になっちゃった。ってケースはあったけど……」

亜利沙「イーエスの場合は違うでしょうね。イーエスの噂をした時点で消されるんですから」

茜「そうだね。だからイーエスは普段はネットの世界にいる。そして”人を喰う”為に現実世界に具現化する際にサッちゃんの歌を媒体にして具現化するんじゃないかな」

渦木「サッちゃんの歌の都市伝説そのものがイーエスの存在理由ということですか?」
316 : プロちゃん   2024/05/14 21:48:37 ID:1qR3eM7T7.
茜「いーや、イーエスの本体は別だと思うけど……あんな都市伝説を媒体にしているなんてイーエスの存在自体はやや不安定なのかも」

茜「ほら、サッちゃんの歌の中でサッちゃんが本名じゃなくてサチコだったって言ってるでしょ?そしてイーエスも人を喰う瞬間名前を聞いていた」

歩「つまりイーエスにも本当の名前があって、それがイーエスの急所なのかも知れないのか!」

茜「茜ちゃんの経験上の推測だけどね。そしてその本名はイーエスが生まれる要因となった人間の名前じゃないかな」

渦木「なるほど……我々の次目指すところはイーエスの本名探し、もといイーエスが生まれる要因となった人物探しですか」

亜利沙「そしてその人物に大神が干渉している。それを止めれば何とかなるかもしれません!」

歩「よし、みんなで手分けして探そうよ!」
317 : プロちゃん   2024/05/14 21:52:38 ID:1qR3eM7T7.





ようやくイーエスの実態が見えてきた気がする
茜が協力してくれたからだ。後でプリンをたくさん買ってこないとね!
318 : 矢橋P   2024/05/14 22:01:26 ID:1qR3eM7T7.
第五幕はこれで終わりです
何とか学マスリリース前までに間に合いました
予告ですが第六幕のタイトルは ジャッジメント になる予定です





以下蛇足
やっっっっと担当を三作目にしてようやく自分の長編SSに出せたよぉぉっ!
自分の担当出すの楽しいぃぃぃ!
319 : 矢橋P   2024/05/15 23:05:29 ID:PPS3gsyjKo
追加プロフィール
320 : 矢橋P   2024/05/15 23:06:04 ID:PPS3gsyjKo
矢橋美保   自称CEO

公園で歩とよく合う女性
まだ未成年ながら自分で事業を立ち上げCEOを名乗っているが
自分一人しかいない会社でCEOはちょっと大げさのような気もする
言動こそ軽いが幼い頃は貧乏だったらしく自分で事業を立ち上げるまで相当努力している
321 : 矢橋P   2024/05/15 23:06:56 ID:PPS3gsyjKo
宮尾美也  ???

歩に突然接触して来た女性
自らをオカルトテクノロジーの申し子と名乗る
イーエスと何らかの関わりがあると思われるが……
322 : 矢橋P   2024/05/15 23:07:28 ID:PPS3gsyjKo
白石紬   ???

宮尾美也のお付き人
やや早とちりなところがある
その正体は……
323 : 矢橋P   2024/05/15 23:08:42 ID:PPS3gsyjKo
ルチア   南米の魔女

世界中に指名手配されているテロリスト
自慢の超能力、リーディングは健在である
前作でマゼンタが敗れた後、密かにパライソタウンから逃げ出し今は美也の部下である
どうやら美也とは前から関わりがあるようだが……?
本人はマゼンタと組んでいた時が一番楽しかったとぼやいている
324 : 矢橋P   2024/05/29 22:33:48 ID:I4pyNgo7kE


 第六幕 ジャッジメント

 
325 : 矢橋P   2024/05/29 22:36:15 ID:I4pyNgo7kE
亜利沙に渦木さんに茜まで加えた4人で話し合った結果
イーエスに対抗するにはイーエスの本当の名前を解明することになったけど
全く手がかりが無いんだよね
どうすればイーエスの名前は分かるんだろう?
326 : 矢橋P   2024/05/29 22:39:51 ID:I4pyNgo7kE

5月21日 AM 9:00 アパート前


ひなた「それでねぇ、ヒマワリは発芽した後はそんなに水をあげなくていいんだよぉ」

ひなた「2~3日に1回ならともかく毎日あげるなら土を湿らすぐらいで大丈夫だべさ」

典子「そうだったの。今まで毎日たっぷりあげていましたが逆効果だったかもですね」

ひなた「水やりの水も水道から汲みたてだと冷たくて植物達もびっくりしちゃうからねぇ」

ひなた「出来れば水道から汲んだ後30分ぐらいは置いて常温にしてからあげた方がいいんだよぉ」

典子「なるほど。勉強になります」

ひなた「今は芽だけども、もうちょっと大きくなったら水に液肥も混ぜてみるかい」
 
327 : 矢橋P   2024/05/29 22:41:27 ID:I4pyNgo7kE

環「最近ひなたはのりこにべったりだぞー。ね、こぶん」

こぶん「にゃー」


ガチャ

歩「みんな、グッドモーニング!あ、典子ちゃんは今日学校休みなんだね」
328 : 矢橋P   2024/05/29 22:42:37 ID:I4pyNgo7kE
環「あゆむ!遊ぼ~」

歩「おや〜?ははーん、ひなたを典子ちゃんに取られちゃったのかな。いいけど朱里とは遊ばないの?」

環「だってあかりは遊びやゲームとかすっごく弱いんだもの」

朱里「悪かったわね。そういうの不慣れなの」

歩「まあまあ、これから得意になっていけばいいじゃないか」
 
329 : 矢橋P   2024/05/29 22:44:04 ID:I4pyNgo7kE
環「それじゃせっかくだし体を動かす遊びをしよ!鬼ごっことかかくれんぼとか」

朱里「あまり目の届かないところまで行かないでよ。アパートの敷地内から出ちゃだめだからね」

歩(朱里もすっかり保護者だなぁ)

朱里「それじゃ、鬼ごっこでもしましょうか。あたしもリハビリがてら体を動かしたくなったわ」

環「くふふ〜。いいけどたまき足速いぞ~」

歩(アタシも体力はある方だと思うけど環の元気に勝てるかな?)

朱里「鬼はあたしがやるわ」

朱里(さて、たまには訓練しないとね)
 
330 : 矢橋P   2024/05/29 22:44:20 ID:I4pyNgo7kE


331 : 矢橋P   2024/05/29 22:44:59 ID:I4pyNgo7kE

朱里「ざっとこんなもんね」パンパン

環「あかりすごーい」ハァハァ

歩(アタシも環も朱里にあっさり捕まってしまった)ゼエゼエ
332 : 矢橋P   2024/05/29 22:46:53 ID:I4pyNgo7kE
朱里「一応あたしサイボ-グだから」

朱里「……と言っても身体能力に大差はないわ。中学生でそれなら環も十分すごいけどね」

環「そうでもないぞ。たまきよりすごい人はいーっぱい、いるから」

朱里「そう。それと環は動きが読みやすいわね。だから先読みされちゃうと簡単に対処されちゃうわけ」
333 : 矢橋P   2024/05/29 22:47:55 ID:I4pyNgo7kE
環「そっか。あかりは強いんだね」

環「ねぇ、あかりは前に正義の味方をしていたんでしょ。もうやらないの?」

朱里「やらないわ。正義の味方はもうこりごり」

環「……どうして?」

朱里「現実を思い知ったからよ。あんた達も知ればそうなるわ。自分の無力さをね」

環「…………」
334 : 矢橋P   2024/05/29 22:49:51 ID:I4pyNgo7kE


こぶん「にゃーにゃー」スリスリ

環「あっ、おなかすいたの?今ごはん用意するぞ」

歩「すごいね。環は猫の気持ちがわかるんだ」

環「……ひびきに教えてもらったんだ」

歩(ひびき?)

環(カンタは元気かな。久しぶりにうみみやめぐみ、みんなに会いたいぞ……)
335 : 矢橋P   2024/05/29 22:50:51 ID:I4pyNgo7kE



典子父「やあ」スッ

歩「ひぃ」

朱里「?」

歩「みんな、ちょっとごめん」ダッ

朱里「歩は時々変な行動をするわね」

環「トイレかな?」
 
336 : 矢橋P   2024/05/29 22:51:32 ID:I4pyNgo7kE




 
337 : 矢橋P   2024/05/29 22:52:09 ID:I4pyNgo7kE
歩「みんながいる中で突然現れないでよ。お父さんの姿はアタシしか見えないんだからさ」

典子父「あはは、すまないね。私も空気は読みたかったんだけどさ」

典子父「もう時間が無いみたいだから……」スッ…

歩「え、どうして……」
 
338 : 矢橋P   2024/05/29 22:55:30 ID:I4pyNgo7kE
典子父「ほら、私の幽霊になった未練って娘のことだったろ?娘が久しぶりに君達と楽しくふれあっているのを見ていたら安心してしまったからじゃないかな」

歩「でも……まだ早いよ……」

典子父「そうなんだよなぁ。ひなたちゃんとたまきちゃんって友人出来たのはいいけど三人ともまだ子供だしなあ……なんかあったら不安だよなぁ……」

典子父「でもその時は大人の君が何とかしてくれないか?頼むよ……」

歩「それは善処するけど……お父さんから典子ちゃんに何かないんですか」

典子父「私なりに娘に気付いてもらえるように色々やったんだけどだめだったなぁ……死人に口無しっていうしね」

典子父「君に伝言を伝えてもいいけど 亡くなったお父さんから伝言を預かっているよ! なんて言ってもかえって娘を傷付けるだけだろうし」

歩「確かに……」
339 : 矢橋P   2024/05/29 22:57:23 ID:I4pyNgo7kE
典子父「はは……。君、死んでもいいことないよ。長生きするんだよ」

歩「うん……お父さんのその気持ちアタシは忘れないよ。いつか典子ちゃんにも伝えるから」

典子父「嬉しいねぇ……。そうだ、怪奇現象を追っているんだって?君の部屋で話しているの聞いたよ」

歩「亜利沙と渦木さんとの会話聞いてたんですか!?」
340 : 矢橋P   2024/05/29 22:59:21 ID:I4pyNgo7kE
典子父「たまたまね。それでヒントになるかはわからないけど私が幽霊になった直後、だから……半年前ぐらいかな。私以外にも幽霊になった少女と出会ったんだよ、どうやら幽霊同士なら会話出来るようだね」

歩「そ、それって」

典子父「その娘は”桃子ちゃん、桃子ちゃん”ってずっと泣いていたよ」

典子父「どうやらその娘は車に轢かれて意識不明になって魂だけ肉体から抜けてしまったようだった。どうしても……幽体離脱になるのかな、それから抜け出せなくて誰にも気付いてもらえなくて泣いてたんだよ」

歩「その娘の名前は!」

典子父「ごめん、聞いてなかったわ」

歩「だーっ、もう!」
341 : 矢橋P   2024/05/29 23:01:23 ID:I4pyNgo7kE
典子父「でも数日経ったら会えなくなったから元に戻れたんだなって思っていたんだ。それから会えてないけどもしかしたら……」

歩「……サッちゃんの都市伝説は電車に轢かれて……だったね。もしかして何者かがその少女の幽霊に無理やりサッちゃんの歌を結びつけて化け物にしたのかもしれない」

典子父「君の追ってる事件とは関係ないかもしれないけど何かの手掛かりになってくれれば嬉しいね。それじゃそろそろかな」スゥゥゥ

歩「あ……」

典子父「盆ぐらいには戻って来たいけど無理なんだろうなぁ……それじゃ娘を頼んだよ」スゥゥゥ

歩「お父さん……」

歩「……みんなのところに戻ろう」
342 : 矢橋P   2024/05/29 23:09:01 ID:e16tN8e226


環「あゆむ~。作業が終わったからひなたとのりこも一緒に遊んでくれるって!」

歩「うん……それは良かったね」

典子「歩さんどうかしたんですか?」

歩「…………いや、何でもないよ」
 
343 : 矢橋P   2024/05/29 23:09:22 ID:e16tN8e226






 
344 : 矢橋P   2024/05/29 23:10:25 ID:e16tN8e226
PM 16:00 



歩「ふーっ、たっぷり遊んだ。ダンスの練習より疲れたかも」

歩(でも楽しかったな。あれ、そう言えば茜は来なかったな。茜も参加すればよかったのに)


ガチャ

歩「ただいまー」

悪魔「……」デデーン

歩「だ、誰!?」
345 : 矢橋P   2024/05/29 23:11:08 ID:e16tN8e226
茜の傍に居たのは人間じゃなさそうだった
尖った耳
厳つい顔
紫色の皮膚
それはまるで物語に出てくる……

悪魔「おや、この人間は私の姿が見れるのですか。珍しい」

茜「もういいでしょ。ご主人も帰って来たし帰ってよ」
346 : 矢橋P   2024/05/29 23:13:44 ID:e16tN8e226
歩「あ、茜の知り合い?」

悪魔「ごきげんよう人間。私はあなた達人間からは悪魔と呼ばれてますね」

歩(そのまんまだ……)

悪魔「あなたが今回の契約者ですか。私は彼の知り合いなんですよ。久しぶりに人間と契約したと聞いて様子を見に来ました」
347 : 矢橋P   2024/05/29 23:15:06 ID:e16tN8e226
悪魔「彼とは昔組んだこともありまして、まあ色んなことをやりましたよ」フフフ

歩「ど、どんなこと?」

悪魔「悪魔のやることなんて人間を破滅に導くこと以外に何があるというんです?彼と組んだ時は三つの願いを歪曲させて……」

茜「いい加減にしないと流石の茜ちゃんも怒るよ?」ゴゴゴ

悪魔「やれやれ、昔の貴方の方が好きでしたよ。それではおいとましますかね」スゥゥゥ
 
348 : 矢橋P   2024/05/29 23:16:02 ID:e16tN8e226
茜「べーっだ!マイハマン塩を撒くから持って来てよ!」

歩(幽霊に魔人ときて今度は悪魔か。ほんと何でもありだよね)

歩「茜みたいな魔人だと色んな友達がいるんだね」

茜「もう友達じゃないよあんな奴」プンプン

歩「茜は昔はどんな姿だったの?」

茜「ギニャッ!?」
349 : 矢橋P   2024/05/29 23:16:40 ID:e16tN8e226
歩「答えたくないなら答えなくていいんだけどさ」

茜「うー、マイハマンは時々鋭いよね」

歩「だって何百年も生きてる魔人なのに姿が今風だしさ、あの悪魔も茜をずっと“彼“って呼んでたしね」

歩(あとプリンをねだってくるし)
350 : 矢橋P   2024/05/29 23:17:24 ID:e16tN8e226
茜「ご名答!茜ちゃんは今でこそ美少女だけど昔は違ったんだにゃー。この姿は前のご主人が考えてくれたものなんだ」

歩「へー、前のご主人はかわいいもの好きだったのかな?」

茜「でしょでしょ!気に入ったからずっとこの姿で行こうって思ってね!」

歩(前のご主人か……ちょっと気になるけど聞くのは野暮かな)

歩「そろそろ時間かな。今日は典子ちゃんが晩御飯に手料理をごちそうしてくれるんだって!楽しみだなぁ」
 
351 : 矢橋P   2024/05/29 23:18:41 ID:e16tN8e226



茜に出会ってから色々なことを体験している
今日だって悪魔と出会うなんてめったにないことだし
ちっとも嬉しくはないのだけれどね
出会いがあるってことは別れもあるわけで、なんだかんだひっそり付き合った典子ちゃんのお父さんの別れは悲しいけど乗り越えないと

……今日がこれだけで終われば良かったんだけど
352 : 矢橋P   2024/05/29 23:20:15 ID:e16tN8e226



その日、莉緒が……帰って来なかったんだ
353 : 矢橋P   2024/05/29 23:21:05 ID:e16tN8e226







 
354 : 矢橋P   2024/05/29 23:21:59 ID:e16tN8e226

8月23日 PM 19:00


歩(今日も莉緒は帰って来なかったな……)

歩(典子ちゃんのお父さんからイーエスの手がかりになる情報貰ったけど今はそれどころじゃないよね)

歩(とりあえず亜利沙と渦木さんに情報は伝えた、調査は二人に任せてアタシは環やひなたのそばに居よう)
355 : 矢橋P   2024/05/29 23:23:32 ID:e16tN8e226

バタン

ひなた「歩さん!環ちゃんが朱里さんが!」

歩「二人がどうしたの」

ひなた「二人が言い争いを始めたんだ。あたしじゃどうしたらよいかわからなくて……」

歩「わかった。今行くよ」
 
356 : 矢橋P   2024/05/29 23:26:16 ID:e16tN8e226
環「行く!たまき一人でも絶対行くぞ!」

朱里「やめなさい。どれだけ危険だか計り知れないわ」

ガチャ

歩「二人とも、何があったんだよ」
357 : 矢橋P   2024/05/29 23:27:39 ID:e16tN8e226
環「あゆむ!これを見て」

環が見せてくれたものは紙に墨と筆で“助けたくば でんのーしてぃ開発地区深部 に来なさい“
と書いてあったんだ

歩「何これ……果たし状?」

環「いつの間にかポストの中に入ってたんだ」

朱里「どう考えても罠だと思うけど」

歩(どういうこと?何でこんな回りくどいことするの?)
358 : 矢橋P   2024/05/29 23:29:06 ID:e16tN8e226
環「助けたくば……って絶対莉緒のことだぞ。だから……」

朱里「あなた自分の立場わかってるの?あんた大神にもジャッジメントにとっても都合の良い存在なのよ」

朱里「すぐに殺されるんならまだ幸せね。一回逃げ出しているんでしょ?多分死ぬより酷い目にあうわよ」

環「う……。でも……」

歩(環には悪いけど今回は朱里の言う通りだよ)
359 : 矢橋P   2024/05/29 23:32:08 ID:e16tN8e226
朱里「……わかったわ、一緒に行きましょう」

歩「えっ」

環「本当に!」

歩「ちょっと朱里そんなことしていいの!」

朱里「……ここで無理やり彼女を止めても無駄でしょうね。いずれあたし達の目を盗んで一人で行くだけだわ」ヒソヒソ

朱里「ならあたしの目の届くうちに本人にわからせた方がいいわ。あそこがいかに危険だってことを」ヒソヒソ

朱里「それで自分から諦めてもらう。……うまくいけばいいけど」
 
360 : 矢橋P   2024/05/29 23:33:33 ID:e16tN8e226



361 : 矢橋P   2024/05/29 23:34:18 ID:e16tN8e226

PM20:00 デンノーシティ 開発地区


歩「またここに来ることになるなんて……」

夜中だけどアタシ達はデンノーシティの開発地区に居た
立ち入り禁止の看板を乗り越えるのはこれで三度目だよ
ひなたちゃんは典子ちゃんやこぶんと一緒に留守番してもらってる
362 : 矢橋P   2024/05/29 23:35:15 ID:e16tN8e226
朱里「歩、あなたは来なくてもよかったのに。今からでも帰っていいわよ」

歩「大丈夫!危なくなったらすぐ逃げるから」

朱里「あなたも大概命知らずね」

環「たまきは味方は多い方がいいって思うぞ」

歩(だって、今回の件はおそらくアタシにも原因がある)

歩(この回りくどいやり方、ジャッジメントデパートで出会った三人組が関わっている可能性が高いんだもの)
 
363 : 矢橋P   2024/05/29 23:37:35 ID:e16tN8e226
前回朱里と大神のサイボ-グと邂逅したのは開発地区でも入り口の方だったみたいだ
朱里の先導の元どんどん進んで行くと……

歩(入り口の方は建設中の建物とかあったけど進んで行くとそれすら何も無いただの荒れ地じゃないじゃないか)

環「灯りも少なくって道もでこぼこだぞ」

朱里「ほら、よく見なさい」ユビサシ

歩「これは瓦礫だね。あっちは……まさか地面がえぐれた後なの!?」

朱里「ここは大神とジャッジメントが戦争した跡地。元はここに大神の大きな工場が立つ予定だったの。そこにジャッジメントがちょっかい出したのが裏の戦争の始まりだったわ」
364 : 矢橋P   2024/05/29 23:39:02 ID:e16tN8e226
朱里「どう?これで少しは敵の恐ろしさが……」

環「あそこ!明るいし怪しいぞ」ダダダッ

朱里「……」アゼン

歩「環は全く怖じ気づく様子は無いみたいだよ」

朱里「あの子は今までどんな人生送ってきたのよ。行くわよ歩!」

歩「うん!」
365 : 矢橋P   2024/05/29 23:39:54 ID:e16tN8e226


環「あれ?明るいと思ったら人が光ってる……」

???「ん、ガキが何でこんなところにいるんだ。お前もジャッジメントか?」

環「ジャッジメント……?たまきは違うぞ」

???「そうか、なら……」
366 : 矢橋P   2024/05/29 23:40:37 ID:e16tN8e226

ボンッ


???「オレの敵ってことだな」

環「!!」


歩「環ーー先走っちゃ駄目だよ」ダダダッ

???「他にもまだいたのか。先にその女からやるか」
367 : 矢橋P   2024/05/29 23:41:35 ID:e16tN8e226

\ボボーッ/


環「あゆむ大丈夫?」プスプス

歩「ア、アタシを庇って……」

歩(あの男が突然アタシに向かって炎を発射してきた!一瞬で変身した環が炎を受け止めてくれて助かったけど)
368 : 矢橋P   2024/05/29 23:44:21 ID:e16tN8e226
環「お兄さんどういうこと?今たまき達を攻撃したよね」

???「お前こそ頭沸いてるのか?ここは戦場だぜ、攻撃することのどこがおかしいんだ?」

環「どうやら戦うしかないようだねっ」ヒュン


バキィ

歩(変身した環はサイボーグですら倒せるんだ!負けるわけないよね)
369 : 矢橋P   2024/05/29 23:45:11 ID:e16tN8e226
???「やるじゃないか。だが……」

環「熱っ!?」

???「オレにただの肉弾戦で挑もうってのは無謀じゃないのか?」

環「く……」

歩(どうしたんだ……環が押され始めたよ。あいつの動きが速いわけでもパワーがあるようにも見えないけど)
370 : 矢橋P   2024/05/29 23:47:33 ID:e16tN8e226

朱里「やるわね、ジャッジメントの超能力者、コードネーム“パイロ”。能力はファイヤースターター(発火能力)だったかしら」

パイロ「へっ、ようやく話しが出来そうなやつが出てきたな」

パイロ「オレのファイヤースターターはそこら辺のパイロキネシスとは着火のスピードが段違い。加えて手の平から足の先まで体中どこでも着火可能。オレに触れるものはことごとくやけどするだけだ」

歩(だから環はうかつに攻撃出来ないのか!)
371 : 矢橋P   2024/05/29 23:48:20 ID:e16tN8e226
パイロ「って誰かと思えば負け犬ヒーロー共のサイボーグ浜野朱里じゃないか。まだこの町に居たんだな」

環「このっ」

ガシッ

環「あ、あかり!?」

朱里「いいから、このまま会話させてちょうだい」ヒソヒソ
372 : 矢橋P   2024/05/29 23:48:59 ID:e16tN8e226
パイロ「丁度いい、最近暴れてなくて退屈していたんだ。いっそ殺してしまうか。はぐれサイボーグと女とヒーローまがいのガキの三人くらいなんてことない」

パイロ「ジャッジメント様がもみ消してくれるからな」

歩(え……、この町ってこんなヤバい奴らがゴロゴロいるの!?)
373 : 矢橋P   2024/05/29 23:51:22 ID:e16tN8e226
朱里「言うわね。下っ端が」

パイロ「なんだと」

朱里「あんたジャッジメントの超能力者の中でもBクラスでしょ」

朱里「ジャッジメントでも使いっ走りのくせに、雑魚ほどよく吠えると言うのは本当みたいね」


ブチッ

パイロ「言ったな!いいぜ、形も残らないくらいに焼き殺してや……」ゴーーーッ
374 : 矢橋P   2024/05/29 23:52:52 ID:e16tN8e226
   チッ

\ドッカーーーン/


歩「うわーーっ」
 
375 : 矢橋P   2024/05/29 23:54:29 ID:e16tN8e226
パイロ「な……何が……」ボロボロ

朱里「トンネル・バスター。二液混合型のガス状爆薬、あたしサイボーグの装備の一つ」ケホケホ

朱里「あんたがペラペラ喋っているうちにあんたの周りに撒布させてもらったわ。着火はあんた自身でやってくれるし」

パイロ「自分が……巻き添えになるかも……しれないの……にか」

朱里「発火能力者のくせに知らないの?この手の爆風は基本的に真横より真上に行くものなのよ。まあそれでも無傷ってわけにはいかないけど」ケホケホ

環「あかり……ちょっとひどいぞ」プスプス

パイロ「こいつら……」バタン
376 : 矢橋P   2024/05/29 23:55:24 ID:e16tN8e226
朱里「馬鹿で助かったわ。歩は巻き込まれてない?環もごめんね」

歩「あはは……何とか」

環「君もとんでもないことするんだな」

\パッ/

環「でもあかりのおかげで勝てたぞ」
377 : 矢橋P   2024/05/29 23:56:20 ID:e16tN8e226
朱里「でもこれで分かったでしょ。ここは危険よ、もうこれに懲りたら……」

環「ねーねー。あかりの装備ははさっきの爆弾以外にもまだあるの?」

朱里「ちょっ、あなたまだ懲りないの!?」

朱里「それに……あたしはあなたを囮に使ったのだけど」
378 : 矢橋P   2024/05/29 23:56:58 ID:e16tN8e226
環「ん、別にあいつを懲らしめるためのチームプレイでしょ。それにあいつに近づこうとした環を止めてくれたの知ってるぞ」

環「確かにここの悪者は環一人じゃ勝てないかもしれない。でもあかりと協力すれば勝てるかもしれないぞ」

環「ねぇ、もう一回、環と一緒に正義の味方やろうよ」

朱里「な……っ」ドキン
379 : 矢橋P   2024/05/29 23:57:56 ID:e16tN8e226
歩「朱里、環はもう折れないよ認めてあげたら」

朱里「……パイロがジャッジメントでも下っ端だってのは本当よ」

朱里「パイロを倒したぐらいじゃ、いい気分にもなれないわ。ボロボロになっちゃったし今日は帰るわよ」

環「くふふ、はーい」ニコニコ

歩(朱里、純粋な環に押されて反論出来ずか)

歩(……でも、ここはデンノーシティの郊外だけどこんな裏の世界があるだなんて……
380 : 矢橋P   2024/05/29 23:58:52 ID:e16tN8e226


朱里(……少し妙ね。パイロは戦闘要員じゃない、内部破壊工作員なはず)

朱里(でもさっき見た時は環の動きにある程度対応出来ていた。トンネル・バスターの爆発をもろに受けても死ななかったみたいだし、彼あそこまで強かったかしら)

朱里(薬によるドーピング?いずれにせよジャッジメントも対大神に向けて戦力を強化しているようね)
381 : 矢橋P   2024/05/29 23:59:30 ID:e16tN8e226
ジャッジメントの恐ろしさはこんなもんじゃない。そう朱里は忠告してくれたけど……
アタシ達はそのことをその身でたっぷりと実感することになる
382 : 矢橋P   2024/05/30 00:02:24 ID:uIttRbBWUY
日本 とあるジャッジメント支部内



デスマス「うーん、この国も戦争以来ですね。あれから1年経ちましたか」

ババヤガン「わざわざヨーロッパからご苦労だなデスマス」
383 : 矢橋P   2024/05/30 00:03:10 ID:uIttRbBWUY
デスマス「おや、ババヤガンさんお久しぶり。ロシアに居たと思っていたのですがあなたも招集されたのですか。ディライトもヨーロッパで調整が終わったらこの国に来るみたいですよ」

ババヤガン「そうか。天海春香は相変わらずこの国で政府の犬をやってるようだ」

デスマス「ああ……彼女は強かったですねぇ。早く我々の軍門に下って欲しいのですが」
384 : 矢橋P   2024/05/30 00:05:20 ID:uIttRbBWUY
ババヤガン「フン、私とお前にディライト、天海春香、そしてピースメーカーにあやつ。“世界で6人しかいない“Sランクの超能力者がこんな小さな国に集結するとはな。ジャッジメントはまたこの国で戦争でも起こす気か?」

デスマス「いいじゃないですか。どうせならそのまま世界中と戦争してしまいましょうよ。“我々“にはそれだけの力がありますからね」

ババヤガン「……冗談でもそんなことは言ってほしくないな。私は穏健派なんだ」

デスマス「おや失礼。ですが私達が呼ばれた理由は十中八九……」

ババヤガン「大神絡みだろうな」
385 : 矢橋P   2024/05/30 00:33:55 ID:uIttRbBWUY
第六幕はこれで終わりです
典子とひなたの絡みを書けただけでもこのSSを始めて良かったなって思ってます
以下パワポケを知ってる人だけの注意点。知らない人はスルーしてください



ここで一つはっきりさせておきたいのですが朱里の登場に合わせてデスマスもこのSSに登場しました
が、朱里とデスマスはこのSSではパワポケ本編のあの関係にはなりません
能力は同じですが境遇は変えるつもりです
その影響でデスマスの性格も少し変わるかもしれません。彼の性格はあの境遇によって生まれたものですし
朱里に関してはもう既に本編とはちょっと違いますしね
何故そうするかと言うと、あのパワポケ11の浜野朱里のストーリーは自分如きでは到底表現出来ないと思ったからです
中途半端に切り取ってあの素晴しいストーリーにあやかろうなんてことはあのストーリーの侮辱だと思ったので
ですので変になぞらずオリジナル路線で行こうと思います。  長文駄文すみませんでした
386 : EL変態   2024/05/30 21:09:54 ID:oG4nMeAkk.
幽霊に悪魔にサイボーグに超能力者
うーん、このトンチキは正にパワポケですわ
これに対抗できるミリオンもおかしいがち
387 : 矢橋P   2024/05/30 23:18:50 ID:wC1me6.sLA
>>386
ここまでやっても まあパワポケだしな って出来るのは作者としてもありがたいですね
一応ここまでごちゃごちゃさせてるのには意図があって
主人公の歩はサイボーグでも超能力者でも具現化でもないく腕っぷしが強いわけでもないけれど
そういうのを集めてしまう体質で何かに巻き込まれてしまっているけど気付いたらみんなの真ん中にいる……みたいなのを目指しているつもりです
388 : Pさぁん   2024/08/26 02:18:24 ID:d/u5BfI1P2
落ちそうになってるのでage

続き待ってますよー
389 : 矢橋P   2024/09/16 00:35:57 ID:A.ERDx6qkA
>>388
保守ありがとうございます
まだ逃亡してません
続きを書いてますのでどうかお願いします
390 : 最低最悪変態プロデューサー   2024/10/06 07:02:54 ID:mKlfKSbpOA
かなり間が空きましたが本日中に投下しようと思います

間が空いたので今までのおさらい


21歳社会人の舞浜歩は故郷の愛媛から離れ東京の地で就職活動中だった
そんな中地元から離れた地で同郷の味方である
兄の知り合いの中村先輩と同い年の友人である開田が顔の無い女に喰われて行方不明
怖いことが苦手な歩は尻込みしたもののランプから出現した大魔神茜の後押しで正体を探ることに
新聞記事の卵の松田亜利沙と現職刑事の渦木淳二の協力を得て調査開始した
そうすると
同じアパートの住人田村典子
何故か自分のダンスを見に来る矢橋美保
アルバイト先の同僚で元正義の味方浜野朱里
ヒーロー願望がありあの大神の名を持つ大神環
どこからか保護されて未だ謎の多い木下ひなた
二人の保護の傍ら裏でも活動する元国際スパイ百瀬莉緒 と
彼女の周りも目まぐるしく変わり出す

だが
顔のない女をイーエスと呼ぶ宮尾美也含む怪しい三人組との接触に
背後にいる大企業大神とジャジメントも動き出し
百瀬莉緒の失踪もあり、いよいよ大きな闇が姿を現す
391 : 5流プロデューサー   2024/10/06 07:09:29 ID:mKlfKSbpOA


 第七幕 対峙

 
 
392 : バカP   2024/10/06 07:12:46 ID:mKlfKSbpOA

5月24日 9:00 莉緒・環・ひなたの部屋



環「ごめんひなた、そろそろ許してほしいぞ」

ひなた「ふーんだべさ」ツーン

ひなた「環ちゃんはあたしより年上なのに夜遊びが大好きみたいだねぇ。今日も行ってくればいいべさ」フン


※このSSでの環とひなたの年齢
 環 15歳  ひなた 14歳
 ハタ人間の時が12歳でそれから3年経過したので環はひなたより年上になってます
393 : おにいちゃん   2024/10/06 07:14:56 ID:mKlfKSbpOA
環「ひなたを一人にして悪かったぞ」ウー

ひなた「別に、典子ちゃんといっしょに居たから一人じゃなかったべさ」ツーン

ひなた「典子ちゃんは学校の宿題やっててえらかったねぇ。環ちゃんも見習ってほしいべさ」
394 : ダーリン   2024/10/06 07:16:35 ID:mKlfKSbpOA
昨日はジャジメントの超能力者に絡まれたけど無事に帰ってこれた
だけど昨日一人アパートに残されたひなたの心境は穏やかじゃないよね
帰ってからひなたちゃんは環ちゃんに対してむすっとしたままだ
395 : 箱デューサー   2024/10/06 07:18:47 ID:mKlfKSbpOA

朱里(あたしがくどくど忠告するよりこの子の言葉の方が堪えるみたいね)ナルホド

歩「ま、まあそろそろ許してあげたら?環も莉緒を思ってのことみたいだしさ」
 
396 : ご主人様   2024/10/06 07:20:02 ID:mKlfKSbpOA
ひなた「……あたしもあの人達の怖さは身をもって知ってる」

ひなた「環ちゃんには関わってほしくないんだよぉ」

環「ひなた……心配させてごめん」
397 : Pたん   2024/10/06 07:21:08 ID:mKlfKSbpOA
朱里「…………」

歩(環とひなたの話し合いは落ち着いたけど空気は湿っぽくなっちゃったまま……)

歩(莉緒も戻って来た訳じゃない。この子達の不安感がますますこの場の空気を暗然たるものにしているんだ)
398 : Pちゃま   2024/10/06 07:21:59 ID:mKlfKSbpOA


歩「そうだ。アタシがアメリカに居た時の話しでもしょうか?」

朱里(歩、いくら話題転換にしてもそれは唐突過ぎるでしょ……)
 
399 : der変態   2024/10/06 07:22:46 ID:mKlfKSbpOA
ひなた「アメリカかい。あたしも一回だけ行ったことあるよぉ」

環「そうなの!」

歩(意外だ。ひなたは海外旅行とかしなさそうな感じだけど)

歩「すごいじゃん。アメリカのどの辺に行ったの?ニューヨーク?ロサンゼルス?シカゴ?」
400 : 変態インザカントリー   2024/10/06 07:23:45 ID:mKlfKSbpOA
ひなた「…………んー」

ひなた「それがねぇ。その時のことあまりよく覚えてないんだわ」


歩(記憶があいまいなほど小さな時に行ったのかな)

歩(少し気になったけどひなたがもの悲しげに眼を伏せているからあまり触れないほうがよいよね)
401 : 我が下僕   2024/10/06 07:25:54 ID:mKlfKSbpOA
朱里「……気分転換にテレビでも見ましょうか」

ひなた「それなら……録画しておいたよぉ、“アイドルグランプリ“」

環「ほんと!」

ひなた「昨日の放送、環ちゃん達が飛び出していったから見逃したべさ?だから録画しておいたんさ」

環「ひなたありがとうー。さっそく見ようよ」ウキウキ
402 : へっぽこ大名行列   2024/10/06 07:31:28 ID:mKlfKSbpOA

アイドルグランプリ、通称アイグラは人気のテレビ番組だ
まだデビューしたてのアイドルや知名度がまだないアイドルが毎回複数選ばれて1対1で競い合う
今どき珍しいどこか昭和チックな雰囲気と夜の8:00というゴールデンタイムなのもあって子供から大人まで大人気番組になっている
環やひなたも大好きだし典子ちゃんも見てるんだって。かく言うアタシだって毎週欠かさず見てるよ!
403 : レジェンド変態   2024/10/06 07:33:49 ID:mKlfKSbpOA

<本日のアイドルはスポーツアイドルグループ新幹少女からひかり

<お願いします

<続いてこないだの騒動もありましたが心機一転して登場だ~。セレブアイドルは崩さない!二階堂千鶴!

<皆様ごきげんよう。この場に呼ばれて光栄ですわ



環「今日のアイドルはひかりにちづるか~。くふふ、楽しみだぞ~」
 
404 : Pサマ   2024/10/06 07:34:31 ID:mKlfKSbpOA
やっぱりアイドルっていいよね。見ていて元気を貰えるから
憂鬱な空気も吹っ飛ばして
環やひなたもすっかりいつも通りに戻ったよ
405 : ダーリン   2024/10/06 07:35:17 ID:mKlfKSbpOA

<ピピピッ



歩「あっ、電話だ」

歩「はい、もしもし歩です」

歩「えっ、渦木さん本当ですか!」
406 : Pしゃん   2024/10/06 16:25:09 ID:mKlfKSbpOA





407 : 矢橋P   2024/10/06 16:29:47 ID:mKlfKSbpOA
PM 13:00 車内



渦木「突然すみません歩さん。急な話しで」

歩「アタシは大丈夫だよ。イーエスの手がかりがわかったならじっとしていられないよ」

亜利沙「歩さんの情報のおかげですよ」

渦木「歩さんの言っていたこの1年の間に交通事故で意識不明になってしまった少女……調べてみましたら一人だけ該当しました」

歩「それがいま会いに行く“中谷育“ちゃんなんだね」

歩(育ちゃん……か)
408 : 矢橋P   2024/10/06 16:35:11 ID:mKlfKSbpOA
渦木「その子がイーエスと関係があるのかどうかはまだ断定出来たわけではないですけどね」

歩「うん、でも何だか確信があるんだ」

亜利沙「亜利沙も怪しいと思ってます。調査によると育ちゃんは意識不明で入院しているなか」

亜利沙「市内のとある病院からこれから行くデンノー市内病院に移っています」

亜利沙「デンノー市内病院は大神の息がかかったところですからね」

歩「意識不明の女の子を突然転院させるなんておかしいよ。やっぱり何かあるって!」
409 : 矢橋P   2024/10/06 16:36:49 ID:mKlfKSbpOA
渦木「……その仮説が本当なら、我々は敵の手のひらの中に行くわけですが」

亜利沙「大丈夫です。今回は助っ人を頼んでいますので」

渦木「それは頼もしい。ジャーナリスト仲間ですか?」

亜利沙「いえ、昔の戦友……みたいなものですよ」

 
410 : 矢橋P   2024/10/06 16:38:17 ID:mKlfKSbpOA


PM 13:30 デンノー市内病院




亜利沙「着きましたね」

渦木「確認したところ中谷育さんは特別病棟に入院しているようです。行きましょう、病院には事前に連絡していますので」

歩(ついに会える。……もしかしたらイーエスにも)グッ


歩「茜、行くよ」っランプ

茜「オッケー」モワワーン
 
411 : 矢橋P   2024/10/06 16:40:31 ID:mKlfKSbpOA


特別病棟   中谷育の病室


病院の中でも一際大きな病室。その中心に周囲に医療機器囲まれて中谷育ちゃんはベッドの上で寝ていた
心電図が規則正しい音を刻んでいることが育ちゃんがまだ生きていることを証明してくれている
だけどそれだけだ
その幼なくかわいらしい顔の瞼が開くことはない
食事も取ることも出来ないから点滴でかろうじて命を繋いでいる
医学的に言えば植物人間ということになるのだろうか
 
412 : 矢橋P   2024/10/06 16:42:42 ID:mKlfKSbpOA
亜利沙「…………」

渦木「…………」


アタシ達はイーエスの手がかりを探りにここに来たはずだ
でも……
アタシも亜利沙も渦木さんも自分よりはるかに幼い育ちゃんの現状を目の当たりにして
ただ立ち尽くしていた




???「お姉さん達、誰?」
413 : 矢橋P   2024/10/06 16:43:59 ID:mKlfKSbpOA
そんな戸惑うアタシ達に一人の女の子が話しかけてきた
歳も育ちゃんと同い年に見えるしお友達かな



???「育に何か用?」

歩「ア、アタシ達は別に怪しい人達じゃないよ」

亜利沙「そうです亜利沙達は捜査のために来たんです」
414 : 矢橋P   2024/10/06 16:44:43 ID:mKlfKSbpOA
???「怪しい人達ってみんなそういうんだよね。あんまり育にまとまりつくなら看護師さん呼ぶよ!」


亜利沙「それは困ります!」

渦木(私もいち警察官ではなく一般人としてここに居ますしどうしましょうか……)
 
415 : 矢橋P   2024/10/06 16:45:30 ID:mKlfKSbpOA
歩「……あ」

???「何?」

歩「もしかしてキミが桃子ちゃん?」



桃子「え……何で桃子の名前を知ってるの?」

歩(やっぱり。じゃあ典子ちゃんのお父さんが言っていた幽霊って……)
 
416 : 矢橋P   2024/10/06 16:46:20 ID:mKlfKSbpOA


もういいよ 桃子ちゃん



桃子「ちょっと、育!?」


亜利沙「……っ」ビクビク

亜利沙(亜利沙アンテナが急に!?)
417 : 矢橋P   2024/10/06 16:47:23 ID:mKlfKSbpOA
ズズズズズズズズズ


こんにちは


イーエス「何度か顔を合わせていたけどあいさつするのは初めてだよね」


桃子ちゃんが持っていたスマホの画面から黒い影が現れてアタシ達の前に姿を現した


歩「やっと会えたねイーエス!」
 
418 : 矢橋P   2024/10/06 16:48:38 ID:mKlfKSbpOA
少女の形をした漆黒の影に怪しく光る眼が二つに大きく裂けた赤い口が一つ
久しぶりに会ったイーエスは開田くんを食べた時とその姿は変わっていなかった


イーエス「へーぇ、初めて会った時みたいに涙目で逃げ出さないんだ。成長したねお姉さん」

歩「……アタシだって成長するんだよ」
419 : 矢橋P   2024/10/06 16:49:29 ID:mKlfKSbpOA
イーエス「それじゃ……」


いただきます



ズズズズズズズズズッ!


桃子「……っ」

亜利沙「ひぃっ!」ビクビク
420 : 矢橋P   2024/10/06 16:50:29 ID:mKlfKSbpOA
イーエスの体から黒い腕が何本も現れアタシを捉えようと伸ばしてくる!
だけど


シュゥゥゥゥゥ……


イーエス「あらあら、おっかしーな?」

腕がアタシ達に触れた瞬間消滅した
茜のおかげだ
421 : 矢橋P   2024/10/06 16:51:11 ID:mKlfKSbpOA
もわわ~ん


茜「全く、ご主人を馬鹿にする割にはそっちこそ成長してないんじゃないのかにゃ?」

イーエス「!」

歩「毎度助かるよ、茜」

渦木「未だに慣れませんね……」

亜利沙「た、助かりました~」
422 : 矢橋P   2024/10/06 16:52:12 ID:mKlfKSbpOA
イーエス「……なるほど。ずっとわたしの食事をじゃましていたのはあなただったんだね」

茜「そうだよイーエスちゃん。生まれたてビギナーじゃあ何百年生きる大魔人茜ちゃんにはかなわないにゃ~」

イーエス「…………」

茜「んー、でも実体化するのにサッちゃんの歌は必要なくなったみたいだね。ちょっとは成長したのかな?」

イーエス「そうだよ。あれからだいぶ“人を食べて取り込んだ“からね」
423 : 矢橋P   2024/10/06 16:55:29 ID:mKlfKSbpOA
イーエス「確かにわたしの力はあなたに及ばないみたいだね。でもおかしいなー?」

イーエス「何であなたはわたしに手を出さないのかな?もしかして出来ないの?」

茜「……マイハマンの願いはイーエスちゃんの謎を解いて友人を助けること。イーエスちゃんをやっつけることは茜ちゃんの仕事じゃないんだよ」


イーエス「人々の願いから生まれた魔人かぁ……。願いの範囲しか動けないの不便じゃない?とっても強いのにわたしより不自由なんだ、かわいそうだね~」

茜「茜ちゃん達みたいな存在は表に出しゃばっちゃいけないんだよ。この世界の主役はあくまで茜ちゃん達を生みだした人間なんだからさ」

茜「イーエスちゃんを倒すのは茜ちゃんじゃない。茜ちゃんのご主人、舞浜歩だよ」
 
424 : 矢橋P   2024/10/06 16:56:19 ID:mKlfKSbpOA
歩「茜……」

イーエス「あははは!そうだね。それじゃ……」





桃子「もうやめて!!!」
425 : 矢橋P   2024/10/06 16:57:27 ID:mKlfKSbpOA
イーエス「!」ピクッ

歩「桃子ちゃん?」




桃子「育はさ……どうしてそうなっちゃったの?」

桃子「桃子の知ってる育はそんな姿じゃなかった。そんな風に笑ったりしなかった」

桃子「育は……人を食べたりはしないよ……」
426 : 矢橋P   2024/10/06 16:58:20 ID:mKlfKSbpOA
亜利沙「桃子ちゃん……」


イーエス「んーー。……もういいかな」

イーエス「桃子ちゃん、今までだましてごめんね。わたし中谷育じゃないんだ~」

桃子「え……育?」
427 : 矢橋P   2024/10/06 16:59:27 ID:mKlfKSbpOA
イーエス「わたしはイーエス」

桃子「それは知ってる!でも本当は育なんでしょ」

イーエス「イーエスはイーエスだよ。中谷育じゃない」

桃子「だったら……育はどこ!どこに居るの!」

イーエス「天国で天使のように見守っているわけじゃないから心配しなくていいよ。中谷育はちゃんと居る」


イーエス「わたしの中に」
428 : 矢橋P   2024/10/06 17:00:35 ID:mKlfKSbpOA
桃子「……そんな」

イーエス「あの子はわたしにとっては特別だから囲っておかないと。わたしはあの子の心から生まれたからね」




渦木「いったいどういうことですか」

茜「……具現化される感情は良い感情だけとは限らないってことだね」
429 : 矢橋P   2024/10/06 17:01:56 ID:mKlfKSbpOA
歩「そうか、だからあんたの名前はイーエスなんだな」

イーエス「ん?」

歩「イー(育から生まれた)エス(自我)って意味なんでしょ」

イーエス「するど~い。お姉さん英語がわかるんだね」

歩「育ちゃんの苦しみや悲しみ。それらの負の感情が具現化したのがアンタなんだ!」

イーエス「大正解!すっご~い。お姉さん探偵になれるかもね」
430 : 矢橋P   2024/10/06 17:03:04 ID:mKlfKSbpOA
桃子「そんな……」プルプル

イーエス「怖がらなくていいよ桃子ちゃん。これからはわたしが中谷育の代わりに……」ニタァ




桃子「嫌っ!」ポイッ

イーエスに詰め寄られた桃子ちゃんは思わず持っていたスマホを投げ捨てた
スマホから実体化しているイーエスも同じく投げ出される
431 : 矢橋P   2024/10/06 17:03:47 ID:mKlfKSbpOA

イーエス「あらら」ボテッ


桃子「あなたは育じゃない!もう桃子の前に現れないで!」
 
432 : 矢橋P   2024/10/06 17:04:35 ID:mKlfKSbpOA

ダダダッ


亜利沙「桃子ちゃん!」


スマホを放り投げたまま桃子ちゃんは部屋から出ていってしまった
イーエスを部屋に残したまま……
433 : 矢橋P   2024/10/06 17:06:04 ID:mKlfKSbpOA
渦木「早々あなたのパートナーが解消されてしまったようですが」

イーエス「んーー。そんなことよりお姉さん、わたしの正体にたどり着いたごほうびをあげるね」

歩「ご褒美?……なんのつもりだ」

イーエス「お姉さんの願いを叶えてあげるの。わたしが食べたお姉さんのお友達二人だっけ?返してあげる」

歩「なっ!?」
434 : 矢橋P   2024/10/06 17:06:53 ID:mKlfKSbpOA
イーエス「謎も解けてお友達も帰ってきて、お姉さんの願いは叶ってめでたしめでたし~」

歩「……」


願ってもない話だ
実態がある程度掴めたといってもイーエスが人智を超えた化け物であるのも事実だ
争わずに済むならそれにこした事はない
そう前までは思ってしまっていたかもしれない


歩「……遠慮しとく。今日初めて会ってはっきりした。アタシはアンタを許せない」

歩「中山先輩も開田くんもアンタからのお情けなんかじゃなくアタシの手で救うさ、アンタをぶっ倒してね!」
435 : 矢橋P   2024/10/06 17:07:35 ID:mKlfKSbpOA
イーエス「そっかぁ、仲良くなれると思ったんだけど仕方ないなぁ。それじゃあお姉さん達と全面対決だね!」



渦木「元よりそのつもりです」

亜利沙「亜利沙も同じです」
436 : 矢橋P   2024/10/06 17:09:13 ID:mKlfKSbpOA
イーエス「ふふ、お姉さん達アニメみたいでかっこいいけど大丈夫?」

イーエス「もう知っているんでしょ?わたしには大神が付いているってこと」

イーエス「わたし達とお姉さん達じゃネズミとライオンが戦うようなものだけど」

イーエス「今さら ごめん、ゆるして は無しだよ?」

歩「そんな風に油断しているとネズミがライオンをひっくり返すことになるよ」

イーエス「現実は童話のようにはいかないよ?……まあわたしが言っても説得力ないかぁ」
 
437 : 矢橋P   2024/10/06 17:10:27 ID:mKlfKSbpOA
甲斐「呼ばれて来てみれば……これはどういうことですかイーエス」



アタシ達が振り向くとすらっと高級そうなスーツを着こなした美人な大人の女性がいた
だけど一流の上層幹部なのだと見ただけですぐわかる存在感がある

イーエス「あ、来た来た。この人がわたしの“本当のパートナー“上守甲斐(かみもりかい)さん。大神のお偉いさんなんだよ」

渦木「なんと」
438 : 矢橋P   2024/10/06 17:11:55 ID:mKlfKSbpOA

ダン!!


甲斐「口を慎みなさいイーエス」

甲斐「その者達は大神の関係者ではないはず。私のことまでべらべらと……」

イーエス「えー、だってこう言っておけば甲斐さんはお姉さん達を始末せざるを得なくなるよね?」

歩「!!」

イーエス「困るよね。大神の幹部が失踪事件のげんきょうに会ってるところを一般人に見られて言いふらされたりしちゃったら」

歩(こいつ……)
439 : 矢橋P   2024/10/06 17:13:05 ID:mKlfKSbpOA


甲斐「…………」ピポピポ

甲斐「私です。始末する人間が三人います。直ちに出動しなさい」

亜利沙「そんな!」

歩「ぐっ……」


甲斐「場所は転送しておきます。あまり目立たず急ぎなさい」ピッ

甲斐「これで満足ですかイーエス」
440 : 矢橋P   2024/10/06 17:13:52 ID:mKlfKSbpOA
イーエス「さっそく部下を手配したのかな?ふふ……出来る大人はお仕事早いね」


亜利沙「歩さん急いでこの場を離れましょう!ここに留まるのは危険です」

歩「っ……」キッ

歩「イーエス。またアンタに必ず会いに来るからな!」ダダダッ
 
441 : 矢橋P   2024/10/06 17:16:30 ID:mKlfKSbpOA

イーエス「桃子ちゃんは始末しないでよ?あの子は中谷育にとって大事な人みたい」

イーエス「あの子が死んじゃったらわたしにもどんな影響があるかわからないからね」

甲斐「その娘には監視をつけてあります。何かあればそれなりの対処させてもらいますが」

イーエス「……ところであの三人、甲斐さんが直接始末した方が早いんじゃなかったの?」

イーエス「大神のサイボーグの中じゃ“甲斐さんが一番強い“んでしょ?」

甲斐「私は忙しいのです。私が直接出る必要は無いでしょう」

イーエス「ふーん」

甲斐(まるで子供……。子供の心から生まれたのですから当然ですか)

甲斐(全く、たちが悪いですね)


甲斐「さあ帰りますよイーエス」ヒョイ

イーエス「はーい」スウッ
442 : 矢橋P   2024/10/06 17:25:55 ID:mKlfKSbpOA





 
443 : 矢橋P   2024/10/06 17:26:29 ID:mKlfKSbpOA
一度プロフィールを挟みます
444 : 矢橋P   2024/10/06 17:29:45 ID:mKlfKSbpOA

イーエス   顔の無い女

約半年前から突如として現れた都市伝説のような存在
彼女を調べようとした人間は不気味なサッちゃんの歌と共に“喰われる”
ゆえにおぼろげに顔の無い女と噂される存在だった
しかしあまりにも犠牲者が増えたことで警察が動き出したところで本編が始まる



その正体は中谷育の負の感情そのものであり
普段は電脳の世界にいる
たくさんの人間を喰らい知識を吸収した結果、歩達と出会った頃には大幅に成長しており
今では感情のようなものまで発現している
電脳の世界に溶け込む力は大神の技術と環境があってこそだが
本来オカルト的な分野は大神の苦手とする部分であり彼女の出生にはまだ謎が多い
445 : 矢橋P   2024/10/06 17:31:07 ID:mKlfKSbpOA

中谷育   少女

とある事故で寝たきりになってしまった少女
親友の桃子とは同い年である
彼女の精神はイーエスに吸収されイーエスと融合し
肉体は市立病院で大神の監視下にある
446 : 矢橋P   2024/10/06 17:32:18 ID:mKlfKSbpOA

周防桃子  育の親友

11歳のごく普通の小学生だったが親友の育が自分を庇って交通事故に遭ってしまい寝たきりに
悲嘆に暮れる彼女のスマホから現れたのは中谷育の代わりを名乗る幽霊みたいな少女だった…………
447 : 矢橋P   2024/10/06 17:35:55 ID:mKlfKSbpOA

上守甲斐   最強の第三世代サイボーグ

クールな印象を受ける美人な大人の女性だが
大神グループの中でも最上位の幹部にして灰原の再来とも言われたサイボーグ
元々大神グループの役員だったがサイボーグ化に自ら志願し適合率の高さも相まって
最上位の幹部にまで登り詰めた
表の役員の顔とは別に裏の大神サイボーグ部隊を指揮する立場でもあるため彼女は実際とても忙しい
それに加えてイーエスの世話までしなければならず
感情が芽生え自由翻弄になったイーエスは彼女を悩ませている
448 : 矢橋P   2024/10/06 18:27:50 ID:mKlfKSbpOA





 
449 : 矢橋P   2024/10/06 18:28:22 ID:mKlfKSbpOA


歩「よし、駐車場まで着いた」ハァハァ

渦木「亜利沙さん、帰りの運転お願いします」バタン

亜利沙「わかりました」バタン

歩「でもこれから何処に逃げるの?」

亜利沙「ひとまずあるところに向かいます」ブロロ
450 : 矢橋P   2024/10/06 18:34:46 ID:mKlfKSbpOA
歩「あるところって……」

亜利沙「本格的に大神に目を付けられた今デンノーシティ内で安全なところは存在しません。といって今から町から脱出するのも無理でしょう」

歩「そんな、じゃあどうするのさ!」


渦木「おや、言ったそばから来たようですよ」


アタシが慌てて振り向くとやたらごついハイエースが……

渦木「あれから20分も経っていないはずですが……この迅速さは我々警察も見習わなければ」
451 : 矢橋P   2024/10/06 18:38:34 ID:mKlfKSbpOA
歩「渦木さん冗談言ってる場合じゃないよ」

渦木「歩さん落ち着いて」チャキ

渦木さんはそう言って拳銃を取り出した


渦木「この距離ならギリギリ行けますか」

そして助手席から窓に身を乗り出した一瞬で発砲し後ろのハイエースの右前輪のタイヤを一発で撃ち抜いた!
 
452 : 矢橋P   2024/10/06 18:40:49 ID:mKlfKSbpOA
歩「すごい……」

渦木「あれは先兵部隊なものです。あれで焦っては身が持ちませんよ」

右前輪がパンクしたハイエースは右カーブを描き止まらずをえなかった
幸い周りに他の車はいなかったけど……


渦木「市民の安全身でありながら事故を誘発させなければならないとは、心苦しいですね」

亜利沙「……仕方ないですよ」
453 : 矢橋P   2024/10/06 18:42:58 ID:mKlfKSbpOA
渦木「これが通用するのもお相手さんが様子を見ているうちです。亜利沙さんある場所とは?」

亜利沙「こんな時のためにとある場所を押さえてあったんです。そこで迎え撃ちます!」ピッピッピッ

歩(こんな時に運転しながら電話?)

亜利沙「亜利沙です。今からお客さんをたくさん連れていきますのでお願いします」ピッ


歩「亜利沙今電話した相手って……」

亜利沙「初めに言っていた助っ人ですよ」
454 : 矢橋P   2024/10/06 18:55:55 ID:mKlfKSbpOA
15:00 デンノーシティのとある倉庫


亜利沙「着きました、この倉庫です」

亜利沙の運転で連れてこられたのはデンノーシティ内にあるとある倉庫だ
でもこの倉庫、廃倉庫ってわけじゃなく普通に稼動している倉庫だけど

亜利沙「稼動はしてますがここから入れます」

亜利沙「ここの電子ロックはすでに亜利沙の助っ人がハッキングしてロック解除してますから」ガチャ

歩「ハッキングって……」

渦木「今日の私は警察官ではないつもりなので言及はしないでおきます」
455 : 矢橋P   2024/10/06 18:58:30 ID:mKlfKSbpOA
亜利沙「ひとまず奥に隠れましょう」

歩「うん」




亜利沙「今日は搬入はないはずなので中に人はいないはずです。今日が祝日で助かりました」

歩「そうか、大神とは全く関わりのない大企業の倉庫の中なら奴らもむやみに騒げないよね!」

渦木「……大神はそんなに甘くはないと思いますよ」
456 : 矢橋P   2024/10/06 20:01:55 ID:mKlfKSbpOA
キキーッ


歩「何の音!?」

渦木「おそらく入り口に大型トレーラーでも横付けしたのでしょう。それなりの大部隊が来たのかもしれませんね」

歩「で、でも下手なことしたらセキュリティが働いて……」
457 : 矢橋P   2024/10/06 20:05:45 ID:mKlfKSbpOA
亜利沙「……歩さん渦木さん、お持ちのスマホの調子どうですか?」

歩「スマホ?……って全く通信出来なくなってる!」

渦木「妨害電波かはたまた近くのモデムを止められたか」

渦木「この町の通信源はほとんど大神ネットですからね、このくらいはやって来るでしょう」

歩「これじゃセキュリティも働かない……電話で助けも呼ぶことも出来ない……」
 
458 : 矢橋P   2024/10/06 20:09:15 ID:mKlfKSbpOA
瑞希「落ち着いてください舞浜さん」ポン

歩「え、あれ……」

瑞希「では私の手品でも見て心を落ち着かせて……手品の道具は置いてきたんでした。失敗だぞ瑞希」

渦木「あなたが……」

亜利沙「瑞希さん!来てくれてありがとうございます」
459 : 矢橋P   2024/10/06 21:05:36 ID:mKlfKSbpOA
瑞希「自己紹介は後にします。相手も目立つことは望むところではないでしょうし短期決戦で仕掛けてくるでしょう」


ゴン!


瑞希「お喋りはここまでにしましょうか。みなさんは奥に下がってください」

歩「え……君一人で」

渦木「私も援護したいのですが……」

瑞希「拳銃は使わないでください。後で倉庫から弾丸や弾痕が出て来たら面倒なことになりますから。それに……」

瑞希「心配は無用です。私一人じゃありませんので」
 
460 : 矢橋P   2024/10/06 21:07:53 ID:mKlfKSbpOA
大神サイボーグA「…………」

大神サイボーグB「…………」

大神サイボーグC「…………」

大神サイボーグD「…………」


サイボーグA(面倒な任務だな。目立たずかつ迅速にとは)

サイボーグA(屋外なら銃器も使えたんだが……)

サイボーグA(後始末の事も考えてひとまず押さえつけたら建物から引きずり出すか)
461 : 矢橋P   2024/10/06 21:09:45 ID:mKlfKSbpOA


サイボーグB「うげっ」ビリビリ

サイボーグA「どうした」
462 : 矢橋P   2024/10/06 21:11:31 ID:mKlfKSbpOA
瑞希「サイボーグ用スタンガン……初めて試しましたが有効のようですね」


サイボーグA「第二世代サイボーグの真壁瑞希か」

サイボーグC「……」チャキ

サイボーグA「我々の標的は君ではない。お互い不干渉にしないか」

瑞希「それは乗れない提案ですね。私の大事な後輩のためにもあなた方を通しません」
463 : 矢橋P   2024/10/06 21:14:42 ID:mKlfKSbpOA
サイボーグA「そうか残念だ」サッ



サイボーグC「…………」スッ

サイボーグD「…………」スッ

サイボーグE「…………」スッ


瑞希「……わぉ」

サイボーグA「君は戦闘用サイボーグではなかったな」

サイボーグA「先ほどは不意を突かれたが我々第三世代戦闘用サイボーグなら一人でも充分」


サイボーグA「だが容赦するな。やれ」


サイボーグC「…………」ダッ
 
464 : 矢橋P   2024/10/06 21:17:43 ID:mKlfKSbpOA
バチッ


サイボーグC「…………」バタン


サイボーグA「!!」

サイボーグA「次っ」


サイボーグD「…………」ダッ
465 : 矢橋P   2024/10/06 21:20:24 ID:mKlfKSbpOA
バチッ


サイボーグD「…………」バタン


サイボーグA「なっ」

瑞希「最新のサイボーグなのに頭の情報は古いようですね」

瑞希「私はあれから改めて戦闘用に改造し直して貰ったんです」

瑞希(灰原さんと対峙した時もマゼンタと戦った時もあの子達に助けて貰ってばかり。もうあのようなことは二度と……)
466 : 矢橋P   2024/10/06 21:21:50 ID:mKlfKSbpOA
サイボーグA「だが、それでようやく我々と五分だ」



バチッ バチッ


サイボーグE「…………」バタン

サイボーグF「…………」バタン


サイボーグA(なのに何故こうも簡単にあしらわれる)


瑞希「サイボーグの先輩としてアドバイスしておきます。どんなに肉体を改造しても経験だけはインプット出来ないんですよ」フウ
467 : 矢橋P   2024/10/06 21:24:13 ID:mKlfKSbpOA
サイボーグA「…………」チッ


のり子「おっと、後ろに控えていたやつらはあたしが倒したよ」

瑞希「……あまり無茶しないでください。福田さんはプロレスラーなんですから」

瑞希「体を大切にしないと」

のり子「平気平気!頑張ってる亜利沙のためだもん」
468 : 矢橋P   2024/10/06 21:26:02 ID:mKlfKSbpOA
サイボーグA(何だこいつらは。こんなの情報に無いぞ)


瑞希「……さて、私も福田さんもまだまだやれますが」

瑞希「これ以上争ってもそちらも処理に困るのではないでしょうか」



サイボーグA「…………」

サイボーグA「……一度出直すとしよう」


ササッ
 
469 : 矢橋P   2024/10/06 21:26:13 ID:mKlfKSbpOA



 
470 : 矢橋P   2024/10/06 21:27:20 ID:mKlfKSbpOA


瑞希「お客さんは退却したようです。ひとまず安心でしょう」

歩「助かった~」ヘナヘナ

渦木「たった三人の一般人を始末しようとして失敗したんです。今頃大神の上部も大慌てでしょうね」

渦木「とにかく助かりましたありがとうございます」ペコリ

歩「ありがとう、命の恩人だよ」ペコリ

瑞希「いえ、みなさん無事で何よりです」
471 : 矢橋P   2024/10/06 21:28:36 ID:mKlfKSbpOA
のり子「また危なくなったらいつでも呼んでよ」

亜利沙「のり子さんは仕事もあるのに無理しないでくださいよぅ」




可憐「もう出てきて大丈夫でしょうか……」オドオド

亜利沙「可憐ちゃんも来てくれていたんですか!」

可憐「大学も落ち着いて、ちょうど予定が空いてたから……」
472 : 矢橋P   2024/10/06 21:29:29 ID:mKlfKSbpOA
のり子「可憐も頑張ったんだよ。アタシだってサイボーグ相手にまともにやり合ったら分が悪いからね」

のり子「可憐に敵の位置教えてもらってさ。先制攻撃出来たから勝てたかな」

瑞希「私の方もです。建物内で武器を使わせず白兵戦に持ち込めたから何とか撃退出来たんです」

瑞希「おそらく相手は実力を半分も出せてないでしょう」
473 : 矢橋P   2024/10/06 21:30:58 ID:mKlfKSbpOA
………………


歩「ギリギリだったんだね」

瑞希「どんな相手でもやり方次第でやりようがあるってことです」

瑞希「それより今後のことを考えないと、私や福田さんもずっと傍に居れないですから」

渦木「そうですね。確か亜利沙さんはビジネスホテル通いでしたね。もうホテルには戻らない方がよいでしょう」

渦木「もう大神の手が回っている可能性がありますから」

亜利沙「うー。そうなると今晩どうしましょう。困りましたぁ……」

歩「あ、それなら……」



 
474 : 矢橋P   2024/10/06 21:31:31 ID:mKlfKSbpOA



 
475 : 矢橋P   2024/10/06 21:32:07 ID:mKlfKSbpOA
甲斐「……そうですか」

甲斐「その件は私の方で考えます。指示があるまで待機しなさい」ピッ


イーエス「あらあら……お顔のしわがよっちゃってるけどどうなったの?失敗しちゃった?」

甲斐「どうやら彼らはただ者ではなかったようですね」フー

イーエス「だから甲斐さんが直接行けばよかったのに」クスクス
476 : 矢橋P   2024/10/06 21:33:30 ID:mKlfKSbpOA
イーエス「それじゃ自分のことは自分で始末つけようかな」

イーエス「わたしならこの町の監視カメラに全てアクセス出来るしその気になれば軌道衛星だって……」

甲斐「余計な動きは控えなさい。あなたの存在を知る者を排除しているのにあなたが目立つ行動しては本末転倒でしょうが」

イーエス「んー、それもそうだね」
 
477 : 矢橋P   2024/10/06 21:34:29 ID:mKlfKSbpOA
甲斐「あの者の始末はあの方々に任せましょう。彼らのちょうどいいガス抜きになります」

イーエス「えーー、わたしあの人達きらい」

甲斐「話しは私の方で通しておきます。あなたは自分の仕事をしなさい」


 
478 : 矢橋P   2024/10/06 21:35:29 ID:mKlfKSbpOA




479 : 矢橋P   2024/10/06 21:36:24 ID:mKlfKSbpOA

PM 19:00 歩の部屋



亜利沙「おじゃまします」

歩「アタシの部屋に来るの二回目なんだしかしこまらなくてもいいよ」

可憐「し、失礼します」オドオド

歩「あ、可憐は初めてだったよね。ごめんね」

可憐「い、いえ。人見知りを卒業したいと思っているんですけど……」

亜利沙「大丈夫ですよ可憐ちゃん。高校の頃よりは大分良くなってますから!」
480 : 矢橋P   2024/10/06 21:38:25 ID:mKlfKSbpOA
あの後大神からの追っ手が来る前に素早く撤退した
……のはいいんだけど瑞希ものり子もずっとアタシ達に付き添うわけにもいかず……

ひとまず亜利沙を連れてアタシのアパートに帰ってきた
このアパートは大神関係者は居ないし何より“大神ネット“が接続されてない
イーエスが大神ネットを介入していると気付いた日から
アタシはこのアパートにも設置していた大神ネットルーターを停止させて今は別の通信回路にしてあるんだ
多分この町で大神ネットが及ばないのはここだけだろう

渦木さんは警察署内にしばらく泊まると言ってた
彼らもそこならそう簡単に手を出せないだろう
481 : 矢橋P   2024/10/06 21:39:16 ID:mKlfKSbpOA
それと一つ
亜利沙の友人可憐が残ってくれることになったんだ

歩(可憐に茜のことを教えて大丈夫かな?)


もわわわ~ん


茜「遅かれ早かれなら早い方がいいよっ」

歩「い、いきなり!」
482 : 矢橋P   2024/10/06 21:40:10 ID:mKlfKSbpOA
可憐「……」

歩「あ、意外に大丈夫なんだ」

可憐「いえ、歩さんの傍に何らかの存在が居ることは何となくわかってましたから」

茜「ニャッ!?」
 
483 : 矢橋P   2024/10/06 21:41:11 ID:mKlfKSbpOA
可憐「その正体がわかって逆にすっきりしました」

亜利沙「可憐ちゃんは五感がすごいんですよ」

茜「いやー。茜ちゃんも何百年生きてきたけど事前に察知されたのは初めてかな」
 
484 : 矢橋P   2024/10/06 21:43:27 ID:mKlfKSbpOA
カクカクシカジカチイサナコイノアシオト


可憐「そうだったんですね……」

歩(この子全く動じてないよ。亜利沙も環も何を経験してきたんだろう……)
485 : 矢橋P   2024/10/06 21:45:08 ID:mKlfKSbpOA
可憐「その……歩さん達が追っているイーエスって子は育ちゃんの心から生まれた幽霊みたいなものなんですね」

歩「幽霊というか悪霊というか電子生命体というか……」

茜「負の感情が具現化された存在ってところだね」

茜「でもそんな切り抜かれたようにに感情が具現化するなんて本来はありえないんだけどなー」

亜利沙「亜利沙に心あたりが一つあります。心の深層を無理やり引きずり出すことが出来る人間が一人だけ……」

可憐「それって……」

亜利沙(……南米の魔女ルチア。あの事件から消息不明だったはずでしたが)
486 : 矢橋P   2024/10/06 21:46:33 ID:mKlfKSbpOA

歩「ねえ、茜」

茜「むっ、なんだい」

歩「どうしたら……イーエスを退治出来るかな」

茜「ストレートど真ん中剛直球な質問だね」

茜「まあそこをはっきりさせないまま、あれこれ言ってもしょうがないかにゃ」
487 : 矢橋P   2024/10/06 21:47:36 ID:mKlfKSbpOA
茜「まずイーエスは生命体じゃないから殺す事は出来ない。そもそも実体が無い」

茜「こういうのは願いの元を絶つのが定石なんだけど……」

茜「イーエスは願いの元の育ちゃんを自ら取り込んで一部にしている」

歩「それじゃ手足も出せないじゃないか」
488 : 矢橋P   2024/10/06 21:49:07 ID:mKlfKSbpOA
亜利沙「イーエスは電波に乗って移動するんですよね?」

亜利沙「電波の届かないところに誘導して動けないようにすればどうでしょう?」

茜「そうやれば封印することは出来るかもしれない。けどそれだと……」

茜「今までイーエスに食われた人達は帰って来ない」

亜利沙「あ……」

可憐「そんな……」

歩「それじゃどうしたら!」
489 : 矢橋P   2024/10/06 21:50:12 ID:mKlfKSbpOA
茜「だから最後の手段が一つある」

歩「え、あるの?」


なんだ、それを最初に言ってよ!
……って言いかけた言葉は茜のこれまでで一番真剣な表情で引っ込んだ

茜「これはマイハ……ご主人様しか出来ないことなんだけど」

歩「……アタシの魂でも差し出すの?」
490 : 矢橋P   2024/10/06 21:51:25 ID:mKlfKSbpOA
茜「……」首フリフリ

茜「茜ちゃん達具現化された存在にとって約束や契約は絶対なんだ」

茜「ほら、物語でも悪魔と契約って欠かせないものでしょ。あれは茜ちゃん達にとっても同じ」

茜「ご主人様がイーエスに対して互いに大事なものを賭けて勝負する。そして勝つ」

茜「契約は絶対だからね。人間みたいに反故は出来ないよ。仲介に茜ちゃんも付くしそれは心配いらないよ」
491 : 矢橋P   2024/10/06 21:57:30 ID:mKlfKSbpOA
亜利沙「それって……歩さんが命を賭けてイーエスと勝負するってことですか」

茜「……」コクリ

茜「普通なら誰だって軽々しく命を賭けて勝負なんかしない」

茜「ましてやイーエスなら勝負なんかしないで自分で実力行使に出た方が早い」

歩「でもアタシは茜に守られてイーエスからは手が出せない。ならアタシ達を始末するために勝負を受ける可能性も無くはないってことか」

茜「勝負に乗らせるよう追い詰める必要はあるけどね。ただ最大の問題は何で勝負するか」

歩「……っ」

茜「こちら側が明らかに有利な種目なら相手も勝負を受けないだろうからね。契約する以上相手も勝負の内容に納得させないと」
492 : 矢橋P   2024/10/06 22:07:05 ID:mKlfKSbpOA
茜「……それ以前にイーエスに勝てる種目を探す方も難しいね」

茜「茜ちゃんの見立てだとじゃんけんみたいな運否天賦でも多分イーエスがかなり有利だと思う」

亜利沙「ええっ!」

茜「今日会ってわかったけどイーエスは確実に成長している。いずれ誰の手にも負えなくなるよ」
493 : 矢橋P   2024/10/06 22:11:59 ID:mKlfKSbpOA
茜が切り出した最後の方法はまるで堅牢な門のようだった
いや鉄壁の要塞を突破するみたいなものかもしれない


イーエスどころかアタシが他の人と勝負して勝てること、そんなのダンスしかない

でもダンス?
イーエスにダンスで勝負しょうって言って受けてくれるのだろうか
そもそもダンス勝負ってどうやって勝敗を決めるんだ?
チェスや将棋なら明確に白黒つく、ルールがあるからだ
でもダンスに厳格なルールなんてない
審査員に優劣を決めてもらうでもいいけど審査員なんてどこから呼ぶ?
最悪イーエスの息がかかった審査員を呼ばれかねない
 
494 : 矢橋P   2024/10/06 22:13:30 ID:mKlfKSbpOA
可憐「一体休憩しませんか歩さん」

茜「そうだね、結論を出すのは後にしよ?時間がない訳じゃないし。特訓パートを挟んだっていいんだからさ」

茜「何より茜ちゃんはお腹すいたにゃ~。マイハマンご飯だよ!ご飯!」

歩「前から思っていたんだけど茜はご飯食べなくても生きていけるでしょ。空腹とかどうなっているの?」

茜「それは茜ちゃんの気分によって変わるにゃ~」
 
495 : 矢橋P   2024/10/06 22:20:45 ID:mKlfKSbpOA
ガチャ



環「歩~。のりこがご飯作ってくれたって……あっ!お姉さん達だれ~?」

亜利沙「えーっと……環ちゃん!環ちゃんじゃないですか!」

環「あ……、思い出したぞ。ありさにかれんだよね。」

可憐「みんなで星を見に行った時以来だね」フフッ

歩「え、三人とも知り合いなの?」



イーエスのことはひとまず置いておこう
ここの生活がまた賑やかになりそうだ
496 : 矢橋P   2024/10/06 22:27:23 ID:mKlfKSbpOA
第七幕はこれで終わりです

第六幕から大分間が空きました、理由はこのSSの終着点が決めれなかったからです
本編にもあった通りイーエスをどう倒せばいいのか作者も悩んでいました
(副業も忙しかったけど)
ですがようやくこのSSの決着点を見つけることが出来ました
後はそれに向かって進んで行こうと思います

なおこのSSの世界の大神グループに紫杏はいません
なので甲斐の立ち位置が難しいことに……
497 : 矢橋P   2024/10/07 23:19:21 ID:TZ1MQvzU0k

真壁瑞希   サイボーグのエージェント

パライソタウンの研究所が封鎖されて今はとある人物のエージェントを続けている
情報処理&内部工作兼戦闘用サイボーグにバージョンアップしており
戦闘用サイボーグにも張り合えるようになっている
ただ具体的には筋力の増加であるため特殊な能力や装備があるわけではなく
色んな武器を手品のように用いて戦うスタイルは変わっていない
498 : 矢橋P   2024/10/07 23:22:53 ID:TZ1MQvzU0k

福田のり子   新米プロレスラー

あれからプロデビューを果たし新人ながら実績を積んでいる
本業が忙しい彼女だが瑞希とはよく連絡を取り合いあの時の子供達のその後を
今も案じている

たまに麗花と一緒に登山に行っているらしい
499 : 矢橋P   2024/10/07 23:24:31 ID:TZ1MQvzU0k

篠宮可憐   亜利沙の親友の大学生

ハタ侵略の後大学に進学した
人見知りが標準装備だった彼女もハタ侵略で成長し克服しつつある
その時に知り合えた仲間の中でも特に同年代の亜利沙とは進路が違えど交流は続いていて
今回瑞希やのり子と一緒に助太刀しに来た
彼女の五感の鋭さは超能力並みである
500 : 矢橋P   2024/10/14 21:58:14 ID:FmOaz.mJjM


 第八幕 交差

 
501 : 矢橋P   2024/10/14 21:59:04 ID:FmOaz.mJjM
イーエスに宣戦布告をしてからから数日経った
あれから今のところ大神側からの何かアクションは無い
アタシ達の居場所が掴めていないのか泳がされているのか……
いずれにせよ予断を許さない状況ではあるんだけど
たまに瑞希が様子を見てくれるしね
502 : 矢橋P   2024/10/14 21:59:43 ID:FmOaz.mJjM
亜利沙と可憐はアタシの隣の部屋を借りて生活している
(アタシの逆の隣が環とひなたの部屋)
渦木さんが手を回してくれたらしく
警察の捜査で使いたいと説明したら大家さんはあっさり承諾してくれて面倒な手続きを一切免除にしてくれた
おかげでたまに 「捜査状況はどうなったい?進んだら教えてね」
って聞いてくるけども
とにかく宣戦布告をした以上イーエスと勝負して勝つ方法を考えないと
 
503 : 矢橋P   2024/10/14 22:00:31 ID:FmOaz.mJjM
5月28日  AM8:00 アパート前


ガチャ

歩「グッドモーニング!」

典子「あ、おはようございます歩さん」

歩「典子ちゃん一人?」
504 : 矢橋P   2024/10/14 22:01:11 ID:FmOaz.mJjM
典子「環ちゃんが子分を追っかけて、それにひなたさんと朱里さんも慌てて追いかけて行きました」

歩「もう~、環は朝から元気だね」

典子「ふふ、そうですね」

歩「あ、ヒマワリだいぶ大きくなっているね!」
505 : 矢橋P   2024/10/14 22:01:52 ID:FmOaz.mJjM
典子「こないだまで芽だったんですけど、ひなたさんが一緒に世話してくれてからこんなに大きくなりました」

典子「ひなたさんがいうにはあと1ヶ月もすれば花が咲くかもって」

歩「7月頭には咲くかもしれないんだね。そうなったらこの花壇も夏らしくなるよ」
506 : 矢橋P   2024/10/14 22:02:30 ID:FmOaz.mJjM

典子「…………」

典子「なんだか歩さんと二人っきりになるの久しぶりですね」

歩「ここもだいぶ賑やかになったからね」

典子「今だから言いますけど歩さんと初めて会った時はチャラそうなお姉さんだな……って思っていました」

歩「えー!?アタシの初対面ってそんなんなの」

典子「あの時は開田さんも傍にいましたから」

歩(ああ……確かに見知らぬ仲いい男女(しかも片方はオタク)がいきなり引っ越して来たらそりゃ警戒するよね)
507 : 矢橋P   2024/10/14 22:03:10 ID:FmOaz.mJjM

歩「……典子ちゃんはさ、何でヒマワリを育てようと思ったの?」

典子「…………」

歩「あ、喋りたくないならいいんだよ」

典子「いえ、今なら環ちゃん達もいない……から」
 
508 : 矢橋P   2024/10/14 22:03:58 ID:FmOaz.mJjM
典子「お父さんがね、ヒマワリ大好きだったの」

典子「だから……ヒマワリが咲いたらヒマワリを見に戻ってくるんじゃないか……って」

歩「……うん」

典子「まったくおかしいですよね。……そんなわけないのに」
 
509 : 矢橋P   2024/10/14 22:04:53 ID:FmOaz.mJjM

歩「だけどその気持ちお父さんに伝わってると思うよ」

典子「歩さんはお父さんを知ってるんですか」


アタシがこのアパートに引っ越してきた頃には典子ちゃんのお父さんは亡くなっていた
けど幽霊として何度も会話はしていたんだ
でもそう話すわけにはいかないよね
510 : 矢橋P   2024/10/14 22:05:31 ID:FmOaz.mJjM
歩「このアパートに来る前に会ったことがあってさ」

歩「軽くて愚痴っぽい人だったね」

典子「……酷い評価。でも合ってる。まさにそんな感じ」

歩「でも典子のことはずっと心配していたよ」

歩「……実はお父さんから何かあったら君をよろしく頼むって言われたんだ」
511 : 矢橋P   2024/10/14 22:06:27 ID:FmOaz.mJjM
典子「……そんなこと言って」

典子「お仕事クビになっても心配するな……って笑ってて」

典子「ようやく面接に通ったぞ。って言ったその日に車で跳ねられて……」

典子「まったく……バカだよ」グスッ
 
512 : 矢橋P   2024/10/14 22:07:20 ID:FmOaz.mJjM
歩「……典子ちゃん」


典子「でもいいんです。歩さんが来てから環ちゃんやひなたさん達と出会って寂しくないですから」グイッ

典子「私も前に進めるよ」

典子(ありがとう、お父さん歩さん)
 
513 : 矢橋P   2024/10/14 22:07:34 ID:FmOaz.mJjM




514 : 矢橋P   2024/10/14 22:08:28 ID:FmOaz.mJjM


AM 14:00   公園

歩「よーし。今日はここまでにしよう」


あの宣戦布告以降ダンスの自主練の時間が増えた
イーエスとの勝負、あれから考えたけどやっぱりアタシにはダンスしかない
そう思うと練習に一層熱がこもった
 
515 : 矢橋P   2024/10/14 22:09:24 ID:FmOaz.mJjM

美保「まあなかなかいいんじゃない?」

この娘も相変わらずだけど

歩「また見に来たんだ」

美保「別にいいじゃない減るもんじゃないし。会社事業って疲れるのよ。いい目の保養だわ~」
516 : 矢橋P   2024/10/14 22:10:42 ID:FmOaz.mJjM
美保「それよりデビューはいつなの?」

歩「へ?」

美保「あら違ったかしら」

美保「ここ最近の歩のダンス気合い入ってるじゃない。これはデビュー決まったんだわって思ってたけど」

歩「色々とね……デビューはまだだよ」

歩(意外とアタシのことしっかり見てるんだな)
517 : 矢橋P   2024/10/14 22:12:25 ID:FmOaz.mJjM
美保「デビュー決まったらすぐ私に教えてねっ!必ずよ!」

歩「そんなにすぐ知りたいの?」

美保「何言ってるの。あたしがあんたの1番最初のファンなのよ。当然じゃない」

歩「ええ…。美保が一番最初のファン?」

歩「でもそうなるのか…………あ」

歩(まてよ、これって……)
518 : 矢橋P   2024/10/14 22:13:22 ID:FmOaz.mJjM

美保「あんたが有名になったら1番最初のファンの私の鼻も高……」

歩「サンキュー美保!」ガシッ

美保「え?ええ、どうも……」カアア


イーエスの攻略のヒントを一つ貰えたよ
 
519 : 矢橋P   2024/10/14 22:13:45 ID:FmOaz.mJjM




520 : 矢橋P   2024/10/14 22:14:38 ID:FmOaz.mJjM

PM15:00  歩の部屋


歩「ただいまー」

歩「茜は……ランプが無いから環達のところかな」


悪魔「おや、それは都合がいいですね」ババーン

歩「うわっ、あんたは!」

悪魔「どうも。今日はあなたに忠告をしに来たんですよ」
521 : 矢橋P   2024/10/14 22:15:28 ID:FmOaz.mJjM
歩「悪魔が忠告?」

悪魔「そう警戒しないで下さい。彼……いや今は彼女でしたか。のことですよ」

歩「茜のことか」

悪魔「彼女ねぇ……実は結構危険なんですよ。性格はともかくやり方がね」

歩「そうかな?」
522 : 矢橋P   2024/10/14 22:17:54 ID:FmOaz.mJjM

悪魔「願いを聞いてそれを期間内に実行しないと死んでしまう魔法をかける。それが彼女のやり方」

悪魔「それはは何十年も前から続いているわけですが度々問題を起こしていましてね」

悪魔「彼女のそのやり方、悪を助長させるんですよ」

歩「悪を助長って……それは言い過ぎじゃないか」
523 : 矢橋P   2024/10/14 22:18:33 ID:FmOaz.mJjM
悪魔「おや、まだ気づいておられない?」

悪魔「あなたの願いは人に迷惑をかけない願いだからいいんですけどね。人の願いってそんな綺麗なものばかりじゃないんですよ」

悪魔「嫌な奴が居なくなってほしい。とか、あんな連中この国から居なくなってほしい。などの願いだったらどうなります?」

歩「あ……」
524 : 矢橋P   2024/10/14 22:19:08 ID:FmOaz.mJjM
悪魔「例えば一億円欲しいと願った者は最終的に銀行強盗を起こして捕まったケースもありました」

悪魔「なんせ自分の命のために仕方がなかったって言い訳が出来ますからね」

悪魔「ほら、あなた達の歴史の中でも何故この人が突然こんなことしたんだろう?ってケースが無いですか?」

歩「確かにあるけど……まさか!」

悪魔「ええ、いくつかは彼女の仕業です」

悪魔「今まで傍観していましたが私も流石にそろそろ止めた方がいいと思いまして」

悪魔「彼女の契約というなの呪縛。あなたがよければ解除するのをご協力しますよ」
525 : 矢橋P   2024/10/14 22:20:18 ID:FmOaz.mJjM

歩「…………」

歩「いいよ。このままで」

悪魔「おや、もしかしたらその魔法で死んでしまうかもしれないのに?」

悪魔「彼女あなたを手助けしてくれてますか?」

悪魔「散々事件に深入りさせておいて肝心な部分をあなたに丸投げしているでしょう?」

歩「確かにそういうところはあるよ。でも茜はアタシに大事なことを教えてくれたんだ」

歩「“願いは自分で叶えるもの“」

歩「茜がいなかったらアタシは自分で事件を追おうとはしなかった。ダンスだって……諦めてた」

歩「アタシにとってそれで十分だよ」
 
526 : 矢橋P   2024/10/14 22:21:08 ID:FmOaz.mJjM
悪魔「やれやれ。あなたは人間の中でも呆れるほどお人好しなんですねぇ。後で必ず後悔しますよ」

歩「どんな甘いこと言われても悪魔の囁きに耳を傾けるほどアタシは間抜けじゃ無いよ」

悪魔「酷い風評被害ですねぇ。まあ否定しませんけど」フフッ

歩「あんたも人々の心から生まれたんだろ。なら……」
527 : 矢橋P   2024/10/14 22:21:49 ID:FmOaz.mJjM
悪魔「そのあなた方人間のせいですよ」

歩「え」


悪魔「昔はねぇ。人間の願いってささやかなものだったんですよ」

悪魔「腹いっぱいご飯を食べたいとか遠く居る大好きな人に会いたいとか川に橋を架けてほしいとか」

悪魔「だから私も……彼も。最初はちょっぴり意地悪しても最後にはちゃんと願いを叶えてあげたんですよ」

悪魔「それが今はどうです?願いの数を100に増やせだの王様にしてくれだの億万長者だの不老不死だのチートだのハーレムだの」

悪魔「馬鹿馬鹿しくてまじめに叶えてあげる気も起きませんよ」
528 : 矢橋P   2024/10/14 22:23:02 ID:FmOaz.mJjM
歩「で、でも。どんな願いでも叶えてあげるって言われたら、なかなかささやかな願いになんて出来ないよ」

悪魔「私に言わせればね、私達のような存在が酷く邪悪な存在になったのはあなた達人間の心が汚れて醜くなったからですよ」

悪魔「じゃあね人間。私はあなた達が不幸になることを心から望んでますよ」
 
529 : 矢橋P   2024/10/14 22:24:10 ID:FmOaz.mJjM


歩「待って!」

悪魔「まだ何か?」

歩「その……茜の前の契約者ってどんな人だったの?」

悪魔「ああ……。彼の前の契約者はね余命が幾ばくも無い少女でしたね」
530 : 矢橋P   2024/10/14 22:24:54 ID:FmOaz.mJjM
悪魔「彼は哀れみ半分ちょっかい半分で契約したんだと思いますよ」

悪魔「私も余命が幾ばくも無い少女が最後に何を願うのか興味があって見てました」

悪魔「そしたら可笑しいことにね。その少女は“アイドルになりたい“って言ったんですよ」フフッ

歩「!!」

悪魔「流石の彼も驚いたようでした。叶うのが不可能の類いの願いでしたしね」

悪魔「やめればいいのに彼はそれを受けてしまって」

悪魔「次第に少女は自分の体でアイドルになるのが無理と理解した時」

悪魔「代わりに彼にアイドルになってほしいって願ったようですよ」

歩「…………」
531 : 矢橋P   2024/10/14 22:26:19 ID:FmOaz.mJjM
悪魔「最終的にそれが少女の彼に対する遺言になりました」

悪魔「でもそれも不可能な願いなんですよ。どんなに外見を変えようと彼は魔人でアイドルにはなれないんですから」

悪魔「だからせめてあなた達に託そうとしているんじゃないですか」

歩「…………そう」
 
532 : 矢橋P   2024/10/14 22:27:11 ID:FmOaz.mJjM
悪魔「いいですね、その表情。お喋りをした甲斐がありました」

歩「……ならアタシを救ってくれたのもその少女の願いだよ」

歩「あんたは知らないだろうけど茜はあの姿が気に入っているんだ。大事にしているんだよ」

歩「確かにあんた達が歪んだのはアタシ達人間のせいだ。でも茜を変えたのもその少女の願いおかげなんだよ」

歩「人が願うことは……悪いことだけじゃないよ!」



悪魔「はぁ、そうですか。まあせいぜい頑張ってください」スゥゥ
 
533 : 矢橋P   2024/10/14 22:27:39 ID:FmOaz.mJjM





 
534 : 矢橋P   2024/10/14 22:28:19 ID:FmOaz.mJjM

PM17:00



茜「ただいま〜。いやー環ちゃんがこぶんを追っかけてどんどん外に行っちゃうもんだからさー」

歩「大変だったね」
535 : 矢橋P   2024/10/14 22:29:16 ID:FmOaz.mJjM
歩「……ねえ、茜は歌を歌うの好き?」

茜「もちろん!……って言ってなかったよね?茜ちゃんの好みよく気づいたね~」

茜「これもマイハマンが契約者として茜ちゃんとの絆が深まった結果かな!」

歩「じゃあちょっと一緒に歌おうよ」

茜「デュエットのお誘い!いいよいいよ~」

茜「茜ちゃんが得意な歌はね~キャピキャピのアイドルソング!」

 
536 : 矢橋P   2024/10/14 22:30:29 ID:FmOaz.mJjM




537 : 矢橋P   2024/10/14 22:30:53 ID:FmOaz.mJjM

次の日



歩「あれ、アタシに手紙が来てる。今どきはがきの手紙なんて誰からだろ……」ペラッ

歩「!!!」
538 : 矢橋P   2024/10/14 22:32:06 ID:FmOaz.mJjM
亜利沙・可憐の部屋


亜利沙「桃子ちゃんから手紙が来たんですか!?」

歩「そう、内容は……」



  『6月1日の13時ちょうどにアミューズメントパークに来て。絶対だよ!』


歩「だってさ」
539 : 矢橋P   2024/10/14 22:33:04 ID:FmOaz.mJjM
亜利沙「危険な香りがぷんぷんしますね……」

可憐「あの……何でその桃子ちゃんは歩さんの住所がわかったんでしょうか」

歩「それははっきりわからないけど……」

歩(おそらく環達に果たし状を送って来たやつと同じ系統かな)
540 : 矢橋P   2024/10/14 22:33:52 ID:FmOaz.mJjM
歩「それで、アタシはこの誘いに乗ろうと思う」

可憐「それって……」

亜利沙「かなり危険じゃないですか」

歩「住所知られているならどの道同じ」

歩「アタシ達を始末する気ならもう直接ここに乗り込んで来てるよ」
541 : 矢橋P   2024/10/14 22:35:46 ID:FmOaz.mJjM
歩「それに何で桃子が今この時代に手紙で連絡してきたと思う?」

亜利沙「それは、スマホだと…………あ!」

歩「多分そういうことだと思うよ」

歩「それにアタシもイーエスと対決するには桃子の協力が必要だって思ってたんだ」

歩「いつか会って説得しなきゃって思っていたんだ。本人の方から持ちかけてくれるんだったら願ったりだよ」
542 : 矢橋P   2024/10/14 22:36:57 ID:FmOaz.mJjM
亜利沙「わかりました。そこまで言うでしたら桃子ちゃんに会いに行きましょう」

亜利沙「でも、それなりの準備をしてからですよ!」

歩「ごめん。みんなには協力して貰いっぱなしだけど今回もお願い」

可憐「私も亜利沙ちゃんも危険を察知するのは得意です。任せて下さい」

歩「それと……この話しは環や朱里にはないしょにしてほしいんだ」

歩「巻き込みたくないから」

亜利沙「当然です。これは亜利沙達の問題ですからね」

亜利沙「瑞希さんにも連絡しておきます、6月1日まで時間もありますからじっくり準備しましょう」
 
543 : 矢橋P   2024/10/14 22:38:15 ID:FmOaz.mJjM




<バタン
544 : 矢橋P   2024/10/14 22:39:18 ID:FmOaz.mJjM


朱里「……」

朱里「タイミングが悪かったかしら」


環「あかり~。あゆむとありさと可憐お姉ちゃん呼んできてくれた?」

朱里「あの三人は今忙しいから後にしましょ」

ひなた「ありゃ、せっかくホットケーキ焼けたのに残念だねぇ」
545 : 矢橋P   2024/10/14 22:39:52 ID:FmOaz.mJjM
朱里「…………」

朱里「二人とも3日後に3人でアミューズメントパークに行くわよ」

環「え、外に出ていいの?行く行く!!」

ひなた「外に出て大丈夫なんだろうか?」
546 : 矢橋P   2024/10/14 22:42:15 ID:FmOaz.mJjM
朱里「私達も閉じこもってないでたまには外に出た方がいいわ」

朱里「……念のためよ」ボソッ

環「それじゃあゆむもさそって……」

朱里「駄目よ。この事は歩達にはないしょ、言ったら止められるわ」

環「うーー。ざんねんだぞ」




裏と表がついに交差する
 
547 : 矢橋P   2024/10/14 22:46:16 ID:FmOaz.mJjM
短いですが八幕は終わりです
展開としてはあまり進んでいませんが大事な話しを詰め込んだつもりです
いよいよ次回は山場の一つになりそうです
亜利沙達と環達が遂に交わる時が来ましたが……
名前 (空白でランダム表示)
画像 ※JPEG/PNG/GIFのみ。最大サイズ合計: 8MB



画像は3650日で自動削除する
コメント スレをTOPへ (age)

※コメントは15行まで
※画像などのアップロードの近道 : http://imgur.com/
※コメント書き込みの前に利用規約をご確認下さい。

- WebPatio -