これが後の眠り姫である

百合子「…って言う脚本なんですけど、どうですか！？」

夢の中の百合子は夫のプロデューサーにそう言った。

夢P「お姫様の生きる場所が夢の世界に変わっただけで、生きていて幸せならそれでいいと思うな。作者の百合子は目覚めがハッピーエンドだと思うのかな?」

百合子「それは…私にもわかりません。このまま目覚めない方が幸せな人生を送れるかもしれません。目覚めてしまったら不幸なことばかり起こるかもしれません。ハッピーエンドになるかどうかは本人次第だと思うんです。ただ…どんな結末になっても、夢オチにはしたくないんです」

現実世界

未来「プロデューサーさぁん！百合子ちゃん全然起きないですよー！」
のり子「あれから何度もプロレス技かけても反応ないし…」
風花「やっぱり開発中の新薬を使うしかないのかも…でも副作用が…」
瑞希「ロボトミー手術の臨床試験…一体どんな夢を見ているのでしょうか…」
杏奈「杏奈…百合子さんと…またネトゲしたい…」

そこへ麗花がやって来て、神妙な面持ちで語りはじめた……

彼女の故郷に古くから伝わる、茜ちゃん人形の伝説を！

世界中に散らばる7つの茜ちゃん人形を集め、祈りを捧げると神なる茜ちゃんが現れ、ありとあらゆる願いを叶えてくれるという…

地元にあるパーキングエリアのお土産コーナーにでかでかとそう書いてあったらしい

しかし、茜ちゃん人形の中にひとつだけ色違いが混ざっていた

P「これは……？」
茜ちゃん「これは……崩壊前の世界の茜ちゃん人形だよ！」

この茜ちゃん人形が百合子を脅かすウィルス『誰もが夢見る幸福な世界』の原因元であった。そして政府よりパンデミックと公表され、この世界も同じ世界崩壊シナリオを辿っていた。

そんな中、今度は真っ白な茜ちゃん人形が発見された！

真っ白な茜ちゃん人形「燃えたよ…真っ白に…燃え尽きちゃった…真っ白な灰に…」

そう言うと白い茜ちゃん人形は文字通り灰となって崩れ落ちてしまった。
だが、その灰の中から産まれてきたのは新たなる茜ちゃん人形であった…！

悪魔の様な見た目の茜ちゃん人形は、世界中のウィルスに感染して眠っているに悪夢を見せつつ枕を返していった

そして百合子が見た悪夢は

P「……百合子、ごめん」

今まさに現実になろうとしていた......


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

（語り：ジョーイロータス）

そんなアナウンスと共に夢の中の百合子は暗くて何もない無に一人佇む事になる

そう精神だけの百合子は、全ての人間の集合無意識・阿頼耶識に辿り着いたのだ！

精神体となった百合子は考えた
私はどうなるのだろうか？と

そうだ、今まで夢Pとの幸せな生活で忘れていたのかも...私はアイドルなんだ...lily knightなんだ。あ、HDディスク消してない!!起きないと!!

現実世界－
百合子「パソコンは見ないで下さい！！……ってあれ？みんな私を見てなんでビックリしてるんですか？」

十数人はいるだろうか。
皆が悲しそうな顔をしていて、中には嗚咽を漏らしている者もいる。

……見慣れた顔が揃っている。

しかし、なんということだろうか！
皆の名前を思い出せない。
むしろ最初から知らなかったような感覚だ。

そうか！
そうだったのか！

……

P「百合子、お前は崩壊前の世界の茜ちゃん人形から発生したウィルス『誰もが夢見る幸福な世界』に感染して約2ヶ月間昏睡状態だったんだが、世界中に散らばる7つの茜ちゃん人形のうち、色違いの真っ白な茜ちゃん人形が灰になったことにより生まれた悪魔のような茜ちゃん人形が百合子に悪夢を見せてようやく目が覚めたんだよ」

百合子「あ、なるほど」

この夢のような物語は百合子の手により小説化、出版された。
けれど百合子のPCには、世に出回る事のなかった、もう一つの終わり方がある。百合子とキスしたPさんが、夢Pの記憶を思い出してくれるハッピーエンドが...なんてね

その小説は大ヒットし、ベストセラーとなった
そして映画化も決定された

主演女優、助演女優、監督、脚本、音楽をはじめ各賞を総ナメした。

そして765プロ内に映画制作カンパニーが創設され、ジョーイロータス氏の推薦により海美が初代プレジデントとなった。
なお、これに関する緊急記者発表が始まろうとしているところだ。
登壇者は高木社長、ジョーイロータス氏、高坂海美プレジデントの3名、進行役に伴田路子女史を迎えて行われる予定である。

暗転
演出か?ブレーカーが落ちたのか?
考え得る中で最も最悪な事態だった。
人々はそいつを『怪盗』『大泥棒』と呼ぶ

突然響く窓の割れる音。
「何者だ！？」

窓の方に目をやると打ち上げ花火が。
いつの間にか高坂海美プレジデントを飾るお姫様ティアラがなくなっていた。
そして要るはずのジョーイロータスはいなく、仮面の女の消えゆく姿があった
路子「もしかしてあれは...チヅルなの?」

劇場版名探偵ナンナン!

亡失の髪飾(ティアラ)

もしかして…貴方は…バカなのですか?

2018年夏公開予定!


ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…

ジョーイロータス｢どうだいこの予告編は?驚いただろう｣

ロータス「君がここに現れることは、映画に出来るほどわかっていたんだよ！恋心マスカレード仮面君！！」

スポットライトに照らされた記者席の一角。
そこには恋心マスカレード仮面が座っていた。

しかし何故か、彼女の両隣には紗代子とエレナの姿があった。

壇上から見ていた海美は、その3人の組み合わせに妙な既視感を覚えるのであった。

ロータス「年貢の納め時だ。奴を捕らえろ!」
恋心マスカレード仮面の元に警察が駆け寄る。だが小さな爆発音と共に頭が胴体から離れバネでﾋﾞﾖﾖｰﾝ。
『ﾊｽﾞﾚﾃﾞｼﾃﾖｗｗｗﾊｽﾞﾚﾃﾞｼﾃﾖｗｗｗ』

P「なんだこりゃ……」

斬撃音と共にPと警官はトランクス一丁に
石川紗代ェ門「またつまらないものを切ってしまった…」

P「ええ…(困惑)」

壇上に設けられた椅子に座り、今まで微動だにしなかった海美。

彼女は徐に立ち上がってマイクを手にし、そしてこう叫んだ。

海美「隠れてないで正々堂々...出てこいや!!!」

会場のドアが突如開く
「そいつが泥棒!!捕まえて」
泥だらけでジャージ姿の海美だ

そしてステージには煌びやかな衣装を纏い、お姫様ティアラで飾る海美。
海美「彼女が泥棒!!捕まえて」

ロータスは海美(偽物)を羽交い締めにした!

紬｢自分の責任を…果たして参ります…｣

彼女はそう言うと偽物に向かって腕時計型催眠銃を撃った

見事にロータスに命中した！

ロータスはふらふらと近くの椅子に座る
しかし羽交い締めにされているので海美（偽）も逃げられない
仕方ないので、紬は椅子の後ろに隠れて、声真似でロータスのフリをしながら推理を発表した

しかしツムツムの推理を無視して、サッカーボールがロータスの拘束を解く！
次元エレ介「秋月の律っぁんが来る前に、とっととズラかるヨー？恋心マスカレード仮面！」

しかし時すでに遅し。
偽物のうみみ…もといマスカレード仮面は琴葉や静香ら率いる警視庁の警官によって逮捕された

律子「バカモンそいつはマスカレード仮面の偽物だ。奴らの車を追え!!」
律子は前を走る黄色フィアットを追う。

その頃会場に取り残された客や報道陣は口をあんぐりと開けたまま黙り込んでいた
展開があまりにも奇天烈過ぎたからである

仕方がないので麗花と茜の漫才と瑞希の手品とトゥインクルリズムのヒーローショーで場を繋ぐことにした

そして一ヶ月後

百合子は言った

百合子「恋心マスカレード仮面の正体…それはあなたです！」

千鶴「ち、ちがいますわ。それよりも出来たてのコロッケはいかが?」

百合子は、せっかくなのでいただくことにした。

ひとくちかじってみると

口に広がる肉汁 メンチカツだ

こんな美味しいメンチカツをくれる人なら違うかと考え直し
横にいた二人について考えてみた

紗代子さんは優しそうでエレナさんは嘘を付く人に見えない。嘘つきは泥棒の始まりと言うけれど、この3人が泥棒のようには考えられない。それよりメンチカツ美味しい

百合子は決めた
このメンチカツを世界に……と

百合子は決めた
このメンチカツを世界に……と

けれどそれを行うにはお金ももちろんのこと、知名度や人を動かす人望すら無かった。だから百合子はアイドルを頑張った

世界一アイドルになって世界の皆に伝えることにより世界の歴史の１ページにメンチカツを残す

世界一アイドルになるため、メンチカツを手に勇者百合子は旅立つのであった。

「何メンチ切っとんねんワレ！？」
突然ヤンキーの兄ちゃんが現れた！
ヤンキーの兄ちゃんはナイフを抜いて臨戦態勢だ！

百合子はヤンキーにメンチカツをあげた

しかし、油の温度が高すぎた！
少しコゲてしまった！！

それでもヤンキーは気づいていなかった

それから百合子は人間を見つけてはメンチカツを配って歩いた。けれど奴らは身勝手だった。ダイエット、ベジタリアン、食わず嫌い、メンチカツを愛することが出来ないなんて人間では無い。そうだ...メンチカツを義務にしてしまえばいいんだ...

人々はかの暴虐な独裁者によりメンチカツに苦しめられていた。1日三食メンチカツ。従わなければ市民権を剥奪し人間以下の奴隷送り。自由のない食生活に民衆は心も内臓も疲労していた。

メロス静香は激怒した。必ず、かの 邪智暴虐 （ じゃちぼうぎゃく ） の王を除かなければならぬと決意した。

メロス静香は、メンチカツに対抗する術を考えている時、とある一冊の本に出会った。
そこには七色に光る唐揚げの伝説が書かれていた。

というわけで、七色に光る唐揚げを探す旅に出るため、仲間を3人ぐらい集めることにした。

けれど未来は静香が旅に出ることを許さなかった。夢物語を追うよりも不満の溜まって要る民衆を率い、聖人として革命を起こした方がいいと言う。何よりも未来は静香と離れたく無かった。

仕方がないので、代わりに知り合いの勇者朋花に旅に出てもらうことになった。

旅の仲間が5人集まった。
その5人とは…

イかれたメンバーを紹介するぜ！
毎度おなじみ「聖母」天空橋朋花！
満点の笑顔で人を癒す「スマイルブレイバー」島村卯月！
ロックンロールな「ダイナマイター」ジュリア！
ロープレと言えばこの人「vivid_rabbit」望月杏奈！
傷ついた悪姫「ブリュンヒルデ」神崎蘭子！

以上だ！

旅に出てから暫くして定期連絡を寄越さなくなった。そして2年...くたばったと思われていた彼女らから一通の手紙が静香の元に届けられた。

『安息ノ地ヲ見ツケタ。ココハ揚ゲ物ヲ強制サレル事無ク自由ニスゴセル[楽園]ダ』

仕方がないので、また代わりに旅に出てもらうことにした。

また、昨今のヘルシー志向を鑑みて『油で揚げない唐揚げ』の開発も並行して行うことにした。
開発リーダーに任命されたのは美奈子である。

ちなみに、旅に出るメンバーは勇者麗花をはじめ、倍の10人になった。
そのメンバーとは…

戦士野々原茜
魔法使い野々原茜
僧侶野々原茜
盗賊野々原茜
魔物使い野々原茜
格闘家野々原茜
商人野々原茜
賢者野々原茜
笑わせ士野々原茜

村人Y「って全員茜ちゃんやないかーい」

と思われたが、実際に会ってみたらなんと！
麗花さんと茜ちゃんが9人ずつの18人パーティになっていた！

どうやら、未来が765プロに発注ミスしたようだ。

ついでに美也の発注ミスも判明した

｢｢｢｢｢｢｢｢｢おや～貴方も旅人ですか～｣｣｣｣｣｣｣｣｣

こうして天然サンド×27による冒険が始まるかと思われたが流石に訳が分からなくなるのでまつり姫がそのうちの24体を自主回収した

全員無事で帰ると言ったパーティーは一人また一人と険しい旅路の途中減っていった。そして伝説の唐揚げのレシピの載る魔法の本を見つける頃には茜も麗花も一人ずつとなっていた。
茜ちゃん「見つけた、見つけたよ。待ってて...直ぐに帰るからね、静香ちゃん」

このままだとみんな無事では済まない。なので

麗花は意識を失った茜を担ぎ急いで最寄りの街へ入った。そこには朋花がいて、ここが楽園と呼ばれる地だった

楽園には、紬、エミリー、そしてまつり姫が回収し損ねた美也がいた。彼女たちは、百合子とマスカレード仮面の行方を追うために、探偵事務所『ゼロ』を開いていた。

朋花の調査により2日後、静香率いる革命軍と共に恋心マスカレード仮面は百合子に贈られた予告状通り現れるそうだ。百合子の書いた世に公表され無かった物語の結末を盗みに。

エミリーは、茜から聞いた伝説の唐揚げのレシピに興味を持ち、何度か試してみた。

しかし、何かがおかしい。
何度試しても、唐揚げではなく竜田揚げになってしまう！

それを聞いた美也は、なんとレシピに暗号が隠されていることに気付いた！！

一方、美奈子の『油で揚げない唐揚げ』がついに完成した！
試食した静香は……

静香の身が危ない!! 麗花茜は朋花がもしもの為に用意していた零戦二一型に乗り込む。早く戻らなければ

茜ちゃん「ちょっと待って！何かおかしいよ！私たちってアイドルだったんじゃないの！？」

美咲は困惑していた。
2日後の遠征に向けて、静香の防具一式を新調したところだ。
一度試着してもらおうと、静香の元へやって来たのだが……

そこには恋心マスカレード仮面がいてぐるぐるの簀巻きにされてしまった。
「少しの間お洋服お借りしますわよ」

遠征当日
静香「今日こそはメンチカツから国民を解放し、うどんや他の食事をする権利を勝ち取りましょう！」

静香は後に引けぬ所まできた。今まで信じてきた美奈子は保守派の人間で命を狙ってきた。未来がつまみ食いしていなければ神経毒で動けないところをやられていただろう。
静香「未来、頑張るからね...」

未来ちゃ「ちょっとー！私を勝手に置いてかないでよー！」
P「そうだぞ、水臭い」
ああ、静香はなんと良い仲間を持ったのだろう。

未来がラッパを吹く。
こうして聖女静香率いる革命軍と独裁者百合子の戦いは幕を開けた

麗花もラッパを吹いた。

麗花「開戦のラッパが聞こえた...」ﾊﾟﾌｰ
茜「麗花ちゃーん、あとどのくらーい」
麗花「14時間だよー。茜ちゃんは寝てていいよー」
茜「できる限り起きてるー」
麗花「そっかー」

杏奈もパラッパラッパーをプレイした

戦場にて
美咲？「静香ちゃん、私が城内を探って来ますね！」
静香「ありがとうございます、青羽さん！」(胸のリボンがオレンジ色になっているのに気づかず)

美咲？は城に戻り、紗代子とエレナの2人と合流し、情報を交換しあった。

その後2手に分かれると、百合子の件は2人に任せ、美咲？はとある人物を探した。

そう、油で揚げない唐揚げを開発した美奈子である。
美奈子であれば、世界一メンチカツをも超える『宇宙一コロッケ』の実現も夢ではない！


一方、隣国の346プロでは、消防法の改正に伴い避難訓練が実施されていた。
点呼をとった千川ちひろがある異変に気付いた！

2人足りない！！


……その時歴史が動いた！

怪盗の事実上離脱に伴い、独裁者百合子に不利であった戦局が崩れた。そして正史では盗まれるはずであったマイティーセーラーのアミュレットは盗まれず、この度戦場を蹂躙することとなる。

まつり(この革命が成功しなければ、百合子ちゃんもマスカレード仮面も捕まえることができない…)

美也「まつりちゃん～」
ジュリア「すべての準備が整ったぜ！」
杏奈「レシピに隠された暗号は杏奈と蘭子がビビッと解いたからね！」
まつり「！」

エミリー「揚げ物を美しく盛り、美味しく食すためには、引き立て役として野菜――揚げ物とは真逆の食べ物が必要です」
紬「揚げ物の正しい魅力を伝えるため、そして、マスカレード仮面に雪辱を果たすため」
卯月「島村卯月、頑張りますっ！」


まつり「……抜かるなよ、『ゼロ』…なのです！」