【赤緑23周年記念SS】百合子「私は、ポケモンマスターです!」その2
1 : 1   2019/03/28 21:35:53 ID:hzBBvn9CN.
前:http://imasbbs.com/patio.cgi?read=6773&ukey=0&cat=ml

注意
1:キャラ崩壊
2:長編
3:ゲームとは異なる展開
4:駄文
5:更新早かったり遅かったり
6;赤緑といいつつ青ピカ要素もある

上の続きです
初見だよって人やおさらい用とかに参考画像用意したのでどうぞ
多分分かるようになってるはず・・・
次レスでは簡単なこれまでのあらすじも書くので、どうぞ

それでは、冒険スタート!
237 : 1   2019/06/23 16:36:08 ID:3LKCyNokg.
マサキ「おしゃべりは終わったか?これが最期かもしれへんし、たっぷり楽しんでてもええんやで」ニヤッ

百合子「最期?それはあなたが決めることじゃない…」

マサキ「…」

百合子「私の物語の結末は私自身が記していくんですからね」ドヤッ


Pカチュウ「いくぞみんなあああああああ!!」ドドドド
マサキ「かかってこいやぁ」チョイチョイ


百合子(あれ、私のキメ台詞…総スルー?)ガーン


Pカチュウ「“でんこうせっか”!」ビュンッ

マサキ「途中で軌道を自在に変える“でんこうせっか”…威力はしょぼいがなかなかにめんどいわざやな……だが!」

マサキの サイコキネシス!

マサキ「全方位攻撃ならそんな小細工は意味を成さない」

Pカチュウ「くそっ!」

マサキ「“れいとうビーム”!」

おしょう「!?」

おしょう、ネギで“れいとうビーム”を弾く!

フリーザー「敵のわざを瞬時に自身のモノにするあの特殊能力…厄介だな。あれのせいでマサキの戦術が大幅に広がっていく」

シゲル「百合子!お前読書好きなんだろ!頭脳戦で対抗するとかなんかして戦え!!」

百合子「1つ言っておきます!読書が好きだからって頭いいとは限らないんですよ!!」バーン!

シゲル「何で自信たっぷりに断言してんのお前!」ガビーン

百合子「でも安心してください」

シゲル「?」

百合子「マサキさんは1つミスを犯した!そこをつけば攻略可能です!」
238 : ごしゅPさま   2019/06/24 19:49:10 ID:dwZGHBaixw
ホント読書キャラなのにアホなんだよな
239 : 1   2019/07/01 20:49:29 ID:GkSvMrCtho
Pカチュウ「弱点!本当か!?」

百合子「はい!マサキさんは使ったわざを覚えてますか?」

Pカチュウ「最初に“サイコキネシス”…次に“10まんボルト”、“すてみタックル”、“れいとうビーム”…」

百合子「そう、つまり!マサキさんは4つのわざを全て晒したということです!」ビシッ

マサキ「…」

百合子「後は、またコピーされないように注意深く攻撃すればいいんですよ!」

Pカチュウ「そう上手くいくか…いや、今は考えられる手段を試していくしかないか!」

百合子「マサキさん!バトル漫画よろしく優れた能力を自慢したかったみたいですけど、それが仇となりましたね!シルフ、“りゅうのいかり”!エグゼ、“トライアタック”!」

マサキ「ふふふ、着眼点はいいが…まあせいぜい60点ってところやな」スッ

シルフ「!?」
240 : 1   2019/07/01 21:05:43 ID:GkSvMrCtho
エグゼ「か、からだが動か、ない…!」

シゲル「あれは!“かなしばり”!!」

マサキ「言い忘れとったが、一度覚えたわざは何度でも思い出して使うこともできるんや…」

Pカチュウ「忘れたわざも再度使えるのかよ!」

百合子「本を読み解く力はあっても、戦略は読み解くことができなかったということですね」フフッ

フリーザー「何を上手いこと言った気になっている!そんな場合ではないだろうに!思えばさっきからボケた発言ばっかりだぞ!もう少し緊張感を持つのだ!」

シゲル「いや、そうでもないさ」

フリーザー「ん?」

Pカチュウ(グレンタウンでは、焦りから周りが見えなくなってカツラと瑞希にボロ負けした…!けど、今の百合子は違う!)

シゲル「あの百合子って女は、よくも悪くも仲間の力でパワーアップしやがる…今のあいつには鍛え上げた頼れるポケモンたちがそばにいる」

Pカチュウ(今の百合子の精神コンディションは、万全だ!!)

百合子「さあ、次行きましょうか!」ニッ
241 : 1   2019/07/01 22:18:14 ID:GkSvMrCtho
シゲル「あの顔はちょっとやそっとじゃ動じないって顔だぜ…!ほんとムカつくやつだ、知らない間にまた強くなりやがって…!」

百合子「何度だって立ち向かう!行きますよ、マサキさん!」

マサキ「…“かなしばり”」

ピタッ!
百合子「うわあああ、身体が動かない!ど、どうしよおおおおう!!」アセアセ

フリーザー「ものすごく動じているが?」

シゲル「…」ドヨーン

Pカチュウ「う、ごけ、ない!」

マサキ「ははは!凡人共の足掻きほど滑稽なものはないなぁ!」

百合子「凡人、ですか…。マサキさんは人より優れた頭脳があるのに、それをどうして悪事に使うんですか!」

マサキ「それをどう使おうとわいの勝手やろ?」

百合子「そもそもあなたの目的は何ですか!私たちをこの世界に連れてきた理由は!?」

マサキ「さっきから質問の多いやつやな…」

百合子「答えてもらいますよ!」

マサキ「…この世の人間は汚いって思わんか?」

百合子「え?」

シゲル「あいつ、急に何言ってやがる…」

マサキ「人間はポケモンを、まるで道具のように扱う。商売に、労働力に、そして悪事に…その行いはポケモンだけでなく善良な人間をも傷つけることになる」

フリーザー「…」

マサキ「だからわいは、今の社会を掌握することで、人間を支配し、ポケモンの豊かな世界を築くことを誓ったんや!そうすることでこの世界は楽園へと昇華するんや!!」

百合子「世界を築く…!楽園…!」
242 : 1   2019/07/01 22:43:51 ID:GkSvMrCtho
シゲル「棚に上げるな!お前だってポケモン使って悪事を働いてる人間だろうが!」

マサキ「これは革命や。個のためでは無く世界のため。そのための行いは全て正当化される!それに今のわいは人間という穢れた器を捨て、新たな器を手に入れた!人でありポケモンでもあるわいこそが世界の中心となり、世界を導く存在なのだ!!」

フリーザー「誰が支配するとか導くとか、それは驕りが過ぎるぞ、美しくない」

マサキ「何とでも言えばええ、どうせお前たちにはわからんことや」

シゲル「けっ!分かりたかねぇやそんなこと!」

マサキ「Pカチュウ。お前もわいと同じ、人でありポケモンである存在…そういう点でいえばお前とわいは同類や」

Pカチュウ「勝手に同類にするな!俺は俺だ!」

マサキ「わいはお前に一目置いてるんやで。お前は優れた能力がある。人を導く才能が…」

Pカチュウ「そりゃあどうも」

マサキ「それにお前のおかげでわいの計画は大きく前進した。これでも感謝してるんやで」

Pカチュウ「何…?」
243 : 1   2019/07/01 23:05:35 ID:GkSvMrCtho
マサキ「お前はわいの実験の過程で見つけた優れた素体や…。当時転送装置をいじってたら、偶然にも異世界のものを転送する技術を手に入れ、わいは計画に利用できる素体を探していた。こっちの世界の人間を迂闊に使うと事を起こす前に悟られる可能性もあったからなあ」

Pカチュウ「それで俺たちがお眼鏡にかなったってわけか」

マサキ「正確に言えば『お前』がな。レーダーに大きく反応のあったものを転送してみたらお前が現れたってわけや」

百合子「ん?ちょっと待ってください!じゃあ私やこのみさん、瑞希さんは!?」

マサキ「百合子、お前はただのついでや。釣りをしてたら大物のついでに小魚がくっついてきた。ただそれだけや」

百合子「ついで…小魚…」ガーン

マサキ「残りのやつらのことは知らんなあ。大方、装置の誤作動で転送されたんやろ」

Pカチュウ(このみさんと瑞希の件はマサキの仕業じゃないのか?)

マサキ「だけど、そのただの小魚に過ぎないお前の行動にはわいはすごく楽しませてもらったわ。お前の成長はわいにとって楽しみになっていた」

百合子「マサキさん…」

マサキ「お前が成長すればするほど、調子付いたお前を絶望の淵に叩き落とす時の喜びが一入だからなあ」

百合子「なんて人ですかあなたは!」プンプン
244 : 1   2019/07/01 23:10:22 ID:GkSvMrCtho
マサキ「お前は最高のおもちゃや!せやけど計画の最終段階に入った今、お前はもう用済みや!ここで引導を渡したる!!」

Pカチュウ「百合子!!」

百合子「…私は小さい頃から、空想の世界に憧れていました。いつか自分もそんな夢にあふれた世界で大冒険をしてみたいと。その夢が15歳になって叶うことになるなんて思わなくって…私凄く嬉しかったんです!」

Pカチュウ「…」

百合子「私はこの世界が大好き…この世界で出会った人々、ポケモンたちが大好き…!だけど、その世界を脅かすあなたを野放しにはしておけない!」

マサキ「何が言いたいんや?」

百合子「世界を守るため、あなたは絶対に倒す!!」ビシッ

Pカチュウ「その意気だ百合子、こいつの言ってることは暴論だ!他人のことを考えてない独りよがりな考えだ!」

マサキ「なんやて?」

Pカチュウ「1つ言っておく。俺は今まで1度だって、人を力ずくでどうにかしようだなんて思ったことはない。その人の夢や想いを理解して、喜びも悲しみも一緒に背負って一緒に前に進む!それが俺の導き(プロデュース)だ!!」

百合子「Pカチュウさん…!」

マサキ「そんな甘っちょろい考え、吐き気がするわ」

Pカチュウ「百合子、そろそろあいつに見せてやろう」

百合子「そうですね、見せつけましょう!私たちの、フォーメンションを!」
245 : 1   2019/07/01 23:14:59 ID:GkSvMrCtho
フリーザー「フォーメンション?何をするつもりだ?」

百合子「Pカチュウさん、つむぎ!行くよ!!」

つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」グイッ

フリーザー「これは!ギャラドスの尾がまるでバネのように!」

マサキ(何をするつもりや…)

百合子「つむぎ!“すてみタックル”!!」

ギャラドス「!!」ビュンッ!!

マサキ「!?」

フリーザー「バネ状の尾を伸縮させ、発射スピードを上げたのか!」

百合子「それだけじゃない!破壊力も増してるんです!」フンス

フリーザー「しかしそんな単純な攻撃で、敵を美しく倒すことが出来るのか…?」

シゲル「そうだ!軌道が読みやすいじゃねぇか!」

マサキ「その通りや!」スッ

シゲル「ほら、いわんこっちゃねぇ!避けられた!!」

百合子「つむぎ!リターン!!」

ギャラドス「ギャオッ!!」クルッ

ビュンッ!!

マサキ「なにっ!壁にぶつかる寸前でバネ状の尾をまた壁に!?」

百合子「そう!このみさんのフォーメンションBをアレンジした七尾百合子風フォーメンション!名付けて『フォーメンション・タイフーン』!」
246 : 1   2019/07/01 23:30:32 ID:GkSvMrCtho
シゲル「何!?このみのフォーメンションだと!?流石このみだぜ!!」
フリーザー「何!?このみのフォーメンションだと!?流石このみだ!!」

Pカチュウ「手のひら返すのはやっ!」ガビーン

…チラッ
…チラッ

シゲル「てめぇ!何で俺のこのみのことを馴れ馴れしく呼んでやがる!」ボカスカ
フリーザー「このみは私のトレーナー、美しき絆で繋がっているのだ!そういう貴様はなんだ、『俺の』とは!」ボカスカ
シゲル「このみはいずれ、俺の彼女になる女だぞ!!」ボカスカ
フリーザー「何だと!認めん!お前のような美しくないとんがり頭の男なぞ!!」ボカスカ

百合子「ちょっとそこ!場外乱闘はやめてください!!」ガビーン

マサキ「くっ、図体のでかい奴が鬱陶しい…!」バチバチ

フリーザー「ぬ!やつの手が電気を纏っている!」ボローン

シゲル「“10まんボルト”か!?」ボローン

マサキ「いてもうたる!!」ビリッ

つむぎ「!?」ビクッ

Pカチュウ「安心しろ、つむぎ!俺がいる!!」

つむぎと並走しているPカチュウが“10まんボルト”を放ち、マサキの攻撃を相殺した!

マサキ「っち!」

百合子「Pカチュウさん、今です!」

Pカチュウ「よっしゃ!!」ピョンッ

シゲル「Pカチュウがギャラドスの正面に跳んだ!?」

フリーザー「激突するぞ!」

Pカチュウ「うおおおおおお!」

跳んだPカチュウの足がそのままつむぎの額に接触
スピードのついたつむぎの勢いを借りて、Pカチュウがつむぎを踏み台にし!
そのままマサキの方へと飛んでいった!!
247 : 1   2019/07/01 23:43:17 ID:GkSvMrCtho
シゲル「なっ!?」
フリーザー「なっ!?」

マサキ「2段砲弾!?」

百合子「つむぎ+Pカチュウさんの超スピード!そしてそのまま“10まんボルト”です!!」

Pカチュウ「喰らえ!!」バチバチ

マサキ「なめるなぁ!」グイッ

電撃が放たれる前に、腕を出してPカチュウの顔を掴んだ!

Pカチュウ「!?」

マサキ「ぐおおおおおお!!」

どごっ!
Pカチュウ「ぐはっ!!」

百合子「Pカチュウさん!!」

シゲル「やろう、電撃を纏った素手でPカチュウを掴んで床にたたきつけやがった!」

マサキ「奇襲は失敗やったな!2段砲弾破れたり!!」

Pカチュウ「へへ…2段砲弾…?」

最初は悔し紛れに笑っているのだと思った
しかしとっさに、マサキはある違和感に気づいた
先ほどまで動き回っていたギャラドスのつむぎの移動音が聞こえなくなったことに気づいたのだ

マサキ「!」ハッ!

視線を向けた先には、動きを止めたつむぎが…
いや、正確に言えば移動するのをやめただけ
つむぎはまるでエビのようにバネ状の尾を前に突き出していた
そしてその尾の先にいたあるものを発見し、マサキは今の状況がすべて『仕組まれていた』ことを悟った

マサキ「あれは…まさか!」

Pカチュウ「そう、『3段』砲弾だ!」ニヤッ

百合子「発射!!」
つむぎ「!」ビョンッ!

おしょう「!!」ビュンッ!

マサキ「カモネギやと!?」
248 : 1   2019/07/02 00:19:17 ID:1rQ5EybhO.
Pカチュウ「やれぇ!カモ助!!」

おしょう「!」ガッ

マサキ「Pカチュウは囮!真の狙いはカモネギによる奇襲攻撃か!!」

百合子「おしょう、お願い!!」

愛刀のネギと大根を構え、そのままマサキへと攻撃!
しかし…

マサキ「無駄や!」ガシッ

おしょう「!?」

百合子「受け止められた!?」

マサキ「たとえどんな奇襲を仕掛けてこようとも、メインアタッカーがお前じゃ話にはならんのや」

おしょう「…」ギロッ

マサキ「能力も低く、進化もできない、全てのわざを得るためのレベルも低い…はっきり言ってお前は百合子PTの中で最も弱い!そんなお前の攻撃なんて今のわいにはゴミ同然や!」

おしょう「…」

マサキ「百合子の前にお前に引導を渡したるわ!」

マサキはそのまま握力を入れ、おしょうの両刀を握りつぶした!

マサキ「はははははは!」
249 : 1   2019/07/02 00:22:50 ID:1rQ5EybhO.
百合子「そんなことじゃおしょうは折れませんよ」

おしょう「!」バッ
折れた武器を放り投げ、両翼を広げた!

マサキ「!?」

百合子「おしょうは負けないよ、絶対に…!」


『俺の夢は…誰にも負けない強い戦士になること』


百合子「絶対に勝つんだ!」

おしょう「!!」


『おしょうの言う通り、才能の壁ってあると思う…けど、ここで諦めてこれまで頑張ってきた自分の気持ちを否定しちゃいけないと思う』
『理想の自分はいつだって自分の心の中にいる……私もそれを探してる途中だから、おしょうも一緒に探していこう!それはきっと困難を乗り越えた夢の先にあると思うから…』


マサキ「こいつっ!!」

百合子「おしょう!!」


『俺の夢は…誰にも負けない強い戦士になること』
『なれるよ、おしょうなら絶対』


おしょう「!!!!!!!」バッ!

百合子「“きりさく”!!」


斬!!


マサキ「がはっ…!ば、馬鹿な…!自らの両翼を、武器に…攻撃を…っ!」

百合子「私のおしょうは強いんだ…っ!」

おしょう「…っ!!」
250 : 1   2019/07/02 00:23:46 ID:1rQ5EybhO.
今日はここまで

更新頻度の遅さ…
オーキド博士、お許しください!
251 : Pサマ   2019/07/02 05:38:52 ID:caLDvX4TbI
更新おつー

おしょうぅうううう!!!
252 : プロヴァンスの風   2019/07/02 18:55:53 ID:/PAHjKRzj.
乙!
253 : 1   2019/07/06 23:11:54 ID:.eHgk.ywXE
シゲル「最強のいでんしポケモンを相手にあのカモネギ、ここにきて遂に大ダメージを与えやがった…!」

マサキ「が…ぐ、うぅ…」

Pカチュウ「だから言っただろ?ここぞって所で出せばどんなカードだって最強足り得るってさ」

マサキ「調子に乗るな!こんなラッキーパンチ、二度目はあらへんで!」

Pカチュウ「それはどうかな!こっちには今勝利の女神が付いてるみたいだからなあ!」

百合子「ふっ…」ドヤッ

Pカチュウ「…今のはもののたとえであって、お前のことじゃないぞ?」

百合子「えぇ!?」ガーン

Pカチュウ「とにかく!こっちの士気が高まってる今がチャンスだ!ガンガン攻めていくぞ!」

百合子「はい!じゃあ次は…」

エグゼ「…」スッ

百合子「『フォーメンション・ブリザード』で行きましょう」

フリーザー「ブリザード」ピクッ

マサキ(今度は何をするつもりや?)

百合子「エグゼ、“テクスチャー”!」

エグゼ「へん!しん!とうっ!」ピカーッ

シゲル「ポリゴンの姿が変化していく!?」

マサキ「以前セキチクで使った、確かマイティ―セーラーとかいう珍妙な姿になったあのわざか!?」

Pカチュウ(俺も実際に見るのは初めてだからな、お手並み拝見だ)

エグゼ「変身完了…」

シゲル「!?」
フリーザー「!?」
マサキ「んな!?」
Pカチュウ「あ、あれは…!」

百合子「エグゼ…こおりタイプモード!」

Pカチュウ「雪だるま将軍じゃん!?」ガビーン

254 : 1   2019/07/06 23:34:57 ID:.eHgk.ywXE
マサキ「なんやこのおっさん」

Pカチュウ(俺が新技特訓している間に、こんなことに…)ドヨーン

エグゼ「やれやれ、見た目で判断するとはいけませんなあ!この姿をこれ以上馬鹿にするのであればこの刀の錆にしてあげましょう!」スチャ

シゲル「カモネギの侍の次はおっさんの将軍かよ…」

百合子「だって刀カッコいいじゃないですか!剣とか刀はファンタジーの王道中の王道ですよ!!」フンス

エグゼ「マスター!」

百合子「行くよエグゼ(雪だるま将軍ver.)!」

マサキ(さあ来いや…!)

百合子「“れいとうビーム”!」

エグゼ「くらえーっ!」(目からビーム)

Pカチュウ「刀使えよ!!」ガビーン
シゲル「刀使えよ!!」ガビーン

マサキ「ほんまになめた連中や!」バリバリ

右手に念力を集中させる

マサキ「はあっ!!」バシッ

エグゼ「なんですと!?」

シゲル「片手で“れいとうビーム”を弾いた!?」

フリーザー「“サイコキネシス”を右腕に集中させて弾いたのか!」

マサキ「喰らえやっ!」

Pカチュウ「来るぞ!“サイコキネシス”!!」

エグゼ、両腕をクロスさせてガードの態勢に入る!
しかしその威力は想像以上のものであった!

エグゼ「ぐああああ!!」

Pカチュウ「エグゼ!!」

マサキ「ふん、所詮この程度――」

エグゼ「ふっ、甘い!甘いですなあ!」

バリバリ!
体中の鎧が砕け、剥がれ落ちていく
そして、新たな姿を現した!

百合子「これが第二形態!雪だるま将軍・MATURIモード!」

エグゼ「ほ」
255 : 1   2019/07/06 23:55:49 ID:.eHgk.ywXE
Pカチュウ「でっかい氷像のまつりだー!」ガビーン

マサキ「性懲りもなくまた変身ショーか…!」

百合子「いえ、それだけじゃないですよ…!つむぎ!シルフ!」

二体のポケモンがエグゼの身体に巻き付く
そしてエグゼの左肩にシルフ、右肩につむぎがそれぞれ顎を乗せる

百合子「合体完了!!」

マサキ「」

シゲル「」
フリーザー「」

Pカチュウ「」

ドヨ~ン

百合子「何ですかこの空気!?かっこいいでしょうあれ!?」

Pカチュウ「あ、うん…俺はわかるよ、うん」

百合子「そんな投げやりな」ガビーン

マサキ「…お遊びに付き合うのもここまでや」バリバリ

Pカチュウ「また腕に念力を溜めたぞ!どうするんだ百合子!?」

百合子「つむぎ、“ハイドロポンプ”!シルフ、“みずてっぽう”!そしてエグゼは“れいとうビーム”!!」

2体の繰り出したみず攻撃にエグゼのこおり攻撃が複合!
水は瞬く間に凍てつき、氷の塊に!
それらがすべてマサキに向かって放たれた!

エグゼ「これがボクたちのフォーメンション・ブリザードの神髄!」

百合子「名付けて!氷撃砲弾〈ブリザード・キャノン〉!!」

Pカチュウ「いいぞ!これなら行けるかもしれない!!」テノヒラクルー

百合子「えへへ…!」

マサキ(なめやがって!ゆりこぉ!)ゴゴゴゴゴゴ
256 : 1   2019/07/06 23:56:01 ID:.eHgk.ywXE
257 : 1   2019/07/12 00:14:12 ID:KmzFCBPTXw
シゲル「マサキのやつ!また念力を腕に!しかも今度は両腕!?」

マサキ「おらぁ!!」

放たれた氷の塊を次から次へと打ち落としていく!

百合子「どんどん撃ち込んで!マサキさんに少しでも当ててダメージを与えるために!」

つむぎ「ギャオオオオオオオス!」
シルフ「!!」

マサキ「無駄や!無駄!!」

百合子「そんな…全部撃ち落された…?」

エグゼ「うそーん!」

マサキ「今度はこっちの番や」

マサキはまず左腕を百合子たちに向ける
手のひらにエネルギーが溜められていく…がそれは先ほどの念力によるものではなかった

百合子「水の…エネルギー」

Pカチュウ「しまった!あいつシルフのわざを――」

マサキは“みずてっぽう”を放つ!

Pカチュウ「――コピーしやがった!!」

マサキ「そして!!」

次に右腕を向ける

マサキ「こうや!!」
258 : 1   2019/07/12 00:21:33 ID:KmzFCBPTXw
シゲル「あれは“れいとうビーム”!?」

百合子「きゃあっ!!」
Pカチュウ「ぐはっ!!」

エグゼ「ぐへっ!!」
つむぎ「ギャウッ!!」
シルフ「!!?」

シゲル「やろう…百合子たちの連携わざをたった1人で成立させやがった!」

Pカチュウ「く、くそ…」

マサキ「わいも言ったやろ?最強カードはどの盤面で出しても必勝なんや、ってな」ニヤッ

Pカチュウ「…」ギリッ

じりじりとPカチュウに迫る

マサキ「わいの勝ちや」

びゅんっ!
Pカチュウの頭上を跳び越えて、何者かが2人の間に割って入った!

ユニー「!」キッ

マサキ「ギャロップ!?」

百合子「“ほのおのうず”!!」

天井に届きそうな高さの“ほのおのうず”がマサキを閉じ込めた!

マサキ(くっ!周りが全く見えない!)

シゲル「閉じ込めてじわじわダメージを与えるつもりか?」

フリーザー「だがそれは一時しのぎにしかならない!どうするつもりだ!?」

Pカチュウ「こうするのさ!」

マサキ(奴の声がだんだんと上に上がっていく……まさか!?)

Pカチュウ「うおおおおおおおお!!」

マサキ「なに!?“ほのおのうず”の中に自ら!?」
259 : 1   2019/07/12 00:49:22 ID:KmzFCBPTXw
フリーザー「そうか!この“ほのおのうず”はマサキを閉じ込めるためのものではなく…!」

シゲル「一対一の状況に持ち込むために用意されたリング!」

百合子「そう!炎のデスマッチです!!」

Pカチュウ「勝負だ!マサキ!!」

マサキ(おかしい…!数で攻めればまだ奴らに分があるはずのこの状況で、サシの勝負に持ち込むってことは絶対何かある!)

百合子「Pカチュウさん見せてやってください!修行の成果を!!」

Pカチュウ「まかせ、ろ!!」バチバチ

マサキ「尻尾に電気エネルギーを集中させた!?」

Pカチュウ「くらえぇぇええええええええええ!!」

マサキ「これがお前らの奥の手か!だけどわざわざ喰らってやる必要はないんやで!!」

ガードの態勢に入る!

Pカチュウ「うおおおおおおおおおおお!!」
マサキ「おおおおおおおおおおおおおおお!!」

フリーザー「双方のエネルギーの衝突で周りの炎も消えていく…」

シゲル「どっちだ!どっちが勝ったんだ!?」
260 : 1   2019/07/12 01:06:14 ID:KmzFCBPTXw
Pカチュウ「…」ゼェゼェ

マサキ「ふぅ…」

百合子「Pカチュウさんの攻撃を腕で受け止めてる…!」

マサキ「“ほのおのうず”を使った作戦、なかなかやったが攻撃の軌道が丸わかりや。来ると分かってる攻撃を防ぐのは造作もない」

ビリッ…
Pカチュウの攻撃を防いだ腕を見つめる

マサキ(ちっ…!エネルギーを集中させなきゃ下手したらやられてたのはわいや…っ!やろう、こんな隠し玉を用意してたなんて!)

Pカチュウ「ちくしょう!」ドンッ

マサキ「…まあ何にせよ結果が全て」

マサキは念の波動でPカチュウを吹き飛ばす

Pカチュウ「ぐはっ!」

マサキ「今のバトル、競り勝ったのはわい!これが真実や!」

百合子「Pカチュウさん!」バシッ

Pカチュウ「な、ナイスキャッチ…」

百合子「うわわわわ!!」スッテンコロリン

フリーザー「…ではなかったな」ドヨーン

百合子「こ、後頭部が…たんこぶ出来てそう…うぅ…」ズキズキ

Pカチュウ「ハァハァ…すまない百合子…俺が不甲斐ないばっかりに…」

百合子「そんなことないですって」

Pカチュウ「最強を豪語するだけのことはある…確かに奴は強い…!」

百合子「そうですね…けど」

少しずつ、立ち上がる百合子

百合子「まだ私たちには『とっておき』があるじゃないですか」

Pカチュウ「お前、まさか…」

百合子「『フォーメンション・ストーム』で決着をつけましょう」
261 : 1   2019/07/12 01:18:09 ID:KmzFCBPTXw
おしょう「!?」
エグゼ「あ、あれを…!?」

マサキ(なんや?Pカチュウだけやない、他のポケモンどもも明らかに動揺している…?)

Pカチュウ「考え直せ!あれは危険だ!」

百合子「でも上手くいけばマサキさんを倒せるかもしれない」

Pカチュウ「失敗すれば100%敗北するんだぞ!!」

シゲル「なっ!?」
フリーザー「100%…」

マサキ「ほぉ…」

百合子「それでも!これしか手はないんです…」

Pカチュウ「百合子…」

百合子「大丈夫です、私は皆を信じてますから!一蓮托生です!だから、やらせてください…!」

Pカチュウ「…わかった!やろう!」

マサキ(この期に及んで何を企んでいるのだか…見せてもらおうか)

百合子「いくよ…皆…!」
262 : 1   2019/07/12 01:21:55 ID:KmzFCBPTXw
ボンッ!

マサキ「なにぃ!?」

シゲル「Pカチュウ以外のポケモンを全部ボールに戻した!?」

百合子「行きますよ!」
Pカチュウ「おう!!」

百合子とPカチュウは一斉に駆け出した!

マサキ「“サイコキネシス”!」

百合子「“10まんボルト”!」

マサキ「こいつら、また懲りずにサシで勝負するつもりか!?」

百合子「いいえ、あなたを倒すには全員の力を使わないと勝てないと再認識しました…だから!」

走りながらモンスターボールを構える

百合子「行けっ!!」

ボンッ!

つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」
つむぎの すてみタックル!

マサキ「このっ!!」

マサキがつむぎに攻撃を仕掛けようと構えた!
しかし!

百合子「戻れ!」ボンッ

そしてまたボールを構え――

百合子「えいっ!」

――投げた!

エグゼ「そう、ボクだ!」

エグゼの トライアタック!

マサキ「ぐっ!」

Pカチュウ「見せてやるよマサキ!」

百合子「何が出てくるか分からない!あっと驚くビックリショーをとくとご覧あれ!」
263 : プロヴァンスの風   2019/07/18 11:31:06 ID:HPqn7GwErI
待ってるぞ
264 : 1   2019/07/19 00:21:59 ID:btstphaCs6
百合子「行けっ!」ポイッ

ボンッ!
ユニー「!」

マサキ「今度はギャロップ!」

ボールから飛び出したユニーはそのままマサキに衝突し、吹き飛ばした!

マサキ「ぐはっ!」

シゲル「ボールを投げるスピード+飛び出したポケモンのスピード……これを行うことで通常より相手との距離を詰める時間を短縮してるのか」

フリーザー「しかも何が出てくるか分からない分、相手に与えるプレッシャーも大きくなる……だが――」

マサキ「百合子ォ!!」ビュンッ

百合子「うわ、来た!」

フリーザー「――手持ちをボールに戻しているから、百合子ががら空きになっている!」

マサキ「ボールを投げる隙は与えへんで!」

Pカチュウ「させるか!」

マサキ「くっ、邪魔や!」

Pカチュウ「邪魔で結構!そのために俺がいるんだよ!」

百合子「“10まんボルト”!」

マサキ「“サイコキネシス”!」

百合子「Pカチュウさん、ありがとうございます」

Pカチュウ「気にするな、お前を守るのが俺の役目だからな」

百合子「そんな!『一生』守るだなんて!」ポッ

Pカチュウ「そこまで言ってないよ…」ドヨーン
265 : 1   2019/07/19 00:32:51 ID:btstphaCs6
フリーザー「Pカチュウがいる限り、百合子に攻撃を仕掛けても防がれる。まさに百合子を守る盾ということか」

マサキ(何が守る盾や…PT最強のPカチュウを攻めじゃなくて守りに使うなんて非効率的すぎる)

Pカチュウ「ガンガンボール投げてプレッシャー与えていくぞ!」

百合子「はいっ!」

マサキ(Pカチュウを活かすならもっと上手い方法があったはずや…この作戦はあまりにも悪手すぎる…)

百合子「行け、モンスターボール!」ポイッ

マサキ(何か考えがあるのか、あるいは考えなしなのか……まあ、例え何か策があるとしても――)

ボンッ!

マサキ「――こうすればええんや!」

おしょう「!?」

百合子「おしょうが出てくる前に技を繰り出した!?」

マサキ「この作戦のキモは奇襲、何が出てくるか分からないところが強み…だけどな、わいはお前らの手の内を知っている…タイプ相性でわいに有利なやつはいないこともな。だったら後は簡単や、この最強の力で出てきたやつ片っ端からぶっ潰せばええんや!」

シゲル「科学者とは思えない脳筋発言だな」

百合子「最強…ですか」ボソッ

マサキ「あ?」
266 : 1   2019/07/19 00:43:44 ID:btstphaCs6
百合子「そ、そういう大きい発言は…負けた後に恥ずかしくなるから、やめた方が…い、いいですよ」

Pカチュウ(百合子…!)

マサキ「ほう…」ギロッ

百合子「マサキさんのその力は結局ミュウツーのものであって、マサキさん自身のものじゃない…借り物の力で強がってても、それって空しいだけ――」

マサキ「黙れェ!!」

百合子「ひっ!」

マサキの迫力に圧倒され、尻もちをつく百合子
その拍子に4つのモンスターボールが転がっていく

マサキ「過程なんてどうでもええんや!強大な力を操る者こそこの世のすべての自由にできる権利がある!弱い奴は搾取されるだけや!そう、わいの…父のように…!」

百合子「…力で他人を支配しようだなんて間違ってる…」

マサキ「はっ!お前らトレーナーとポケモンはまさに支配し支配される関係やないか!どんなに奇麗事を言ってもお前らの本質はわいと同じや!だからわいは思い上がった人間どもを力で支配してやるんや!!」

百合子「確かにそういう考えの人もいるかもしれない…!けど人とポケモンは心と心で通じ合える!仲良くなれるんだ!私たちはそうやってここまで来たんだ!!」

マサキ「減らず口やな!お前がどんな夢物語を謳おうが、どのみちお前もポケモンどもも何もできずにここでゲームオーバーや!恨むなら弱い自分を恨めや!」
267 : 1   2019/07/19 00:51:03 ID:btstphaCs6
マサキの手が百合子の眼前に迫る
今の百合子が恐怖を感じるには十分すぎる動き
足は震えて立ち上がれず、手を地につけて後ろに下がるしかできない
逃れることのできない重圧…

――理想の勇者とは程遠い存在

空想の中に存在する『理想の勇者』とは違う
弱弱しい自分
恐怖に抗えず、理想と現実の相違を突き付けられ、
涙を流すことしかできない哀れな少女でしかなかった

百合子「そう…私は弱い」

右腕を震わせ、マサキに向ける
そして握っているモンスターボールを見せつける

百合子「それでも私は私を信じてくれている仲間たちのために――」

マサキ「ボールを隠し持ってたんか!?」

百合子「――理想の自分を追い求め続けるんだ!!」
268 : 1   2019/07/19 00:59:27 ID:btstphaCs6
カチッ!

ユニー「!!」ボンッ
マサキ「があァ!!」ドゴッ

近距離からのユニーの突撃をダイレクトに受ける!

マサキ「ギャロップ!そうかこいつ、ここまでスタミナを温存していたから…!!」


『ユニー、かっこいいよぉ!』
『風の戦士として絶対かっこよく乗りこなして見せる!』
『これからもよろしくね!ユニー!』


ユニー「――――――ッ!!」

マサキ「こいつ…どんどんパワーが、増して……!!」

ユニーの瞬間的な勢いはついにマサキを凌駕し、突き飛ばした!
不意を突かれたから、という点もあっただろう
しかし、ユニーにはマサキの持ち得なかった力…
トレーナーへの信頼…がこの競り合いの決め手となったのだ!

マサキ「百合子の奴め、慣れない挑発はこのための…!」

すぐさま起き上がり、再び百合子に攻撃を仕掛けようとしたその時!
マサキの足元に百合子が落としたモンスターボール『3つ』が転がってきた

ボンッ!ボンッ!ボンッ!

おしょう「!」
エグゼ「おらぁ!」
シルフ「!!」

ボールから出てきた3体はマサキを取り囲んだ!

Pカチュウ「行くぞ皆!!」

Pカチュウの掛け声と同時に、ユニーは行動を起こした!
まずは足元のモンスターボールを高く蹴り上げた!
そして、“ほのおのうず”を放ち、仲間ごとマサキを閉じ込めた!
蹴り上げたボールは渦のてっぺんで開き、そこから出てきたのはギャラドスのつむぎ!
ユニーは渦を突き破って、そのままマサキに突っ込んでいった!
269 : 1   2019/07/19 01:04:41 ID:btstphaCs6
マサキ「この狭い空間に密集して一斉攻撃!これがお前らの狙いか!!」

エグゼ「この渦の中からは逃げられませんよ!四方八方からあなたを倒します!」

マサキ「図に乗るのはまだ早いで!!」

腕を上げると、マサキを護るための念のエネルギーが出現し、
全ての攻撃をガードした!

エグゼ「“バリアー”!?」

マサキ「そしてこの念を攻撃エネルギーに変換して……放つ!!」

“バリアー”からの“サイコキネシス”によって、
ポケモンたちは一斉に吹き飛ばされた
そして、マサキの足元で力尽きて倒れる

マサキ「はははは!これで全滅や!!」

“ほのおのうず”も念攻撃によって相殺され、
今まで炎で遮られていた視界が広がった
だから今の今まで気づけなかったのだ


百合子がマサキにモンスターボールを『投げていた』ことに!

投げたボールが『開きかけている』ことに!

それがすでに自身の至近距離まで迫っていたことに!


マサキ(ま、まさかっ!!)

マサキだけではない
百合子以外のこの場の誰もが思った

『あいつはモンスターボールに入れない』と!

だからこそ、ずっと百合子の傍で単身防御に徹していたのだと!

百合子自身はその心理をついたわけではない
少なからず百合子の旅に同行したことのあるこのメンツだからこそ、その思い込みが膨らみ、
偶然にも勝率を引き上げることに成功した!

そしてボールが完全に開かれ――

Pカチュウ「マサキィィィイイイイイイイイイイ!!」

最強の電気ネズミが姿を現した!!
270 : 1   2019/07/19 01:06:09 ID:btstphaCs6
続く
仕事でペース遅くなるけど、引き続きよろしくです
271 : 1   2019/07/28 21:54:33 ID:CnGzYbY2N6
モンスターボールから飛び出してきたPカチュウを見て、マサキは瞬時に察した
初めにPカチュウがこの作戦に反対したのも、がら空きの百合子を守るためPカチュウが防御に徹し続けていたのも、この作戦の危険性をわざと自分に思考させるため
百合子のわざとらしい挑発も、ポケモンたちの無謀な一斉攻撃も、Pカチュウから目をそらすためのスケープゴートであったため

マサキ「何が『フォーメンション』や!最初からこの作戦、わいとPカチュウの一騎打ちの状況を作り出すためだけのもの!わいはまんまと一杯食わされたってことか…!」

百合子「マサキさん、それは違います、これは私やポケモンたちが心を1つにしなきゃ成功し得ない作戦…!1人と6匹の総力の結晶なんです!」

Pカチュウ「うおおおおおおおおおお!!」ビリビリ

Pカチュウの尻尾が電撃を纏う

Pカチュウ(今度こそ“かみなり”を決めてやる!!)

百合子「モンスターボールから出た時点でPカチュウさんはすでに間合いの中!もうマサキさんは逃げられない!」

マサキ「逃げる、だと?わいを舐めるな!」

百合子「防御の構え!?」

Pカチュウ(ハッタリを駆使してきたこの作戦も、失敗すれば100%負けるってのはマジな話なんだ!それなのにまた防がれたら何の意味も…!)

百合子(本当だったら“ほのおのうず”で視界を完全に遮断した状態で完全不意打ちを決めるはずだった、けどマサキさんが“サイコウェーブ”で相殺しちゃったから!)

マサキ(防御した瞬間、0距離からの“サイコキネシス”でジエンドや!)

Pカチュウ「負けない…!」

マサキ「!?」

Pカチュウ「負けるもんか!ここで負けたら倒れた皆の想いや、百合子の涙が全部無駄になるだろうが!」

百合子「プロデューサーさん…!」
272 : 1   2019/07/28 22:01:33 ID:CnGzYbY2N6
ドドドドドドドドド!

百合子「え?地震!?」

シゲル「いや、これは…!」

マサキ「シルフカンパニーが傾いとる!?」

その原因が、1階で暴走したけつばんの猛攻撃によるものだということはこの場の全員が知る由はなかった
だが、Pカチュウはこのチャンスを逃さなかった!
揺れにより、バランスを崩したマサキのほんのわずかな隙をついたのだ!

マサキ「しまった!?」

Pカチュウ「喰らえマサキ!これが俺たちの――」

電撃で輝いた尻尾をマサキ目掛けて振り回した!

マサキ「ぐあああああああっ!!」

Pカチュウ「――力だーっ!!」

電撃と打撃の同時攻撃…Pカチュウの改良した“かみなり”の一撃をマサキはダイレクトに受け、そのまま倒れこむ
どすん、という鈍い衝撃が部屋中に響き渡る
その反面、静まり返る百合子たち…

シゲル「直撃した…!」

最初に口を開いたのはシゲルだった

フリーザー「あぁ、この勝負…!」

百合子「勝った…!私たち、勝ったんだ!!」

エグゼ「ボクたちの勝利だーっ!!」
おしょう「…」フッ

Pカチュウ「あぁ、俺たちの勝――」


マサキ「あぁ、めっちゃ痛かったわー」ポキポキ


Pカチュウ「なっ!?」

シゲル「嘘だろ!直撃したじゃねぇか!?」

マサキ「確かに今の攻撃、もろに喰らってもうたわ…けど、わいには“じこさいせい”っていうわざがあってな…」

フリーザー「奴の傷がみるみるうちに癒えていく…!」

百合子「そんな…っ!」

マサキ「何度も言わせんなや、最強はいついかなる時も最強や!」ニヤッ

百合子「私たちの…負け…」ガクガク
273 : 仕掛け人さま   2019/07/29 07:28:50 ID:NHaZ7CpLw.
おつおつ、待ってるデー
274 : Pサマ   2019/08/04 12:12:14 ID:s9xy82zYjo
あげー
275 : 1   2019/08/06 00:37:24 ID:dGLiAyQh2U
マサキ「これが現実や。夢や希望なんて覚束ないものは圧倒的な力の前では無いに等しい」

百合子は膝から崩れ落ちた

おしょう「…!」スチャ
ユニー「…!」ザッ

マサキ「満身創痍のお前らじゃもうわいは倒せへんで!!」

百合子とPカチュウ以外のポケモンたちは繰り出された“サイコキネシス”によって吹き飛ばされる

百合子「きゃあっ!」

Pカチュウ「百合子!皆!」

このフォーメンション・ストームはとっておきの一撃を与えることに特化させた作戦
なので、その過程で囮となる者たちは心身ともに負担が大きくかかってしまう
だからこそ、この作戦は一度の失敗も許されないのだ

Pカチュウ「俺のせいだ…俺があの時決めることが出来ていたらこんなことには…!
『囮』なんてレベルじゃない…百合子や皆を、俺が『犠牲』にしてしまった…!!」

マサキ「これで分かったか!自分らがどれだけ身の程知らずだったかってことをなあ!」

Pカチュウ「くそおおおおおおおおっ!!」バッ

マサキ「まだ立ち向かってくる意思があるのか、そこだけは褒めたる…けど」

ばしっ!
向かってきたPカチュウの顔面をマサキが掴んで受け止める!

マサキ「いい加減ウザいわ……そのまま消えろや!」

そのまま投げ飛ばされる!
その先にあるのは、大きなガラスでできた壁!
Pカチュウがぶつかった衝撃と同時に、ガラスの割れる音が部屋中に響いた
そしてPカチュウはガラスを突き破り、そのまま落下していく
276 : 1   2019/08/06 00:52:04 ID:dGLiAyQh2U
シゲル「Pカチュウ!!」

百合子「プロデューサーさん…」

マサキ「まずは一匹…」

シゲル「逃げろ!!」

百合子「う…ぐ…」フラッ

マサキ「立ち上がるのがやっと、って感じやな…まあどのみちその震えた足じゃ走ることもできんやろうけどな」スッ

フリーザー「まずい!やつが攻撃態勢に入った!」

マサキ「加えて言えば、こうやって遠距離攻撃かませばお前が動こうが止まってようが関係ない話っちゅーことや!」

どんっ!
マサキの攻撃が百合子に放たれた!

シゲル「!?」
フリーザー「!?」

百合子の意識が薄れ、身体が自分の意思とは関係なく力が抜け倒れていく

――どうして…こんなことになっちゃったんだろう…

――ただ…部屋で読書でしながら空想にふけるだけで満足していれば良かった…

――こんな思いをするくらいなら…



――夢なんて見なければよかった
277 : 1   2019/08/06 01:04:58 ID:dGLiAyQh2U
百合子「…何もない空間…ここどこだろう?」

百合子「あ、そっか。私マサキさんに敗けて、それで…」

百合子「はは…死んじゃったんだ、私…」

百合子「でもしょうがないよね…やれることは精いっぱいやったんだもん…」

百合子「それでだめならもう私にできることなんて何も…」

百合子「…あ、光が」

パッ!

百合子「え!?ここ、舞台裏!?」

瑞希『七尾さん、探しましたよ』

百合子「瑞希さん!ここに瑞希さんがいるってことは瑞希さんも死…」

瑞希『一体何を…あ、もしかして具合が悪いのですか?』

百合子「具合が悪いという以前に私は死……うわっ、よく見たら瑞希さんがステージ衣装を…って私も来てる!?」

瑞希『これは困ったことになったぞ』

未来&翼『どーん!!』

百合子「うわわわっ!」バタッ

未来『大丈夫、百合子ちゃん!?』

翼『ちょっと強く押しすぎちゃたかな?』

百合子「未来!翼!2人までどうしてここに!?」

未来『どうしてって…もうすぐライブだし、そんでもって私たちの出番が近いからかな!』

翼『瑞希ちゃん、百合子ちゃんどうしちゃったんですか~?』ヒソヒソ

瑞希『私にもさっぱりです…』ヒソヒソ
278 : 1   2019/08/06 01:06:49 ID:dGLiAyQh2U
百合子「そっかわかった…これは走馬灯だ…死にゆく私が最期に見ている泡沫の幻影」

翼『良かった、やっぱりいつもの百合子ちゃんだ!』

百合子「え?」クルッ

翼『え?』

百合子「…でも良かった、最期に皆の顔が見れて。少し満足しました」

瑞希『本当にそうですか?』

百合子「ほ、本当ですよ…!だって私に出来ることは全部やりきったんですから…」

瑞希『七尾さん、人が何かに挑むとき…そこに妥協を持ってきてはいけません。何かを成し遂げないのであれば自分の信じた道を進むべきです』

百合子「瑞希、さん…」

翼『うーん…わたしには難しいことよく分からないけど、どうせやるなら自分がやりたいことやった方が絶対楽しいよ!』

百合子「翼…」

未来『百合子ちゃーん!』ギュッ

百合子「み、未来!?」アタフタ

未来『私たちは何があっても百合子ちゃんの味方だよ!だから、もう泣かないで』

百合子「泣くって…私、涙なんて…涙、なんて…」
279 : 1   2019/08/06 01:11:34 ID:dGLiAyQh2U
――百合子が最初に思い出したのは、マサラタウンの風景
ピカチュウの姿となったプロデューサーとの冒険の始まり
シゲルと出会い、初めてのポケモンバトル
ニビジムでタケシと出会い、旅の仲間が増えたこと
記憶を失い、ロケット団として立ちふさがってきたこのみ
グレンタウンでの瑞希との思わぬ再会の瞬間

そして何よりも、旅先で出会ったポケモンたちのこと
弱いと見下されながらも共に特訓し強くなっていった、つむぎ
不器用ながらも強さの道を歩み続けている、おしょう
弱い自分を受け入れて進むべき道を見出した、エグゼ
仲間たちを後押ししてくれている頼れる姉御、ユニー
ポケモンやしきで心を通わせることが出来た、シルフ

小さい頃から本の世界で見るだけだった、ファンタジーの世界
そこで自分が冒険をする、という夢
辛いこともたくさんあったけど、それ以上に楽しかった旅
自分が楽しく異世界での旅を続けられたのは、
周りに仲間がいてくれたから
だからこそ、自分が夢を見続けることが出来たのだと――
280 : 1   2019/08/06 01:15:30 ID:dGLiAyQh2U
百合子「せっかく…皆と特訓して強くなったのに……!悔しい!悔しいよ!!ここで終わりたくない!!私はまだみんなと旅をしていたい!!何も成し遂げられないまま終わるのは嫌だ!!」

???『ようやく、自分の気持ち…出せたね…百合子さん…』

百合子「杏奈ちゃん…!」

杏奈『大丈夫…百合子さんなら…絶対に…できる、よ』

瑞希『いつも通りの自然体で』
翼『焦らず!』
未来『じっくり挑戦!』
杏奈『それが…杏奈たちの…乙女ストーム流の…やり方、だよ』

百合子「そうだね…未来の風はいつだって私たちに吹いてる…だったらその風に向かって突き進むのが!風の戦士のやるべきこと、だよね!」

その瞬間に、百合子の正面から風が吹く
風を肌で感じ、今までにない心地よさを感じた
あの先に自分が進むべき道がある、と百合子は直感した

百合子「私、行くね!」

翼『頑張ってね、百合子ちゃん!』
瑞希『七尾さん、ご武運を』
杏奈『杏奈…百合子さんのこと…信じてる、よ』

未来『百合子ちゃん。ステージの幕はまだ上がったばっかりだから、幕が下りるまで私たちはずーーーーーっと!百合子ちゃんを待ってるからね!』

百合子「ありがとう、皆…!全部終わったらまた皆でライブしようね!」
281 : 1   2019/08/06 01:19:15 ID:dGLiAyQh2U
――うん…約束、だよ



百合子「!!」カッ

マサキ「なにっ!?」

シゲル「踏みとどまった…!」

マサキ(何故立ち上がれる!?いったい奴に何が起こったんや!?)

百合子「っ!!」

百合子は正面に向かって、駆け出していった!

シゲル「あいつ!絞り出したわずかな体力で…」

フリーザー「逃げるためでも、防御するためでもなく…」

百合子「はぁぁあああああっ!!」

マサキ「わいへの攻撃に使うつもりか!?」
282 : 1   2019/08/06 01:21:28 ID:dGLiAyQh2U
今日はここまで
上げてくれてどうもです
コメントあるとモチベ上がります
ありがサンキューってやつです
283 : プロデューサー殿   2019/08/06 05:35:32 ID:ZCOz3p9FQ.
おつおつ。
またいいところで終わるー。
284 : 1   2019/08/12 00:45:49 ID:UoZ11PHMNk
百合子はスピードを緩めることなく、いっさいに躊躇も迷いも全てを捨て去り、
両腕を使い、そのまま正面のマサキの脇を掴んだ!

百合子「勝つ!絶対に!!」

マサキ「こ、こいつ!!」

シゲル「正気かあいつ!?満身創痍のあの状態で特攻なんて!しかもポケモン相手にだぞ!!」

フリーザー「平和な世界の生まれであり、戦闘とは無縁の生活を送ってきた百合子が今まで持ち合わせていなかった感情……己の命を懸けてでも絶対に勝利する、という闘争心…!」

シゲル「極限状態の中でそれが生まれたってのか!?」

フリーザー「おそらく、な」

マサキ「この…雑魚がぁ!!」

フリーザー「勝利するのは、圧倒的な力か――」

百合子「勝って皆の所に帰るんだぁぁああ!!」

フリーザー「それとも、揺るぎない信念か――」

百合子「このぉ!このぉ!」

シゲル「っつっても、ピクリとも動かせてねぇ!当然っちゃ当然だけど!」ガビーン

マサキ「気合い入れなおしたからって突然パワーアップするわけないやろ!所詮現実そんなもんや!」

マサキが腕を振り上げる

マサキ「頭かち割ってジエンドや!」

シゲル「!?」

マサキ「し、ね――」

マサキが百合子目掛けて腕を振り下ろそうとしたその瞬間!
どんっ!!!
マサキの身体に大きな衝撃が走った!

百合子「み、みんな…!」

倒れていたはずの百合子のポケモンたちがマサキに向かって突進!
百合子と共に押し合いに加わった!
285 : 1   2019/08/12 00:53:36 ID:UoZ11PHMNk
つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」
ユニー「!!」
エグゼ「うおおおおおお!!」
シルフ「!!」
おしょう「…!」

マサキ「何でや!百合子以上にダメージを受けているはずのお前らが!何故立ち上がれるんや!!?」

フリーザー「百合子の闘争心という名の火が彼らにも燃え移ったということか…ふっ、美しいじゃないか!」

百合子「敗けられない…!この仲間たちのためにも…元の世界の仲間との再会のためにも…私は、絶対に勝つ!」

マサキ「ほざけ!お前らとっくのとうに敗けてるんや!なのにゾンビみたいにぞろぞろ群がりやがって!!どこまでわいを怒らせれば気が済む!!」


『ええかマサキ。周りから認められなくても、決して道を見失ってはいけないよ』


マサキ(違う!力は…絶対なんや!こいつらみたいな雑魚を黙らせるためには、力を示すのが一番なんや!!)

百合子「皆の力を合わせれば、マサキさんに勝てる!」
286 : 1   2019/08/12 00:58:34 ID:UoZ11PHMNk
ポケモンたちが加わったことで、じりじりと後ろに押されていく
当然マサキも、先ほどと違って力で抵抗している
しかしマサキも体力を消耗しているため、最初程のパワーを出し切れていない

マサキ(“じこさいせい”でダメージを回復できても、スタミナまでは回復できない…!単純な力の押し合いは時間がかかればかかるほどわいに不利に働く…!)

百合子「行けえええ!そのまま後ろに押し込んでえええ!!」

マサキ(せやけど、こいつらはわい以上にスタミナを消耗しているはず…この押し合いに何の意味もない…)

マサキが思考を巡らせていたこの瞬間、
先ほどの百合子の言葉を思い出した

マサキ「『後ろに押す』…もし、こいつらの狙いが『わいを後ろに押すこと』そのものにあるのだとしたら……わいの後ろにあるのは…!」

マサキの後ろ
それはマサキの造り出した世紀の大発明品
マサキとミュウツーを融合し、新たな力を得たきっかけとなったもの――

マサキ「ポケモン転送装置!?まさか百合子、お前!」

百合子「…私が初めてマサキさんにあった日に、あなた言ってましたよね?」


百合子『両側の扉が開いて、左にはコーヒー、右には…』
マサキ『ミルクや!この転送装置はAとBの異なるものを分離することもできるんや!』


マサキ「そういうことか!百合子の狙いはわいとミュウツーの分離!!」

百合子「これが本当の本当に、今私たちに残された最後の勝ち筋なんだ!!」
287 : おやぶん   2019/08/12 05:22:27 ID:qeE1YAzAYg
これは勝ったな!
風呂入ってくる
288 : 1   2019/08/17 23:57:00 ID:SF2uKsHM2s
マサキ「追いつめられたこの状況でわずかな希望に縋ろうってことか!だけどな、百合子」

マサキが転送装置の方に片手を構える

マサキ「ただ指をくわえて見てるだけだと思ったか?わいの妨害を視野に入れてない時点でお前の考えは浅はかなんだよ!!」

百合子「っ!」

マサキ「“れいとうビー”――」

シルフ「!!」ヒュンッ

シルフの尾がマサキの腕を弾く!
その衝撃によって、放たれた攻撃は別の方向へと飛んでいった!

シルフ「!!」フンスッ

マサキ「ハク、リュー…ッ!!」ピキピキ

百合子「今だあああああああああああ!!」

マサキ(くっ!バランスが崩れた瞬間を狙われた!)

エグゼ「このままいけばボクらの勝ちです!」

百合子(後、少し…!)

マサキ「敗けてたまるか…わいのプライドに懸けて、ここでお前らに敗けられんのや!」

エグゼ「マサキの身体から念力が!?」

マサキ「シゲルどもを倒すために温存したかったが…出し惜しみしてる場合やないからなあ!」

フリーザー「まずい!このゼロ距離から“サイコキネシス”を放たれれば百合子たちの身が!!」

百合子「っ!?」



・・・・・・

・・・・

・・

バチ、バチバチ
289 : 1   2019/08/18 00:09:28 ID:ootaEXudxY
マサキ「“サイコキネシス”!!」

百合子「きゃあっ!!」

シゲル「百合子!!」

おしょう「…っ!」バタッ
ユニー「…」バタッ

フリーザー「ここまでか…」クッ

マサキ「アーハハハハハハッ!!」

百合子「お、終わらない…」

マサキ「…まだ立ってられんのか。貧弱なお前にここまでの根性があるとはな、ほんま驚きやで」

百合子「まだ繋がってる…この繋がりが断たれない限り、私たちはまだ敗けじゃない…」

マサキ「はっ!繋がりぃ!?言っとくが、シゲルを相手にするくらいの余力はまだ残してあるし、タケシとこのみの加勢を期待しているのならそれは無駄な考えや」

シゲル「何!?お前このみに何かしやがったのか!?」

マサキ「けつばんを下の階に解き放った!奴はミュウツーに次ぐ最強のポケモンや!今頃完膚なきまでに倒されている頃やろうなあ!」

シゲル「野郎、俺のこのみを…!」ギリギリ

フリーザー「お前のではない、断じてだ」


・・

バチバチ
290 : 1   2019/08/18 00:16:21 ID:ootaEXudxY
百合子「私にはわかる…このみさんたちは敗けてない…!それに――」

マサキ「お前がどんなに渇望しようとも、待っているのは敗北という結末や」

百合子「はぁ…はぁ…」フラッ

シゲル「百合子!!」
フリーザー「百合子!!」

マサキ「眠れ。この絶望塗れた現実の中で、お前の好きな夢を見続けながらな…」

百合子(それに――来てくれてるから…)


バチバチ
バチバチ


フリーザー「何だ、この音…」

百合子(希望は私のすぐ後ろまで…)

バチバチ!

シゲル「電気が…弾ける音?」

マサキ「そんな…はずは…!」

バチバチ!!

百合子「プロデューサー…さん!」

バチバチバチバチ!!
ビュンッ!!

倒れていく百合子の横を目にも留まらぬ速さで通り抜けていく!
そして、電撃を纏ったそれはマサキの腹部目掛けて突撃したのだ!!
291 : 1   2019/08/18 00:21:05 ID:ootaEXudxY
Pカチュウ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

シゲル「Pカチュウ!!」ダキッ
フリーザー「おおっ!」ダキッ

マサキ「がはっ!ば、バカな!!お前はビルから突き落としてやったはず!!」

Pカチュウ「まあ『地獄の底から蘇ってきたぜ』ってやつだよ」

マサキは見た
電撃と混じって飛び散る鮮血
Pカチュウの、皮一枚で繋がった今にもちぎれそうな尻尾を…

マサキ「尻尾に溜めた電気エネルギーを…暴発させて…その勢いでここまで…!?」

Pカチュウ「…凄い痛かったけどな」

マサキ(百合子といいこいつといい、こいつらどこから力を振り絞ってるんや…!何で諦めへんのや…!)

シゲル「Pカチュウ!そのままこいつを転送装置にぶち込めぇ!!」

Pカチュウ「転送装置…?」

シゲル「転送装置には分離機能があるらしい!百合子たちはそれを試みてやられちまったんだよ!!」

マサキ「まあ無駄な足掻きってやつや!」

Pカチュウ「本当にそう思うか?」

マサキ「は?」

Pカチュウ「765プロ流の戦い方…団結の力…!ここまで来てもまだ理解できてないようだからな、そろそろ思い知らせてやるよ!」

マサキ「…お前もわいを分離させるつもりか?」

Pカチュウ「あぁ、けどそれだけじゃない」

マサキ「?」

Pカチュウ「分離させるのは…お前をきっちり戦闘不能にした後でだ!!」
292 : 1   2019/08/18 00:21:36 ID:ootaEXudxY
次回ついに決着!?
293 : 5流プロデューサー   2019/08/18 05:49:33 ID:a7UXjXLOtc
>>292
フラグ立った!!
しっぽめっちゃ痛そう…。
294 : 我が下僕   2019/08/28 14:51:10 ID:bflv1pZS0U
上げ
295 : 1   2019/08/28 23:27:57 ID:lmlui9W5e.
マサキ「わいを倒す、やと!?」

Pカチュウ「…俺たちはここまで来るのに、修行を重ねて力をつけてここまで来たんだ…!けど、実際は圧勝には程遠い状況だ…!悔しいけど、認めるよ…お前は紛れもない『最強』だ!けどな!!」

バチバチ!!
Pカチュウ「このバトルの『勝者』は俺たちだ!!それだけは絶対に譲らない!!!」

マサキ(わいが“じこさいせい”で回復しているところに、絶え間なく続く電撃攻撃……回復が、追い付かない…っ!)

Pカチュウ「お前にダメージを与えつつ、後方に押し込んでやる!」

マサキ「ぐうっ!なめるなぁ!!」ジリッ

Pカチュウ「な、なにっ!?」

シゲル「動きが止まった!」

フリーザー「一見拮抗していたかのように思えたが、やはりここに来て元々の基礎能力値の差が出たか」

ビリ…ビリ…
Pカチュウ(くそ、身体の電気が…もう…)

マサキ「文字通り死力を振り絞ってここまで這い上がってきたわけだが…それもここまでのようやな」

Pカチュウ「くっ…!」

マサキ「“サイコキネシス”を喰らって、今度こそくたばれや!!」

ドスッ!!
Pカチュウ「が、は…っ!」
296 : 1   2019/08/28 23:57:27 ID:lmlui9W5e.
フリーザー「衝撃で引き離されたか…!」

マサキ「…」

Pカチュウ「……」

かっ!
Pカチュウ「っ!!」ビュンッ

シゲル「よっしゃ!“でんこうせっか”で軌道修正しやがった!」

フリーザー「しかし…もうでんきわざが使えないとはいえ、この土壇場でそのわざを…!」

マサキ「やはり…な」ザッ

シゲル「野郎!既に戦闘態勢に入ってやがる!Pカチュウの行動を読んでたのか!」

マサキ「…お前のことや、小技使ってでも喰らいついてくると思っとったわ」

Pカチュウ「読まれてようが関係ない!このわざで決着付けてやる!!」

マサキ「お前の狡い策は圧倒的な力でねじ伏せる!来いや!!」
297 : 1   2019/08/29 00:07:45 ID:.hAl9exbUI
――身体が、動かない
――声も思うように出ない
――今の私にできることは、あの人の勝利を祈るだけ

――だから

百合子(お願い、プロデューサーさん……勝って…!)


Pカチュウ「勝負だマサキ!正真正銘のラストバトルだ!!」
マサキ「もう二度と立ち上がれないように、完膚なきまでに破壊したる!!」

シゲル「やっちまえPカチュウ!!」

マサキ「はあっ!」ボムッ

フリーザー「こ、これは…!」

Pカチュウ「“バブルこうせん”!?」

マサキ「どこに避けようが、周辺に拡散した泡が確実にお前を捕らえる!もう逃げ場はないで!!」

Pカチュウ(くそっ、どうする…どうする…!)

マサキ(どんな手段でも使ってきたらええ!その都度対抗策を講じてねじ伏せたる!!)

Pカチュウ(しっかりしろ俺!『どうする』じゃないだろ!俺のやることはただ1つ!!)

ビュンッ!

Pカチュウ「おらぁっ!!」サッ

マサキ「!?」

シゲル「泡と泡の隙間を通り抜けた!」

Pカチュウ(ここで止まったらもう二度と動けない!俺にはもうこれしかないんだ!!)

フリーザー「連続で軌道を変えながら強引に突破するつもりか!?」

Pカチュウ「電撃を失った今の俺の武器は『速さ』だ!加えてこの小さい身体ならギリギリ突破できるはず!!」

マサキ「やはり『その手』で来たか」ニヤッ
298 : 1   2019/08/29 00:33:49 ID:.hAl9exbUI
“バブルこうせん”を突破したPカチュウの前には、
巨大な“サイコキネシス”の光弾を片手で掲げるマサキの姿が!

マサキ「別に避けられてもかまへんのや!最初からわいの狙いはこれ1つだったんやからな!」

Pカチュウ「……」チラッ

刹那、Pカチュウは再び軌道を変えた!
だが、それは前方ではなく――

フリーザー「後ろに下がった!けど、それではマサキの攻撃を防ぐどころか、避けた“バブルこうせん”に接触してしまうぞ!」

マサキ「何を企んどる!?」

Pカチュウ(チャンスは一度きり…っ!)チラッ

Pカチュウが避けた“バブルこうせん”は攻撃対象を失い、そのまま宙に浮いている
…が、泡とはいえこれも攻撃のために作られたエネルギーの塊
泡は泡同士、あるいは床に接触
接触した瞬間、一点に溜まっていたエネルギーは弾けだし…

ドンッ!!

Pカチュウ(今だっ!!)

ビュンッ!!

マサキ「何ィ!?」

フリーザー「そうか彼の狙いはこれか!」

シゲル「爆風に乗って、スピードの上乗せ!」

マサキ「限界突破の超スピードによる“でんこうせっか”!!」

Pカチュウ「当たれえええええええええええ!!」
299 : 1   2019/08/29 01:03:02 ID:.hAl9exbUI
マサキ(攻撃が…間に合わな――)

どすっ!
マサキの思考が一瞬止まった
Pカチュウの超スピードを認識した時には、すでに相手は自分の眼前にいたのだ
そして、Pカチュウの渾身の一撃をこめかみに喰らっていた
こめかみは人体の急所の1つ
一撃喰らっただけでも脳が直接揺さぶられるような感覚に陥った
意識が少しずつ薄れていく感覚を、ダメージと共に感じ始めていた

マサキ「わいの…こんな…わいが…」

Pカチュウ「ハァ…ハァ…!」

百合子(プロデューサーさん…!)

マサキ「こんな…こんな…」


『父さん…父さんはとても優しくていい人やった…けど、そこに付け込まれて汚い大人たちに利用されて、挙句の果てに死んでまうなんて…父さんはそれで良かったんか?』
『ミュウツーの研究は…父さんの意思はわいが引き継ぐ!けどわいは父さんとは違う!』
『力や!誰もが恐れ慄く力を手に入れてやる!絶対に!!』


マサキ「こんな、非力な雑魚…なんかに…っ!!」

バタッ!

気絶したマサキはそのまま転送装置の中で倒れる
Pカチュウは最後の力を振り絞って装置にしがみついた

Pカチュウ「俺たち……の――」

そのまま起動ボタンを押す
扉が閉まり、視界からマサキの姿が消えた

Pカチュウ「――勝ち…だっ!!」ズルッ

バタッ!
300 : 1   2019/08/29 01:11:54 ID:.hAl9exbUI
シゲル「…勝ったのか?おい!今度こそ勝ったんだよな!?」

フリーザー「あぁ…マサキは作動した転送装置の中…つまり彼女たちが…」

シゲル「勝ちやがった!あの最強ミュウツーの力を宿した存在を!百合子たちが打ち倒しやがった!!」


百合子(勝った…勝ったんだ私たち…良かった、後で…プロデューサーさんに、お礼…言わないと…)


~シルフカンパニー階段~

このみ「また爆発音が聞こえたわ!急ぐわよ!!」

タケシ「無茶すんな、また頭から出血するぞ!」

瑞希「ですが、私たちが行ったところで足手まといになるだけでは?」

このみ「そこは…」

瑞希「そこは?」

このみ「お姉さんのアダルティな応援でどうにか!」

タケシ「ならないぞ!」ガビーン

このみ「何でよ!」ピュー

タケシ「落ち着け!血!血が出てるから!」

このみ「え、乳が出てるですって!ムキ―、この変態!露出狂!!」

タケシ「そんなこと言ってないからぁ!後俺は変態じゃない!!」

瑞希「コントの途中すみません」

このみ&タケシ「コントじゃない!」ガビーン

瑞希「着きました、最上階の扉です」

扉を蹴り破るタケシ

このみ「百合子ちゃん!プロデューサー!だいじょ……」

3人の視界に映ったのは
倒れている百合子とポケモンたち
巨大な装置の前で、出血して倒れているPカチュウ
喜びで肩を組んで左右に揺れてるシゲルとフリーザー

このみ「色々な意味でいったい何が…」
301 : 1   2019/08/29 01:40:37 ID:.hAl9exbUI
シゲル「このみぃ!無事だったか!」

フリーザー「流石は我がトレーナーだ!」キリッ

このみ「えーと、とりあえずここで何があったか教えてもらえる?」

フリーザー「話せば長くなるが、かくかくしかじかで」

瑞希「なるほど、ミュウツーと一体化したマサキさんとの戦いに無事勝利した、と」フムフム

タケシ「お前もそれで通じちゃうの!?」ガビーン

瑞希「とりあえず長居は無用です。傷ついた皆さんを外まで運びましょう」

フリーザー「私も美しく手伝おう」

タケシ「…普通でいいよ」ドヨーン


このみ「百合子ちゃん…こんなにボロボロになって…」

シゲル「認めたくねぇけど、こいつ結構頑張ってたぜ…何度戦況を覆されても諦めずに立ち向かっていってよ」

このみ「よく、頑張ったわね…」ギュッ

百合子「…このみ、さん…」

このみ「百合子ちゃん!目を覚ましたのね!」

百合子「このみさん、あったかい…です」エヘヘ

このみ「じゃあしばらくこうしててあげる、だから今はゆっくり休んでちょうだい…」ギュッ

シゲル(女神だ…!まるで慈愛の女神…っ!ますます惚れたぜ…!アイラブユー!)ナミダドバー

瑞希「急に泣き出した……困ったぞ瑞希」

シゲル「よ、余計なお世話だ!ってかお前誰!?」

このみ「百合子ちゃん立てる?早くここから出ましょう」


マサキ「ま、待て…」

このみ「マサキくん!?」
百合子「……」

元の姿に戻ったマサキは、這いつくばりながら装置から出てきた

マサキ「まだ…まだわいは…!」
302 : 1   2019/08/29 01:40:58 ID:.hAl9exbUI
続く
303 : プロデューサーさま   2019/08/29 06:18:16 ID:gUAHj8mGR2
やった!
304 : 1   2019/09/05 01:14:32 ID:Wys.USF2J2
マサキ「まだわいは、負けたわけじゃあらへん…まだ…まだや…!」

このみ「…違うわ、もう勝負はついたの。あなたの、負けよ」

マサキ「嘘や!わいにはまだけつばんがいる!それにミュウツーだってここにおるやないか!!」

マサキが出てきた所とは別の装置には、ピクリとも動かないミュウツが座っていた

フリーザー「操られていた時に少し耳にしたが、それは心のない人形…自力では美しく動けないはずだ」

瑞希「それにけつばんは私たちが倒しました、もうあなたに味方はいません」

マサキ「嘘や…そんなの嘘や…」

シゲル「往生際が悪いぜ!てめぇはもう終わりなんだよ!」

マサキ「ミュウツー!!」

マサキは力を振り絞り、ミュウツーのそばに這い寄った

マサキ「お前はまだ戦える!そうやろ!?最強のお前がこんな奴らに負けるわけがないんや!だから立って動いてくれぇ!!」

このみ「マサキくん…」

シゲル「けっ!そんなんで動くわけねぇだろ!みっともないぜマサキさんよぉ!」

マサキ「お前はわいの…父さんの最高傑作なんや!ミュウツー!ミュウツー!!」

ミュウツー「……」ピクッ

瑞希「!?」
タケシ「もう大人しくするんだ」

瑞希「待ってください、今ミュウツーが動いたような…?」

タケシ「え?」
シゲル「いやいや、そんなわけが……」

ミュウツー「!」カッ
305 : 1   2019/09/05 01:22:36 ID:Wys.USF2J2
それは信じがたい光景だった
動かないはずのミュウツーの目が見開いた
そしてそれを認識した瞬間、ミュウツーから発せられた念力により、
このみと百合子以外の、ミュウツーの周辺にいた者たち全員が吹き飛ばされたのだ!

タケシ「な、何ぃ!?」ドゴッ
シゲル「ぐへっ!!」バタッ
瑞希「いったい何が?」
フリーザー「…これはあくまで推測だが、マサキがミュウツーと合体していたことで、ミュウツーという名の器に心が宿った…のかもしれない」

このみ「そんなのってありえる!?」

フリーザー「わからない…が、今分かることといえば、我々は美しく大ピンチってことだな」

ミュウツー「……」スタッ

マサキ「ミュウツー…!おぉ、ミュウツー!ついに完成したんや、真の最強のいでんしポケモンが!」

ミュウツー「……」ギロッ

瑞希「何か様子がおかしいですね」

マサキ「…どうしたんやミュウツー?」

ミュウツーはすでにマサキへの関心を失ったようで、
もう彼の方を向かず、ただ天井を眺めていた
そしてミュウツーは、
そのまま静かに『宙に浮いた』

マサキ「おい、待て!どこに行くんや!」

ミュウツー「……」

マサキ「わいを置いてく気か!?おい何とか言ったらどうなんや!?」

このみ「どうなってるの?」

タケシ「どうやら敵さんは俺たちに敵意が無いらしいな…でも、それ以前に主人であるマサキにも無関心だ」

ミュウツー「……」

マサキ「頼む行かないでくれ!お前『まで』いなくなったらわいは今度こそ独りになってまう!頼むお願いや!!」

ミュウツー「……」
マサキの叫びも空しく、ミュウツーはそのまま天井を突き破って
どこかへと飛び去った
306 : 1   2019/09/05 01:30:55 ID:Wys.USF2J2
マサキ「そんな…そんな…」ガクッ

瑞希「助かったようですね」

タケシ「あぁ…」

マサキ「へ、へへ…はは…」

このみ「マサキくん?」

マサキ「父を亡くして、師と慕った人たちを欺き…そして、わいを友と呼んでくれた連中まで裏切って…力を追い求めた結果がこれや!」

このみ「…」
タケシ「マサキ、お前…」

マサキ「結局わいは全てを失った……ただの孤独、その結果のみしか残らんかった…」

百合子「そんなことは、ない…ですよ」

マサキ「ゆ…百合子!?」

このみ「百合子ちゃん、無理しないで!」

百合子「すみません…けど、1つだけマサキさんに言っておきたいことがあるんです」

マサキ「なんや…恨み言ならいくらでも聞いたる、だからさっさと言えや」

百合子「マサキさん…あなたのやってきたことは到底許されることではないです……だから」
307 : 1   2019/09/05 01:36:26 ID:Wys.USF2J2
マサキ「…」


百合子「次からは気を付けてください」


マサキ「…え?」

シゲル「はぁ!?」
フリーザー「なんと…」

このみ「あらあら」
瑞希「少し驚きました……びっくりだぞ」
タケシ「まあ、らしいっちゃらしいな」

マサキ「お前、一体何が狙いや!」

百合子「狙いって…別にありませんよ。私が言いたいのは『罪を憎んで人を憎まず』ってやつです」

マサキ「かっこつけるな!絶対何か裏があるはずや!何か狙いが無ければこんなこと言えるはずがっ!」

タケシ「マサキ。お前がさっき言った通りなんだよ」

マサキ「は?」

タケシ「こいつはただかっこつけてるだけだ」

百合子「ちょちょちょっと!」ガビーン

このみ「でも誤解しないで。百合子ちゃんは、人を憎むような考えはしないわ」

瑞希「七尾さんの心の優しさは私たちが一番知っています、だからこそ理解できるんです、これは紛れもなく彼女の本心です」

マサキ「なっ…」

百合子「やり直しましょう…そして今度こそ、本当の友達になってください」

マサキ「友達……わいは……」


どごんっ!!
天井から2つの影が落ちてきた!
1つは人間サイズ、もう1つは巨大な生物の影
巨大な影はマサキの体を鷲掴みにして持ち上げた!

瑞希(あれは…ポケモン?)

???「マサキよ、貴様が言うように、しょせん貴様は独り…」

タケシ「そ、その声、どこかで…!」
シゲル「こいつ、まさか…っ!」

サカキ「いや、ただの無だ」

百合子「サカキ…っ!」
308 : 1   2019/09/05 01:44:48 ID:Wys.USF2J2
タケシ「サカキ、やはり生きてたのか!」

瑞希「あれがロケット団の…」

このみ「ボス…」

サカキ「久しいなこのみ、しぶとく生き残ったようだな」

このみ「…」ギリッ

百合子「どうして、ここに…」

サカキ「愚問だな。私欲のための我が組織を利用したこの男への制裁…ただそれだけだ」

サイドン「グウウッ!!」ミシッ
マサキ「ぐああああああああっ!!」

タケシ(なんて巨大なサイドンだ…いったいどんな育て方をしたらあれだけの…)

サカキ「マサキ…哀れな男だ。ミュウツーの存在を確立させたのは貴様の父の力、研究を進めることが出来たのも我が組織の技術を使ったからこそ、挙句の果てにはミュウツーの力を得て最強気取りか…貴様など他者の力を借りてようやく一人前になれた盗人にすぎない……貴様自身は何も持ち得ていない…無の存在だ!」

マサキ「っ!」

サカキ「仮初の力を得て満足しているようでは、頂には程遠い」

マサキ「だ、黙れ…」

サカキ「ふん…サイドン、握りつぶせ!」

サイドン「ぐごおおおおっ!!」
マサキ「あああああああっ!!」

百合子「マサキさん!!」
309 : 1   2019/09/05 01:51:03 ID:Wys.USF2J2
シゲル「カメックス!」ボンッ

サカキ「!?」

シゲル「“ハイドロポンプ”!!」

カメックス「!」ボシュウッ
サイドン「!?」

マサキ「…」バタッ

シゲル「フリーザー、マサキを助けろ!」

フリーザー「私に命令しないでくれるか…まあ、助けてはやるさ、美しくね」ヒョイッ

百合子「シゲルさん!!」

シゲル「おい勘違いすんなよ!マサキがどうなろうと知ったこっちゃないけどな…トレーナーのくせにポケモンに人殺しを命じる、こいつが気に入らねぇんだ!!」

サカキ「シゲル…確か君はオーキド博士の孫だったな…祖父譲りのポケモン愛と言ったところか、青いな」

シゲル「何!?」

サカキ「そんな甘さでは私の足元にも及ばないと言っているのだよ」
サイドン「…」ニヤッ

瑞希(苦手なタイプ攻撃をまともに受けて、あの余裕…)

サカキ「貴様たちに教えてやろう、真の最強というものをな」

サイドン「ぐごお…」ノシノシ

このみ(いけない、何か来る!)

サカキ「最強とは…己の持つ強い力に加え、いかなる強者をも従え、支配できる『王の資質』を持つもののことを言うのだ!」

その時、サイドンが拳を地面に振り下ろした!

サカキ「“じわれ”」
310 : 1   2019/09/05 01:56:32 ID:Wys.USF2J2
百合子「うわああっ!」

タケシ「嘘だろ!半壊してたとはいえ、たった一撃でビルに致命的なダメージを与えた!?」

サカキ「これが私のサイドン…私が鍛え上げた正真正銘の強大なパワーだ!」

百合子「こうなったらサカキ!私と勝負!」

瑞希「それは無理です、やめてください」キッパリ
タケシ「そうだ!手負いのお前じゃ1%も勝ち目なんてない!」

百合子「で、でもこの人は!」

サカキ「残念だが今は、お前と戦うつもりはない…先ほども言ったが、今回はマサキへの制裁が目的だったからな」

百合子「ぐぬぬ…」

サカキ「だが決着はつけるつもりだ…ここではない、我々の決戦に相応しい『あの地』でな」

シゲル「『あの地』だと!?」

サカキ「トキワシティに来るがいい!そこで決着をつけてやる…ロケット団の首領としてではなく、トキワジムのジムリーダーとしてな!」
311 : 1   2019/09/05 02:05:43 ID:Wys.USF2J2
百合子「トキワジムの!?」
シゲル「ジムリーダーだと!?」

サカキ「決戦は1か月後!その期間を過ぎた後、私はカントーを去るつもりだ!」

百合子「ということは…」

サカキ「我がグリーンバッジを手に入れる術を失うということだ」

シゲル(ポケモンリーグへの挑戦条件は『8つのジムバッジを持っていること』!もし、サカキを取り逃がすことになったら…)

サカキ「待っているぞ、チャレンジャーたちよ」

百合子「あ、待て!」

このみ「百合子ちゃん抑えて!今はボスのことよりもこのビルから脱出することを考えましょう!」

タケシ「といっても、ここは最上階だぞ!どうやって逃げる!?」

フリーザー「君たちを運んでいきたいのは山々だが、このみやそこの気絶している2人を運ぶので精いっぱいだ」

Pカチュウ「」
マサキ「」

瑞希「私のプテラはけつばんとの戦いでひんし状態……ピンチだぞ」

シゲル「…しょうがねぇ、ここは俺が――」スチャ

ぐらぐらぐら!

百合子「…嫌な予感が」
このみ「奇遇ね、私もよ」

ばぎっ!!

百合子「ああああああ足場がああああ!!」


うわあああああああああああああああああああ!!
312 : 1   2019/09/05 02:08:14 ID:Wys.USF2J2
このみ「美人薄命とはこのことね!」
百合子「私の魂は今、風と1つとなろうとしている…!」

タケシ「お前ら結構余裕だな!」ガビーン

瑞希「まままままままままままだあわわわわわわわわわわ」

タケシ「お前は表情は変わらないのに、言動で動揺が一目瞭然!」

フリーザー「しかし困ったものだな」

タケシ「って何で飛べるお前も一緒になって落ちてるんだよ!?」

フリーザー「協調性ってやつだ!」キラーン

タケシ「そんなのどうでもいいから、助けろよ!」

フリーザー「君たち、さっきから私に対して気軽に――」
このみ「フリーザー、皆を助けて!」

フリーザー「お安い御用だ!」バサッ

タケシ「こいつ…」ドヨーン

フリーザー「すまない!このみと半裸男を助けるのに精いっぱいだった!」

百合子「えええええええええええ!!」

瑞希「くぁwせdrftgyふじこlp;@」

百合子「ああ!瑞希さんがバグったー!」ガビーン

シゲル「行け、ピジョット!」ボンッ

ピジョット「!」バサッ
瑞希「助かりました……どきどきしたぞ」
Pカチュウ「」
マサキ「」

百合子「あのぉ!私とシゲルさんはどうやって助かれば!?」

シゲル「安心しろ!まだ『こいつ』がいる!」
313 : 1   2019/09/05 02:13:09 ID:Wys.USF2J2
~シルフカンパニー前~

社長「わしのシルフカンパニーがああああああああああああああ!!」

ナツメ「いったい何が起こっているの?」

サイキッカー「あ!」

ナツメ「どうしたの?」

サイキッカー「親方!空から女の子が!」

ナツメ「誰が親方!?」ガビーン

社長「ははは!見ろ!我が社がゴミのようだあ!!」

ナツメ「もうあなたたち黙ってて」ドヨーン


百合子「おーちーるうううううううううううううう!!」

シゲル「だから心配すんなって!」

ボンッ!
リザードン「グオオオオオオオオッ!!」

百合子「た、助かった…」

シゲル「助けてもらった借りは、これで返したぜ」ニヤッ
314 : 1   2019/09/05 02:13:26 ID:Wys.USF2J2
続く
315 : Pしゃん   2019/09/05 04:19:41 ID:OVZjTLfTGw
おつー、サカキさんパネェっす
316 : 1   2019/09/07 00:53:58 ID:iiYjnhhcZ6
~ヤマブキシティ~
シルフカンパニーでの死闘から一週間が経過した

Pカチュウ「暇だ…」

タケシ「安静にしてろよ、尻尾もようやくくっついてきたんだし大人しくしてるべきだ」

Pカチュウ「そうなんだけどな、逆に落ち着かなくって…。元の世界でも常に働いてたからさ、動いてないと違和感があるわけよ」

タケシ「お前、自分の労働環境改めろよ…」ドヨーン

瑞希「おはようございます、プロデューサー」

タケシ「来たか待ってたぞ」

Pカチュウ「ん?待ってたって?」

タケシ「瑞希がお前に栄養のある物を持ってくるって言ってたんだよ」

Pカチュウ「お、食べ物か?」

瑞希「はい、私のとっておきです」

ボンッ!
ラッキー「!」

瑞希「ラッキーの卵は栄養満点で美味しいと聞きます、ぜひ食べてください」

タケシ「わざわざセキチクまで行って捕まえてきたんだろ、よくやるな」

瑞希「いつもお世話になってるプロデューサーに恩返しです」

Pカチュウ「み、みずきぃ…」ジーン

瑞希「では、行きますよ」

ラッキー「…」テクテク

瑞希「“たまごうみ”」

ラッキー「…!」

おえっ!
げろげろ…!

ぼとっ!

タケシ「…」

Pカチュウ「…」

瑞希「どうぞ」

Pカチュウ「どうぞ…じゃない!!」

タケシ「俺の目の錯覚でなければこのラッキー、口から卵吐いてなかったか?」

瑞希「産みたてほやほやです」

Pカチュウ「ピッコロ大魔王!?」ガビーン

ラッキー「!」ガシッ

Pカチュウ「おい、無理やり口を開けるな!やめろ!せめて唾液は拭いてくれええええ!!」

タケシ「南無阿弥陀仏…」ガッショー
317 : 1   2019/09/07 01:00:16 ID:iiYjnhhcZ6
百合子「…私ようやく動けるようになったから、Pカチュウさんのお見舞いに来たんですが…」

Pカチュウ「」

このみ「気のせいかしら、白目向いて気絶しているように見えるわ」

ナツメ「へんじがない、ただのしかばねのようだ」

Pカチュウ「いや、生きてるからっ!」バッ

百合子「あ、起きた」

瑞希「すみません、私としたことが…せめて小さく切れば良かったです」

タケシ「そういう問題じゃないだろう」ドヨーン

百合子「私がいない間に面白いことしててずるいです!今度は私がいるときにお願いします!」プンプン

瑞希「はい」ペコリ

Pカチュウ「やだよ!!瑞希も!はいじゃないでしょ、はい、じゃ!!」ガビーン


シゲル「よう、相変わらず騒々しいじゃねぇか」ガチャ

わいわいがやがや

シゲル「あー…ごっほん!よう、元気そうじゃねぇ…」

わいわいがやがや

シゲル「か……って無視すんなあああああああ!!」

Pカチュウ「あ、いたのか!」

シゲル「いたわ!!人のこと無視しやがって!!」

瑞希「すみません、気づきませんでした」

シゲル「…」

ナツメ「ぼっちが言われて傷つくやつ」ボソッ

シゲル「誰がぼっちだ!!」

ナツメ「私もぼっち歴長いから、君の気持ちよくわかるわ」

シゲル「うるせぇ!一緒にすんな!」

ナツメ「がーん」
318 : 1   2019/09/07 01:04:54 ID:iiYjnhhcZ6
百合子「まあまあ!シゲルさんもこっちに来てお話ししましょうよ」

シゲル「断る!前にも言ったが俺はお前らとなれ合うつもりはねぇ!」

このみ「あら、それは残念ね」

シゲル「い、いやいや!別にこのみのことが嫌いとかそういうんじゃないぞ!むしろ好きだ!!」

ナツメ「…色んな意味で分かりやすいのね」

Pカチュウ「だろ?だからあいつをいじるの面白いんだ」ニッコリ


シゲル「とにかく!治ったんなら俺はもう行くぜ!」

Pカチュウ「…お前、俺たちが良くなるまで滞在してくれてたんだろ?ありがとうな」

シゲル「勘違いすんなよ!借りを返したかっただけだ!」

このみ「…やっぱり行くのね、トキワシティに」

シゲル「あぁ。サカキを倒しに行く」

百合子「じゃあ目的が一緒なんですから、私たちと一緒に行きましょうよ!」

シゲル「百合子、お前が夢を持っているように俺にも夢がある!俺は…ポケモンチャンピオンになるのが夢なんだ!その夢だけは誰にも譲りたくねぇ!!」

百合子「シゲルさん…」

シゲル「俺は行くぜ……アディオス!」

ガチャ!(開)

町民「うわ、雨だー!」
町民2「今年一番の大雨よー!!」

シゲル「……」

百合子「この雨じゃ、旅をするのは厳しいですね」

このみ「…ねぇ、もう一泊だけ、したら?」

シゲル「……」

ガチャ(閉)

シゲル「そうする」
319 : 1   2019/09/07 01:07:56 ID:iiYjnhhcZ6
翌日
~シルフカンパニー跡地~

タケシ「どうだ、瑞希」

瑞希「はい、転送装置は完全に壊れています」

タケシ「そうか」

瑞希「製作者のマサキさんは今だに意識が目覚めませんし、何より拘束されていますから今の我々にはどうすることも…」

タケシ「…残念だったな、もし装置が無事ならお前たち元の世界に帰れたのに」

瑞希「そうかもしれません……が、おそらく七尾さんはそれを良しとしないでしょう」

タケシ「どういうことだ?」

このみ「…百合子ちゃんは、見つけたのよ」スタスタ

瑞希「馬場さん、準備の方は?」

このみ「えぇ、いつでも出発できるわ」

タケシ「見つけた…何をだ?」

このみ「トップアイドルになるって言う本来の夢とは別の――」

瑞希「もう一つの夢、をです」

タケシ「…そうか」フッ

このみ「だから私たちも最後まで見届けるのよ!」

瑞希「それが仲間として、七尾さんにしてあげられることですから」

タケシ「仲間、か……なあ、お前らはマサキは改心したと思うか?」

瑞希「…それは分かりません、けど私は七尾さんの声が彼に届いたと信じています」

このみ「そうね、百合子ちゃんが言ってたように、今度会った時には本当のお友達になれていると良いわね」

瑞希「タケシさんは、どう思いますか?」

タケシ「俺か……俺も同じだよ。あいつは短い間だけど、一緒に行動を共にした仲間だったからな」

このみ「ならやっぱり、旅を続けるしかないわね。その答えもきっと旅の先にあるはずだから」

瑞希「では、そろそろ行きましょうか、七尾さんたちが待っています」

タケシ「だな!こうなったらとことんお前たちに着いてってやるさ!」
320 : 1   2019/09/07 01:13:23 ID:iiYjnhhcZ6
ナツメ「百合子、旅立つ前にこれを受け取ってほしいの」

百合子「プレゼントですか!開けてみても?」

ナツメ「えぇ、もちろん!」

ガサガサ
百合子「…スプーン?」

Pカチュウ(気のせいか、どこかで見たことあるような…)

ナツメ「えぇ、私の枕元にいつの間にか置いてあったスプーンよ」

Pカチュウ「めっちゃやばいやつだろそれ」ガビーン

ナツメ「大丈夫よ。確かに強い力がそれに込められているけど、悪いものではないわ。きっとあなたたちの助けになるはず!そんな予感がする!」

Pカチュウ「まあ、超能力者が言うんなら間違いないかもしれないな」

百合子「ありがとうナツメさん!大事にしますね!!」

ナツメ「百合子は私の大事な友達だから、あなたの無事を祈ってるわ」


このみ「2人とも、お待たせ!」

タケシ「それじゃい
瑞希「行きましょうか」
タケシ「って俺のセリフに被せるな!」ガビーン

ナツメ「元気でね、皆……後……」

百合子「?」

ナツメ「ありがとう!!」

百合子「ナツメさん…!」
瑞希「こちらこそお世話になりました」
タケシ「達者でな!」
このみ「また会いましょう!」
Pカチュウ「ゲームはほどほどにな!」

ナツメ「ふふ、うるさい」
321 : 1   2019/09/07 01:16:59 ID:iiYjnhhcZ6
~5番道路~

百合子「お待たせしましたーっ!」ビシッ

シゲル「何で付いてきてんのぉ!?」ガビーン

百合子「シゲルさん!私、元に世界に戻る前にやりたいことを見つけました!」

シゲル「…」

百合子「それはポケモンチャンピオンになること!私は私のポケモンたちと一緒に上を目指したいんです!」

シゲル「そうかよ、だったらなおのことお前らと一緒になんて…」

百合子「いやいや、同じ夢を志しているからと言って一緒にいちゃダメという決まりはないはずです!」

シゲル「はぁ?」

百合子「シゲルさんはなれ合いっていうかもしれませんが、仲良くなりたいって思う人と一緒にいることは悪いことではありませんよね?」

シゲル「…」スタスタ

百合子「あ…」シュン

シゲル「…トキワシティに着くまでだぞ」

百合子「シゲルさん…!」

シゲル「勘違いすんなよ!お前らの強さを知るにはそばにいた方が都合がいいって思っただけだ!!」

Pカチュウ「もうツンデレだな、シゲちゃ~~~~ん!」

シゲル「くっつくんじゃねぇ、気色悪い!」

百合子「それじゃ改めて、トキワシティにレッツゴー!」

シゲル「って、てめぇが仕切ってんじゃねぇ!!」
322 : 1   2019/09/07 01:17:17 ID:iiYjnhhcZ6
続く
323 : そなた   2019/09/07 10:09:08 ID:jkThGo9Sb2
おつー、しっぽってくっつくんだな…
324 : 1   2019/09/09 23:59:58 ID:37SIngyyvo
~シルフカンパニー跡地~

シバ「見事なまでに破壊されつくされているな」

カンナ「これじゃあ『あの男』の手がかりは掴めそうにないわね…」

キクコ「ZZZZzzz…」スースー

カンナ「ワタル、そっちはどう?」

ワタル「あぁ、風が吹いてやがる…闘争を呼び込む大いなる風がな…」

シバ「何!戦いが始まるのか!?」

カンナ「シバ、真に受けないで頂戴…こいつのいつもの病気よ」

ワタル「いつも言っているが、俺は中二病ではない…!俺は古来より、竜騎士<ドラゴンナイト>の宿命を背負った男だ!あんなにわかどもと一緒にされていては困る!俺の誇り高き魂は世界の深淵の中でも眩い光を放ち――」

カンナ「病気ね」キッパリ

シバ「いい病院を紹介してやるぞ!!」

ワタル「お、お前らぁ!」グヌヌ

キクコ「ZZZZzzz…」スースー

ワタル「…まあいいさ、調査の方は俺が引き受けよう」

カンナ「いったいどうするつもりよ?」

ワタル「『あの男』…サカキと対峙したあの娘に、コンタクトを取る…!サカキは言わずもがなだが、もしあの娘も危険な存在であるならば、オレが始末しなくてはいけなくなるだろうからな…」

カンナ「竜騎士として?」

ワタル「愚門だなカンナ!俺は竜騎士<ドラゴンナイト>である以前に、誇り高き「四天王」の1人よ!サカキ…そして異世界人たちと戦うことになったとしても、俺は負けはしないさ…ハーハハハハハハハハハ!!」

~5番道路~

百合子「はーっくしょん!!」

このみ「あら、風邪?」

百合子「風邪というより、風の導きかもしれませんね!世界より賜った『風の戦士』の名が新たなる騒乱の風を運んできて――」

Pカチュウ「静かにしなさい」ホッペムニー

百合子「ふ、ふえええええええ!」
325 : 1   2019/09/10 00:04:54 ID:hMEahpjUDM


瑞希「ここに2枚のカードがあり、その内の1枚が当たりです。さあ、どっちが当たりでしょう?見事正解すればサイコソーダをプレゼントします」

タケシ「俺は右を選ぶ!」

瑞希「はずれです」ペラッ

タケシ「ノオオオオオオオオオオオオオオ!!」

瑞希「なぜ負けたかは明日までに考えておいてください」ゴクゴク

シゲル「夜なのになんて喧しい連中だ」

Pカチュウ「そういうなって!お前も混ざって来いよ」

シゲル「断る!俺はこれから寝るんだよ!」

Pカチュウ「子供なのになんて冷めたやつだ」

シゲル「逆にお前ら、年上なのに落ち着きなさすぎ……なっ、このみ!」

このみ「…そこで私に話を振ったのは何でかしら?」ピキピキ

シゲル「変な大人に囲まれて、お前も苦労してんな!だけど、俺がいるからもう安心だぜ!多分俺の方がお前より年上だろうから、いつでも俺に頼ってくれ!」キラーン

このみ「あのね、ずっと言おうと思ってたけど、私はこの中で一番――」

シゲル「みなまで言うな!未来のチャンピオンとして…いや、一人の男として惚れた女は必ず守り通すぜ!」

このみ「話聞いて!!」ガビーン

Pカチュウ(面白いからまだ黙ってよっと)

このみ「プロデューサー、今『面白いから黙ってよっと』って顔してたわね!」

Pカチュウ「心を読んだんですか…っていや、違いますよ!」アタフタ

このみ「ムキー!全く!ここの男の子たちはほんとにもう!!」ポカポカ

Pカチュウ「いたた!殴らないでください!」

シゲル「いたっ!だ、だが俺はいま、『痴話げんか』というものを体感している!!」ハナジブー
326 : 1   2019/09/10 00:10:54 ID:hMEahpjUDM
百合子「ふぅ…いいお湯だなあ」

エグゼ「ドラム缶風呂もなかなか良さそうですねえ」

百合子「うん!私が出た後に入ってみたらいいよ!」

エグゼ「そうしたいのは山々ですが、システムエラー起こしちゃったら大変なんで」

百合子「あ、そ、そうなんだ…」

おしょう「…」

百合子「どうしたの?」

おしょう「!」プイッ

エグゼ「マスターの裸を見て恥ずかしいんですよきっと!」

百合子「え?」
おしょう「!?」

エグゼ「硬派だと思ってましたけど、やっぱり気になるんですね」
おしょう「!」ドスッ!
エグゼ「いったっ!!」

ユニー「…」フフッ

百合子「意識するとちょっと恥ずかしいなあ、おしょう一緒に入る?」

おしょう「!?」ドキッ

百合子「そんな反応されると私もますます照れてきちゃう…」

ガサガサ!

おしょう「!!」キッ
ユニー「!」バッ

エグゼ「敵ですか!もしくは野生のポケモン!?」
百合子「も、もしかしてのぞき…?」

ガサガサ!

百合子「ひえっ!」ビクッ

???「あっ、その表情いいですね!」

百合子「…え?その声」

そら「一枚、撮らせてください!」パシャ

百合子「あ、あなたはっ!」
327 : プロデューサー君   2019/09/10 01:29:56 ID:cNw.izt8IM
よし、いい子だ…その写真を差し出せば許してやるぞ
328 : プロデューサー殿   2019/09/10 07:29:49 ID:ldLDRobN8Q
早坂ぁあああ!!!
329 : 1   2019/09/19 00:47:28 ID:HsNCQzu.Ts
【番外編】

Pカチュウ「カモ助ェ!お前ガラル地方で進化するらしいな!」

おしょう「!?」

百合子「おめでとうおしょう!剣と盾が最高に風の戦士って感じだよ!」キラキラ

おしょう「…」フッ

Pカチュウ「でもさ…プッ…目つきがさ…ププッ…」

百合子「ダメですよ、Pカチュウさん…そこを言っちゃ…プッ!」

おしょう「…」バシッ

Pカチュウ「ひでぶっ!!」ハナジブー

おしょう「…!」フンッ



本編は19日更新予定
とりあえずおしょうにおめでとうを言いたかった
330 : 1   2019/09/19 00:57:12 ID:HsNCQzu.Ts
おしょうことカモネギの大活躍が見えるヤマブキジム編は>>9から!
331 : Pサン   2019/09/19 10:24:49 ID:KIRZAacVW2
本編でも進化するんですよね?ね?
332 : 1   2019/09/19 23:25:48 ID:HsNCQzu.Ts
思わぬ人物と遭遇した百合子は、仲間たちの元へと戻ったのだった

シゲル「で、誰だこいつ?」

早坂「早坂そら!カメラマンをやっているものです!」

タケシ「やっぱりこの人もお前らの関係者か?」

このみ「ええ、私たちの元いた世界で縁のある人よ」

瑞希「早坂さんはどうしてこの世界に?」

早坂「目の前が突然光りだしたかと思ったら、気づいたらこっちに来ていたんですよ」

瑞希「転送装置で飛ばされたんでしょうか?」

Pカチュウ「あるいは別の理由か…」

このみ「どういうこと?」

Pカチュウ「マサキが言ってたけど、転送装置で呼び出されたのは俺と百合子だけらしいんだ」

瑞希「つまり、馬場さんと私、そして早坂さんは別のきっかけがあるということになりますね」

Pカチュウ「そういうことになるな……」

早坂「…」

Pカチュウ「ど、どうしました?」

早坂「ぴ、ピカチュウがしゃべってる!?」ガビーン

百合子「そのリアクション、久々に見ましたね」

このみ「みんな順応力高すぎなのよ」

Pカチュウ「驚くのも無理はありません。私、こういうものです」(名刺を差し出す)

早坂「え!?765のプロデューサーさん!?どうしてこんなお姿に!?」

Pカチュウ「まあ、色々とありまして…早坂さんもお変わりなくなによりです」

早坂「いえいえこちらこそ」

Pカチュウ「いえいえいえこちらこそ」

タケシ「とりあえずビジネストークはここまでにしておこうか」
333 : 1   2019/09/19 23:54:07 ID:HsNCQzu.Ts
百合子「ところで早坂さんはこっちの世界で何をしていたんですか?」

早坂「私もあなたたちと同じような感じで、オーキド博士に頼まれてこの世界を冒険していましたよ」

百合子「私たちは半ば強引に志願したんですけどね!」

Pカチュウ「そうだな!」

タケシ「おい」ドヨーン

このみ「でも、一人で大変だったでしょう?」

早坂「ふふ、大丈夫です。私にはこの子がいますから!」スリスリ

シゲル「か、カメラにスリスリしてやがる…」ドンビキ

早坂「最初は冒険なんてできるのかと不安がありました…それも未知の世界での冒険…!知り合いも誰もいない、孤独との闘い!けど、私は苦労と努力を重ね、成果を出してきました!」

このみ「苦労、したのね…!」ウルウル

早坂「でも今では、ポケモンアイランドでは名の知れたカメラマンとなりましたよ!」

Pカチュウ「それ、ポケモンはポケモンでも、ポケモンスナップの話!!」ガビーン

百合子「ということは、ポケモンの写真がたくさんあるんですか?ぜひ見てみたいです!」

早坂「どうぞ!いい表情の写真がたくさんありますよ!」バッ

タケシ「確かに、ポケモンたちの活き活きとした様子がよく撮れてる」

シゲル「にしても、よくこれだけ至近距離で撮れるもんだな。気づかれて逃げられるだろ普通」

早坂「カメラマンたるもの、ステルス能力の一つや二つ習得していないと務まりませんからね!大事なのは自然体を撮ることですから!」

シゲル「お前は忍者か!!」ガビーン
334 : 1   2019/09/19 23:59:51 ID:HsNCQzu.Ts
早坂「ストライクやエレブー、コイキングやリザードの進化する瞬間、ポケモンを模った風景、そしてミュウ!色々と写真に収めることが出来ました!」

このみ「へぇ……ん?んん!?」

百合子「…今、さらっと凄いこと言ってませんでした?」

早坂「私何かやっちゃいました?」シレッ

Pカチュウ「そこで異世界感出さなくていいですって!!」ガビーン

瑞希「ミュウの写真を収めた、と仰っていませんでしたか?」

早坂「あっ!そのことですか!はい、ばっちりいい表情で撮れました!」バッ

このみ「これが…幻のポケモン・ミュウ…!」

シゲル「まじかよ…」

百合子「私たちはいま、伝説を目撃している!」ワクワク

早坂「もしかしてミュウを探していたんですか?」

Pカチュウ「いや、ミュウ関係でちょっとした因縁がつい最近ありまして…」

早坂「よければこれ差し上げます」

百合子「え!いいんですか!」

早坂「どうせ何枚も撮ってますからね」ピラピラッ

タケシ「希少価値が薄れるなあ」ドヨーン
335 : 1   2019/09/20 00:28:36 ID:vRcNS4Axzg
早坂「それじゃあ私はそろそろ行きますね」

百合子「え!?行っちゃうんですか?」

Pカチュウ「良かったら俺たちと一緒に行きませんか?」

早坂「嬉しい申し出ですけど、私はやっぱり写真を撮っている方が性に合っているので」

このみ「残念ね」

百合子「もし元の世界に戻れる方法が分かったら、すぐに連絡しますね!」

瑞希「では、話もまとまったことで私から少々提案が」

タケシ「どうした急に?」

瑞希「せっかくですから、皆さんで写真を撮りませんか?」

百合子「それいいですね!」

早坂「そうと決まれば、全力で最高の写真を撮らせていただきます!」
336 : 1   2019/09/20 00:28:55 ID:vRcNS4Axzg
百合子「皆で写真なんて何だかテンション上がってきますね!」
瑞希「私もワクワクしてきました……ワクワク」
Pカチュウ「早坂さんも入りましょうよ」
早坂「いえいえ、私はあくまでもカメラマンですから!」
タケシ「このみは前に出た方がいいな」
このみ「それって私が小さいって……まあいいわ」
シゲル「このみの隣はキープするぜェ!!」

フリーザー「美しく撮ってくれたまえ」キラーン
Pカチュウ「うわっ、なんでお前勝手に出てきてんの!?」
このみ「いや、それを言うなら…」

おしょう「…」フッ
エグゼ「ボクの勇姿をしっかり収めてくださいね!!!!!」
ガラガラ「!」ビクッ
コダック「……」
わいわいがやがや

Pカチュウ「全員の手持ちが揃うとやっぱり圧巻だな」

百合子「…」

Pカチュウ「どうしたんだ?」

百合子「この世界に来た頃は、私とPカチュウさんだけだったのに、気づいたらこんなにたくさんの仲間が出来て……そう思うとなんだか改めて嬉しくなっちゃって…!」

Pカチュウ「…旅が終わった頃には、このひとときも大切な思い出になるんだろうな」

百合子「…そうですね」

早坂「それじゃあ行きますよ!ハイチーズ!!」
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