【赤緑23周年記念SS】百合子「私は、ポケモンマスターです!」その2
1 : 1   2019/03/28 21:35:53 ID:hzBBvn9CN.
前:http://imasbbs.com/patio.cgi?read=6773&ukey=0&cat=ml

注意
1:キャラ崩壊
2:長編
3:ゲームとは異なる展開
4:駄文
5:更新早かったり遅かったり
6;赤緑といいつつ青ピカ要素もある

上の続きです
初見だよって人やおさらい用とかに参考画像用意したのでどうぞ
多分分かるようになってるはず・・・
次レスでは簡単なこれまでのあらすじも書くので、どうぞ

それでは、冒険スタート!
2 : 1   2019/03/28 21:36:55 ID:hzBBvn9CN.
ここまでのあらすじ

ひょんなことからポケットモンスターの世界に来てしまった七尾百合子とプロデューサー
百合子は、ピカチュウの姿になってしまったプロデューサー(Pカチュウ)を連れて、カントー地方を旅しながらジム制覇を目指すこととなった
道中、ニビシティのジムリーダー・タケシを仲間に迎える
カスミ、マチスを倒し、シオンタウンに向かった一行を待ち受けていたのは、
なんと元の世界でのアイドル仲間、馬場このみであった
ロケット団となったこのみと戦い、なんとか勝利したものの、ミュウの遺伝子を奪われてしまう
タマムシシティでジムリーダー・エリカを倒したが、直後町を襲ったのはベトベターの大群であった
ロケット団の仕業であることを突き止めた百合子一行は地下アジトに乗り込んだ
再びこのみとの戦いとなり、双方総力戦となったが百合子とPカチュウの奇策により勝利し、このみを正気に戻した
しかし、ロケット団のボス・サカキが現れ、最終決戦に
サカキのガルーラに苦戦を強いられるが、シゲル、タケシ、このみの加勢により勝利を収める
ロケット団は壊滅し、平和となったカントー地方を再び旅する百合子一行であった
3 : 1   2019/03/29 00:37:39 ID:cYYb3BrbZs
~魔王城~

プロデューサー「ぐああああああ!!」バタッ

タケシ「し、しんでる…!」

魔王「がはははは!わしに逆らう者は皆こうなるのだ!」

タケシ「くそっ!もはやここまでか…!」

このみ「こんな時、あの人がいてくれれば…」

魔王「我が最終奥義!『ダークネスナイトメアデスフレイム』を受けてチリとなるがいい!!」

???「これ以上!私の仲間を傷つけるのはやめてもらおうか!」バンッ

タケシ「来た!」ハナミズズルー

このみ「私たちの希望!」ウルウル

魔王「貴様は伝説の勇者、lily knight!!」

百合子「辺境に住む魔王が私のことを知っているとは驚きですね」

魔王「7つの大罪を司る我が幹部を打ち破った貴様の名、知らぬはずがないわ!」

百合子「なら話は早い!魔王覚悟!!とうっ!!」

魔王「来いlily knight!弱点の心臓を貫かれない限り、わしは不死身だー!!」

百合子「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

lily knightの未来(あす)を信じて…!
4 : 1   2019/03/29 00:47:07 ID:cYYb3BrbZs
Pカチュウ「ってなるかーい!!」ペシッ

百合子「いたっ!!」

Pカチュウ「お前の妄想はほんと長い!どんだけ尺使う気だよ!」

百合子「Pカチュウさん、なぜ私が妄想していると…やはり私たち以心伝心ってことですよね!」(頬赤らめ)

Pカチュウ「全部声に出てるんだよ」ホッペムニー

タケシ「お前ら、こんな時に喧嘩はやめろ」

このみ「まあ、この状況…現実逃避したくなるのも分かるけど」

ジム制覇を目指して旅を続ける百合子一行
しかし、ヤマブキシティを目指している最中に大勢のポケモントレーナーに囲まれていた

「俺の名はとりつかい!」「俺はつりびと!」「ぼうそうぞくだ!」「イマクニ?参上!」「レイモンドだよー!」「以下省略!!」

とりつかい「ロケット団を壊滅させたお前たちを倒せば、俺らの名を上げるチャンスだぜ!」

ぼうそうぞく「てめぇら全員“シメ”てやんよぉ!」!?

つりびと「ついでにジムバッジも置いて行ってもらおうか!」

Pカチュウ「百合子」

百合子「“10まんボルト”!!」

とりつかい「ぎゃああああああ!!」

ぼうそうぞく「“キタ”ぜ、“ビリッ”とよぉ!!」!?

つりびと「助けてえええええええ!!」

トレーナーたち「ちくしょー!覚えてろよー!!」ドタドタ

百合子「ふっ、他愛もない」

Pカチュウ「調子乗るな」ホッペムニー

百合子「ふええ!いたい!いたいでふ!」
5 : 1   2019/03/29 00:58:02 ID:cYYb3BrbZs
このみ「タマムシを出てから、トレーナーから挑まれること多くなったわね」

百合子「やっぱり私たちがロケット団壊滅させたことが大々的に取り上げられたからなんでしょうね、それでもあれだけ大勢で来られたのは初めてだけど」

このみ「まあ、このセクシーなこのみお姉さんに魅かれてやってくるのは仕方ない所もあるかもしれないわね~」ウッフン

タケシ「ぷっ」

Pカチュウ「相変わらず面白いですねこのみさん」

このみ「別にギャグで言ったわけじゃないんだけど!?」ガーン

タケシ「そろそろ日も暮れてきたし、野宿の準備しようか」

Pカチュウ「そういえば百合子、タマムシの人たちが色々と持たせてくれたよな?」

百合子「はい、お礼にって食べ物とか日用品とかたくさん…あ、あとこれも!」

このみ「あら、これモンスターボールじゃない!しかも中にポケモンが入ってるみたいね」

タケシ「開けてみてくれよ」

百合子「はい」ポンッ
6 : 1   2019/03/29 01:04:29 ID:cYYb3BrbZs
ポリゴン「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!!初めまして皆さま!!ボクはシージーポケモンのポリゴン!ポリゴンと申します!!ちなみに青版以降はバーチャルポケモンと呼ばれているんですよ!!」

Pカチュウ「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」

タケシ「お前が言うな」

ポリゴン「ボクのような高性能な人工知能を持つポケモンなら当然のことですよ!!ハーハハハハハハハ!!」

このみ「随分とテンションの高い子ね」

ポリゴン「あ、お嬢ちゃん飴舐めますか?」ホイッ

このみ「子供扱いすなー!」

ポリゴン「タマムシの方々からぜひあなた方のサポートをと仰せつかっています!ぜひボクを旅の一員に加えていただけませんか!!」

百合子「うーん、確かにカラカラが抜けたから手持ち増えるのはありがたいんだけど…でもなんかなあ…」

ポリゴン「そこをお願いしますよ百合子様…いえ、マスター!」

百合子「マスター…!いい響き…!」ウットリ

ポリゴン「OKですか!?」

百合子「OKです!」b

ポリゴン「イヤッホオオオオオオオオオオオオオ!!」

百合子「このマスター・ユリコの仲間に加わったからには、世界の平和を守るために共に戦おう!!」キリッ

ポリゴン「はいです!マスター!!」

2人と1匹(不安だ…)

ポリゴンが なかまになった!
7 : 1   2019/03/29 01:14:44 ID:cYYb3BrbZs
翌朝

百合子「それじゃあ道案内、よろしくね『エグゼ』」

エグゼ(ポリゴン)「お任せくださいマスター!!」

Pカチュウ「ネットワークにトランスミッションしそうなニックネームだな」

エグゼ「それではさっそく地図をダウンロードします!」

Pカチュウ「そこからなの!?」

エグゼ「ダウンロード中、推定残り時間10分15分」

百合子「しかも長い」

エグゼ「ダウンロード中、推定残り時間11分5分」

このみ「微妙に増えたわね」

Pカチュウ「低スペックパソコンかお前は!」

タケシ「なあこいつ置いていった方がいいんじゃないか?」

Pカチュウ「同感だ」

エグゼ「待ってください!今ボクを失うのは大きな損失ですよ!!」

タケシ「じゃあ他に何かできるのか?」

エグゼ「アラーム機能とかメモ機能とか!」

Pカチュウ「別にお前使わなくても事足りるだろ」

タケシ「やっぱりいらんな」

エグゼ「後は…無修正エ〇動画を無料で見ることが出来ます」

タケシ「俺たちはっ!お前を見捨てないぞっ!!」

Pカチュウ「俺たちは仲間だっ!!」ドンッ

このみ「男たち…」(遠い目)

百合子「むぅ」プンプン
8 : ダーリン   2019/03/29 01:16:02 ID:WpcOeQRmCk
煩悩には勝てなかったよ…

待望の続編、待ってた
9 : 1   2019/03/29 01:25:49 ID:cYYb3BrbZs
~ヤマブキシティ~

Pカチュウ「着いたな」

エグゼ「ボクのナビゲートのおかげですね!!」ドヤッ

このみ「ほとんど通りすがりの人に道聞きながらきたんだけどね」ドヨーン

百合子「さっき道訪ねたおばあちゃんからお野菜おすそ分けしてもらっちゃいました!」

タケシ「ジム戦終わったらそれで鍋しようか」

エグゼ「それじゃあ皆さん行きましょうか!!……おらおらそこの通行人!!マスター・ユリコとその仲間たちのお通りだ!!道を開けろ!!」

百合子「もうボールに入ってて!!」(赤面)

タケシ「なんて騒々しいやつだ」

このみ「とんでもないルーキーが入ってきちゃったわね」

Pカチュウ「…なあ百合子、ボール揺れてないか?エグゼが騒いでるのか?」

百合子「いや、これは…」ボンッ

おしょう「…」

百合子「どうしたの?」

おしょう「…!」ブンッブンッ

このみ「もしかしておしょうちゃん、次のジム戦で戦いたいんじゃないかしら?」

タケシ「このみ戦やサカキ戦…タマムシでは悔しい思いをしてきただろうからな」

Pカチュウ「百合子、俺からも頼む」

おしょう「…」ジー

百合子「…もちろん!一緒に頑張ろうね、おしょう!」

おしょう「!」コクッ
10 : 1   2019/03/29 01:39:28 ID:cYYb3BrbZs
~ヤマブキジム~

タケシ「入ってみればただの個室…人っ子一人いないな」

百合子「まさか留守!?」ガーン

タケシ「おそらくクチバジムの時みたいに仕掛けがあるんだろう」

百合子「なるほど!じゃあ探しましょう!

タケシ「クチバジムみたいな痛い目にあう仕掛けでなければいいけど」

百合子「元の世界に戻るためにジムバッジを集めるんだ…!絶対に探し出して見せる!」

Pカチュウ「…そういえばこのみさんはどうしてこの世界に?」

このみ「そういえば言ってなかったわね」

Pカチュウ「このみさんもトラックの激突に巻き込まれて?」

このみ「あなたたちトラックに激突されたの?」ドヨーン

Pカチュウ「で、どうしてなんです?」

このみ「あの日、番組の収録があって…控室で待機してて、その時スマホをいじってたら、画面が光ってそれで…」

Pカチュウ「気づいたらここに?」

このみ「そう、その上記憶を無くしてあんなことにね…」

Pカチュウ「俺もその仕事覚えてますよ、確かこのみさんともう1人いましたよね?」

このみ「えぇ、あの時一緒にいたのは…」

タケシ「た、大変だ!!」

Pカチュウ「どうした?」

タケシ「百合子とおしょうが消えた」
11 : 1   2019/03/29 02:05:08 ID:cYYb3BrbZs
~ヤマブキジム・中央の間~

ナツメ「部屋に引きこもってゲームしてれば勝手に挑戦者がやってくる、ジムリーダーって最高♪」ピコピコ

サイキッカー「ナツメ様!またそんなぐーたらして!少しはジムリーダーの威厳というものを…」

ナツメ「だって楽だからいいじゃない…それより早く前の部屋に戻ってよ、いつも通り挑戦者が来たら教えて。それから準備するから、その間適当に足止めしておいてちょうだい」

サイキッカー「はいはい」

ブウウウン

百合子「まさか床の魔法陣がワープ装置だったなんてびっく…」

ナツメ「」

サイキッカー「」

百合子「り…」

おしょう「…」


10分後

ナツメ「よく来たわね、挑戦者…私の名前はナツメ、ここのジムリーダーよ…」コソコソ

百合子「ごめんなさい、完全に油断しきってたプライベート状態の姿を見てしまったことは謝ります…だからテレビの後ろで隠れてないで出てきてくださいよ」

ナツメ「べ、別にそんなんじゃないし…」ブツブツ

サイキッカー「ナツメ様、あれで結構な人見知りなもので」

百合子「まあ、気持ちわかりますよ、私も人見知りする方なので」

おしょう「!?」チラッ

百合子「何その意外そうな顔は!?」ガビーン

ナツメ(もういいよ、早く始めましょう)

百合子「うわっ!頭の中に直接声が!」

サイキッカー「ナツメ様は正真正銘の超能力者、テレパシーなんてお手の物なのです」

百合子「超能力者!かっこいい…!」キラキラ

ナツメ(ひえっ、何なのこの娘…)

サイキッカー「ルールは2vs2のバトル、相手の手持ちを全滅させた方の勝ちです」

百合子「おしょう、お願いね!」

ナツメ「モルフォン、頼むわよ」ボンッ

サイキッカー「試合開始!」
12 : 1   2019/03/29 02:24:15 ID:cYYb3BrbZs
~かくとうどうじょう~

カラテおう「俺の名はカラテおう!いつかこの道場を公式ポケモンジムにすることを夢見て日々精進している!そして今日も挑戦者を待ち続けているのだ!!」

弟子「師範!誰に説明口調で語ってるんですか!?」

カラテおう「俺にも分からん!!」ドンッ

弟子「師範!なんだか外が騒がしくないですか!?」

カラテおう「朝のラジオ体操をしているのだろう!」ドンッ

弟子「師範!今昼の12時です!」

ロケット団員9「略奪の時間だオラァ!!」(扉を蹴り壊しながら)

カラテおう「何だ貴様!!」

ロケット団員10「貴様ら単細胞でも知っているだろう?悪の組織・ロケット団の名を!」

カラテおう「ロケット団!?壊滅したと聞いたが!」

ロケット団9「ロケット団は復活したのさ!あるお方のお力でな!!」

ロケット団10「ロケット団のために貴様らのポケモンを献上しろ!逆らうのならば…容赦はしない」ニヤッ

~ヤマブキジム~

Pカチュウ「迷った」

タケシ「迷ったな」

このみ「迷ったわね」
13 : Pしゃん   2019/03/29 06:06:45 ID:qTThjKtVIs
来てたー楽しみ
14 : 1   2019/03/29 23:11:31 ID:cYYb3BrbZs
~ヤマブキジム・中央の間~

百合子「“いあいぎり”!」

モルフォン「!」ビュン

百合子「避けられた!次こそは…!」

ナツメ「…」

モルフォン「!」

モルフォンの目から“サイケこうせん”が放たれた!

百合子「トレーナーの指示なしで攻撃を!?」

モルフォン「!」ビビビッ

百合子「え、またきた!」

おしょう「!」クッ

百合子「“きりさく”!」

ナツメ「…」

モルフォンはおしょうの攻撃を羽根で受け止め、そのまま“かなしばり”で動きを封じた

おしょう「!?」

百合子(モルフォンが指示なしでこんなに立ち回れるなんて、いったいどうして…?)

モルフォン「…」

ナツメ「…」ニヤッ

モルフォンはそのままおしょうを吹き飛ばす!
おしょうは“かなしばり”で動きが封じられているので、受け身も取れず倒れる

百合子「…」

倒れたまま起き上がらないおしょう…
モルフォンがおしょうに接近する!

百合子「…今だ!」
15 : 1   2019/03/29 23:23:05 ID:cYYb3BrbZs
刹那、おしょうが立ち上がって抜刀の構えを取った!
おしょうはフェイクで“かなしばり”がとけても動けないふりをしていたのだ!
しかし…!

モルフォン「!」バッ

モルフォン、近づくと見せかけてそのまま飛行し、攻撃を回避した!

百合子「避けられた…いや、最初から上に飛ぶ体制だった…?」

モルフォンの予測できない行動の数々に困惑する百合子

百合子(技を出すタイミングとか、次のアクションとか、全く予想できない…)

百合子の様子を見てナツメは不敵な笑みを浮かべた

ナツメ(無駄だよ、あなたじゃ私には勝てない)

百合子「え?」

ナツメ(私の力には絶対に勝てないよ)

百合子「勝負はまだ始まったばかりですよ」

ナツメ(諦め悪いね、まあいいよ、せいぜい無駄な足掻きをし続けててちょうだい)

モルフォン、上空からの“サイケこうせん”!

ナツメ(ほらほら、のろのろしてると当たっちゃうよ!)

百合子「もう!脳内で煽ってくるのやめ……あ」

百合子はナツメの方を見る

百合子「ナツメさん、あなたテレパシーでモルフォンに指示を出してたんですね」

ナツメ「…そうだよ、怒った?」

百合子「いいえ、謎さえ解ければ後はどうにかできます!おしょう!」
16 : 1   2019/03/29 23:31:30 ID:cYYb3BrbZs
おしょう「…」チラッ

百合子「あのテレビに攻撃して!」

ナツメ「なっ!」

百合子「次はあのパソコン!」

ナツメ「わ、私のテレビが!パソコンがあああああ!!」アタフタ

百合子「あの本棚!次にゲームソフト!次にフィギュア!」

ナツメ「やっぱり怒ってるの!?私の部屋を荒らすのやめ」

百合子「そしてモルフォン!」

おしょう「!」バッ

おしょう、モルフォンに接近!

モルフォン「!?」

ナツメ「しまっ!」

百合子「逃がさない!“かまいたち”!」

モルフォンはおしょうの攻撃を受け、地面にたたきつけられた

百合子「と、こうやってテレパシーする間を与えないくらい心を乱せば隙を作れるんです!」

ナツメ「う、うぅ…」ガクッ

百合子「安心してください、壊さないように攻撃させたので」

ナツメ「許さない…!」ゴゴゴゴゴ

百合子「あ…」アセダラダラ

ナツメ「くらえ!“ねむりごな”!!」

百合子「私に攻撃!?」

おしょう「!」

ナツメ「カモネギ!お前も眠れ!!」

おしょう「…!」ウトウト

百合子「う、やばい…かも」ウトウト

ナツメ「おやすみ、挑戦者」

百合子「…」

おしょう「…」

ばたっ!
17 : 1   2019/03/29 23:45:51 ID:cYYb3BrbZs
ブウウウン

Pカチュウ「お、今までと雰囲気違う部屋に来たな」

ナツメ「うわぁ、また変なのが来た…」

Pカチュウ「ジムリーダーのナツメ…ようやくたどり着いたってことか」

このみ「!?ねぇ、あそこに倒れてるの百合子ちゃんとおしょうちゃんじゃない!?」

Pカチュウ「くっ!あんた何した!?」

ナツメ「ただ眠らせただけよ、強力な“ねむりごな”でね」

タケシ「一足遅かったか」

Pカチュウ「百合子!カモ助!しっかりしろ!!」

百合子「…」スヤスヤ

ナツメ「モルフォン!」

モルフォンは眠っているおしょうを吹き飛ばした

ナツメ「勝負はまだ、終わってない…」

Pカチュウ「無抵抗の相手を攻撃するつもりか卑怯者!」

タケシ「いや、眠らせてから攻撃を仕掛けること自体、立派なポケモンバトルの戦術だ、悔しいが不正ではない」

ナツメ(とっとと終わらせてゲームの続きしよ…モルフォン、“サイケこうせん”!)

このみ「あのモルフォン、トレーナーの指示なしで攻撃をしてきたわよ!?」

タケシ「このままじゃ直撃だ!」

Pカチュウ「させるかああああ!!」

Pカチュウは猛スピードで移動し、“サイケこうせん”とおしょうの間に割って入った
そしてそのまま、電撃で攻撃を相殺!

Pカチュウ「交代だ!次の相手はこの俺だ!!」
18 : 1   2019/03/29 23:54:26 ID:cYYb3BrbZs
Pカチュウ「行くぞ!!」ビュン

ナツメ(“でんこうせっか”で接近…だったらこっちも突っ込んでいく、と見せかけてギリギリのところで上昇して、空中から“サイケこうせん”で攻撃してやる…頼んだよモルフォン!)

モルフォン「…」コクッ

Pカチュウ「うおおおおおお!!」

ナツメ(え、こいつ思ってたよりはやっ!)

Pカチュウ「懐に入り込んだぞ!」

ナツメ(モルフォン飛んで!)

上昇するモルフォン
しかし、Pカチュウもモルフォンが飛ぶと同時にジャンプ!
モルフォンの頭上を越えた!

Pカチュウ「“たたきつける”だ!!」

Pカチュウの尻尾がモルフォンの脳天に直撃!
そのままモルフォンは地面にたたきつけられた

モルフォン「」ガクッ

このみ「やったわ!」

タケシ「Pカチュウの反射神経の方がモルフォンの行動より早かったようだな」

ナツメ「ぐぬぬ…!」

Pカチュウ(さあ、次はどうくる…?)

ナツメ「行け、ユンゲラー!」

このみ「次はユンゲラー…相手の専門タイプのポケモンが来たわね」

ユンゲラーがスプーンを構える

ナツメ「“サイケこうせん”!」

ユンゲラー「!」(目からビーム)

Pカチュウ「ってそっちから出るんかーい!!」

不意を突かれたPカチュウは攻撃を受け、そのまま吹き飛ぶ
その衝撃で落ちてきたゲームソフトに埋もれることとなった

ナツメ「よくも私のゲームソフトを!」

Pカチュウ「お前のせいだろこれ!!」ガビーン

百合子「…」スヤスヤ

おしょう「…」スース
19 : 1   2019/03/30 03:05:40 ID:C0FqSQf.z2
~???~

百合子「あ、あれ?ここどこ…?」

目を覚ました百合子が辺りを見渡すと、先ほどいたジムではなく、真っ暗とした空間に自分がいることを認識した

百合子「ヤマブキジム、じゃないよね?ナツメさんもいなくなってるし…」

???「もしかしたら俺たちは敵の術中にはまってしまったのかもしれんな」

百合子「そうだね…って!?」チラッ

おしょう「どうした主?」

百合子「おしょうが喋ってる!?」

おしょう「何を言っている。俺はいつも主に語りかけていた、言葉が通じているか通じていないかというだけの問題で…って俺の言葉が通じている!?」

百合子「ますますこの状況、わけがわからないよ」

おしょう「ん?主、あそこに光が見えるぞ、出口かもしれんな、行ってみよう」

百合子「でも罠だったら危なくないかな?」

おしょう「俺が守るから心配無用だ」シレッ

百合子「私のポケモン、イケメンすぎる…!そんなこと言ってると惚れちゃいますよ!」

おしょう「主、落ち着け」
20 : 1   2019/03/30 03:12:07 ID:C0FqSQf.z2
百合子たちが光の方へと向かっていくと、そこには草原が広がっていた
しかし、草原にしては異様な光景であった
そこら中に植えられている野菜、仮面をつけた赤と青の謎の生き物が徘徊している

テレテレテレテテッテー

そしてどこからともなく流れているレトロ感を漂わせる軽快なBGM

百合子「これって見たことある、スーパーマリオUSAの世界観だ…!」

おしょう「なるほど、夢工場ドキドキパニックの世界か」

百合子「おしょう何歳!?」

おしょう「しかしこれで合点がいった。どうやら俺たちは夢の世界に来てしまったようだな」

百合子「モルフォンの“ねむりごな”で眠らされて、何故かマリオUSAの世界(サブコン)に来ちゃうなんて…」

おしょう「しかし、この流れ…この世界を攻略しないと眠りから覚めることができないかもしれんな」

百合子「異世界に来たと思ったら、その先でさらに異世界に来てしまうなんて想像してなかったよ」

???「お前たち、こんなところで何をしている?」

百合子とおしょうの背後から聞きなじみのある声が聞こえた

百合子「その声は、タケシさん!タケシさんもこっちに来てたんですか?」

???「タケシ?違うなぁ」

キュピキュピ

タケシ?「俺は悪魔だぁ」デデーン

百合子「なんかタケシさんの見た目が伝説の超サイヤ人風になってるーっ!!」ガーン

おしょう「イメチェンか」

百合子「そういう問題じゃないと思うよ!」
21 : 1   2019/03/30 03:26:14 ID:C0FqSQf.z2
タケシ?「まずはお前たちから血祭りにあげてやる」キュピキュピ

キャサリン「きゃー!」デデーン
ドン・チュルゲ「ぎゃー!」デデーン
ガプチョ「「「しぇー!」」」デデーン
ヒーボーボー「ヘルプミー!!」デデーン
チョッキー「ギャニイイイイイ!!」デデーン

タケシ?「ふははははははははははははは!!」

百合子「1人でボスキャラ無双しちゃってるよ、もうあの人だけでいいんじゃないかな?」

ヘイホー「ヘイヘイホー!」

おしょう「失せろ!!」バシッ

百合子「ありがとうおしょう!」

おしょう「礼は無用だ、主を守るのが俺の務め」

百合子「本当におしょうは頼りになるね」

おしょう「そんなことはない、現に俺はタマムシでは主を守り切ることが出来なかった…」

百合子「でもあの時は…」

おしょう「どんな者にも生まれ持った才能がある、しかしそれは個々によって大きく差がある…主、俺は才能の壁を感じているのかもしれない」

百合子「おしょう…」

どんっ!!

百合子「!?」

タケシ?「着いたぞ…」
22 : 1   2019/03/30 03:30:36 ID:C0FqSQf.z2
おしょう「ここに大ボスがいるのか、よし、乗り込むぞ」

百合子「早く倒して、元の世界に帰ろうね」

タケシ?「いつかは帰れるといいなぁ」ニンマリ

百合子「このタイミングでそのセリフは不吉なんでやめてください」ドヨーン

~ラスボスの部屋~

マムー「よく来たな!わしがマムーだ!」

タケシ?「お前を血祭にあげてやる」キュピキュピ

マムー「くらえ泡攻撃!!」

タケシ?「ぐあああああ!ばかなああああああああああ!!」キラーン

おしょう「あっけなく吹っ飛ばされていったぞ」ドヨーン

マムー「部下と一緒にしてもらっては困るわい、貴様らではわしは倒せんぞ」

百合子「それはどうかな、私はあなたの弱点を知っている!」

百合子は野菜を持ち上げる

百合子「マムーは野菜が苦手だからこれを食べさせれば勝てるってことは予習済み!というわけでえいっ!!」

しかし、マムーは口を閉ざした

百合子「口を閉じるなんて卑怯だー!!」ガーン

マムー「どこの世界に弱点晒し続ける阿呆がおる!反撃だー!」ブクブク

おしょう「危ない!」バシバシ

マムー「鳥風情が!どこまで防げるか見ものだわい!」

百合子「このままじゃおしょうが…!」

おしょう(やはり俺はここまでなのか?何も果たせないまま、また負けるのか…)ギリッ

???「諦めないで!」

その時、空から謎の飛行物体が降りてきた!

おしょう「鳥か」

マムー「飛行機か」

百合子「いや、あれは!」

巨大なチャーハンだった!
そしてチャーハンの上に人が乗っていた

美奈子「諦めたらそこで試合終了だよ、おしょうちゃん」ワッホーイ

百合子「み、美奈子さん!?」
23 : 1   2019/03/30 03:32:50 ID:C0FqSQf.z2
百合子「美奈子さん!どうしてここに?」

美奈子「ここは百合子ちゃんの夢の中だもの、心の中ならいつでも会えるって杏奈ちゃんも前に言ってたでしょ?」

マムー「ふん、仲間か、だが何人来ようが変わらんぞ!」(再び口を閉じる)

美奈子「百合子ちゃん、おしょうちゃん…2人に大事なことを教えるね」

おしょう「大事なこと…?」

美奈子「そう、それは『素材を活かす』ということ!」

百合子「…え?」

美奈子「例えばこの野菜!これをこうやって!」

美奈子は大量の野菜を頭上に投げる
そして取り出した包丁で野菜を次々と切っていく
更に肉と中華鍋を取り出し、調理していく

美奈子「佐竹飯店特製チンジャオロースの出来上がり!」

マムー(何だこのにおい、食欲が湧き上がってくる…)

百合子「マムーの口が開いた!」

美奈子「ふんっ!」

美奈子はフリスビーを投げるように、料理の乗った皿をマムーの口の中に投げ入れた!

マムー「ぎゃああああああ!!」ドッカーン

おしょう「す、すごい…」

美奈子「わっほーい!」ピース
24 : 1   2019/03/30 03:35:58 ID:C0FqSQf.z2
美奈子は持っていた薬を投げた
薬を投げたところから扉が現れ、美奈子がそれを開いた

美奈子「この扉の先は現実…夢から覚めたら本当の戦いが待ってる…私がさっき言ったこと忘れないでね」スッゥ・・・

おしょう「礼を言う…」

百合子「…おしょう、私ね、ダンスが苦手なんだ」

おしょう「ん?何を突然…」

百合子「だからダンスの上手い人のパフォーマンスを見るたびに、あぁ私ってほんとダンスの才能ないな~、ってなるの……どんなにやっても上手くいかない時があって、悔しくて泣いたこともあったけど…それでもプロデューサーさんや仲間たち、それにファンの皆の応援があったから頑張ってこれた」

おしょう「…」

百合子「おしょうの言う通り、才能の壁ってあると思う…けど、ここで諦めてこれまで頑張ってきた自分の気持ちを否定しちゃいけないと思う」

おしょう「…また俺のせいで主に危機が及ぶかもしれない」

百合子「その時は一緒に乗り越えようね!」ニコッ

おしょう「っ!」

百合子「理想の自分はいつだって自分の心の中にいる……私もそれを探してる途中だから、おしょうも一緒に探していこう!それはきっと困難を乗り越えた夢の先にあると思うから…」

おしょう「俺の夢は…誰にも負けない強い戦士になること」

百合子「なれるよ、おしょうなら絶対……だからもう泣かないで」

おしょう「これは汗だ」

百合子「そっか」

おしょう「…主」

百合子「なーに?」

おしょう「…ありがとう」
25 : 1   2019/03/30 03:38:07 ID:C0FqSQf.z2
~ヤマブキジム・中央の間~

Pカチュウ「ぐはっ!」

ナツメ「流石私のユンゲラー、圧倒的で素敵よ」

タケシ「あのユンゲラー、相当レベルが高いな」

このみ「あれだけ鍛えておいて何でフーディンに進化させないのかしら」

タケシ&このみ「…あ」

ナツメ「そこ!聞こえてるから!憶測で変なこと考えるなー!!」ビシッ

Pカチュウ「何だ、友達いないのか」

ナツメ「そ、そんなことないもん!あえてだし、あえて!」

Pカチュウ「そうかい……隙あり!」

Pカチュウの でんこうせっか!

ユンゲラー「…」バシッ

タケシ「弾かれた!」

ナツメ「これであんたはゲームオーバーだね!最後に言い残したいことくらい聞いてあげてもいいよ」

Pカチュウ「友達出来るといいな」

ナツメ「しねーっ!!」

ユンゲラーがスプーンを振り下ろした瞬間…

おしょう「!!」バシッ

ユンゲラー「!?」

Pカチュウ「!?」

おしょうがそれをネギで受け止めた!

ナツメ「なんであのカモネギ!眠ってたはずなのに!!」

カモネギ「!!」ギロッ

ユンゲラー「!」ビクッ

サイキッカー(眼力だけでユンゲラーを怯ませただと…)

百合子「…」ユラッ

タケシ「百合子大丈夫か!?」

このみ「無理しちゃだめよ!」

Pカチュウ「百合子…?」

百合子「おしょう」

おしょう「…」コクッ

百合子(おしょうの言葉はもう分からない…けど、おしょうの意思は十分に伝わってるよ…!だから、私も言葉に出すんだ!おしょうの決意を!私の言葉に乗せて!!)

百合子「私たちは!『絶対』に『勝つ』!!」
26 : 1   2019/03/30 03:38:43 ID:C0FqSQf.z2
次回決着!
27 : ぷろでゅーしゃー   2019/03/30 10:19:17 ID:yiHOI1i/tY
異世界から異世界召喚は新鮮
28 : 1   2019/03/30 23:57:14 ID:C0FqSQf.z2
サイキッカー(なんて面構えだ…先ほどとは何かが違う)

ナツメ「勝つ?私に?どうやらまだ寝ぼけているみたいね。モルフォンに手こずっていたそこのカモネギに何ができるって言うの」

百合子「私もおしょうもさっきまでとは違う!」

ナツメ「だったら望み通りギタギタにしてあげるよ!」

ユンゲラーが攻撃の態勢に入る
しかし、それよりも早くおしょうが間合いに入った

ナツメ(何!?)

百合子「“いあいぎり”!」

ダメージを受けたユンゲラーはすぐさまおしょうとの距離を取った

ナツメ(“サイケこうせん”!)

おしょう「…!」

ナツメ(構えた…まさか!)

おしょう「!!」スパッ

なんとおしょうは正面から“サイケこうせん”を真っ二つに切り裂いた!
光線は割れ、そのまま後方に飛んでいった

このみ「すごいわおしょうちゃん!」

タケシ「そ、そうだな…」(自分の顔のすぐ横にある、光線で破壊された跡を見ながら)

ナツメ(さっきまで眠ってたこいつらが何でこんなにパワーアップしてんのよ!どうなってるわけ!?)

百合子「おしょう!」

おしょうは再びユンゲラーへの接近を試みた

ナツメ「これ以上調子に乗るな!挑戦者!!」

ユンゲラーがスプーンを構えた

ナツメ「“サイコキネシス”!!」
29 : 1   2019/03/31 00:05:37 ID:7gqxEQap4k
ユンゲラーから放たれた広範囲の念力の波動が部屋中を襲う!

このみ「なんて威力なの!」

タケシ「踏ん張ってないと俺たちまで吹き飛ばされそうだ!」

Pカチュウ「百合子!カモ助!」

おしょう「…!」

百合子「うぅ、これじゃ…近づけない…!」

ナツメ「念の波動でじわじわHPを削って、なおかつ接近を許さない!攻撃が届かないんじゃ、もうあんたたちは積んだも同然!」

百合子「積んだ?ナツメさん、さっき言いましたよね、私たちは絶対に勝つって!」

おしょう「!」ビュン

おしょうは持っていたネギを、なんとユンゲラーへと投げた!
ネギはユンゲラーの腹に直撃!ダメージを受けたユンゲラーは技をやめ、衝撃で倒れた

ナツメ「自分の武器を投げた!?でも悪手だったわね!そんなことをしてこの後どう戦うつもり!」

百合子「…美奈子さんが言ってた。必要なのは『素材を活かす』ことだって……それはつまり、ポケモントレーナーの私がおしょうの持つ才能を最大限に活かす戦いをするということ」

百合子はバッグからあるものを取り出した

Pカチュウ「あ、あれは!!」
30 : 1   2019/03/31 00:48:26 ID:7gqxEQap4k
百合子が持っているのは1本の大根

ナツメ「????????」ポカーン

タケシ「あれはヤマブキに着く前にもらった野菜!」(>>9参照)

百合子「おしょう、これを!」ホイッ

おしょう「!!」パシッ

このみ「あの大根ならネギには足りてなかったパワー系攻撃が可能ね」

タケシ「しかし、いきなりあの大技物を使いこなせるのか?」

Pカチュウ「いや、カモ助ならもしかするかも…」

ナツメ「いやいやいやいや!何シリアス顔で実況してるわけ!?ただ大根だよあれ!!」ガビーン

百合子「おしょう!!」

ナツメの隙をついてユンゲラーに接近したおしょうは持っていた大根でそのまま攻撃!
ユンゲラーの横っ面を殴り、吹き飛ばした

ナツメ「はぁ!?」

おしょうは落ちていたネギを拾い上げ、構えを取った

タケシ「二刀流、これがおしょうの新戦術か」

Pカチュウ「ネギに大根…この組み合わせ、なんだかハジけてきたな」

このみ「見て、おしょうちゃんが攻撃を仕掛けるわ」
31 : 1   2019/03/31 00:49:12 ID:7gqxEQap4k
百合子「“いあいぎり”!」

おしょう「!」ブンッ

百合子「“きりさく”!」

おしょう「!!」ブンッ

百合子「“つつく”!」

おしょう「!!!」ザッ

ネギと大根を巧みに操り、まるで今までこういう戦闘スタイルだったかのように、二刀剣術を使いこなして、連撃を与え続けている

Pカチュウ「いいぞ百合子、カモ助!」

タケシ「そこだいけ!!」

このみ「頑張れーっ!!」

ナツメ(こんなの…おかしいじゃん!どこの世界に大根持って戦おうなんて考えるやつがいるわけ…?あいつの仲間も何でそれを平然と受け入れているの!?だったら私はあの時…)

『おい聞いたか、ナツメって超能力者らしいぞ!』『この間、手も使わずに岩を持ち上げてるの見たよ!』『心の中も読めるらしいよ』『えー、ちょっと怖くない?』

ナツメ(そんなの…!)

『もうナツメちゃんと遊ぶのやめる!』『近づくな化け物!』『あっち行け!』『お前なんていなくなっちゃえばいいんだ!』

ナツメ(そんなの…!!)

『うぅ、ナツメ、化け物じゃないもん…』

ナツメ「間違ってる!!」
32 : 1   2019/03/31 01:45:55 ID:7gqxEQap4k
ナツメ「うあああああああああああ!!」

ユンゲラー「!!」

ユンゲラーの念攻撃がおしょうを襲う

Pカチュウ「ナツメが叫んだらユンゲラーのやつ、急にパワーアップしたぞ!」

サイキッカー「あれはナツメ様とユンゲラーの念力が同調したんです!それによってユンゲラーの中で眠っていた潜在能力が活性化してパワーアップした!」

Pカチュウ「何だって!?」

おしょう「!?」バタッ

百合子「おしょう!!」

ナツメ「『才能を活かす』だっけ?だったらこれぐらいやってもらわないとねぇ!!」

百合子「くっ!」

ユンゲラーの前にエネルギー弾が出現する

ナツメ「これはさっき放った“サイコキネシス”を何倍にもパワーアップさせて濃縮したエネルギー弾!受けたらひんしは免れない!!」

このみ「おしょうちゃんだけじゃない、余波で百合子ちゃんも巻き添えを食うかもしれない!」

タケシ「あんな奥の手持ってたのか、くそっ!」

ナツメ「挑戦者…あんたさっきから才能がどうとか言ってるけど、世の中にはその才能のせいで不幸になった人間もいるのよ」

百合子(涙…?)

ナツメ「この一撃を喰らって消えてなくなれえええええええ!!」

Pカチュウ「まずい!!逃げろ!!」

このみ「百合子ちゃん!!」

タケシ「おしょう!!」

百合子「おしょう」

おしょう「…」コクッ

百合子「わかってるよ…一緒に勝とうね」

おしょう「…」フッ
33 : 1   2019/03/31 01:56:02 ID:7gqxEQap4k
サイキッカー「真正面から攻撃を受け止めた!勝算があるのか!?」

Pカチュウ「いや、多分そんなんじゃない」

サイキッカー「え?」

Pカチュウ「譲れないんだと思う」

サイキッカー「何、を?」

Pカチュウ「信念」


ナツメ(私はただ普通でいたかった!才能なんて…超能力なんていらなかった!私はただ、友達が欲しかっただけなのに!!)

おしょう「!」クッ

ナツメ「ははっ!!そのカモネギ、もう限界みたいね!!」

百合子「限界なんてない」

ナツメ「は?」

百合子「想いに限界なんてない!!」

一歩…たった一歩だがおしょうが前進した

ナツメ「馬鹿な!?」

百合子「あの夢の中でおしょうと誓ったんだ!理想の自分を必ず見つけるって!!」

ナツメ「理想の…自分」

百合子「いけええええええ!おしょおおおおおおおおおおおおお!!」

おしょう「!!!」

斬!!

ナツメ「エネルギー弾を切り裂いた!?」

行き場を無くしたエネルギーはそのまま霧散
おしょうはそのままユンゲラーに接近した!

百合子「二刀!“かまいたち”!!」

おしょう「!!」ブンッ

交差するおしょうとユンゲラー
一瞬の静寂
そして……

ユンゲラー「」バタッ

おしょう「…」フッ

てきの ユンゲラーは たおれた!
34 : 1   2019/03/31 02:47:55 ID:7gqxEQap4k
ナツメ「…負けた」

サイキッカー「大丈夫ですかナツメ様!」

ナツメ「あんな訳の分からないやつらに負けるなんて、思いもしなかったよ…」

百合子「ナツメさん」

ナツメ「挑戦者…いや、百合子だっけ?みっともない私を笑いに来た?」

百合子「笑う?とんでもない」

百合子は手を差し出した

百合子「握手しましょう」

ナツメ「…何で?」

百合子「何でって、お互い全力を出し切ったバトルでしたし、お疲れさまでしたっていうのとか、後は…」

ナツメ「…」

百合子「ナツメさんと仲良くなりたいんです!」

ナツメ「え、仲良く…私と?」

百合子「はい!バトルしたら友達、みたいな…!それにナツメさんとは気が合うと思うんです!私もゲーム大好きですし!」

ナツメ「…私、超能力者だよ?」

百合子「さいっこうにかっこいいと思います!」

ナツメ「…ほんと、やっぱり、あんた訳分からないよ…」

百合子「ナツメさん、もしかして泣いてるんですか?」

ナツメ「違うし…これ、汗だから」

百合子「ふふっ、ここには汗っかきさんが多いですね」

おしょう「…」フッ


サイキッカー(ナツメ様…良かった…!本当に良かった…!)ナミダドバー

Pカチュウ「どうしたあんた大丈夫か!?」ガビーン

このみ「お姉さん、なんだか感動しちゃったわ」

タケシ「あぁ、いい勝負だった」


ナツメ「っ!?」

百合子「どうしたんですかナツメさん?」

ナツメ「…何者かが、このジムに来た」
35 : 1   2019/03/31 03:55:37 ID:7gqxEQap4k
サイキッカー「新たな挑戦者ですか?」

ナツメ「いえ、違う…これは…」

ナツメは監視モニターのスイッチを入れた

百合子「あれって、ロケット団!?」

Pカチュウ「何で!?あいつらはタマムシで壊滅させたはずじゃ!?」

タケシ「目視できるだけでも10人以上は乗り込んでるぞ!!」

このみ「ロケット団…」ギリッ

サイキッカー「まずいですね、このままではこの部屋まで来てしまいそうだ」

タケシ「百合子とナツメはさっきのバトルで消耗してるし、まともに戦えるのは俺とこのみだけか」

Pカチュウ「いくら何でもあの数を2人だけで相手は無茶だ!」

タケシ「だが、このジムの構造を考えたら、逃げるとしてもどのみち鉢合わせることは確実だぞ!」

ナツメ「百合子」

ナツメは両手で百合子の手を掴む

百合子「これってジムバッジ…」

ナツメ「今から私がテレポートであなたたちを外まで飛ばす!力がほとんど残ってないから町の出入り口付近にしか飛ばせないけど、逃げるには十分だと思う」

百合子「そんな!ナツメさんは!?」

ナツメ「私はここに残る」

百合子「じゃあ私も!」

ナツメ「ダメ!予感がするの、今のあなたたちじゃロケット団には勝てない……だから今は逃げて、もっと力をつけるの!」

百合子「そんな、せっかく友達になれたのに…!こんな別れ方したくない…!」

ナツメ「百合子が友達になるって言ってくれて、私凄く嬉しかったの…そう言ってくれたの、百合子が初めてだから…」

一行の周りに、念力の円が出現する

百合子「ナツメさん!!」

そして円と共に一行の姿もこの部屋から完全に消えた

ナツメ「…ありがとう、百合子」
36 : 1   2019/03/31 03:56:02 ID:7gqxEQap4k
~7番道路~

タケシ「みんな無事か?」

このみ「えぇ、大丈夫よ」

Pカチュウ「こっちも何とか…」

おしょう「!」コクッ

百合子「…」

Pカチュウ「見ろ!町が!」

タケシ「町が燃えてる…」

このみ「私たちがジムにいる間にこんなことになってたなんて…」

タケシ「ロケット団に見つかる前に早く離れよう」

Pカチュウ「…百合子、悔しい気持ちはわかるが、ここで立ち止まってたらそれこそナツメの気持ちを無駄にすることになる、だから…」

百合子「わかってます、行きましょう」

Pカチュウ「…このみさんもですよ」

このみ「…ふふ、ありがとう、プロデューサー」

タケシ「よし、出発するぞ!」

歩き出す一行
百合子は立ち去る前に再びヤマブキシティの方を向く

百合子「ナツメさん、私もっと強くなって、そして必ず助けに行きます…!」
37 : 1   2019/03/31 03:57:28 ID:7gqxEQap4k
~シルフカンパニー~

ロケット団員11「ご報告します!ヤマブキジムのジムリーダー・ナツメとトレーナーたちを拘束しました!!」

ローブの男「ご苦労。モンスターボールを取り上げて、町民と同様牢に閉じ込めておけ。ナツメの超能力を封じるのも忘れずに、な」

ロケット団員11「承知いたしました!!」

ロケット団員12「新首領!サカキ様を倒したという例のトレーナーたちの姿が見当たりませんでした!恐らく危機を察していち早く逃走したのかと!」

ローブの男「放っておけ。正義感の強い奴らのことだ、必ずあちらからやってくるだろうさ」

ロケット団員12「承知いたしました!!」

ローブの男(お前ならそうするはずだ…そうだろう、百合子…!)ニヤッ

~グレンタウン~

グレンタウンのとある一軒家
そこで1人の少女が新聞を読んでいた
一面には≪マサラタウンの期待の新星!ロケット団を壊滅!!≫と書かれていて、
七尾百合子一行とシゲルの写真が載っていた

少女「…」

その時だった、静けさをかき消すかのように、電話の音が鳴り響く
少女は受話器を取り、相手の反応を待った

???『もしもーし!わしじゃよわし!』

少女「わしわし詐欺…」

???『ちっがーう!』ガビーン

少女「冗談です、カツラさん…何か御用で?」

カツラ「実はさぁ、挑戦者がやってきてね…例のあれのセッティング、またお願いできる?」

少女「わかりました、任せておいてください」

カツラ「任せたよ…瑞希ちゃん!」

少女・真壁瑞希は電話を切り、ふぅ、と息を吐いた

瑞希「今日もかんばるぞ……えいえいおう」
38 : 1   2019/03/31 03:57:41 ID:7gqxEQap4k
続く!
39 : Pくん   2019/03/31 06:00:19 ID:gZjl7SlFdI
大根かぁ、ごぼうじゃだめ?
瑞希登場か、クイズつながりかな?
40 : 仕掛け人さま   2019/03/31 09:07:51 ID:hzzzVw9eak
おしょう格好いい…
もうメインポケモンおしょうでいいんじゃないだろうか
41 : 5流プロデューサー   2019/03/31 20:18:02 ID:YpU1lo80wQ
Pカチュウの明日はどっちだ
42 : 1   2019/03/31 21:13:32 ID:7gqxEQap4k
百合子「…」

このみ「百合子ちゃん、座ったまま空を見上げて…今日はずっとあんな感じね」

タケシ「やっぱりナツメのことが気になってるんじゃないか?」

おしょう「…」

つむぎ「ギャゥ…」

Pカチュウ「よし、ここは俺が――」

エグゼ「天才のボクにお任せくださーい!!」ドンッ

Pカチュウ「ぐへっ!!」(回転しながら吹っ飛ぶ)

エグゼ「マスター!元気出してください!あの青空のように心の中も晴れやかに行きましょうよ!ほら、この天才のボクを見てください!今日のボクは2割増しでかっこいいでしょう?」

百合子「…」

エグゼ「しょうがないなー!ボクのとっておきのかくし芸、マスターに披露しちゃおうかな~!1番・ポリゴンのエグゼ!首飛ばしまーす!えいっ!!…なんとこのように首と胴体が分離できるんです!すごいぞー!かっこいいぞー!」

百合子「…」

タケシ「聞いてもいないし、見てすらもいないぞ」

エグゼ「がーん」

このみ「だったらお姉さんが、セクシー百人一首を!」

タケシ「俺の筋肉を見ろ!」

つむぎ「…」(泡を吹く)

おしょう「…」(それを華麗に割る)

Pカチュウ「かくし芸大会じゃないから!」ガビーン

百合子「…ろ」

一同「ん?」

百合子「あの空にはきっと天空の城があって、失われた古代文明の秘術が隠されてて…」ブツブツ

一同「ただ妄想してただけかい!!」
43 : 1   2019/03/31 21:33:24 ID:7gqxEQap4k
百合子「うわっ、びっくりした!どうしたんですか?」

Pカチュウ「それはこっちのセリフだ!」

このみ「私たち、てっきりヤマブキでのこと気にしてるのかと思って…」

百合子「確かに気にはなります。けど、ずっと後ろ向きでいるのもダメだし、今は自分がやれることをやっていこうって決めたんです。だからもっと強くなって、そしたらヤマブキに戻ってナツメさんたちを助けます!」

Pカチュウ「そうだな、俺たちでもっと磨きをかけよう!」

つむぎ「ギャオオオオオオス!!」

つむぎ「…」フッ

タケシ「俺も協力するぞ!」

このみ「私も気合入れ直さなくっちゃ!」

エグゼ「皆さん!流石です!!ところで…ボクの首くっつけるの手伝ってくれませんか?これ、1人じゃ直せなくって」

百合子「は、はは…」(遠い目)
44 : 1   2019/03/31 21:52:32 ID:7gqxEQap4k
~16番道路~

百合子「いたっ!ポニータだ!」

Pカチュウ「こっちには気づいてないぞ、今がチャンスだ」

百合子「頼んだよ、つむぎ!」ボンッ

つむぎ「ギャオオオオオオス!!」

ポニータ「!?」

百合子「十分に弱らせてから…えいっ!」

やったー! ポニータを つかまえたぞ!

百合子「やった!」ボンッ

ポニータ「ヒヒンッ!」

百合子「これからよろしくね、『ユニー』!」

Pカチュウ「どうしてユニーなんだ?」

百合子「ユニコーンから取りました!ユニーには風の戦士の愛馬として活躍してもらいます!」フンス

Pカチュウ「乗馬の経験があるのか?」

百合子「ないですけど、乗れたら勇者っぽくて素敵だと思いません?」キラキラ

Pカチュウ「ど、どうだろうなぁ…」

百合子「では…えいっ!」

くるっ
どてんっ!

百合子「いたた…もう一回!とうっ!」

どてんっ!

百合子「まだまだ!」

どてんっ!

Pカチュウ「全然だめだな」

百合子「うぅ、勇者の道は険しいですね」トホホ
45 : 1   2019/03/31 22:22:56 ID:7gqxEQap4k
~サイクリングロード・受付~

このみ「自転車か~、昔やったサイクリングレースを思い出すわね」

Pカチュウ「あの時のこのみさん、ゴールした後に疲労で大変でしたね」

このみ「プロデューサーがお姫様抱っこしてきた時は流石の私もびっくりしたわ、悪い気はしなかったけど♪」

百合子「え?」

Pカチュウ「どうしたんだ?」

百合子「べ、別に」プイッ

タケシ「全員自転車持ってないし、ここでレンタルだな」

このみ「私が乗れる自転車があればいいんだけど…」


おっちゃん「お嬢ちゃんはこれね」

百合子「ありがとうございます!」

Pカチュウ「そういえば俺はどうやって行けばいいんだろう」

百合子「チャイルドシート借りたんで、それ使ってください!」

Pカチュウ「すごい複雑なんだが…」


このみ「…おじさん、これは?」

おっちゃん「ごめんな嬢ちゃん、小学生用は今それしか置いてなかったんだ」

このみ「百歩譲って、それはいいとするわ…これ、補助輪付きじゃない!!」

タケシ「ぷぷっ、似合ってるぞ…!」プークスクス

おっちゃん「あ、兄ちゃんはこれな」

タケシ「い、一輪車…」

おっちゃん「他は整備中でな、ごめんな」

タケシ「…」


百合子「それじゃしゅっぱーつ!」

Pカチュウ「おう…」(チャイルドシートに座りながら)

タケシ「あぁ…」(一輪車に乗りながら)

このみ「えぇ…」(補助輪付自転車に乗りながら)
46 : 1   2019/04/01 22:30:50 ID:nJ0An.mdzo
百合子「気持ちいい…まるで風が私を祝福しているかのよう…」

Pカチュウ「調子に乗って飛ばすなよ、この道ずっと下り坂なんだから」

タケシ「…」モグモグ

Pカチュウ「何食べてるんだよ?」

タケシ「バナナだ、食べるか?」モグモグ

このみ「一輪車乗りながら、なかなか器用ね」

ブロロロロロロロロロ

百合子「なんだか後ろから変な音聞こえません?」

Pカチュウ「タケシのおならか?」

このみ「やだ、タケシくん…」

タケシ「違う!明らかにエンジン音だろこれ!?」

百合子「…」チラッ

ブロロロロロロロロロ

ぼうそうぞく「“待” ってたぜェ!!この“瞬間”をよォ!!」ギャギャリギャリギャリ

!?

Pカチュウ「なんか来たぁ!!」ガビーン

百合子「あの人、前に私たちに挑んできたトレーナーの一人ですよ!」(>>4参照)

タケシ「まさか追ってきてたのか!?」

このみ「男に追われるのは悪くないけど、流石にあれはねぇ」

ぼうそうぞく「“今日”こそてめぇらを“一網打尽”にしてやるぜェ!」

ぼうそうぞくの後方から大勢のぼうそうぞくたちが現れた

ぼうそうぞくA「ヒャッハー!」!?

ぼうそうぞくB「“覚悟”しろやぁーっ!」!?

一行「」
47 : 1   2019/04/01 22:50:23 ID:nJ0An.mdzo
Pカチュウ「ざっと30人以上いるぞ」

百合子「どどどどどどどどうしましょう!」

Pカチュウ「決まってるだろ…」

ビュン!

Pカチュウ「逃げろー!!」

ぼうそうぞく「“逃がす”かコラァ!!」!?

ぼうそうぞくA「行け!ドガース!」

ぼうそうぞくB「俺もドガースだ!」

ぼうそうぞくC「同じくドガース!」

中略

ぼうそうぞくZ「ドガース行けェ!」

モクモクモク

ぼうそうぞくT「うわ、煙で前が“見” えねェ!」

ぼうそうぞくA「けむいぞおい!」

ぼうそうぞくK「おめぇら“出”しすぎだって!」

ぼうそうぞくU「やべぇ、ぶつかる!」

!?
どんっ!
どっかーん!!

百合子「…なんか勝手に自滅しちゃってますね…」

ぼうそうぞく「てめぇら!よくも俺の“ダチ”を!許さねぇ!」

このみ「私たち何もしてないけど!?」ガビーン

ぼうそうぞく「こうなったら、俺の“本当”の“力”を見せてやんよぉ!」スチャ

タケシ「あいつ、バイクに乗りながら立ったぞ」

Pカチュウ「バイクと合体でもするつもりか?」

ぼうそうぞく「はぁ!」

しかし、ぼうそうぞくの眼前には木の枝があった

ぼうそうぞく「ひでぶっ!!」!?

ゴロゴロ
どっかーん!!

Pカチュウ「ほんと何だったんだよあいつらっ!?」ガビーン
48 : 1   2019/04/03 00:28:15 ID:V11aKpfL4k
???「情けねぇ舎弟どもだ」

百合子「奥から誰か来ましたよ?」

スキンヘッド「俺はスキンヘッド!族の頭はってるもんだ!」

Pカチュウ「あいつらのボスか」

スキンヘッド「“不運”と“踊”っちまった舎弟どもの代わりに俺がてめぇらを始末してやるぜ!行け、モンスターボール!」

百合子「こっちにぶつけてくるつもりですよ!」

Pカチュウ「跳ね返してやる!」

このみ「待って!あれは…!」

ビリリダマ「!」ニヤッ

百合子「モンスターボールじゃない!」

スキンヘッド「“じばく”だぜェ!!」

どっかーん!!

タケシ「百合子!Pカチュウ!」

スキンヘッド「はははは!ロケット団を潰した英雄も大したことないな!!」

このみ「今度は私が相手よ!」

スキンヘッド「ガキはうちに帰っておねんねしてな!」

このみ「…寝かせてあげるわ、永遠にね」ピキピキ

タケシ「お、落ち着けこのみ、これは挑発だ」

このみ「そ、そうね…大人らしくクールに行かなくちゃね…」

スキンヘッド「補助輪も取れてねーガキが粋がってんじゃねーよ!補助輪どころかおむつも取れてねーんじゃねーか?はははは!」

このみ「なんですってー!!」ブチッ

タケシ「…やばい」

このみ「ストライク!!」

スキンヘッド「マタドガス!“えんまく”だ!!」

このみ「このみお姉さんにそんな小細工効かないわ!」

スキンヘッド「あのストライク、低空飛行を!?」

このみ「タイヤを斬って動きを封じさせてもらうわ!」

スキンヘッド「な、なんだと!?」
49 : 1   2019/04/03 01:38:18 ID:V11aKpfL4k
スキンヘッド「なーんちゃって!」

コイル「…」ガシッ

ストライク「!?」

タケシ「コイルがストライクのカマを真剣白刃取り!?」

このみ「さっきの“えんまく”はコイルを出したことを気づかせないためでもあったのね…!」

スキンヘッド「そのまま“10まんボルト”だ!!」

ストライク「!!」

スキンヘッド「一撃で倒れないとは大したもんだな、だが次で終わりだ!」

このみ「アーボック!」

コイル「!?」

スキンヘッド「くっ!あのアーボック、はえぇ!」

このみ「“かみつく”!」

スキンヘッド「マタドガス!“えんまく”!」

このみ「また邪魔する気!?」

スキンヘッド「“からてチョップ”!!」

このみ「え!?」

オコリザル「ブヒー!!」

このみ「3匹目の手持ち!?」

スキンヘッド「はははは!終わりだクソガキ!!」

百合子「そうはさせない!!」パッカパッカ

タケシ「その声は百合子!?」

スキンヘッド「馬鹿な!自転車はぶっ壊したはずだ!どうやってここまで!?」

ユニー「…!」パッカパッカ

スキンヘッド「ポニータだと!?」

百合子「いざ勝負!」ドヤッ
50 : 1   2019/04/03 21:39:58 ID:V11aKpfL4k
スキンヘッド「てめぇ!ここは『サイクリング』ロードだぞ!馬に乗ってんじゃねーよ!」

Pカチュウ「お前もバイクに乗ってるだろうが!!」ヒョコ

スキンヘッド「うるせぇ!コイル、マタドガス!こいつを蹴散らせ!!」

百合子「ユニー、“ひのこ”で迎え撃て!」

Pカチュウ「そしてとどめの“10まんボルト”だ!」

スキンヘッド「くそっ!」

百合子「おとなしく降参しなさい!」

スキンヘッド「図に乗るなよ!俺にはまだオコリザルがいる!“みだれひっかき”だ!!」

ユニー「!?」

スキンヘッド「“からてチョップ”だ!」

百合子(分かってはいたけど、まだレベルの低いユニーじゃ分が悪いかも…)

このみ「やめなさーい!!」

スキンヘッド「ちっ!邪魔だ!!」ドンッ

このみ「うわっ!!」

スキンヘッド「はははは!自転車ごと吹っ飛んでいきやがった!」

このみ(このままじゃ自転車ごと坂に激突しちゃう…!)

スキンヘッド「そのまま坂から転げ落ちろ!」

このみ「ルージュラ!“れいとうビーム”!!」ボンッ

スキンヘッド「何!?」

タケシ「補助輪と地面を凍らせて、落下を防いだのか!」

スキンヘッド「だけど自分の動きを自分で封じてちゃ世話ねェぜ!あばよ!!」ビュン

百合子「このみさん、今溶かします!」

このみ「構わないから皆は先に行って!すぐに追いつくわ!」

百合子「え?」

このみ「タケシくん!私が合図したら君の位置から私のところまでの間に“いわおとし”して!均等間隔でね!」

タケシ「考えがあるんだろうな!?」(イワークを出す)

このみ「もちろん!任せておきなさい!!」
51 : 1   2019/04/03 21:49:32 ID:V11aKpfL4k
このみ「今よ!!」

タケシ「イワーク頼む!!」

このみ「ルージュラ!落ちてくる岩に“れいとうビーム”!!」

Pカチュウ「あれは!!」

百合子「岩を凍らせて繋げた…氷の道!」

スキンヘッド「まさか!?」

ルージュラは手刀を使い、補助輪を壊した

このみ「行くわよスキンヘッド!!」ビュン

タケシ「なるほど、氷の道を作って一気に追いつくつもりか」

このみ「それはちょっと違うわね、追いつくんじゃなくて追い越すのよ!」

百合子「すごい!一気に私たちより前に!」

このみ「…さあ、続きをしましょうか…」

スキンヘッド「しゃらくせぇ!行くぞオコリザル!!」

このみ「カラカラ!」ボンッ

カラカラ「キュゥ!!」

スキンヘッド「チビどもが!蹴散らしてやんよォ!!」

このみとスキンヘッドは互いに向かって発進する

このみ「そろそろ、ね」

スキンヘッド「自分の最後が、かァ!?」

このみ「カラカラは元々百合子ちゃんのポケモン!人から交換してもらったポケモンは通常より多くの経験値をもらえるのよ!」

スキンヘッド「それがどうした?」

カラカラ「!!」ブルブル

…… おや!? カラカラの ようすが……!

このみ「さあ行くわよ!!」

ガラガラ「ギュゥ!!」

おめでとう! カラカラは ガラガラに しんかした!

このみ「“ホネこんぼう”!!」

スキンヘッド「ぎゃああああああ!!」

キラーン☆

Pカチュウ「…ナイスバッティング」
52 : 1   2019/04/07 00:20:56 ID:sjACYkkx0U
~オーキド研究所~

オーキド「最近は平和で最高じゃわい…」(お茶をすすりながら)

研究員「博士!セキチクシティから連絡がありまして――」

オーキド「え?百合子くんたちがサイクリングロードで大乱闘…道が破壊されて一時閉鎖…責任者のわしに多額の請求金…うぅ…」バタッ

研究員「は、博士―!!」

~セキチクシティ~

百合子「くしゅん!……風邪かな?」

Pカチュウ「誰かが百合子の噂でもしてるんじゃないか?」

百合子「えへへ、そうですかね~」

タケシ「何で誇らしげなんだよ」

Pカチュウ「さて、セキチクシティに着いたことだし早速…」

百合子「サファリゾーンに行きましょう!」

Pカチュウ「そうそう…ってちっがーう!!」ガビーン

このみ「ジムは後ででいいの?」

百合子「実はセキチクシティに来たら絶対サファリゾーンに行きたいって思ってたんです!サファリゾーンには私がずっと欲しいと思っていたポケモンがいるので!」

Pカチュウ「…そのポケモンって?」

百合子「ミニリュウです!ドラゴンといえばファンタジーの定番!ドラゴンを従えて、空を舞い地を制し海を突き進む……うっとり♪」

Pカチュウ「まーた始まった…」

このみ「まあまあ、いいじゃない。これからの戦いに備えて手持ちを増やすのは悪い考えじゃないわ」

タケシ「諦めろ、ああなった百合子は止まらない。お前が一番知ってることだろう?」

Pカチュウ「お、おう…」

百合子「というわけで!サファリゾーンにレッツゴー!!」
53 : 1   2019/04/07 01:06:31 ID:sjACYkkx0U
受付「サファリゾーンにようこそ!」

このみ「へぇ、ここでは専用のボールがあるのね」

タケシ「この餌を使ってポケモンをおびき寄せるのか」

受付「はい、ここではお客様のポケモンはもちろん、道具の使用も禁止しております」

百合子「楽しみですね、早く中に入りましょう!」ワクワク

このみ「ふふっ、はしゃいじゃって可愛いわね」トコトコ

タケシ「急ぎすぎて転ぶなよ」トコトコ

Pカチュウ「やれやれしょうがないやつだ」トコトコ

受付「あ、ちょっと待って!」

Pカチュウ「ん?」クルッ

受付「さっきも言った通り、お客様のポケモンは使用できないので…」

Pカチュウ「え…俺は入れないの?」

受付「はい」

Pカチュウ「今はこんな姿だけど、俺は人間だぞ!」

受付「私にはピカチュウにしか見えませんが」

Pカチュウ「」ガーン


Pカチュウ「結局追い出されてしまった…」

Pカチュウは壁に背をつけ、座り込んだ

Pカチュウ「はぁ…ポケモンになった自分に慣れてきたと思ってたけど…やっぱり早く人間に戻りたいかも、いったいいつ戻れるんだろうか…」
54 : 高木の所の飼い犬君   2019/04/07 03:12:08 ID:KHztsGWEtU
かなしいなぁ
55 : 1   2019/04/07 03:18:16 ID:sjACYkkx0U
~サファリゾーン~

3人は別行動をとり、それぞれ探索することに
百合子は水辺でミニリュウを釣るべく、釣糸を垂らしていた

百合子「全然釣れない…」

係員「やあお嬢さん、釣れてるかい?」

百合子「うわっ、びっくりした!」ビクッ

係員「驚かせてごめんね、君がすごく真剣な表情で釣りしているものだから話しかけてしまったよ」

百合子「いえ、こちらこそ失礼な態度をとってごめんなさい!」

係員「お嬢さん、もしかして目的はミニリュウかな?」

百合子「そうなんです、けどなかなか釣れなくって…」

係員「うちのミニリュウは数が少ないからねぇ、捕まえるには時間と根気が必要だよ」

百合子「うぅ…流石はレアポケモン…一筋縄ではいかないのか…」

ガヤガヤ!

係員「ん?何だか騒がしいな、何事だ…?」

子供1「おらおら!このやろうおらおら!」ゲシゲシ

子供2「よくも俺たちの餌勝手に食べたな!」ゲシゲシ

係員「ポケモンが子供たちにいじめられているじゃないか!これはいけない!」タッタッ

百合子(何だか浦島太郎みたいなことになってるー!)ガビーン

係員「こらー!園内のポケモンに乱暴はいけない!やめなさーい!!」

子供1「引っ込んでろよおっさん!」

子供2「そうだそうだ!元はといえば俺たちの餌を盗み食いしたこいつのせいだし!」

百合子「まあまあ子供たち、争いは良くないよ」

子供1「うっせぇ!ブス!」

百合子「ぶ、ブス!?」ガーン

係員「こら!いい加減にしないと出入り禁止にするぞ!」

子供2「ちっ、こんなおっさんとブスはほっといてあっち行こうぜ!」タッタッ

百合子「なんて子供たちなの!全く…!」プンプン
56 : 1   2019/04/07 03:25:18 ID:sjACYkkx0U
百合子「あ、そうだ!ポケモンは!?」

ミニリュウ「…」ゲップ

百合子「…ふ、太いミニリュウ…?」

係員「そういえば聞いたことがある、園内にやってきたトレーナーの前に現れては餌をねだってるミニリュウがいると」

ミニリュウ「…」ゴロゴロゲップ

百合子(何だか思ってたのと違う…)ドヨーン

ミニリュウ「…」ゴロゴロ

係員「いかん!逃げるつもりだぞ!お嬢さん、サファリボールで早くゲットを!」

百合子「あ!え、えい!!」ポイッ

ミニリュウ「!」ヒョイッ

百合子「見かけによらず素早い!」

係員「餌を使ってみてはどうだい?」

百合子「そっか!これを使って…!!」ポイッ

ミニリュウ「!!」ビュン

百合子「反応はやっ!けど今がチャンス!」ポイッ

ボンッ!!

やったー! ミニリュウを つかまえたぞ!

係員「やったなお嬢さん!」

百合子「ありがとうございます!おじさんのおかげです」

係員「私は大したことはしていないさ」b

百合子「…ちょっと気になるところはあるけど、これからよろしくね、ミニリュウ!」
57 : ボス   2019/04/07 07:21:41 ID:sCxZfHeWPo
太いミニリュウって全体的に太いのか?
腹だけ膨らんでるのか?
58 : 我が友   2019/04/07 15:06:48 ID:KHztsGWEtU
太いでカイリュウ思い浮かんだけど、流石に見間違えはしないか
59 : 1   2019/04/07 15:26:12 ID:sjACYkkx0U
『ここはどこなんだ!放せ!俺を放せぇ!!』
『ぐああああああああああああああああ!!』
『うぅ…痛い…しびれる…!くそ、何でこんなことを!お前何者だ!!』
『百合子はどこだ!?百合子に手を出してみろ!俺はお前を許さない!!』
『!?なんだその注射は!?こっち来るな!やめろ…やめろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

Pカチュウ「!?……ゆ、夢か」

いつの間にか眠っていたPカチュウは、夕焼け空をぼんやりと眺める

Pカチュウ(気分の悪い夢だな、でも何だか変なリアルさを感じた…)

マサキ「あんさん、こんなところでなにやっとるんや?」

Pカチュウ「あんたは確かマサキ!何でここに?」

マサキ「セキチクで仕事があってな。帰る前に散歩してたら、たまたま気持ちよさそうに眠ってるあんさんを見かけたから声かけたっちゅーわけや」

Pカチュウ「気づいてたなら起こせよ!」ガビーン

マサキ「ははは、熟睡してるところ起こすなんて無粋な真似、わいにはできへんよ」

Pカチュウ「こいつ…」

マサキ「そういえば百合子たちはどうしたん?一緒やないんか?」

Pカチュウ「あいつらはサファリゾーンに入ったよ、俺を置いてな」

マサキ「それで不貞腐れて寝てたんか?」

Pカチュウ「ふ、不貞腐れてないし!」

マサキ「成人迎えてるいい大人が不貞腐れてたんか、笑えるわほんま」ニヤニヤ

Pカチュウ「うるさいほっとけ!」
60 : 1   2019/04/07 15:29:43 ID:sjACYkkx0U
すたすた…

百合子「あれ、Pカチュウさん!それにマサキさんまで!」

Pカチュウ「百合子、お前ミニリュウは?」

百合子「ふふ、ばっちりゲットできました!」ドヤッ

マサキ「そっちの2人は…」

タケシ&このみ「…」ドヨーン

マサキ「…ダメだったみたいやな」

このみ「後もうちょっとだったのに、悔しいわ!」

タケシ「俺はケンタロスの群れに追いかけられている間に時間が…」ボロボロ

百合子「Pカチュウさん!実はサファリゾーンで知り合った係員のおじさんが今晩夕食をご馳走してくれるそうなんです!」

係員「ミニリュウゲットのお祝いにね。君たちの都合が合えばぜひ来てくれ」

Pカチュウ「じゃあお言葉に甘えて」

百合子「マサキさんも一緒にどうですか?」

マサキ「え、わいもええんか?」

百合子「もちろん!仲間じゃないですか!」

マサキ「…そっか、じゃあ一緒させてもらうわ」

百合子「マサキさんも今度サファリゾーンに行きましょうよ!」

マサキ「…ごめんな、わいサファリゾーンって苦手なんや」

百合子「えぇ!どうしてですか!?」

マサキ「…ほら、サファリゾーンって道具持ち込みできへんやん?餌だけで捕まえるってわいには難易度高すぎや!」

百合子「残念です、こんな素敵な出会いだってあるのに」ボンッ

ミニリュウ「…」デブーン!
61 : 1   2019/04/07 15:47:13 ID:sjACYkkx0U
Pカチュウ「何だこのデブ!?」

タケシ「随分と太ったミニリュウだな…」

百合子「あ、で、でもほら触り心地はいいですよ!」ムニムニ

Pカチュウ「百合子のほっぺた並みだな」

百合子「えへへ♪」

タケシ「いや、だから何で誇らしげ!?」ガビーン

係員「ははは、賑やかだな」

このみ「ごめんなさいね、うるさくしちゃって」

係員「楽しいのは大歓迎だ……さて、そういっている間に着いたよ」

このみ「着いたって…ここ」

百合子「セキチクジムじゃないですか」

係員「あれ言ってなかったけ?私、ここのジムリーダーをやっているんだ。名前は『キョウ』、よろしくね」

百合子「じ、ジムリーダー!?」

マサキ「ジムリーダーがどうしてサファリゾーンの係員なんてやっとるんや?」

キョウ「あぁ、あれはただのアルバイト、本業はこっちさ」

このみ「…もしかしてジムリーダーって結構収入、低い?」

Pカチュウ「やっぱりブラックなんだ…」

キョウ「とにかく上がってくれ、私は着替えてから向かうよ」
62 : 1   2019/04/07 18:29:43 ID:sjACYkkx0U
数10分後
~セキチクジム~

奥さん「さあ、遠慮せずに食べてね」

百合子「この肉じゃが、美味しいです!」モグモグ

ミニリュウ「!!」ガツガツ

Pカチュウ「ちょ!お前、これは俺の分だぞ!!」

タケシ「恐ろしく食い意地の張ったやつだな」

Pカチュウ「タケシ」

タケシ「やらんぞ」モグモグ

キョウ「お待たせしたでござる!!」バーン

このみ「忍者!?」ガビーン

キョウ「うちのカミさんの料理、絶品でござろう!拙者も今からテンション劇アゲでござるよ!ファーファファファファファ!!」

マサキ「おっちゃん、さっきとはまるっきり別人みたいやんけ」

奥さん「うちの旦那、コスプレすると役に入り込んじゃうタイプなのよ」フフフ

キョウ「年に2回の祭典では名物コスプレイヤーとしても界隈で有名でござるよ!あ、これ拙者が作った同人誌、後ポストカードね!記念に百合子殿とお仲間の皆さんにも差し上げるでござる!」

このみ「コスプレ!?同人誌!?」

Pカチュウ「一気にイメージ変わったなあ」ドヨーン

百合子「…」プルプル

Pカチュウ(ん?百合子?)

キョウ「実は君たちのことは前々から知っていてね、サファリゾーンで声をかけたのも偶然ではなかったのでござる」

Pカチュウ「俺たちがジム挑戦者だと知ってここに呼んだってことか?」

キョウ「如何にも!この短期間でジムリーダーを次々と撃破してきた百合子殿の実力、ぜひとも拝見したい!さあ、食事の後に手合わせいただこう!」

Pカチュウ「そういうことか!なら食後の運動だ!百合子、気合い入れていこう!!」

百合子「…いえ」

一同「!?」
63 : 1   2019/04/07 18:34:13 ID:sjACYkkx0U
キョウ「どうした?まさか怖気づいたのでござるか!?」

百合子「…3日、3日ください」

Pカチュウ「一体どうしたんだ!?」

マサキ(百合子…!)

キョウ「…よかろう、では3日後の正午、セキチクジムにて決戦でござる!」

~セキチクシティ~

Pカチュウ「百合子、どうしたんだ急に?」

百合子「…」

マサキ「せや!ここまで来てビビったんか!?だとしたらわいはがっかりや!!」

このみ「2人とも落ち着いて!……百合子ちゃん、どうしたの?」

百合子「…準備が必要だと思って」

マサキ「準備?」

タケシ「そうか、百合子は手持ちのレベルアップのための期間を作ったんだ!ポニータのユニーやあのミニリュウは最近手に入れたばっかり…戦力として数えるなら鍛えておかないと始まらない!そういうことか?」

百合子「…それもあるんですけど、何より…」

一同「?」

百合子「私もキョウさんみたいにかっこいいコスプレしたくなっちゃって!衣装づくりのための準備が欲しかったんです!!」キラキラ

Pカチュウたち、盛大にズッコケる

Pカチュウ(キョウが現れたときのあのリアクション…ビビってたからじゃなくて感動してたからだったのか)ドヨーン

百合子「あー当日楽しみだな~!よしっ!これから早速準備に取り掛かろっと!あ、もちろん皆も用意しておいてくださいね、コスプレ衣装!」ビュン

Pカチュウ「ってどこ行くんだおーい!」ビュン

このみ「…心配は必要なかったみたいね」

タケシ「別の意味で心配になってきたけどな」

マサキ「それでこそ百合子や、わいも当日楽しみになってきたわ」
64 : 1   2019/04/07 18:40:45 ID:sjACYkkx0U
3日後
~セキチクジム~

りかけいのおとこ「かいじゅうマニア殿!そのポケモンフィギュアなかなかのクオリティでござるよ!」

かいじゅうマニア「デュフフ、りかけい殿の女性ジムリーダーフィギュアも超萌え萌えですぞ!」

りかけいのおとこ「ありがたき幸せ!」

ざっ!ざっ!

かいじゅうマニア「あ、あの一団は!?」

りかけいのおとこ「キョウ殿に挑むというトレーナー、百合子一行…!」

かいじゅうマニア「噂には聞いていたが、それ以上ですな、特にあの格好…!」

ざわ・・・ざわ・・・

マサキ「わいら、めっちゃ注目されとるな」(顔だけ出した状態でポッポの着ぐるみ)

タケシ「今更ながら恥ずかしくなってきた」(原始人スタイル)

このみ「ギラギラした男子たちの視線が私に集まっていくのを感じるわ~♪」(スパイシスターズ衣装)

Pカチュウ「若干引かれてるんですよ、俺たち」(名探偵スタイル)

百合子「…ついにこの日が来ましたね」

Pカチュウ「あぁ、行くぞ百合子!」

百合子「ちっちっちっ!今の私は百合子ではなく……マイティ―セーラーです!!」ドヤッ

Pカチュウ「…はいはい、行くぞマイティ―セーラー」

百合子「キネティックパワー解放!全軍突撃!!」

Pカチュウ「軍ないよ!たった5人だけなんですけど!」ガビーン
65 : 我が下僕   2019/04/07 21:22:05 ID:taYztS.UEg
あの裾とスカート丈の衣装を自分から着るとか、やっぱ百合子ドすけべじゃないか
66 : プロデューサークン   2019/04/07 22:43:57 ID:v1sFwH7DTM
Pカチュウがなんか不穏だなー。
67 : 1   2019/04/12 00:11:08 ID:J13f9mrNNM
百合子「たのもー!」バンッ!

キョウ「待っていたでござるよ、百合子殿とその仲間たち!」

百合子「相変わらず決まってますねその忍び装束!」キラキラ

キョウ「そちらこそなかなか完成度高い衣装でござるな!拙者感激ですぞ!」

百合子「いやいやそれほどでも」ペチャクチャ

キョウ「いやいや謙遜を」ペチャクチャ

タケシ「雑談し始めたぞ」ドヨーン

Pカチュウ「いいから早く始めろー!」

キョウ「うむ、ルールは単純明快!先に2勝した方が勝ちでござる!」

マサキ「へぇ、シンプルやな」

キョウ「ところがどっこい!続いて詳しい説明を…両者、試合前に使用ポケモンを3体をあらかじめ選択。試合中は選択した3体しか使用できない。交代・アイテムはなし、一度使用したポケモンは勝ち負け関係なくその後使用不可」

タケシ「一度出せばもう交代もできないし、後に温存もできない。相性の問題もあるし、相当運も左右されるな」

このみ「まさに出たとこ勝負ね」

キョウ「3分時間を上げるから、あっちの部屋でじっくり選出するでござるよ」


百合子「じゃあ誰を出そうか…」

エグゼ「それはもちろん!この天才のボクを!!」

Pカチュウ「お前大丈夫なの?」

エグゼ「心配する必要がどこに!?僕は優秀なんですよ!はっ!さてはボクの実力に嫉妬してるんですか!?そうなんですね!!いや~人気者は困っちゃうな~!この戦いが終わってた頃にはエース交代…なんてことになってたりして!ハハハハハハハハハハ!!!」

タケシ「相変わらずよく喋る奴だな」

Pカチュウ「もう好きにしろ、仮にこいつが負けるようなことがあっても俺が1勝すればいいだけだ」
68 : 1   2019/04/12 00:20:54 ID:J13f9mrNNM
ミニリュウ「!!」ピョン!ドスン!

百合子「もしかして出たいの?」

このみ「そういえばさっきキョウの奥さんが、試合後はご馳走を振舞うって言ってたわね」

百合子「そ、そういうことね」ドヨーン

タケシ「じゃあ残り1体を決めるだけか」

Pカチュウ「俺を出してくれ百合子!」

おしょう「!」(俺を出せのポーズ)

Pカチュウ「お前はすっこんでろ!俺もそろそろ見せ場を作らないと、実況解説だけでパッとしないタケシみたいなポジションに納まっちゃうんだよ!そんなの耐えられない!」

タケシ「それどういう意味だ」ゴゴゴゴゴ

つむぎ「…」

このみ(この子は見かけによらず遠慮深い性格なのね)

Pカチュウ「こうなったら勝負だ!勝った方が試合に出る!」

おしょう「…!」スチャ

ユニー「!!」

ユニーに踏みつけられるPカチュウとおしょう

Pカチュウ「あ、姉御!この試合は姉御の出るまでもないッスよ!ここは俺が…」

ユニー「…」ギロッ

おしょう「…」(目を背ける)

Pカチュウ「いや、何でもないっス…」

タケシ「お前らいつの間に上下関係が生まれたの!?」

このみ「っていうかその子メスだったのね」

百合子「それじゃあこの3体で決まりだね、よろしくね!」

ユニー「!」キリッ

ミニリュウ「…」ゴロゴロ

エグゼ「泥船に乗ったつもりでいてください!!」

百合子「いや、それ沈むやつ!」ガビーン
69 : 1   2019/04/12 01:16:37 ID:J13f9mrNNM
両者、選出メンバーを記入した用紙を審判に渡す

モブ観客「うおおおおおおおおおキョウ殿頑張れええええええええええええ!!」

モブ観客「あんな女コテンパンにしてくだされえええええええええええ!!」

百合子「いつの間にか観客が!?」

キョウ「今日が試合ってことで、チケットを販売しておいたでござる!おかげで完売でござった!感謝感謝!」ビシッ

このみ「ちゃっかりしてるわね、この人…」

マサキ「にしても、すごい熱気やな」

タケシ「凄まじい人気だ…ポケモントレーナーとしてもコスプレイヤーとしても…」

Pカチュウ「百合子、場の空気に飲み込まれるなよ!」

百合子「は、はい!」

マサキ(どれ、お手並み拝見や…)

審判「それでは両者、準備を!」

キョウ「いざ尋常に勝負!」スチャ

百合子「正義のパワーよ、私に力を…!」スチャ

審判「試合開始!!」

キョウ「マタドガス!!」ボンッ

百合子「いけー!『シルフ』!!」ボンッ

シルフ(ミニリュウ)「!」ドスン

百合子「かっこいいでしょう?風の精霊が由来なんですよ!」

シルフ「…」デブーン

Pカチュウ「名前負け感が否めないけどな…」

百合子「“まきつく”!」

シルフ「…」ノロリ

キョウ「“ヘドロこうげき”!」

シルフ「!?」ベチャ

Pカチュウ「ダメだ!遅すぎる!」

モブ観客「ははははは!なんてとろいミニリュウだ!」

モブ観客「デブはピザでも食ってろ!」
70 : 1   2019/04/12 01:24:57 ID:J13f9mrNNM
百合子「頑張れシルフ!勝ったら美味しいご飯が待ってるよ!」

シルフ「!!」シャキッ

Pカチュウ&タケシ(わかりやすっ!)

百合子「“のしかかり”!」

キョウ「なんとっ!」

Pカチュウ「あの重量なら“のしかかり”のダメージも期待できる!」

キョウ「ならばっ!“えんまく”!」

マタドガス「!」ブワッ

Pカチュウ「ステージが煙で覆いつくされていく!」

このみ「まずいわね、“えんまく”で命中率が下がってるから…」

マタドガス「…」スッ

シルフ「!?」キョロキョロ

キョウ「敵がマタドガスを見失っている今が好機!そのまま“ヘドロこうげき”でござる!!」

シルフ「!」ベチャベチャ

キョウ(あれだけの“ヘドロこうげき”を耐えているのか!?)

百合子「そのまま攻撃が来ている側に前進して!」

キョウ「むむっ!」

百合子「見つけた!“のしかかり”!!」

シルフ「!!」ピョン

Pカチュウ「よし、決まった!」

キョウ「そのガッツ、見事!だが…」

シルフ「…!」フラッ

ばたっ!

キョウ「時すでに遅し!」

百合子「どく状態のダメージ…さっきの“ヘドロこうげき”で…」

審判「1戦目!勝者キョウ!!」

百合子「ありがとうシルフ、よく頑張ったね」

Pカチュウ「お前のこと見直したよ」

シルフ「…」ニコッ
71 : 1   2019/04/13 00:10:50 ID:kVJZkcZVCY
審判「2戦目開始!!」

百合子「ユニー!」ボンッ
キョウ「ゴルバット!」ボンッ

マサキ「こりゃ空を飛べるゴルバットの方が有利やで、どうするんや百合子」

百合子「“ひのこ”!」

キョウ「その程度の炎攻撃で拙者のゴルバットは捕らえられんよ」

ゴルバット、攻撃をかわしてそのまま飛翔

キョウ「“ちょうおんぱ”!!」

百合子「耳がキーンと…!」

ユニー「〇△×!?」

Pカチュウ「まずい、姉御がこんらんした!」

ユニー「〇△××××!!」

Pカチュウ「炎がこっちに!」

タケシ「俺の頭に火がああああああ!!」ボボウッ

Pカチュウ「ふぅ、助かったな」

タケシ「俺のことは!?」ガーン

キョウ「悪いが百合子殿、このまま勝ちにいかせてもらうでござるよ!ゴルバット、“つばさでうつ”!」

このみ「ユニーちゃんがこんらん状態なのをいいことに、どんどん攻撃を仕掛けてくるわね。このままじゃまずいわ…」

アフロタケシ「ここで負けたらキョウの2勝で百合子の負け…!」プスプス

ユニー「…」フラフラ

キョウ「ゴルバット、仕上げでござる!“かみつく”!!」

百合子「待ってましたよ、炎の届く距離まで来てくれるのを!」

ユニー「…!」カッ
72 : 1   2019/04/13 00:22:46 ID:kVJZkcZVCY
キョウ「なぬ!?」

百合子「“ひのこ”!!」

ユニーの放った“ひのこ”がゴルバットの口内に命中した!

ゴルバット「!?」

キョウ「まずい!ここはひとまず空中に避難するでござる!!」

百合子「キョウさん、知らないんですか…」

キョウ「ん?」

百合子「風の戦士は空を制す」

刹那!ユニーは自慢の脚力を駆使して、思いっきりジャンプ!
空中のゴルバットよりさらに高く跳んだのだ!

キョウ「なんというジャンプ力!?」

百合子「どうですか!東京タワーをも飛び越えるユニーのジャンプ力は!!」

Pカチュウ「ハナダジムで使った戦法を今度は姉御でやったのか!」

百合子「“ふみつけ”攻撃!!」

ユニー「!!」

どすんっ!!

ゴルバット「」バタッ

審判「2戦目!勝者百合子!!」

百合子「やった!!」

ユニー「…」フッ

キョウ「見事でござる…だが」

Pカチュウ「泣いても笑っても次が最後」

百合子「全力で勝ちに行きますよ、キョウさん!」ビシッ

キョウ「覚悟が出来ているようだな……さあ、始めようか…!」

キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!キョウ!

このみ「観客席が盛り上がってきたわね、これはもしかして…」

タケシ「おそらくキョウの切り札が来る…!」

Pカチュウ「ここからが本番だな」

マサキ(さあ、どうするんや百合子…)

審判「3戦目開始!!」
73 : 1   2019/04/13 00:53:00 ID:kVJZkcZVCY
百合子「エグゼお願い!」ボンッ

エグゼ「お任せくださいマスター!!」

キョウ「ゆけ、ベトベトン…!」ボンッ

ベトベトン「…」

百合子「先手必勝!“たいあたり”!」

エグゼ「あいあいさー!!」

キョウ「ククク、百合子殿お見せしよう…変幻自在の我らの戦術を!」

エグゼ「何を訳の分からないことを!天才のボクがかっこよく決めてやる!!」

キョウ「ベトベトン」

ベトベトン「!」グニャ

エグゼ「何ぃ!?」

“たいあたり”が正に決まる、その瞬間の出来事だった
なんとベトベトンは自分の身体に大きな穴を開けたのだ!
エグゼはそのまま穴を通り抜け、攻撃は外れる形となった

百合子「いったい何が?」

キョウ「そのまま“はたく”でござる!」

ベトベトン「!」ブンッ

エグゼ「ぐえー!」ベシッ

タケシ「なんて威力だ、一撃で元の場所まで吹っ飛ばされた」

百合子(でも何とか距離を取ったことだし、ここは様子見を…)

キョウ「“はたく”!」

百合子「え、でもこの距離じゃ届かな――」

ベトベトン「!」ビュンッ

百合子「な!?」

Pカチュウ「ベトベトンの腕が伸びただと!?」

エグゼ「ぐえー!!」バシッ

百合子「エグゼ!!」

キョウ「これぞ忍びの極意」ニヤリ
74 : 1   2019/04/13 00:55:51 ID:kVJZkcZVCY
今日はここまででござる
75 : 1   2019/04/14 00:57:29 ID:iMtcG1s4wE
百合子「何が起きたの!?」

キョウ「ベトベトンの身体はヘドロでできている…ゆえに変幻自在!果たしてそのポリゴンはこの攻防についてこられるかな?」

Pカチュウ「また来たぞ!かわせ!!」

エグゼ「そんなこと言われてもー!」

百合子「当たる寸前に後ろに下がればなんとかなるはず!」

エグゼ「そ、そうか!」スッ

キョウ「甘いでござるよ」

空振りしたベトベトンの腕から、“別の腕”が生えてきてエグゼに“はたく”攻撃を与えたのだった!

エグゼ「ぐへ、そ、そんなの…あり…ですか…!」


このみ「流石ジムリーダーね、わざのパワーコントロールをよく鍛えているわ」

Pカチュウ「パワーコントロール?」

このみ「ポケモンのわざって威力が強ければ強いほどエネルギーを消費するの。だから応用を利かせるには消費エネルギーの少ない基礎わざの方が便利なのよ。ポケモンタワーで私がキュウコンに指示した9連撃“ひのこ”みたいにね」

タケシ「簡単に言えばあのベトベトンの“はたく”はキョウ独自の技術によって生み出された戦法ってことだな」

Pカチュウ「くそ、とんでもない隠し玉を…!」


キョウ「“はたく”!」

エグゼ「うわっ!!」

百合子「やった避けた!」

エグゼ「ぼ、ボクにかかればこれしきの攻撃…よ、余裕です、から!」

百合子「“サイケこうせん”!」

エグゼ(こんな痛い思いもうたくさんだ!早く終わらせてやる!)

ドカンッ!!

エグゼ「やったか!」
76 : 1   2019/04/14 02:34:38 ID:iMtcG1s4wE
ベトベトン「…!」ニヤリ

エグゼ「えぇ…」

キョウ「お次はこれでござる」

ベトベトンの身体から無数の腕が生えてきた

百合子「まさかこれって…」ゾクッ

キョウ「“はたく”の乱れ咲き!でござる!!」

ビュンッ!ビュンッ!!

百合子「うわっ、来た!!」

エグゼ「ひえー!!」

キョウ「ファファファ!いつまで逃げられるか見ものでござるな!」

百合子(どうにかしなきゃ!的確な指示を出さなきゃ…!)

ビュンッ!!!ビュンッ!!!!

エグゼ「はっ!マスター見てください!この無数の腕から繰り出される攻撃!よく見たら左右に偏っていて、中央にまで及んではいない!これなら正面から近づけそうです!!」

百合子(た、確かに…!でもなんか違和感が…!)

エグゼ「これは反撃のチャンスですね!!」

百合子「ちょっと待って!」

エグゼ「心配無用ですよ!天才のボクにお任せを!」ビュン

百合子「あ!」

エグゼ「潜り込めた!やっぱりボクはかんぺ――」

ベトベトン「!」ベロベロバー

エグゼ「え」

遠くにいるはずのベトベトンの顔“だけ”が、エグゼのすぐ目の前に現れた

百合子(しまった!誘いこまれたんだ!)

キョウ「“ヘドロこうげき”!!」

ベトベトン「!」ゲロゲロ

エグゼ「ぎゃああああああ!ばっちいいいいい!!」

タケシ「口から出すな口から!」

Pカチュウ「飲み会した後のこのみさんを思い出す」

このみ「えぇ!?」ガビーン
77 : 1   2019/04/14 21:53:15 ID:iMtcG1s4wE
キョウ「“はたく”!」

エグゼ「ぐへ!」バシッ

キョウ「もう一回でござる!」

エグゼ「ぐはっ!」バシバシッ

キョウ「ワンモアセッ!ござる!」

エグゼ「ぐええええ!!」ドゴッ!

百合子「大丈夫!?」

エグゼ(この天才のボクがこんな一方的に…?何かの間違いだ…ボクは天才なんだ…!PTのエースになるポケモンなんだぞ…!!)

百合子「エグゼ!!」

エグゼ「え、あ、はい!もちろんこんな攻撃、屁の河童ですよ!ハハハハ!!」

キョウ「ベトベトン!畳みかけるでござる!!」

百合子「来る!“サイケこうせん”!」

エグゼ(ここから逆転するんだ!じゃなかったらボクは――)

キョウ「ふふっ」

ベトベトンは再び自らの身体に穴を開け、攻撃を強引にかわした
それと同時に、放った伸びる“はたく”がエグゼに命中!

百合子「エグゼ!!」

エグゼ(――ボクは……口先だけの、ただの役立たずじゃないかっ…!!)

どごっ!!

エグゼ「うぅ…」

キョウ(ポリゴンから闘争心が消えていくのを感じる…完全に折れたか)

エグゼ「…わかってたんだ…ボクは天才でも何でもないってことを…皆さんのお荷物に過ぎないってことを…でも、認めたくなかったんだ!最新鋭の技術で作られたポケモンとして、特別な存在でありたかったんだ!!」

百合子「エグゼ…」

エグゼ「マスター、迷惑かけて申し訳ありません…けど、自信がないんです…ボクじゃもうお役には立てない…」

百合子「そんな…そんなこと言わないでよ」

キョウ(どうやら、ここまでか…)

キョウが口を開くのよりも早く、動き出した者がいた

Pカチュウ「ちょと待った!!」

キョウ「!?」
百合子「!?」

Pカチュウだ
Pカチュウはぴょん、とフィールドに上がり、エグゼに近づいていった
78 : 1   2019/04/14 22:03:35 ID:iMtcG1s4wE
Pカチュウ「どうやら自分が視えたようだな…」

エグゼ「Pカチュウさん…」

Pカチュウ「そうだ、お前は決して特別なんかじゃない」

エグゼ「痛感しました。ボクはあなたたちみたいに優れてはいなかった…」

Pカチュウ「エグゼ、俺は自分が優れてるなんて思ったことはない」

エグゼ「え?」

Pカチュウ「俺だけじゃない、多分他の皆もだ。俺はクチバジムでマチスのライチュウにボコボコにされて、進化形態との差に内心震えた…つむぎはコイキングってだけで周りから下に見られていたし、カモ助もずっと悩みを抱えていたという…」

エグゼ「…」

Pカチュウ「それでも俺たちは戦って、勝ってきた…そうしないと前に進めないから。このまま立ち止まってても何も変わりはしない…だからがむしゃらに突き進むんだ」

エグゼ「…やっぱり凄いですよあなたたちは…そんな途方もない道を進む勇気、ボクにはない…」

Pカチュウ「いや…お前は自分の弱さを認めた。それは屈辱的で受け入れたくはない気持ち…だけど認めたんだ!それは勇気の一歩!お前の未来に必要となる、かけがえのない財産だ!」

百合子「エグゼ」ギュッ

エグゼ「ま、マスター!な、何を!?」

百合子「私じゃトレーナーとして頼りないかもだけど、それでも私頑張るから…!一緒に付いてきてくれる?」ギュウッ

エグゼ「は、はい…!」
79 : 1   2019/04/14 22:03:57 ID:iMtcG1s4wE
タケシ「先輩からの激励は済んだみたいだな」

Pカチュウ「そんな大層なものじゃない。俺はただ、頑張ってる誰かを見るのが好きなんだ。だから挫折で終わってほしくない、自分の可能性を捨ててほしくないだけだ」

タケシ「ふっ」

このみ「…そうよね、あなたはそういう人よね」

キョウ「…話はまとまったようでござるな」

エグゼ「キョウ様…ボクはあなたに勝ち、弱い自分を乗り越える!マスターやPTの仲間たちと一緒に!!」

キョウ「その意気やよし!」
80 : 1   2019/04/14 22:12:48 ID:iMtcG1s4wE
キョウ(あのピカチュウの言葉に心動かされたか。あの者、他者を正しい方向に導く才能を持っていると見た…)

百合子「行くよエグゼ!!」

エグゼ「はいです!!」

キョウ(だが、意気込みだけで勝てるなら苦労はないでござる!)

ベトベトン「!」ビョーン

エグゼ「うおっ!」スッ

キョウ「む!?」

タケシ「避けた!」

Pカチュウ「ギリギリまで引き寄せてからの回避!その調子だ!!」

百合子「そのまま前進!そして“たいあたり”で決めるよ!!」

エグゼ「うおおおおおおお!!」

キョウ「その勢い、止めさせてもらうでござる!!」

再びベトベトンの身体から無数の腕が生える

キョウ「“はたく”乱れ咲き!!」

ビュンッ!ビュンッ!!

エグゼ「ぐへっ!あぶべっ!!」

タケシ「あっ!」

このみ「っ!」

エグゼ(痛い…、けど、これしきの痛み…!もうどうってことはない!)

キョウ「これで終わり――」

エグゼ(ボクは『今のボク』に出来ることをただやり遂げるんだーっ!!)

びゅんっ!!

キョウ「ポリゴンの首と胴体が分離した!?」

タケシ「あの時のかくし芸か!」(>>42参照)

Pカチュウ「やれ!!」

百合子「“サイケこうせん”!!」

ベトベトン「!?」ドカンッ!
81 : 1   2019/04/14 22:23:27 ID:iMtcG1s4wE
このみ「やったわ!今のはいい当たりよ!!」ポカポカ

マサキ「いたっ!ちょ!やめい!!」ボコボコ

キョウ「まさかそちらも変幻自在の術を使えるとはな…流石でござる」

百合子「まだ…です!」

キョウ「何!?」

百合子「私たちはまだまだ変われる!今から『あのわざ』を使って、エグゼの可能性をもっと引き出す!!」

エグゼ「これが今のボクに出来る精一杯…そして全力!」

「「“テクスチャー”!!」」

エグゼの身体が眩い光に覆われていく!

タケシ「“テクスチャー”、自分のタイプを持っているわざのタイプと同じにするというわざ…!」

このみ「ってことは、エグゼちゃんの今のタイプは…」

百合子「エスパータイプ」

Pカチュウ「なっ!?」

タケシ「何だあれ!?」

このみ「あれってもしかして!?」

マサキ「んなあほな!」

キョウ「こんなことが…」

百合子「正義の超能力で敵を打ち倒す、その名はエグゼ…いや!」

エグゼ「…!」カッ

百合子「マイティ―セーラー!!」
82 : 1   2019/04/14 22:32:56 ID:iMtcG1s4wE
タケシ「エグゼの姿が百合子の姿に!しかも今のあいつと同じ衣装に!」

このみ「でも凄いカクカクしてるのね、一昔前のゲームみたい…」

Pカチュウ「まあ、そこはまさに『ポリゴン』ですし…」

エグゼ「…」バチバチ

キョウ「変化の術とは、見事…!」

百合子「変わったのは見た目だけじゃないですよ!」

バチバチ!
エグゼの手のひらにエネルギーが集約されていく

百合子「“サイケこうせん”!!」

エグゼ「波っ!!」

キョウ「くっ!そういうことか!ベトベトン!!」

ベトベトン、辛うじて攻撃を避ける

どっかーん!!

Pカチュウ「凄い!さっきとは威力が違う!」

このみ「ポケモンは自身のタイプと同じタイプのわざを使うと、威力が上昇する!」

タケシ「キョウもそれに気づいたからこそ、防がずに回避させたんだ!」

エグゼ(今までとは違う、大きな力を感じる…!)

キョウ「…全力、か。ならば拙者たちもそれに応えなければな!」

ベトベトンは両腕を組んだ
それは徐々に合体していき、最終的には両腕は一つの巨大な腕となった

キョウ「特大の“はたく”だ!これを避けられるかな!!」

エグゼ「避ける必要はありません!」

百合子「左手にエネルギーを!」

左手に集まった念力は盾を模り、特大“はたく”を防いだ!
83 : 1   2019/04/14 22:42:20 ID:iMtcG1s4wE
キョウ「ならば次はこれでどうでござる…!“はたく”乱れ咲き!!」

ビュンッ!ビュンッ!!

タケシ「またあの連撃が!」

百合子「エグゼ!今度は右手にエネルギーを!」

エグゼ「とうっ!!」

エグゼの右手に念力が集まり、剣を模った!
右手の剣は次々と無数の腕を切り裂いていく!

キョウ「このわざさえもっ・・・!」

百合子「左手の盾は『絆』…右手の剣は『勇気』!」

エグゼ「そしてこの一歩は――」

どんっ!!

「「成長の証!!」」

百合子「いけええええええええええ!!」

エグゼ「あああああああああああああ!!」

キョウ「拙者たちとて負けるつもりは毛頭ないでござる!!」

ベトベトン「!!」

ベトベトンの伸びる“はたく”がエグゼに襲い掛かる!
しかし構わず直進!

エグゼ「うおおおおおおおおおおお!!」

エグゼの右手が剣を模した念力で覆われ、ベトベトンへと向けた
念力の剣はベトベトンの腕を切り離し、そのまま本体をも切り裂いた!
84 : 1   2019/04/14 22:51:09 ID:iMtcG1s4wE
キョウ「何だと!?」

タケシ「やった!!」

百合子「エグゼ!!」

エグゼ「ボク…ボク…!」

Pカチュウ(これでようやく……)

百合子の方を向き、涙ぐんでいるエグゼ
百合子も少し泣いているようで、涙をぬぐっている
しかし、Pカチュウは気づいてしまった
ベトベトンのいた位置にある『ヘドロの塊』と『切り裂かれた腕』がいつもより大きくなっていることに――

Pカチュウ「!?」

キョウ「……」ニヤリ

Pカチュウ「罠だ!!ベトベトンはまだひんしになってないぞ!!!」

びょんっ!!
切り離されたベトベトンの腕“だけ”がエグゼに突進!
腕は少しずつ形を変え、手の部分がベトベトンの頭となっていた!
ベトベトンはエグゼの身体に巻き付き、即座に自由を奪った!

エグゼ「え!?」

百合子「腕がベトベトンになった!?」

Pカチュウ「野郎!腕と見せかけてわざと切らせたんだ!しかも余分な胴体を切り離したことで身軽になった!!」

キョウ「これぞ変幻自在…忍の本流よ!」

このみ「まずいわ!これじゃあさっきの攻撃が使えない!!」

キョウ「如何にもそれが狙いでござる!そして……!」

エグゼ「う、うぐぅ…!」

百合子「エグゼ!?」

エグゼ「た、体力が吸い取られていく…!」

タケシ「まさかこの効果は!」

キョウ「“メガドレイン”!相手にダメージを与えつつこちらのHPを回復させてもらう!」
85 : 1   2019/04/14 23:02:42 ID:iMtcG1s4wE
エグゼ「ぐあああっ!!」

タケシ「このままだとじわじわ体力を削られて負ける…!」

このみ「百合子ちゃん!エグゼちゃん!」

百合子「私たちだってまだ終わらないよ!負けるまでやれることをやっていくんだ!!」

エグゼ「うおおおおおおおおおおお!!」

百合子「“サイコキネシス”!!」

キョウ「“サイコキネシス”だと!?」

Pカチュウ「そうか!念の波動なら全方位に攻撃を与えられる!!」

百合子「奥の手と思って温存しておいたんだ!しかもこれだけ接近してる状態なら大ダメージを与えられる!!」

キョウ「耐えるでござる!ベトベトン!!」

百合子「キネティックパワー解放!!オーバーブーストォォォオオオオオ!!!」

エグゼ「ボクたちは勝つんだァァァアアアアアア!!」

キョウ「くぅ!!」

ベトベトン「!!??」

どんっ!
念波動の威力に耐えきることが出来なかったベトベトンは吹き飛ばされ、壁に激突!

ベトベトン「」ガクッ

キョウ(ここまで、か…)

審判「3戦目!勝者百合子!!この試合、挑戦者・百合子の勝ちとする!!」
86 : 1   2019/04/14 23:21:48 ID:iMtcG1s4wE
エグゼ「か、勝った…ボクが勝った…!」

百合子「エグゼ!頑張ったね!良かった、本当に良かったよ!」ウルウル

エグゼ「マスター…!」ウルウル

キョウ「ファファファファファ!完敗でござる!ナイスファイトでござる!!」

マイティ―セーラー!マイティ―セーラー!マイティ―セーラー!マイティ―セーラー!
マイティ―セーラー!マイティ―セーラー!マイティ―セーラー!マイティ―セーラー!

タケシ「会場も凄い盛り上がってるな」

このみ「観客を引き付ける力、まさにアイドルに必要な力ね」

Pカチュウ「そうですね」

マサキ「…流石百合子や、ほんまあいつはわいを楽しませてくれる…!」

キョウ「さあ、勝者にはこの『ピンクバッジ』を贈呈しよう!」

百合子「シルフ、ユニー、そしてエグゼ!今回のバッジは皆で掴んだ物だよ!ありがとう!!」

エグゼ「礼を言うのはボクの方です…!皆さんの仲間になれて、本当に良かった…!」

百合子「改めて、これからもよろしくね!」

エグゼ「はい!」

Pカチュウ「俺からもおめでとうと言わせてくれ」

エグゼ「Pカチュウさん…ありがとうございます!お礼にこれを――」

Pカチュウ「おいおい、お礼なんて改まって!なんだか照れるぞ!」

エグゼ「PTの『次期エース』になるボクのサインをどうぞ!」

Pカチュウ「っているかーい!」

エグゼ「遠慮しないでください!今はまだエースの器ではないボクですが、いずれはなれる、そんな素質を持っているボクのサインですよ!記念に貰ってやってください!」

Pカチュウ「なんか微妙に謙虚になってるけど、結局本質は変わってないぞこいつ…ってか俺の顔に書くやめろー!!」

ピンクバッジを てにいれた!
87 : 1   2019/04/14 23:22:42 ID:iMtcG1s4wE
セキチクシティ編終わり!
88 : プロデューサーちゃん   2019/04/15 07:20:33 ID:l3MftnC/Es
マイティセーラーは等身大ですか?!
89 : 1   2019/04/16 00:41:42 ID:qhxiVqcsrs
簡易的なPT一覧
ついに6体そろった百合子PT!
この先、手ぐすね引いて待ち構えている敵たちにどう立ち向かっていくのか!?

90 : 兄(C)   2019/04/16 00:43:15 ID:qhxiVqcsrs
>>88
等身大設定です~
91 : Pサマ   2019/04/16 12:30:20 ID:zni2gcpY0w
>>90
オーケー、ちょっとコイン貯めてくるわ。
92 : 1   2019/04/20 21:37:56 ID:hFrBJJ7guY
~セキチクシティ~

このみ「どうこの水着?セクシーじゃなあい?」ウッフーン

Pカチュウ「セクシーかどうかは別として、似合ってますよ」

タケシ「俺の水着はどうだ?」

Pカチュウ「いいんじゃない?」ハナホジー

タケシ「なんで俺の時は適当に答えてるんだよ!」ポカッ

Pカチュウ「男の水着姿を好き好んで見たいわけないだろうが!大体お前はしゃぎすぎなんだよ!」ポカッ

タケシ「麦わら帽子に浮き輪装備してるお前の方が、俺よりはしゃいでいるように見えるが!?」ポカポカ

Pカチュウ「グレンタウン行くためには海を渡らなきゃいけないって言ったのお前だろ!これはそのための準備なんだよ!」ポカポカ

このみ「ちょっと二人とも、店の中で喧嘩するのやめてちょうだい!お店の人に迷惑でしょ!」


マサキ「あいつらほんま元気やなあ」

百合子「そこがこのチームのいいところですよね」


タケシ「二重の極みィ!!」ドゴッ

Pカチュウ「ちょ!マジの攻撃はやめっ!」ハナジブー


マサキ「元気、なぁ…」(遠い目)

百合子「は、はは…」(遠い目)

マサキ「…じゃあわい、もうそろそろ行くわ」

百合子「また会えるといいですね」

マサキ「せやな、その時はよろしくな百合子」

百合子「こちらこそ」

タケシ「またな、マサキ!」

このみ「このみお姉さんの顔を見たくなったらいつでもいらっしゃい!」

Pカチュウ「じゃ、じゃあな…」バタッ

マサキ「あぁ…またな、皆」
93 : 1   2019/04/20 23:02:58 ID:hFrBJJ7guY
~20番水道~

先頭のつむぎにイカダを引っ張ってもらいながら海を渡る一行。
一行はイカダに乗って釣りをしているようだが……

百合子「…」

Pカチュウ「…」

このみ「…」

タケシ「釣れたか?」

Pカチュウ「いいや、全然…」

タケシ「まさか海のど真ん中で遭難するとは夢にも思わなかったな」

Pカチュウ「全くもって“そーなんです”よって感じだな!ははっ、なんちゃっ――」

バキッ!

このみ「プロデューサー…悪いけど私、そんな冗談聞き流せるほど今は平常心ではないのよ」(釣竿をへし折りながら)

タケシ「お前は少し空気を読むべきだな、俺もちょっとイラッと来たぞ」ピキピキ

Pカチュウ「…ごめんなさい」

百合子「は…っ!」

このみ「どうしたの?」

百合子「嵐が来る…!」

タケシ「なんでそんなこと分かるんだ?」

百合子「マグロ漁船のお仕事で鍛えられましたから。肌で分かるんです」

Pカチュウ「お前、そんなスキル……って本当にきたー!!」

百合子「ね!言った通りでしょう!」ドヤッ

タケシ「って言ってる場合かーっ!!」ガビーン

このみ「このままじゃ私たち流されちゃうわ!」

うわああああああああああああ!!

――――

――
94 : 1   2019/04/21 00:46:43 ID:yZg.z2Terg
~?????~

タケシ「…どうやら俺は生きてるらしいな」

Pカチュウ「お、起きたか」

タケシ「ここはどこだ?」

Pカチュウ「分からない。けど、運よくこの島に漂流できて良かった。じゃなかったら俺たち全員今頃海の藻屑だったからな」

タケシ「百合子とこのみは?」

Pカチュウ「あの2人なら今、家の中だ」

タケシ「い、家?住民がいたのか?」

Pカチュウ「いや、俺たちで作った家だ」

タケシ「はぁ!?」

Pカチュウ「とりあえず付いて来いよ、なかなか良いのが出来たんだぞ」


百合子「タケシさん!どうですこの家?なかなか素敵だと思いません?」

タケシ「ほんとに家が建ってる!しかも木の上に!?」ガビーン

このみ「前に無人島で9日間サバイバルした経験が役に立ったわね」

百合子「食べられそうな草花も見つけておいたんで、食べましょう!」

タケシ「お前らの純応力の高さ、凄すぎ…」

Pカチュウ「今日は飯食べたらもう休もう。明日は島の探索だな、イカダも作り直さないといけないし」

百合子「人が住んでいればいいんですけどね」

このみ「そうね、出来れば親切な住民がいてくれればありがたいわね」

~島の奥~

???「何者かがこの『ふたごじま』にやってきた…愚かな奴らめ、すぐに見つけ出し、我が氷で滅ぼしてくれるわ…!」
95 : 1   2019/04/21 01:51:07 ID:yZg.z2Terg
翌朝

タケシ「あーああー」ビューン

百合子「タケシさんも順応してますね!」ガビーン

Pカチュウ「無駄にターザンスタイルの似合うやつだな」

タケシ「ダメだ、どこを見ても木か岩くらいしかないな」

このみ「…ねぇ、何だか涼しくなってきてない?」

Pカチュウ「確かに、でも涼しいというよりは…」

百合子「寒い!」ブルブル

タケシ「そうか?俺は全然平気だぞ!」

Pカチュウ「半裸なのにか!?」ガビーン

タケシ「お前たちとは鍛え方が違うんだよ」ドヤッ

百合子「タケシさんずるいですよ!自分一人だけ平然としているなんて!」ブルブル

Pカチュウ「ずるいとかそういう問題じゃないだろ!?」ガビーン

タケシ「お前もようやく筋肉の素晴らしさを理解したようだな!いいだろう、まずは上半身を鍛える運動だ!」

Pカチュウ「やめろ!俺の担当アイドルに変なこと吹き込むな!」

このみ「マッチョな百合子ちゃん、凄い絵面ね」

Pカチュウ「筋肉モリモリマッチョマンの変態はあいつだけで十分ですよ…」

タケシ「どうだ百合子!ストレッチパワーがここに溜まってきただろう!」

ビュウウッ!

タケシ「」カッチーン

百合子「タケシさんが突然氷漬けに!?」

???「どんなに見苦しい者でも、氷漬けになれば美しいものだ…、しかし、私の方遥かに美しい…!」

Pカチュウ「こ、こいつは!」

このみ「ポケモン!?」

???「我が名はフリーザー…美しき伝説のポケモンである」
96 : 1   2019/04/21 01:54:54 ID:yZg.z2Terg
今週ずっと5thBD見てたり、副業とか色々あって更新遅くなってしまったよ…
97 : 1   2019/04/21 22:45:10 ID:yZg.z2Terg
Pカチュウ「伝説のポケモン・フリーザー!」

フリーザー「如何にも!私の縄張り、『ふたごじま』に足を踏み入れるとはいい度胸だよ…覚悟しろ!」

フリーザーの ふぶき!

Pカチュウ「ぎゃあっ!」カッチーン

百合子「Pカチュウさんまで氷漬けに!」

フリーザー「美しい…!氷に映る私の姿が美しい…!」ウットリ

百合子「…」

フリーザー「私の罪があるのならば、それは美しすぎること!私こそがこの世の美の頂点なのだ!!」

百合子「ユニー、“ひのこ”!」

フリーザー「あつうっ!!」

百合子「ごめんなさい、ダメ元で撃ってみたら本当に当たるなんて思わなくって…」

アフロフリーザー「小娘よくも…!許さんぞ!」モサァ

百合子「その髪どこから生えたんですか!?」ガビーン

フリーザー「問答無用!!」ビュウウッ

このみ「プクリン!お願い!!」

フリーザー「邪魔だぁ!!」

プクリン「!?」カッチーン
このみ「」カッチーン

百合子「このみさんまで…!くっ、ユニー!」

ユニーが動き出す前に、フリーザーの翼がユニーに直撃!
そのまま岩にぶつかり、気を失ってしまった

フリーザー「甘く見られたものだよ。確かに私はほのおタイプに弱いが、そんなレベルの低いポケモンで倒されるほどヤワではない」

百合子「早く、どうにかしないと…!」

フリーザー「いいや、君はここで散るのだ!私の美しい攻撃でね!」

百合子「うぅ…!」

フリーザー「喰らえ!!」
98 : 1   2019/04/21 23:55:27 ID:yZg.z2Terg
このみ「キュウコン、“ひのこ”!!」

フリーザー「ぐへっ!」

百合子「このみさん!!」

フリーザー「馬鹿な、君は私の攻撃で氷漬けになったはず…!?」

このみ「あなたの攻撃を喰らう直前にキュウコンのモンスターボールを岩陰に投げておいたのよ」

キュウコン「…」フッ

このみ「さあ、セクシーなこのみお姉さんが相手よ!」

フリーザー「セクシーだと…!私の前で美しさを語るとは命知らずめ、美しき我が技で仕留めてくれる!」

このみ「キュウコン、久しぶりにあれ行くわよ!」

キュウコン「…」コクッ

このみ「“ひのこ”!」

百合子「出た!9連撃“ひのこ”!」

フリーザー「ほぉ、これは美しい」

このみ「見惚れるのはこの攻撃を喰らってからにしてちょうだいね!」

フリーザー「だが私の方がその倍以上は美しい、な!」ヒュウウッ

百合子「フリーザーの羽根から9つの氷の塊が出てきた!?」

フリーザー「美しさの前には不可能などないのだ」ドヤッ

このみ「いい言葉ね…けどそれって私にも言えることよ!」

9つの炎と氷が激突!
2つの力は相殺され、激しく消えていった

フリーザー「やるな」

このみ「あなたもね」

百合子「炎と氷の激突!かっこいいなあ…!」キラキラ
99 : 1   2019/04/22 00:26:21 ID:GZD30MWVjk
このみ「キュウコン、もう一度行くわよ!」

フリーザー「そうはいかないね」ビュンッ!

百合子「これって“そらをとぶ”!」

フリーザー「ふははは!美しき急上昇!」

百合子「これじゃあ攻撃が届かない!」

このみ「…」

フリーザー「そして美しき急降下!!」

このみ(来た!)

フリーザー「更にだ!私は冷気をこのように纏い、君に攻撃をする!この美しき“そらをとぶ”で美しく散るがいい!!」

百合子「このみさん危ない!!」

このみ「あなたがどんな攻撃を仕掛けようと関係ないわ!この“ほのおのうず”の力ならね!!」

百合子「凄い!これなら!」

フリーザー「こ、これは…!」

このみ「この紅い炎の華の中で静まりなさい!」

百合子「まるで花びらが舞っているよう…!」

フリーザー「こんな、美しい光景を作り出せるなんて…!!」

このみ「当然よ。何故なら私は馬場このみ!世界が羨むセクシーアイドル!私のセクシーに不可能はないわ!!」

フリーザー「ふっ、見事だ、このみ…!」

フリーザーは たおれた!
100 : 1   2019/04/22 23:26:05 ID:GZD30MWVjk
フリーザー「まさかこの美しい私が、人間に負ける日が来るとはな…見事だったよ」

タケシ「それほどでもないな」フッ

Pカチュウ「お前も強かった、ただ俺たちがお前よりちょっぴり強かったってだけのことさ」

百合子「何で2人が偉そうにしてるんですか!」ガビーン

フリーザー「このみ、同じ美を追求するものとして君とは気が合いそうだ。もしよければ、私を君の仲間に加えてほしい」

Pカチュウ&タケシ「伝説のポケモンが仲間入り!?」

百合子「心強いですね!」

このみ「それは構わないけど、私がトレーナーでいいの?」

フリーザー「伝説と呼ばれているポケモンは皆、付くトレーナーを己で選ぶ。君は私が付くに値する実力者だ、誇りに思うがいい」

百合子「ちなみに私も伝説に選ばれし者ってことになりませんかね!」

フリーザー「ならないなあ」キッパリ

百合子「がーん!」

フリーザー「君はそこそこ場数を踏んでいるようだが、はっきり言って実力不足だ。認められたいのならもっと強くなることだ」

百合子「もっと強く……」
101 : 1   2019/04/22 23:26:17 ID:GZD30MWVjk
フリーザー「さあ美しき旅の開幕だ!このみよ、次の目的地はどこだ?」

このみ「グレンタウンを目指してるんだけどぉ…」

タケシ「移動手段がない」ドヨーン

フリーザー「何だそんなことか、さっそく私の美しき力の見せ所だな」

フリーザーが羽根を一振りすると、海に氷の道が出来る

フリーザー「これを渡っていけばグレンタウンへ行ける」

Pカチュウ「おそるべし伝説の力…!」

フリーザー「このみ、私をボールの中に収めてくれ。私はこの力を君のために振るうと誓おう」

このみ「よろしくね、フリーザー」ボンッ

バチッ!
百合子「ボールが消えた!?」

このみ「自動的にボックスに転送されたのね、グレンタウンに着いたら改めて挨拶しましょう」

百合子「それじゃあ、グレンタウンに向けて出発!」
102 : 1   2019/04/23 01:00:45 ID:TMaA7TYwQI
時は、百合子一行がふたごじまでフリーザーと戦闘している所まで遡る

~シルフカンパニー・社長室~

ローブの男「セキチクジムも制覇し、次はグレンタウンか…。百合子、そしてPカチュウ…お前たちは本当に楽しませてくれる…!」

ガッシャーン!
突然窓ガラスが割れ、何者かが飛び込んできた!

シゲル「ボンジュール!やっと会えたな、ロケット団の新首領さんよぉ!」

ピジョット「…」

ローブの男「シゲルか、私の存在を嗅ぎつけて乗り込んできたって所か。相変わらず血の気の多いやつだ」

シゲル「なんで俺の名前を知っている?てめぇ何者だ!?」

ローブの男「答える必要はないな」

シゲル「確かにな。だが俺にも分かることがあるぜ!それはお前が――」

シゲルのピジョットがローブの男に向かっていく

シゲル「――ロケット団の計画を横取りした狡い小悪党ってことだ!!」

がしっ!

ローブの男「横取り?ミュウツーのことを言っているのか?」

カイリキー「…」ニヤッ

シゲル「ピジョットの攻撃が受け止められた!?」

ローブの男「やれ、カイリキー」

シゲル「くっ!」

ローブの男「ミュウツーは元々私が作っているもの。むしろロケット団共に手伝わせてやっているだけのこと」

シゲル「随分大口叩くじゃねぇか」

ローブの男「サカキにはミュウツーを完成できない。ある『理由』があって絶対に不可能なのだ!」

ローブの男の頭上からモンスターボールが複数落ちてくる
その中からコイルとレアコイルの大群が現れた

シゲル「!?」

ローブの男「“10まんボルト”!!」
103 : 1   2019/04/23 01:08:32 ID:TMaA7TYwQI
シゲル「サンダース!!」

サンダース「!」

ローブの男「ほぉ、サンダースで電撃を受け止めたか…」

シゲル「俺だってジムを制覇してここまで強くなったんだ!ここらでお前の敵は百合子たちだけじゃないってことを教えてやるよ」

ローブの男「それは楽しみだ…」

シゲル「サンダース!ピジョット!行くぜ!!」

ローブの男「お前相手には出し惜しみ話だ。全力で行こう」

再び、頭上にモンスターボールが落ちてくる

ローブの男「スピアー、“ミサイルばり”!」

シゲル「サンダース、こっちも“ミサイルばり”だ!!」

ローブの男「ダグトリオ、“じしん”!」

シゲル「くそっ!次から次へと色んな手持ちを使い分けやがって!めんどくせぇ!」

ローブの男「手持ち?これは私のポケモンではない」

シゲル「何だと!?」

ローブの男「上を見ろ」
104 : 1   2019/04/23 01:08:55 ID:TMaA7TYwQI
シゲルが見上げると、天井にぎっしりと敷き詰められた機械の数々が見えた
その中央には、青白く光る円形の装置。そこからモンスターボールが転送されていた

ローブの男「これはポケモン転送装置でボックスの中に預けられた別のトレーナーのポケモン。私はそれを拝借して使っているだけのことだ」

シゲル「ありえねぇ!ポケモンは自分のトレーナーの言うことしか聞かないはずだ!」

ローブの男「タマムシでのベトベター事件を覚えているか?あれは私が開発した特殊な電波で野生のベトベターを操って起こしたことだ。この転送装置にも同様の仕組みを施してある」

シゲル「ポケモンを操る装置だと!?そんな複雑なことを、しかもポケモン転送装置に細工して機能させるなんて技術力をこんなやつが!?」

ローブの男「造作もない。私は科学者だし、このポケモン転送装置も『私が』造ったものだからな」

シゲル「造った…だと!お前、まさか…」

ローブの男「あぁ、そうや…」ガシッ

バサッ!

マサキ「また会えてうれしいで、シゲル」
105 : 1   2019/04/23 01:15:05 ID:TMaA7TYwQI
シゲル「マサキ!てめぇが黒幕…!?」

マサキ「まあ、大体そんな感じや」

シゲル「どうしてこんなことを!!」

マサキ「細かく説明する気はないなあ、ただこれはわいの長年夢なんや」

シゲル「ミュウツーなんて危険なポケモンを作ることがか!?」

マサキ「それは『過程』や。わいの目的はもっと先にある」

シゲル「…」

マサキ「もうええやろ、この辺で終わりしよか」

シゲル「見損なったぜマサキ、世界的に有名な科学者であるお前が、他人のポケモンを操って悪事を働く下衆だったなんてな…」

マサキ「良心に訴えかけようとしても無駄やで」

シゲル「だろうな、だったら力づくでやめさせてやる!サンダース、“10まんボルト”!!」

マサキ「くっ!なんてパワーや!」

シゲル「これで終わりだ、マサキィ!!」

マサキ「残念だけど…」

ボンッ!

マサキ「終わりなのはお前の方や」ニヤッ
106 : 1   2019/04/23 01:21:30 ID:TMaA7TYwQI
フリーザー「ぐおおおおおおおおおおおおお!!」

シゲル「こいつは!伝説のポケモン・フリーザー!?」

マサキ「ははははは!どっかのトレーナーがフリーザーをゲットしたんやな!おかげでわいの戦力も大幅に上がったわ!!」

シゲル「うるせぇ!ここで倒せばいいだけの話だろうが!!」

マサキ「果たしてそう簡単に行くか?」

フリーザー「ぐおおおおおおおおおお!!!」

フリーザーの“ふぶき”がシゲルとそのポケモンたちに襲い掛かる

マサキ「伝説って言うのは、凡人が届かない領域にあるからこそ伝説なんや」

シゲル「く、くそぉ!!」

マサキ「シゲル、お前はまだその器やないってことや、だからお前はここでわいに負けるんや」

シゲル「ま、マサキ…!」

マサキ「安心して、凍ってくれや」

シゲル「…」

マサキ「ふ、ふふ…ははははは!!あーははははははははは!!」
107 : 1   2019/04/23 01:27:19 ID:TMaA7TYwQI
~20番水道~

百合子「つ、疲れた…」

このみ「頑張って!グレンタウンは目の前よ!」

みしっ!

タケシ「おい、足場が崩れてきたぞ!」

Pカチュウ「やばい、百合子急げ!」

百合子「うわぁ!」

ばりんっ!!

このみ「間に合ったわね…」

百合子「はぁ…はぁ…、助かった…」

このみ「でもようやくたどり着けたわね」

タケシ「ここがグレンタウンか」

Pカチュウ「7つ目のジムバッジがある場所…」

百合子「…」

フリーザー『はっきり言って実力不足だ』

百合子「頑張らなくっちゃ…!」
108 : 1   2019/04/23 14:16:46 ID:TMaA7TYwQI
~グレンジム~

百合子(前回、頑張ると心に誓った私ですが、今は…)

カツラ「問題!グレンタウンの名物料理といえば?」

ピンポンッ!
Pカチュウ「越後製菓!」

ぶぶー!
カツラ「外れー!正解は『ハンバーグ』でした~!」

百合子(何故かクイズ大会をやっています…)

Pカチュウ「ぐあああっ!」ドゴッ!

タケシ「Pカチュウの頭の上にタライが!?」

カツラ「ほらほら、正解しないとジムバッジ渡さないよ~」

このみ「百合子ちゃんが1抜けして1ポイント獲得してるから…後2ポイント取らないといけないのよね…」

百合子「だから私はもう回答権ないんで、皆頑張ってください!」

Pカチュウ「よっし、次だ次!」

カツラ「では問題!この中でキャタピーの進化するとどれになる?」

①グレートモス  ②トランクス
③バタフリー   ④トランセル種市

Pカチュウ「ど、どれだ…!」

百合子(何でそうなるんですか!?)ガビーン

タケシ「わかった!」
ピンポンッ!

カツラ「はい、どうぞ」

タケシ「キャタピーはトランセルに進化するから、答えは④だ!」

ぶぶー!
カツラ「外れー!答えは③のバタフリーで~す!」

タケシ「くっ!バタフリーは最終進化だからひっかけだと思った!」

百合子「その気持ちわかりますけど、でもだからってその回答も微妙にズレてません!?」
109 : 1   2019/04/23 15:54:23 ID:TMaA7TYwQI
その後、何やかんやあってこのみが1ポイント獲得
残り1ポイントの獲得となっていた

カツラ「問題!このシルエットはだ~れだ?」 (下図参照)

タケシ「円形…モンスターボールか?」

Pカチュウ「待てタケシ!カツラの言ったことを思い出せ!」

タケシ「はっ…!そういえばさっきカツラは「誰だ?」と言っていた。つまり答えは生き物だということ…!」

Pカチュウ「その通りだ!そこから導き出される答えは…!」

タケシ「俺も分かったぞ!」

Pカチュウ「ビリリダマだ!」
タケシ「マルマインだ!」

このみ「見事に意見が分かれたわね」

Pカチュウ「いや、あの大きさはビリリダマだろう!」

タケシ「あの形はマルマインに違いない!」

百合子「こんな時に喧嘩はやめてくださいよ!」

カツラ「はい、じゃあ時間になったから答えを一斉にどうぞ!」ビシッ

Pカチュウ「こうなったら…!」

タケシ「これで行くしかない…!」

Pカチュウ「ビリリダマ!」
タケシ「マルマイン!」

百合子「結局意見がまとまらなかった…」ガビーン

このみ「いいえ、この場合どっちかが正解すればいいわけだし、選択肢が2択であるならばこのやり方で正しいわ」

百合子「なるほど」

カツラ「正解は…」

Pカチュウ&タケシ(どっちだ…!)

カツラ「『上から見たわし』でした~!」ツルピッカーン

ズッコケる百合子一行
110 : 1   2019/04/23 17:02:19 ID:TMaA7TYwQI
カツラ「問題!『わざマシン28』とは『しねしねこうせん』である?〇か×か!×の場合は正しい答えも述べよ!」

タケシ(これは普通に考えて×が答え…いや、あのじーさんのことだから裏をかいて〇か…)

Pカチュウ(しねしね『こうせん』ではなくて、しねしね『ビーム』である可能性が…)

百合子「やばいですね、あの感じは2人とも疑心暗鬼に陥ってますよ」

このみ「さっきの問題で、こういうひっかけもありえる、って事実が出来てしまったものね…」

カツラ「もしかして分からないのかい?」ニヤニヤ

Pカチュウ「そんなことはない!」

カツラ「強がらなくてもいいぞ、まあ君たちにはちょ~っと難しかったかもね~」ニヤニヤ

Pカチュウ「何!?」

百合子「Pカチュウさん、冷静に!冷静に!」

Pカチュウ(普通に考えて、しねしねこうせんなんてあるわけない!これは見るからにひっかけ!正しい答えは『はかいこうせん』だ!)

ピンポンッ!

百合子「え?」

Pカチュウ「ボタン押したの…タケシか?」

タケシ「いや、俺じゃないぞ」

このみ「皆、あっち!」

???「答えは×…正しい答えはしねしねこうせん…ではなく」

Pカチュウ「あー!」

このみ「あなたは!」

瑞希「あなをほる、です」

百合子「瑞希さん!!」
111 : ダーリン   2019/04/23 21:33:56 ID:ubj6n4Gk2w
敵か味方かは分からんが、瑞希は絶対ガチ勢だよ…
本編クリア程度に厳選と努力値振りとかしちゃうタイプだよ…
112 : 1   2019/04/23 23:07:06 ID:TMaA7TYwQI
このみ「瑞希ちゃん!やっぱりこっちに来てたのね!」

瑞希「馬場さん、お久しぶりです」

Pカチュウ「前にこのみさんから話を聞いたときに、もしや、と思ってたけど…」

百合子「え!2人とも知ってたんですか!?」

このみ「知ってたというか予想が的中しちゃったってところかしらね」

タケシ「もしかしなくても、この子はお前たちの関係者か?」

百合子「はい、私たちと同じ世界の仲間です」

瑞希「真壁瑞希です。タケシさんですよね、お噂はかねがね」

タケシ「それは光栄だな」キリッ

瑞希「半裸で変態な、いわポケモン使いと聞いています」

タケシ「あ、そう…」

Pカチュウ「光栄だな!キリッ!」

百合子「ぷっ」

このみ「ゆ、百合子ちゃん、ダメよ笑っちゃ…ふふっ」

タケシ「お前らーっ!」

カツラ「瑞希ちゃ~ん!途中参加なんて聞いてないよ~!」

瑞希「すみません、見ていたら楽しそうだったのでつい…うずうず」

カツラ「まあいいや、それじゃあ続きを――」

瑞希「いえ、3ポイント獲得したのでこれでおしまいです」ブイ

カツラ「えぇ!いつの間にか瑞希ちゃんがそっちのチームの一員に!?」ガビーン

瑞希「世界が変わっても私は七尾さんたちの仲間ですから」

百合子「瑞希さん…!」ジーン

カツラ「ふふ、いいだろう。それじゃあお待ちかねのジム戦始めようか」
113 : 1   2019/04/24 00:55:35 ID:I/F1kr4Zto
カツラ「ルールは1vs1、交代はなし、いいかな?」

百合子「はい、よろしくお願いします!」

瑞希「それでは…試合開始」

百合子「Pカチュウさん、お願いします!」
Pカチュウ「任せとけ!」

カツラ「わしはウインディで行こうかね」
ウインディ「わおーん!」

百合子(交代なしの一発勝負…絶対に負けられない…!)

Pカチュウ「速攻だ!」

Pカチュウの 10まんボルト!

ウインディ「がう」ニヤッ

カツラ「電気マッサージしてもらって良かったな、ウインディ~」

Pカチュウ「余裕じゃないか」

カツラ「まあね、だってわしら強いもん!」

Pカチュウ(いい年したじいさんが、もん、って)ガビーン

百合子「“でんこうせっか”!」

カツラ「お、早い早い…けど」

ウインディ「がう!」ビュン

カツラ「わしのウインディの方が早いね~」

百合子「え!?」

Pカチュウ「“こうそくいどう”か!」

カツラ「ウインディ、こっちも攻撃だ」

ウインディの力強い右フックがPカチュウに命中!

Pカチュウ「ぐえっ!!」ハナジブー

百合子「どっかで見たことあるやつー!」ガビーン
114 : 1   2019/04/24 00:56:12 ID:I/F1kr4Zto
今日はここまで
115 : 1   2019/04/25 00:24:02 ID:Z7FvR2c0zI
Pカチュウ「なんて躾のなってない犬だ!」

百合子「もう一度“でんこうせっか”で行きましょう!」

Pカチュウ「よしっ!」

カツラ「ウインディ、前足」

ウインディ「わん!」ヒョイ

Pカチュウ「ぐえっ!」ムギュ


タケシ「軽々と受け止められた!」

このみ「あのカツラって人、強いわね」

瑞希「カツラさんはジムリーダー歴も長く、とても優秀なポケモントレーナーです。私もカツラさんにはポケモンのことを色々と教えてもらいました、つまり私の師匠です」


カツラ「う~ん、君たちちょっと素直すぎなんだよね、だから簡単に攻撃パターンが分かっちゃう」

百合子「だったらこれで…!」

Pカチュウ「どうだ!!」

カツラ「おや、また特攻かい?」

Pカチュウの かげぶんしん!

カツラ「ん、増えた!?」

百合子(隙をついて攻撃を仕掛けるっ!)

カツラ「う~ん…」

ウインディ「!」ニヤッ

Pカチュウ「!?」

カツラ「“かえんほうしゃ”!」

百合子「何でPカチュウさんの位置が!?」

カツラ「言ったでしょう、素直すぎだって。相手に指摘されてから変則的な攻撃を仕掛けたって、そんなのすぐ読まれるに決まってる。悔しいから裏をかいてやるって魂胆が見え見え」

百合子「うぅ…」

Pカチュウ(だからって易々と攻撃当ててくるなんて、とんでもない奴だ)

カツラ「さて、そろそろ終わりにしよっか~」
116 : 1   2019/04/26 00:04:55 ID:UnvgA/7xDg
カツラ「“こうそくいどう”!」

Pカチュウ(こっちに来る!)

カツラ「そして…」

ウインディは猛スピードのまま地面に飛び込み、
そしてそのまま穴を掘っていった

百合子「“あなをほる”!?」

カツラ「正解。しねしねこうせんじゃあないよ」

Pカチュウ(どこだ、どこから出てくる…)キョロキョロ

百合子「Pカチュウさん!前!!」

Pカチュウ「何ぃ!最初に掘った穴から!?」

カツラ「バトルもクイズもひっかけたもん勝ちってね♪」

タケシ「避けろPカチュウ!!」

がぶっ!!
Pカチュウ「がっ!!」

カツラ「“こうそくいどう”ですばやさが上がってるウインディから逃げるなんて無理さ」

Pカチュウ「くそ、噛みつきやがって…放せよ」

カツラ「いいぞ、ウインディ!そのままの状態で“かえんほうしゃ”だ!」

百合子「だったらこっちも!このまま“10まんボルト”!!」

Pカチュウ「くらええええええええ!!」

電撃と炎のぶつかり合いにより、爆発が発生!
Pカチュウとウインディは吹き飛び、倒れた!

ウインディ「…」

Pカチュウ「く…そ…」

一度は立ち上がる両者であったが、再び倒れるのにそう時間はかからなかった
同時に倒れ、そのまま戦闘不能

瑞希「両者ひんしのため、この勝負は引き分けです」

カツラ「あらら」

百合子「引き分け…」
117 : 1   2019/04/26 01:01:08 ID:UnvgA/7xDg
カツラ「いやあ~、まさかあそこから引き分けにもっていかれるとは思わなかったよ!」

百合子「…」

カツラ「でも残念だけど、ルール上ジムバッジを渡すことはできないんだ、分かってくれるよね?」

百合子「…はい」

タケシ「ドンマイだ百合子!また次頑張ればいい!」

このみ「そうよ、ジム戦は一回こっきりじゃないんだし、また挑めばいいわ!」

百合子「…私、ポケモンセンターに行ってきます!」タッタッ

このみ「あ、百合子ちゃん!」

瑞希「……」


~グレンタウン~
数分後

Pカチュウ「百合子…」

百合子「勝たなきゃいけなかったのに…!引き分けだなんて…!ロケット団との戦いまでに強くならなきゃいけないのに私は何を…っ!」

Pカチュウ「俺も悔しいさ、けど焦った気持ちのままじゃ先の結果は変わらない。気持ちを切り替えて次勝てるように鍛えよう」

百合子「もっと強くならないと…、このままじゃナツメさんやヤマブキの皆を救うことが出来ない…!」

Pカチュウ(まずいな…7つ目のジムを目の前にしたからか、ここにきて余裕がなくなり始めてきた…このままじゃロケット団どころかジム戦の結果も…)


瑞希「……」
瑞希は遠くから2人の様子をしばらく見守った後、その場から去った
118 : 番長さん   2019/04/26 06:51:53 ID:WiKsJpD7Xg
瑞希意味深
119 : 1   2019/04/26 23:42:58 ID:UnvgA/7xDg
~グレンジム~

カツラ「それじゃあ瑞希ちゃんの、同郷の仲間との再会を祝して――」

かんぱーい!!


瑞希「紹介します、私のポケモンのコダックです」

コダック「…ぐわっ」

Pカチュウ「何だか雰囲気似てるな」

瑞希「そうでしょうか?」
コダック「ぐわ?」
表情を変えずに、同時に首をかしげる瑞希とコダック

Pカチュウ「ははは!似てる似てる!」


このみ「ぷはぁ!もう一杯!!」

カツラ「君なかなかいける口だね~!わしもがぶがぶ飲んじゃおっかな~!」

このみ「いいわね!どんどん飲むわよ!あはははは!!」

タケシ「こいつらすっかり酔ってる…」

このみ「タケシくん、ぼさっとしてないであなたの飲みなさい!」

タケシ「俺はあんたたちと違って、節度をわきまえてるものでね」

このみ「何かっこつけてるのよ!このみお姉さんのお酒が飲めないって言うの!?」

カツラ「そうだそうだ!」

タケシ「やめろ酔っ払いども!近づくな!!」

数分後

タケシ「へへへへ、いちばーん!タケシ、ダブルバイセップスいきまーす!!」ムキッ

このみ「ぷははははは!乳首丸出しはははははは!!」

カツラ「変態だ!変態がいるぞー!!はははははは!!」


百合子「何だかみんな楽しそうだな…」ゴクゴク
120 : 1   2019/04/27 00:33:19 ID:JsOFmuZWwc
このみ「すーすー…」

タケシ「ぐーぐー…」

カツラ「ぐがああああ…」

Pカチュウ「完全に酔いつぶれてるなこれ」

百合子「Pカチュウさんも飲みたかったんじゃないですか?」

Pカチュウ「流石にこの身体で飲んだら健康面的な意味でまずい気がしたから…」

瑞希「七尾さん、プロデューサー」ヌッ

百合子「瑞希さん!いつの間に後ろに!」ビクッ

瑞希「少し外でお話しませんか?」


百合子「あの、話って?」

瑞希「単刀直入に言います、私とポケモンバトルしてください……勝負」

百合子「私と瑞希さんで、ですか!?」

Pカチュウ「突然どうしたんだよ?」

瑞希「確認したいことがあるのです。受けてくれますか?」

百合子「で、でも…」

瑞希「なら、七尾さんのやる気を刺激してみましょう…まず私の右の手のひらを見てください、何もありませんね?それをこうして…」

瑞希は握りこぶしを作り、数秒後に開いた
そこには、今までなかった、『あるもの』が置いてあった

百合子「それ、ジムバッジ…!」

瑞希「はい、カツラさんの持つクリムゾンバッジです。私に勝てばカツラさんに勝ったものとしてこのバッジを差し上げます」

百合子「…わかりました、その勝負受けます」

Pカチュウ「百合子!?」

瑞希「決まりですね」
121 : 1   2019/04/27 00:35:25 ID:JsOFmuZWwc
次回
百合子vs瑞希
122 : 1   2019/04/28 01:12:39 ID:8oFCXnloTM
~グレンジム・バトルフィールド~

瑞希「使用ポケモンは手持ち全て、交代はありです。先に1体戦闘不能にした方が勝ち、でいいですか?」

百合子「構いませんよ」

Pカチュウ(瑞希、何を考えてるんだ…でもここまで来たなら俺もやるしかない)

瑞希「では、始めましょうか」

百合子「はい」

両者、モンスターボールを投げる

瑞希「行け、ゲンガー」
百合子「お願い、ユニー!」

瑞希「“したでなめる”」

Pカチュウ「舌が伸びた!しかも早い!」

百合子「それでもユニーのスピードの方が早い!」

ユニー「!」サッ!

瑞希「確かに早いですね」

百合子「“ひのこ”!」

瑞希「けど…」

ゲンガー「…」ニヤッ

スッ…

百合子「ゲンガーの姿が消えた!?」

ユニー「!」キョロキョロ

瑞希「“じごくぐるま”」

瑞希の指示を聞いたゲンガーはユニーの『足元』から現れ、そのままユニーの後ろ脚を掴み、地面に叩きつけた!

百合子(一体いつの間に!?)

瑞希「次は“ナイトヘッド”」

百合子「距離を取って!!」

瑞希「…無駄です」

ゲンガーは全速力で走るユニーの背後から姿を現した

Pカチュウ「百合子、ゲンガーの足元を見ろ!」

百合子「か、影!?ユニーの影と一体化してる!?」

瑞希「ゲンガーは影の中にもぐることが出来る。だからどんなに素早い相手にも付いていける。とどのつまり早さ勝負でゲンガーと競うのは無意味です」
123 : 1   2019/04/28 01:31:28 ID:8oFCXnloTM
百合子「だったらユニーをボールに戻して――」

ゲンガー「!?」ニュッ

Pカチュウ「よし、強制的に影から出してやったぞ!」

百合子「おしょう!」ボンッ

瑞希「次はカモネギ…」

百合子「“つつく!」

おしょう「!」ザッ

ゲンガー「!?」

瑞希「二刀流のカモネギ……珍しいぞ」

百合子「どうですか!?」

ゲンガー「…」ニヤッ

おしょう「…」チッ

瑞希「ここは私もゲンガーを戻して、今度はこのポケモンで行きましょう」

瑞希は ナッシーを くりだした!

百合子「すかさず“つつく”攻撃!」

瑞希「“たまごばくだん”」

おしょう「!」

Pカチュウ「あの“たまごばくだん”に触れたら爆発に巻き込まれる!カモ助もそれが分かるら攻撃の手を引いたんだ!」

百合子「Pカチュウさん!お願いします!」

Pカチュウ「俺の出番だな、任せろ!」

百合子「“でんこうせっか”!」

瑞希「では私も対策させてもらいます」

ナッシーは上半身を上げたり下げたりの動作を繰り返し、
上空に大量のたまごをまき散らした

瑞希「“たまなげ”…これだけの大量のたまごを避けながら無理やり進めば…?」

百合子「避ける動作をした分だけスピードも落ちる…」

Pカチュウ「くっ、やるじゃないか、瑞希」

瑞希「勝つためです……本気だぞ」
124 : 1   2019/04/28 01:55:44 ID:8oFCXnloTM
Pカチュウ「無理やり潜り抜けてやるっ!」

瑞希「ナッシー、“ふみつけ”」

Pカチュウ「ぐえっ!」

百合子「“10まんボルト”!」

Pカチュウ「喰らえ!」

ナッシー「!?」

Pカチュウ(くそ、大したダメージじゃないな)

瑞希「私はナッシーを戻して…オコリザルを出します」

オコリザル「ぶひー!」

瑞希「“からてチョップ”」

オコリザル「ぶひっ!」
Pカチュウ「いでっ!」ドゴッ

百合子「お願いおしょう!」ボンッ

おしょう「…」キッ!

おしょうはオコリザル目掛けて飛翔する

百合子「一刀――」

瑞希(来る…)

百合子「“きりさく”!!」

おしょうは空中でネギを頭上に構え、そのまま振り下ろした!

百合子(これでっ!!)

ばしっ!
オコリザルはおしょうのネギを真剣白羽取りで受け止めた

百合子「これも…ダメ!?」

瑞希「“カウンター”」

おしょう「!?」

百合子「おしょう!!」
125 : 1   2019/04/28 02:01:15 ID:8oFCXnloTM
続く
126 : 1   2019/05/03 18:33:05 ID:gcP3NJ5a2k
おしょう「…」フラッ

Pカチュウ「よし、耐えた!百合子、このまま交代させるんだ!」

瑞希「何を出したところで、今の七尾さんでは私は倒せませんよ」

百合子「え…?」

瑞希「今の七尾さんは勝利にこだわりすぎています、気持ちだけが先に行ってしまっては勝てる勝負も勝てませんよ」

百合子「でも私がもたもたしている間にヤマブキの皆が危険にさらされているかと思うと居ても立っても居られないんです!早く私が行かないと…!」

瑞希「今の七尾さんが行っても簡単に倒されてしまいますよ」

百合子「っ!?」

Pカチュウ「瑞希、何もそこまで…!」

七尾「じゃあ私はどうすれば…」

瑞希「鍛えなおしましょう。十分な力をつけ万全の準備を整えて、ロケット団に挑みましょう」

ナツメ『だから今は逃げて、もっと力をつけるの!』
フリーザー『はっきり言って実力不足だ』
百合子(……っ!)

タケシ「それに運のいいことにお前には頼もしい仲間がいるだろう」スタスタ

このみ「仲間と一緒に強くなって、私たちでロケット団に一泡吹かせるのよ」スタスタ

百合子「タケシさん…このみさん…」

カツラ「わしも協力するよン♪」b

Pカチュウ「百合子、ここまで来たんだ!俺たちは、今出来ることをやってやろう!」

百合子「…私、ようやくグレンタウンまで来たんだって思ったらなんだか焦っちゃって…周りのこと見えてませんでした…けど!私、今やるべきことがわかりました!決戦前の仕上げとして、皆と一緒に今よりもっと強くなって見せます!」

Pカチュウ「あぁ、頑張ろう!」

おしょう「…」フッ

瑞希(このバトルで確認したかった…七尾さんの志す道しるべ…けど安心しました、七尾さんはもう大丈夫。あとは私も七尾さんを信じるのみ…がんばるぞ)
127 : 1   2019/05/03 18:36:44 ID:gcP3NJ5a2k
翌日

このみ「うーん…」

Pカチュウ「どうしたんですか?」

このみ「フリーザーをボックスから出そうとしたんだけど、今転送システムが大規模の通信障害らしくって…」

Pカチュウ「マサキは今頃復旧に大忙しなんだろうな」

このみ「フリーザーと一緒に修行したかったんだけど、仕方ないわね」

百合子「お待たせしました皆さん!」ドッサリ

このみ「何この荷物の山!?」ガビーン

百合子「瑞希さんから修行中の食料や生活用品一通り用意しておくようにって言われたものですから」

タケシ「山ごもりでもするのか?」ドッサリ

百合子「タケシさん、荷物持ちありがとうございます!」

瑞希「七尾さん、準備できたようですね。では行きましょうか」

百合子「いったいどこに行くんですか?」

瑞希「それは着いてからのお楽しみです……どきどき」

カツラ「じゃあ君たち2人はわしと修行ね!」ガッシリ

このみ「えぇ!?百合子ちゃんと一緒にじゃないの?」

タケシ「聞いてないぞ!」

カツラ「あの娘は瑞希ちゃんの用意した特別メニューで頑張ってもらう予定だからね。それに君たちは実力がすでに備わっているから、わしと修行した方が効率いいよ~」

瑞希「カツラさん、お2人をよろしくお願いします」

カツラ「それは構わないけど…本当に『あの場所』で修行する気なのかい?」

瑞希「あの場所なら修行に最適かと思いまして」

カツラ「そうか、まあこの件は瑞希ちゃんに一任するよ」

瑞希「ありがとうございます」

百合子「?」
128 : 1   2019/05/03 18:41:28 ID:gcP3NJ5a2k
Pカチュウ「何だかカツラはこれから行く場所に関して乗り気じゃなかったな?」

百合子「ま、まさか地獄のような場所に連れていかれるのでは…!?」ガーン

瑞希「そうじゃないんです。これから行く場所はカツラさんにとって悲しみの詰まった場所だから…」

百合子「悲しみ?」

瑞希「…着きました」

Pカチュウ「でっかい建物だな」

瑞希「ここは『ポケモンやしき』…七尾さんたちにはこれから1週間ほどここに籠って修行していただきます」
129 : 1   2019/05/03 18:48:29 ID:gcP3NJ5a2k
~ポケモンやしき~

Pカチュウ「ここはどういった場所なんだ?」

瑞希「ここはかつてポケモンの研究所でした。カツラさんとその仲間たちはここである研究を行っていました」

Pカチュウ「ある研究?」

瑞希「人の手でポケモンを造り出す研究と聞いています」

百合子「ポケモンを造る…それって!」

瑞希「はい。今ロケット団が行っている、いでんしポケモン・ミュウツーの研究そのものです」

Pカチュウ「ということは、ロケット団はカツラたちの研究を横取りして…」

百合子「ますます許せませんね!」

瑞希「…今は研究者は誰1人としていませんが、代わりに強力な野生のポケモンが生息しています。あまりに強すぎて民間人の立ち入りを禁じるほどです。七尾さんはこのやしき内のポケモンたちと戦って修行期間まで生き残ってください」

百合子「やしき内でサバイバルってことですね」

瑞希「その通りです。なので、修行中はこのやしきからは決して出ないでください」

百合子「わかりました!」

瑞希「では、他の手持ちを出してください」

ボンッ!
つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」
おしょう「…」フンッ
エグゼ「とうっ!」
ユニー「…」キラッ
シルフ「…」デブーン

瑞希「ボールは預かります。彼らとは修行中の間、行動を共にして連携を磨いてください」

百合子「皆…よろしくね!」

瑞希「私もたまに様子を見に来ます」

Pカチュウ「ありがとうな、瑞希」

瑞希「健闘を祈ります……ファイト、だぞ」


百合子「行っちゃいましたね」

Pカチュウ「あぁ、ここからは俺たちの頑張り次第だな」

百合子「よし、行くよみんなーっ!!」
130 : 1   2019/05/03 18:48:50 ID:gcP3NJ5a2k
ピカチュウ/Pカチュウ:百合子のプロデューサー。お調子者だけどしめるときはしめる男
ギャラドス/つむぎ:騙されて買ったコイキングが進化した。ちょっと自己主張低め?
カモネギ/おしょう:クールで負けず嫌いな侍。ヤマブキで大根を使った二刀流を身につけた
ポリゴン/エグゼ:タマムシでもらったポケモン。自信家だけどただのおバカ
ポニータ/ユニー:百合子が愛馬としてゲットした。実はメスで、キザで女性好きな王子様キャラらしい
ミニリュウ/シルフ:サファリゾーンで釣り上げた。でぶで大食いで怠け者。今後の活躍が期待できる(?)ルーキー
131 : 1   2019/05/03 18:50:27 ID:gcP3NJ5a2k
令和早々、風邪でダウンしてました
5月は神戸公演と名探偵ピカチュウですね、楽しみです
132 :   2019/05/04 08:38:03 ID:VHL3IpaKjw
修行編はじまたw
133 : 1   2019/05/08 19:36:49 ID:1PFmlDp05M
~ポケモンやしき~

百合子「Pカチュウさん助けてえええええ!!」

修行開始初日、百合子はガーディの大群に追いかけまわされていた

Pカチュウ「こっちも敵に囲まれてるんだ、悪いけどなんとか乗り切ってくれ」

百合子「えええええええええええ!!」ガーン

ドガース「!」バッ!

百合子「ひっ!今度はドガースが来たああああああああ!」

エグゼ「ここのポケモンたち、野生とは思えない程の強さと統率のとれた連携ですね」

Pカチュウ「面白い、修行しに来た甲斐があるってものだな」フッ

エグゼ「あなたいつからそんなに脳筋になったんですか!?」

Pカチュウ「男はいくつになっても修行って聞くとワクワクするものだ」

エグゼ「そういうものですかね~、ボクにはよく分かりませんよ」

マタドガス「!」ヌッ

エグゼ「ひえっ!ボクちょっと外に出て休憩を…」

エグゼが扉の方向に移動しようとしたとき、見えない力によって妨げられた

エグゼ「ぐへっ!」(壁まで吹っ飛ぶ)

Pカチュウ「…おい、上を見てみろ」

コダック「…」

エグゼ「あれは瑞希様のコダック…!」

Pカチュウ「さしずめ見張りってところだろう、ルールを破ろうとするとああやって“ねんりき”攻撃を仕掛けてくるんだ」

エグゼ「見た目に反しておっかないですね」

Pカチュウ「ほら、弱音はいてないで修行だ修行!」

百合子「盛り上がってるところ悪いけど、私はいつまで追いかけられなきゃいけないのー!!」
134 : 1   2019/05/08 20:01:20 ID:1PFmlDp05M
百合子「ようやく夜になった…」ゼェゼェ

つむぎ「…」(口から少量の水を吐き、百合子の頭に落とす)

百合子「あぁ、気持ちいい…」

Pカチュウ「さて…今日の夕飯は…」チラッ

おしょう「…」

Pカチュウ「鍋にしよう」

おしょう「!」ギロッ

Pカチュウ「いやいや、誤解するなって!お前を食べようってわけじゃ…ってこっち来るな!」

エグゼ「やれやれ喧嘩ですか、血の気の多い人たちは困りますね。この次期エースであるボクの爪の垢を煎じて飲んでください」

Pカチュウ「お前爪ないだろ!」

おしょう「!」バシッ

エグゼ「あいたたっ!」

百合子「しょうがないなあ。ここは私が一押しのファンタジー小説の読み聞かせで皆の心を和らげましょう」

Pカチュウ「いや、遠慮しておくよ」

百合子「遠慮しないで!昔々あるところに――」

ガーディ「ばうばう!!」ドドドドド
ガーディ「ばうばう!!」ドドドドド
ガーディ「ばうばう!!」ドドドドト

百合子「えぇ!またガーディの大群!?」

Pカチュウ「敵襲だ、皆迎え撃てー!!」

5分後
百合子「しょ、食材が…」ガックリ

Pカチュウ「相手は野生のポケモンだってことを忘れてた。連中にとって時間なんて関係ない、ただ目の前の獲物を倒すことこそが連中の優先することなんだ…」

百合子「ということはこの修行…」

Pカチュウ「あぁ。24時間気の抜けない、正真正銘のサバイバルだな」
135 : 1   2019/05/08 20:37:08 ID:1PFmlDp05M
翌日

百合子「つむぎ、“なみのり”!おしょう、“きりさく”!」

エグゼ「昨日より数が増えてますね」

Pカチュウ「百合子、群れの中央見てみろ」

ブーバー「…」

百合子「ブーバーですね。腕組しちゃってちょっと偉そうな感じ」

Pカチュウ「おそらくあいつがこいつらのアタマだな」

百合子「つまりあのブーバーを倒せばこの修行最大の課題は達成されるってことになりますね!」

Pカチュウ「今回ばかりはお前の言う所の、『そういうこと』になりそうだな」

百合子「つむぎ、“なみのり”!」

エグゼ「なるほど!攻撃範囲の広い“なみのり”で周りのポケモンごと攻撃するんですね、流石マスター!」

百合子「ふふん!」ドヤッ

ブーバー「!」ヒュッ

百合子「ジャンプして避けた!?」

Pカチュウ「こっち来るぞ!」

エグゼ「ぐえっ!またボクー!?」ドゴッ

Pカチュウ「“でんこうせっか”を喰らえ!」

ブーバー「…」ガシッ

Pカチュウ「何!片手で受け止めた!」

ブーバー「…」ヒョイッ

Pカチュウ「うわあああああ!」

百合子「Pカチュウさんが投げ飛ばされたーっ!」

ブーバー「…」

百合子「シルフ、“まきつく”!」

シルフ「…」ゴロゴロ

百合子「全然やる気がない!?」ガーン

ブーバー「…」ニヤッ

百合子「こ、こうなったら…皆てったーい!!」
136 : 1   2019/05/08 20:53:14 ID:1PFmlDp05M
Pカチュウ「あのブーバーを倒すのは骨が折れそうだな」

つむぎ「…」シュン

百合子「うーん…うぬぬ…」

エグゼ「あの、マスター?いったい何を?」

Pカチュウ「放っておけ、どうせ妄想中だ」

百合子「失礼ですね!まるで年中無休妄想娘みたいな感じに言わないでください!」

Pカチュウ「何だよそのネーミング…」

百合子「これでも真面目なこと考えてたんです!」プンプン

Pカチュウ「真面目なことって?」

百合子「タマムシでこのみさんと戦った時のこと覚えてます?」

Pカチュウ「あぁ、苦戦したよな」

百合子「あの時このみさんは連携攻撃で私たちを追い詰めてきた…私たちも連携わざを開発できれば、戦略の幅が広がるんじゃないかな、って考えてたんです」

エグゼ「おぉ!それはいいアイデアですね!」

Pカチュウ「…実はさ、俺も似たようなこと考えてた」

百合子「それって?」

Pカチュウ「ずばり、必殺技だ!」
137 : 1   2019/05/08 20:59:50 ID:1PFmlDp05M
おしょう「!」ピクッ

エグゼ「必殺技!?」

百合子「いいですね、まさにバトルって感じで!」

おしょう「…」

Pカチュウ「今まで戦ってきた相手って既存のわざを応用して昇華させてただろ」

百合子「…このみさんのキュウコンの“ひのこ”、エリカさんのラフレシアの“はなびらのまい”、キョウさんのベトベトンの“はたく”とかですね」

Pカチュウ「俺にもそれが出来たらなってずっと考えてたんだ、そうしたら俺ももっと強くなれるはずなんだ」

おしょう「…」

Pカチュウ「カモ助、お前は二刀流剣術を身につけたけどまだまだ満足してないんだろ?新しい力を手に入れたやつが頑張ってるのに、俺も現状に満足してる場合じゃないってことさ」

おしょう「…」フンッ

エグゼ「だったらだったら!ボクだって負けてないんですからね!」

Pカチュウ「わかってるって」

つむぎ「ギャオオオス!」
ユニー「…」フッ

Pカチュウ「あぁ、2人もな」

百合子「私もカツラさんに負けっぱなしだし、瑞希さんには惨めなところ見せちゃってるし、もっと強くなって名誉挽回するんだ!」

Pカチュウ「よし、皆頑張るぞー!」


シルフ「…」
138 : 1   2019/05/08 21:35:08 ID:1PFmlDp05M
百合子「…」zzz…

Pカチュウ(さて、ああ言ったものの一体どうすればいいのか…)

ドゴンッ!!

Pカチュウ「何だあの物音!敵襲!?……ってわけでもなさそうだな」

エグゼ「たいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたい!へんたいです!!」

Pカチュウ「べた過ぎるギャグを…どうした?」

エグゼ「おしょうさんとシルフさんが喧嘩を!」


おしょう「…」ジロッ

シルフ「…」ジー

Pカチュウ「どうしてそんなことに?」

エグゼ「簡単な話、シルフさんのやる気のない態度におしょうさんがキレてしまったわけでして…」

Pカチュウ「シルフのやる気のなさは誰の目から見ても明らかだったしな…でもこれから協力し合おうって時にこれじゃまずいな…おい、お前たち――」

おしょう「!」ブンッ

Pカチュウ「ひでぶっ!」

エグゼ「Pカチュウさあああああん!!」

Pカチュウ「」バタッ

エグゼ「つむぎさん!古株のあなたがびしっと言って2人を止めてくださいよ!」

つむぎ「グウ…」

エグゼ「ぐうの音出ちゃってる!?あ、そうだ姉御さん!いつもみたいにお願いします!」

ユニー「…」

エグゼ「え?『やらせておけ、仲間として対立しあうのも大事だ』って?そ、そんな…!」

おしょう「…」
シルフ「…」

Pカチュウ「お前たち…いい加減に、しろー!!」ビリビリッ

ドッカーン!!

おしょう「!?」
シルフ「!?」

Pカチュウ「空から電撃が落ちてきた…これって」

エグゼ「“かみなり”ですよ!新しいわざを覚えたんですね!」

Pカチュウ「“かみなり”…新技…スピード…はっ!これだ!!」

ポケモンたち「?」
139 : 1   2019/05/08 22:07:54 ID:1PFmlDp05M
~グレンジム~

カツラ「はい、今日はここまで―」

このみ「なかなか…ハードね…」ハァハァ

タケシ「流石の俺も体力が限界…」ゼェゼェ

カツラ「若者が情けないぞ~!」

このみ「誰が子供ですってー!?」

カツラ「そこまで言ってないよわし!?」ガビーン


~カツラの家~

カツラ「とりあえず休養はしっかり取っておくこと、これ大事!」

このみ「ねぇカツラさん。この写真の人たちって…」

カツラ「あぁこれね。わしの研究者仲間よ」

タケシ「あんたの隣に写ってる人、どこかで見たことあると思ったら…」

カツラ「フジか、そういえば君らとフジは面識合ったらしいね」

このみ「フジ老人…いつか謝りに行かないと…」

タケシ(まずい、話題を変えないと…!)「あ、あっちにはオーキド博士が!」

カツラ「あやつとも旧知の仲でね、昔からストレスに弱い奴だったよ、ははは!」

タケシ「よく見ると名の知れた研究者が多く写ってるな……ん、この人は知らないな、それとこの小さい子供も…でも子供の方はどこかで見たことがあるかも」

カツラ「その子供はマサキだよ、大人の方はマサキの父親さ」

このみ「へぇ、マサキくんにもこんな頃があったのね」

カツラ「マサキはポケモンが大好きで、何より父親のことが大好きだった。よくわしらの研究所に通っていてね、当時から頭がよくてわしらが予想もできないような多くの発想を出して驚かせていたよ」

タケシ「ちなみにマサキの父親は今どこに?」

カツラ「色々あってね…亡くなってしまったよ」

タケシ「あ…」
このみ「…」

カツラ「当時、わしとフジ、そしてマサキの父の3人でいでんしポケモンの研究を行っていた…あのポケモンやしきでね」
140 : 1   2019/05/08 23:04:14 ID:1PFmlDp05M
タケシ「いでんしポケモン!?ロケット団が造ろうとしてる例のあれをか!?」

カツラ「タケシくん、このみちゃん…わしはマサキがロケット団に関わる一連の黒幕ではないかと考えている」

タケシ「な!?」

このみ「どうして…そんな?」

カツラ「今となってはあの研究法はわしとフジ、そして研究所に通っていたマサキにしか知りえない。それに数日前からの転送装置のトラブル……わしもフジももう研究に未練はない、だがマサキ…あやつは昔…」

タケシ「思い返せばタマムシでの再会、それにシゲルが一緒とはいえ戦えないはずのあいつがロケット団のアジトに着いてきたこと…あれも何か裏があったとしたら…」

このみ「真偽はどうあれ、これは百合子ちゃんたちには言えないわね」

タケシ「あぁ…」

カツラ「…」

『人間はひどい…こんなことを平気でするなんて…わいは絶対に偉い学者になって父さんの研究を継ぐんや!そして世界を…ポケモンを…救うんや!』

カツラ(マサキ…)
141 : 1   2019/05/08 23:36:44 ID:1PFmlDp05M
翌日

Pカチュウ「――という感じのわざを考えてみた!」

百合子「確かに決まればかっこいいですけど、出来るんですか?“かみなり”ってエネルギー消費が激しいからコントロールが難しいんじゃ…」

Pカチュウ「出来るかどうかじゃない!やるのさ!絶対やって見せる!」

百合子「Pカチュウさんって根は熱血ですよね」

Pカチュウ「いい大人が、って思ってる?」

百合子「まさか!かっこいいと思ってます!」

おしょう「…」ギスギス

シルフ「…」ギスギス

百合子「で、あの2人はどうしたんですか?」アセアセ

Pカチュウ「ま、まあ昨日色々とな…」

ユニー「!」

……おや!? ユニーの ようすが……!

百合子「こ、この感じ!もしかして…!」

おめでとう! ユニーは
ギャロップに しんかした

百合子「進化だー!おめでとうユニー!」

Pカチュウ「やったな姉御!ここでの修行で経験値が蓄積されてたんだな!」

ユニー「…」フッ

Pカチュウ「俺も負けてられないな!よし、特訓だ!」

百合子(問題はおしょうとシルフ…ここはトレーナーとして私が一肌脱ぐとき…!)
142 : 1   2019/05/08 23:37:24 ID:1PFmlDp05M
ここまで
143 : ぷろでゅーさー   2019/05/10 14:37:08 ID:hI1XVzwEIg
せめて百合子はタイプ相性を覚えるべき
144 : 1   2019/05/12 16:46:00 ID:7c67R3E4aw
百合子「シルフー、一緒にご飯食べよ」

シルフ「!」ガツガツ

百合子「反応はやっ!」ガビーン

エグゼ「相変わらずの食欲ですね…」

百合子「あのね、食べたままでいいから聞いてほしいんだ。私、シルフには皆ともっと仲良くなってほしいんだ」

シルフ「…」

百合子「だから一緒にトレーニングを…」

シルフ「…」zzz

エグゼ「寝ちゃいましたね」

百合子「やっぱりそう簡単にはいかないね」

エグゼ「ポケモンも人間と同じで様々な性格がいますからね。まあボクみたいに素直な性格だったら手もかからなくていいんですけどね!」

百合子「ア、ソウダネ」

シルフ「…」zzz

百合子「喧嘩か…そういえばあの時のことを思い出すなあ」
145 : 1   2019/05/12 16:53:55 ID:7c67R3E4aw
~765プロライブ劇場~

静香『志保!何で昨日のレッスンに来なかったの!?』

志保『レッスンなら昨日したわ』

静香『皆と一緒に合わせようって話だったでしょ!』

志保『それ意味ある?レッスンなんて個人でやっても足りるでしょ』

静香『でもチームワークが――』

志保『個人で――』

百合子(また始まったよ…、どうしよう、止めた方がいいんだろうけど…)

P『お、2人ともなにやってるんだ?』ズンチャズンチャ

静香『…プロデューサーこそ何やってるんですか?』

P『見ての通り、ダンスさ!』

志保『それくらい分かりますよ。何で控室で踊ってるのか気になってるんですよ』

P『控室でギター弾いたりラーメン食べたりしてる人もいるんだし、俺が踊ってたって不思議じゃないだろ?』

志保『ま、まあ確かに…』

静香『おかしくない、ですね…』

百合子(いやいやいやいや!!)

P『実はさ、YouTubeで動画出そうと思ってさ!ライブ映像流出と見せかけて1時間42分53秒ずっと俺がダンスしてる動画を上げるってわけ!どうだいいアイデアだろ?』

静香&志保『どこがですか?』キッパリ

P『い、言うじゃないか…ははーん!さてはお前たち俺の華麗なダンスに嫉妬して毒舌なんだな!俺ってもしかしてお前たちよりダンスの才能あったりしてな!』

静香『なっ!流石に私の方が上手いです!』

P『じゃあこれから俺と静香と志保でダンスバトルだ!誰が一番上手いか決着付けようじゃないか!』

静香『いいですよ、やりましょう!』

志保『絶対に負けないわ!』

P『一番の下手だったやつは昼飯おごりな!よし、レッスン室に行くぞ!』

百合子『……』
146 : 1   2019/05/12 17:02:40 ID:7c67R3E4aw
志保『ちなみにPさん、その被ってる探偵帽子は?』

P『紬から(勝手に)借りた』

百合子(紬さん、絶対後でなんなんするやつだ!)ガビーン


エグゼ「そんなことがあったんですね」

百合子「今思えばあれは2人をわざと挑発してたんだよね、敵役演じて勝負に持ち込んで2人の意識を1つにしようと…」

エグゼ「彼の人の心を動かす才能はその頃から建材でしたか」

百合子「プロデューサーさんは52人のアイドルを団結させて引っ張ってきた。それに比べれば6匹のポケモンたちを団結させることくらいのことは私にだって出来るはず…だから私、諦めないで頑張るよ!」

エグゼ「その意気ですよマスター!」

百合子「頑張るぞー!」

エグゼ「おー!」


シルフ「…」
147 : 1   2019/05/12 23:19:40 ID:7c67R3E4aw
Pカチュウ「ふぅ…ようやく必殺技も完成に近づいてきたし、それとは別に考えた技も完成した…後は百合子がPTをまとめてくれさえすれば…!」


百合子「凄い!研究者が残した本かな!まさかこんなところでお目にかかれるなんて感激!」

エグゼ「あの、そんなことしてていいんですか――」

百合子「…」(読書中)

エグゼ「――って聞いてないし!」ガビーン

百合子「ん?何か言った?」

エグゼ「いや、もういいです…」ドヨーン

百合子「それより見て!大昔の石板の写真があるよ!文字はかすれて良く見えないけどこれポケモンが描かれているんだよね」

エグゼ「短い手に長い尻尾…これってもしかして幻のポケモン・ミュウなのでは?」

百合子「これがミュウ…そっか、ここってミュウやミュウツーの研究所だったんだもんね。もしかしたらもっと資料あるかも!」

エグゼ「見た感じ、あまり残ってなさそうですね。恐らく人に見られたらまずい、重要な類の物は処分されているはずです。仮に残ってても劣化してこの本みたいに読めない可能性が高いですよ」

百合子「そっか…少しでもミュウツーのことを知っておけば今後有利かなって思ったんだけどな~」

エグゼ「ボクはできればミュウツーみたいな規格外な相手とは戦いたくないですね」

百合子「ま、まあね。だからこそミュウツーが誕生する前にロケット団をどうにかしないとだね…」

ドッカーン!!

百合子「え?何事!?」

エグゼ「下の階からですね!」
148 : 1   2019/05/15 16:05:56 ID:eFRlr.e.jc
百合子「あれはブーバーと野生のポケモンたち!」

エグゼ「すでに戦っている皆さんに加勢しないといけませんね!」

ブーバー「…」ニヤッ

おしょう「!」クッ

百合子「“サイケこうせん”!」

ブーバー「!?」

百合子「おしょう、大丈夫?」

おしょう「…」コクッ

ブーバー「…」スッ

エグゼ「ブーバーが群れの中に姿を消しましたよ!」

百合子「自分は下がって、数で攻めようってことですね!だったらつむぎ!“なみのり”!エグゼ、“サイコキネシス”!」

つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」

エグゼ「ふんっ!!」

百合子「広範囲攻撃なら相手が何体いたって有効だもんね!特に相手はほのおタイプとどくタイプが多いからこれでほぼ確実に――」」

エグゼ「マスター!上!!」

百合子「え!?」

マタドガス「!」ニヤッ

百合子「マタドガス!そっか空中に逃げたんだ!」

マタドガス「!」ビュン

エグゼ「ボクに恐れをなして逃げましたね!」ドヤッ

百合子「いや…あの方向は…」

マタドガス「!」ニヤッ

シルフ「!?」ビクッ

百合子「シルフ!!」
149 : 1   2019/05/15 16:35:32 ID:eFRlr.e.jc
百合子「危ない!!」バッ!

シルフ「!?」

百合子「大丈夫!私が守るからね!」ニコッ

シルフ「…」


園長『え?このミニリュウを譲る!?どうして!?』
トレーナー『こんな弱いミニリュウ俺には必要ないスよ、んじゃ後はよろしく~』


係員2『可哀そうに、あのミニリュウ。よそ者だからミニリュウの群れからは仲間外れにされてずっと一人ぼっち…』
係員3『過去の経験からなのか、他人との距離を取っているみたい…』
係員4『ストレスなのかしら、あんなにたくさん食べて…』

『……』ガツガツ


子供1『おらおら!このやろうおらおら!』ゲシゲシ
子供2『よくも俺たちの餌勝手に食べたな!』ゲシゲシ
キョウ『こらー!園内のポケモンに乱暴はいけない!やめなさーい!!』

『……』

???『まあまあ子供たち』

『!?』チラッ

百合子『争いは良くないよ』


百合子「シルフは私の仲間なんだ!トレーナーとして、仲間として、絶対に守って見せる!!」

シルフ「…」ウルッ
150 : 1   2019/05/15 23:42:35 ID:eFRlr.e.jc
マタドガス「!」

エグゼ「危ない!!」

おしょう「!!」バッ

百合子「おしょう!!」

おしょうのネギと大根でマタドガスの特攻を間一髪で食い止めた!

おしょう「…」フンッ

シルフ「…」

マタドガス「!」パカッ

百合子(口を開けた…まさかっ!)

マタドガスの ヘドロこうげき!

おしょう「!?」

マタドガスは間髪入れずに“たいあたり”を仕掛けた
不意を突かれたおしょうはそのまま後ろに吹き飛ぶ

百合子「追撃が来る…助けないと――」

シルフ「!」バッ

百合子「シルフ!」

マタドガスとおしょうの間にシルフが割って入った!

シルフ「!!」

マタドガス「!!」

2体の額がぶつかり合う!
シルフの額から血が流れ落ちる
しかし、一歩も引かない!シルフの眼は真っすぐ目の前の敵を見据えていた
151 : 1   2019/05/15 23:50:16 ID:eFRlr.e.jc
おしょう「…!」

マタドガスの たいあたり!

シルフ「!」ドサッ

エグゼ「パワー負けしている!このままじゃシルフさんがやられる!」

マタドガス「!!」ビュン

エグゼ「また来た!」

マタドガスの ヘドロこうげき!

百合子「シルフ、右に避けて!」

シルフ「!」ヒョイッ

マタドガス「!?」

百合子「私も手伝うよ!一緒に勝とう!」

シルフ「!」コクッ

マタドガス「!!」モクモク

エグゼ「“えんまく”!?」

百合子「何だかセキチクジムでのバトルを思い出すね。あの時もシルフの相手はマタドガスでこうやって“えんまく”されてたんだよね…」

シルフ「…」

百合子「でもあの時とは心構えも何もかも全然違う、そうだよね!」

シルフ「!」コクッ

百合子「勝つよシルフ!“こうそくいどう”!!」

シルフ「!!」ビュン

マタドガス「!?」

エグゼ「“えんまく”から抜け出した!?」

百合子「行けシルフ!重量級の“のしかかり”攻撃!!」

どごっ!!
152 : 1   2019/05/16 00:05:38 ID:HipEnclSkE
マタドガス「…」フラフラ

ばたっ!

百合子「やった勝った!」

シルフ「!!」ピョンピョン

百合子「そっか、初めてバトルで勝ったんだもんね…シルフ、バトルに勝てて嬉しい?」

シルフ「!!」コクコク

百合子「そっか!」ニッコリ

おしょう「…」ポンッ

立ち去る間際、シルフの頭に翼を置くおしょう

百合子「おしょうなりに誉めてくれてるのかもね」

おしょう「…」フンッ


どんっ!!


ブーバー「!」ニヤッ

おしょう「!?」
シルフ「!?」

百合子「ブーバー!!」

ブーバーが攻撃態勢に入る
つむぎとエグゼがブーバーの前に立ちはだかろうとする…
が、他のポケモンたちがそれを遮った

ブーバー「…」スーッ

Pカチュウ「待て!!」

ブーバー「!?」チラッ

百合子「Pカチュウさん!!」

Pカチュウ「ブーバー、俺とサシで勝負だ!」
153 : 1   2019/05/16 01:14:52 ID:HipEnclSkE
百合子「もう!待ってたんですからね!」

Pカチュウ「ごめんな、必殺技の練習をしてたら遅くなった」

百合子「技の方は?」

Pカチュウ「ほぼ完成した!後は実戦で――」

ブーバー「…」

Pカチュウ「――試すのみだ!」

ブーバー「…」ニヤッ


Pカチュウとブーバーを避けるように百合子たちと取り巻きたちが後ろに下がり、2体を囲む。
これからの戦いを見守るように…
そして、その様子を上の階から見守る影が…

コダック「…」

瑞希「プロデューサーさんとやしきのボスであるブーバーの戦い…お手並み拝見です」


Pカチュウ「シルフ、よく頑張ったな」

シルフ「…」

Pカチュウ「後は俺に任せてゆっくり休んでな!」

百合子「Pカチュウさん、本当に大丈夫なんですか!?」

Pカチュウ「大丈夫だ、俺の編み出した必殺技を見せてやるぞ!」ニヤッ

ブーバー「!」ダッ
エグゼ「ブーバーが動き出しましたよ!」

Pカチュウ「よし、勝負だ!」

Pカチュウの でんこうせっか!

百合子「前はブーバーに防がれたわざ…!」

ブーバーは直進するPカチュウを待ち構えるかのように動きを止め、
そのまま片腕を前に出す!

百合子「またあの時みたいに!」

すっ!

ブーバー「!?」

百合子「え!?」

今まで直進していたはずのPカチュウが正に今、ブーバーに激突しようとしたその時!
“でんこうせっか”の動きが止まりそうになる、その瞬間に『再び』猛スピードのまま『上』に移動したのだ!
攻撃はブーバーの身体ではなく、顔に激突し、そのままブーバーを吹き飛ばすことに成功した!

百合子「“でんこうせっか”の2段階移動!?」

Pカチュウ「スピードを維持しながら軌道変更する…これが俺の新しい“でんこうせっか”だ!!」
154 : 1   2019/05/16 01:15:31 ID:HipEnclSkE
ここまで
ちなみに、このでんこうせっかはスマブラのあれです
155 : Pさぁん   2019/05/16 07:21:11 ID:yKIXN6DlDU
Pカチュウがかっこいいだと…?!
156 : 1   2019/05/17 23:33:30 ID:HQlyyWrRjI
Pカチュウ「“でんこうせっか”!!」

ブーバー「!!」ガハッ

エグゼ「凄い!変幻自在の動きで確実にダメージを与えています!」

ブーバー「…!」スゥ

ブーバーの かえんほうしゃ!

百合子「危ない!」

Pカチュウ「見せてやるよブーバー!」

ぴょんっ!!

エグゼ「跳んで避けた!」

百合子「やるつもりですね、『例のわざ』を!」

Pカチュウ「うおおおおおお!!」

Pカチュウの尻尾に電気エネルギーが集中していく
バチバチと音を鳴らし、激しく光り輝く尻尾はまさに小型の雷!

Pカチュウ「くらええええええええ!!」

ブーバー「!?」

跳びはねたPカチュウがそのまま尻尾をブーバーに振り下ろす
電気エネルギーを帯びた尻尾が対象に触れた瞬間、一帯を閃光と爆発音、そして煙で包み込んだ
次第に煙も晴れてきた
緊張感に包まれ、百合子は息をのんだ…そして――

Pカチュウ「……」

ブーバー「…」フラフラ

まるで爆弾が落ちてきた後のように、破壊されつくした床
その中心で不自然に立ち尽くしている2体のポケモン
片方は微力の電機を帯び、光が消えかけた尻尾を静かに下ろしている
もう片方は全身に電撃を浴び、ただただ立ち尽くしている
後者は一瞬だけ、上を見上げた
そしてそのまま――

ブーバー「」バタッ

後ろに倒れこんだ
157 : 1   2019/05/18 00:01:20 ID:jBSNbYN1JM
おしょう「…」フンッ

エグゼ「いやーあっぱれあっぱれ!嬉しさのあまり飛んだ首が戻らなくなりそうですよ!」ビョーン
つむぎ「!?」ビクッ
ユニー「…」ドヨーン

百合子「ついに完成したんだ…!これがPカチュウさんの…“かみなり”!」



瑞希「本来、外に放出するはずの“かみなり”をあえて身体の一点に集中させて、与える時の爆発力を高める刹那の破壊力…電撃と打撃の同時攻撃……驚きだぞ」



Pカチュウ「…」バタッ

百合子「ええーっ!?」
ポケモンたち「!?」

Pカチュウ「つ、疲れた…」

エグゼ「無理もないですよ、ただでさえエネルギー消費の激しい“かみなり”を無理やりコントロールしたんですから」

Pカチュウ「わざそのものは完成したけど、まだ連続で使うのは難しいかもな…」

百合子「それでも、一歩前進しましたよ!」

Pカチュウ「あぁ、俺たち『全員』揃って次のステージに進めそうだ…だろ?」

シルフ「…」コクッ

百合子(ようやく皆の心が一つになった…ここから私たち、もっと強くなれるんだ…!)


瑞希「行きましょうコダック、もう見張りは必要なさそうです」

コダック「…」テクテク

瑞希「七尾さん、プロデューサー、外で会うのが楽しみになってきました」
158 : 1   2019/05/18 00:20:43 ID:jBSNbYN1JM
数日後
~グレンジム~

このみ「ついに1週間が経ったわね、私たちは百合子ちゃんたちがやしきから出てきてここに戻ってくるのを待ってるわけだけど……あなたたち何やってるの!?」

瑞希「お出迎えの準備です」

カツラ「右に同じ♪」

このみ「三角帽子被ってクラッカー構えちゃって、これから誕生日パーティーでもするつもり?」ドヨーン

タケシ「そうだぞ、浮かれるのもいい加減にしろ」ドンドン

このみ「あなたもあなたで何で大太鼓叩いているわけ!?」ガビーン

タケシ「うるさい!俺だって気になってしょうがないんだ!」

このみ「逆ギレ!?それを言うなら私だって心配だわ!」

ガチャ!

カツラ「お帰りいえーい!!」パンッ

瑞希「いえーい」パーンッ

百合子「うっ」ガクッ

このみ「どうしたの百合子ちゃん!?」

百合子「永いことやしきに居たことで闇属性が私の身体を蝕んでしまい、今では陽の光を浴びると肌が焼き尽くされたかのような痛みで…」

このみ「良かったいつもの百合子ちゃんね」

タケシ「だな」

百合子「ひどいっ!」ガビーン

カツラ「いえーい!!」パンッ

瑞希「いえーい」パーンッ
159 : 1   2019/05/18 00:48:59 ID:jBSNbYN1JM
Pカチュウ「お、皆揃ってるな」

このみ「プロデューサー、元気そうでよかったわ」

タケシ「ちゃんと強くなって帰ってきたんだろうな?」ニッ

Pカチュウ「もちろん…俺も皆もな」

百合子「皆、こっちおいで!」

Pカチュウの後ろから…

おしょう「…」フッ
『カモネギ』のおしょうが現れ、

エグゼ「おしょうさん酷い!次はボクがかっこよく登場しようと思ったの…ぐへっ!」
つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」ドンッ
『ギャラドス』のつむぎに吹き飛ばされる『ポリゴン』のエグゼ、

ユニー「…」フッ
爽やかに微笑んでいる『ギャロップ』のユニー

このみ「ユニーちゃん、進化したのね!」

カツラ「ほぉ、これはなかなか…!」

百合子「ほら、シルフも!」

そして最後に入ってきたのは、

シルフ「…」
『ハクリュー』のシルフだ

タケシ「お前も進化したのか…」

このみ「随分とスリムになって…見違えたわね、素敵よ」

シルフ「…」ニコッ

百合子「改めて、全員!戻ってきました!!」
160 : 1   2019/05/18 01:02:28 ID:jBSNbYN1JM
~グレンタウン~

百合子「ついにこの時が来ましたね…」

Pカチュウ「あぁ、決着の時だ…!」

タケシ「目指すはヤマブキシティ!」

このみ「ロケット団を倒して…!」

百合子「今度こそカントー地方に平和を!!」

瑞希「大丈夫です、皆の力を合わせればどうにかなります」

タケシ「お前も来てくれるのか!?」

瑞希「もちろんです…がんばるぞ」

Pカチュウ「頼もしいな」

カツラ「わしも本当は手伝いたいところだけど…」

ウインディ「」
ギャロップ「」
キュウコン「」

カツラ「百合子ちゃんとのバトルでわしの手持ち全滅しちゃってるからね~、もう百合子ちゃん、君強くなりすぎでしょー」

百合子「あはは…」

カツラ「ってのは冗談で、わしはわしでこの島を守らなくっちゃいけない。尻ぬぐいさせてしまって悪いが、君たちに全てを託そう」

百合子「カツラさん…大丈夫です!必ず全て終わらせてきます!!」

Pカチュウ「任せとけ!」

カツラ「ありがとう…」
161 : プロデューサー君   2019/05/18 01:04:59 ID:NoopG56XNE
支援
162 : 1   2019/05/18 01:06:32 ID:jBSNbYN1JM
瑞希「カツラさん、長い間お世話になりました」

カツラ「瑞希ちゃん…こんなこと言うのもなんだけどね、わしは君を本当の家族のように思っていたんだ」

瑞希「私はそうでもないです」キッパリ

カツラ「そんなー!」ガビーン

瑞希「…冗談です。私もここでの生活楽しかったです。また帰ってきます」

カツラ「あ、あぁ…いつでもおいで。もちろん君たちも」

百合子「はい!」

Pカチュウ「それじゃあヤマブキシティに向けて出発だー!」

このみ「出発はいいけど、また泳いでいくの?」

Pカチュウ「あ…そっか…そうなるのか」

タケシ「ノープランかよ!?」ガビーン

瑞希「大丈夫です、移動手段は用意してあります…えいっ」

ボンッ!
プテラ「ギャアアアス!!」

Pカチュウ「プテラ!」

瑞希「彼に乗ってヤマブキシティまでひとっ飛びです」

百合子「それじゃあカツラさん!行ってきます!!」

カツラ「あぁ、行ってらっしゃい!!」

ビュンッ!!

カツラ「…頼んだよ、瑞希ちゃん、百合子ちゃん、皆……マサキを頼む」
163 : 1   2019/05/18 01:12:22 ID:jBSNbYN1JM
百合子「翼竜の背に乗って空の冒険…感激です」ウットリ

Pカチュウ「うっとりしてるところ悪いけど、百合子、やしきの方角見てみろよ。あっちでお見送りだぞ」

百合子「?」


ブーバー「…」b

ガーディ「わおーん!!」
マタドガス「!」モクモク
ポケモンたち「ぐおおおおおおお!!」


瑞希「ポケモンやしきのポケモンたち…」

百合子「みんなー!ありがとー!!またねー!!」

瑞希「野生のポケモンたちと仲良くなれるなんて、凄いですね」

百合子「皆には修行付き合ってもらったし、本当に感謝してるんです」

Pカチュウ「あいつらにもまた会いに行きたいな」

百合子「そうですね」

Pカチュウ「俺と百合子、ポケモンたち!タケシ、このみさん、瑞希も!このメンバーでなら絶対に勝てる!」

タケシ「当然だ」

このみ「お姉さんにまっかせなさい!」

瑞希「勝利のぶい、だぞ」

百合子「いざ出陣!大いなる風の戦士たちよ!」

クリムゾンバッジを てにいれた!
真壁瑞希が なかまになった!
164 : 1   2019/05/18 01:13:02 ID:jBSNbYN1JM
物語もついに終盤
ヤマブキシティ・シルフカンパニー編に続く!
165 : 1   2019/05/21 22:56:15 ID:BQzmB029oc
~ヤマブキシティ入り口~

ロケット団員13「止まれ!この町は今立ち入り禁止だぜ!」

百合子「ダメですか?どうしても観光したくって…」

ロケット団員13「観光?お前たち旅人か?」

百合子「私の名前は『リリィ』、警部です」

ロケット団員13「後ろの連中は?」

このみ「私は大女優の『シンシア』よ」

瑞希「私は『ミルズ』、支配人をやっている者です」

ロケット団員13「…その後ろの男は?」

タケシ「ふっ、俺は――」

百合子「露出狂です」

ロケット団員13「露出狂ぉ!?」ガビーン

タケシ「えぇ!?」ガビーン

百合子「はい、彼を拘束し本部に護送中なのです」

タケシ(今更ながら、何で俺はこんな役目を…)グヌヌ

ロケット団員13「おいお前、さっきは観光とか言ってなかったか?」

百合子「え、えぇ!ワタシソンナコトイイマシタッケ?アハハハ」

Pカチュウ(落ち着け百合子、せっかく変装して忍び込もうとしてるのにバレたらまずいぞ)

ロケット団員13「…さっきから気になってたけど、お前が抱えている、そのピカチュウは…」

百合子「これぇ⤴!?こここ、これはそう!ぬいぐるみです!ほら、ほっぺを押すと喋るんですよ!」プニッ

Pカチュウ「ぴ、ぴかちゅー」(裏声)

ロケット団員13「ちょ、ちょっと触ってもいいか?」

このみ「どうしましょう、ノッてきちゃったわよ」ボソッ

瑞希「とりあえず見守っていましょう」

このみ「…もしかしてちょっと楽しんでる?」

瑞希「…」ポッ
166 : 1   2019/05/21 23:04:08 ID:BQzmB029oc
ロケット団員13「えい!」プニッ

Pカチュウ「ぴかちゅー」

ロケット団員13「えいえい」

Pカチュウ「ぴかぴかちゅー」

ロケット団員13「か、かわいい…!もうい・ち・ど!」プニィッ

Pカチュウ「ぴ……っち、いてぇなぁ…!」ボソッ

ロケット団員13「え!?今ぬいぐるみが喋って…」

百合子「いえいえいえいえいえいえ!これは腹話術!腹話術なんです!!」

ロケット団員13「随分低い声だったけど?」

百合子「演技力には自信があるんですよ!警察やめて声優になっちゃおっかなーあははははは!!」

ロケット団員13「…」(ドン引き)

百合子「あは…あは、は…」アセダラダラ

ロケット団員13「まあいいや、お前ら通っていいぞ」

このみ「あらありがとう!ほら警部さん!早く行きましょう!」

百合子「え?あ、はい!」

タケシ「おい、俺を置いてくな!」

瑞希「君のヒゲに乾杯」

ロケット団員13「いや、俺ヒゲねぇよ…」

一行が町に入っていく様子を黙ってみているロケット団員
そして、隠し持っていた通信機を取り出した

ロケット団員13「…こちら、見張り。予定通り百合子一行をヤマブキシティに入れた。後は手筈通り頼む」
167 : 1   2019/05/22 15:31:40 ID:8zcQYdhSiw
~シルフカンパニー1階~

ロケット団員14「百合子一行はもうじきここにやってくるだろう…」

ロケット団員15「間抜けにも全員入ってきた所で一網打尽にしてやるぜ!」

ロケット団員16「へへへ、昇進は約束されたも同然…!」

ロケット団員17「お、自動ドアが開くぞ!」

ロケット団員18「全員かかれ!!敵はピカチュウを使う!じめんタイプで攻めて――」

このみ「ルージュラ、“ふぶき”!」

ロケット団員19「な、なにぃ!百合子じゃないぞ!」

ロケット団員20「怯むな!こおりタイプにはほのおタイプをぶつければいいんだ!」

タケシ「イワーク、“じしん”で蹴散らせ!!」

このみ「タケシくんナイスフォローよ!」

ロケット団員21「おい、よく見たら百合子とピカチュウがいないぞ!どういうことだ!?」

ロケット団員22「こいつら、たった『2人』で乗り込んできやがった!!」

このみ「あなたたちは私たちだけで十分ってことよ!さあかかってらっしゃい!」

ロケット団員23「何だとこのアマァ!!」

このみ「キュウコン、“だいもんじ”!ストライク、“きりさく”!!」

ロケット団員24「くそっ、このみ様と同じポケモン使いやがって!」

ロケット団員25「憎き百合子一行め!サカキ様とこのみ様の仇だ!!」

このみ(いや、本人なんだけど…まあもういいわ…あの過ちを悔やんでいるからこそ、私はロケット団と戦うって決めたんだから…!)

ロケット団26「半裸野郎を潰せぇ!!」

ロケット団27「覚悟しろ変態野郎!!」

タケシ「かかってこいよ悪党、俺は誰の挑戦でも受ける!」

このみ「足腰効かなくなるまで相手になってあげるわ!」
168 : 1   2019/05/22 15:55:51 ID:8zcQYdhSiw
数分前
~ヤマブキシティ~

瑞希「では予定通り、ここからは別行動をとりましょう」

このみ「私とタケシくんでシルフカンパニー正面から乗り込んでいく」

タケシ「俺たちが暴れている間に…」

瑞希「はい。私は裏から侵入し、どこかに閉じ込められている町の人々を解放します」

タケシ「あんたは俺たちの中で唯一顔を知られてないからな、適任だ」

百合子「そして私とPカチュウさんも別の場所から侵入!」

Pカチュウ「敵がこのみさんたちに気を取られている間に、敵のボスに奇襲、か」

瑞希「気をつけてください、敵もミュウツー以外の未知の力を隠し持っている可能性があります…その時は全員が合流するまで深追いせず逃げてください」

このみ「ミュウツーが完成していないとしても油断は禁物ね」

Pカチュウ「じゃあ、そろそろ行くか」

百合子「あの、皆!せっかくだから、円陣組みませんか?」

瑞希「士気を高めるには最適ですね」

このみ「ふふっ、ライブ前を思い出すわね」

タケシ「最も俺たちが今から行くのは戦場だけどな」

Pカチュウ「皆、健闘を祈る」

百合子「行きますよ皆!!ファイト―!」


おーっ!!

百合子「じゃあ気をつけて…!」

このみ「待って百合子ちゃん、行く前に話しておくことがあるわ」

百合子「え、話しておくことって何ですか?」

このみ「今ロケット団を操っている者の実態…私たちの敵の正体よ」
169 : 1   2019/05/22 20:28:56 ID:8zcQYdhSiw
時が戻り
~シルフカンパニー最上階~

マサキ「なんや、下が騒がしいなあ」

???「なんでも例の侵入者どもがやってきたみたいですぜ」

マサキ「ふーん…じゃあ片づけ頼むわ」

???「いいんですか、俺様が暴れても?」

マサキ「かまへん。思う存分やったれ」

???「ひゃっほおおおおおい!!」ビュン

マサキ「ふぅ、研究も最終段階まで行ってようやく一息ついてたって時に、全く無粋な連中や…まあええわ、今からわいは外を眺めながらゆっくりティータイムを…ん、なんやあれ?」

マサキが見たのは、向かいにある高層ビル
その最上階に人影…それも何か乗り物に乗った影が見えた

マサキ「あ、あれってまさか…」


百合子「準備はいい、ユニー?」

ユニー「…」フフッ

Pカチュウ「…一応確認するけど、マジでやるの?」

百合子「何事も思い切りが大事ですからね!では、行きますよ!!」


マサキ「影が…こっちに跳んでくる!!」

ガッシャーン!!

マサキ「ひえええええええ!!」(全力逃走)

百合子「ふっ!決まった!」(流血)

Pカチュウ「刺さってる!頭にガラス刺さってる…って俺もだ!」(流血)

マサキ「全くシゲルと言い!どうしてこの手の連中は窓ガラス割って突撃してくるんねん!!」
170 : 1   2019/05/22 22:05:47 ID:8zcQYdhSiw
百合子「…実際に見るまでは信じたくありませんでしたよ…マサキさん!あなたが黒幕だったんですね!」

マサキ「なんや、まるで事前に知ってたみたいな口ぶりやんけ?」

百合子「このみさんが聞いたんです。ミュウツーの研究は特定の人物しか知りえないことであると…だからカツラさんはあなたが黒幕である目星をつけていたと、そう言っていたことを!」

マサキ「カツラのじっちゃん…そうかグレンタウンに行ったんやな。ということは7つ目のジムバッジを手に入れたっちゅーわけか」

Pカチュウ「今はそんな話どうだっていいんだよ」

百合子「Pカチュウさん…?」

Pカチュウ「タマムシのゲームセンターでお前に会った時、初めて会った気がしないと思ってた…あの時それはお前が有名人だからだと思った、けど違った…俺たちは過去に出会ってたんだ!」(過去スレ118参照)

マサキ「…そう、お前らはマサラタウンで目覚めたと思っているようだがそれは真実やない、お前らはハナダシティで目覚めたんや。何故ならお前らをこの世界に連れてきたのは、わいやからな!」

Pカチュウ「じゃあ俺の記憶が混濁してたのも…」

マサキ「わいが操作したからや」

百合子「マサキさんの家に向かう時、Pカチュウさんの様子がおかしかったのも記憶の影響…」

マサキ「記憶を失っても刻まれてたんやろうなあ、トラウマっちゅーものが!」

Pカチュウ「くっ…!」

マサキ「さあおしゃべりは終わりや!わいを倒しにきちゃんやろ?だったら敵地で悠長にやってたらあかんで!!」

ボンッ!
ボンッ!
天井からモンスターボールが降ってきたかと思えば、あっという間に大勢のポケモンたちが部屋に現れた

マサキ「いてもうたれ!!」
171 : 1   2019/05/23 00:15:57 ID:gqPkGOdzyM
Pカチュウ「これだけのポケモン、一体どこから!?」

マサキ「こいつらはボックスに預けられていたポケモン。この装置を使って、今はわいの手駒や!」

百合子「他人のポケモンを操っているんですか!?そんな酷いことを…!」

マサキ「酷い?わいにいわせりゃ人間の方が酷いわ!だから変えるんや、わいの力でこの世界の根底を!!」

Pカチュウ「何訳の分からないことを!百合子、あっちはやる気だ!俺たちも迎え撃つぞ!」

百合子「そうですね、話はマサキさんを倒した後にしましょう!」

ボンッ!

百合子「皆、行くよ!!」

Pカチュウ「総力戦だ!!」

百合子「つむぎ、“なみのり”!おしょう、“かまいたち”!」

マサキ「くっ!お前たち、どんどん攻めるんや!!」

百合子「エグゼ、“サイコキネシス”!ユニー、“ふみつけ”!シルフ、“たたきつける”!」

マサキ「馬鹿な!この軍勢と渡り合ってる!?そないなことがあるはずがない!!」

Pカチュウ「こいつらだって元のトレーナーと鍛えているんだろうけど、洗脳されてる上にチームワークもない集団なんて怖くないね!」

百合子「私たちは野生のポケモンの群れと一週間戦い続けてきたんです!彼らの方がもっと強かったですよ!」

マサキ「ぐっ!だったらこれでどうや!!」

ボンッ!
172 : 1   2019/05/23 00:24:51 ID:gqPkGOdzyM
フリーザー「ぐおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

百合子「フリーザー!そうか、あの時ボックスに預けられたから!」

マサキ「ははは!伝説のポケモン・フリーザーや!流石のお前たちもこいつには手こずるはずや!!」

百合子「そうですね…」

マサキ「はっ!潔いやないか!」

百合子「え?」

マサキ「え?」

百合子「確かに手こずりますね…けどそれは前の話」

Pカチュウ「!!」ビュン
フリーザー「!?」
マサキ「んなアホな!フリーザーに向かっていった!?」

百合子「今の私たちは、もう負けませんよ」

Pカチュウ「くらえ――」

10 ま ん ボ ル ト ! !

Pカチュウ「…」バチバチ

フリーザー「…」バタッ

マサキ「フリーザーが倒された!いくら相性が悪かったといっても伝説のポケモンをたった一撃で!?」

百合子「マサキさんがどんな手を使ってきたとしても、私たちは絶対に勝って見せます!!」

マサキ「勝つ…はは、もう勝った気になっとるんか?」

Pカチュウ(そうだ、こいつにはあれがある…)

マサキ「お前らに見せたるわ!造られし最強のポケモンを…っ!!」
173 : 1   2019/05/23 00:25:40 ID:gqPkGOdzyM
続く
174 : 師匠   2019/05/23 08:55:38 ID:uiTgcz7wFg
造られしポケモン…ポリゴン!
175 : 1   2019/05/23 22:45:01 ID:gqPkGOdzyM
>>174
実はポリゴンはスパイという設定があったけど、色んな都合でカットした、という裏話があったり
176 : 1   2019/05/23 22:53:26 ID:gqPkGOdzyM
マサキがスイッチを押すと、マサキの背後の床から巨大な装置がせり上がってきた
装置には人ひとり分が入れるくらいの空間スペースが左右に接続されていた
そしてすでに左側には培養槽が入っており、その中には生き物が眠っていた

百合子「あの機械!マサキさんの家にあったやつと同じ!」

Pカチュウ「そんでもってあの液体の中にいるのが…」

マサキ「そう、ミュウツーや」

Pカチュウ「まさか完成していたとはな…」

マサキ「いいや、あれにはまだ足りないものがある」

百合子「足りないもの?見たところもう生き物の形をしてますし、これ以上何が必要と?」

マサキ「心や」

百合子「心?」

マサキ「あのミュウツーは生き物の形をしているだけの人形にすぎんのや。何故なら心がないから…心を入れさえすれば完璧な生物…ポケモンが完成するんや!」

そう言うと、マサキは百合子たちに背を向き、装置へと歩き出した

Pカチュウ「逃げる気か!?」

マサキ「言ったやろ?見せてやる、ってな…」

百合子「(あの装置はマサキの家にあったもの…ポケモンと合体したマサキさんがあの中に……合体…)ま、まさか…!?」

マサキ「そう!わいはミュウツーと1つになって、最強のポケモンとして転生するんや!!人間という穢れた殻を破り、新たな生命として転生を果たす…これがわいの真の目的や!!」

百合子「なっ!?」

マサキ『せや。だがわいは今、更にそのもう何段階先を研究しとるんや』
百合子『更に先の段階って?』

百合子「…!」

マサキ『まあ、いずれ世界中に大々的に公表する予定なんや、その時ぎょうさん語ったるさかい、それまで待っとってよ』

百合子「あの時言ってたことって、そういうことだったんだ…!」
177 : 1   2019/05/23 23:09:09 ID:gqPkGOdzyM
百合子「ポケモンと合体して困ってたんて嘘だったんだ、あれも実験の1つだったんですね…!」

マサキ「そうや、わいはあんなに楽しんでたのに、あの日お前が来たせいで台無しやったんやで」

百合子「っ!」

Pカチュウ「…さっきから黙って聞いてれば、ポケモンと合体だと!そんなこと出来るはずがないだろ!!」

マサキ「必死やな」

Pカチュウ「何!」

マサキ「認めたくないんか、それともギャグで言ってるんか…お前はそれなりに頭がいい、もう大体察してるんやろ?」

Pカチュウ「…!」

マサキ「自分の口からは言いたくありません、ってか?ならはっきり言ったるわ!」

Pカチュウ「やめろ!!」

マサキ「Pカチュウ…お前はわいの実験の…人間とポケモンの合体実験の最初の成功体なんやで!」
178 : 1   2019/05/23 23:21:21 ID:gqPkGOdzyM
百合子「Pカチュウさんが!?」

マサキ「今まで疑問に思わなかったわけでもないんやろ?人がなぜポケモンになったかってことに!」

Pカチュウ「……微かだけど、記憶にこびりついている、嫌な記憶……この世界にやってきて、俺を縛り付けた後、あのでっかい装置に…!」

マサキ「そうや、文字通りお前は実験ネズミだったんやで!あははははは!!」

百合子「そんなことのために、私たちをこの世界に…!」

マサキ「…」

Pカチュウ「っ!こうなったらお前を止めて――」

がんっ!
百合子たちの前に立ちふさがったのは、見えない壁…!

マサキ「バリヤードは見えない壁を作ることが出来る…さっき倒される前に張らせておいたんや…」

百合子「これじゃあ近づけない!」

マサキ「さあ、装置の中に入った…ミュウツーの配置もOK…後はこのスイッチを押せばええ、それで全てが終わる…」

百合子「待って!マサキさん!!」

マサキ「わいはずっとこの計画の成功する瞬間を待ち焦がれてきたんや!これ以上待てんわ!!」

Pカチュウ「マサキイイイイイ!!」

マサキ「わいはこれからポケモンとして第2の人生を手に入れるんや!!」

扉が静かに締まる
百合子とPカチュウが最後に見たのは、不敵な笑みを浮かべるマサキの表情だった
179 : 1   2019/05/23 23:33:23 ID:gqPkGOdzyM
~シルフカンパニー1階~

このみ「ふふっ、もう終わり?」

ロケット団員28「くっ!こいつらつえぇ!」

タケシ「このみ!こいつら倒して早くみんなと合流するぞ!」

このみ「そうね、それじゃあセクシーにフィニッシュよ!」

タケシ「いや、普通にフィニッシュでいいよ」ドヨーン

ドンッ!!
このみたちが今いる1階…エントランスホールの上空から、突然巨大な何かが降ってきた!

???「ガハハハハ!!いたぜ!うじゃうじゃと人間たちが!!」

その者は巨大な生き物っぽいもの…としか言いようがなかった
何故生き物かわかるかというと、それはこの『何か』が口をきいているから
っぽいもの、と表現したのはそれの全身がモザイクで隠されていたから

このみ「何このモザイクの塊!?」ガビーン

タケシ「俺が知るか!」

ロケット団員29「な、なんだこいつは!」

ロケット団員30「化け物…!!」

???「人のこと化け物言うなんて心外だぜ!」

このみ(ん?ロケット団も知らないの…?)

???「俺はれっきとした『ポケモン』だぜ!その証拠に…!」

ポケモンと名乗ったモザイクの化け物は口と思わしき部分からエネルギーを放出した

???「こうやってわざも放てる」ニヤッ

ロケット団員31「ひえええええ!」

ロケット団員32「た、助けてくれえええええええ!!」

タケシ「まずい!逃げろ!!」

このみ「っ!!」ボンッ
180 : 1   2019/05/23 23:41:53 ID:gqPkGOdzyM
1階全域は謎のポケモンによる攻撃により、大惨事だった
一帯は爆発により吹き飛び、1階にいたロケット団員たちは全滅…吹き飛んだ衝撃で気絶している

???「しまった!味方まで吹っ飛ばしちまった…ま、いっか!侵入者どもに手こずってるような兵隊はいらねぇ!」

タケシ「な、なんてやつだ…」

???「お前らは生きてたか、侵入者!いいね、そうこなくっちゃ来た甲斐がない!」ニヤッ

プクリン「…」バタッ

このみ「ありがとう…プクリン」

???「そのプクリン、大した防御力だな…倒れたとはいえ、バトルに特化して造られた俺様の攻撃を防ぐとは、敵ながらあっぱれだ!」

このみ「あなた何者?」

タケシ「ポケモンとか言ってたけど、お前のような自主規制の卑猥物みたいなの俺は知らないぞ!」

???「知らないのは無理はない…だって俺様はマサキ様に造られしポケモン、世間の連中が知りえない存在…!」

このみ「造られたポケモン…」

???「俺様の名は『けつばん』!152番目のポケモンだ!!」
181 : 1   2019/05/23 23:43:44 ID:gqPkGOdzyM
続く!
182 : レジェンド変態   2019/05/23 23:48:42 ID:wiajiHsdsA
1はポケモン何世代?ミリシタのメイン層だと金銀〜RSE?
183 : プロデューサーはん   2019/05/23 23:49:40 ID:gqPkGOdzyM
>>182
がっつり初代の世代です
184 : 番長さん   2019/05/24 06:54:36 ID:grkbE2te5A
ピカチュウ…、合体…、う、頭が…。
185 : 1   2019/05/24 23:31:14 ID:1tuySEe5wE
~シルフカンパニー地下室~

瑞希「さあ、皆さん…早く外に逃げてください」

町民1「た、助かった!」

町民2「ありがとう!」

社長「どこのどなたか存じませんがありがとうございます!わしはシルフカンパニーの社長をやっている者です」

瑞希「ここの社長さん、ですか」

社長「突然ロケット団に襲われて、ここに監禁されていたんです!けど、あなたのおかげで助かった!ぜひお礼をさせてほしい!!」

瑞希「いえいえ、お気になさらずに」

社長「それじゃあわしの気が収まらん!あなたにはこのマスターボールを差し上げます!」

瑞希「マスターボール?」

社長「これはわが社が極秘で開発していたモンスターボール、その完成品です。このマスタボールはどんなポケモンも確実に捕まえることが出来るんです!ぜひあなたに使っていただきたい!!」

瑞希「そうですか…ではせっかくなのでいただきます。なので、あなたも早く安全な場所に避難してください」

社長「分かりました!お気をつけて、勇気あるポケモントレーナーさん!」タッタッ

瑞希「…さて、これで全員脱出させたはず…」

サイキッカー「そこのお嬢さん!!」

瑞希「まだ逃げてない方がいましたか、あなたも早くこの場所から――」

サイキッカー「その前に!あなたに手伝っていただきたいんです!我が主、ナツメ様が今大変なことになっているのです!」

瑞希「その話、詳しく聞かせてくれませんか?」
186 : 1   2019/05/24 23:39:48 ID:1tuySEe5wE
サイキッカー「ナツメ様は百合子さんたちとの戦いで念力を使いつくしてしまいました。その上、永いこと牢屋に閉じ込められていて、心身ともに苦しい状態なのです!」

瑞希「それは大変ですね、早く助けましょう」

サイキッカー「感謝します!ナツメ様!人を連れてきました!!」

ナツメ「う、うぅ…」

瑞希「ジムリーダーのナツメさんですね、お怪我は…」

ナツメ「うあああああああ!ゲエエエエムしたああああい!したいよおおおおおおおおお!!」

瑞希「…」

サイキッカー「ナツメ様!長時間ゲーム出来ずにいたので、苦しいのですね!!私もとても心を痛めておりますぞ!!」

瑞希「……かける言葉が見つからないぞ」

サイキッカー「瑞希さん!私は一体どうすれば!今の私はナツメ様の助けになるのでしょうか!?」

瑞希「彼女を背負ってここから出てください」アッサリ

サイキッカー「わ、分かりました!」

ナツメ「ゲーム!ゲーム!ゲーム!」

サイキッカー「ナツメ様、すみません!いつもいつもゲームはやめなさいと言ってきたけれど、こんなになるなんて思わずに!これからは好きなだけゲームしてください!私も協力プレイ手伝いますぞ!!」ナミダドバー

瑞希「甘やかしている親と甘やかされている子供を見ている気分になってきました……どよーん」

サイキッカー「というわけですので、我々は先に外に出ます!」

瑞希「分かりました、他に何か問題はありますか?」

サイキッカー「いえ特には!せいぜい…」


シゲル「」カッチーン


サイキッカー「あそこに氷漬けにされている少年が取り残されているくらいですね」

瑞希「あっちの方が深刻だったぞ……びっくり」
187 : 1   2019/05/25 00:06:25 ID:QBbagTOEMk
~シルフカンパニー1階~

このみ「152番目のポケモン!?けつばん!?何よそれ!!」

けつばん「ミュウツーを造り出す実験の過程で生まれた存在、それが俺様!つまるところミュウツーのプロトタイプみたいなもんだな!」

タケシ「こんなモザイクがポケモン…」ドヨーン

けつばん「おっと変態男、人を見かけで判断しちゃあいけないぜ!」チッチッ

タケシ「お前も今、人のこと見かけで判断したよな!」

けつばん「なんだぁーっ!てめぇ文句あんのか!!」ドシドシ

タケシ「逆ギレした!」ガビーン

このみ「ものすごっく面倒くさい性格ね」ドヨーン

けつばん「お喋りは終わりだ!お前らの未来は『俺に倒される』か『俺に倒される』か『俺に倒される』かのどれかだ!!」

このみ「全部一緒のようだけど!?」

けつばん「くらえ!“わざマシン19”!!」

けつばんの口と思われる場所から巨大なエネルギー波が放たれた!
2人はとっさに避ける!

このみ「きゃあっ!」

タケシ「ぐわっ!!」

しかし、エネルギー波が通り過ぎた時の余波で吹き飛んでしまった

けつばん「“わざマシン16”!」

タケシ「今度はエネルギー弾!?」

このみ「しかもあれ、モンスターボールにそっくりじゃない!」

2人は攻撃を避けるために動き出す…
が、エネルギー弾が床や壁に触れた瞬間に起きる爆発の衝撃で無傷では避けられない!

このみ「さっきから何よ、そのでたらめなわざは!?」

タケシ「しかもこいつ凄く…」

けつばん「ガハハハハハハ!!最強!!俺様最強!!」

タケシ「強い…!」
188 : 1   2019/05/25 00:07:19 ID:QBbagTOEMk
続く!
ちなみにけつばんの技はバグ技の一覧を参考にしてます
189 : 1   2019/05/26 23:41:49 ID:vcnSUSqp9M
けつばん「3割程度しか実力だしてないってのに、もしかしてこれでもう終わっちゃうかぁ~?」ニヤニヤ

タケシ(これでもまだ本気じゃないのかよ…!)

このみ「勝ち誇ってるようだけど、勝負はまだ――」

けつばん「――最後まで何が起こるかわかりません!希望を信じれば勝機は必ず見つかります、ってか?」

このみ「っ!」

けつばん「そんな感情論はな、圧倒的なパワーの前には無力だ!世の中ってのは、優れた力を持つ選ばれた才能の持ち主こそが頂点に立てるんだ!お前らの雑魚ポケモンはもちろんのこと、お前ら劣等種が逆立ちしたって俺には勝てねぇんだよ!!」

タケシ「こいつ…っ!」

けつばん「あの百合子ってのも同じさ……俺にもミュウの細胞の一部が入ってるからわかるんだ」

けつばんは最上階の方を見上げた

けつばん「ミュウツーの誕生はもうすぐだ、百合子とそのポケモンたちの最期は、もしかしたらお前らよりも早いかもなあ…!」
190 : 1   2019/05/26 23:49:37 ID:vcnSUSqp9M
~シルフカンパニー最上階~

つむぎ「!!」ドンドンッ

Pカチュウ「ダメだ、ぶつかってもビクともしない!」

百合子「どうにかしてこの壁壊さないと!」


マサキ「いや、その必要はもうない」


百合子「!?」

Pカチュウ「装置の扉が開いていく…」

中から出てきたのは、マサキともミュウツーとも言えない、その中間の…別の生物が姿を現した

マサキ「これがわいの、新たな姿…素晴らしいパワーを感じるで…!」

百合子「マサキさん…本当に人間じゃなくなっちゃたんですか…」

マサキ「百合子、お前らでこの力、試させてくれや…」スッ

!?
Pカチュウ「まずい!避けろ!!」

マサキの手のひらから “サイコキネシス”が放たれた!
その念力は百合子たちが破壊できなかった壁ごと、百合子たちを吹き飛ばしたのだった!

百合子「いった…い…」

マサキ「うまく回避したなあ…いや、わいの力のコントロールがへたっぴなせいか…まあどちでもええわ」

Pカチュウ「百合子、来るぞ」

マサキ「次は当てるわ」ニヤッ

百合子「私たちだってやられっぱなしじゃない!たとえ相手がマサキさんだろうと絶対に勝ちます!!」
191 : 師匠   2019/05/31 20:27:00 ID:Jhd7DAI7xI
上げ
192 : 1   2019/05/31 20:45:26 ID:KGMLncQZ9w
Pカチュウ「行くぞマサキ!!」

マサキ「あぁ、さっさとこいや」チョイチョイ

Pカチュウ「強気なのも今のうちだぞ!」ビュンッ

マサキ「“でんこうせっか”か、そんなもん受け止め――」

シュッ!
マサキ「消えた!?」

Pカチュウ「ここだっ!」

マサキ「さっきまで正面にいたのに、いつの間にわいの頭上に!?」

百合子「スピードを維持しつつ軌道を自在に変えられるPカチュウさんの“でんこうせっか”!私たちだって遊んでたわけじゃないんですよ!!」

マサキ「馬鹿め!空中なら攻撃を避けることができへんやろ!」バッ

Pカチュウ「それはどうかな!」

Pカチュウは空中で“でんこうせっか”を発動!
超加速のまま、マサキの顔面に突っ込んでいった!

百合子「やった!」

マサキ「…で?」ニヤッ

Pカチュウ(全然効いてない…だと…)

マサキ「確かに変幻自在で翻弄させられたわ…けど、わいを倒すにはパワー不足や」

放たれた“サイコキネシス”によりPカチュウは吹き飛んだ

マサキ「どうや、百合子!『この身体』の力は!科学力の前にはお前らの努力なんて取るに足らないってことが証明されたなあ!」

百合子「っ!」

マサキ「わいだけやない!わいが造り出した『けつばん』っちゅーポケモンをさっき解き放った!タケシもこのみもけつばんにぶっ飛ばされるのも時間の問題や!」

百合子「あの2人はそう簡単にやられませんよ!そ、それに私たちだって負けませんし!」プンプン

マサキ「百合子、最強カードってのはどんな盤面でも出せば必勝だからこそ最強なんや。お前らの貧弱な手札じゃわいらには勝てへん」

Pカチュウ「へ、へへ…最強、カードか…」

マサキ「何が可笑しい?」

Pカチュウ「覚えておけ、ここぞって所で出せばどんなカードだって最強足り得るんだよ」
193 : 1   2019/06/01 00:58:12 ID:8/yPIUacQU
~シルフカンパニー1階~

タケシ「イワーク!“すてみタックル”!」

このみ「ストライク!“きりさく”!」

イワークが左から、ストライクが右から、けつばんを挟み込んで攻撃を仕掛けた

けつばん「おせぇ!“わざマシン06”!!」

けつばんは両腕を突き出し、2体のポケモンを同時に掴み、叩きつけたのだった!

タケシ「挟み撃ちでもダメなのか…」

けつばん「てめぇら雑魚がどんなに努力したって、そんなものは全て無駄ってことだ!がははははははははは!!」

このみ「勝手なこと言わないでちょうだい!」

けつばん「はぁ!?」

このみ「私は知ってる…人より上手く歌えなくて悩んでいる娘のことを、ダンスが上手に踊れない娘のことを、それと……子供みたいな自分の体形に悩んでる最年長のこともね…!」

タケシ「おい、こんな時に何を…」

このみ「タケシくんは黙っててちょうだい!」クワッ

タケシ「お、おう…」タジッ

このみ「スタートラインがみんな違うのは当然のこと…けど、皆努力して今ある能力を活かそうと頑張ってる!トップを目指して頑張ってるのよ!それはポケモンだって同じこと!それなのに、努力が無駄とか軽々しく言ってほしくないわね!」

けつばん「へぇ、つまりてめぇは今の力で俺を倒すつもりってわけだ?」

このみ「そうよ」

けつばん「そうか、よく分かったぜ――」

刹那、けつばんがこのみに向かって腕を振り下ろす

けつばん「俺に意見してんじゃねぇよチビ女!俺様をイラつかせた罰だ!くたばれぇ!!」

このみ「っ!!」スチャ

けつばん「無駄だチビ女!ポケモンを繰り出す前にてめぇをぶっ潰してやる!!」

タケシ「このみ!!」
194 : 1   2019/06/01 01:05:27 ID:8/yPIUacQU
~シルフカンパニー最上階~

マサキ「…何を言い出すかと思えば…単純なパワーだけならミュウツーをも凌ぐけつばんが負けるとは思えんわ。Pカチュウ、お前の言ってることはただの負け惜しみや」

Pカチュウ「そんなことないさ、俺たちにはお前が知らない切り札があるんだよ」

マサキ「切り札…?」

Pカチュウ「そう、とっておきの切り札――」


~シルフカンパニー1階~

???「プテラ、“はかいこうせん”」

この場の誰もが予想しなかった突然の攻撃!
上の階から放たれたその一撃は、このみに襲い掛かるけつばんに命中した!

けつばん「ぐえっ!だ、誰だ!どこにいやがる!!」

???「ここです」

一同の視線を向ける
エントランスホールの上空にプテラ…そしてその背に立っている一人の少女――

タケシ「あんたは!」

このみ「瑞希ちゃん!!」

瑞希「お2人とも、お待たせしました…いえい」



Pカチュウ「――ジョーカーがな!」
195 : 1   2019/06/01 01:14:46 ID:8/yPIUacQU
巨大なモザイク…人造ポケモン・けつばんに立ち向かう
馬場このみ、タケシ、そして真壁瑞希!

果たして勝利の女神がほほ笑むのどちらだ!?
続く!
196 : 1   2019/06/02 22:50:58 ID:hskFXBCDpw
けつばん「どういうことだ?百合子の仲間は半裸男とチビ女だけのはず!」

瑞希「初めまして、真壁瑞希です」ペコリ

けつばん「そんなことはどうでもいい!いつまで俺様を上から見下ろしてやがる!とっとと降りてこいや!!」

瑞希「はい」スチャ

タケシ「対応はやっ!」ガビーン

瑞希「馬場さん、お怪我は?」

このみ「大丈夫よ、ありがとう助かったわ」

瑞希「仲間ですから。当然のことをしたまでです」

けつばん「へっ!雑魚の慣れ合いか、反吐が出るぜ」

瑞希「…そういえば先ほど、馬場さんたちのことを馬鹿にしていましたね」

けつばん「あん?」

瑞希「私は今、怒っています」

けつばん「怒ってるだぁ!粋がってんじゃねぇぞ劣等種が!」

ビュンッ!!
けつばんが瑞希に向かって突進!

瑞希(早い…!)

けつばん「俺様もなぁ!お前らにはイラついてんだよぉ!!」

けつばんが拳を振り上げる!

けつばん「その無表情顔を絶望の色に塗りたくってやる!!」

このみ「逃げて!!」

けつばんが拳を繰り出すのと、瑞希が後ろに跳ぶ動作はほぼ同時だった!
そして、けつばんの攻撃で何かが吹き飛び宙を舞った

瑞希「!?」

瑞希は攻撃を回避直後、自分の右肩を押さえた
先ほどまで自分の身体に付いていた『自分の右腕』が宙を舞い、落ちていく瞬間を見ながら――
197 : 1   2019/06/02 23:05:59 ID:hskFXBCDpw
けつばん「がはははは!脆いもんだぜ!!」

瑞希「あ…あ…」

このみ「そんな…瑞希ちゃん…」

タケシ「惨すぎる…!」

瑞希「腕が…腕が…」

けつばん「がははははははははは!!」

ぬっ!
瑞希「あ、腕が生えてきたぞ」

このみ「え?」

タケシ「えぇ!?」

けつばん「えええええええええええええええええええええ!!??」

瑞希「ポチっとな」ポチッ

瑞希はポケットからスイッチを取り出し、それを押す
すると、落ちていた『瑞希の右腕』の切断面から燃焼ガスが噴射!

けつばん「ぐえっ!!」

腕はロケットのように飛んでいき、けつばんの顎に激突した!

瑞希「マジック大成功……やったぞ」ピース

けつばん「な、なめやがって!」

瑞希「では、リクエストにお応えして第2弾」

けつばん「してねぇよ!」ガビーン

瑞希「今、私はモンスターボールを持っています。それをこうやって握りしめると…」

パッ!

瑞希「びっくり、消えちゃったぞ」

けつばん「それがどうした!今度こそ終わり――」

瑞希「あ、あまり動くと…」

ポロッ
けつばんの頭の上から何かが転がり落ちた

けつばん(モンスターボール…?まさか……!)

ボンッ!
オコリザル「ぶひっ!!」
オコリザルの メガトンパンチ!

けつばん「な、にぃ!?」

瑞希「またまた大成功」ピース
198 : 1   2019/06/04 22:11:15 ID:C7YsTBgmAs
どんっ!
けつばんが背中から倒れる!

タケシ「あの化け物を殴り倒した…!」

けつばん「てめぇ!!」ムクッ

このみ「起き上がった!?」

瑞希「あれくらいで倒せるとは思っていませんでしたが、ほとんどダメージも与えられていない…ショックだぞ」

けつばん「劣等種に飼育されているポケモン如きに俺様が倒させるかよぉ!」

このみ「あなただってマサキくんのポケモンなんでしょ?」

けつばん「俺様をトレーナーがいなければ何もできない軟弱者と一緒にするな!!確かに俺様はマサキ様に造られた…だがマサキ様の所有しているポケモンではない!ボールに閉じ込められる生活なんて想像しただけで鳥肌が立つぜ!」

このみ「つまり、マサキくんに従ってるだけで実際は野生のポケモンみたいなものなのね」

タケシ「ってかモザイクで鳥肌が立ってるかどうか分らんわ!」ビシッ

けつばん「…瑞希、とか言ったな。お前はトリックプレイの使い手のようだが、これ以上好き勝手はさせねぇぜ!」

瑞希「それは困りました、もっと楽しんでいただきたかったのに」

けつばん「だったらよぉ…今度は俺が楽しむ番だぜ…!」イライラ

タケシ(あいつわざと挑発して、何をするつもりだ…?)

けつばん「くたばれぇ!」ビュン


瑞希「オコリザル、“からてチョップ”」ボンッ

けつばん「邪魔だ!!」

けつばんの拳がオコリザルに命中!

瑞希「うわっ」

吹き飛んだオコリザルに巻き込まれて、瑞希も共に吹き飛んだ

けつばん「“わざマシン29”!!」

けつばんの放った念力の波動が3人を襲った!

タケシ「か、身体が…!」

このみ「動かない…!?」

瑞希「これは…」

けつばん「…」ニヤッ
199 : 1   2019/06/04 22:31:51 ID:C7YsTBgmAs
けつばん「『フリーズ』させたのさ…わざの射程範囲内全てをな!」

タケシ「フリーズ!?何だそれ!?」

このみ「ほんとでたらめよね!」

けつばん「これから俺様は身動きできないお前たちをギタギタにぶちのめし、ボロボロの生ごみのようにしてやるぜ」

このみ「絶体絶命ね…」

瑞希「…」

けつばん「いくぜ雑魚ども!!」

ボッ!
けつばんの背後から攻撃が繰り出された!

けつばん「ぐはっ!な、何ィ!?」

タケシ「あ、あれは…!」

ゲンガー「…」ニヤッ

瑞希「ナイスアタックです、ゲンガー」

瑞希のゲンガーがけつばんの影の中から姿を現したのだった!
上半身だけ影の中から出ている状態でけつばんをあざ笑っている

けつばん「馬鹿な!怪しい動きをすればすぐに分かるはず…いやそれ以前に!こいついつの間にボールから出てきやがった!?」

瑞希「さっきオコリザルと一緒に吹き飛ばされた時、ボールを投げておきました…あなたの足元に」

けつばん「あ、あの時…!」

瑞希「視線誘導はマジックの基礎です」

けつばん「調子に乗るなよ劣等種!言っただろ!もうてめぇのトリックプレイは俺様には通用しねぇ!たった1匹のゲンガーなんぞ、俺様のパワーでぶっ飛ばして――」

ゲンガー2「!」ビョーン
ゲンガー「…」ニヤニヤ

けつばん「2匹目だと!?」

瑞希「あっと驚きの分裂マジック」

けつばん(こ、こいつ…っ!)

2匹のゲンガーの“メガトンパンチ”がけつばんの顔面に炸裂!

けつばん「ぐぅあう!!」
200 : 1   2019/06/04 23:00:54 ID:C7YsTBgmAs
けつばんの影から次々とゲンガーが出現し始めた
3,4,5…どんどん増え続けていく

けつばん「これは…“かげぶんしん”…!だけど実体がないはずのこの影どもの攻撃が何故俺様に当たる!?」

瑞希「ゲンガーは別名、シャドーポケモン。影を操り支配する力を持っています。私はその能力を活かし…結果、私のゲンガーは影に潜っている間だけ“かげぶんしん”で作った分身を実体化させる能力を手に入れたのです」

約10体以上のゲンガーが同時に“メガトンパンチ”を繰り出し、
四方八方からけつばんに攻撃を仕掛けた!

けつばん「ぐはっ!!」

タケシ「いいぞ、効いてる!」

けつばん(馬鹿な…!この俺様がこんな劣等種の小娘に翻弄させるなんて…!)

このみ「このままいけば…!」

けつばん(負ける…俺様が…!?俺様は最強なんだ…!こんなところで負けるなんて、ま、負けるなん、て……!)

ブチッ!
けつばん「GUUUUUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」

けつばんの身体から放たれた波動により、ゲンガーたちが吹き飛ぶ!
影は消滅し、本体だけが壁に激突!

瑞希「いったい、何が…?」

タケシ「おい、やつの様子がおかしいぞ」

けつばん「UUUUUUUUUGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

このみ「けつばんの身体がどんどん大きくなっていく…」

瑞希「それだけじゃない、これは…」

タケシ「こいつ、パワーアップして…」

どんっ!!
けつばん「コロ、シテ、ヤルゾオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

けつばん

レベル

127!!!
201 : 1   2019/06/04 23:01:55 ID:C7YsTBgmAs
ここまで
202 : 1   2019/06/06 00:04:24 ID:AqxVJN7uuM
今日は本編じゃなくて、ちょっとした番外編書く
203 : 1   2019/06/06 00:35:14 ID:AqxVJN7uuM
寄り道番外編その1「シゲル、ミリシタをやる」

シゲル「なにぃ!このゲームをやるといつでもどこでもこのみに会えるのか!?」(末期)

シゲル「俺の全財産をはたいてでも絶対このみのSSRを手に入れてやるぜー!!」

シゲル「ちっ!親指じゃあなかなかフルコンできねぇ!」

シゲル「よっしゃ!やったぜ!!」

このみ『えへへっ、私のアダルトな歌声にみんなメロメロだったわね♪』

シゲル「あぁ、ぞっこんだぜ…」


数日後

オーキド「シゲル、図鑑完成は順調かな?」

シゲル「あぁ!ばっちり!衣装コンプリート完了だぜ!!」ドヤッ

オーキド「図鑑はどうした孫ぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ガビーン
204 : 1   2019/06/06 00:42:17 ID:AqxVJN7uuM
寄り道番外編その2「ポケモン剣盾」

Pカチュウ「よし、次の町行くか…準備はいいか?」

百合子「はい、いつでもOKです」ガッシャンガッシャン

Pカチュウ「その鎧と武器どうしたの!?」ガビーン

百合子「ポケモン剣盾の発売日も決まったことだし、私もフル装備で頑張ろうかと!」

Pカチュウ「お前が武装してどうすんの!?」

百合子「いざしゅっぱーつ!」(聞いてない)

~ファミレス~

店員「ハンバーグセットお待ち―」

百合子「動きずらい!バイザーのせいで、た、食べられないいいいい!」

Pカチュウ「ダメだこりゃ」
205 : 1   2019/06/06 00:48:05 ID:AqxVJN7uuM
寄り道番外編3「ダイマックス」

Pカチュウ「ダイマックスやる人このゆびとーまれ!」

このみ「何そのテンション」

Pカチュウ「このみさんもなってみたいでしょ?」

このみ「何で私がダイマックスする前提なの!?」ガビーン

瑞希「それならば、馬場さんが入れるモンスターボールを作らなければ…カツラさんに頼んでみます」ビシッ

タケシ「でっかいモンスターボール投げる役は俺に任せろ!」ムキッ

百合子「じゃあ私は撮影係で!」パシャッ

このみ「なんで皆乗り気なの!?ていうか私は人間よ!ムキ―!」
206 : 1   2019/06/06 00:53:14 ID:AqxVJN7uuM
寄り道番外編4「もしもマサキが造ったポケモンが〇〇〇〇だったら」

マサキ「わいが最強のポケモンを造るんや!」

マサキ「これで世界をひっくり返して見せるで!!」

マサキ「で、出来た…!これが最強のポケモン…!」

アオノリ「マサキ、メッチャスキ」

マサキ「ほんま大丈夫なんかこれ…」


百合子「勝負ですマサキさん!」

マサキ「頼んだでアオノリ!」

アオノリ「イッチョヤッタロカ!ドコカタデモカカッテキテエエデ!」

マサキ「指示しといてなんだけど、めっちゃ自信満々やな自分!?」

Pカチュウ「俺たちの全力見せてやる…」ビリビリ

アオノリ「…ア、ヨウジオモイダシタワ!ホナサイナラー!」ビュンッ

マサキ「アオノリイイイイイイイイ!!」ガビーン
207 : プロデューサー   2019/06/06 00:53:56 ID:AqxVJN7uuM
番外編終わり
208 : ご主人様   2019/06/10 01:48:10 ID:.LzXjdv.5c
あげ
209 : ごしゅPさま   2019/06/10 03:22:30 ID:gMMFeshf3M
おむ
210 : 1   2019/06/10 23:06:21 ID:nxgsF4zPBA
けつばん「UGAAAAAAAAAAAAAAH!!」

このみ「巨大化した!?」

タケシ「しかもレベル100越え…何から何までルール無用な奴め!」

けつばん「瑞希!認めたくねぇがお前は強い!だからこそ俺様はこれから本気でお前をぶっ倒してやる!!」

瑞希「これがあなたの本気…」

けつばん「さあ行くぜええええええええええ!!」

ニョキニョキ!
けつばんの身体から複数の『何か』が生えてきた

タケシ「けつばんの身体から無数の突起物が…」

このみ「卑猥ね…」ドヨーン

瑞希「最低ですね」

けつばん「何勝手なこと言ってやがる!どう見たって『大砲』だろうが!!」ガビーン

タケシ「紛らわしいんだよ全身モザイク!!」

けつばん「くらえええええええええ!!」

無数の大砲が一斉発射された!

このみ「モンスターボールを模った光弾!あの時と同じ!?」

けつばん「いいや違うね!こいつはあの時の比じゃね!俺様の最強わざ――」

打ち上げられた光弾のすべてが三人に向かって落下していく!

けつばん「――“ひでんマシン1”だ!!」

瑞希「来る…!」

このみ「2人とも避けるのよ!!」
211 : 1   2019/06/10 23:30:17 ID:nxgsF4zPBA
けつばん「逃がすかよおおおおおお!!」ボンッ!ボンッ!

タケシ「あいつ!また打ち出したぞ!!」

このみ「無差別に繰り出してるから攻撃パターンが読めないわ!」

けつばん「ははははは!何もかもぶっ壊してやるぜェ!!」

タケシ「おいまずいぞ!このままじゃシルフカンパニーが崩れる!」

このみ「これ以上はやめなさい!自分の仲間まで巻き添えにする気!?」

けつばん「そんなことは知らねぇ!これで生き残れないような奴は淘汰されて当然!この時代を生きる価値はねぇ!!がーはははははははははは!!」

このみ「なんて傲慢なの」

タケシ「ビルが崩れてきてないか!?」

このみ「嘘!このままじゃ潰れる!」

瑞希「…」

けつばん「がははははははははは!!壊れろ!壊れろォ!!」

ビルが崩れ始め、このみとタケシが終わりを確信したその時だった!
ビルの崩れが治まったのだ!そして一行の視界には不可解な光景が見えていた!

このみ「岩が宙に浮いたまま停止してる…?」

けつばん「ど、どうなってやがる!?」

瑞希「これはまさか念動力…」

???「間に合ったようね」

タケシ「その声…ナツメ!」

サイキッカー「我々もいますぞ!!」

ナツメ「ヤマブキジムのトレーナー&エスパーポケモン総動員よ!」

ナツメたちトレーナー集団が外からシルフカンパニーを囲み、念動力を発動していた!

ナツメ「私たちが崩壊を止めている間に…早くその化け物を倒してちょうだい!」

このみ「ありがとう、皆…!」

瑞希「皆が私たちのために……感激だぞ」

けつばん「劣等種どもがァ…!」ギリッ
212 : 1   2019/06/10 23:51:21 ID:nxgsF4zPBA
瑞希「それでは、次は我々のターンです」

けつばん「ふぅ…いいぜこいよ。こっちは出すもん出してスッキリクールダウンだぜ」

タケシ「その言い方やめろ」ドヨーン

瑞希「ゲンガー、出番です」

ズズズ
けつばん「また俺様の影から…!」

巨大化したけつばんの影から出てきたのは――

このみ「巨大化したゲンガー!?」

けつばん「何ィ!?」

けつばんと同じサイズのゲンガーが現れた!

瑞希「力比べです」

けつばん「くくく、次から次と対抗策を出してきやがって面倒くせぇ……だが、だからこそ!お前はぶっ倒し甲斐があるぜ瑞希さんよぉ!」

瑞希「ありがとうございます」ペコッ

けつばん「そこのゴミ2人はどうでもいいが…瑞希、お前だけは…この俺様の手で葬ってやるぜ!」

このみ「くっ…!」

瑞希「…いいえ違います。勝つのは私“たち”です」

タケシ「あぁそうだ、いつまでも舐められてばっかりじゃないぞ」

このみ「瑞希ちゃん…タケシくん…そうね、私“たち”が勝つのよ」

けつばん「違うね!勝つのは最強の…俺様だァ!!」

両手を突き出し、巨大ゲンガーへと向かっていった!
213 : 1   2019/06/11 00:54:54 ID:Ok4G6rXJqw
瑞希「…」

スッゥ
けつばんの腕がゲンガーの身体をすり抜けた!

けつばん「!」

このみ「今度は本当の“かげぶんしん”!?」

タケシ「よしっ!勢いづいた奴はそのまま前のめりに倒れて――」

瑞希「いえ、これは…」

けつばん「…」ニヤッ

けつばんは腕を前に突き出しただけで既に足を止めていたのだった!

瑞希(気づかれていた…)

けつばん「目の前でインパクトのある光景見せておいて実は囮…お前のやり口は少しずつ分かってきたぜ」

けつばんは背後を振り向く
本来のサイズのゲンガーが攻撃態勢に入っていた!

ゲンガー「!?」

ゲンガーは再び影に潜ろうとする
しかしけつばんはそれを許さない!
すぐさまゲンガーを自身の巨大な手により掴み取った!

けつばん「キャッチアンドリリースだ!!」

地面に向かって叩きつけた!

ゲンガー「」バタッ

このみ「キュウコン!ルージュラ!」ボンッ

タケシ「イワーク!ゴローニャ!」ボンッ

けつばん「UGAAAAAAAAAAAAAAH!!」ドガッ

タケシ「な!?腕の風圧だけで…!」

このみ「レベル127で規格外のわざを使ってくるポケモン…そんなのにどうやって勝てば…」

タケシ「相手だってポケモンだ…何か手があるはずだ…」

瑞希「相手もポケモン……あ」

このみ「瑞希ちゃん…?」

瑞希「ありました、1つだけこの戦いを収める方法が」

瑞希はポケットからあるものを取り出した
214 : 1   2019/06/11 00:56:16 ID:Ok4G6rXJqw
続く!
今となってはどれくらいの人が見てるのかは分かりませんが、絶対完結まで持っていくんで引き続きよろしくです!
215 : 彦デューサー   2019/06/11 00:58:56 ID:hhMLjB/i2Y
見てるでー、がんば!
216 : 1   2019/06/13 23:36:09 ID:dCAmgqfvTY
瑞希「マスターボール、どんなポケモンも確実に捕まえられるボールらしいです」

このみ「もしその話が本当なら…」

瑞希「はい。倒さずとも無力化できるということになります」

このみ「そういえばけつばんが言ってたわね、自分は誰のポケモンでもないって…」

瑞希「つまりけつばんは野生のポケモンに等しいということ。ならばボールで捕獲することが可能」

タケシ「もし、それで捕まえられなかったら?」

瑞希「その時は私たち全員ゲームオーバーです」

タケシ「つまり一蓮托生ってことだな」

瑞希「タケシさん」

タケシ「お前たちに着いてきた時点でこっちは腹くくってるんだ。嫌って言っても最後まで着いてってやる」ニッ

瑞希「それは心強いです」

このみ(手が震えてる…そうよね、知らない世界にやってきてあんな怪物と戦うことになって…今の今までそれと駆け引きを繰り広げてたんだもの…若い子がこんなに頑張ってるのに、最年長の私は今まで一体何を…っ!)

ぎゅっ!
このみが瑞希の手を握る

瑞希「馬場さん?」

このみ「勝ちましょう…勝って元の世界に戻って、また…アイドルしましょう」

瑞希「……はい」ニッ
217 : 1   2019/06/13 23:44:47 ID:dCAmgqfvTY
けつばん「おしゃべりは済んだかよ?じゃあくたばれや!」ゴウッ

瑞希「プテラ」

プテラ「!」バサッ

けつばん「プテラァ?そういえばこいつはボールから出っぱなしだったな」

瑞希「“ちょうおんぱ”」

キィィィイイイイン!
けつばん「う、うるせぇえええええ!」

瑞希「皆さん、今です」

タケシ「おう!」
このみ「作戦開始ね!」

タケシはけつばんから見て左に、このみは右へと走った!
そして瑞希は――

けつばん「正面から俺に特攻だと!?」

プテラ「!」キィィィィィン

けつばん「っち!いい加減うぜぇんだよカスが!!」バッ

けつばんの裏拳がプテラに命中!
そのまま壁へと吹っ飛んでいった!

けつばん(そういうしている間に距離を詰められた!だが人間如きの特攻でどうにかなるような状況じゃあ…)

瑞希「…」スッ

瑞希はマスタボールを取り出し、そのままけつばんへと投げた

けつばん「青いモンスターボール?こんなもの弾いて…」

ただ腕を振って弾く動作をすればいい…しかしけつばんはそれをやめた
けつばんの野生の勘…戦場で研ぎ澄まされた感覚がそうさせた
このボールは避けなきゃいけない、と

けつばん(この瑞希の行動は何か意味がある…こいつはそういうやつだ、恐らくこれも俺を攻略するための策…ならばっ!)

ボールが自分にぶつかる後少しと言う所で、横に跳びボールを回避した
マスターボールはけつばんの後ろの壁にぶつかり、落ちた

けつばん「このモンスターボールは何のつもりだ?まさか俺様を捕まえようなんて――」

瑞希「はい、そうです」

このみ「!?」
タケシ「!?」
けつばん「!?」
218 : 1   2019/06/14 00:19:00 ID:kdBfkZDgf2
瑞希「これはマスターボールといって、当たって『触れた』ポケモンを100%捕まえることができるボールです。今から私たちはこれを使って全力であなたをゲットしますのでよろしくお願いします……がんばるぞ」

タケシ(何で即行奥の手バラしてんだあいつーっ!)ガビーン

けつばん(どういうつもりだ!?なぜこうもあっさり…もしやフェイク…と見せかけて事実…と思わせておいて裏をかいて…)

タケシ「けつばんの動きが止まった…」

このみ(ここまでの瑞希ちゃんの戦い方は相手を翻弄するトリックプレイ……それを印象付けているからこそ、けつばんは瑞希ちゃんの一挙手一投足を警戒せざるを得ない)

瑞希「そのボール、返してもらいますね」

けつばん(いや、落ち着け俺様!これこそ奴の思うつぼじゃねぇか!今は考えるよりも行動あるのみよ!)

けつばんはボールを踏み砕こうと、足を持ち上げた

瑞希「いいんですか?さっきも言ったけど、『触れさせる』ことが出来たら確実に捕まえることができるんですよ?踏めば『触れた』ことになりますけど」

けつばん「!?」

ぴたっ!
足を止めた

けつばん「お前が…本当のこと言ってるとは限らねぇ!」

瑞希「はい。嘘かもしれません。けど本当かもしれない」

けつばん「な、めやが、って!!」

どすんっ!
そのまま足をボールのない場所へと着地させた

瑞希「それでは今度こそ返してもらいますよ」タッタッ

けつばん「あぁ、いいぜ返してやるよ……お前が無事でいられたらなぁ!!」

タケシ「瑞希に直接攻撃!?」

けつばん「近づけさせはしねぇ!」

このみ「…」ニヤッ
219 : そなた   2019/06/14 00:22:39 ID:kdBfkZDgf2
続く
220 : 1   2019/06/15 17:36:14 ID:Su8xSD6ak6
アーボック「シャーッ!」バッ

けつばん「アーボックが床から飛び出してきやがっただと!?」


このみ「“あなをほる”による奇襲大成功ね」


アーボックは瑞希に向かっていくけつばんに向かって、
落ちていたマスターボールを尾で弾き飛ばした!

けつばん「ちっ!」

横に跳び、マスターボールを回避した
しかし、ボールは瑞希がそのままキャッチ!

けつばん「何ィ!」

瑞希「えい」ヒュン

けつばん「くそ、また避けてやる!」ヒョイ

アーボック「シャーッ!」バシッ

瑞希「またキャッチ、そして投げる」ヒュン

アーボック「シャーッ!」バシッ

瑞希「キャッチ」

アーボック「シャーッ!」バシッ

けつばん「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!うっとおおおおおおしいいいいいい!!」イライラ

タケシ「キャッチボールとドッジボールを同時に見てる気分だ」


このみ「マスターボールの性能上、けつばんはマスターボールに触れることが出来ない。恐らく瑞希ちゃんが作戦をばらしたのも、ちょっぴり触っただけでも命とりな状況を認識させることでボールに触れることができないというプレッシャーを与えるため…パワーでは劣ってても今の精神的アドバンテージは私たちにある」


けつばん(耐えるんだ、今は避け続けて…チャンスは必ず…!)
221 : 1   2019/06/15 17:47:11 ID:Su8xSD6ak6
けつばん(“ひでんマシン1”は俺様の最強わざ…だが強力すぎる故に1度しか放つことができない。俺様が全力でエネルギー波を放てるのは後1回が限度…それで確実に仕留めてやる…チャンスを待つんだ、必ずどこかで…!)

瑞希「えいっ」ヒュン

けつばんはマスターボールを回避
しかし、アーボックがボールを打ち返すために待ち構えていた

けつばん「いい加減に…しやがれぇ!!」

ボールがアーボックに届く前に、けつばんは拳を床に叩きつけた!
1階全域の床は一瞬で割れ、足場が崩れ始めた!
瑞希たちはとっさに対応できず、よろけてしまう
ボールも打ち返すことが出来ず、アーボックの後ろを通り過ぎていく


このみ「きゃっ!」

一番距離を取っていたこのみも例外はなく、バランスを崩し後ろに倒れる

このみ「う…う…」

頭から血を流し、そのままこのみの意識は消えていった


タケシ「このみ!」

瑞希「馬場…さん…」プルプル

ビュンッ!!
けつばん「もらったーっ!!」

瑞希「!?」

タケシ「あいつ!この一瞬の隙を!!」

けつばん「雑魚が一匹くたばったくらいで何悲しんでやがる!どうせお前らもすぐこうなるんだぜェ!!」

瑞希「雑魚…」
222 : 1   2019/06/15 20:25:36 ID:Su8xSD6ak6
アーボックは“あなをほる”を使い、気絶したこのみのそばに駆け寄る

このみ「…」
アーボック「…」ペロペロ


タケシ「アーボック…くそ、けつばんの奴め!」

けつばん「がはははは!!そういやあのチビ女が言ってたなぁ!努力は無駄じゃないとかよぉ!けどこれはよぉ!てめぇらのやってきたことは結局全部無駄だったってことだよなぁ!!」

瑞希「無駄じゃ、ありませんよ…」

けつばん「見苦しいぜ!何を根拠に――」

瑞希「ナッシー、出番です」

瑞希の合図と同時に、2階の吹き抜けからナッシーが現れた

けつばん「あいついつの間に!?」

瑞希「私がここに来る前に出しておきました、いざという時のための仕込みとして…」

けつばん(そういえばこいつ!ここに現れた時、上から出てきたがったんだ!)

瑞希「行きますよ」

刹那、けつばんの頭上から大量の“タマゴばくだん”が降り注いだ!
それらは止む暇もなく、次々と撃ちだされたのだった!

けつばん「“タマゴばくだん”の空爆!?だがこんなもので俺様を倒すことなんて…!」

瑞希「そうですね、倒すことはできないでしょう…けど、こうやって隙を作ることはできました」

けつばんの動きを封じている間に、瑞希は落ちていたマスターボールを確保した

けつばん(ぐっ…こうなったら…!)
223 : 1   2019/06/15 20:36:30 ID:Su8xSD6ak6
けつばん「ぐう、ぐうううおおおおおおお!!」グイグイ

タケシ「あいつ、この爆撃の中を強引に脱出するつもりか!?」

けつばん「この程度で…足止めを喰らうわけにはいかねぇんだよ!ぶっ潰すんだ!あの女を!この手で!!」

タケシ「瑞希!走れ!」

瑞希「はい、全速力です」タッタッ

けつばん「ぐおおおおおおおおお!!」ダッ!

タケシ「出てきた!しかもあいつ!瑞希に真正面から向かっていった!そんなことしたら!」

瑞希「ボールの的になるはずなのに何故?」

けつばん「投げさせはしねぇ!その前に潰す!」

タケシ「ここに来てなんて脳筋な!」ガビーン

瑞希「拳で攻撃しようとも突進でぶつかってこようとも、ボールが触れればその瞬間にあなたを捕獲できます」スチャ

けつばん「バーカ!誰が物理的に攻撃するって言ったよ!!」

瑞希「!?」

けつばんの口内でエネルギーがチャージされていく

タケシ「あれは最初に使ったわざ!この土壇場で使ってきただと!?」

けつばん「待ってたぜ!確実にてめぇを仕留められるタイミングよぉ!この距離なら確実に命中だぜェ!!」

瑞希「コダック…!」ボンッ

コダック「…」ボケー

タケシ「何故そこでコダックを!?」

けつばん「もうどんな策が来ようとも関係ねェ!この圧倒的なパワーで――」」

わ ざ マ シ ン 1 9 ! !

けつばん「――…粉々になりやがれェ!!」

瑞希「…っ!」
224 : 1   2019/06/15 23:23:46 ID:Su8xSD6ak6
エネルギー波がぶつかり、爆発を巻き起こした
一帯は煙に覆われた

けつばん「がはははははは!!あの瑞希を始末してやったぜ!!」

タケシ「このみに次いで瑞希までも…」

けつばん「最後の一発が決まってスカッとしたぜ!やはり俺様はバトルにおいて最強だ!」

タケシ「くそっ!」ダンッ

少しずつ煙が晴れ、周りの様子が見え始めてきた

けつばん「どれ、奴の無様な姿を拝むとするぜ…」

しかし、タケシとけつばんの視界に映ったのは、瑞希ではなく……

けつばん「な、なんだこれ!?」

タケシ「瑞希の形をした巨大なぬいぐるみ!?」

瑞希「いえ、これはリトルミズキです……かわいいぞリトルミズキ」ヒョコッ

コダック「…」ヒョコッ

ぬいぐるみの後ろから瑞希とコダックが顔を出す

タケシ「どこが『リトル』だよ!?」ガビーン

瑞希「細かいことはなしです」

けつばん「“みがわり”…だと!こいつで俺様の攻撃を…っ!」ギリッ

瑞希「…ところでさっき、『最後の一発』と言っていましたね。これでもうさっきみたいな遠距離技は使えないということですね」

けつばん「な、なんでそれを!?」

タケシ「お前さっき言ってたぞ!」ガビーン

けつばん「…だけどよォ!お前だってもうすぐ終わりなんじゃねぇのか?瑞希さんよぉ!」

瑞希「…」ゼェゼェ

タケシ(あの危機的状況の中、ずっと動き回ってるんだ…確かに瑞希の体力はもう限界に近い)

けつばん「果たしてあとどれくらい逃げ回りながらボールを投げ続けられる?いやそれ以前に次の俺の攻撃を避けられる保証はあるのかな?」ニヤッ

瑞希「そう、ですね…」ゼェゼェ

けつばん「…」

瑞希「決着をつけましょう、この…戦いに」
225 : 1   2019/06/15 23:45:47 ID:Su8xSD6ak6
瑞希「決着です、次で終わらせます」

タケシ(瑞希…!)

けつばん「いいだろう!楽しいバトルもここで終わりだァ!!」

ビュンッ!!

タケシ「来たっ!」
瑞希「…」

けつばん「初めてだぜ!俺様をここまで追い詰めたやつは!瑞希、お前の名前は忘れねェ!だからここでくたばれ!!」

瑞希はマスターボールを投げる体制に入った
しかし、ボールを投げる前にけつばんの攻撃が確実に入るだろう、瑞希はそう思った。
しかし構えた!
正面から向かってくるけつばんを真っすぐ見ながら――

瑞希「私『たち』は…勝ちます」

――『横』にボールを投げた

けつばん「フェイント!?ま、まさか…!?」

タケシ「あぁ、そうさ!」

バシッ!
タケシがマスターボールをキャッチした!

けつばん「ここに来てこの半裸男を使うだと!?」

瑞希「男性で体を鍛えているタケシさんの方が体力的に今この状況で最も有効なんです」

タケシ「あぁ任せろ!俺が決めてやる!!」

けつばん「させるかァ!!」

けつばんがタケシに向かって行こうと向きを変えた!

瑞希「…最後の仕込みを使う時が来ましたね」

瑞希は右腕を上げ、指を鳴らした
その瞬間、上の階にいたナッシーの背後から3つの物体がけつばんに向かって飛んでいった
3つの物体はけつばんの正面左右と背後に配置し、それぞれが透明な壁を発現させ、けつばんを取り囲んだ

けつばん「こ、こいつらは…!」

瑞希「紹介します。この戦いの締めを務める、私の6匹目のポケモン…レアコイルです」
226 : 1   2019/06/16 00:12:36 ID:n3R4t5PTH2
けつばん「この壁、“リフレクター”か!くそっ!身動きがとれねェ!!」

分離したレアコイルはそれぞれの位置から“リフレクター”を張っていたのだ
3つの壁は合体し、立体三角形を形取った
そして壁とけつばんと共にレアコイルは少しずつ宙をうき始めた

瑞希「…3階分くらい上がっていきましたね…タケシさん、届きますか?」

タケシ「余裕だ!俺の肩ならあれくらい届く!」ウデグルグル

けつばん「俺様の動きを封じて、確実にボールを当てるつもりか!?」

瑞希「ポケモンとポケモンのわざ以外なら“リフレクター”の壁はすり抜けられますからね。これで今度こそ終わりにします」

タケシ「…行くぞ、けつばん!!」ビュンッ

けつばん「っ!俺様を…舐めんじゃねェ!!」

けつばんが拳を足元の壁に叩きつけた!

瑞希「無駄です、“リフレクター”は物理攻撃を半減する力があります」

けつばん「それがどうした!俺様を誰だと思っている!俺様は…最強のポケモン!けつばん様だぞォ!!」ドンドンッ

タケシ「壁にひびが入り始めてる…!」

瑞希「これはまさか…」

けつばん「うおうりゃああ!!」

バリンっ!
ついに足元の“リフレクター”が破壊された!
足場を失い、けつばんはそのまま落下!
“リフレクター”の結界からの脱出に成功した!
投げたマスターボールも命中することもなく、素通りしていった

タケシ「嘘だろ…!」

瑞希「最後の、策が…」

けつばん「がはははは!最後に笑うのはこの俺様よォ!着地した瞬間にてめぇらをぶち壊してやる!!」

???「ところがそうはならないのよね」

タケシ「そ、その声は!」

瑞希「まさか…」

このみ「この、馬場このみお姉さんがいるからよ!」
227 : 1   2019/06/16 00:42:43 ID:n3R4t5PTH2
破壊された床の中から現れたのは、アーボックに背に乗った馬場このみであった!

タケシ「そうか、“あなをほる”で接近したのか!」

瑞希「馬場さん…無事で良かったです」

このみ「後はお姉さんに任せない♪」

けつばん「馬鹿な!!てめぇは早々にくたばったはず!?」

このみ「若い子たちが頑張ってるのに、最年長がサボってたら示しがつかないでしょう!」

アーボックの尾をバネ状にして跳ぶスプリングジャンプによって、あっという間にけつばんの頭上を跳び越えた!
そして、行き場を無くしたマスターボールをすぐさまキャッチした!

このみ「さあ行くわよアーボック!落下中の無防備な状態ならボールを当てやすいわ!」

けつばん「それはてめぇも同じだろう!腕を伸ばして引きずりおろしてや――」

ビリッ!
けつばん(か、身体がしびれる…!)

このみ「効いてきたわね、“へびにらみ”!」

けつばん「な、なにィ…!」

このみ「このカントー地方においてアーボックとその進化前のアーボしか覚えないわざ!この子の持つ『才能』よ!」

けつばん「才能だと…!こんな雑魚に才能なんて!!」

このみ「私やタケシくん、それに他のポケモンたち…見下してた相手にしてやられた気分はどう?あなたの敗因は他人を見くびりすぎたことね…さあ、これで終わりよ!!」

このみはけつばんに向かってマスターボールを投げた

このみ「いっけええええええええ!!」

けつばん「嘘だ嘘だ嘘だ!!俺様が!!こんなチビ女にやられるなんて!!こんな!!こんな奴なんかにィィィイイイイイイイイ!!!」

ボンッ!!
静寂。
造られし人造ポケモン・けつばん…その巨大で歪な姿は完全に消え、
そこにあるのはマスターボールただ1つ…
瑞希とタケシ、そしてこのみはマスターボールが落下したところを静かに見守った
228 : 1   2019/06/16 00:44:28 ID:n3R4t5PTH2
続く~
次は久々に百合子・Pカチュウの主人公チーム登場
229 : 兄(C)   2019/06/16 06:52:03 ID:vNdLpE1AuY
8888888888888888
230 : der変態   2019/06/16 07:48:40 ID:lPcNWli1SM
このみ姉△
231 : do変態   2019/06/17 15:56:38 ID:F.cOQfEVdQ
瑞希なら捕獲後のけつばんをボールから出して煽り倒してくれるはず……!
232 : 1   2019/06/17 23:41:25 ID:rzb/Vp9gzQ
タケシ「勝った…」

瑞希「はい、私たちの…」

このみ「勝ちね…」バタッ

瑞希「大丈夫ですか、馬場さん?」

このみ「えぇ、全然大丈夫」ピュー

タケシ「出てる!頭から血が飛び出てる!」ガビーン

どかんっ!!

タケシ「何だ何だ!?」キョロキョロ

このみ「上から聞こえてきたわね」

瑞希「おそらく最上階…七尾さんとプロデューサーが戦っている場所」

タケシ「あいつら、大丈夫なのか…相手はいでんしポケモンのミュウツーなんだろ?」

瑞希「そうですね、少し体力を回復させてから向かってみましょう」

このみ「私はすぐにでも問題ないわよ」ピュー

タケシ「いやだから血が!」

瑞希(2人とも…どうか無事で)
233 : 1   2019/06/18 00:01:08 ID:oMt.e86G4Q
時間は少し前に遡る
~シルフカンパニー最上階~

マサキ「ジョーカーね…どうやらとっておきの隠し玉があるみたいやけど、けつばんの前では雑魚同然や。もちろんお前ら2人も今のわいの前では雑魚や!」

Pカチュウ「やってみなきゃ分からないだろ?なあ、百合子!」

百合子「そうです!例えて言うなら、村で平凡な生活を送っていた所である日自分の宿命を知り冒険に出て旅先で聖剣を手に入れた伝説の勇者の末裔くらいには強くなりました!」

マサキ「全く意味わからん」ドヨーン

Pカチュウ「俺も」ドヨーン

百合子「そんな…馬鹿な…」

Pカチュウ「いやお前、何でそこでシリアスな空気出してんの!?」ガビーン

マサキ「…百合子、わいはもうお前の茶番に付きやってやる必要はないんや、戦う気ならここでわいにやられてくれへん?」

百合子「それはお断りします!だって強くなったのは本当だから!私のポケモンたち、そして私だって一歩ずつ進んで、強くなって、今この場に立ってるんです!」

つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」
おしょう「…」スチャ
エグゼ「天才ゆえの才能です」キリッ
ユニー「…」フッ

マサキ「…セキチクでは役立たずだったお前もか?」

シルフ「…!」ギロッ

Pカチュウ「こいつはもう昔のシルフじゃないぞ!この戦いで嫌って程味合わせてやる!」

百合子「さあ、行くよ皆!」

マサキ「身の程知らずめ…だったら見せたるわ、最強ってやつを!」
234 : 1   2019/06/23 15:55:36 ID:3LKCyNokg.
百合子「“10まんボルト”!」

Pカチュウ「くらえ!!」

マサキ「…」スッ

Pカチュウ「なにぃ!?」

百合子「片手で攻撃を防いだ!?」

マサキ「見せたるわ、これがわいの力…!」

マサキの手のひらから電撃が放たれた!

Pカチュウ「ぐぅっ…!こ、これは…“10まんボルト”!?」

百合子「エグゼ、“れいとうビーム”!」

エグゼ「全国のポリゴンファンの皆さんお待たせしましたーっ!ボクの華麗な一撃で敵を見事に――」

マサキ「おっと」サッ
エグゼ「避けられたーっ!!」ガビーン

ドドドドドド!
つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」

マサキ(ギャラドス!?あのポリゴンに気を取られて接近に気づかなかった!)

百合子「“すてみタックル”!!」

マサキ「ぐあっ!」ドゴッ

百合子「どうだ!皆、前より数段レベルアップしてるんですよ!」

マサキ「…へぇ、レベルアップってのは、相手に埃をつける訓練のことか?」

Pカチュウ(なんて奴だ、巨体のつむぎの攻撃がまるで効いてない)

マサキ「じゃあ今度はわいのターン…いくで!」シュッ

マサキは瞬く間にエグゼの正面へと接近!
エグゼ「ふぇ?」

とっさの出来事に理解が追い付いていないエグゼをよそに、
マサキは右腕の肘を前に突き出した!

マサキ「“すてみタックル”」

エグゼ「ひでぶううううっ!」ドゴッ

マサキ「…」スッ
今度は遠くのつむぎの方に左腕を突き出した!
そして左掌から光線が放たれ、つむぎにダメージを与えた!

つむぎ「ギャウッ!」

百合子「今のって、“れいとうビーム”!?」

Pカチュウ「まさかこいつ…!」

マサキ「…」ニヤッ
235 : 1   2019/06/23 16:07:25 ID:3LKCyNokg.
マサキ「幻のポケモン・ミュウは知能に優れ、この世のすべてのわざを使用することが出来るという…わいはミュウツーにその力をわずかに受け継がせることに成功させた。ミュウツーが覚えられる技ならレベル関係なく『見ただけで覚えること』ができる!そんな能力をな!!」

Pカチュウ「わざのコピー…!」

マサキ「コピーやない、100%…いやそれ以上の力で放つことが出来る…正真正銘わいのわざとしてな!」

百合子「つまりこっちが攻撃すればするほどマサキさんもパワーアップするってことじゃないですか!そんなインチキな!」


???「おいおい、敵地に乗り込んでおいてインチキもくそもねぇだろ」
236 : 1   2019/06/23 16:27:02 ID:3LKCyNokg.
!?
百合子「その声は…!」

Pカチュウ「シゲミツ!」

シゲル「俺はシゲルだー!!」ガビーン

百合子「久々のやり取り…良かった安心しました」

シゲル「安心するとこ、そこーっ!?」

マサキ「はっ、わいに負けたシゲルくんが何しに来たんや?」

シゲル「はっ!愚問だな、お前を倒しに来たんだよ!百合子!加勢するぜ!!」
百合子「お断りします!」キッパリ

シゲル「というわけだ、マサキ!かくごし……って即答で拒否!?」

百合子「マサキさんとは私たちで決着をつけたいんです!悪いですけど、シゲルさんは攻撃の当たらないところで実況でもしててください!」

シゲル「何言ってんだ!相手はミュウツーだぞ!サシとか言ってる場合じゃねぇだろ!?」

???2「その辺でよしたまえ少年…」

百合子「フリーザー!正気に戻ったんですね!」

フリーザー「あぁ、君たちの美しい攻撃のおかげでね」

シゲル「てめぇ!あの時はよくも俺を氷漬けにしやがったな!!」

フリーザー「操られてたんだ、水に流せ。美しくな…!」キラーンッ

Pカチュウ「相変わらずちょいちょいリアクションがウザいな、こいつ」

フリーザー「百合子とあの男は何やら因縁があると見た…百合子は自身と自身のポケモンたちと共に決着をつけたいのだろう。そこに他社の力は介入できない……少年、ここは彼女たちの選択を見守るのも一興というものだ」

シゲル「…けっ!好きにしろ!その代わりてめぇがやられたら次は俺がやる!いいな!」

Pカチュウ「…サンキュー、シゲル」

シゲル「…ふん」

フリーザー「そうと決まれば少年、私と美しき実況と解説をしようではないか」

シゲル「それは別にいいんだよ!」ガビーン
237 : 1   2019/06/23 16:36:08 ID:3LKCyNokg.
マサキ「おしゃべりは終わったか?これが最期かもしれへんし、たっぷり楽しんでてもええんやで」ニヤッ

百合子「最期?それはあなたが決めることじゃない…」

マサキ「…」

百合子「私の物語の結末は私自身が記していくんですからね」ドヤッ


Pカチュウ「いくぞみんなあああああああ!!」ドドドド
マサキ「かかってこいやぁ」チョイチョイ


百合子(あれ、私のキメ台詞…総スルー?)ガーン


Pカチュウ「“でんこうせっか”!」ビュンッ

マサキ「途中で軌道を自在に変える“でんこうせっか”…威力はしょぼいがなかなかにめんどいわざやな……だが!」

マサキの サイコキネシス!

マサキ「全方位攻撃ならそんな小細工は意味を成さない」

Pカチュウ「くそっ!」

マサキ「“れいとうビーム”!」

おしょう「!?」

おしょう、ネギで“れいとうビーム”を弾く!

フリーザー「敵のわざを瞬時に自身のモノにするあの特殊能力…厄介だな。あれのせいでマサキの戦術が大幅に広がっていく」

シゲル「百合子!お前読書好きなんだろ!頭脳戦で対抗するとかなんかして戦え!!」

百合子「1つ言っておきます!読書が好きだからって頭いいとは限らないんですよ!!」バーン!

シゲル「何で自信たっぷりに断言してんのお前!」ガビーン

百合子「でも安心してください」

シゲル「?」

百合子「マサキさんは1つミスを犯した!そこをつけば攻略可能です!」
238 : ごしゅPさま   2019/06/24 19:49:10 ID:dwZGHBaixw
ホント読書キャラなのにアホなんだよな
239 : 1   2019/07/01 20:49:29 ID:GkSvMrCtho
Pカチュウ「弱点!本当か!?」

百合子「はい!マサキさんは使ったわざを覚えてますか?」

Pカチュウ「最初に“サイコキネシス”…次に“10まんボルト”、“すてみタックル”、“れいとうビーム”…」

百合子「そう、つまり!マサキさんは4つのわざを全て晒したということです!」ビシッ

マサキ「…」

百合子「後は、またコピーされないように注意深く攻撃すればいいんですよ!」

Pカチュウ「そう上手くいくか…いや、今は考えられる手段を試していくしかないか!」

百合子「マサキさん!バトル漫画よろしく優れた能力を自慢したかったみたいですけど、それが仇となりましたね!シルフ、“りゅうのいかり”!エグゼ、“トライアタック”!」

マサキ「ふふふ、着眼点はいいが…まあせいぜい60点ってところやな」スッ

シルフ「!?」
240 : 1   2019/07/01 21:05:43 ID:GkSvMrCtho
エグゼ「か、からだが動か、ない…!」

シゲル「あれは!“かなしばり”!!」

マサキ「言い忘れとったが、一度覚えたわざは何度でも思い出して使うこともできるんや…」

Pカチュウ「忘れたわざも再度使えるのかよ!」

百合子「本を読み解く力はあっても、戦略は読み解くことができなかったということですね」フフッ

フリーザー「何を上手いこと言った気になっている!そんな場合ではないだろうに!思えばさっきからボケた発言ばっかりだぞ!もう少し緊張感を持つのだ!」

シゲル「いや、そうでもないさ」

フリーザー「ん?」

Pカチュウ(グレンタウンでは、焦りから周りが見えなくなってカツラと瑞希にボロ負けした…!けど、今の百合子は違う!)

シゲル「あの百合子って女は、よくも悪くも仲間の力でパワーアップしやがる…今のあいつには鍛え上げた頼れるポケモンたちがそばにいる」

Pカチュウ(今の百合子の精神コンディションは、万全だ!!)

百合子「さあ、次行きましょうか!」ニッ
241 : 1   2019/07/01 22:18:14 ID:GkSvMrCtho
シゲル「あの顔はちょっとやそっとじゃ動じないって顔だぜ…!ほんとムカつくやつだ、知らない間にまた強くなりやがって…!」

百合子「何度だって立ち向かう!行きますよ、マサキさん!」

マサキ「…“かなしばり”」

ピタッ!
百合子「うわあああ、身体が動かない!ど、どうしよおおおおう!!」アセアセ

フリーザー「ものすごく動じているが?」

シゲル「…」ドヨーン

Pカチュウ「う、ごけ、ない!」

マサキ「ははは!凡人共の足掻きほど滑稽なものはないなぁ!」

百合子「凡人、ですか…。マサキさんは人より優れた頭脳があるのに、それをどうして悪事に使うんですか!」

マサキ「それをどう使おうとわいの勝手やろ?」

百合子「そもそもあなたの目的は何ですか!私たちをこの世界に連れてきた理由は!?」

マサキ「さっきから質問の多いやつやな…」

百合子「答えてもらいますよ!」

マサキ「…この世の人間は汚いって思わんか?」

百合子「え?」

シゲル「あいつ、急に何言ってやがる…」

マサキ「人間はポケモンを、まるで道具のように扱う。商売に、労働力に、そして悪事に…その行いはポケモンだけでなく善良な人間をも傷つけることになる」

フリーザー「…」

マサキ「だからわいは、今の社会を掌握することで、人間を支配し、ポケモンの豊かな世界を築くことを誓ったんや!そうすることでこの世界は楽園へと昇華するんや!!」

百合子「世界を築く…!楽園…!」
242 : 1   2019/07/01 22:43:51 ID:GkSvMrCtho
シゲル「棚に上げるな!お前だってポケモン使って悪事を働いてる人間だろうが!」

マサキ「これは革命や。個のためでは無く世界のため。そのための行いは全て正当化される!それに今のわいは人間という穢れた器を捨て、新たな器を手に入れた!人でありポケモンでもあるわいこそが世界の中心となり、世界を導く存在なのだ!!」

フリーザー「誰が支配するとか導くとか、それは驕りが過ぎるぞ、美しくない」

マサキ「何とでも言えばええ、どうせお前たちにはわからんことや」

シゲル「けっ!分かりたかねぇやそんなこと!」

マサキ「Pカチュウ。お前もわいと同じ、人でありポケモンである存在…そういう点でいえばお前とわいは同類や」

Pカチュウ「勝手に同類にするな!俺は俺だ!」

マサキ「わいはお前に一目置いてるんやで。お前は優れた能力がある。人を導く才能が…」

Pカチュウ「そりゃあどうも」

マサキ「それにお前のおかげでわいの計画は大きく前進した。これでも感謝してるんやで」

Pカチュウ「何…?」
243 : 1   2019/07/01 23:05:35 ID:GkSvMrCtho
マサキ「お前はわいの実験の過程で見つけた優れた素体や…。当時転送装置をいじってたら、偶然にも異世界のものを転送する技術を手に入れ、わいは計画に利用できる素体を探していた。こっちの世界の人間を迂闊に使うと事を起こす前に悟られる可能性もあったからなあ」

Pカチュウ「それで俺たちがお眼鏡にかなったってわけか」

マサキ「正確に言えば『お前』がな。レーダーに大きく反応のあったものを転送してみたらお前が現れたってわけや」

百合子「ん?ちょっと待ってください!じゃあ私やこのみさん、瑞希さんは!?」

マサキ「百合子、お前はただのついでや。釣りをしてたら大物のついでに小魚がくっついてきた。ただそれだけや」

百合子「ついで…小魚…」ガーン

マサキ「残りのやつらのことは知らんなあ。大方、装置の誤作動で転送されたんやろ」

Pカチュウ(このみさんと瑞希の件はマサキの仕業じゃないのか?)

マサキ「だけど、そのただの小魚に過ぎないお前の行動にはわいはすごく楽しませてもらったわ。お前の成長はわいにとって楽しみになっていた」

百合子「マサキさん…」

マサキ「お前が成長すればするほど、調子付いたお前を絶望の淵に叩き落とす時の喜びが一入だからなあ」

百合子「なんて人ですかあなたは!」プンプン
244 : 1   2019/07/01 23:10:22 ID:GkSvMrCtho
マサキ「お前は最高のおもちゃや!せやけど計画の最終段階に入った今、お前はもう用済みや!ここで引導を渡したる!!」

Pカチュウ「百合子!!」

百合子「…私は小さい頃から、空想の世界に憧れていました。いつか自分もそんな夢にあふれた世界で大冒険をしてみたいと。その夢が15歳になって叶うことになるなんて思わなくって…私凄く嬉しかったんです!」

Pカチュウ「…」

百合子「私はこの世界が大好き…この世界で出会った人々、ポケモンたちが大好き…!だけど、その世界を脅かすあなたを野放しにはしておけない!」

マサキ「何が言いたいんや?」

百合子「世界を守るため、あなたは絶対に倒す!!」ビシッ

Pカチュウ「その意気だ百合子、こいつの言ってることは暴論だ!他人のことを考えてない独りよがりな考えだ!」

マサキ「なんやて?」

Pカチュウ「1つ言っておく。俺は今まで1度だって、人を力ずくでどうにかしようだなんて思ったことはない。その人の夢や想いを理解して、喜びも悲しみも一緒に背負って一緒に前に進む!それが俺の導き(プロデュース)だ!!」

百合子「Pカチュウさん…!」

マサキ「そんな甘っちょろい考え、吐き気がするわ」

Pカチュウ「百合子、そろそろあいつに見せてやろう」

百合子「そうですね、見せつけましょう!私たちの、フォーメンションを!」
245 : 1   2019/07/01 23:14:59 ID:GkSvMrCtho
フリーザー「フォーメンション?何をするつもりだ?」

百合子「Pカチュウさん、つむぎ!行くよ!!」

つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」グイッ

フリーザー「これは!ギャラドスの尾がまるでバネのように!」

マサキ(何をするつもりや…)

百合子「つむぎ!“すてみタックル”!!」

ギャラドス「!!」ビュンッ!!

マサキ「!?」

フリーザー「バネ状の尾を伸縮させ、発射スピードを上げたのか!」

百合子「それだけじゃない!破壊力も増してるんです!」フンス

フリーザー「しかしそんな単純な攻撃で、敵を美しく倒すことが出来るのか…?」

シゲル「そうだ!軌道が読みやすいじゃねぇか!」

マサキ「その通りや!」スッ

シゲル「ほら、いわんこっちゃねぇ!避けられた!!」

百合子「つむぎ!リターン!!」

ギャラドス「ギャオッ!!」クルッ

ビュンッ!!

マサキ「なにっ!壁にぶつかる寸前でバネ状の尾をまた壁に!?」

百合子「そう!このみさんのフォーメンションBをアレンジした七尾百合子風フォーメンション!名付けて『フォーメンション・タイフーン』!」
246 : 1   2019/07/01 23:30:32 ID:GkSvMrCtho
シゲル「何!?このみのフォーメンションだと!?流石このみだぜ!!」
フリーザー「何!?このみのフォーメンションだと!?流石このみだ!!」

Pカチュウ「手のひら返すのはやっ!」ガビーン

…チラッ
…チラッ

シゲル「てめぇ!何で俺のこのみのことを馴れ馴れしく呼んでやがる!」ボカスカ
フリーザー「このみは私のトレーナー、美しき絆で繋がっているのだ!そういう貴様はなんだ、『俺の』とは!」ボカスカ
シゲル「このみはいずれ、俺の彼女になる女だぞ!!」ボカスカ
フリーザー「何だと!認めん!お前のような美しくないとんがり頭の男なぞ!!」ボカスカ

百合子「ちょっとそこ!場外乱闘はやめてください!!」ガビーン

マサキ「くっ、図体のでかい奴が鬱陶しい…!」バチバチ

フリーザー「ぬ!やつの手が電気を纏っている!」ボローン

シゲル「“10まんボルト”か!?」ボローン

マサキ「いてもうたる!!」ビリッ

つむぎ「!?」ビクッ

Pカチュウ「安心しろ、つむぎ!俺がいる!!」

つむぎと並走しているPカチュウが“10まんボルト”を放ち、マサキの攻撃を相殺した!

マサキ「っち!」

百合子「Pカチュウさん、今です!」

Pカチュウ「よっしゃ!!」ピョンッ

シゲル「Pカチュウがギャラドスの正面に跳んだ!?」

フリーザー「激突するぞ!」

Pカチュウ「うおおおおおお!」

跳んだPカチュウの足がそのままつむぎの額に接触
スピードのついたつむぎの勢いを借りて、Pカチュウがつむぎを踏み台にし!
そのままマサキの方へと飛んでいった!!
247 : 1   2019/07/01 23:43:17 ID:GkSvMrCtho
シゲル「なっ!?」
フリーザー「なっ!?」

マサキ「2段砲弾!?」

百合子「つむぎ+Pカチュウさんの超スピード!そしてそのまま“10まんボルト”です!!」

Pカチュウ「喰らえ!!」バチバチ

マサキ「なめるなぁ!」グイッ

電撃が放たれる前に、腕を出してPカチュウの顔を掴んだ!

Pカチュウ「!?」

マサキ「ぐおおおおおお!!」

どごっ!
Pカチュウ「ぐはっ!!」

百合子「Pカチュウさん!!」

シゲル「やろう、電撃を纏った素手でPカチュウを掴んで床にたたきつけやがった!」

マサキ「奇襲は失敗やったな!2段砲弾破れたり!!」

Pカチュウ「へへ…2段砲弾…?」

最初は悔し紛れに笑っているのだと思った
しかしとっさに、マサキはある違和感に気づいた
先ほどまで動き回っていたギャラドスのつむぎの移動音が聞こえなくなったことに気づいたのだ

マサキ「!」ハッ!

視線を向けた先には、動きを止めたつむぎが…
いや、正確に言えば移動するのをやめただけ
つむぎはまるでエビのようにバネ状の尾を前に突き出していた
そしてその尾の先にいたあるものを発見し、マサキは今の状況がすべて『仕組まれていた』ことを悟った

マサキ「あれは…まさか!」

Pカチュウ「そう、『3段』砲弾だ!」ニヤッ

百合子「発射!!」
つむぎ「!」ビョンッ!

おしょう「!!」ビュンッ!

マサキ「カモネギやと!?」
248 : 1   2019/07/02 00:19:17 ID:1rQ5EybhO.
Pカチュウ「やれぇ!カモ助!!」

おしょう「!」ガッ

マサキ「Pカチュウは囮!真の狙いはカモネギによる奇襲攻撃か!!」

百合子「おしょう、お願い!!」

愛刀のネギと大根を構え、そのままマサキへと攻撃!
しかし…

マサキ「無駄や!」ガシッ

おしょう「!?」

百合子「受け止められた!?」

マサキ「たとえどんな奇襲を仕掛けてこようとも、メインアタッカーがお前じゃ話にはならんのや」

おしょう「…」ギロッ

マサキ「能力も低く、進化もできない、全てのわざを得るためのレベルも低い…はっきり言ってお前は百合子PTの中で最も弱い!そんなお前の攻撃なんて今のわいにはゴミ同然や!」

おしょう「…」

マサキ「百合子の前にお前に引導を渡したるわ!」

マサキはそのまま握力を入れ、おしょうの両刀を握りつぶした!

マサキ「はははははは!」
249 : 1   2019/07/02 00:22:50 ID:1rQ5EybhO.
百合子「そんなことじゃおしょうは折れませんよ」

おしょう「!」バッ
折れた武器を放り投げ、両翼を広げた!

マサキ「!?」

百合子「おしょうは負けないよ、絶対に…!」


『俺の夢は…誰にも負けない強い戦士になること』


百合子「絶対に勝つんだ!」

おしょう「!!」


『おしょうの言う通り、才能の壁ってあると思う…けど、ここで諦めてこれまで頑張ってきた自分の気持ちを否定しちゃいけないと思う』
『理想の自分はいつだって自分の心の中にいる……私もそれを探してる途中だから、おしょうも一緒に探していこう!それはきっと困難を乗り越えた夢の先にあると思うから…』


マサキ「こいつっ!!」

百合子「おしょう!!」


『俺の夢は…誰にも負けない強い戦士になること』
『なれるよ、おしょうなら絶対』


おしょう「!!!!!!!」バッ!

百合子「“きりさく”!!」


斬!!


マサキ「がはっ…!ば、馬鹿な…!自らの両翼を、武器に…攻撃を…っ!」

百合子「私のおしょうは強いんだ…っ!」

おしょう「…っ!!」
250 : 1   2019/07/02 00:23:46 ID:1rQ5EybhO.
今日はここまで

更新頻度の遅さ…
オーキド博士、お許しください!
251 : Pサマ   2019/07/02 05:38:52 ID:caLDvX4TbI
更新おつー

おしょうぅうううう!!!
252 : プロヴァンスの風   2019/07/02 18:55:53 ID:/PAHjKRzj.
乙!
253 : 1   2019/07/06 23:11:54 ID:.eHgk.ywXE
シゲル「最強のいでんしポケモンを相手にあのカモネギ、ここにきて遂に大ダメージを与えやがった…!」

マサキ「が…ぐ、うぅ…」

Pカチュウ「だから言っただろ?ここぞって所で出せばどんなカードだって最強足り得るってさ」

マサキ「調子に乗るな!こんなラッキーパンチ、二度目はあらへんで!」

Pカチュウ「それはどうかな!こっちには今勝利の女神が付いてるみたいだからなあ!」

百合子「ふっ…」ドヤッ

Pカチュウ「…今のはもののたとえであって、お前のことじゃないぞ?」

百合子「えぇ!?」ガーン

Pカチュウ「とにかく!こっちの士気が高まってる今がチャンスだ!ガンガン攻めていくぞ!」

百合子「はい!じゃあ次は…」

エグゼ「…」スッ

百合子「『フォーメンション・ブリザード』で行きましょう」

フリーザー「ブリザード」ピクッ

マサキ(今度は何をするつもりや?)

百合子「エグゼ、“テクスチャー”!」

エグゼ「へん!しん!とうっ!」ピカーッ

シゲル「ポリゴンの姿が変化していく!?」

マサキ「以前セキチクで使った、確かマイティ―セーラーとかいう珍妙な姿になったあのわざか!?」

Pカチュウ(俺も実際に見るのは初めてだからな、お手並み拝見だ)

エグゼ「変身完了…」

シゲル「!?」
フリーザー「!?」
マサキ「んな!?」
Pカチュウ「あ、あれは…!」

百合子「エグゼ…こおりタイプモード!」

Pカチュウ「雪だるま将軍じゃん!?」ガビーン

254 : 1   2019/07/06 23:34:57 ID:.eHgk.ywXE
マサキ「なんやこのおっさん」

Pカチュウ(俺が新技特訓している間に、こんなことに…)ドヨーン

エグゼ「やれやれ、見た目で判断するとはいけませんなあ!この姿をこれ以上馬鹿にするのであればこの刀の錆にしてあげましょう!」スチャ

シゲル「カモネギの侍の次はおっさんの将軍かよ…」

百合子「だって刀カッコいいじゃないですか!剣とか刀はファンタジーの王道中の王道ですよ!!」フンス

エグゼ「マスター!」

百合子「行くよエグゼ(雪だるま将軍ver.)!」

マサキ(さあ来いや…!)

百合子「“れいとうビーム”!」

エグゼ「くらえーっ!」(目からビーム)

Pカチュウ「刀使えよ!!」ガビーン
シゲル「刀使えよ!!」ガビーン

マサキ「ほんまになめた連中や!」バリバリ

右手に念力を集中させる

マサキ「はあっ!!」バシッ

エグゼ「なんですと!?」

シゲル「片手で“れいとうビーム”を弾いた!?」

フリーザー「“サイコキネシス”を右腕に集中させて弾いたのか!」

マサキ「喰らえやっ!」

Pカチュウ「来るぞ!“サイコキネシス”!!」

エグゼ、両腕をクロスさせてガードの態勢に入る!
しかしその威力は想像以上のものであった!

エグゼ「ぐああああ!!」

Pカチュウ「エグゼ!!」

マサキ「ふん、所詮この程度――」

エグゼ「ふっ、甘い!甘いですなあ!」

バリバリ!
体中の鎧が砕け、剥がれ落ちていく
そして、新たな姿を現した!

百合子「これが第二形態!雪だるま将軍・MATURIモード!」

エグゼ「ほ」
255 : 1   2019/07/06 23:55:49 ID:.eHgk.ywXE
Pカチュウ「でっかい氷像のまつりだー!」ガビーン

マサキ「性懲りもなくまた変身ショーか…!」

百合子「いえ、それだけじゃないですよ…!つむぎ!シルフ!」

二体のポケモンがエグゼの身体に巻き付く
そしてエグゼの左肩にシルフ、右肩につむぎがそれぞれ顎を乗せる

百合子「合体完了!!」

マサキ「」

シゲル「」
フリーザー「」

Pカチュウ「」

ドヨ~ン

百合子「何ですかこの空気!?かっこいいでしょうあれ!?」

Pカチュウ「あ、うん…俺はわかるよ、うん」

百合子「そんな投げやりな」ガビーン

マサキ「…お遊びに付き合うのもここまでや」バリバリ

Pカチュウ「また腕に念力を溜めたぞ!どうするんだ百合子!?」

百合子「つむぎ、“ハイドロポンプ”!シルフ、“みずてっぽう”!そしてエグゼは“れいとうビーム”!!」

2体の繰り出したみず攻撃にエグゼのこおり攻撃が複合!
水は瞬く間に凍てつき、氷の塊に!
それらがすべてマサキに向かって放たれた!

エグゼ「これがボクたちのフォーメンション・ブリザードの神髄!」

百合子「名付けて!氷撃砲弾〈ブリザード・キャノン〉!!」

Pカチュウ「いいぞ!これなら行けるかもしれない!!」テノヒラクルー

百合子「えへへ…!」

マサキ(なめやがって!ゆりこぉ!)ゴゴゴゴゴゴ
256 : 1   2019/07/06 23:56:01 ID:.eHgk.ywXE
257 : 1   2019/07/12 00:14:12 ID:KmzFCBPTXw
シゲル「マサキのやつ!また念力を腕に!しかも今度は両腕!?」

マサキ「おらぁ!!」

放たれた氷の塊を次から次へと打ち落としていく!

百合子「どんどん撃ち込んで!マサキさんに少しでも当ててダメージを与えるために!」

つむぎ「ギャオオオオオオオス!」
シルフ「!!」

マサキ「無駄や!無駄!!」

百合子「そんな…全部撃ち落された…?」

エグゼ「うそーん!」

マサキ「今度はこっちの番や」

マサキはまず左腕を百合子たちに向ける
手のひらにエネルギーが溜められていく…がそれは先ほどの念力によるものではなかった

百合子「水の…エネルギー」

Pカチュウ「しまった!あいつシルフのわざを――」

マサキは“みずてっぽう”を放つ!

Pカチュウ「――コピーしやがった!!」

マサキ「そして!!」

次に右腕を向ける

マサキ「こうや!!」
258 : 1   2019/07/12 00:21:33 ID:KmzFCBPTXw
シゲル「あれは“れいとうビーム”!?」

百合子「きゃあっ!!」
Pカチュウ「ぐはっ!!」

エグゼ「ぐへっ!!」
つむぎ「ギャウッ!!」
シルフ「!!?」

シゲル「やろう…百合子たちの連携わざをたった1人で成立させやがった!」

Pカチュウ「く、くそ…」

マサキ「わいも言ったやろ?最強カードはどの盤面で出しても必勝なんや、ってな」ニヤッ

Pカチュウ「…」ギリッ

じりじりとPカチュウに迫る

マサキ「わいの勝ちや」

びゅんっ!
Pカチュウの頭上を跳び越えて、何者かが2人の間に割って入った!

ユニー「!」キッ

マサキ「ギャロップ!?」

百合子「“ほのおのうず”!!」

天井に届きそうな高さの“ほのおのうず”がマサキを閉じ込めた!

マサキ(くっ!周りが全く見えない!)

シゲル「閉じ込めてじわじわダメージを与えるつもりか?」

フリーザー「だがそれは一時しのぎにしかならない!どうするつもりだ!?」

Pカチュウ「こうするのさ!」

マサキ(奴の声がだんだんと上に上がっていく……まさか!?)

Pカチュウ「うおおおおおおおお!!」

マサキ「なに!?“ほのおのうず”の中に自ら!?」
259 : 1   2019/07/12 00:49:22 ID:KmzFCBPTXw
フリーザー「そうか!この“ほのおのうず”はマサキを閉じ込めるためのものではなく…!」

シゲル「一対一の状況に持ち込むために用意されたリング!」

百合子「そう!炎のデスマッチです!!」

Pカチュウ「勝負だ!マサキ!!」

マサキ(おかしい…!数で攻めればまだ奴らに分があるはずのこの状況で、サシの勝負に持ち込むってことは絶対何かある!)

百合子「Pカチュウさん見せてやってください!修行の成果を!!」

Pカチュウ「まかせ、ろ!!」バチバチ

マサキ「尻尾に電気エネルギーを集中させた!?」

Pカチュウ「くらえぇぇええええええええええ!!」

マサキ「これがお前らの奥の手か!だけどわざわざ喰らってやる必要はないんやで!!」

ガードの態勢に入る!

Pカチュウ「うおおおおおおおおおおお!!」
マサキ「おおおおおおおおおおおおおおお!!」

フリーザー「双方のエネルギーの衝突で周りの炎も消えていく…」

シゲル「どっちだ!どっちが勝ったんだ!?」
260 : 1   2019/07/12 01:06:14 ID:KmzFCBPTXw
Pカチュウ「…」ゼェゼェ

マサキ「ふぅ…」

百合子「Pカチュウさんの攻撃を腕で受け止めてる…!」

マサキ「“ほのおのうず”を使った作戦、なかなかやったが攻撃の軌道が丸わかりや。来ると分かってる攻撃を防ぐのは造作もない」

ビリッ…
Pカチュウの攻撃を防いだ腕を見つめる

マサキ(ちっ…!エネルギーを集中させなきゃ下手したらやられてたのはわいや…っ!やろう、こんな隠し玉を用意してたなんて!)

Pカチュウ「ちくしょう!」ドンッ

マサキ「…まあ何にせよ結果が全て」

マサキは念の波動でPカチュウを吹き飛ばす

Pカチュウ「ぐはっ!」

マサキ「今のバトル、競り勝ったのはわい!これが真実や!」

百合子「Pカチュウさん!」バシッ

Pカチュウ「な、ナイスキャッチ…」

百合子「うわわわわ!!」スッテンコロリン

フリーザー「…ではなかったな」ドヨーン

百合子「こ、後頭部が…たんこぶ出来てそう…うぅ…」ズキズキ

Pカチュウ「ハァハァ…すまない百合子…俺が不甲斐ないばっかりに…」

百合子「そんなことないですって」

Pカチュウ「最強を豪語するだけのことはある…確かに奴は強い…!」

百合子「そうですね…けど」

少しずつ、立ち上がる百合子

百合子「まだ私たちには『とっておき』があるじゃないですか」

Pカチュウ「お前、まさか…」

百合子「『フォーメンション・ストーム』で決着をつけましょう」
261 : 1   2019/07/12 01:18:09 ID:KmzFCBPTXw
おしょう「!?」
エグゼ「あ、あれを…!?」

マサキ(なんや?Pカチュウだけやない、他のポケモンどもも明らかに動揺している…?)

Pカチュウ「考え直せ!あれは危険だ!」

百合子「でも上手くいけばマサキさんを倒せるかもしれない」

Pカチュウ「失敗すれば100%敗北するんだぞ!!」

シゲル「なっ!?」
フリーザー「100%…」

マサキ「ほぉ…」

百合子「それでも!これしか手はないんです…」

Pカチュウ「百合子…」

百合子「大丈夫です、私は皆を信じてますから!一蓮托生です!だから、やらせてください…!」

Pカチュウ「…わかった!やろう!」

マサキ(この期に及んで何を企んでいるのだか…見せてもらおうか)

百合子「いくよ…皆…!」
262 : 1   2019/07/12 01:21:55 ID:KmzFCBPTXw
ボンッ!

マサキ「なにぃ!?」

シゲル「Pカチュウ以外のポケモンを全部ボールに戻した!?」

百合子「行きますよ!」
Pカチュウ「おう!!」

百合子とPカチュウは一斉に駆け出した!

マサキ「“サイコキネシス”!」

百合子「“10まんボルト”!」

マサキ「こいつら、また懲りずにサシで勝負するつもりか!?」

百合子「いいえ、あなたを倒すには全員の力を使わないと勝てないと再認識しました…だから!」

走りながらモンスターボールを構える

百合子「行けっ!!」

ボンッ!

つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」
つむぎの すてみタックル!

マサキ「このっ!!」

マサキがつむぎに攻撃を仕掛けようと構えた!
しかし!

百合子「戻れ!」ボンッ

そしてまたボールを構え――

百合子「えいっ!」

――投げた!

エグゼ「そう、ボクだ!」

エグゼの トライアタック!

マサキ「ぐっ!」

Pカチュウ「見せてやるよマサキ!」

百合子「何が出てくるか分からない!あっと驚くビックリショーをとくとご覧あれ!」
263 : プロヴァンスの風   2019/07/18 11:31:06 ID:HPqn7GwErI
待ってるぞ
264 : 1   2019/07/19 00:21:59 ID:btstphaCs6
百合子「行けっ!」ポイッ

ボンッ!
ユニー「!」

マサキ「今度はギャロップ!」

ボールから飛び出したユニーはそのままマサキに衝突し、吹き飛ばした!

マサキ「ぐはっ!」

シゲル「ボールを投げるスピード+飛び出したポケモンのスピード……これを行うことで通常より相手との距離を詰める時間を短縮してるのか」

フリーザー「しかも何が出てくるか分からない分、相手に与えるプレッシャーも大きくなる……だが――」

マサキ「百合子ォ!!」ビュンッ

百合子「うわ、来た!」

フリーザー「――手持ちをボールに戻しているから、百合子ががら空きになっている!」

マサキ「ボールを投げる隙は与えへんで!」

Pカチュウ「させるか!」

マサキ「くっ、邪魔や!」

Pカチュウ「邪魔で結構!そのために俺がいるんだよ!」

百合子「“10まんボルト”!」

マサキ「“サイコキネシス”!」

百合子「Pカチュウさん、ありがとうございます」

Pカチュウ「気にするな、お前を守るのが俺の役目だからな」

百合子「そんな!『一生』守るだなんて!」ポッ

Pカチュウ「そこまで言ってないよ…」ドヨーン
265 : 1   2019/07/19 00:32:51 ID:btstphaCs6
フリーザー「Pカチュウがいる限り、百合子に攻撃を仕掛けても防がれる。まさに百合子を守る盾ということか」

マサキ(何が守る盾や…PT最強のPカチュウを攻めじゃなくて守りに使うなんて非効率的すぎる)

Pカチュウ「ガンガンボール投げてプレッシャー与えていくぞ!」

百合子「はいっ!」

マサキ(Pカチュウを活かすならもっと上手い方法があったはずや…この作戦はあまりにも悪手すぎる…)

百合子「行け、モンスターボール!」ポイッ

マサキ(何か考えがあるのか、あるいは考えなしなのか……まあ、例え何か策があるとしても――)

ボンッ!

マサキ「――こうすればええんや!」

おしょう「!?」

百合子「おしょうが出てくる前に技を繰り出した!?」

マサキ「この作戦のキモは奇襲、何が出てくるか分からないところが強み…だけどな、わいはお前らの手の内を知っている…タイプ相性でわいに有利なやつはいないこともな。だったら後は簡単や、この最強の力で出てきたやつ片っ端からぶっ潰せばええんや!」

シゲル「科学者とは思えない脳筋発言だな」

百合子「最強…ですか」ボソッ

マサキ「あ?」
266 : 1   2019/07/19 00:43:44 ID:btstphaCs6
百合子「そ、そういう大きい発言は…負けた後に恥ずかしくなるから、やめた方が…い、いいですよ」

Pカチュウ(百合子…!)

マサキ「ほう…」ギロッ

百合子「マサキさんのその力は結局ミュウツーのものであって、マサキさん自身のものじゃない…借り物の力で強がってても、それって空しいだけ――」

マサキ「黙れェ!!」

百合子「ひっ!」

マサキの迫力に圧倒され、尻もちをつく百合子
その拍子に4つのモンスターボールが転がっていく

マサキ「過程なんてどうでもええんや!強大な力を操る者こそこの世のすべての自由にできる権利がある!弱い奴は搾取されるだけや!そう、わいの…父のように…!」

百合子「…力で他人を支配しようだなんて間違ってる…」

マサキ「はっ!お前らトレーナーとポケモンはまさに支配し支配される関係やないか!どんなに奇麗事を言ってもお前らの本質はわいと同じや!だからわいは思い上がった人間どもを力で支配してやるんや!!」

百合子「確かにそういう考えの人もいるかもしれない…!けど人とポケモンは心と心で通じ合える!仲良くなれるんだ!私たちはそうやってここまで来たんだ!!」

マサキ「減らず口やな!お前がどんな夢物語を謳おうが、どのみちお前もポケモンどもも何もできずにここでゲームオーバーや!恨むなら弱い自分を恨めや!」
267 : 1   2019/07/19 00:51:03 ID:btstphaCs6
マサキの手が百合子の眼前に迫る
今の百合子が恐怖を感じるには十分すぎる動き
足は震えて立ち上がれず、手を地につけて後ろに下がるしかできない
逃れることのできない重圧…

――理想の勇者とは程遠い存在

空想の中に存在する『理想の勇者』とは違う
弱弱しい自分
恐怖に抗えず、理想と現実の相違を突き付けられ、
涙を流すことしかできない哀れな少女でしかなかった

百合子「そう…私は弱い」

右腕を震わせ、マサキに向ける
そして握っているモンスターボールを見せつける

百合子「それでも私は私を信じてくれている仲間たちのために――」

マサキ「ボールを隠し持ってたんか!?」

百合子「――理想の自分を追い求め続けるんだ!!」
268 : 1   2019/07/19 00:59:27 ID:btstphaCs6
カチッ!

ユニー「!!」ボンッ
マサキ「があァ!!」ドゴッ

近距離からのユニーの突撃をダイレクトに受ける!

マサキ「ギャロップ!そうかこいつ、ここまでスタミナを温存していたから…!!」


『ユニー、かっこいいよぉ!』
『風の戦士として絶対かっこよく乗りこなして見せる!』
『これからもよろしくね!ユニー!』


ユニー「――――――ッ!!」

マサキ「こいつ…どんどんパワーが、増して……!!」

ユニーの瞬間的な勢いはついにマサキを凌駕し、突き飛ばした!
不意を突かれたから、という点もあっただろう
しかし、ユニーにはマサキの持ち得なかった力…
トレーナーへの信頼…がこの競り合いの決め手となったのだ!

マサキ「百合子の奴め、慣れない挑発はこのための…!」

すぐさま起き上がり、再び百合子に攻撃を仕掛けようとしたその時!
マサキの足元に百合子が落としたモンスターボール『3つ』が転がってきた

ボンッ!ボンッ!ボンッ!

おしょう「!」
エグゼ「おらぁ!」
シルフ「!!」

ボールから出てきた3体はマサキを取り囲んだ!

Pカチュウ「行くぞ皆!!」

Pカチュウの掛け声と同時に、ユニーは行動を起こした!
まずは足元のモンスターボールを高く蹴り上げた!
そして、“ほのおのうず”を放ち、仲間ごとマサキを閉じ込めた!
蹴り上げたボールは渦のてっぺんで開き、そこから出てきたのはギャラドスのつむぎ!
ユニーは渦を突き破って、そのままマサキに突っ込んでいった!
269 : 1   2019/07/19 01:04:41 ID:btstphaCs6
マサキ「この狭い空間に密集して一斉攻撃!これがお前らの狙いか!!」

エグゼ「この渦の中からは逃げられませんよ!四方八方からあなたを倒します!」

マサキ「図に乗るのはまだ早いで!!」

腕を上げると、マサキを護るための念のエネルギーが出現し、
全ての攻撃をガードした!

エグゼ「“バリアー”!?」

マサキ「そしてこの念を攻撃エネルギーに変換して……放つ!!」

“バリアー”からの“サイコキネシス”によって、
ポケモンたちは一斉に吹き飛ばされた
そして、マサキの足元で力尽きて倒れる

マサキ「はははは!これで全滅や!!」

“ほのおのうず”も念攻撃によって相殺され、
今まで炎で遮られていた視界が広がった
だから今の今まで気づけなかったのだ


百合子がマサキにモンスターボールを『投げていた』ことに!

投げたボールが『開きかけている』ことに!

それがすでに自身の至近距離まで迫っていたことに!


マサキ(ま、まさかっ!!)

マサキだけではない
百合子以外のこの場の誰もが思った

『あいつはモンスターボールに入れない』と!

だからこそ、ずっと百合子の傍で単身防御に徹していたのだと!

百合子自身はその心理をついたわけではない
少なからず百合子の旅に同行したことのあるこのメンツだからこそ、その思い込みが膨らみ、
偶然にも勝率を引き上げることに成功した!

そしてボールが完全に開かれ――

Pカチュウ「マサキィィィイイイイイイイイイイ!!」

最強の電気ネズミが姿を現した!!
270 : 1   2019/07/19 01:06:09 ID:btstphaCs6
続く
仕事でペース遅くなるけど、引き続きよろしくです
271 : 1   2019/07/28 21:54:33 ID:CnGzYbY2N6
モンスターボールから飛び出してきたPカチュウを見て、マサキは瞬時に察した
初めにPカチュウがこの作戦に反対したのも、がら空きの百合子を守るためPカチュウが防御に徹し続けていたのも、この作戦の危険性をわざと自分に思考させるため
百合子のわざとらしい挑発も、ポケモンたちの無謀な一斉攻撃も、Pカチュウから目をそらすためのスケープゴートであったため

マサキ「何が『フォーメンション』や!最初からこの作戦、わいとPカチュウの一騎打ちの状況を作り出すためだけのもの!わいはまんまと一杯食わされたってことか…!」

百合子「マサキさん、それは違います、これは私やポケモンたちが心を1つにしなきゃ成功し得ない作戦…!1人と6匹の総力の結晶なんです!」

Pカチュウ「うおおおおおおおおおお!!」ビリビリ

Pカチュウの尻尾が電撃を纏う

Pカチュウ(今度こそ“かみなり”を決めてやる!!)

百合子「モンスターボールから出た時点でPカチュウさんはすでに間合いの中!もうマサキさんは逃げられない!」

マサキ「逃げる、だと?わいを舐めるな!」

百合子「防御の構え!?」

Pカチュウ(ハッタリを駆使してきたこの作戦も、失敗すれば100%負けるってのはマジな話なんだ!それなのにまた防がれたら何の意味も…!)

百合子(本当だったら“ほのおのうず”で視界を完全に遮断した状態で完全不意打ちを決めるはずだった、けどマサキさんが“サイコウェーブ”で相殺しちゃったから!)

マサキ(防御した瞬間、0距離からの“サイコキネシス”でジエンドや!)

Pカチュウ「負けない…!」

マサキ「!?」

Pカチュウ「負けるもんか!ここで負けたら倒れた皆の想いや、百合子の涙が全部無駄になるだろうが!」

百合子「プロデューサーさん…!」
272 : 1   2019/07/28 22:01:33 ID:CnGzYbY2N6
ドドドドドドドドド!

百合子「え?地震!?」

シゲル「いや、これは…!」

マサキ「シルフカンパニーが傾いとる!?」

その原因が、1階で暴走したけつばんの猛攻撃によるものだということはこの場の全員が知る由はなかった
だが、Pカチュウはこのチャンスを逃さなかった!
揺れにより、バランスを崩したマサキのほんのわずかな隙をついたのだ!

マサキ「しまった!?」

Pカチュウ「喰らえマサキ!これが俺たちの――」

電撃で輝いた尻尾をマサキ目掛けて振り回した!

マサキ「ぐあああああああっ!!」

Pカチュウ「――力だーっ!!」

電撃と打撃の同時攻撃…Pカチュウの改良した“かみなり”の一撃をマサキはダイレクトに受け、そのまま倒れこむ
どすん、という鈍い衝撃が部屋中に響き渡る
その反面、静まり返る百合子たち…

シゲル「直撃した…!」

最初に口を開いたのはシゲルだった

フリーザー「あぁ、この勝負…!」

百合子「勝った…!私たち、勝ったんだ!!」

エグゼ「ボクたちの勝利だーっ!!」
おしょう「…」フッ

Pカチュウ「あぁ、俺たちの勝――」


マサキ「あぁ、めっちゃ痛かったわー」ポキポキ


Pカチュウ「なっ!?」

シゲル「嘘だろ!直撃したじゃねぇか!?」

マサキ「確かに今の攻撃、もろに喰らってもうたわ…けど、わいには“じこさいせい”っていうわざがあってな…」

フリーザー「奴の傷がみるみるうちに癒えていく…!」

百合子「そんな…っ!」

マサキ「何度も言わせんなや、最強はいついかなる時も最強や!」ニヤッ

百合子「私たちの…負け…」ガクガク
273 : 仕掛け人さま   2019/07/29 07:28:50 ID:NHaZ7CpLw.
おつおつ、待ってるデー
274 : Pサマ   2019/08/04 12:12:14 ID:s9xy82zYjo
あげー
275 : 1   2019/08/06 00:37:24 ID:dGLiAyQh2U
マサキ「これが現実や。夢や希望なんて覚束ないものは圧倒的な力の前では無いに等しい」

百合子は膝から崩れ落ちた

おしょう「…!」スチャ
ユニー「…!」ザッ

マサキ「満身創痍のお前らじゃもうわいは倒せへんで!!」

百合子とPカチュウ以外のポケモンたちは繰り出された“サイコキネシス”によって吹き飛ばされる

百合子「きゃあっ!」

Pカチュウ「百合子!皆!」

このフォーメンション・ストームはとっておきの一撃を与えることに特化させた作戦
なので、その過程で囮となる者たちは心身ともに負担が大きくかかってしまう
だからこそ、この作戦は一度の失敗も許されないのだ

Pカチュウ「俺のせいだ…俺があの時決めることが出来ていたらこんなことには…!
『囮』なんてレベルじゃない…百合子や皆を、俺が『犠牲』にしてしまった…!!」

マサキ「これで分かったか!自分らがどれだけ身の程知らずだったかってことをなあ!」

Pカチュウ「くそおおおおおおおおっ!!」バッ

マサキ「まだ立ち向かってくる意思があるのか、そこだけは褒めたる…けど」

ばしっ!
向かってきたPカチュウの顔面をマサキが掴んで受け止める!

マサキ「いい加減ウザいわ……そのまま消えろや!」

そのまま投げ飛ばされる!
その先にあるのは、大きなガラスでできた壁!
Pカチュウがぶつかった衝撃と同時に、ガラスの割れる音が部屋中に響いた
そしてPカチュウはガラスを突き破り、そのまま落下していく
276 : 1   2019/08/06 00:52:04 ID:dGLiAyQh2U
シゲル「Pカチュウ!!」

百合子「プロデューサーさん…」

マサキ「まずは一匹…」

シゲル「逃げろ!!」

百合子「う…ぐ…」フラッ

マサキ「立ち上がるのがやっと、って感じやな…まあどのみちその震えた足じゃ走ることもできんやろうけどな」スッ

フリーザー「まずい!やつが攻撃態勢に入った!」

マサキ「加えて言えば、こうやって遠距離攻撃かませばお前が動こうが止まってようが関係ない話っちゅーことや!」

どんっ!
マサキの攻撃が百合子に放たれた!

シゲル「!?」
フリーザー「!?」

百合子の意識が薄れ、身体が自分の意思とは関係なく力が抜け倒れていく

――どうして…こんなことになっちゃったんだろう…

――ただ…部屋で読書でしながら空想にふけるだけで満足していれば良かった…

――こんな思いをするくらいなら…



――夢なんて見なければよかった
277 : 1   2019/08/06 01:04:58 ID:dGLiAyQh2U
百合子「…何もない空間…ここどこだろう?」

百合子「あ、そっか。私マサキさんに敗けて、それで…」

百合子「はは…死んじゃったんだ、私…」

百合子「でもしょうがないよね…やれることは精いっぱいやったんだもん…」

百合子「それでだめならもう私にできることなんて何も…」

百合子「…あ、光が」

パッ!

百合子「え!?ここ、舞台裏!?」

瑞希『七尾さん、探しましたよ』

百合子「瑞希さん!ここに瑞希さんがいるってことは瑞希さんも死…」

瑞希『一体何を…あ、もしかして具合が悪いのですか?』

百合子「具合が悪いという以前に私は死……うわっ、よく見たら瑞希さんがステージ衣装を…って私も来てる!?」

瑞希『これは困ったことになったぞ』

未来&翼『どーん!!』

百合子「うわわわっ!」バタッ

未来『大丈夫、百合子ちゃん!?』

翼『ちょっと強く押しすぎちゃたかな?』

百合子「未来!翼!2人までどうしてここに!?」

未来『どうしてって…もうすぐライブだし、そんでもって私たちの出番が近いからかな!』

翼『瑞希ちゃん、百合子ちゃんどうしちゃったんですか~?』ヒソヒソ

瑞希『私にもさっぱりです…』ヒソヒソ
278 : 1   2019/08/06 01:06:49 ID:dGLiAyQh2U
百合子「そっかわかった…これは走馬灯だ…死にゆく私が最期に見ている泡沫の幻影」

翼『良かった、やっぱりいつもの百合子ちゃんだ!』

百合子「え?」クルッ

翼『え?』

百合子「…でも良かった、最期に皆の顔が見れて。少し満足しました」

瑞希『本当にそうですか?』

百合子「ほ、本当ですよ…!だって私に出来ることは全部やりきったんですから…」

瑞希『七尾さん、人が何かに挑むとき…そこに妥協を持ってきてはいけません。何かを成し遂げないのであれば自分の信じた道を進むべきです』

百合子「瑞希、さん…」

翼『うーん…わたしには難しいことよく分からないけど、どうせやるなら自分がやりたいことやった方が絶対楽しいよ!』

百合子「翼…」

未来『百合子ちゃーん!』ギュッ

百合子「み、未来!?」アタフタ

未来『私たちは何があっても百合子ちゃんの味方だよ!だから、もう泣かないで』

百合子「泣くって…私、涙なんて…涙、なんて…」
279 : 1   2019/08/06 01:11:34 ID:dGLiAyQh2U
――百合子が最初に思い出したのは、マサラタウンの風景
ピカチュウの姿となったプロデューサーとの冒険の始まり
シゲルと出会い、初めてのポケモンバトル
ニビジムでタケシと出会い、旅の仲間が増えたこと
記憶を失い、ロケット団として立ちふさがってきたこのみ
グレンタウンでの瑞希との思わぬ再会の瞬間

そして何よりも、旅先で出会ったポケモンたちのこと
弱いと見下されながらも共に特訓し強くなっていった、つむぎ
不器用ながらも強さの道を歩み続けている、おしょう
弱い自分を受け入れて進むべき道を見出した、エグゼ
仲間たちを後押ししてくれている頼れる姉御、ユニー
ポケモンやしきで心を通わせることが出来た、シルフ

小さい頃から本の世界で見るだけだった、ファンタジーの世界
そこで自分が冒険をする、という夢
辛いこともたくさんあったけど、それ以上に楽しかった旅
自分が楽しく異世界での旅を続けられたのは、
周りに仲間がいてくれたから
だからこそ、自分が夢を見続けることが出来たのだと――
280 : 1   2019/08/06 01:15:30 ID:dGLiAyQh2U
百合子「せっかく…皆と特訓して強くなったのに……!悔しい!悔しいよ!!ここで終わりたくない!!私はまだみんなと旅をしていたい!!何も成し遂げられないまま終わるのは嫌だ!!」

???『ようやく、自分の気持ち…出せたね…百合子さん…』

百合子「杏奈ちゃん…!」

杏奈『大丈夫…百合子さんなら…絶対に…できる、よ』

瑞希『いつも通りの自然体で』
翼『焦らず!』
未来『じっくり挑戦!』
杏奈『それが…杏奈たちの…乙女ストーム流の…やり方、だよ』

百合子「そうだね…未来の風はいつだって私たちに吹いてる…だったらその風に向かって突き進むのが!風の戦士のやるべきこと、だよね!」

その瞬間に、百合子の正面から風が吹く
風を肌で感じ、今までにない心地よさを感じた
あの先に自分が進むべき道がある、と百合子は直感した

百合子「私、行くね!」

翼『頑張ってね、百合子ちゃん!』
瑞希『七尾さん、ご武運を』
杏奈『杏奈…百合子さんのこと…信じてる、よ』

未来『百合子ちゃん。ステージの幕はまだ上がったばっかりだから、幕が下りるまで私たちはずーーーーーっと!百合子ちゃんを待ってるからね!』

百合子「ありがとう、皆…!全部終わったらまた皆でライブしようね!」
281 : 1   2019/08/06 01:19:15 ID:dGLiAyQh2U
――うん…約束、だよ



百合子「!!」カッ

マサキ「なにっ!?」

シゲル「踏みとどまった…!」

マサキ(何故立ち上がれる!?いったい奴に何が起こったんや!?)

百合子「っ!!」

百合子は正面に向かって、駆け出していった!

シゲル「あいつ!絞り出したわずかな体力で…」

フリーザー「逃げるためでも、防御するためでもなく…」

百合子「はぁぁあああああっ!!」

マサキ「わいへの攻撃に使うつもりか!?」
282 : 1   2019/08/06 01:21:28 ID:dGLiAyQh2U
今日はここまで
上げてくれてどうもです
コメントあるとモチベ上がります
ありがサンキューってやつです
283 : プロデューサー殿   2019/08/06 05:35:32 ID:ZCOz3p9FQ.
おつおつ。
またいいところで終わるー。
284 : 1   2019/08/12 00:45:49 ID:UoZ11PHMNk
百合子はスピードを緩めることなく、いっさいに躊躇も迷いも全てを捨て去り、
両腕を使い、そのまま正面のマサキの脇を掴んだ!

百合子「勝つ!絶対に!!」

マサキ「こ、こいつ!!」

シゲル「正気かあいつ!?満身創痍のあの状態で特攻なんて!しかもポケモン相手にだぞ!!」

フリーザー「平和な世界の生まれであり、戦闘とは無縁の生活を送ってきた百合子が今まで持ち合わせていなかった感情……己の命を懸けてでも絶対に勝利する、という闘争心…!」

シゲル「極限状態の中でそれが生まれたってのか!?」

フリーザー「おそらく、な」

マサキ「この…雑魚がぁ!!」

フリーザー「勝利するのは、圧倒的な力か――」

百合子「勝って皆の所に帰るんだぁぁああ!!」

フリーザー「それとも、揺るぎない信念か――」

百合子「このぉ!このぉ!」

シゲル「っつっても、ピクリとも動かせてねぇ!当然っちゃ当然だけど!」ガビーン

マサキ「気合い入れなおしたからって突然パワーアップするわけないやろ!所詮現実そんなもんや!」

マサキが腕を振り上げる

マサキ「頭かち割ってジエンドや!」

シゲル「!?」

マサキ「し、ね――」

マサキが百合子目掛けて腕を振り下ろそうとしたその瞬間!
どんっ!!!
マサキの身体に大きな衝撃が走った!

百合子「み、みんな…!」

倒れていたはずの百合子のポケモンたちがマサキに向かって突進!
百合子と共に押し合いに加わった!
285 : 1   2019/08/12 00:53:36 ID:UoZ11PHMNk
つむぎ「ギャオオオオオオオス!!」
ユニー「!!」
エグゼ「うおおおおおお!!」
シルフ「!!」
おしょう「…!」

マサキ「何でや!百合子以上にダメージを受けているはずのお前らが!何故立ち上がれるんや!!?」

フリーザー「百合子の闘争心という名の火が彼らにも燃え移ったということか…ふっ、美しいじゃないか!」

百合子「敗けられない…!この仲間たちのためにも…元の世界の仲間との再会のためにも…私は、絶対に勝つ!」

マサキ「ほざけ!お前らとっくのとうに敗けてるんや!なのにゾンビみたいにぞろぞろ群がりやがって!!どこまでわいを怒らせれば気が済む!!」


『ええかマサキ。周りから認められなくても、決して道を見失ってはいけないよ』


マサキ(違う!力は…絶対なんや!こいつらみたいな雑魚を黙らせるためには、力を示すのが一番なんや!!)

百合子「皆の力を合わせれば、マサキさんに勝てる!」
286 : 1   2019/08/12 00:58:34 ID:UoZ11PHMNk
ポケモンたちが加わったことで、じりじりと後ろに押されていく
当然マサキも、先ほどと違って力で抵抗している
しかしマサキも体力を消耗しているため、最初程のパワーを出し切れていない

マサキ(“じこさいせい”でダメージを回復できても、スタミナまでは回復できない…!単純な力の押し合いは時間がかかればかかるほどわいに不利に働く…!)

百合子「行けえええ!そのまま後ろに押し込んでえええ!!」

マサキ(せやけど、こいつらはわい以上にスタミナを消耗しているはず…この押し合いに何の意味もない…)

マサキが思考を巡らせていたこの瞬間、
先ほどの百合子の言葉を思い出した

マサキ「『後ろに押す』…もし、こいつらの狙いが『わいを後ろに押すこと』そのものにあるのだとしたら……わいの後ろにあるのは…!」

マサキの後ろ
それはマサキの造り出した世紀の大発明品
マサキとミュウツーを融合し、新たな力を得たきっかけとなったもの――

マサキ「ポケモン転送装置!?まさか百合子、お前!」

百合子「…私が初めてマサキさんにあった日に、あなた言ってましたよね?」


百合子『両側の扉が開いて、左にはコーヒー、右には…』
マサキ『ミルクや!この転送装置はAとBの異なるものを分離することもできるんや!』


マサキ「そういうことか!百合子の狙いはわいとミュウツーの分離!!」

百合子「これが本当の本当に、今私たちに残された最後の勝ち筋なんだ!!」
287 : おやぶん   2019/08/12 05:22:27 ID:qeE1YAzAYg
これは勝ったな!
風呂入ってくる
288 : 1   2019/08/17 23:57:00 ID:SF2uKsHM2s
マサキ「追いつめられたこの状況でわずかな希望に縋ろうってことか!だけどな、百合子」

マサキが転送装置の方に片手を構える

マサキ「ただ指をくわえて見てるだけだと思ったか?わいの妨害を視野に入れてない時点でお前の考えは浅はかなんだよ!!」

百合子「っ!」

マサキ「“れいとうビー”――」

シルフ「!!」ヒュンッ

シルフの尾がマサキの腕を弾く!
その衝撃によって、放たれた攻撃は別の方向へと飛んでいった!

シルフ「!!」フンスッ

マサキ「ハク、リュー…ッ!!」ピキピキ

百合子「今だあああああああああああ!!」

マサキ(くっ!バランスが崩れた瞬間を狙われた!)

エグゼ「このままいけばボクらの勝ちです!」

百合子(後、少し…!)

マサキ「敗けてたまるか…わいのプライドに懸けて、ここでお前らに敗けられんのや!」

エグゼ「マサキの身体から念力が!?」

マサキ「シゲルどもを倒すために温存したかったが…出し惜しみしてる場合やないからなあ!」

フリーザー「まずい!このゼロ距離から“サイコキネシス”を放たれれば百合子たちの身が!!」

百合子「っ!?」



・・・・・・

・・・・

・・

バチ、バチバチ
289 : 1   2019/08/18 00:09:28 ID:ootaEXudxY
マサキ「“サイコキネシス”!!」

百合子「きゃあっ!!」

シゲル「百合子!!」

おしょう「…っ!」バタッ
ユニー「…」バタッ

フリーザー「ここまでか…」クッ

マサキ「アーハハハハハハッ!!」

百合子「お、終わらない…」

マサキ「…まだ立ってられんのか。貧弱なお前にここまでの根性があるとはな、ほんま驚きやで」

百合子「まだ繋がってる…この繋がりが断たれない限り、私たちはまだ敗けじゃない…」

マサキ「はっ!繋がりぃ!?言っとくが、シゲルを相手にするくらいの余力はまだ残してあるし、タケシとこのみの加勢を期待しているのならそれは無駄な考えや」

シゲル「何!?お前このみに何かしやがったのか!?」

マサキ「けつばんを下の階に解き放った!奴はミュウツーに次ぐ最強のポケモンや!今頃完膚なきまでに倒されている頃やろうなあ!」

シゲル「野郎、俺のこのみを…!」ギリギリ

フリーザー「お前のではない、断じてだ」


・・

バチバチ
290 : 1   2019/08/18 00:16:21 ID:ootaEXudxY
百合子「私にはわかる…このみさんたちは敗けてない…!それに――」

マサキ「お前がどんなに渇望しようとも、待っているのは敗北という結末や」

百合子「はぁ…はぁ…」フラッ

シゲル「百合子!!」
フリーザー「百合子!!」

マサキ「眠れ。この絶望塗れた現実の中で、お前の好きな夢を見続けながらな…」

百合子(それに――来てくれてるから…)


バチバチ
バチバチ


フリーザー「何だ、この音…」

百合子(希望は私のすぐ後ろまで…)

バチバチ!

シゲル「電気が…弾ける音?」

マサキ「そんな…はずは…!」

バチバチ!!

百合子「プロデューサー…さん!」

バチバチバチバチ!!
ビュンッ!!

倒れていく百合子の横を目にも留まらぬ速さで通り抜けていく!
そして、電撃を纏ったそれはマサキの腹部目掛けて突撃したのだ!!
291 : 1   2019/08/18 00:21:05 ID:ootaEXudxY
Pカチュウ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

シゲル「Pカチュウ!!」ダキッ
フリーザー「おおっ!」ダキッ

マサキ「がはっ!ば、バカな!!お前はビルから突き落としてやったはず!!」

Pカチュウ「まあ『地獄の底から蘇ってきたぜ』ってやつだよ」

マサキは見た
電撃と混じって飛び散る鮮血
Pカチュウの、皮一枚で繋がった今にもちぎれそうな尻尾を…

マサキ「尻尾に溜めた電気エネルギーを…暴発させて…その勢いでここまで…!?」

Pカチュウ「…凄い痛かったけどな」

マサキ(百合子といいこいつといい、こいつらどこから力を振り絞ってるんや…!何で諦めへんのや…!)

シゲル「Pカチュウ!そのままこいつを転送装置にぶち込めぇ!!」

Pカチュウ「転送装置…?」

シゲル「転送装置には分離機能があるらしい!百合子たちはそれを試みてやられちまったんだよ!!」

マサキ「まあ無駄な足掻きってやつや!」

Pカチュウ「本当にそう思うか?」

マサキ「は?」

Pカチュウ「765プロ流の戦い方…団結の力…!ここまで来てもまだ理解できてないようだからな、そろそろ思い知らせてやるよ!」

マサキ「…お前もわいを分離させるつもりか?」

Pカチュウ「あぁ、けどそれだけじゃない」

マサキ「?」

Pカチュウ「分離させるのは…お前をきっちり戦闘不能にした後でだ!!」
292 : 1   2019/08/18 00:21:36 ID:ootaEXudxY
次回ついに決着!?
293 : 5流プロデューサー   2019/08/18 05:49:33 ID:a7UXjXLOtc
>>292
フラグ立った!!
しっぽめっちゃ痛そう…。
294 : 我が下僕   2019/08/28 14:51:10 ID:bflv1pZS0U
上げ
295 : 1   2019/08/28 23:27:57 ID:lmlui9W5e.
マサキ「わいを倒す、やと!?」

Pカチュウ「…俺たちはここまで来るのに、修行を重ねて力をつけてここまで来たんだ…!けど、実際は圧勝には程遠い状況だ…!悔しいけど、認めるよ…お前は紛れもない『最強』だ!けどな!!」

バチバチ!!
Pカチュウ「このバトルの『勝者』は俺たちだ!!それだけは絶対に譲らない!!!」

マサキ(わいが“じこさいせい”で回復しているところに、絶え間なく続く電撃攻撃……回復が、追い付かない…っ!)

Pカチュウ「お前にダメージを与えつつ、後方に押し込んでやる!」

マサキ「ぐうっ!なめるなぁ!!」ジリッ

Pカチュウ「な、なにっ!?」

シゲル「動きが止まった!」

フリーザー「一見拮抗していたかのように思えたが、やはりここに来て元々の基礎能力値の差が出たか」

ビリ…ビリ…
Pカチュウ(くそ、身体の電気が…もう…)

マサキ「文字通り死力を振り絞ってここまで這い上がってきたわけだが…それもここまでのようやな」

Pカチュウ「くっ…!」

マサキ「“サイコキネシス”を喰らって、今度こそくたばれや!!」

ドスッ!!
Pカチュウ「が、は…っ!」
296 : 1   2019/08/28 23:57:27 ID:lmlui9W5e.
フリーザー「衝撃で引き離されたか…!」

マサキ「…」

Pカチュウ「……」

かっ!
Pカチュウ「っ!!」ビュンッ

シゲル「よっしゃ!“でんこうせっか”で軌道修正しやがった!」

フリーザー「しかし…もうでんきわざが使えないとはいえ、この土壇場でそのわざを…!」

マサキ「やはり…な」ザッ

シゲル「野郎!既に戦闘態勢に入ってやがる!Pカチュウの行動を読んでたのか!」

マサキ「…お前のことや、小技使ってでも喰らいついてくると思っとったわ」

Pカチュウ「読まれてようが関係ない!このわざで決着付けてやる!!」

マサキ「お前の狡い策は圧倒的な力でねじ伏せる!来いや!!」
297 : 1   2019/08/29 00:07:45 ID:.hAl9exbUI
――身体が、動かない
――声も思うように出ない
――今の私にできることは、あの人の勝利を祈るだけ

――だから

百合子(お願い、プロデューサーさん……勝って…!)


Pカチュウ「勝負だマサキ!正真正銘のラストバトルだ!!」
マサキ「もう二度と立ち上がれないように、完膚なきまでに破壊したる!!」

シゲル「やっちまえPカチュウ!!」

マサキ「はあっ!」ボムッ

フリーザー「こ、これは…!」

Pカチュウ「“バブルこうせん”!?」

マサキ「どこに避けようが、周辺に拡散した泡が確実にお前を捕らえる!もう逃げ場はないで!!」

Pカチュウ(くそっ、どうする…どうする…!)

マサキ(どんな手段でも使ってきたらええ!その都度対抗策を講じてねじ伏せたる!!)

Pカチュウ(しっかりしろ俺!『どうする』じゃないだろ!俺のやることはただ1つ!!)

ビュンッ!

Pカチュウ「おらぁっ!!」サッ

マサキ「!?」

シゲル「泡と泡の隙間を通り抜けた!」

Pカチュウ(ここで止まったらもう二度と動けない!俺にはもうこれしかないんだ!!)

フリーザー「連続で軌道を変えながら強引に突破するつもりか!?」

Pカチュウ「電撃を失った今の俺の武器は『速さ』だ!加えてこの小さい身体ならギリギリ突破できるはず!!」

マサキ「やはり『その手』で来たか」ニヤッ
298 : 1   2019/08/29 00:33:49 ID:.hAl9exbUI
“バブルこうせん”を突破したPカチュウの前には、
巨大な“サイコキネシス”の光弾を片手で掲げるマサキの姿が!

マサキ「別に避けられてもかまへんのや!最初からわいの狙いはこれ1つだったんやからな!」

Pカチュウ「……」チラッ

刹那、Pカチュウは再び軌道を変えた!
だが、それは前方ではなく――

フリーザー「後ろに下がった!けど、それではマサキの攻撃を防ぐどころか、避けた“バブルこうせん”に接触してしまうぞ!」

マサキ「何を企んどる!?」

Pカチュウ(チャンスは一度きり…っ!)チラッ

Pカチュウが避けた“バブルこうせん”は攻撃対象を失い、そのまま宙に浮いている
…が、泡とはいえこれも攻撃のために作られたエネルギーの塊
泡は泡同士、あるいは床に接触
接触した瞬間、一点に溜まっていたエネルギーは弾けだし…

ドンッ!!

Pカチュウ(今だっ!!)

ビュンッ!!

マサキ「何ィ!?」

フリーザー「そうか彼の狙いはこれか!」

シゲル「爆風に乗って、スピードの上乗せ!」

マサキ「限界突破の超スピードによる“でんこうせっか”!!」

Pカチュウ「当たれえええええええええええ!!」
299 : 1   2019/08/29 01:03:02 ID:.hAl9exbUI
マサキ(攻撃が…間に合わな――)

どすっ!
マサキの思考が一瞬止まった
Pカチュウの超スピードを認識した時には、すでに相手は自分の眼前にいたのだ
そして、Pカチュウの渾身の一撃をこめかみに喰らっていた
こめかみは人体の急所の1つ
一撃喰らっただけでも脳が直接揺さぶられるような感覚に陥った
意識が少しずつ薄れていく感覚を、ダメージと共に感じ始めていた

マサキ「わいの…こんな…わいが…」

Pカチュウ「ハァ…ハァ…!」

百合子(プロデューサーさん…!)

マサキ「こんな…こんな…」


『父さん…父さんはとても優しくていい人やった…けど、そこに付け込まれて汚い大人たちに利用されて、挙句の果てに死んでまうなんて…父さんはそれで良かったんか?』
『ミュウツーの研究は…父さんの意思はわいが引き継ぐ!けどわいは父さんとは違う!』
『力や!誰もが恐れ慄く力を手に入れてやる!絶対に!!』


マサキ「こんな、非力な雑魚…なんかに…っ!!」

バタッ!

気絶したマサキはそのまま転送装置の中で倒れる
Pカチュウは最後の力を振り絞って装置にしがみついた

Pカチュウ「俺たち……の――」

そのまま起動ボタンを押す
扉が閉まり、視界からマサキの姿が消えた

Pカチュウ「――勝ち…だっ!!」ズルッ

バタッ!
300 : 1   2019/08/29 01:11:54 ID:.hAl9exbUI
シゲル「…勝ったのか?おい!今度こそ勝ったんだよな!?」

フリーザー「あぁ…マサキは作動した転送装置の中…つまり彼女たちが…」

シゲル「勝ちやがった!あの最強ミュウツーの力を宿した存在を!百合子たちが打ち倒しやがった!!」


百合子(勝った…勝ったんだ私たち…良かった、後で…プロデューサーさんに、お礼…言わないと…)


~シルフカンパニー階段~

このみ「また爆発音が聞こえたわ!急ぐわよ!!」

タケシ「無茶すんな、また頭から出血するぞ!」

瑞希「ですが、私たちが行ったところで足手まといになるだけでは?」

このみ「そこは…」

瑞希「そこは?」

このみ「お姉さんのアダルティな応援でどうにか!」

タケシ「ならないぞ!」ガビーン

このみ「何でよ!」ピュー

タケシ「落ち着け!血!血が出てるから!」

このみ「え、乳が出てるですって!ムキ―、この変態!露出狂!!」

タケシ「そんなこと言ってないからぁ!後俺は変態じゃない!!」

瑞希「コントの途中すみません」

このみ&タケシ「コントじゃない!」ガビーン

瑞希「着きました、最上階の扉です」

扉を蹴り破るタケシ

このみ「百合子ちゃん!プロデューサー!だいじょ……」

3人の視界に映ったのは
倒れている百合子とポケモンたち
巨大な装置の前で、出血して倒れているPカチュウ
喜びで肩を組んで左右に揺れてるシゲルとフリーザー

このみ「色々な意味でいったい何が…」
301 : 1   2019/08/29 01:40:37 ID:.hAl9exbUI
シゲル「このみぃ!無事だったか!」

フリーザー「流石は我がトレーナーだ!」キリッ

このみ「えーと、とりあえずここで何があったか教えてもらえる?」

フリーザー「話せば長くなるが、かくかくしかじかで」

瑞希「なるほど、ミュウツーと一体化したマサキさんとの戦いに無事勝利した、と」フムフム

タケシ「お前もそれで通じちゃうの!?」ガビーン

瑞希「とりあえず長居は無用です。傷ついた皆さんを外まで運びましょう」

フリーザー「私も美しく手伝おう」

タケシ「…普通でいいよ」ドヨーン


このみ「百合子ちゃん…こんなにボロボロになって…」

シゲル「認めたくねぇけど、こいつ結構頑張ってたぜ…何度戦況を覆されても諦めずに立ち向かっていってよ」

このみ「よく、頑張ったわね…」ギュッ

百合子「…このみ、さん…」

このみ「百合子ちゃん!目を覚ましたのね!」

百合子「このみさん、あったかい…です」エヘヘ

このみ「じゃあしばらくこうしててあげる、だから今はゆっくり休んでちょうだい…」ギュッ

シゲル(女神だ…!まるで慈愛の女神…っ!ますます惚れたぜ…!アイラブユー!)ナミダドバー

瑞希「急に泣き出した……困ったぞ瑞希」

シゲル「よ、余計なお世話だ!ってかお前誰!?」

このみ「百合子ちゃん立てる?早くここから出ましょう」


マサキ「ま、待て…」

このみ「マサキくん!?」
百合子「……」

元の姿に戻ったマサキは、這いつくばりながら装置から出てきた

マサキ「まだ…まだわいは…!」
302 : 1   2019/08/29 01:40:58 ID:.hAl9exbUI
続く
303 : プロデューサーさま   2019/08/29 06:18:16 ID:gUAHj8mGR2
やった!
304 : 1   2019/09/05 01:14:32 ID:Wys.USF2J2
マサキ「まだわいは、負けたわけじゃあらへん…まだ…まだや…!」

このみ「…違うわ、もう勝負はついたの。あなたの、負けよ」

マサキ「嘘や!わいにはまだけつばんがいる!それにミュウツーだってここにおるやないか!!」

マサキが出てきた所とは別の装置には、ピクリとも動かないミュウツが座っていた

フリーザー「操られていた時に少し耳にしたが、それは心のない人形…自力では美しく動けないはずだ」

瑞希「それにけつばんは私たちが倒しました、もうあなたに味方はいません」

マサキ「嘘や…そんなの嘘や…」

シゲル「往生際が悪いぜ!てめぇはもう終わりなんだよ!」

マサキ「ミュウツー!!」

マサキは力を振り絞り、ミュウツーのそばに這い寄った

マサキ「お前はまだ戦える!そうやろ!?最強のお前がこんな奴らに負けるわけがないんや!だから立って動いてくれぇ!!」

このみ「マサキくん…」

シゲル「けっ!そんなんで動くわけねぇだろ!みっともないぜマサキさんよぉ!」

マサキ「お前はわいの…父さんの最高傑作なんや!ミュウツー!ミュウツー!!」

ミュウツー「……」ピクッ

瑞希「!?」
タケシ「もう大人しくするんだ」

瑞希「待ってください、今ミュウツーが動いたような…?」

タケシ「え?」
シゲル「いやいや、そんなわけが……」

ミュウツー「!」カッ
305 : 1   2019/09/05 01:22:36 ID:Wys.USF2J2
それは信じがたい光景だった
動かないはずのミュウツーの目が見開いた
そしてそれを認識した瞬間、ミュウツーから発せられた念力により、
このみと百合子以外の、ミュウツーの周辺にいた者たち全員が吹き飛ばされたのだ!

タケシ「な、何ぃ!?」ドゴッ
シゲル「ぐへっ!!」バタッ
瑞希「いったい何が?」
フリーザー「…これはあくまで推測だが、マサキがミュウツーと合体していたことで、ミュウツーという名の器に心が宿った…のかもしれない」

このみ「そんなのってありえる!?」

フリーザー「わからない…が、今分かることといえば、我々は美しく大ピンチってことだな」

ミュウツー「……」スタッ

マサキ「ミュウツー…!おぉ、ミュウツー!ついに完成したんや、真の最強のいでんしポケモンが!」

ミュウツー「……」ギロッ

瑞希「何か様子がおかしいですね」

マサキ「…どうしたんやミュウツー?」

ミュウツーはすでにマサキへの関心を失ったようで、
もう彼の方を向かず、ただ天井を眺めていた
そしてミュウツーは、
そのまま静かに『宙に浮いた』

マサキ「おい、待て!どこに行くんや!」

ミュウツー「……」

マサキ「わいを置いてく気か!?おい何とか言ったらどうなんや!?」

このみ「どうなってるの?」

タケシ「どうやら敵さんは俺たちに敵意が無いらしいな…でも、それ以前に主人であるマサキにも無関心だ」

ミュウツー「……」

マサキ「頼む行かないでくれ!お前『まで』いなくなったらわいは今度こそ独りになってまう!頼むお願いや!!」

ミュウツー「……」
マサキの叫びも空しく、ミュウツーはそのまま天井を突き破って
どこかへと飛び去った
306 : 1   2019/09/05 01:30:55 ID:Wys.USF2J2
マサキ「そんな…そんな…」ガクッ

瑞希「助かったようですね」

タケシ「あぁ…」

マサキ「へ、へへ…はは…」

このみ「マサキくん?」

マサキ「父を亡くして、師と慕った人たちを欺き…そして、わいを友と呼んでくれた連中まで裏切って…力を追い求めた結果がこれや!」

このみ「…」
タケシ「マサキ、お前…」

マサキ「結局わいは全てを失った……ただの孤独、その結果のみしか残らんかった…」

百合子「そんなことは、ない…ですよ」

マサキ「ゆ…百合子!?」

このみ「百合子ちゃん、無理しないで!」

百合子「すみません…けど、1つだけマサキさんに言っておきたいことがあるんです」

マサキ「なんや…恨み言ならいくらでも聞いたる、だからさっさと言えや」

百合子「マサキさん…あなたのやってきたことは到底許されることではないです……だから」
307 : 1   2019/09/05 01:36:26 ID:Wys.USF2J2
マサキ「…」


百合子「次からは気を付けてください」


マサキ「…え?」

シゲル「はぁ!?」
フリーザー「なんと…」

このみ「あらあら」
瑞希「少し驚きました……びっくりだぞ」
タケシ「まあ、らしいっちゃらしいな」

マサキ「お前、一体何が狙いや!」

百合子「狙いって…別にありませんよ。私が言いたいのは『罪を憎んで人を憎まず』ってやつです」

マサキ「かっこつけるな!絶対何か裏があるはずや!何か狙いが無ければこんなこと言えるはずがっ!」

タケシ「マサキ。お前がさっき言った通りなんだよ」

マサキ「は?」

タケシ「こいつはただかっこつけてるだけだ」

百合子「ちょちょちょっと!」ガビーン

このみ「でも誤解しないで。百合子ちゃんは、人を憎むような考えはしないわ」

瑞希「七尾さんの心の優しさは私たちが一番知っています、だからこそ理解できるんです、これは紛れもなく彼女の本心です」

マサキ「なっ…」

百合子「やり直しましょう…そして今度こそ、本当の友達になってください」

マサキ「友達……わいは……」


どごんっ!!
天井から2つの影が落ちてきた!
1つは人間サイズ、もう1つは巨大な生物の影
巨大な影はマサキの体を鷲掴みにして持ち上げた!

瑞希(あれは…ポケモン?)

???「マサキよ、貴様が言うように、しょせん貴様は独り…」

タケシ「そ、その声、どこかで…!」
シゲル「こいつ、まさか…っ!」

サカキ「いや、ただの無だ」

百合子「サカキ…っ!」
308 : 1   2019/09/05 01:44:48 ID:Wys.USF2J2
タケシ「サカキ、やはり生きてたのか!」

瑞希「あれがロケット団の…」

このみ「ボス…」

サカキ「久しいなこのみ、しぶとく生き残ったようだな」

このみ「…」ギリッ

百合子「どうして、ここに…」

サカキ「愚問だな。私欲のための我が組織を利用したこの男への制裁…ただそれだけだ」

サイドン「グウウッ!!」ミシッ
マサキ「ぐああああああああっ!!」

タケシ(なんて巨大なサイドンだ…いったいどんな育て方をしたらあれだけの…)

サカキ「マサキ…哀れな男だ。ミュウツーの存在を確立させたのは貴様の父の力、研究を進めることが出来たのも我が組織の技術を使ったからこそ、挙句の果てにはミュウツーの力を得て最強気取りか…貴様など他者の力を借りてようやく一人前になれた盗人にすぎない……貴様自身は何も持ち得ていない…無の存在だ!」

マサキ「っ!」

サカキ「仮初の力を得て満足しているようでは、頂には程遠い」

マサキ「だ、黙れ…」

サカキ「ふん…サイドン、握りつぶせ!」

サイドン「ぐごおおおおっ!!」
マサキ「あああああああっ!!」

百合子「マサキさん!!」
309 : 1   2019/09/05 01:51:03 ID:Wys.USF2J2
シゲル「カメックス!」ボンッ

サカキ「!?」

シゲル「“ハイドロポンプ”!!」

カメックス「!」ボシュウッ
サイドン「!?」

マサキ「…」バタッ

シゲル「フリーザー、マサキを助けろ!」

フリーザー「私に命令しないでくれるか…まあ、助けてはやるさ、美しくね」ヒョイッ

百合子「シゲルさん!!」

シゲル「おい勘違いすんなよ!マサキがどうなろうと知ったこっちゃないけどな…トレーナーのくせにポケモンに人殺しを命じる、こいつが気に入らねぇんだ!!」

サカキ「シゲル…確か君はオーキド博士の孫だったな…祖父譲りのポケモン愛と言ったところか、青いな」

シゲル「何!?」

サカキ「そんな甘さでは私の足元にも及ばないと言っているのだよ」
サイドン「…」ニヤッ

瑞希(苦手なタイプ攻撃をまともに受けて、あの余裕…)

サカキ「貴様たちに教えてやろう、真の最強というものをな」

サイドン「ぐごお…」ノシノシ

このみ(いけない、何か来る!)

サカキ「最強とは…己の持つ強い力に加え、いかなる強者をも従え、支配できる『王の資質』を持つもののことを言うのだ!」

その時、サイドンが拳を地面に振り下ろした!

サカキ「“じわれ”」
310 : 1   2019/09/05 01:56:32 ID:Wys.USF2J2
百合子「うわああっ!」

タケシ「嘘だろ!半壊してたとはいえ、たった一撃でビルに致命的なダメージを与えた!?」

サカキ「これが私のサイドン…私が鍛え上げた正真正銘の強大なパワーだ!」

百合子「こうなったらサカキ!私と勝負!」

瑞希「それは無理です、やめてください」キッパリ
タケシ「そうだ!手負いのお前じゃ1%も勝ち目なんてない!」

百合子「で、でもこの人は!」

サカキ「残念だが今は、お前と戦うつもりはない…先ほども言ったが、今回はマサキへの制裁が目的だったからな」

百合子「ぐぬぬ…」

サカキ「だが決着はつけるつもりだ…ここではない、我々の決戦に相応しい『あの地』でな」

シゲル「『あの地』だと!?」

サカキ「トキワシティに来るがいい!そこで決着をつけてやる…ロケット団の首領としてではなく、トキワジムのジムリーダーとしてな!」
311 : 1   2019/09/05 02:05:43 ID:Wys.USF2J2
百合子「トキワジムの!?」
シゲル「ジムリーダーだと!?」

サカキ「決戦は1か月後!その期間を過ぎた後、私はカントーを去るつもりだ!」

百合子「ということは…」

サカキ「我がグリーンバッジを手に入れる術を失うということだ」

シゲル(ポケモンリーグへの挑戦条件は『8つのジムバッジを持っていること』!もし、サカキを取り逃がすことになったら…)

サカキ「待っているぞ、チャレンジャーたちよ」

百合子「あ、待て!」

このみ「百合子ちゃん抑えて!今はボスのことよりもこのビルから脱出することを考えましょう!」

タケシ「といっても、ここは最上階だぞ!どうやって逃げる!?」

フリーザー「君たちを運んでいきたいのは山々だが、このみやそこの気絶している2人を運ぶので精いっぱいだ」

Pカチュウ「」
マサキ「」

瑞希「私のプテラはけつばんとの戦いでひんし状態……ピンチだぞ」

シゲル「…しょうがねぇ、ここは俺が――」スチャ

ぐらぐらぐら!

百合子「…嫌な予感が」
このみ「奇遇ね、私もよ」

ばぎっ!!

百合子「ああああああ足場がああああ!!」


うわあああああああああああああああああああ!!
312 : 1   2019/09/05 02:08:14 ID:Wys.USF2J2
このみ「美人薄命とはこのことね!」
百合子「私の魂は今、風と1つとなろうとしている…!」

タケシ「お前ら結構余裕だな!」ガビーン

瑞希「まままままままままままだあわわわわわわわわわわ」

タケシ「お前は表情は変わらないのに、言動で動揺が一目瞭然!」

フリーザー「しかし困ったものだな」

タケシ「って何で飛べるお前も一緒になって落ちてるんだよ!?」

フリーザー「協調性ってやつだ!」キラーン

タケシ「そんなのどうでもいいから、助けろよ!」

フリーザー「君たち、さっきから私に対して気軽に――」
このみ「フリーザー、皆を助けて!」

フリーザー「お安い御用だ!」バサッ

タケシ「こいつ…」ドヨーン

フリーザー「すまない!このみと半裸男を助けるのに精いっぱいだった!」

百合子「えええええええええええ!!」

瑞希「くぁwせdrftgyふじこlp;@」

百合子「ああ!瑞希さんがバグったー!」ガビーン

シゲル「行け、ピジョット!」ボンッ

ピジョット「!」バサッ
瑞希「助かりました……どきどきしたぞ」
Pカチュウ「」
マサキ「」

百合子「あのぉ!私とシゲルさんはどうやって助かれば!?」

シゲル「安心しろ!まだ『こいつ』がいる!」
313 : 1   2019/09/05 02:13:09 ID:Wys.USF2J2
~シルフカンパニー前~

社長「わしのシルフカンパニーがああああああああああああああ!!」

ナツメ「いったい何が起こっているの?」

サイキッカー「あ!」

ナツメ「どうしたの?」

サイキッカー「親方!空から女の子が!」

ナツメ「誰が親方!?」ガビーン

社長「ははは!見ろ!我が社がゴミのようだあ!!」

ナツメ「もうあなたたち黙ってて」ドヨーン


百合子「おーちーるうううううううううううううう!!」

シゲル「だから心配すんなって!」

ボンッ!
リザードン「グオオオオオオオオッ!!」

百合子「た、助かった…」

シゲル「助けてもらった借りは、これで返したぜ」ニヤッ
314 : 1   2019/09/05 02:13:26 ID:Wys.USF2J2
続く
315 : Pしゃん   2019/09/05 04:19:41 ID:OVZjTLfTGw
おつー、サカキさんパネェっす
316 : 1   2019/09/07 00:53:58 ID:iiYjnhhcZ6
~ヤマブキシティ~
シルフカンパニーでの死闘から一週間が経過した

Pカチュウ「暇だ…」

タケシ「安静にしてろよ、尻尾もようやくくっついてきたんだし大人しくしてるべきだ」

Pカチュウ「そうなんだけどな、逆に落ち着かなくって…。元の世界でも常に働いてたからさ、動いてないと違和感があるわけよ」

タケシ「お前、自分の労働環境改めろよ…」ドヨーン

瑞希「おはようございます、プロデューサー」

タケシ「来たか待ってたぞ」

Pカチュウ「ん?待ってたって?」

タケシ「瑞希がお前に栄養のある物を持ってくるって言ってたんだよ」

Pカチュウ「お、食べ物か?」

瑞希「はい、私のとっておきです」

ボンッ!
ラッキー「!」

瑞希「ラッキーの卵は栄養満点で美味しいと聞きます、ぜひ食べてください」

タケシ「わざわざセキチクまで行って捕まえてきたんだろ、よくやるな」

瑞希「いつもお世話になってるプロデューサーに恩返しです」

Pカチュウ「み、みずきぃ…」ジーン

瑞希「では、行きますよ」

ラッキー「…」テクテク

瑞希「“たまごうみ”」

ラッキー「…!」

おえっ!
げろげろ…!

ぼとっ!

タケシ「…」

Pカチュウ「…」

瑞希「どうぞ」

Pカチュウ「どうぞ…じゃない!!」

タケシ「俺の目の錯覚でなければこのラッキー、口から卵吐いてなかったか?」

瑞希「産みたてほやほやです」

Pカチュウ「ピッコロ大魔王!?」ガビーン

ラッキー「!」ガシッ

Pカチュウ「おい、無理やり口を開けるな!やめろ!せめて唾液は拭いてくれええええ!!」

タケシ「南無阿弥陀仏…」ガッショー
317 : 1   2019/09/07 01:00:16 ID:iiYjnhhcZ6
百合子「…私ようやく動けるようになったから、Pカチュウさんのお見舞いに来たんですが…」

Pカチュウ「」

このみ「気のせいかしら、白目向いて気絶しているように見えるわ」

ナツメ「へんじがない、ただのしかばねのようだ」

Pカチュウ「いや、生きてるからっ!」バッ

百合子「あ、起きた」

瑞希「すみません、私としたことが…せめて小さく切れば良かったです」

タケシ「そういう問題じゃないだろう」ドヨーン

百合子「私がいない間に面白いことしててずるいです!今度は私がいるときにお願いします!」プンプン

瑞希「はい」ペコリ

Pカチュウ「やだよ!!瑞希も!はいじゃないでしょ、はい、じゃ!!」ガビーン


シゲル「よう、相変わらず騒々しいじゃねぇか」ガチャ

わいわいがやがや

シゲル「あー…ごっほん!よう、元気そうじゃねぇ…」

わいわいがやがや

シゲル「か……って無視すんなあああああああ!!」

Pカチュウ「あ、いたのか!」

シゲル「いたわ!!人のこと無視しやがって!!」

瑞希「すみません、気づきませんでした」

シゲル「…」

ナツメ「ぼっちが言われて傷つくやつ」ボソッ

シゲル「誰がぼっちだ!!」

ナツメ「私もぼっち歴長いから、君の気持ちよくわかるわ」

シゲル「うるせぇ!一緒にすんな!」

ナツメ「がーん」
318 : 1   2019/09/07 01:04:54 ID:iiYjnhhcZ6
百合子「まあまあ!シゲルさんもこっちに来てお話ししましょうよ」

シゲル「断る!前にも言ったが俺はお前らとなれ合うつもりはねぇ!」

このみ「あら、それは残念ね」

シゲル「い、いやいや!別にこのみのことが嫌いとかそういうんじゃないぞ!むしろ好きだ!!」

ナツメ「…色んな意味で分かりやすいのね」

Pカチュウ「だろ?だからあいつをいじるの面白いんだ」ニッコリ


シゲル「とにかく!治ったんなら俺はもう行くぜ!」

Pカチュウ「…お前、俺たちが良くなるまで滞在してくれてたんだろ?ありがとうな」

シゲル「勘違いすんなよ!借りを返したかっただけだ!」

このみ「…やっぱり行くのね、トキワシティに」

シゲル「あぁ。サカキを倒しに行く」

百合子「じゃあ目的が一緒なんですから、私たちと一緒に行きましょうよ!」

シゲル「百合子、お前が夢を持っているように俺にも夢がある!俺は…ポケモンチャンピオンになるのが夢なんだ!その夢だけは誰にも譲りたくねぇ!!」

百合子「シゲルさん…」

シゲル「俺は行くぜ……アディオス!」

ガチャ!(開)

町民「うわ、雨だー!」
町民2「今年一番の大雨よー!!」

シゲル「……」

百合子「この雨じゃ、旅をするのは厳しいですね」

このみ「…ねぇ、もう一泊だけ、したら?」

シゲル「……」

ガチャ(閉)

シゲル「そうする」
319 : 1   2019/09/07 01:07:56 ID:iiYjnhhcZ6
翌日
~シルフカンパニー跡地~

タケシ「どうだ、瑞希」

瑞希「はい、転送装置は完全に壊れています」

タケシ「そうか」

瑞希「製作者のマサキさんは今だに意識が目覚めませんし、何より拘束されていますから今の我々にはどうすることも…」

タケシ「…残念だったな、もし装置が無事ならお前たち元の世界に帰れたのに」

瑞希「そうかもしれません……が、おそらく七尾さんはそれを良しとしないでしょう」

タケシ「どういうことだ?」

このみ「…百合子ちゃんは、見つけたのよ」スタスタ

瑞希「馬場さん、準備の方は?」

このみ「えぇ、いつでも出発できるわ」

タケシ「見つけた…何をだ?」

このみ「トップアイドルになるって言う本来の夢とは別の――」

瑞希「もう一つの夢、をです」

タケシ「…そうか」フッ

このみ「だから私たちも最後まで見届けるのよ!」

瑞希「それが仲間として、七尾さんにしてあげられることですから」

タケシ「仲間、か……なあ、お前らはマサキは改心したと思うか?」

瑞希「…それは分かりません、けど私は七尾さんの声が彼に届いたと信じています」

このみ「そうね、百合子ちゃんが言ってたように、今度会った時には本当のお友達になれていると良いわね」

瑞希「タケシさんは、どう思いますか?」

タケシ「俺か……俺も同じだよ。あいつは短い間だけど、一緒に行動を共にした仲間だったからな」

このみ「ならやっぱり、旅を続けるしかないわね。その答えもきっと旅の先にあるはずだから」

瑞希「では、そろそろ行きましょうか、七尾さんたちが待っています」

タケシ「だな!こうなったらとことんお前たちに着いてってやるさ!」
320 : 1   2019/09/07 01:13:23 ID:iiYjnhhcZ6
ナツメ「百合子、旅立つ前にこれを受け取ってほしいの」

百合子「プレゼントですか!開けてみても?」

ナツメ「えぇ、もちろん!」

ガサガサ
百合子「…スプーン?」

Pカチュウ(気のせいか、どこかで見たことあるような…)

ナツメ「えぇ、私の枕元にいつの間にか置いてあったスプーンよ」

Pカチュウ「めっちゃやばいやつだろそれ」ガビーン

ナツメ「大丈夫よ。確かに強い力がそれに込められているけど、悪いものではないわ。きっとあなたたちの助けになるはず!そんな予感がする!」

Pカチュウ「まあ、超能力者が言うんなら間違いないかもしれないな」

百合子「ありがとうナツメさん!大事にしますね!!」

ナツメ「百合子は私の大事な友達だから、あなたの無事を祈ってるわ」


このみ「2人とも、お待たせ!」

タケシ「それじゃい
瑞希「行きましょうか」
タケシ「って俺のセリフに被せるな!」ガビーン

ナツメ「元気でね、皆……後……」

百合子「?」

ナツメ「ありがとう!!」

百合子「ナツメさん…!」
瑞希「こちらこそお世話になりました」
タケシ「達者でな!」
このみ「また会いましょう!」
Pカチュウ「ゲームはほどほどにな!」

ナツメ「ふふ、うるさい」
321 : 1   2019/09/07 01:16:59 ID:iiYjnhhcZ6
~5番道路~

百合子「お待たせしましたーっ!」ビシッ

シゲル「何で付いてきてんのぉ!?」ガビーン

百合子「シゲルさん!私、元に世界に戻る前にやりたいことを見つけました!」

シゲル「…」

百合子「それはポケモンチャンピオンになること!私は私のポケモンたちと一緒に上を目指したいんです!」

シゲル「そうかよ、だったらなおのことお前らと一緒になんて…」

百合子「いやいや、同じ夢を志しているからと言って一緒にいちゃダメという決まりはないはずです!」

シゲル「はぁ?」

百合子「シゲルさんはなれ合いっていうかもしれませんが、仲良くなりたいって思う人と一緒にいることは悪いことではありませんよね?」

シゲル「…」スタスタ

百合子「あ…」シュン

シゲル「…トキワシティに着くまでだぞ」

百合子「シゲルさん…!」

シゲル「勘違いすんなよ!お前らの強さを知るにはそばにいた方が都合がいいって思っただけだ!!」

Pカチュウ「もうツンデレだな、シゲちゃ~~~~ん!」

シゲル「くっつくんじゃねぇ、気色悪い!」

百合子「それじゃ改めて、トキワシティにレッツゴー!」

シゲル「って、てめぇが仕切ってんじゃねぇ!!」
322 : 1   2019/09/07 01:17:17 ID:iiYjnhhcZ6
続く
323 : そなた   2019/09/07 10:09:08 ID:jkThGo9Sb2
おつー、しっぽってくっつくんだな…
324 : 1   2019/09/09 23:59:58 ID:37SIngyyvo
~シルフカンパニー跡地~

シバ「見事なまでに破壊されつくされているな」

カンナ「これじゃあ『あの男』の手がかりは掴めそうにないわね…」

キクコ「ZZZZzzz…」スースー

カンナ「ワタル、そっちはどう?」

ワタル「あぁ、風が吹いてやがる…闘争を呼び込む大いなる風がな…」

シバ「何!戦いが始まるのか!?」

カンナ「シバ、真に受けないで頂戴…こいつのいつもの病気よ」

ワタル「いつも言っているが、俺は中二病ではない…!俺は古来より、竜騎士<ドラゴンナイト>の宿命を背負った男だ!あんなにわかどもと一緒にされていては困る!俺の誇り高き魂は世界の深淵の中でも眩い光を放ち――」

カンナ「病気ね」キッパリ

シバ「いい病院を紹介してやるぞ!!」

ワタル「お、お前らぁ!」グヌヌ

キクコ「ZZZZzzz…」スースー

ワタル「…まあいいさ、調査の方は俺が引き受けよう」

カンナ「いったいどうするつもりよ?」

ワタル「『あの男』…サカキと対峙したあの娘に、コンタクトを取る…!サカキは言わずもがなだが、もしあの娘も危険な存在であるならば、オレが始末しなくてはいけなくなるだろうからな…」

カンナ「竜騎士として?」

ワタル「愚門だなカンナ!俺は竜騎士<ドラゴンナイト>である以前に、誇り高き「四天王」の1人よ!サカキ…そして異世界人たちと戦うことになったとしても、俺は負けはしないさ…ハーハハハハハハハハハ!!」

~5番道路~

百合子「はーっくしょん!!」

このみ「あら、風邪?」

百合子「風邪というより、風の導きかもしれませんね!世界より賜った『風の戦士』の名が新たなる騒乱の風を運んできて――」

Pカチュウ「静かにしなさい」ホッペムニー

百合子「ふ、ふえええええええ!」
325 : 1   2019/09/10 00:04:54 ID:hMEahpjUDM


瑞希「ここに2枚のカードがあり、その内の1枚が当たりです。さあ、どっちが当たりでしょう?見事正解すればサイコソーダをプレゼントします」

タケシ「俺は右を選ぶ!」

瑞希「はずれです」ペラッ

タケシ「ノオオオオオオオオオオオオオオ!!」

瑞希「なぜ負けたかは明日までに考えておいてください」ゴクゴク

シゲル「夜なのになんて喧しい連中だ」

Pカチュウ「そういうなって!お前も混ざって来いよ」

シゲル「断る!俺はこれから寝るんだよ!」

Pカチュウ「子供なのになんて冷めたやつだ」

シゲル「逆にお前ら、年上なのに落ち着きなさすぎ……なっ、このみ!」

このみ「…そこで私に話を振ったのは何でかしら?」ピキピキ

シゲル「変な大人に囲まれて、お前も苦労してんな!だけど、俺がいるからもう安心だぜ!多分俺の方がお前より年上だろうから、いつでも俺に頼ってくれ!」キラーン

このみ「あのね、ずっと言おうと思ってたけど、私はこの中で一番――」

シゲル「みなまで言うな!未来のチャンピオンとして…いや、一人の男として惚れた女は必ず守り通すぜ!」

このみ「話聞いて!!」ガビーン

Pカチュウ(面白いからまだ黙ってよっと)

このみ「プロデューサー、今『面白いから黙ってよっと』って顔してたわね!」

Pカチュウ「心を読んだんですか…っていや、違いますよ!」アタフタ

このみ「ムキー!全く!ここの男の子たちはほんとにもう!!」ポカポカ

Pカチュウ「いたた!殴らないでください!」

シゲル「いたっ!だ、だが俺はいま、『痴話げんか』というものを体感している!!」ハナジブー
326 : 1   2019/09/10 00:10:54 ID:hMEahpjUDM
百合子「ふぅ…いいお湯だなあ」

エグゼ「ドラム缶風呂もなかなか良さそうですねえ」

百合子「うん!私が出た後に入ってみたらいいよ!」

エグゼ「そうしたいのは山々ですが、システムエラー起こしちゃったら大変なんで」

百合子「あ、そ、そうなんだ…」

おしょう「…」

百合子「どうしたの?」

おしょう「!」プイッ

エグゼ「マスターの裸を見て恥ずかしいんですよきっと!」

百合子「え?」
おしょう「!?」

エグゼ「硬派だと思ってましたけど、やっぱり気になるんですね」
おしょう「!」ドスッ!
エグゼ「いったっ!!」

ユニー「…」フフッ

百合子「意識するとちょっと恥ずかしいなあ、おしょう一緒に入る?」

おしょう「!?」ドキッ

百合子「そんな反応されると私もますます照れてきちゃう…」

ガサガサ!

おしょう「!!」キッ
ユニー「!」バッ

エグゼ「敵ですか!もしくは野生のポケモン!?」
百合子「も、もしかしてのぞき…?」

ガサガサ!

百合子「ひえっ!」ビクッ

???「あっ、その表情いいですね!」

百合子「…え?その声」

そら「一枚、撮らせてください!」パシャ

百合子「あ、あなたはっ!」
327 : プロデューサー君   2019/09/10 01:29:56 ID:cNw.izt8IM
よし、いい子だ…その写真を差し出せば許してやるぞ
328 : プロデューサー殿   2019/09/10 07:29:49 ID:ldLDRobN8Q
早坂ぁあああ!!!
329 : 1   2019/09/19 00:47:28 ID:HsNCQzu.Ts
【番外編】

Pカチュウ「カモ助ェ!お前ガラル地方で進化するらしいな!」

おしょう「!?」

百合子「おめでとうおしょう!剣と盾が最高に風の戦士って感じだよ!」キラキラ

おしょう「…」フッ

Pカチュウ「でもさ…プッ…目つきがさ…ププッ…」

百合子「ダメですよ、Pカチュウさん…そこを言っちゃ…プッ!」

おしょう「…」バシッ

Pカチュウ「ひでぶっ!!」ハナジブー

おしょう「…!」フンッ



本編は19日更新予定
とりあえずおしょうにおめでとうを言いたかった
330 : 1   2019/09/19 00:57:12 ID:HsNCQzu.Ts
おしょうことカモネギの大活躍が見えるヤマブキジム編は>>9から!
331 : Pサン   2019/09/19 10:24:49 ID:KIRZAacVW2
本編でも進化するんですよね?ね?
332 : 1   2019/09/19 23:25:48 ID:HsNCQzu.Ts
思わぬ人物と遭遇した百合子は、仲間たちの元へと戻ったのだった

シゲル「で、誰だこいつ?」

早坂「早坂そら!カメラマンをやっているものです!」

タケシ「やっぱりこの人もお前らの関係者か?」

このみ「ええ、私たちの元いた世界で縁のある人よ」

瑞希「早坂さんはどうしてこの世界に?」

早坂「目の前が突然光りだしたかと思ったら、気づいたらこっちに来ていたんですよ」

瑞希「転送装置で飛ばされたんでしょうか?」

Pカチュウ「あるいは別の理由か…」

このみ「どういうこと?」

Pカチュウ「マサキが言ってたけど、転送装置で呼び出されたのは俺と百合子だけらしいんだ」

瑞希「つまり、馬場さんと私、そして早坂さんは別のきっかけがあるということになりますね」

Pカチュウ「そういうことになるな……」

早坂「…」

Pカチュウ「ど、どうしました?」

早坂「ぴ、ピカチュウがしゃべってる!?」ガビーン

百合子「そのリアクション、久々に見ましたね」

このみ「みんな順応力高すぎなのよ」

Pカチュウ「驚くのも無理はありません。私、こういうものです」(名刺を差し出す)

早坂「え!?765のプロデューサーさん!?どうしてこんなお姿に!?」

Pカチュウ「まあ、色々とありまして…早坂さんもお変わりなくなによりです」

早坂「いえいえこちらこそ」

Pカチュウ「いえいえいえこちらこそ」

タケシ「とりあえずビジネストークはここまでにしておこうか」
333 : 1   2019/09/19 23:54:07 ID:HsNCQzu.Ts
百合子「ところで早坂さんはこっちの世界で何をしていたんですか?」

早坂「私もあなたたちと同じような感じで、オーキド博士に頼まれてこの世界を冒険していましたよ」

百合子「私たちは半ば強引に志願したんですけどね!」

Pカチュウ「そうだな!」

タケシ「おい」ドヨーン

このみ「でも、一人で大変だったでしょう?」

早坂「ふふ、大丈夫です。私にはこの子がいますから!」スリスリ

シゲル「か、カメラにスリスリしてやがる…」ドンビキ

早坂「最初は冒険なんてできるのかと不安がありました…それも未知の世界での冒険…!知り合いも誰もいない、孤独との闘い!けど、私は苦労と努力を重ね、成果を出してきました!」

このみ「苦労、したのね…!」ウルウル

早坂「でも今では、ポケモンアイランドでは名の知れたカメラマンとなりましたよ!」

Pカチュウ「それ、ポケモンはポケモンでも、ポケモンスナップの話!!」ガビーン

百合子「ということは、ポケモンの写真がたくさんあるんですか?ぜひ見てみたいです!」

早坂「どうぞ!いい表情の写真がたくさんありますよ!」バッ

タケシ「確かに、ポケモンたちの活き活きとした様子がよく撮れてる」

シゲル「にしても、よくこれだけ至近距離で撮れるもんだな。気づかれて逃げられるだろ普通」

早坂「カメラマンたるもの、ステルス能力の一つや二つ習得していないと務まりませんからね!大事なのは自然体を撮ることですから!」

シゲル「お前は忍者か!!」ガビーン
334 : 1   2019/09/19 23:59:51 ID:HsNCQzu.Ts
早坂「ストライクやエレブー、コイキングやリザードの進化する瞬間、ポケモンを模った風景、そしてミュウ!色々と写真に収めることが出来ました!」

このみ「へぇ……ん?んん!?」

百合子「…今、さらっと凄いこと言ってませんでした?」

早坂「私何かやっちゃいました?」シレッ

Pカチュウ「そこで異世界感出さなくていいですって!!」ガビーン

瑞希「ミュウの写真を収めた、と仰っていませんでしたか?」

早坂「あっ!そのことですか!はい、ばっちりいい表情で撮れました!」バッ

このみ「これが…幻のポケモン・ミュウ…!」

シゲル「まじかよ…」

百合子「私たちはいま、伝説を目撃している!」ワクワク

早坂「もしかしてミュウを探していたんですか?」

Pカチュウ「いや、ミュウ関係でちょっとした因縁がつい最近ありまして…」

早坂「よければこれ差し上げます」

百合子「え!いいんですか!」

早坂「どうせ何枚も撮ってますからね」ピラピラッ

タケシ「希少価値が薄れるなあ」ドヨーン
335 : 1   2019/09/20 00:28:36 ID:vRcNS4Axzg
早坂「それじゃあ私はそろそろ行きますね」

百合子「え!?行っちゃうんですか?」

Pカチュウ「良かったら俺たちと一緒に行きませんか?」

早坂「嬉しい申し出ですけど、私はやっぱり写真を撮っている方が性に合っているので」

このみ「残念ね」

百合子「もし元の世界に戻れる方法が分かったら、すぐに連絡しますね!」

瑞希「では、話もまとまったことで私から少々提案が」

タケシ「どうした急に?」

瑞希「せっかくですから、皆さんで写真を撮りませんか?」

百合子「それいいですね!」

早坂「そうと決まれば、全力で最高の写真を撮らせていただきます!」
336 : 1   2019/09/20 00:28:55 ID:vRcNS4Axzg
百合子「皆で写真なんて何だかテンション上がってきますね!」
瑞希「私もワクワクしてきました……ワクワク」
Pカチュウ「早坂さんも入りましょうよ」
早坂「いえいえ、私はあくまでもカメラマンですから!」
タケシ「このみは前に出た方がいいな」
このみ「それって私が小さいって……まあいいわ」
シゲル「このみの隣はキープするぜェ!!」

フリーザー「美しく撮ってくれたまえ」キラーン
Pカチュウ「うわっ、なんでお前勝手に出てきてんの!?」
このみ「いや、それを言うなら…」

おしょう「…」フッ
エグゼ「ボクの勇姿をしっかり収めてくださいね!!!!!」
ガラガラ「!」ビクッ
コダック「……」
わいわいがやがや

Pカチュウ「全員の手持ちが揃うとやっぱり圧巻だな」

百合子「…」

Pカチュウ「どうしたんだ?」

百合子「この世界に来た頃は、私とPカチュウさんだけだったのに、気づいたらこんなにたくさんの仲間が出来て……そう思うとなんだか改めて嬉しくなっちゃって…!」

Pカチュウ「…旅が終わった頃には、このひとときも大切な思い出になるんだろうな」

百合子「…そうですね」

早坂「それじゃあ行きますよ!ハイチーズ!!」
337 : 1   2019/09/20 00:41:40 ID:vRcNS4Axzg
翌日

Pカチュウ「…あーよく寝た!」

瑞希「…」
このみ「…」
タケシ「…」

Pカチュウ「あれ、どうしたんだ?そんな真剣な顔で写真を眺めて…」

瑞希「プロデューサー、とりあえずこれを見てください」

Pカチュウ「見たところ何の変哲もない写真に見えるけど?」

タケシ「百合子の後ろの辺りを見てみろ」

Pカチュウ「……あ」

このみ「見えるでしょ?透明なモヤモヤしたものが百合子ちゃんの後ろにあるのが…」

Pカチュウ「こ、これって心霊…」

タケシ「言うな!」ブルブル

このみ「とりあえずこれは百合子ちゃんには内緒にしておきましょう」

瑞希「その方がいいですね」


百合子「…ZZzzzz」


スプーン<……カタッ
338 : 箱デューサー   2019/09/20 06:56:48 ID:Ebe0KkKkRk
おや?スプーンのようすが…?
339 : 1   2019/10/02 18:32:07 ID:L4pCENfU2c
森の中で食料調達中の百合子とPカチュウ

百合子「皆さんだけずるいですよ!どうして写真見せてくれないんですか?」プンプン

Pカチュウ「い、いやあれさ!ピンぼけしててさ!とても見られるものじゃなかったんだよ!!」

百合子「むむむー怪しい…」

Pカチュウ「今度早坂さんに会ったらまた撮ってもらおうな!」

百合子「…はい」

Pカチュウ(流石に百合子に心霊写真見せるわけにはいかないからなあ…)

百合子「そういえば、トキワシティまで後どれくらいなんでしょうか?」

Pカチュウ「…あと二日って所かな。明日にはトキワの森に入れそうだ」

百合子「サカキとの戦いまであと1か月…みっちり修行をしないとですね!」

Pカチュウ「……」

百合子「Pカチュウさん、どうしたんですか?」

Pカチュウ「…実はな百合子…」

百合子「はい」

Pカチュウ「俺は今、でんきわざを出すことが出来ないんだ」

百合子「え!?」

Pカチュウ「ヤマブキシティでマサキを倒すのに体内の電気エネルギーを全て消費してしまったんだ…治療が終わって身体が治っても、電気エネルギーばかりはどうしようもなかった」

百合子「そんな…」

Pカチュウ「だからごめん!俺はしばらく戦力にはなれない…」ギリッ

百合子「Pカチュウさん……」

???「今は力を失っていても――」

Pカチュウ「!?」
百合子「声!どこから!?」

???「戦う意志さえあれば何度でも立ち上がれる――」

百合子「近くから聞こえてるのに、姿が、見えない!」

Pカチュウ「百合子!上!!木の所に!!」

百合子「…」チラッ

ワタル「それが戦士だ!」キリッ

百合子「超重要人物っぽい人が木の枝に引っかかってぶら下がってるううう!!」ガビーン
340 : 1   2019/10/02 18:41:22 ID:L4pCENfU2c
百合子「誰ですかあなた!」

ワタル「ふっ、名乗るほどのものではない、ワタルと言うポケモントレーナー、それだけの存在さ…」

Pカチュウ「思いっきり名乗ってるし!」

百合子「そのワタルさんがどうして木に引っかかってるんですか?」

ワタル「ポケモンで空を飛んでいてな、かっこよく着地しようとしたらこうなってしまったわけさ!ハハハハハ!!」

Pカチュウ(うわあ…)ドンビキ

ワタル「だから俺を下ろしてくれお願いします」

百合子「どうしましょうか?」

Pカチュウ「変人ではあるけど、悪党ではなさそうだし、助けてやろう。けど、すぐに逃げような。こんな変人と関わり合いになりたくないから」


ワタル「礼を言うぞ」

Pカチュウ「じゃあ俺たち先を急いでるから…」

ワタル「まあ待て!礼と言ってはなんだが、俺のイケメンプロマイド写真をやろう!」

Pカチュウ「いや、いらないから」

ワタル「では俺のサインもくれてやるぞ!」キュッキュッ

Pカチュウ「俺の顔に書くなあああ!」ガビーン
341 : 1   2019/10/02 18:45:35 ID:L4pCENfU2c
ワタル「何故断る!この竜騎士<ドラゴンナイト>の異名を持つ俺のサインだぞ…!」

百合子「…!」ピクッ
Pカチュウ「竜騎士って…」

ワタル「戦いの宿命を背負った男、深淵を打ち払う聖なる光を司る者」

Pカチュウ「知らんわ!」

ワタル「話の通じない奴め」ヤレヤレ

Pカチュウ「ちゃんと通じるように話せよ」

百合子「戦いの宿命…それは悲しく、切ない…魂に刻まれた運命の道しるべ…」

ワタル「!?…女、名を聞こう」

百合子「百合子…七尾、百合子…」

ワタル「二つ名は?」

百合子「風の戦士、もしくはlilyknight」

ワタル「ということは、属性は…」

百合子「風」

ワタル「…」
百合子「…」

ガシッ!
2人は固い握手を交わした!

Pカチュウ(何か意気投合しちゃったああああああああああああああ!!)

百合子「この人絶対いい人ですよ!!」

Pカチュウ「嘘だろ!こいつただの変人マントマンだぞ!!」

ワタル「百合子、見どころのある奴だ、気に入った!」

百合子「あなたこそ!なかなかのセンスの持ち主と見ました!あっちで語り合いましょう!私の仲間…風の戦士たちを紹介します!」

ワタル「頼む!」

スタスタスタ…

Pカチュウ「どうしてこうなった……にしても、ワタル、か…どこかで聞いたことがあるような…」
342 : おやぶん   2019/10/02 21:30:33 ID:5fwFGCxBBo
ポケモン世界の食料事情って謎だよな、あの世界の肉って…。
343 : 1   2019/10/04 00:54:17 ID:Rlb.vuE5CQ
百合子「紹介します!さっき出会ったばかりの…」

ワタル「ワタルだ、人は俺のことを竜騎士<ドラゴンナイト>と呼ぶ!」

タケシ「…は?」
このみ「え?な、なんて?」

Pカチュウ「当然その反応になるよな…」

百合子「どうしたんですか皆さん!何だかノリが悪いですよ!」

ワタル「おそらく、俺の発するオーラに当てられたのだろう…『これ』は『力』を持たないものには強すぎる…」

百合子「なるほど!」

このみ「また随分と個性的な人が現れたわね…」

ワタル「褒めてくれるな」

このみ「褒めてないわよ!?」

ワタル「うっ!!」ドサッ

百合子「どうしたんですか!急に腕を押さえて!」

ワタル「すまない、昔邪竜をこの右腕に封印してな…たまに力が弱まるんだ……くっ!沈まれ俺の右腕…!!」

百合子「お…おお!凄い…ファンタジーだ…!」キラキラ

Pカチュウ「…」
タケシ「…」
シゲル「…」
もはやツッコむ気力も失った三人
344 : 1   2019/10/04 01:02:20 ID:Rlb.vuE5CQ
このみ「百合子ちゃん!今すぐ元の場所に戻してきなさい!」

ワタル「人を野良犬扱いするなー!」ガビーン

瑞希「まあまあ馬場さん、落ち着いてください」ドードー

このみ「瑞希ちゃん、だけど私放っておけないわ!この人、明らかに変人よ!常時半裸のタケシくんがまともに見えるくらいやばいのよ!」

タケシ「いい加減泣くぞ俺」

瑞希「ワタルさん、あなた四天王の1人ですね」

このみ「え!?」
シゲル「ええ!?」
Pカチュウ「えええ!?」
タケシ「ええええ!?」
百合子「えええええ!!?」

ワタル「ほう、何故分かった」ゴゴゴゴゴ

瑞希「答えは単純です」

ワタル「ならばお手並み拝見と行こうか!名探偵様の推理ショーを!!」バッ

ざわ・・・ざわ・・・

瑞希「プロデューサーの顔に書いてあるサインにはっきり書いてあるからです」


四天王ワタル!参上!!


百合子「……あ、本当だ」

ワタル「…」
瑞希「…」

ワタル「見事な推理だ!褒めてやるぞ女ァ!!」

瑞希「それほどでもありません……えっへん」

このみ「推理どこよぉ!?」ガビーン
345 : 1   2019/10/04 01:20:29 ID:Rlb.vuE5CQ
シゲル「こいつが四天王…伝説とまで言われたカントー最強の4人の内の1人…!俺が倒すべき相手…!」

タケシ「こんな変人マントが…」

Pカチュウ「思い出した…そうだ、ワタルって四天王…」

百合子「凄いです!ワタルさんがあの四天王だったなんて!」

ワタル「やれやれ、一般人にはあまり知られたくなかったんだけどな」

このみ「で、その四天王がどうしてここに?」

ワタル「ある男を探していてな」

瑞希「ある男、ですか」

ワタル「あぁ、お前たちもよく知っている人物…お前たちが追っているあの男…」

百合子「ま、まさか…!」

ワタル「ロケット団の首領・サカキ!俺たちの目的は奴を倒し、拘束すること!!」

百合子「サカキを倒す!?」

ワタル「俺たち四天王のもう一つの顔でな、悪のポケモントレーナーを始末して回っている…サカキは一級犯罪者、その正体はずっと謎に包まれていたが、最近奴がトキワジムのジムリーダーであることが分かった」

タケシ「それであんたはサカキと接触しようとここに?」

ワタル「それもあるが…お前たちとの接触も俺の目的の1つなのだ」

百合子「私たちとですか!?」

ワタル「お前たちのことは知っているぞ!七尾百合子、喋るピカチュウ、それにちっちゃい少女と名探偵、お前たちは異世界から来たらしいじゃないか」

Pカチュウ「へぇ、流石の情報網ってところだな」

ワタル「よその世界から来たお前たちが…この世界に騒乱をまき散らす種となりえる者であるならば、俺はお前たちを始末するつもりだった」

百合子「し、始末って…!」

ワタル「すなわちお前たちの殲滅」ニヤッ
346 :   2019/10/04 01:20:39 ID:Rlb.vuE5CQ
続く
347 : 師匠   2019/10/04 12:57:28 ID:0dUkqsVjeg
SSRを出さないカメラマンは捕まえて欲しいです。
348 : 1   2019/10/06 23:55:35 ID:QUZB2ZvR6o
このみ「つまり私たちの敵!?」

瑞希「…」カチッ

ワタル「話は最後まで聞け……俺の考えは、お前たちと直接会ってから判断するつもりだ
った…そしてその結果、お前たちはこの世界に害をなす存在ではない、と判断した」

瑞希「その考えに至った理由は何なのでしょうか?」

ワタル「それはこの百合子!いや、風の戦士!同じ志を持つものに悪党はいないと思った
のだ!敵?否!お前は我が盟友だ!!」

百合子「えへへ、なんだか照れますね」テレテレ

他一同ズッコケる

瑞希「…何はともあれ、四天王を敵に回さなくて安心しました」

このみ「そうね、この人あんな感じだけど、一応この地方最強の1人なんでしょう?」

シゲル「そのはず…なんだけどな…」ドヨーン

ワタル「俺はお前たちとは争わないし、危害を加えるつもりはない。安心するがいい!ハ
ーハハハハ!」

百合子「四天王が味方側にいるなんて、心強いですね」

シゲル「おいちょっと待て!さっきの話を聞く限りだと、あんたはサカキを倒すつもりで
ここに来たわけだろ?」

ワタル「その通りだ!とんがり頭の少年!」

Pカチュウ&タケシ(お前も人のこと言えた髪型かよ…)ドヨーン

シゲル「ふざけんな!サカキを倒すのはこの俺様だ!!部外者は引っ込んでろ!!」

百合子「ちょっと待ってください!倒すという点でいうなら私だって!」

ワタル「お前たちに勝てる見込みがあるのか?」

百合子「え…!?」
シゲル「なんだとぉ!!」
349 : 1   2019/10/07 00:12:39 ID:4LqkIpWwrI
ワタル「トキワジムのジムリーダーは代々、高いトレーナー能力を持つものだけが就任を
許される。奴は歴代でも最強のトキワジムリーダーだ!何故なら奴が就任してから一度も
ジム戦で勝てたトレーナーがいないからだ!」

百合子「つまり、完全無敗…」ゾワッ

このみ「確かに、ボスが負けたって話は聞いたことがないわ」

タケシ「だ、だけどでも俺たちはタマムシでサカキを倒しただろ!」

Pカチュウ「あれはサカキ1人に対して俺たち全員で立ち向かっていったのと地下アジトが崩れ始めて勝負が中断したこと、何よりサカキが手を抜いていたからこそのあの結果だ…とても勝ったと言える試合じゃなかった」

タケシ「そ、そうだな…もしあのまま続けていたらどうなっていたか分からなかった」

ワタル「はっきり言ってお前たちには荷が重すぎる、ここは俺に任せておけ」

百合子「すみませんけど、そう言われて引き下がれませんよ」

このみ「百合子ちゃん…」

百合子「タケシさんから始まり、カスミさん、マチスさん、エリカさん、ナツメさん、キ
ョウさん、カツラさん…!この世界に来てから今日まで、ジムリーダーの皆さんと戦い続
けてきました!ここで引き下がったら、今まで戦ってきた皆さんに申し訳がありません!」

Pカチュウ「そうだな!サカキを素通りしたらチャンピオンなんて夢のまた夢だもんな!」

ワタル「…ならば盟友に今一度問おう!お前はサカキを倒せるのか!」

百合子「たとえ負けたって何度でも挑みます!「負けを認めない」のが必勝の一歩ですか
ら!ですよね、Pカチュウさん!」

Pカチュウ「ああ!!」
350 : 1   2019/10/07 00:24:06 ID:4LqkIpWwrI
ワタル「どうやら意志は固いようだな」

百合子「はい!」

シゲル「俺もやるぜ百合子!」

百合子「シゲルさん!」

シゲル「サカキは俺にとっても敵だ!何よりこいつを倒して四天王…お前たちへの挑戦権を得る!」

ワタル「サカキだけではなく、俺たちをも倒すと?」

シゲル「おお!俺は未来のポケモンチャンピオンになる男だ!覚えておけ!!」

ワタル「ふっ、お前たちの執念と野心!実に気に入った!!」

百合子「じゃあ!」

ワタル「やりたいようにやるがいい!ただし、俺が無理だと判断したら、その時は俺がお前たちの尻ぬぐいをしてやる!感謝するがいい!!」

シゲル「それはいらないお世話になるだろうな!」

Pカチュウ「頑張ろうな、百合子!」

百合子「はい!!」

瑞希「あのワタルさん、1ついいでしょうか」

ワタル「どうした名探偵?」

瑞希「あなたたちの目的に関してよく理解しました。ですが、それを一般トレーナーである私たちに話しても良かったのですか?」

ワタル「…」
瑞希「…」

ワタル「あ、これ言っちゃいけなかったんだ!すまん!聞かなかったことにしてくれ!!」

一同(ええええええええええええええええええええええええ!!)
351 : 1   2019/10/07 00:38:16 ID:4LqkIpWwrI
翌日

百合子「シルフ、“りゅうのいかり”!」

シルフ「!!」バッ

百合子「トキワジム挑戦までまだ3か月近く残ってる!それまで特訓して強くならないと!」

Pカチュウ「この期間で俺もエネルギーの回復をしないと!」

ワタル「お前たち!特訓とはいい心がけだぞ!」

百合子「ワタルさん!」

ワタル「ほう、これが百合子のポケモンたちか!ふむ、なかなか鍛えられているな…数多の修羅を乗り越えてきたものの眼をしている」

百合子「えへへへ」

ワタル「…このハクリュー、通常より大きい体をしているな。進化前はよく食べて栄養を取っていたのだろう」

シルフ「!?」

百合子「凄い!当たってる!」

Pカチュウ「見ただけでそんなことが分かるのか?」

ワタル「ドラゴンのことなら、何でもわかる!何故ならそう!俺は竜騎士<ドラゴンナイト>だからだ!!」ドヤァ

Pカチュウ「耳元で騒ぐな!」

ワタル「…しかし百合子よ、お前はまだこのハクリューの力を使いこなせていないな?」

百合子「え!?」
352 : 1   2019/10/07 00:41:25 ID:4LqkIpWwrI
ワタル「わざのキレが弱い、お前もそうだが、ハクリュー自身も力の入れどころを理解していない様子だ…体つきから見ても、進化したのはここ最近のようだから無理もないだろうが」

百合子「う…それも当たりです」シュン

ワタル「だが安心しろ!この俺が決戦の日までお前たちを鍛えてやる!」

百合子「ほ、本当ですか?」

Pカチュウ「何を企んでるんだ?」

ワタル「人聞きの悪い奴だ、俺はただ盟友のためにと思っただけだ」

Pカチュウ「ほんとかよ…」

ワタル「どうやら、俺はお前からあまり信用されていないらしいな。すまんな、俺がお前よりイケメンだから嫉妬させてしまって…」

Pカチュウ「そんなんじゃないってーの!」イラッ

ワタル(百合子がサカキを倒せるとしたら、その可能性を握っているのはおそらくこのハクリュー…、少しでも奴といい勝負をさせるためなら俺の惜しみなく協力するさ…)

百合子「頑張ろうね、シルフ!」
シルフ「!」コクコク

ワタル(俺もこの眼で直に見てみたいのさ…!異世界から来たポケモントレーナーの持つ可能性、その全力ってやつを…)ニヤッ
353 : 1   2019/10/07 00:47:17 ID:4LqkIpWwrI
続く

カモネギに次いで、ポニータも姿を変えて剣盾に登場するそうで
百合子PTの活躍、いいぞ
354 : プロデューサーさま   2019/10/07 01:28:29 ID:R9RCU7usJI
ゲーム基準にすると百合子の手持ちはサカキと相性悪くてなぁ
つむぎで全抜き狙うかって状態
355 : 1   2019/10/09 21:53:42 ID:nPYb.UXB0.
一方その頃

瑞希「プテラ、そのまま上昇」

シゲル「先回りだ、リザードン!」

リザードン「!」ガシッ
プテラ「!?」

シゲル「いいぞ!プテラの頭を掴んで、そのままイワークに投げつけろ!」

イワーク「!?」ドゴッ
タケシ「イワーク!!」

瑞希「ここまで、ですね」

タケシ「2人を相手にして、流石の強さだな」

シゲル「いや、まだまだだ」

タケシ「俺に言わせれば、その歳で十分の実力だとは思うけどな」

シゲル「足りないんだ…!俺はもっと強くなりたいだ」

瑞希「シゲルさんの夢は、確かポケモンチャンピオンになることでしたね」

シゲル「そうさ!だから、次のジム戦に負けるわけにはいかねぇんだ!サカキやワタル相手に渡り合うことが出来なければ、俺はこの先、世界最強を名乗れない!それに…」

瑞希「それに?」

シゲル「い、いや、何でもねぇ!とにかくだ!お前らには感謝してるぜ!練習相手になってくれてよ!」

タケシ「気にするな、俺たちもできるだけのサポートはしたいと思っていたからな」

瑞希「でも何故馬場さんには声をかけなかったんですか?」

シゲル「ば、バカやろぉ!このみに迷惑はかけられねぇだろうが!」

タケシ「あ、そ、そうか…」

シゲル「それによ、惚れた相手には弱みを見せたくねぇっていうか…」

このみ「え?何の話かしら?」バッ

シゲル「どっしえええええええ!!」ビクッ

瑞希「馬場さんどうしたんですか?」

このみ「お昼ご飯が出来たから呼びに来たんだけど…本当に何かあったの?」

タケシ「大丈夫だ、問題ない」

瑞希「とりあえずお昼にしましょう」
356 : 1   2019/10/09 22:01:07 ID:nPYb.UXB0.
百合子「美味しい~」

シゲル「い゛き゛て゛て゛よ゛か゛っ゛だ゛!!」バクバク

タケシ「泣くか食うかどっちかにしろよ…」

Pカチュウ「このみさんの手料理本当美味しいです、毎日食べたいくらいですよ」

このみ「そう?嬉しくって何だか照れちゃうわね」///

シゲル「はいはいはい!俺も俺も!!」グイッ

ワタル「…」スッ

タケシ「あっ!お前俺の分横取りするな!」

ワタル「すまん、この封じられた左腕が勝手に…!し、静まれ…!」

タケシ「この間は右腕って言ってたよな!?」

Pカチュウ「うまいうまい!」ガツガツ

このみ「どんどん食べてちょうだいね♪」

シゲル「このっ!」バッ

Pカチュウ「あっ!俺のだぞ!!」

シゲル「へんっ!てめぇはその辺のどんぐりでも食ってろ!!」バクバク

Pカチュウ「やろう!シゲロウ!」ボカボカ

シゲル「シゲルだあああああ!!」ボカボカ

このみ「男子は元気ね~」モグモグ

瑞希「皆さん、落ち着いてください」モグモグ

百合子(瑞希さん、ちゃっかり自分の分はキープしてる)

このみ「百合子ちゃん、スープはいかが?」

百合子「いただきます!えーと、スプーンはもらったやつを使おうかな」

スプーン<ぴくっ
百合子(え!体が勝手に!)

タケシ「百合子!お前まで俺の分横取りするのか!」

百合子「え!いや、違うんです!このスプーン持ったら勝手に腕が動いて!」

タケシ「ワタルのネタ真似したって誤魔化されないぞ!」

ワタル「ネタではない!断じてだ!俺の腕には禁じられし力が封じられててだな!」グイッ

このみ「あなたたち、静かにしなさい…!」ゴゴゴゴゴ

男たち「あ、はい…」

百合子「な、何で私までー!」

瑞希「おいしい…」モグモグ
357 : 1   2019/10/09 22:16:39 ID:nPYb.UXB0.
タケシ「シゲル、皿は洗い終わったか?」

シゲル「ああ……ったく!お前らのペースに乗るとロクなことがねえ!」

タケシ「まあそう言うなって、慣れれば楽しいものだ」

シゲル「慣れたくねえ…」

タケシ「にしても百合子め、俺が大事にとっておいた料理をこのスプーンで……ん?」

シゲル「どうした?」

タケシ「いや、スプーンに名前が彫ってあったのを見つけた」

シゲル「名前?」

タケシ「ああ……R…E…I…K…A……REIKA?ん、誰だ?」

シゲル「んなことどうでもいいだろ!それよりこれ終わらせてトレーニングの続きやろうぜ!」

タケシ「あ、ああ!そうだな……」


このみ「百合子ちゃん」

百合子「あれ?このみさん!どうしたんですか?」

このみ「ちょっといいかしら…」

百合子「も、もしかしてさっきのことで?」

このみ「違うわ!そのことじゃなくて…ちょっと大事な話を、ね…」

百合子「?」



ワタル(いいぞ百合子…もっとだ…!もっと鍛え上げてやる…!)



瑞希「――というわけです」

シゲル「けっ!言われなくてもやってやらあ!!」



百合子「このみさん…」

このみ「だからお願い!百合子ちゃん!!」



Pカチュウ(俺は今回のバトルに参加することはできない…けど、休んでる暇はない!俺も今できることを精いっぱいやるんだ!!)

タケシ「はい!サイドチェストオオオオオオオオオオオオ!!」

Pカチュウ「って!人がシリアスな心情の時に、横で筋トレすんな!!」



一行は打倒サカキのため、動き出す
その中で様々な想いが交錯し、

そして、いよいよ決戦の日に!
358 : 1   2019/10/09 22:16:53 ID:nPYb.UXB0.
続く!
359 : 1   2019/10/14 01:26:09 ID:Vi0az23Oa2
~トキワシティ~

Pカチュウ「ついにここまで来たな」

百合子「ちょっと緊張してきました」

このみ「落ち着いて深呼吸よ!ひーひーふー!」

百合子「ひーひーふー」

Pカチュウ「使いどころ違う!」

百合子「…い、行きましょうか」

シゲル「ああ」

がちゃ!

瑞希「誰もいませんね」

タケシ「ま、まさか俺たちに恐れをなして逃げ出した…?」

Pカチュウ「そんな小物だったらどれだけ良かったか」


サカキ「ようこそトキワジムへ」


百合子「サカキ!!」

Pカチュウ「現れたな!」

このみ「ボス…」

サカキ「臆病風に吹かれて逃げ出すかと思っていたが、その度胸褒めてやろう」

シゲル「誰が逃げ出すかよ!!」

百合子「お互いここで決着をつけるとき!今度こそあなたを倒してみせる!」

サカキ「その減らず口が最後までたたけるといいのだがな」

ワタル「貴様こそ、いつまでも余裕でいられると思ったら大間違いだ」

サカキ「招かれざる客…四天王というものはよほど暇と見える」

ワタル「トキワジムのジムリーダーに俺の存在を知っていてもらえるとは光栄だな……いや、ロケット団の首領、と訂正した方がいいかな?」

サカキ「…私を倒すつもりか?」

ワタル「そう思っていたところだがな!お前を倒すのは俺ではない!このルーキーたちがお前を倒す!!」

サカキ「ほう」

このみ「2人の実力を過去と一緒だと思ったら大間違いよ!」

サカキ「すっかり正義が板についているようだな、裏切り者」

このみ「っ!」

サカキ「何を吠えようが、この世界においてお前はこちら側の人間だ…自分が何をしてきたか、忘れたわけではあるまい?」

このみ「…」
360 : 1   2019/10/14 01:32:23 ID:Vi0az23Oa2
瑞希「いいえ、馬場さんはあなたとは違います」

サカキ「シルフカンパニーで見た顔だな」

瑞希「初めまして、真壁瑞希です」

サカキ「瑞希、私はこのみと話しているんだ、口を挟まないでくれたまえ」

瑞希「いいえ、仲間が言いたい放題されているところを黙っていられません」

このみ「瑞希ちゃん…」

瑞希「私は途中加入なもので詳しい所分かってはいませんが、ロケット団に加担し、悪事を働いてことは聞いています、許されないこともしてきたのかもしれません…ですが馬場さんがその件に関して悔いていることは分かります。あなたのように平然と悪事を働く人とは違います」

ボンッ!
フリーザー「その通りだ瑞希!!」

百合子「なんか勝手に出てきた!」ガビーン

このみ「フリーザー!」

フリーザー「このみは私の主人…主人が過去に罪を犯したのならば、私も共にそれを償おう!美しく、な!!」

ワタル「…」チラッ

サカキ「ポケモン風情が出しゃばってくるとはな…」

フリーザー「覚えておけ!人間とポケモンの信頼関係の強さを!!そこの見知らぬ男よ、君もそう思うだろ!」

ワタル「うるさああああい!俺に話しかけんなァ!!」クワッ

フリーザー「えええええええええええええええええ」ガーン

ワタル「俺は氷ポケモンが大っ嫌いなんだ!分かったら俺のそばに近づくな鳥野郎!!」ペッ

フリーザー「あ…あぁ…」(遠い目)

Pカチュウ(人間とポケモンの信頼関係とはいったい)ドヨーン
361 : 1   2019/10/14 01:35:49 ID:Vi0az23Oa2
瑞希「とにかくです、馬場さんへのこれ以上の侮辱は私が許しません」

このみ「ありがとう、瑞希ちゃん……後、フリーザーも」

サカキ「相も変わらず茶番か」

このみ「ボス、私はずっと後悔してきたわ。百合子ちゃんたちと行動を共にするようになってからも、どこか私は皆とは違う世界にいるような感覚だった」

サカキ「その通りだ、やはりお前は賢い女だ」

このみ「けどそれは今日でおしまいよ。皆と本当の意味で笑いあえるように、私は今日、過去の自分に決着をつけに来たのよ!」

百合子「このみさん!」
シゲル「流石俺の彼女だぜ!!」

このみ「見ててもらうわよボス!私の意思を!!」

サカキ「…」

Pカチュウ「百合子、ごめんな…!肝心な時にお前を助けてあげられなくて…!ここで、ただ見てるだけだなんて…!」

百合子「…そんなことないんです。Pカチュウさん…プロデューサーさんが見てくれていると思うと、勇気が湧いてくるんです。だから私は夢に向かって歩み続けられる。だから見ててください、成長した私の姿を!」

Pカチュウ「…あぁ、分かった!」

タケシ「俺からも言わせてもら
百合子「サカキ!!」
タケシ「ちょっと言わせて!!」ガビーン

百合子「フィールドの外にいる皆の想いは私たちに繋がっている!対戦相手は私とシゲルさんだけじゃない!全員があなたの相手なんだ!!」

Pカチュウ「俺が付いてるぞ!頑張れ!!」
瑞希「七尾さんに託しました……えいえいおー」
このみ「お願い、勝って…っ!」
ワタル「それでこそ我が盟友よ!!」

タケシ「…」ドヨーン
フリーザー「…」ドヨーン

シゲル「さあ始めようぜ!!最後のジム戦をよぉ!!」
百合子「勝負だ!サカキ!!」

サカキ「いいだろう…、来い…!お前たちの夢も信念も…全てを滅ぼしてやる、王の、力によってな!」
362 : do変態   2019/10/14 06:28:56 ID:Ixcj8lH8Po
タイプ相性が悪いからってwww
363 : 1   2019/10/17 23:48:38 ID:3x5b2urPmc
百合子「それでは、まずは私から…」

シゲル「ちょーっと待て!俺からやらせろ!」

百合子「いやいや、ここは主人公である私が!」

シゲル「誰が主人公だ!誰が!」

このみ「あの2人、大丈夫かしら?」

Pカチュウ「ちょっと心配になってきたかも」

百合子「…いや、ここはあえて先行を譲ることで、後に私の活躍を劇的に演出することができるのでは…」ブツブツ

シゲル「おい、さらっと俺を捨て駒にする算段をしてんじゃねぇ!」

サカキ「そんなに戦いたいのなら、2人まとめてかかってきたまえ」

百合子「え!?」
シゲル「何だと!?」

サカキ「配慮だよ…お前たちが少しでも私といい勝負が出来るように、とね」

シゲル「なめやがって…!」

百合子「完全に私たち、下に見られてますね!」プンプン

ワタル「いいだろう!その話、乗った!!」

百合子「何でワタルさんが決めてるんですか!?」ガビーン
シゲル「そうだ!勝手に決めんじゃねぇ!!」

ワタル「少しでも勝てる要素が追加できるのなら、乗らない手はないだろう!」

百合子「だけど…」

サカキ「私は一向に構わん。はっきり言って、お前たち2人を相手に勝つことなど造作もない」

百合子「むっ!」

シゲル「上等だ…!大口たたいたことを後悔させてやる!」

サカキ「決まりだな」フッ

タケシ「2対1か、いい方向に流れていったな」

瑞希「ですが安心はできません、むしろ、その逆…」

タケシ「え?」
364 : 1   2019/10/17 23:58:05 ID:3x5b2urPmc
サカキ「ルールの説明をさせてもらおう」

百合子「…どうぞ」

サカキ「お前たち2人の使用ポケモンは各3体ずつ、交代はあり。フィールドに出せるポケモンは2体までだが、それらはお前たちのどちらかのポケモンのみでも良しとする」

百合子「つまり私たちは2人で実質6体のポケモンを操れる」

シゲル「その気になれば、俺のポケモン2体を場に出してバトルできるのか」

百合子「それじゃあ私の出番が無くなっちゃうじゃないですか!」ガビーン

シゲル「バーカ!お前が先にくたばったら、俺だけで戦わなきゃいけなくなるだろ!そういうことだ!」

百合子「あ、なるほど……って私が倒される前提!?」

シゲル「勝敗は、俺たち2人が全滅したらお前の勝ちってことでいいんだよな?」

サカキ「あぁ、その通りだ」

シゲル「安心したぜ、どっちかが倒された時点で負けになったら興ざめだからな」

サカキ「どのみち、お前たちが全滅すれば同じことよ」

シゲル「…」チッ

百合子「サカキ、あなたはさっき『お前たちの2人の使用ポケモン』と言っていたけど、あなたの使用ポケモンは…?」

サカキ「2体…私が操るポケモンは2体だ」

Pカチュウ「何!?」
このみ「使用ポケモン2体で6体を相手するつもりなの!?」

サカキ「やる気になってくれたかね?」

シゲル「…あぁ、やる気になったぜ…!俺をとことんなめてるお前に対する怒りでな!!」

サカキ「お前の感情などどうでもいい…、お前たちが何を考えようが、私の勝利という結果には変わりはないのだから」

シゲル「こいつを倒すため、俺の夢のため…こいつにはぜってぇ負けられねぇ!だから足引っ張るんじゃねぇぞ!」

百合子「は、はい!」
365 : 1   2019/10/18 00:10:05 ID:XdGA.QdT7M
瑞希「悪い予感が当たりました」

タケシ「さっき言いかけてたのってこのことか?」

瑞希「本来、チームというのは日ごろから積み上げてきた信頼関係が大きく左右してきます。アイドルユニットもポケモンバトルもそれは同じ……」

ワタル「付け焼き刃のコンビネーションは、その名のとおり切れ味抜群!敵味方どころか己自身も傷付けかねない禁断の武器よ!」

このみ「あなた、それを予想できたのに2人にタッグ戦を進めたの!?」

ワタル「さあ?何を言っているのやら…」

このみ「ムキー!やっぱり信用できないわ!」

ワタル「ハッハッハ!」

Pカチュウ(百合子…)
366 : 1   2019/10/18 00:21:54 ID:XdGA.QdT7M
タケシ「悩んでも仕方ないさ、こうなった以上俺たちは成り行きを見守るしかない」

Pカチュウ「…そうだな」

タケシ「それよりもあっちだ」チラッ

このみ「大体あなたのことは前々から胡散臭いとは思ってたのよ!」

ワタル「人聞きが悪いぞ!俺はただ百合子たちの全力のバトルが見たいだけだ!」

このみ「全力?」

ワタル「異世界から来てからの短い期間で、ジムリーダーを撃破しロケット団を壊滅させたお前たちの力、俺は非常に興味を持っている!だから、追いつめられた百合子が土壇場でどれだけの力を発揮するのか直に見てみたかったのだ!だから別にお前たちに悪意を持っているわけではない!」

このみ「信用できないわね…」ジトー

ワタル「やれやれ、これも宿命を背負ったものの定めか…」フッ

このみ「瑞希ちゃんもこの男に何か言ってやって!」

瑞希「ワタルさん」

ワタル「ん?」

瑞希「付け焼き刃とは切れ味の悪いという意味なので、先ほどの発言は訂正した方がよろしいかと」

ワタル「…」

瑞希「…」

ワタル「ハーハッハッハ!」

このみ「誤魔化すなァ!!」
367 : 1   2019/10/18 00:22:46 ID:XdGA.QdT7M
サカキ「試合開始だ」

シゲル「行けっ!」
百合子「お願い!!」

サカキ「ゆけ」

カメックス「!」ボンッ
つむぎ「!」ボンッ

サイドン「!」ボンッ

このみ「あの時のサイドン!?」

タケシ「シルフカンパニーを破壊したサカキの切り札…!こんな初っ端から!?」

Pカチュウ「だけど、こっちは水タイプ2体!相性的に圧倒的有利!」

ワタル「…セオリー通りならな」

シゲル「だったらこっちも最初から全力だ!カメックス!!」

百合子「つむぎ!!」

「「“ハイドロポンプ”!!!!」」

サイドン「!?」ボシュッ!

百合子「やった!直撃!!」

サイドン「…」ニヤッ

ドドドドドドドドド!!

シゲル「喰らいながら突っ込んできやがった!?」

百合子「そんな!弱点のはずなのに!!」

サイドン「グオオオッ!!」

ガシッ!
つむぎ「!?」
カメックス「!?」

2体の頭を掴んだサイドンは、そのまま地面にたたきつけた!

シゲル「なっ…!」

百合子「つむぎ!!」

サカキ「…どうやら勝負以前の問題だったな、これでは準備運動だ」
368 : おやぶん   2019/10/18 06:36:02 ID:gmHicKUxvc
きゃー!サイドンかっこいいぃぃぃ!!!
369 : 1   2019/10/30 23:35:53 ID:UmIzFPm7Ao
百合子「これが…サカキの真の実力…!」ゾワッ

サカキ「…放心していていいのかね?」

サイドン「!」ガシッ
つむぎ「!?」

百合子「つむぎ!!」
サカキ「やれ」

ドゴッ!!
再度つむぎを掴み、壁まで投げ飛ばした!

シゲル「くそっ!カメックス、もう一度攻撃だ!!」

カメックスは、起き上がりその体の砲台をサイドンに向けようとする
だが!

サイドン「!」バシッ

その前にサイドンが尻尾がカメックスの顔にヒット!
よろけたところに更に尻尾をカメックスの足元に叩き込んで追い打ちをかけた
バランスの崩れたカメックスはそのまま倒れこむ

サカキ「実に単純、そして浅はかな思考だ。その程度で私を倒そうとしているとは、な…」


ワタル「まあ、当然の流れだな」

このみ「どういうことよ!?」

ワタル「ジムリーダーとは、ポケモンの持つ各タイプを極めた者たちのことを指す。例えばだ、このみ嬢、あなたがもしそのエキスパートたちとバトルすることになったら、どうする?」

このみ「当然相手のタイプに得意なポケモンを使うわ」

ワタル「その通り……だが!それをジムリーダーが考えていないと思うか?」

このみ「あ…!」

タケシ「俺たちジムリーダーは苦手タイプとのバトルの対策は当然積んできている。それこそ、専門のタイプと同じくらいに熟知する程にな」

瑞希「タイプ相性で攻めることは正攻法ですが、ジムリーダーはそれを逆手に取ってくるでしょうね…カツラさんも同じようなことを言っていました」

このみ「確かに…戦法が読まれやすくなってしまうわね」

タケシ「考えてみたら、百合子がジム戦で露骨にタイプ相性で攻めたのって今までなかったな」

Pカチュウ「そ、そういえば…」ドヨーン
370 : 1   2019/10/30 23:52:54 ID:UmIzFPm7Ao
サカキ「何故、マサキ・ミュウツーが最強になり得なかったのか…それは奴が最強のポケモンではあったが、ポケモントレーナーではなかったからだ。強い力を『使う』ことが出来ても、それを『活かす』ことができないのでは何も意味がない…真の最強とは、道具の本質を理解し、自在に操る者のことなのだよ」

百合子「道具…!」ムッ
シゲル「やろう…」

サカキ「サイドンはじめん・いわタイプのポケモン…みずとくさタイプには特に弱いが、サイドン自身は鍛え上げればみずタイプのわざを使用することが出来る……こんな、風にな!」

サイドン「!!」ザバッ

シゲル「“なみのり”!」
百合子「嘘!?」

ザッバーン!!

百合子「び、ビショビショ…」ガーン

シゲル「だけど、みずタイプにみずわざ使ってもぜんっぜん効かねぇぜ!!」

サカキ「…私が、意味もなくそんなことをするとでも?」

サイドン「…」ピタッ

Pカチュウ(水たまりに手を突っ込んだ…?)

サカキ「今の“なみのり”で、フィールドもお前たちのポケモンも濡れてしまったな」ニヤッ

タケシ「はっ!まずい!!」

百合子「え?」

シゲル「カメックス、距離をとれ!百合子!お前もギャラドスを離れさせろ!!」

百合子「ええ!?」

サイドン「…」ビリビリ
サカキ「“10まんボルト”」

バリバリバリ!!
つむぎ「!?」
カメックス「!!」

百合子「でんきわざまで使えるの!?」

サカキ「ポケモンの能力を理解し、最大限に活かす……これがポケモントレーナーだ」
371 : 1   2019/10/31 00:02:10 ID:bW0UayoUEw
つむぎ「…」ハァハァ

百合子「良かった、まだ体力が残ってる」


ワタル「ポケモンは自分のタイプわざ以外のわざを使っても、その威力は大きく落ちる」

瑞希「あの“10まんボルト”は、相手を倒すために放ったのではなく、『自分はみずタイプに対して有効なわざを持っているぞ』と相手に印象付けるための行動ですね」

このみ「あれを見てしまった以上、百合子ちゃんもシゲルくんもここからの戦い、“10まんボルト”を警戒しなくてはいけなくなってしまう…」

ワタル「ポケモンバトルはポケモン同士の肉体的バトルでもあるが、実はトレーナー同士の精神バトルでもある。いかに相手トレーナーより精神的優位に立てるか、それが勝負のカギになる」


サイドン「ぐおおっ!!」ドドドド

百合子「また突っ込んできた!」

シゲル「戻れ、カメックス!」

サカキ「…」

ボンッ!
フシギバナ「!!」

シゲル「“つるのムチ”!」

フシギバナ「!」バッ

シゲル「くさタイプわざでぶっ潰す!!」

百合子「やった!これなら!!」

サカキ「サイドン」

サイドン「!」ガシッ

シゲル「何!つるを掴んだ!」

サイドン「グオオオオッ!!」ブンッ
フシギバナ「!?」

タケシ「そのまま投げ飛ばした!?」

百合子「つむぎ!“ハイドロポンプ”!」
つむぎ「ギャオオオオオオス!」

サカキ「無駄なことを」

攻撃が放たれた時、サイドンのドリルが回転を始めた!
ドリルは“ハイドロポンプ”を拡散し、威力を弱めたのだった!

百合子「これも、ダメ…!」
372 : 1   2019/10/31 00:12:47 ID:bW0UayoUEw
サカキ「ギャラドス…みず・ひこうタイプ……厄介な相手だが、このわざで黙らせることができる」パチンッ

サカキが指を鳴らすと、つむぎの頭上から無数の岩が落下してきた!

百合子「“いわなだれ”!」
つむぎ「ギャアウッ!」バタッ

サカキ「サイドンの“いわなだれ”を耐えるとはなかなかタフなやつ…だが体力は風前の灯火」

つむぎ「…」ギロッ

サカキ「すぐに引導を渡してやる……サイドン」

サイドンがつむぎに接近しようとした瞬間、サイドンの背後から“つるのムチ”が迫ってきた!

シゲル「よそ見すんじゃねぇ!俺もいるってことを忘れるなよ!!」

サカキ「忘れてなどいないさ」

サイドン「ぐおうっ!!」バシッ

シゲル(腕の一振りで弾かれた…!)

サカキ「いつでも狩れる獲物だ、後回しにしていただけのこと」フッ

サイドン「…」ドスドス

サカキ「そんなに先に倒されたいのなら、そのフシギバナから始末してやろう」

フシギバナ「…!」

サカキ「やれサイドン」

サイドンの振り上げた拳がフシギバナに放たれた!

ガシッ!
サイドン「!?」

サカキ(サイドンの攻撃を受け止めた…!)

百合子「言ったはずだサカキ!私たちだけじゃない、ここにいる全員で戦っているんだ!」


ガラガラ「…!」ガシッ


サカキ「この、ポケモンは…!」

シゲル「お前…!ガラガラ!?」

百合子「私には仲間から託された、この想いがある!!」

このみ「百合子ちゃん…ガラガラ…ッ!」
373 : 1   2019/10/31 00:14:27 ID:bW0UayoUEw
続くよ
374 : そなた   2019/10/31 06:55:17 ID:onfhZUSAq.
え?めっちゃ強ない?
375 : 1   2019/11/22 23:20:55 ID:RqyixMHKQQ
>>357に遡る

百合子『あの、大事な話って…?』

このみ『お願い百合子ちゃん!ボスとのジム戦で私のポケモンを使ってほしいの!』

百合子『こ、このみさん!?』

このみ『私の不始末を百合子ちゃんに尻ぬぐいさせるのは良くないことだって分かってる……けど、私も何かの形で力になりたいの!』

百合子『何を言ってるんですか!このみさんはいつだって私の力になってくれているじゃないですか!』

このみ『…私はこの世界に来て記憶を失って…そして多くの人たちに迷惑をかけてきた…!』

百合子(このみさん…涙…)

このみ『百合子ちゃん…!私も一緒に戦わせて!お願い!!』
376 : 1   2019/11/22 23:21:33 ID:RqyixMHKQQ
百合子(私は今、このみさんの想いを背負ってる…!もうこのみさんの泣いている顔は見たくない!敗けられない…敗けたくない!!)

サカキ「…あの時のカラカラか」

ガラガラ「…!」キッ
サイドン「!」ギリッ

このみ(ガラガラの力が通用している…!これならいける――)

サカキ「ナメられたものだ」

百合子「!?」
このみ「!?」

サカキ「この程度で勝てる可能性を見出したか?……その程度の、力で」

サイドン「…!」ググッ
ガラガラ「!?」

百合子(サイドンの力が増していってる)

サカキ「じめんタイプ使いの私相手に、こんなお粗末なじめんポケモンを出してくるとは…実に不快だ……視界から消え失せろ!」

サイドン「グオオオオッ!」

百合子「ガラガラ、後ろに下がって避けて!」

ガラガラ「!!」バッ

サイドンの腕が、先ほどまでガラガラがいた場所に叩きこまれた!

百合子「凄い破壊力…!」ゾワッ

サイドン「…」チッ
サカキ「仕留めそこなったか、この愚か者め」

サイドン「!」ビクッ

サカキ「早くしろサイドン」

サイドン「…」ガタガタ

瑞希「とてつもない威圧感ですね」

タケシ「あぁ…人間相手にここまでの恐怖を感じたのは初めてだ…」
377 : 1   2019/11/22 23:33:54 ID:RqyixMHKQQ
サイドン「ぐ、グオオオオオッ!!」バッ

百合子「き、来た!」

ガラガラ「!」バッ

サイドン「!!」ブンッ

ドゴッ!!

百合子(ひえっ、あんなのまともに受けたら一発アウトだよ…)

サカキ「“いわなだれ”」

このみ「ガラガラ一点狙い!?」
Pカチュウ「避けろ!!」

ガラガラ「!」

サカキ「いつまで続くか見ものだな」

百合子「むむ、む…」ジー

タケシ「何やっているんだあいつは!何らかの指示を出してやらないとこのままじゃまずいぞ!」

ワタル「いや、違うな…あれは待っているんだ…反撃の機会を、な」

百合子(あのルート、比較的落石が少ない!あそこからなら…!)

ワタル「見出したか」ニヤッ

百合子「ガラガラ、斜め右上に移動して!」

ガラガラ「!!」バッ
サイドン「!?」

サカキ(…)

百合子「今度は斜め左上!そのまま真っすぐ!」

Pカチュウ「よしっ、ガラガラまで一直線だ!」

サカキ「ふふ…」

サカキが指を鳴らすと、ガラガラの頭上に一つの大岩が降ってきた!

サカキ「岩を1つ残しておいた…この時のためにな」

シゲル「読んでやがったのか!」

サカキ「終わりだ」
378 : 1   2019/11/22 23:42:07 ID:RqyixMHKQQ
このみ「まだ…終わりじゃないわ」

瑞希「馬場さん」

このみ「私のガラガラはこんなものに敗けない!」

百合子「その、通りです!!」

ガラガラ「…!」スッ

百合子「“ホネこんぼう”!!」
ガラガラ「!!」ブンッ

ドゴッ!!

サカキ「大岩を、破壊した…!」

このみ「後はこのまま!」
百合子「サイドンに攻撃するだけ!!」

ガラガラ「!!」バッ

百合子「“ホネ”!」
このみ「“こんぼう”!!」

ガラガラの強力な一撃がサイドンの顔面に叩きこまれた――
379 : 1   2019/11/22 23:50:19 ID:RqyixMHKQQ
Pカチュウ「やった!!」

タケシ「あいつらの想いの強さがサイドンを上回った!!」

サイドン「…」ニヤッ

百合子「…!?」

――かに思われた
しかし、その攻撃はサイドンの片腕によって、難なく防がれていた!

Pカチュウ「わざを生身で防いだ!?」

サカキ「サイドンは2000度のマグマにも耐えられる頑丈な皮膚を持つ…サイドンにとってその程度の物理攻撃は全くの無意味だ!」

サイドン「!」バッ

サイドンは腕を振り、そのままガラガラを吹き飛ばした

百合子「ガラガラ!!」

サカキ「想いだの意思だの、それがどうしたというのだ…いい加減それらが無意味だと何故気づかない?」

百合子「無意味なんかじゃ、ない!」

サカキ「…」


『全部、無駄だった…!今まで俺たちがやってきたことは何もかも――』


サカキ「なら刻め!決して覆らない、絶対的な現実というものを!」

サイドン「グオオオオッ!!」ブンッ

百合子「ガラガラ、避けて!!」
ガラガラ「!!」ヒュッ

サカキ「お前たち弱者は逃げ回ってる姿がお似合いだ、ふふふ」
380 : 1   2019/11/22 23:56:56 ID:RqyixMHKQQ
シゲル「ちくしょう!図に乗ってんじゃねぇ!」

サカキ「…」チラッ

シゲル「“つるのムチ”!!」
フシギバナ「!!」バシュッ

サイドン「…!」ガシッ

シゲル(また、止められた…!)

サイドン「グウウアウッ!!」

ブチッ!
掴んだ“つるのムチ”をそのまま引きちぎる
サイドンの足元に千切れたつるが無残に落ちていく

シゲル(くそっ!!みずタイプも克服してる、物理攻撃も全く効かない…、こんな化け物、どうやって倒せばいいんだよっ…!!)

シゲルは静かに俯いた

シゲル(俺の夢はここで終わるのか…悪党1人も満足に倒せないまま、こんなところで…)

この瞬間、シゲルの脳裏で様々な記憶が駆け巡っていた
今よりも小さい頃のこと、初めてポケモンを手に入れた時、
意気揚々と旅立とうとした日、百合子とPカチュウと出会った時のこと
シオンタウンやタマムシシティでの共闘、このみとの運命(自称)の出会い、
シルフカンパニーでの敗北…、
その悔しさをバネに修業をしたこと…

シゲル(修行……)

!?
ふと、シゲルはある日の修行のことを思い出した
381 : 1   2019/11/23 00:05:31 ID:WNTZPJltoA
>>357に遡る

シゲル『ちくしょう!一杯食わされたぜ!!』

瑞希『いえい』ピース

シゲル『瑞希のトリックプレイにはことごと引っかかる…!くそっ、巧妙すぎんだよ!』

瑞希『確かに、バレないように工夫していますが…それ以前にシゲルさんは少々冷静さに欠けているかと』

シゲル『そ、そんなこたあねぇよ!』

瑞希『…シゲザエモンさん』ボソッ

シゲル『ちっげえよ!!俺はシゲルだっつってんだろ!』

瑞希『と、こんな感じで相手の煽りにすぐ引っかかってしまう…それでは敵に思うつぼです』

シゲル『ぐ…ぬぅ…』

瑞希『戦いにおいて、熱さは必要ですが、それだけではいけません。頭は冷静に、心は熱く、です』

シゲル『な、なるほどな…』

瑞希『不利な状況になっても、冷静に状況分析です…そうすればきっと突破口を見出すことが出来る、というわけです』

シゲル「けっ!言われなくてもやってやらあ!!なんせ俺様は未来のチャンピオンだからな!!こんなところで躓いてなんていられねぇぜ!!」

瑞希『その意気です、シゲr……シゲキチさん』

シゲル『何で言い直した!?合ってたじゃん!!』ガビーン
382 : 1   2019/11/23 00:13:19 ID:WNTZPJltoA
シゲル(『頭は冷静に、心は熱く』…!落ち着け、俺!この世に無敵の化け物なんていやしねぇんだ!絶対に…突破口が…あるはず…!みず攻撃…物理攻撃…くさ……あっ!)

シゲルは先程サイドンが千切ったつるを凝視し、ある疑問が頭をよぎった

シゲル(物理攻撃は当然だが、本来弱点であるはずのみずタイプのわざも避ける気もなくそのまま喰らいながら突っ込んできた…!なのに、くさタイプのわざだけは、わざわざ『掴んで』防いだ……奴がもし、くさタイプも克服しているなら、喰らっても問題ないはずだ!だってそうじゃねぇか!奴は物理攻撃を耐えられるほどの皮膚を持ってるんだから!だけど、そうしねぇってことは……!)

シゲルは一つの結論に至ったのだった

シゲル(くさタイプだ!奴にくさタイプのわざは有効なんだ!!だとしたら…俺にもまだ手が残ってる!!“ソーラービーム”!!くさタイプわざで尚且つ物理攻撃じゃないこのわざならサイドンを倒せるかもしれねぇ!!……けど、問題は!)チラッ

百合子「ガラガラ!」

シゲル「……」


ガラガラ「…!」ゼェゼェ

サカキ「鬼ごっこもここまでだ」

百合子「うぅ…大ピンチ…」

サカキ「やれ」
サイドン「グオオオオオッ!」

百合子(このままじゃガラガラがやられるっ!)

百合子がモンスターボールを構えるのと、サイドンが攻撃を繰り出したのはほぼ同時!
一帯に砂煙が舞う

シルフ「…!」

サカキ「ハクリュー…!ガラガラに攻撃が通る寸前に交代したか」
383 : 1   2019/11/23 00:19:45 ID:WNTZPJltoA
タケシ「だ、だけどハクリューの攻撃力じゃあの重戦車みたいなサイドンの防御力を突破できるかわからな――」
ワタル「シャアアアアアアアアアアラアアアアアアップ!!」(渾身の右ストレート)
タケシ「ひでぶっ!!」ハナジブー

ワタル「ドラゴンの可能性は無限大なんだよ!貴様のような愚か者は地獄の業火に焼かれてしね!」(親指を下に向けながら)

タケシ「俺なんか悪いこと言ったか…?」ドヨーン

Pカチュウ「ドラゴン関係だと柄悪いなこいつ…」

このみ「やっぱり危険人物じゃない…」

瑞希「…」(タケシの頭を撫でる)


百合子(でも確かに、この状況を私たちだけで突破するのは難しいかも)

サカキ「蹴散らせ」

シゲル「フシギバナ!“はっぱカッター”!!」

サイドン「!?」
百合子「シゲルさん!」

サイドンは攻撃を中断し、すぐさま身体をのけぞらせて“はっぱカッター”を避けた

シゲル「ちっくしょおお!!」バンッ

手に持っていたモンスターボールを勢いよく地面にたたきつけた
その後、フシギバナをボールに戻し、そのまま百合子へと近づいていく

シゲル「全部てめぇのせいだ!てめぇが俺の足を引っ張るのがいけないんだ!!」

百合子「どうしたんですかシゲルさん!」

シゲル「どうしたもこうしたもねぇ!!」ドンッ

百合子「きゃっ!」バタッ

シゲルに突き飛ばされる百合子
身につけていたモンスターボールがコロコロと散らばり、転がっていく

Pカチュウ「!?」
384 : 1   2019/11/23 00:30:15 ID:WNTZPJltoA
シゲル「マサキ戦では見どころのある奴だと思ってたけど、買いかぶりすぎてたぜ!!最後のフォーメーションで格上の敵を追い詰めていったりよぉ、関心すらしてたんだぜ!!どうしてあの時みたいにやれねぇんだよ!!こんな結果になるなら、やっぱりお前と組むんじゃなかったぜ!!」

百合子「し、シゲルさん…」ウルッ

サカキ(自分の思い通りに行かないと理解し、癇癪か…。所詮は子供)

シゲル「俺がどれだけ夢にかけてきたと思ってんだ!」

シゲルは手のひらを広げて、百合子の眼前に出す

シゲル「5年だぞ!5年!!それがお前のせいで全部台無しだ!!」
百合子(!?)

シゲル「ちっ!ここからは俺だけでやる!お前みたいなやつ、いない方がマシだぜ!」

百合子「…」

タケシ「お、おい!何もそこまで言うことは!」
このみ「そうよシゲルくん!落ち着いて!!」

シゲル「うるせぇ!黙って見てろ!!」

このみ「!?」

瑞希「シゲルさん、一体何が…」

ワタル「……」
Pカチュウ「……」

シゲルは再び元の位置へと歩き出す

シゲル「最初からこうしてりゃ良かったんだ…!本当に馬鹿らしく思えてくるぜ…!」スタスタ

ポタポタ
シゲルの歩いた軌道に液体のような何かが落ちていく

サカキ(…血?)

シゲルがモンスターボールを構えた

シゲル「本当によぉ、どうしようもねぇよ!!」
百合子「…」

そして、投げた!

シゲル「俺ってやつはよぉ!!」

ボンッ!
つむぎ「ギャオオオオオオス!!」

サカキ「何!?」
385 : 1   2019/11/23 00:40:42 ID:WNTZPJltoA
その瞬間、今まで俯いていた百合子が不敵な笑みを浮かべた

百合子「“ハイドロポンプ”!!」

サイドン「!!?」

タケシ「どうなってるんだ!シゲルの投げたボールからつむぎが出てきた!?」

瑞希「恐らくあの時、入れ替えたんだと思います」

タケシ「はっ!シゲルが百合子を突き飛ばしたときか!」

瑞希「視線誘導……まんまとしてやられたぞ」

ワタル「ルール上、フィールドに出ているポケモンは片方のポケモンでも良いことになっている…そのルールをついた作戦ということか、随分と大胆不敵なやつだ」

Pカチュウ「それもあるけど、何より俺が驚いたのは…」

百合子「…よし」

Pカチュウ(百合子、お前がシゲルの策を察することが出来た、その成長っぷりにだ)

百合子「!」バッ

このみ「百合子ちゃんが走り出したわ!」

百合子はシルフをボールに戻し、
そして別のボールを取り出した!

サカキ(あの時の言い争いでボールを入れ替えたか…!だとしたら今持っているあのボールの中はシゲルのポケモン…いや、そうと見せかけて自分のポケモンか…!)

ワタル「ふふっ、サカキに若干の焦りが出てきたな」

Pカチュウ「どのポケモンが飛び出してくるか分からない…シルフカンパニーのマサキとの戦いで俺たちが使った『フォーメーション・ストーム』!あれはその亜種…!本来は乱闘戦専用フォーメンションを、あいつら!この土壇場で形にしたのか!」

つむぎ「ギャオオオス!!!」グルグル
サイドン「!?」

つむぎがサイドンに巻き付いた!

シゲル(よしっ!!)
386 : 1   2019/11/23 00:46:56 ID:WNTZPJltoA
百合子(あの時…)


シゲル『5年だぞ!5年!!それがお前のせいで全部台無しだ!!』


百合子(あの時シゲルさんの手のひらにあった……多分“はっぱカッター”で刻んだ傷のメッセージ!)

『くさ』

百合子(あの時サイドンは“はっぱカッター”を防がないで避けた…そしてシゲルさんのメッセージ…!おかげでサイドンはくさタイプは効くってことに気づくことが出来た!)

シゲル(賭けだった…!あいつとはそんなに信頼関係を築いてきたわけじゃなかったから、俺の真意に気づかないかもしれないと思った…!なのにあいつは…っ!)

百合子(シゲルさんは確かに短気だけど、暴力をふるうような人じゃない!だから信じられた!シゲルさんがつむぎのボールを持って行った時も、『フォーメーション・ストーム』の話をしだしたときも、私なりに察することもできた!だから、私が今ここでやるべきことも、私なりに理解したつもり!)

百合子は走りながら、ボールを投げる態勢に入った

百合子「いっけええええええええええええええええええ!!」ヒュンッ

ボールが開きかけ、ポケモンが飛び出すその前に!
シゲルは大きく叫んだ!!

シゲル「“ソーラービーム”!!」

フシギバナ「!」

サカキ「狙いは“ソーラービーム”か!だがそれを放つためにはチャージ時間を要する!」

シゲル「だからこそのギャラドスだよ!」ニヤッ

つむぎ「ギャオオオウ!」ギュッ
サイドン「ぐおおお!」ミシッ

つむぎに巻き付かれ、絞めつけられているサイドンは身動きが取れなかった

サカキ「ギャラドスを使って動きを封じ、その間に攻撃をしようということか…!」

シゲル「その通りよ!俺のフシギバナの大技ぶちかまして、これで終わりにしてやる!『俺たち』の勝ちだ!!」
387 : 1   2019/11/23 00:51:19 ID:WNTZPJltoA
副業が繁忙期なので、執筆ペースかなり遅いです

今は、このみさんと莉緒ねぇがユニット組んだり、ポケモン剣盾が発売になったりしてますね
こちらもゆっくりペースで進めてます

世間のポケモンブームに肖って、少しでも楽しんでいただければいいなと思います
それでは、続く
388 :   2019/11/23 00:59:15 ID:kYCWO.SzbQ
>>387
おつおつー、遅くても書いてもらえて嬉しいです。
楽しみにしてまーす!
389 : 1   2019/12/20 00:47:27 ID:fKqrhqJUr.
サカキ「…」

百合子(あとはタイミングを見て、つむぎを回避させれば…)

サカキ「つくづく、めでたい思考をしているようだな」ボソッ

サイドン「グオオ…!」
つむぎ「!?」

シゲル「ま、まさか力づくで振りほどく気か!?」

百合子「頑張れつむぎ!」

サイドン「グオオオオウッ!」バッ

百合子「あーっ!片腕だけ出てきちゃった!」
シゲル「だけど、そんぐらいなら!」

サカキ「いいや、これで十分」

解放された片腕を、そのまま地面へと叩きつけた

サカキ「“じわれ”!」

叩きつけた拳を中心に、フィールド全域が、文字通り地面が割れて崩れ始めた!

百合子「きゃあっ!」

タケシ「あれは、シルフカンパニーを破壊した時の!」
瑞希「相変わらず凄まじい威力ですね」
Pカチュウ「じ、じめんわざはやばい!」ガシッ
このみ「んん!もがもがもが!」(ちょっと!私の顔に張り付かないでちょうだい!)

シゲル「フシギバナ無事か!?」

フシギバナ「!!」サッ

サカキ「そうだ、生き残るためにはどのみちチャージを中断せざるをえまい」

シゲル「ちきしょう…!」

ワタル「“じわれ”は非常に強力なわざではあるが、命中率が低い…!しかし、今回放ったのはわざそのものを当てるためではなく、“ソーラービーム”を中断させるため」

このみ「何もかも計算通りってわけね」

サカキ「“ソーラービーム”は太陽光をエネルギーに変換し、敵に放つわざ。しかし、室内ではその威力を発揮することはできまい」

シゲル(奴の言うとおりだ…!せめて、光をダイレクトにフシギバナに当てることが出来りゃあ…!)
390 : 1   2019/12/20 00:49:48 ID:fKqrhqJUr.
百合子(どうにかして太陽の光を…!)
つむぎ「…」チラッ

サカキ「着眼点は良かったが、所詮はその程度の実力、我らの足元にも及ばない…!」

つむぎ「…!」フルフル

サカキ「ん?」

つむぎ「!!」バッ
サイドン「!?」

百合子「つむぎ!」
Pカチュウ「ただでさえダメージを受けている身で特攻なんて無茶だ!!」

つむぎ「ギャオオオオオス!!」

“ハイドロポンプを一発繰り出すが、
今まで同様、サイドンに防がれてしまっている

つむぎ「!!」

今度は“バブルこうせん”の連撃

タケシ「あんなに闇雲に攻撃を連発しても、無駄にエネルギーを消費するだけだぞ!」
瑞希「冷静さを欠いているのでしょうか…?」

Pカチュウ(どちらかと言えば、つむぎは一歩引いて周りの状況を把握するタイプ!あんな直情的な行動に出るような奴じゃない!)

サカキ「見苦しい……サイドン、片づけろ」

その瞬間、“いわなだれ”がつむぎへと降り注がれる
ただでさえ大ダメージを負っている身で、こうかばつぐんのわざを受けてしまっては、
どう考えても、つむぎが助かる未来はない

しかし、つむぎはその局面で――

つむぎ「…っ!!」

百合子(尾をバネ状に……はっ!ま、まさか!!)
シゲル(あいつ…!!マジかっ!)

上へと大きく『跳んだ』!
391 : 1   2019/12/20 00:50:31 ID:fKqrhqJUr.
サイドン「!?」
サカキ「血迷ったか…自ら破滅を選ぶとはな」

このみ「このままじゃ岩に激突よ!」

百合子「“バブルこうせん”!!」

つむぎの口から放たれた“バブルこうせん”により、
岩は全て泡に包み込まれた!

サカキ「泡の弾力で衝撃を和らげたか…」

つむぎ「ギャオオオオオオス!!」ビュンッ

このみ「このままじゃ天井にぶつかっちゃうわ!」

Pカチュウ「…いや、これは」

ドスッ、とにぶい音が響く
勢いよく天井にぶつかり、頭が跳ね返る
天井にはわずかなヒビが入る

百合子「何だかハナダジムのことを思い出すね…、あの時はまだコイキングだったけど、こんな風に高く跳んでたよね…」

つむぎ「…」

百合子「風の戦士は自由に、そしてどこまでも高みに行く…!こんな天井に邪魔されたくないよね…!だったら!!」

つむぎ「っ!!」カッ

百合子「“ハイドロポンプ”!!」

つむぎの“ハイドロポンプ”が天井に炸裂!

サカキ(…そういうことか、奴らの狙いは…!)ギリッ

“ハイドロポンプ”の水圧を受けて、
ひび割れが徐々に広がり、そしてついに

百合子「希望の光を、照らせええええええええ!!」
つむぎ「ギャオオオオオオス!!」

崩壊した!
392 : 1   2019/12/20 00:51:58 ID:fKqrhqJUr.
Pカチュウ「…光だ」
このみ「太陽の…光…」

サカキ「行け、サイドン!!」
サイドン「!!」

瑞希「まずいですね、サイドンが光の方へ向かってます」

サカキ「光が差す場所はフィールド全域ではない!その場所にフシギバナを近づけさせなければよい!」

サイドンが光へと向かおうと動き出す、まさにその瞬間!
空中から岩が次々と降り注ぐ!
岩はサイドンの眼前に次々と落下し、移動を妨げた!

サイドン「!?」

サカキ「あれは、 “バブルこうせん”の時の…っ!」

つむぎ「!!」

つむぎは自身が落下しながらも最後の力を振り絞り、サイドンの頭上に落下するように無理やり身体を少しずつずらし、サイドンに激突した!

サイドン「グアウッ!!」

百合子「つむぎーっ!!」

シゲル「百合子!ボールよこせ!!」

百合子「シゲルさん!!」

シゲル「ギャラドスの作ったチャンス、ぜってえ無駄にはしねえぞ!!」

百合子「…はい!!」

先ほど交換したフシギバナのモンスターボールをシゲルへと投げ渡す
受け取った直後、フシギバナをモンスターボールへと戻し――

シゲル「頼んだぜ、フシギバナ!!」

――ボールを光の中に投げ入れた!

サイドン「グオオオオオッ!!」バシッ

起き上がるサイドン!
倒れたつむぎをフィールド外に投げ飛ばし、ボールを追った!
393 : 1   2019/12/20 00:53:20 ID:fKqrhqJUr.
つむぎ「…」

百合子「ありがとう…本当に…ぐすっ…つむぎは凄いよ…!」

意識が薄れていく中、つむぎはふと思い出した
ハナダジムで勝利し、百合子が褒めてくれたあの時のことを
ボロボロになり、全力を尽くし、ようやく得た勝利
百合子の役に立てたこともあり、嬉しくなって自然と笑みが出た
進化した今でも、その気持ちは変わらない
だから今も凄く嬉しくって…
意識が薄れていく中、

つむぎ「…」ニコッ

あの時のように笑うことが出来た
394 : 1   2019/12/20 00:54:03 ID:fKqrhqJUr.
百合子「…大丈夫、後は私とこの子に任せて…!」ギュッ


サイドン「グオオオオオッ!!」

シゲル「うすのろ野郎!お前のスピードよりもフシギバナが出る方がはえーぜ!」

サカキ「だろうな…!だが早かろうが遅かろうが、対面になればこちらが有利なのは依然変わらない真実」

シゲル「ちっ!」

百合子「いっけー!モンスターボール!!」

ボンッ!

ガラガラ「!!」バッ
サイドン「!?」

サイドンの目の前にガラガラが現れた!

シゲル「百合子!!」

このみ「ガラガラ!!」

百合子「ここから先へは行かせない!!」

ガラガラ「…!」ゴゴゴゴゴ
サイドン「…!」ゴゴゴゴゴ

サカキ「どこまでも…!」

百合子「…!?」

サカキ「…どこまでも…私をコケにしたいようだな…!いいだろう、まずは貴様たちから沈めてやる!」

百合子「それはこっちのセリフだ!行くよ!ガラガラ!!サイドンを倒そう!!」
395 : 1   2019/12/20 00:54:24 ID:fKqrhqJUr.
続く
396 : EL変態   2019/12/20 08:12:29 ID:VfpIl10DM2
つむぎぃぃぃぃぃ!
397 : 1   2020/01/01 00:47:04 ID:4hMF3K7XEI
ボンッ!
フシギバナ「!!」

シゲル(この太陽エネルギーなら“ソーラービーム”のチャージ時間はわずか約1分!ほぼ好きなタイミングで撃てる!だけど、問題は奴に攻撃を当てられるかってことだ!当たらなきゃ何の意味もねえんだ!)

百合子「ガラガラ!」
サカキ「サイドン“!」

シゲル「気張れよ!フシギバナの一撃でサイドンぶっ倒せるかどうかは、この一戦にかかってんだ!!」

ガラガラ「!!」
サイドン「グオオオッ!!」

このみ「…」

瑞希「大丈夫です、七尾さんとガラガラを信じましょう」

このみ「…えぇ」

ワタル「じめんタイプに絶対的なプライドを持つサカキは、ガラガラとの勝負を避けるような真似はしない…!ガラガラvsサイドン、じめんタイプの優劣を決める、文字通りの『決戦』というわけだ」

百合子「“ホネこんぼう”!!」

ガラガラ「!」ブンッ
サイドン「!!」ゴスッ

百合子「うぅっ!やっぱりこっちの攻撃がほとんど効いてない!」

サカキ「弾き飛ばせ!」

サイドン「ガウウッ!!」バシッ

ガラガラ「!!」ドシッ
百合子「大丈夫!?」

ガラガラ「…!」スタッ

サカキ「…まだ立ち上がるか」

サイドン「…」ニヤッ
398 : 1   2020/01/01 00:51:20 ID:4hMF3K7XEI
不敵な笑みを浮かべ、少しずつサイドンが近づいてくる
ガラガラは距離を取ろうとするが、足がふらつきうまく動けない
やがて目の前まで近づいてきたサイドンは、
そこから怒涛の連打でガラガラを襲った!

百合子(このままサイドンに好きにさせてたら、いずれガラガラはやられちゃう!そうすれば次に狙われるのはフシギバナ!それだけは避けないと…!!どうにかしなきゃ!ああ…でも…どうすれば…)

ガラガラ「…!」グウッ
このみ「ガラガラ!!」

百合子(…ハッ!しっかりしなさい七尾百合子!考えるんだ、今使える手段でどうやってサイドンを攻略できるのかを!!)

バシッ、と両手で頬を叩いて気合を入れる

百合子「痛いっ!」ジンジン

タケシ「…何やってんだあいつは」
Pカチュウ「百合子らしいというか…」ハハハ

百合子(ガラガラの使えるわざは、“ホネこんぼう”、“ホネブーメラン”、“かいりき”、“かげぶんしん”…!このわざをうまく使って、サイドンを足止めできればいいんだけど…単純な物理攻撃じゃサイドンには敵わない…!だったら…!)


ガラガラ「…」ゼェゼェ

サカキ「あれだけ攻撃を受けてもまだ立ち上がれるか、大した精神力だ」

サイドン「…!」ニヤッ

百合子(一か八か、やるしかない!!)

サカキ「今楽にしてやる」

サイドン「!!」ゴッ

百合子「ガラガラ!“ホネこんぼう”!!」

ガラガラ「!!」バッ

双方の攻撃がぶつかり合う!

サカキ「学習能力のない奴だ、力比べならサイドンの方が上だ」

百合子「確かに、単純勝負ならこっちが不利だけど…勝負は最後まで何が起こるか分からない!」

・・・

・・

399 : 1   2020/01/01 00:53:52 ID:4hMF3K7XEI
昴『くらえー!オレの必殺ボール!!』

百合子『とうっ!』スカッ

奈緒『ストライク!バッターアウトー!』

百合子『くっ!惜しい!』

恵美『いや、1ミリもかすってなかったじゃん』

百合子『昴さんが強すぎるんですよ~!私じゃ敵いっこないですって!』

昴『なーに言ってんだよ!勝負は最後まで何が起こるか分からないだろ?』

百合子『そういうものでしょうか?』

昴『そうそう!特に野球はどんなに相手を抑えてたって、逆転ホームラン打たれりゃ、それで負けることだってあるんだぜ!肝心なのは諦めない心だ!!』

奈緒『おっ!ええこというなあ!』

百合子『た、確かに…!主人公も絶体絶命のピンチに覚醒したりしますしね!』

昴『ん?まあよく分からないけど、そういうことだ!』???

百合子『よーし!次こそホームラン打ってみせる!!』

昴『オレも打たれないように、魔球を投げられるようにならないとな―!分裂する魔球とか投げてみたいぜ!』

奈緒『いや、それは無理やろ!』ガビーン

恵美『なら、アタシの消える魔球と勝負してみる?』スッ

奈緒『恵美が言うとシャレにならんわ!』ビシッ

琴葉『ふふ、楽しそうねみんな…』

百合子『こ…』
昴『琴葉!?』

琴葉『何回も言うけど、劇場で野球は…』

恵美『あっ!空からしじみ汁が!』

琴葉『え!?』クルッ

奈緒『今や!逃げるが勝ち―っ!』
恵美『ごめんね琴葉―!』

昴『オレたちも逃げるぞ!』
百合子『戦略的撤退、ですね!』

琴葉『って!ちょっと!待ちなさい!!』




・・

・・・
400 : 1   2020/01/01 01:01:18 ID:4hMF3K7XEI
百合子「絶対に!」

ガラガラ「!!」グググイッ

百合子「諦めない!!」

サカキ「大した意気込みだ、だがな」

サイドン「!!」グイッ
ガラガラ「!?」ヨロッ

サカキ「精神論で勝てれば苦労はしない……とどめをさせ」

サイドン「グオウッ!!」

百合子「“かげぶんしん”!!」
ガラガラ「…!」スウッ

サイドン「!?」

百合子「もっと!もっと!」

Pカチュウ「ガラガラがどんどん増えていく!」

2体、4体、6体…
サイドンの視界には今、約20体近くのガラガラで埋め尽くされていた

サカキ「まどわ――」

百合子「勝負だサイドン!!!!!」

サカキの声をかき消すほどの声量
その瞬間、ガラガラたちが一斉に構えだした

百合子「“ホネブーメラン”!!」

瑞希「無数の骨攻撃」

タケシ「“かげぶんしん”+“ホネブーメラン”の合わせ技か!!」

百合子(必殺!分裂する“ホネブーメラン”!)

サイドン「グウッ」タジッ

冷静に考えれば、サイドンの鎧のような皮膚ならこの攻撃の数々は余裕で防ぐことが出来る
しかし、敵がとった予想外の動きを目の当たりにし、サイドンの思考は一瞬停止した
『一瞬の思考の支配』、それこそが百合子の狙いだったのだ

百合子「今だ!!」

ガラガラ「!!」タッ
401 : 1   2020/01/01 01:07:03 ID:4hMF3K7XEI
攻撃を放ったガラガラの中の1体、
すなわち本物のガラガラがサイドンの方へと走り出す
そして、攻撃に気を取られているサイドンの股をスライディングでくぐりぬけた!

サイドン「!?」

ガラガラはそのままサイドンの尻尾を掴んだ!

サカキ「まさか、貴様!」

百合子「“かいりき”!」

ガラガラ「っ!」グイッ
サイドン「!!?」フワッ

Pカチュウ「サイドンを持ち上げた!?」

百合子「このまま背中から叩きつけてやる!」

タケシ「いいぞ!サイドンの重量なら起き上がるまでに時間がかかる!その隙“ソーラービーム”を当てればこっちの勝ちだ!」

サイドン「…」ニヤッ

サカキ「甘いな」

サイドンは持ち上げられながらも、腕の構えをとった

瑞希「まずいですね、このままでは叩きつけた瞬間に“じわれ”攻撃を仕掛けられます」

Pカチュウ「何!?」

サカキ「そういうことだ、近距離のガラガラもチャージで身動きの取れないフシギバナも今度は避けることもできない」

ワタル「ここまで、か」

このみ「いいえ、まだよ!私は2人を信じてる!!」

シゲル「そうだぜ!お前らの土壇場の強さを奴に見せてやれ!!」

ガラガラ「!!」

手足の全筋力をフル稼働!
体勢を変え、そのままジャイアントスイングでサイドンを振り回した!

百合子「ガラガラーッ!!」

ガラガラ「!!!」ブンッ
サイドン「!?」

タケシ「叩きつける寸前で…」
Pカチュウ「『投げ』に切り替えた!?」
402 : 1   2020/01/01 01:10:16 ID:4hMF3K7XEI
宙に放り投げられ、完全に身動きを封じられたサイドン!

シゲル「…よくやったぜお前ら!」
フシギバナ「!」

サイドン「!?」

百合子「後は…お願いします」

シゲル「任せろ!確実に仕留めてやる!!」

サイドン「ガアアアアア!!」

シゲル「“ソーラービーム”!!!!」

フシギバナから放たれた巨大なエネルギー砲がサイドンを貫いた!

サイドン「グ、グウ…」

直撃を受けたサイドンは、空中で気を失い、フィールドに叩きつけられた

Pカチュウ「か、勝った」

タケシ「やった!サイドンはひんしだ!」

百合子「や、やった…!」

シゲル「よしっ!!」

ワタル「見事だぞお前たち!!」


このみ「…」

ガラガラ「…」フラッ

このみ「…ありがとう」ウルッ
403 : 1   2020/01/01 01:11:58 ID:4hMF3K7XEI
サイドン「…」グッタリ

サカキ「なかなか面白いものを見させてもらった。余興としては上出来だ」

シゲル「余興だと!負け惜しみかよ!」

サカキ「負け惜しみ?サイドン如きを倒したからと言って調子に乗ってもらっては困る……お前たちにはまだ、我が手持ち最強のポケモンを見せていないのだからな」

このみ「え!?」

タケシ「サイドンがエースじゃなかったのか!?」

瑞希「驚きましたね」

サカキ「お前たちに見せてやる…真の王の力を」

ボンッ!

???「!!」グイッ
サイドン「」ガシッ

モンスターボールから出てきたポケモンが、サイドンの角を掴み、
そのまま片手で投げ飛ばした

Pカチュウ「なっ…!」

サカキ「眠れる狂王を呼び覚ましたことを後悔するがいい」

ニドキング「ガオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

百合子「あれが…サカキの真のエースポケモン…!」ゾワッ
404 : 1   2020/01/01 01:12:20 ID:4hMF3K7XEI
百合子:×ギャラドス(つむぎ)、ガラガラ、ハクリュー(シルフ)
シゲル:カメックス、フシギバナ、???

サカキ:×サイドン、ニドキング
405 : Pちゃま   2020/01/01 01:14:07 ID:4hMF3K7XEI
間に合った(間に合ったとは言ってない)
406 : プロデューサーちゃん   2020/01/01 08:41:13 ID:RX41C7c2cA
あけおめー、ことよろー
407 : 1   2020/01/24 00:52:07 ID:kj2g4pNCyI
少年『よっしゃ!俺たちの勝ちだ!よくやったぞニドラン!』

ニドラン♂「!」ニッコリ

ボーイスカウト『くそっ、負けたぜ!』

ガールスカウト『さすが未来のポケモンチャンピオンね!』

少年『へっ!チャンピオンなんて俺たちの夢の過程の一つでしかないね!』

2人『?』

少年「よーく聞けよ!俺たちがなるのはな――」


ニドキング「ガアアアアアアアアア!!」

ドゴッ!!
フシギバナ「」ガクッ

ガラガラ「…」バタリ

シゲル「な…」

瑞希「サカキがニドキングを出して、わずか1分…あっという間に場を一掃されるとは」
タケシ「これが、奴のエースの力…」

百合子「強すぎる…」

ガラガラ「…」フラッ

このみ「ガラガラ!」

サカキ「お前の足掻きはもう見飽きた」

ニドキングはガラガラにとびかかり、すぐさま首を掴んだ

サカキ「消え失せろ」

ものすごい勢いで場外へと投げ飛ばされた!
壁に激突し、その衝撃でわずかに残っていた意識が、ふっと消え去った

Pカチュウ「おい!大丈夫か!しっかりしろ!!」

このみ「ガラガラ!こんなになるまで…」

サカキ「フシギバナ、ガラガラ、戦闘不能だ」

このみ「!!」ギロッ
408 : 1   2020/01/24 00:53:02 ID:kj2g4pNCyI
サカキ「次の贄を差し出せ!我がニドキングがお前たちの血肉を全て喰らってやる!」

ニドキング「ガアアアアアアアアアア!!」

タケシ「サイドン以上のパワーだ、まずいんじゃないか…!」

Pカチュウ「残ってるポケモンはシルフと、シゲルのカメックスとまだ見ぬ1体…」

瑞希「カメックスはサイドン戦で体力を削られているので、少しでもあの攻撃を受けてしまえば負けは確実」

このみ「どうするの2人とも!?」

シゲル「そんなん決まってるぜ!戦って勝利をもぎ取るのみ!」

百合子「私たちの夢のために諦めません!!」

シゲル「カメックス!攻撃だ!!」

百合子「シルフ!」ボンッ

シルフ「!」コクッ

サカキ「ならば恐怖を刻み込むまでだ!お前たちが夢を見る度に思い出すように、念入りにな!」

百合子「“りゅうのいかり”!」
シゲル「“ハイドロポンプ”!」

サカキ「ニドキング」

ニドキング「…」ニヤッ

迫りくる2体の攻撃を、ニドキングは跳んで回避!

このみ「避けた!?」

百合子「こっちに来る!」

サカキ「“じしん”!」

着地と同時に、地面から伝わる攻撃に2体はダメージを受けた!

シルフ「…!」フラッ

ニドキング「!!」バッ

ニドキングの腕がシルフに迫る!

シルフ「!?」

Pカチュウ「あいつ、真っ先にシルフを倒す気だ!!」

百合子「掴まれる前に先手を打つ!」

シルフはそのままニドキングに向かって“とっしん”!

百合子「やった!」
409 : 1   2020/01/24 00:56:16 ID:kj2g4pNCyI
ニドキング「ガオウウッ!!」バシッ

シルフ「!!」

しかし、はじき飛ばされてしまった!

百合子「やってなかった!」ガビーン

タケシ「くそ、パワー差がありすぎる!」

瑞希「それにサイドンと比べて身軽ですね……厄介だぞ」

ワタル「サイドンが戦車なら、ニドキングはミサイルと言ったところか」

サカキ「残りポケモンが同じ1体でも、私とお前とでは天と地ほどの差があるのが分かっただろう…私の優位は依然変わりない」

百合子「まだ勝負は決まってない!」

サカキ「…お前たちの夢は、この敗北をもって終わるのだ」

百合子「絶対に終わらない!終わらせない!まだ私は諦めてない!!」

サカキ「現実を見ろ、お前は弱い…実力のない者がどんなに理想を謳っても、それは単なる空想…お前の理想は何一つ現実に成りえないのだ」

百合子「…」

サカキ「その夢に引導を渡してやろう…!」

ニドキング「…!」ジリッ

シルフ「!」
410 : 1   2020/01/24 01:00:07 ID:kj2g4pNCyI
百合子「…確かに、周りには私なんて比べ物にならない才能を持っている人がたくさんいる…!歌もダンスも、私は皆みたいに自信が持てないし!ポケモンバトルだって、この仲間たちの助けがあったからここまで来れた!」

このみ「百合子ちゃん…」

瑞希「七尾さん…」

百合子「だけど!だからこそもっと頑張ろうって思うんだ!アイドルもポケモンも、今の私が選んだ道だから!」

サカキ「…」

百合子「空想?大いに結構!私は巷では空想文学少女と言われてる女だ!」ドヤァ

タケシ「それは誇れることなのか?」

Pカチュウ「ま、まあ少なくとも百合子には」ドヨーン

百合子「心の中にいる理想の私に成るって決めたんだ!だから絶対に諦めない!」

サカキ「ならば問おう!お前は何を望む!お前は、何者だ!!」

百合子「…」

Pカチュウをはじめとした、七尾百合子に関わった者たちは皆感じ始めていた
百合子の周りの空気が変わったことに

百合子「私は」

自信に満ちた表情で、百合子は言い放った



百合子「私は、ポケモンマスターです!」
411 : プロデューサーさま   2020/01/24 09:44:12 ID:ODPQloTl7g
これは主人公
412 : 1   2020/02/11 01:05:46 ID:zH9/TvJf2g
サカキ「ポケモン、マスター…」


『俺がなるのはポケモンチャンピオンじゃねぇ!ポケモンマスターだ!』

『最強になって、いつか世界の頂点を立つんだ!それが俺の夢だ!』

『俺たちならできるよな!ニドラン!!』


サカキ(まさかその言葉を、再び聞くことになるとは……それも、こんな小娘の口から)

Pカチュウ「おいおい、ポケモンマスターって…サトシじゃあるまいし」

百合子「マスター…実にいい響き…!世界の頂に立つ者、ああ!最高です!!」キラキラ

Pカチュウ「…やれやれ」フッ

シゲル「へっ!マスターだろうが何だろうが、全てぶっ倒して、俺が頂点に立ってやるよ!」

百合子「私だって負けないですよ!」

サカキ「…盛り上がっているところ悪いが、その夢が今まさに潰えようとしているのを忘れたわけではあるまい」

百合子「もちろん忘れてなんていない!」

シルフ「!」キッ

ニドキング「…」ニヤッ


瑞希「単純な力比べでも、ニドキングの方が有利なこの状況で七尾さんたちは勝算があるのでしょうか」

Pカチュウ「シゲルはあるかもしれない、3匹目のポケモンを温存しているしな。百合子は……正直分からん」

タケシ「おいおい」

Pカチュウ「だけど、百合子は調子に乗ってるときが一番良かったりするからな」

このみ「確かにポジティブな気持ちを保てれば、うまく物事が進むこともあるけど…ポケモンバトルは1人でやってるんじゃないのよ?」

Pカチュウ「シルフ、か。あいつがこの激戦でどう立ち回れるか…」

ワタル「その点に関しては問題ないだろう」

Pカチュウ「え?」

ワタル「恐らくその心配は杞憂だ」

瑞希「どういうことでしょうか?」

ワタル「いずれわかるさ」
413 : 1   2020/02/11 01:12:38 ID:zH9/TvJf2g
ニドキング「!」バッ

ニドキングの攻撃はシルフに命中!

シルフ「…!」ドゴッ

サカキ「その目障りなハクリューは始末する、貴様の夢はそれで潰える!」

シルフ「…」フラッ

サカキ「立ち上がっても無駄だ!これで終わりにしてやろう!」

百合子(感じる…シルフの力が高まってきているのが…私にはわかる…)

シルフ「…!」カッ

……おや!?
シルフの ようすが……!


ワタル「!」

Pカチュウ「あれは、まさか!」

瑞希「間違いありません、あれは」

ワタル「来たあああああああああああああああああああああああああああああ!!」クワッ

外野一同「!?」ビクッ

ワタル「ついにハクリューが最終進化形態へと変貌するぞ!この時を待っていた!!フハハ!ハーハハハハハハハハハハ!!」フンフンッ

Pカチュウ「耳元で騒ぐな!」

このみ(…近くにいるのやめようかしら)ソソクサ


百合子「やった!ついにシルフが進化を――」

ニドキング「!!」キッ

Pカチュウ「まずい!ニドキングのやつ、攻撃を仕掛けるつもりだ!」

百合子「進化中を狙うなんて!」

サカキ「そんな猶予は与えん!やれ、ニドキング!!」

シゲル「カメックス!」

カメックス「!」ガシッ
ニドキング「!?」

シゲル「邪魔はさせねえよ!」
414 : 1   2020/02/11 01:19:42 ID:zH9/TvJf2g
サカキ「いいや、邪魔はお前たちの方だ」

ニドキングの攻撃がカメックスの甲羅を突き破った!

カメックス「!?」グラッ

サカキ「手負いのポケモンを仕留めることなど造作もない、他のポケモン同様、眠りにつくがいい」

シゲル「…なめんなよ」

サカキ「…何?」

シゲル「カメックスをなめるなって言ったんだ!!」

倒れる寸前のカメックスが最後の力を振り絞る
しかし、それは立ち上がるためではなく…
砲台の中に入っている『あるもの』を撃ちだすためだった

カメックス「!!」ボシュッ

瑞希「あれは」

Pカチュウ「モンスターボール!?」

このみ「いつの間に!?」

ボンッ!!
リザードン「グオオオッ!!」

サカキ「…そうか、あの時お前が地面にたたきつけたモンスターボールか…っ!」

シゲル「リザードン、空中から“かえんほうしゃ”だ!」

リザードン「ガアアッ!!」ボウッ
ニドキング「!!」

サカキ「小癪な」

シゲル「そう言うなよ、もっと面白いもんがこれから見れるぜ」

百合子「時はきた!今こそ風の騎士団が完全体へと昇華し、大いなる悪を討つ!」

シルフ(カイリュー)「!!」ドンッ!!

百合子「行くよ、シルフ!」
415 : 1   2020/02/27 07:57:33 ID:KMSH3MjWYc
ミリオンライブ 7周年&ポケモン24周年おめでとう!
今夜更新したい、な
416 : プロデューサー殿   2020/02/27 08:09:17 ID:bmnFK/M.BM
>>415
わーい、わーい!
みんな、洒落にならない怪我してませんかねぇ…。
417 : 1   2020/02/28 01:24:21 ID:2x6ehgGEsc
Pカチュウ「シルフが…進化した!」

シルフ「!」キッ

百合子「この決戦に備えてトレーニングを積み重ねて、今ようやくサカキ!あなたを倒す力がそろった!」ビシッ

サカキ「…」

このみ「やったわ!これならニドキングと渡り合える!」

瑞樹「はい、勝率が少し上がりました……やったぞ」

ワタル「殲滅してやれ!カントー地方唯一無二の最強ドラゴン・カイリューの力でな!フフフフ、フハハハハハハハハハハ!!すごいぞ!かっこいいぞー!!!」


サカキ「進化した程度でお前たちの勝ちが確定か?…笑止」

百合子「それは今から体感してもらえばわかること!行くよ、シルフ!」

シルフ「!」コクッ

百合子「こうげ――」
ニドキング「ガアッ!!」

百合子「え!?」

指示を出し終わる前に、先に動き出したのはニドキング!
シルフの懐に飛び込み、そのまま腕の力で突き飛ばした!

シルフ「!!」

タケシ「よし、持ちこたえた!」

ニドキング「!!」ブンッ

百合子「尻尾攻撃!?」

ニドキングの尻尾がシルフの足に衝撃を与え、倒れこんでしまう

サカキ「そのまま連打だ」

百合子「防いで!」

攻撃を防ごうと構えるよりも早く、ニドキングの攻撃が次々と命中!
絶え間なく続く攻撃に完全に動きを封じられているようだった

ワタル「進化して間もないからな、腕や足の使い方に慣れていないんだ」

Pカチュウ「そうか、今までずっと…」

サカキ「どんなに強力な力を持っていても、それを扱えないようでは話にならんな」

百合子「っ…!」

シルフ「…!」ギリッ

百合子「大丈夫だよシルフ!今日まで特訓を頑張ってきたんだから!」

サカキ「くだらん」

ズブッ!

シルフ「!?」

ニドキング「!」ニヤッ
418 : 1   2020/02/28 01:31:55 ID:2x6ehgGEsc
Pカチュウ「ああっ!!」
このみ「!?」
瑞希「…!」

百合子「し、シルフっ!!」

サカキ「ニドキングの尾の“どくばり”をカイリューの腹部に刺した……ただのどくではないぞ、“どくどく”と同等の効力を持つものだ、後数分で貴様は終わりだ」

シルフ「!」ガハッ

百合子(血…)

サカキ「力を得たことで逆に地獄を見ることになったな…思い上がった愚者の末路だ」

ワタル「サカキ、貴様ああああああ!」ジタバタ
タケシ「見苦しいぞ!落ち着け!」(ワタルを羽交い締めにしながら)

シルフ「…」ゼェゼェ

百合子「あ…」

サカキ「降参しろ百合子、夢を語ったその口で…自身の負けを宣言しろ」

百合子「!?」

サカキ「所々で言ったはずだ、お前たちに勝ち目はない…それが今明確な現実となってお前の目の前に形となった、そこの死にかけのカイリューがまさにそうだ」

シルフ「…!」ゼェゼェ

百合子「何を、勝手なことを…!」

サカキ「そういえばさっき言っていたな、自身はポケモンマスターと…、かつてその言葉を吐いた男を私は知っている」

百合子(私と同じ夢を持っている人が…)

サカキ「幼いころからトレーナーとしての才を発揮し、チャンピオンにまで上り詰めた。奴は間違いなく最強だった…だがそれは、カントー地方での話!奴は世界を知り、絶望した…!自分は井の中の蛙に過ぎなかったと、な。お前たちもそうだ!狭い世界しか知らない哀れな蛙よ!」

シゲル「やろう!ふざけたこと言いやがって!」

サカキ「虚勢だな、薄々理解しているのではないのか?ただそれを受け入れたくないだけ…子供の我がままだ」

シゲル「っ!!」

サカキ「選べ、降参か!敗北して仲間を失うか!」
419 : 1   2020/02/28 01:34:44 ID:2x6ehgGEsc
百合子「…前にPカチュウさんが言ってた、『負けを認めなければ負けじゃない』って」

Pカチュウ(タマムシで初めてサカキと対峙した時…あの時もボロボロだったもんな…)

百合子「私もシルフも、シゲルさんも負けを認めてない!負けを認めたら倒れていったつむぎとガラガラ、フシギバナやカメックス…それに応援してくれてる皆の気持ちを踏みにじる!私は絶対にそれをしたくない!」

サカキ「認める認めないの精神論ではないのだがな…まあいい、ならば現実を見せてやろう
……そのカイリューを始末することによってな!」

ニドキング「ガアアアアッ!!」

シルフ「!!」ガシッ

サカキ「!?」

Pカチュウ「ニドキングの攻撃を…『手』で防いだ!」

サカキ「馬鹿な、何故動ける…何故立ち上がれる…!全身にどくが回っているはずだ!?」

百合子「負けは認めない!それはつまり勝ちを信じること!シルフの勝利への執念を私は信じる!」

シルフ「!!」ビュウンッ
ニドキング「!!?」

このみ「ニドキングの首にシルフちゃんの尻尾が…!」

瑞希「“まきつく”攻撃…」

Pカチュウ「ミニリュウ、ハクリュー時代からずっと使い続けてたわざで!」

百合子「どんな逆境でも、自分と仲間を信じる揺るぎない精神の持ち主こそが…!」

シルフ「!!」グイッ
ニドキング「ガアアアアウガアアアアアアアアア!!」

百合子「世界最強なんだぁぁぁあああああああああああああっ!!」

首を絞めつけられたニドキングはそのまま投げ飛ばされた!

ニドキング「ガアアハッ!!」

Pカチュウ「やった!!」

タケシ「ついにニドキングに一泡吹かせた!!」
420 : 1   2020/02/28 02:00:00 ID:2x6ehgGEsc
百合子「シルフ!!」

シルフはクラウチングスタートの態勢を取り、翼を大きく広げる
その遠く眼前にいるニドキングに狙いを定めて…

サカキ「ニドキング!迎え撃て!!」

ニドキング「!!」バッ

サカキ「世界最強だと…!ほざけ!!」

百合子「何度だって言ってやる!絶対に諦めない!!」

ニドキング「グウウッ!!」ゴゴゴゴ

シルフ「…!!」

百合子「いっけええええええええええええええ!!」

直後!シルフは低空飛行し、そのままニドキングに突っ込んだ!!

ワタル「そうだ、それでいい!カイリューの本領は地上戦ではなく空中戦!カイリューの飛行スピードは同時に爆発的なパワーを生む!!」

百合子「風の戦士の力を!今この手に!!」

シルフ「!!!」ドゴオッ

サカキ「押し返せ!!」

ニドキング「ガアアアアッ!!」ガシッ
421 : 1   2020/02/28 02:18:21 ID:2x6ehgGEsc
瑞希「あのスピードを、受け止めるとは……敵ながら見事」

このみ「だけど、ニドキングを押してる!完全に受け切れていないわ!!」

Pカチュウ「とはいっても激しいぶつかり合いだ、力が一瞬でも緩んだ方が負ける!」


リザードン「…」ギリッ

シゲル「耐えろリザードン…力の応酬はカイリューに任せておけばいい…!俺たちは勝機を逃さねえようにチャンスをうかがうんだ…!」

リザードン「…」コクッ

シゲル(けっ『任せる』か…ほんっと、焼きが回ってるよな…)


ニドキング「グウウッ!!」ジリジリ

シルフ「!!!」

サカキ「っ!」


『誰がなんて言おうと、俺はポケモンマスターになるんだ!』

『夢は絶対諦めねぇ!』

『俺たちは最強だ、そうだろニドラン!!』


サカキ(どうして、こうもだぶる…!)ギリッ

百合子「このまま押し込めええええええ!!」

サカキ「百合子、どこまでも貴様は私の癇に障る…忌々しい女だ」

百合子「むっ!こっちだって!」

サカキ「だがっ!私と貴様は対極の存在だ!!勝つのは、『俺』だ!!」

百合子「違う!私たちが勝つんだ!!」

シルフ「!!!!」ドゴオオッ
ニドキング「!!!!」ドゴオオッ

このみ「止まった!?」

瑞希「2体の力はほぼ、互角」

サカキ「互角だと!本当にそう思っているのか?」

ニドキング「…」
シルフ「…?」

サカキ「リミッターを外せ」

ニドキング「…!」ニヤッ

サカキ「“あばれる”!」
422 : 1   2020/04/15 01:46:55 ID:paJ7mzgdJg
ニドキング「グオオオオオオオオオオオオッ!!」

百合子「様子が変わった!?」

サカキ「攻撃だ!!」

ニドキング「ガアアアアアアア!!」

シルフ「!?」ガハッ

Pカチュウ「速い!」

タケシ「しかもさっきよりもパワーが上がっている!」

ニドキング「!!」ブンッ

Pカチュウ「また攻撃が来るぞ!」

百合子「“りゅうのいかり”!」
シルフ「!!」ボオッ

このみ「決まった!」

Pカチュウ「しかも0距離!これならやつもひとたまりも――」

ニドキング「グガアアアアアアアア!!」バッ

このみ「って全然効いてない!?」

ニドキング「ガアアアッ!!」ドスッ

シルフの喉にニドキングの強烈な一撃が入った!

シルフ「!!?」

タケシ「喉への攻撃…!これじゃブレス系の攻撃ができない!」

ワタル「理性を失った狂戦士かと思ったが…むしろその逆だったようだな」

瑞樹「過去の戦闘から培われた知識と経験を元に動いている、とても計算尽くされた動き」

サカキ「これが俺と貴様たちとの差…戦場に身を置いてきた年月の差だ!」

百合子「っ・・・!」
423 : 1   2020/04/15 01:49:40 ID:paJ7mzgdJg
ニドキング「ガアアアッ!」

シルフ「……」


百合子「確かに年月の差では、どう頑張ったって勝つことはできない…!けど、今この瞬間にかける想いなら私たちの方が上だ!」


シルフ「!!」ガシッ

ニドキング「!?」


タケシ「ニドキングの攻撃を素手で受け止めた!」

百合子「いっけえええ!」

シルフの拳がニドキングの顔に直撃!

ニドキング「ガァ!?」

シルフ「!!」ブンッ

更に連撃!

Pカチュウ「いいぞ効いてる!そのまま畳みかけろ!」

サカキ「奴のどこにそんな力が…!?」

百合子「お願いシルフ!勝って!!」

ニドキング「…!」


『お前が頼りだ、勝てニドラン!』


ニドキング「ガアッ!!」ブンッ

シルフ「!?」ガハッ

Pカチュウ「反撃された!」
424 : 1   2020/04/15 01:52:11 ID:paJ7mzgdJg
百合子「そんな!ここまで押してたのに!」


ニドキング「グガアアア!!」ドゴッ

シルフ!!」バシッ


タケシ「殴り合いが始まった!」

このみ「2体とも凄い攻防だわ!」

瑞希「まさにこれはノーガード戦法、2体の気迫がここまで伝わってきます……すごいぞ」

サカキ「ニドキング」

ワタル「…他者の夢を見下していた貴様だが、そのポケモンの真意は果たして貴様のそれと一致しているのかな」

ニドキング「ガアアアッ!!」

サカキ(ニドキング、俺がかつて捨てた夢をお前はまだ追い続けているというのか…!)

シルフ「!!」ブンッ

ニドキング「!?」ヨロッ

百合子「やった!クリーンヒット!」

このみ「ニドキングが倒れるわ!」

ニドキング「…」

ここで両手をつけば完全に倒れることを防ぐことができただろう
しかし、ニドキングは絶対にそれを行わない
何故ならニドキングは『王』だから
『王』はいかなる相手であろうと絶対に跪くことはしない

ニドキング「…!」コオオッ

シゲル「ニドキングの口にエネルギーが集中していく…!」

Pカチュウ「ま、まさか!」

このみ「地面に向けて!」

ワタル「零距離 “はかいこうせん”!?」

シルフ「!?」
425 : 1   2020/04/15 01:58:46 ID:paJ7mzgdJg
“はかいこうせん”の衝撃でシルフとニドキングの中心で大きな爆発が起きた!
一帯は砂煙が舞い、一同の視界を奪った

このみ「シルフちゃんが!」

Pカチュウ「あいつ、自爆覚悟であんな大技を…!」

タケシ「これじゃ両方ダウンか…?」

百合子「いや、まだです!」

ビュンッ!!

タケシ「何か飛んでったぞ!」

百合子「皆さんお忘れですか?風の戦士の真価は空中戦にあり、ですよ!」ドヤッ

シルフ「…!」ゼェゼェ

瑞希「とっさに飛行してダメージを最小限に抑えたんですね」

ワタル「カイリューのスピードだからこその芸当ということだ、流石だぞカイリュー!」

シゲル「ったく!ヒヤヒヤさせやがって!」

百合子「シルフ、このまま空中から攻撃を――」

刹那!
カイリューの片翼を何かが貫く!

シルフ「!?」

百合子「え!?」

サカキ「…右上空2時の方向に“どくばり”射出…よくやった」

ニドキング「…!」ニヤッ

百合子「サカキ!」

サカキ「これでご自慢の空中戦とやらは使えない…そのまま落下するがいい!」

百合子「ダメ!踏ん張って!!」

Pカチュウ「ダメだ!毒ダメージでただでさえ体力が落ちているのに、翼が片方負傷してるんじゃ…!」

シルフ「!!」

百合子「シルフ!!」

シゲル「おい、何か忘れちゃいねえか?」

リザードン「!!」ビュンッ

飛んできたリザードンがカイリューを背中を掴み、そのまま飛行した!

シゲル「ここからはリザードンが支える!」

百合子「シゲルさん!!」

シゲル「空中戦の再開行くぞォ!!」
426 : 1   2020/04/15 02:02:21 ID:paJ7mzgdJg
シルフ「…!」コクッ
リザードン「!!」ニッ

ニドキング「…!!」ギリッ

サカキ「…王であるお前を上から見下ろすあの愚か者どもが憎いか?」

ニドキング「…」コクッ

サカキ「ならば罰を与えねばな!王に歯向かったものに鉄槌を下せ!」

百合子「“りゅうのいかり”!」
シゲル「“かえんほうしゃ”!」

サカキ「“はかいこうせん”!!」

Pカチュウ「2体の複合技、これなら“はかいこうせん”に対抗できるはず!」

百合子「シルフ!頑張れー!!」

シルフ「!」クラッ

タケシ「だけどあいつも限界だぞ!」

瑞希「これでは力を発揮できない」

百合子「それでも!私は、信じる!」

シゲル「だな!ポケモントレーナーに基本中の基本!自分のポケモンをとことん信じぬく!!」

サカキ(信じる、だと…)

百合子「いっけー!シルフー!!」

シルフ「…っ!!」ゴオッ

ニドキング「…!!」グヌッ

Pカチュウ「いいぞ!押してきてる!」

サカキ「おのれっ!!」ギリッ

ニドキング「…」チラッ


『お前スゲーな!自分よりも大きなポケモンを倒しちまうなんて!』
『…』
『そう警戒すんなよ!……なあお前!俺と一緒に来ないか?』
『?』
『俺の名前はサカキ!俺とポケモンマスターを目指そうぜ!』


ニドキング「!!」カッ

シルフ「!?」

百合子「ニドキングの攻撃が急にパワーアップした!?」

シゲル「やべぇ!押され始めてんぞ!!」

ワタル(トレーナーがポケモンを信じているように、ポケモンもまたトレーナーを信じている……相互の関係がより強い方がこの勝敗を決するだろうな)フフッ
427 : 1   2020/04/15 02:06:12 ID:paJ7mzgdJg
サカキ「…ニドキング」

ニドキング「グオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」


このみ「まずいわ!このままじゃ2体とも倒されてしまう!」

Pカチュウ「シルフ!リザードン!」


シルフ「…」チラッ

百合子「…シルフ、それしか、ないんだね…!……シゲルさん!」

シゲル「ちっ!リザードン!」

リザードン「…」コクッ

シルフ「!!」バッ
リザードン「!!」バサッ

Pカチュウ「それぞれ左右に分かれて避けた!」

瑞希「確かにこれなら攻撃を避けられますが」

タケシ「今のシルフは負傷してて飛べないぞ!」

このみ「どうするつもりなの!?」

シゲル「リザードン!“ほのおのうず”!!」

“ほのおのうず”がニドキングを中心とした一帯を覆いつくした!

サカキ「ダメ押しのつもりか!その程度の炎で俺のニドキングは仕留められんぞ!!」

シゲル「そんなこと百も承知だっつーの!だから送り込んだぜ、王を仕留める刺客をな!」


シルフ「!!」ヒュウウッ


サカキ(上空からカイリューが落下してくる…これは!)

Pカチュウ「マサキ戦で使った炎のデスマッチ戦法!」

百合子「落下速度に乗せたシルフの一撃で、今度こそ倒して見せる!」

シルフ「…!」

サカキ「何度でも来るがいい!!何度でも叩きのめしてくれる!!」

ニドキング「…!」
428 : 1   2020/04/15 02:10:01 ID:paJ7mzgdJg
シルフとニドキングの拳がほぼ同時に放たれ、
クロスカウンターのようにそれぞれの攻撃を顔で受け止めた!

ニドキング「…っ!!」

サカキ(攻撃の重さは僅かにカイリューの方が上…)

百合子「勝つんだ!私たちは絶対に!勝つんだ!!」

シルフ「!!」ゴオオッ

ドシンッ!!
ニドキング「グガッ!!」バタン!!

Pカチュウ「ニドキングを殴り倒した…!」

タケシ「やった!!」

百合子(お願い…そのまま倒れてて…!)

サカキ「ニドキング…」

ニドキング「…」ゼェゼェ

百合子「!?」

タケシ「って立ち上がった!?」

瑞希「まだ立ち上がれるとは…」

シルフ「…」ギロッ
ニドキング「…」ゴゴゴゴ

百合子「…」ゴクリッ

サカキ「ニドキング」

ニドキング「グウウッ…」

サカキ「よくやった…」

ニドキング「……」ニッ

バタッ!
429 : 1   2020/04/15 02:15:37 ID:paJ7mzgdJg
このみ「ニドキングが倒れた…!」

瑞希「ニドキング戦闘不能……ということは」

Pカチュウ「ということはぁ!?」

百合子「勝った…勝ったんだ…!私たち、勝ったんだ!」

シゲル「よっしゃあああああああああ!!」

百合子「最強のジムリーダーを、私たちの力で倒したんだ…!」

Pカチュウ「百合子!!」

百合子「Pカチュウさん!」

Pカチュウ「よく、頑張ったな!」

百合子「…はいっ!」

Pカチュウ「シルフ、お前も大変だったろう?今はゆっくり――」

シルフ「……」ニッ

バタッ!

百合子「し、シルフまで!」

Pカチュウ「無理もないか…休ませてやろう」

百合子「そ、そうですね!あ、でもその前にどくけしを使わないと!!」アワアワ


ワタル「まさか本当にサカキを倒すとはな、見事だ異世界人…!……さて」

サカキ「…」

ワタル「サカキ、貴様を拘束する」

サカキ「…ふっ、俺を捕まえようということか」

ワタル「当然だ、俺はそのために来た……貴様は法で裁かれるべき悪だ」

サカキ「貴様の言うことはもっともだ…だが、そういうわけにもいかなくなった」スチャッ

ボンッ!

ダグトリオ「!」

サカキ「“じわれ”」
430 : 1   2020/04/15 02:21:22 ID:paJ7mzgdJg
ワタル「何ぃ!!」

百合子「えええええ!な、何ですか!?」

シゲル「やべぇ!ジムが崩れ始めてやがる!」

Pカチュウ「えええええ!?」ガビーン

百合子「早く外に!」

サカキ「百合子、シゲル……忘れものだ」

百合子「これは…」
シゲル「グリーンバッジ…!」

サカキ「もはや俺には必要のないものだ!ロケット団もジムリーダーの地位も、な!次に会う時は俺がチャレンジャーだ、1人のポケモントレーナーとしてお前たちに挑もう!それまで精々生き残るがいい!」

百合子「サカキ…」

Pカチュウ「おいここは危険だ!早く出ろ!!」

百合子「あ、はい!」

崩れ行くジムで百合子が最後に見た光景は、立ち去っていくサカキの姿だった

百合子(気のせいかな、何だか笑ってた気がする)

それを再度確認しようとしたが、彼の姿は落ちてくる瓦礫によって見失った後だった
431 : 1   2020/04/15 02:28:46 ID:paJ7mzgdJg
百合子「た、助かった…!」

Pカチュウ「し、しぬかと思った…!」

タケシ「…あれ、ワタルはどこにいった?」

ワタル「こ、ここだ…!」

百合子「うわ、瓦礫の中から出てきた!」

ワタル「マントが落ちてきた岩に挟まって逃げ遅れてしまった…」フッ

このみ「いや、かっこつけても手遅れよ」

ワタル「なっ!俺のイケメンでもカバーしきれないだと!馬鹿な!」

このみ「馬鹿はあなたよ」ドヨーン

シゲル「百合子」

百合子「シゲルさん、やりましたね!」

シゲル「ああ、礼を言うぜ」

Pカチュウ「シゲルが…礼を言った…!」

瑞希「驚きです」

シゲル「お前ら失礼だな!」ガビーン

百合子「お礼を言うのはこっちの方です、シゲルさんのおかげで勝利できたんですから」

シゲル「…」

百合子「シゲルさん?」

シゲル「今回の戦いで俺の実力が足りてないってことがわかった…俺もポケモンたちもこれからもっと鍛えて、最強に近づいてやる!」

百合子「…私もです!私も皆と一緒にもっと強くなります」

シゲル「…そうかよ!まあ、精々頑張れよ!……じゃあ俺は行くぜ!」

百合子「ええ!?戦いが終わって疲れてるでしょうし、もっとゆっくりでも…!」

シゲル「…次に会う時はセキレイ高原でだ…!そこで俺とお前、どっちが強いか決着をつけようぜ!」

百合子「…はい」

シゲル「Pカチュウも、それまで力取り戻しておけよ!アディオス!」
432 : 1   2020/04/15 02:29:10 ID:paJ7mzgdJg
瑞希「行ってしまいましたね」

このみ「ええ」

Pカチュウ「そ、そっか!俺の力!どうすればいいんだ!」

百合子「何かいい治療法があればいいんですけど…」

ボンッ!
フリーザー「1つだけ、方法があるかもしれん」

このみ「ちょっと勝手に出てこないでちょうだい!」

百合子「いい方法?何か知ってるんですか!?」

フリーザー「ああ、『あいつ』の力を借りれば、もしかしたらPカチュウの力を取り戻せるかもしれない」

Pカチュウ「誰なんだそれ!」

フリーザー「私と連なる伝説のポケモン……雷の力を司る、名を『サンダー』という」
433 : ご主人様   2020/04/15 08:14:00 ID:kgLIvt4lPU
サカキ戦終了お疲れ様!
次はサンダーか…、喋るのかな?喋るだろうなぁ。
434 : 1   2020/04/19 00:21:18 ID:2nASUDZUmc
百合子「サンダー、その人(?)ならPカチュウさんを治せるんですか?」

チッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッ

フリーザー「恐らく、な」

チッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッ

百合子「どういうことですか?」

チッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッ

フリーザー「奴は…まあ少々正確に問題があってな……ところで、さっきから私の顔の近くで舌打ちするのやめてくれないか」

ワタル「あ゛あ゛ん゛!?」ゴルァ

Pカチュウ「お前話に入ってくんな!ややこしくなる!」

ワタル「へーへーわっかりやしたよぉ~!」

瑞希「キャラ変わりすぎですね……びっくりだぞ」

ワタル「けっ!こおりタイプってのは本当にお高く留まっていいご身分だぜぇ!」

このみ「何でヤンキー風なのよ」ドヨーン

ワタル「冷たくするだけしか能のないやつめ!闇の炎に抱かれて消えろっ!」

???「随分と…大口を叩くじゃないのワタル…」

ワタル「そ、その声は…」(振り返る)

カンナ「長期休暇は楽しかったかしら…」ゴゴゴゴ

ワタル「カカカカカカカカカカカカカカンナ!!」

カンナ「仕事サボって何やってんのぉ!!」ドゴオッ

ワタル「ふべっ!!」ハナジブー

百合子「ワタルさーん!」ガビーン

このみ(何だかちょっとすっきりしたかも)
フリーザー(いい気味だ)
435 : 1   2020/04/19 00:24:06 ID:2nASUDZUmc
ワタル「ど、どうしてここに…!?」

カンナ「帰りが遅いから様子を見に来たのよ、そしたらトキワジムが崩れるところが見えたからもしかしてと思って……で、サカキはどこ?捕まえたんでしょう?」

ワタル「…ふっ、逃がした」ドヤッ

カンナ「かっこ、つけて…言う事かああああっ!!」ドゴオッ

ワタル「ふごっ!!」

瑞希「何というキレのいい顔面ストレートパンチ…」

タケシ「あの女、出来る…!」

カンナ「…」チラッ

百合子「ひえっ、こ、こっち見てますよ…」

Pカチュウ「このままだと俺たちもボロ雑巾のようにボロボロに…」ガタガタ

カンナ「…迷惑かけて申し訳ないわね、こいつ言動があれだからあなたたちも苦労したでしょう」

百合子「い、いえ!むしろ色々と助けてもらったと言いますか…」

Pカチュウ「もしかしてあなた、四天王のカンナさんでは?」

カンナ「ええ、そうよ」

このみ「し、四天王!?」

瑞希「ワタルさんと同じ、カントー最強の4人の内の1人」

カンナ「…あなたが百合子さんね、噂はよく耳にするわ」

百合子「え?そうですか?ふふっ、照れますね!」ドヤッ

カンナ「今回のサカキ戦の件、私からお礼を言わせてもらうわ」

百合子「そんなお礼だなんて…!肝心なサカキは取り逃がしちゃうし…」

カンナ「それは気にしないで、全部こいつのせいだから」
ワタル「」グッタリ

百合子「それに私だけの力じゃないんです!さっき別れちゃったんですけど、もう1人戦ってくれた仲間もいるし、ここにいる皆が応援してくれたから…」

フリーザー「ふっ…」
タケシ「いや、お前は何にもしてないだろ!」ガビーン
436 : 1   2020/04/19 00:26:54 ID:2nASUDZUmc
カンナ「そう…いい仲間を持ったわね」

百合子「はい!自慢の仲間です!」

ワタル「そう言ってもらえると協力した甲斐があった」ムクリ

Pカチュウ「復活はやっ!」

ワタル「百合子、改めてグリーンバッジ入手おめでとうと言っておこう…これで君もリーグ挑戦という、最強への道に一歩足を踏み入れたわけだ」

百合子「えへへへ」

ワタル「サカキが失踪した今、8つのバッジを全て集めることが出来たのは百合子とシゲルの2人のみだ」

瑞希「ということは、七尾さんとシゲルさんの事実上の頂点争い」

百合子「そっか…そうなんだよね…」

ワタル「まあそれも、俺たち四天王を倒せたらの話だがな!」

カンナ「チャンピオンになるには、私たち四天王を全員倒さないといけないの」

このみ「まだまだ道は険しいわね」

ワタル「開催は3か月後!セキレイ高原で待っている!さらに実力を磨いて挑みに来るがいい!フフフ、ハーッハハハハハハハハハハ!!」

カンナ「馬鹿笑いしてないで、そろそろ行くわよ!」

ワタル「いたたたた!耳を引っ張るな!」

百合子「あの!ワタルさん!」

ワタル「ん?」

百合子「ありがとうございました!」

ワタル「…高みで待っている、必ず来い」

百合子「はいっ!」
437 : 1   2020/04/19 00:28:09 ID:2nASUDZUmc
Pカチュウ「…行っちゃったな」

このみ「ようやく!うるさいのがいなくなったわ!」

瑞希「少々寂しい気もしますが」

このみ「そうかしら?」

瑞希「はい、シゲルさんもワタルさんもいなくなってしまいましたから」

Pカチュウ「…そっか、ここまでずっと一緒だったもんな」

タケシ「元に戻っただけだけど、ちょっと物足りなくも感じるな」

百合子「…あっ!」

このみ「どうしたの?」

百合子「開催が3か月後ってことは、先に向かったシゲルさんは…」

一同「あ」


警備員「というわけだから、開催日にまた来てね!」

シゲル「…なんてこった」ドヨーン
438 : 1   2020/04/19 00:29:23 ID:2nASUDZUmc
3日後

このみ「フリーザー、サンダーの居場所はわかるの?」

フリーザー「もちろんだ、美しく答えよう!」

Pカチュウ「普通に答えてくれ」

フリーザー「サンダーは現在、『むじんはつでんしょ』を根城にしている」

瑞希「確かな情報なのですか?」

フリーザー「ああ、本人からもらった手紙にそう書いてあった」スッ

百合子「手紙!?ポケモンが手紙のやり取りするんですか!?」ガビーン

フリーザー「もちろんだ!別の地方ではトレーナーがポケモンに手紙を持たせてコミュニケーションの手段としているくらいだ」

瑞希「では、むじんはつでんしょに向かいましょう」

このみ「そうね」

タケシ「良かったな、これでお前の力が戻るわけだ」

Pカチュウ「ああ、一安心だ」

フリーザー(しかし、やつは少々…性格があれだからな…美しくスムーズに話が進めばいいんだが…)


~むじんはつでんしょ~

百合子「…あの、本当にここ何ですか?」

フリーザー「ああ、間違いないはずなんだが…」

百合子「無人にしてはライトはピカピカにたくさん光ってるし、音もうるさいし…」

瑞希「まるで娯楽施設ですね」

百合子「とりあえず中に入ってみましょう」
439 : 1   2020/04/19 00:33:20 ID:2nASUDZUmc
タケシ「中も随分と派手な装飾だな、実は人がいるんじゃないか?」

フリーザー「いや、これは恐らく…」

???「侵入者よ、よく来たな」

ロッテリアー

百合子「ど、どこからか声が!?」

瑞希「あのステージ上のカーテンの裏から聞こえますね」

このみ「誰!?」

???「ふっ、お前たちのような無礼者に名乗る名はないが…まあいいだろう!特別に教えてやろう」

デン!デデデーデデ!デデ!

Pカチュウ「こ、この処刑用BGM!それにカーテンから見えるあのシルエット、頭部のとんがり頭にその声…!まさかあの伝説の決闘者、むとうゆうg」

サンダー「我が名は、サンダー!」ドンッ☆

Pカチュウ「ってサンダーかよ!!」ガビーン

百合子「それはそうでしょう」

Pカチュウ「だってあいつの声、どことなく風〇俊〇っぽいし!」

フリーザー「相変わらずだなサンダー」

サンダー「ふぅん、久しいなフリーザー!最近調子はどうだ?」

フリーザー「ああ、おかげ様でな、そっちはどうだ?」

サンダー「快調だZE☆」

百合子「伝説のポケモン同士の会話なのに、長期休みが終わった後の学生みたいなやり取りで、なんかこれじゃない感」シラー
440 : 1   2020/04/19 00:40:31 ID:2nASUDZUmc
Pカチュウ「あのさ、フリーザー…そろそろ本題を」

フリーザー「サンダー、実はかくかくしかじかで」

サンダー「なるほど、そこのピカチュウの力を取り戻してほしいと」

Pカチュウ「頼む」

サンダー「別に構わんぞ」

Pカチュウ「え、本当に!?」

このみ「やったわね!」

タケシ「話が分かる奴で良かったな」

サンダー「だが、タダでというわけにはいかんな」

Pカチュウ「…え?」

サンダー「何かを得るためには何かを失う覚悟が必要だ!そう、つまり!」

一同「つ、つまり?」

サンダー「俺とゲームで勝負だ!」ドンッ☆

Pカチュウ「ええええええええええええええええええええ!?」ガビーン

サンダー「勝ったらお前の力を取り戻す手伝いをしてやろう!だが、負けた時は…」

Pカチュウ「負けた時は?」

サンダー「お前の魂をいただくZE☆」

Pカチュウ「何でそんな話になるんだよ!?」

サンダー「安心しろ、俺も負けた時は…俺の命を賭けるZE☆」ドンッ☆

Pカチュウ「そこまですることぉ!?」ガビーン

フリーザー「…どうやら奴の悪い癖が出てしまったな」ヤレヤレ

サンダー「さあ、闇のゲームの始まりだZE☆」ドンッ☆

Pカチュウ「お前、それ言いたいだけだろ!!」

百合子「何だか話が妙な方向に進んできましたね」

タケシ「どうなるんだ、これ…」
441 : 変態インザカントリー   2020/04/19 05:44:15 ID:30fMf3vhPU
とりあえず、首にワイヤー巻こうか?
442 : 1   2020/04/28 00:07:37 ID:8glEwShliA
Pカチュウ「で、何で勝負しようって言うんだ?」

サンダー「愚問だな!我らの戦いと言えば、ポケモン――」

Pカチュウ「やっぱりポケモンバトルか…」

サンダー「ポケモンカードで勝負だ!!」ドンッ☆

Pカチュウ「何でだよ!!」ガビーン

サンダー「何だ?不服か?」

Pカチュウ「何でポケモンがポケモンカードするんだよ!自分の力で直接戦えよ!」

サンダー「ふぅん、なぜポケモンカードをするかって?そんなの決まっている!」

Pカチュウ「え?」

サンダー「楽しいからだZE☆」ドンッ☆

Pカチュウ「…」(遠い目)

サンダー「さあ我こそはというものはかかってこい!」

百合子「と言っても、私たちの中でポケモンカード持ってる人いますか?」

タケシ「俺は持ってないぞ」

このみ「私もないわ」

サンダー「誰もカードを持ってないのか……オイオイこれじゃ…Meの勝ちじゃないか!」

瑞希「安心してください」

サンダー「!?」

瑞希「私が相手をします」ドンッ☆

このみ「瑞希ちゃん!」

Pカチュウ「やるってお前はカードは?」

瑞希「カードは拾いました」

タケシ「拾ったカードでデッキを!?」

サンダー「ふぅん、面白い…!」
443 : 1   2020/04/28 00:23:27 ID:8glEwShliA
Pカチュウ「頼んだぞ瑞希!」

瑞希「お任せください」

サンダー「サイドカードは4枚でいいな?」

瑞希「構いませんよ」

サンダー「だが俺はサイドカード3枚で行く!足りない分は命で補うZE☆」ドンッ☆

Pカチュウ「軽率に命賭けすぎだろ」

サンダー「さあ始めるZE☆」

瑞希「よろしくお願いします」ペコリッ

サンダー「先行は俺が貰う!!」

百合子「ええ!そこはじゃんけんで決めるんじゃないんですか!?」ガビーン

タケシ「言ったもん勝ちってやつなんだろう」

このみ「それ以前にサンダーってじゃんけんできるのかしら」

サンダー「ドロー!」

スカッ

サンダー「…」

瑞希「…」

サンダー「ドロー!」

スカッ

サンダー「…」

Pカチュウ「…」

サンダー「は、羽根でカードが取れない…っ!」ガクッ

Pカチュウ「そりゃそうだろうよ!」

サンダー「もういいや!くちばしで取っちゃえ!」グサッ

Pカチュウ「カード貫通してんぞ!!」ガビーン

サンダー「ふふふ、ここからが本当の勝負の始まりだZE☆」

Pカチュウ「本当も何も、まだ何も始まってないんだけど!」

サンダー「俺のコンボで貴様は闇行き決定だァ!」ドンッ☆

百合子「サンダー、一体どんな戦術を…?」

サンダー「ふふふふ…ははははははははははははははは!!」
444 : 1   2020/04/28 00:32:37 ID:8glEwShliA
サンダー「ぐあああああああああああああああ!!」バタッ

瑞希「勝ちました」ブイッ

Pカチュウ(ええええええええええええええええ!?)

百合子「凄い…まるで一瞬の出来事のように終わりましたね」

Pカチュウ「そりゃあ一瞬だったからな…」ドヨーン

百合子「でもまさかあのレアカードを持っていたなんて…」

タケシ「しかもあんなコンボで攻めてくるなんてな!」

フリーザー「それに対しての瑞希のコンボもなかなかのものだったぞ」

このみ「手に汗握る戦いだったわね!お姉さんも興奮してきちゃったわ!」

Pカチュウ「いやいやいや!前の書き込みとの間に何があったんだよ!ってかさっきから俺しかツッコミしてなくない!?最近シリアス続いてたからって皆はっちゃけすぎじゃないですか!?」ガビーン

サンダー「ぐぅっ…」

瑞希「約束通りプロデューサーの力を戻す手伝いをしてもらいます」

Pカチュウ「あ、そうだった!とにかくだ!瑞希が勝ったんだから、約束は守ってもらうぞ!」

サンダー「ああ見事だ…『1回戦』はお前たちの勝ちだ」

Pカチュウ「何さらっと複数戦にしてんだよ!!」ガビーン

サンダー「おいおい、誰も勝負は1回だけとは一言も言ってないZE☆」

Pカチュウ「こいつ…」イラッ
445 : 1   2020/04/28 01:04:40 ID:8glEwShliA
サンダー「貴様らには『心』『技』『体』にまつわる3つのデスゲームにチャレンジしてもらう、お前たちはその内の1つである『心』をクリアしたに過ぎない」

Pカチュウ「おいそのフレーズどこかで聞いたことあるぞ、恐怖映像が絶え間なく流れる部屋に閉じ込められるやつだろ」

サンダー「まさにデスゲーム!」バァン☆

Pカチュウ「うっさいわ!」

サンダー「…話を戻そう!2回戦はレース!この直進コースを走って、先に入口のフラッグを取った方の勝ちだ!」

百合子「なら、私が相手です!」

Pカチュウ「百合子、大丈夫なのか?」

百合子「任せてください!大いなる風が私を約束の地(ゴール)へと導きます」

サンダー(人間の足で俺のスピードに敵うわけがない!今度こそ勝ちは貰ったぞ)

百合子「ユニー!」ボンッ
ユニー「!」

サンダー「ギャロップ!?」

百合子「この試合のルールにポケモンに乗ってはいけないというルールはないはずです!」

サンダー「まあ、確かに言ってはいないが…」

百合子「さあ始めましょうか!」

サンダー(まあいい…!どんな手を使おうが、俺に勝てるわけがない!見せてやる、スピードの向こう側を…!)

このみ「それじゃあ、行くわよ…よーい…」

百合子「…」
サンダー「…」

このみ「スタート!」
446 :   2020/04/28 07:26:34 ID:yMIVbstRWY
サカキ戦との差が激しいw
447 : 1   2020/05/15 00:04:36 ID:rEv0Q2veTY
百合子「はぁん!!」
ユニー「!!」ビュンッ

Pカチュウ「いいスタートダッシュだ!これならサンダーとだいぶ差をつけたんじゃ――」

瑞樹「それ以前に、サンダーはまだスタート地点にいます」

Pカチュウ「何!?」

サンダー「ふっ…ワンサイドゲームだと面白くないだろ……俺は常にエンターテイメントを求めているのだ!」

このみ「何かしらあの余裕…?」

瑞樹「何か秘策を持っているのでしょうか」


百合子「…おや、ずいぶんと差が付きましたね、これはもしかして圧勝なのでは!」ウキウキ


Pカチュウ「あいつが何を企んでるかは分からないけど、このままリードしちゃえー!」

このみ「頑張って百合子ちゃーん!」


百合子「最高に高めた私のフィールで最強の力を手に入れてやりますよ!!」ドドド
ユニー「!」(唐突な顔芸)


Pカチュウ「テンション上がりすぎて百合子たちまで決闘脳に!!」ガビーン
448 : 1   2020/05/15 00:05:59 ID:rEv0Q2veTY
サンダー「…さてそろそろ行くか」

タケシ「奴が動き出したぞ!」

サンダー「見せてやろう!俺の最速をな!」バチバチ

瑞樹「体に電気をまとった…」

Pカチュウ(俺の電気エネルギーなんて比べ物にならない…伝説といわれているだけのことはある…やっぱりこいつの力――)

サンダー「行くぞ!!」

Pカチュウ(――本物!)

ビュンッ!!
サンダー「フハハハハハハハハハハ!」

百合子「ええ!?もうこんなに近くに!?」

タケシ「まずい抜かれる!」

サンダー「粉砕!玉砕!大喝采!!」

百合子「ちょっ…!」
ドッカーン!!

タケシ「衝突したー!?」ガビーン

フリーザー「確かにサンダーは最速だが、速すぎて逆に動きが制限されるのだ」

このみ「それで直進にしかできなくて、百合子ちゃんたちに激突、と…」

瑞樹「文字通り粉砕でしたね」

百合子「」
ユニー「」
サンダー「」

Pカチュウ「…ほん、もの…」ドヨーン
449 : 1   2020/05/15 00:13:29 ID:rEv0Q2veTY
サンダー「2回戦は俺の勝ちだ!」ドンッ☆

Pカチュウ(あいつあの後にちゃっかり目覚めてフラッグ獲得しやがった…)ドヨーン

百合子「ごめんなさい、後少しだったんですけど…」

このみ「大丈夫よ!後はお姉さんに任せなさい!」

サンダー「なら次の相手はお前ということか!」

フリーザー「サンダー、一つ忠告しておいてやる……このみを甘く見るな!何せこの私が認めた数少ない人間、お前ですら美しく苦戦することは間違いないだろう」

サンダー「ほお、お前が認めるとはよほどの実力者ということか…だが大事なことを一つ忘れているぞ!」

フリーザー「?」

サンダー「そこの女!貴様は今、俺という地上で最強のポケモンを敵にしているということだ!!」ドンッ☆

このみ「いや、あなた鳥ポケモンなんだから地上最強を語るのはどうなのよ」

サンダー「…」

このみ「…」

サンダー「3回戦の内容を発表する!」

百合子「あ、誤魔化した」

サンダー「覚悟はいいかぁ!」(顔芸)

このみ「何でもいいから、早くしてちょうだい」

サンダー「ふぅん、いいだろう!」


このみ「とは言ったものの、どんな対戦方法だとしても相手側の有利な内容なのよね…どうしたものかしら…」ウーン

瑞希「馬場さん、私にいい考えが……ごにょごにょ」

このみ「…なるほど、それはいい案ね」ニヤァ


サンダー「3回戦の勝負は――」
450 : 貴殿   2020/05/15 06:45:25 ID:S994IYXg9Q
ボルテッカーかな?
451 : 1   2020/06/21 09:48:26 ID:X8WnfZUa6g
このみ「ちょっと待ったー!!」

サンダー「な、何だ?罠カード発動か!?」

百合子「このみさん?」

このみ「次の勝負、私が考えた勝負で対戦してもらうわ!」

百合子「ええ!?」

Pカチュウ(何を考えてるんだこのみさん…?)

サンダー「…そんなことが認められると思っているのか?」

このみ「あら、まさか負けるのが怖いから自分の土俵でしか戦えないのかしら?」

サンダー「生意気にも俺を挑発するつもりか…ふぅん、初対面より好印象だぞ……よかろう、受けて立つZE☆」

瑞樹「やりましたね」ブイッ
このみ「ええ、私たちの勝ちはこれで確定ね」

サンダー「おい!何をコソコソ話をしている!勝負内容を早く説明しろ!」

このみ「勝負内容はこれよ!」

ドンッ!

サンダー「何!?」

Pカチュウ「こ!」

百合子「これは!!」
452 : 1   2020/06/21 09:52:15 ID:X8WnfZUa6g
このみ「そう、3回戦はこの『たたいてかぶってジャンケンポン』よ!」

Pカチュウ「それ違う!闇のゲームだけど闇のゲームじゃないやつ!」ガビーン

サンダー「ほう、古来に伝わる決闘法か…面白い!」

Pカチュウ「お前は何で納得してんだよ!古来にこんなゲームないよ!」

百合子「まあまあPカチュウさん落ち着いてください!いいじゃないですか、勝負に乗ってくれるみたいですし」

タケシ「このみたちが何を企んでるのか知らないけど、あいつがこっちのペースに乗ってるのは間違いないんだ」

百合子「ここはこのみさんたちにお任せしましょう」

Pカチュウ「ってかお前たち、俺にだけツッコミ任せてずるい」


このみ「ルールは知っての通り、じゃんけんで勝った方が攻撃権を得る。負けた方はこのヘルメットをかぶって防御ができる。攻撃を先に当てた方がこのゲームの勝者よ」

サンダー「いいだろう!」

このみ「…本当にいいのね?」

サンダー「くどいぞ!早く始めろ!」

このみ「…わかったわ、じゃあ始めましょう」


瑞樹「この勝負、馬場さんの勝ちが決まりました」ボソッ

百合子「え?どうしてですか?」

瑞樹「すぐにわかります」


このみ「それじゃあ行くわよ……じゃーん」

サンダー「けー……あっ!?」

このみ「気づいたわね」ニヤッ

サンダー「は、謀ったな女ァ!!」
453 : 1   2020/06/21 09:55:31 ID:X8WnfZUa6g
百合子「なんだか急に慌てだしましたね」

Pカチュウ「そうか分かった!」

瑞樹「プロデューサーも気づきましたか」

Pカチュウ「なるほど!ちょっとズルいけど、その手があったか」

百合子「ええ!?いったい何がどうなってるのか教えてください!」

Pカチュウ「単純な話さ、サンダーはじゃんけんが出来ないんだ…いや、もっと正確に言えば」

瑞樹「あの翼で作れるのはパーだけなんです」

百合子「あ!そういえばさっきもカードを上手く取れずにいましたね!」


このみ「ポン!」(チョキ)
サンダー「ポン…」(パー)

このみ「もらったわ!」ガシッ

サンダー「流石だと言いたいが、甘いぞ小娘!!」ガシッ


百合子「サンダーの方が早い!」


サンダー「俺守備表示!」(ヘルメットを被る)


タケシ「くそっ!間に合わなかったか」

フリーザー「やはりスピードは奴の方が上」


サンダー「フハハハハハ!強靭!無敵!さいきょ――」

このみ「そぉい!!」(サンダーの横っ面を殴る)
サンダー「ぐべぇ!!」ハナジブー


Pカチュウ(えええええええええええ!?)ガビーン

このみ「頭を殴らなきゃいけないとは一言も言ってないわ!」ドンッ☆
454 : 1   2020/06/21 09:56:20 ID:X8WnfZUa6g
Pカチュウ「何という俺ルール…」

サンダー「俺の…負け、だと…!?馬鹿な…百戦錬磨のこの俺が…」

このみ「確かにあなたは強いわ…けどね、スリルのために自分の命を簡単に賭けるような考えの人には負けないわ!どうせ命を懸けるなら、自分のためじゃなくて仲間のために賭けなさいよ!!」ドンッ☆

サンダー「!?」カンコーン

このみ「だから、もっと自分を大事にしなさい」

サンダー「あ…あああああああああああああああああああああ!!俺は!!俺はああああああああああ!!」

このみ「それが分かるようになれば、あなたも立派な決闘者よ」

瑞樹「いい話ですね」

百合子「うぅ、感動しちゃいました…」ハナチーン


Pカチュウ「…なんだこの茶番」
455 : 1   2020/06/21 09:59:52 ID:X8WnfZUa6g
サンダー「というわけで、俺はこのみの手持ちになるZE☆」

Pカチュウ「話飛びすぎじゃないか!?」

サンダー「このみの熱き魂に惚れた!これからはこの力をこのみのために使うことを決めたのだ!」

フリーザー「言っておくが、このみの一番の手持ちは私だ」

百合子「こ、これは三角関係!?このみさんをめぐる恋のバトルロワイアルが始まる予感!!」フンスッ!

このみ「始まらないわよ」(遠い目)

Pカチュウ「別に仲間になるのは構わないけど、約束はちゃんと覚えてるんだろうな?」

サンダー「もちろんだZE☆お前を治してやる!」

タケシ「やったなPカチュウ!」

Pカチュウ「ああ、これでやっと俺も前線に復帰できる…」

サンダー「じゃあこっちに顔を向けろ、頬の電気袋に直接エネルギーを流し込む」

Pカチュウ「こ、こうか?」

サンダー「もっとそばによれ」

百合子「この距離はまさか…キスですか!?禁断の領域に2人とも足を踏み入れるんですか!?だ、ダメです!そんなの!プロデューサーさんをそっちに引き入れないでください!密です密!」

Pカチュウ「んなわけあるか!少し黙ってろ!!」

サンダー「ちなみに俺には性別がないZE☆」ポッ

Pカチュウ「そのフォローやめろ、気持ち悪い!」
456 : 1   2020/06/21 10:03:23 ID:X8WnfZUa6g
サンダー「まあ、冗談はさておき…始めるぞ」

Pカチュウ「お、おう…」

百合子「そわそわ…」ジー

Pカチュウ(百合子がずっとこっちを見てるし…なんだか気が散るなあ……ちょっと向きを変えるか)クルッ

サンダー「お、おい!急に動くな!狙いが定まらな――」

ツルッ!

サンダー「しまった!足を滑らせる!」

Pカチュウ「え、おいちょっと!」

グサッ!
Pカチュウ「!?」

このみ「サンダーのくちばしが」

瑞樹「プロデューサーの」

タケシ「後ろの穴に…」

百合子「え、エッチ!」チラッチラッ


サンダー「」

Pカチュウ「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
457 : 1   2020/06/21 10:04:20 ID:X8WnfZUa6g
こつこつ書き溜めてたんで、今日から3,4日くらい更新続くと思うのでよろしくお願いします
458 : 監督   2020/06/21 10:05:13 ID:T1TXql4H3I
>>457
おk
459 : der変態   2020/06/21 10:35:27 ID:T1TXql4H3I
>>456
これはひどい(褒め言葉)
460 : 1   2020/06/22 20:07:24 ID:CMP1SSYzqw
数日後

百合子「Pカチュウさん、“10まんボルト”!」

Pカチュウ「おらぁ!」ビリビリ

オニスズメ「」バタッ

百合子「力はもう完全に戻りましたね!」

Pカチュウ「その代わり大事なものを失ったけどな…」(遠い目)

百合子「げ、元気出してくださいよ!あ、そうだ!今日はこのみさんがご馳走を作ってくれるそうですよ!」

Pカチュウ「ああ…」ドヨーン

百合子(どうしよう…どうにかして元気出してもらいたいけど…)


このみ「今日は鍋料理で優勝していくことにするわね!」

タケシ「なんの優勝だよ」

このみ「そして完成したものがこちらです!」ドスッ

タケシ「3分クッキング!?」ガビーン

百合子「このみさんのお料理はやっぱり美味しいですね!」モグモグ

このみ「ふふっ、ありがとう」

サンダー「俺からしたらまだ地味すぎるZE☆もっとスパイス足すとかさ!」ドバァッ

タケシ「何やってんだお前はァ!」

このみ「っていうか勝手にボールから出てこないでちょうだい!」

瑞希「…」モグモグ

タケシ「おい、大丈夫か?」

瑞希「ひゃい、ひゃいひょうふれす」ヒリヒリ

タケシ「大丈夫そうじゃないぞ!」

百合子「舌も真っ赤だし、汗もドバドですよ!」アセアセ

フリーザー「これはいけない!すぐに冷やさなければ!」ヒュウゥ

百合子「鍋が凍った!」ガビーン

このみ「あなたたち、そこに正座」ピキピキ

フリーザー&サンダー「ゑ」
461 : 1   2020/06/22 20:14:29 ID:CMP1SSYzqw
百合子「ははは、賑やかですね」

Pカチュウ「ああ…」ガリガリ

タケシ「凍った鍋そのまま食べてる…」

瑞希「プロデューサー、気持ちは理解できますが、そろそろ気持ちを切り替えましょう」

Pカチュウ「簡単に言うなよ、到底割り切れることじゃないんだ」

サンダー「女々しい奴だな、先っちょがちょっと入っただけだろう」

Pカチュウ「そういう問題じゃないだろ、ってかお前は余裕なんだな!?」

サンダー「長生きしていると些細なことも気にならないものだ」

瑞希「おいくつなんですか?」

サンダー「さあ、我々は人間が文明を築く以前から存在していたからな」

フリーザー「美しく長く生きているという漠然なことしか記憶していないな」

このみ「文明を築く前って…」

タケシ「人間の言葉もその過程で覚えていったのか?」

サンダー「いや、逆だ」

フリーザー「人間が我らの言葉を話し始めたのだ」

百合子「え?そうなんですか!?」

フリーザー「昔はポケモンも普通に言葉を発していたのだ、時代が移り変わっていく中でポケモンたちが言葉を忘れ、今のようになった」

サンダー「俺たちのように言葉を理解する者たちは他にもいるだろうが、ほとんどが人間との干渉をやめ、静かに暮らしているな」

瑞希「それが伝説のポケモンと呼ばれている存在なんですね」

フリーザー「そういうことだ」
462 : 1   2020/06/22 20:21:37 ID:CMP1SSYzqw
瑞希「不思議な感覚ですね」

このみ「ええ、この世界の歴史って私たちが思っている以上に謎が多くて複雑だったのね」

タケシ「俺もジムリーダーをやっているが、全く知らなかった」

サンダー「無理もないだろう、大昔の歴史なんて文献には残っていないだろうしな」

百合子「…伝説のポケモン以外にも喋ることが出来るポケモンって今でもいるんですか?」

サンダー「それはないだろうな…そういった者たちは歴史からすでに消えた存在だ」

百合子「そうなんですね」

サンダー「そんな壮大な歴史の前ではお前の悩みなんてちっぽけなもんだ!気にするな!」グッ

Pカチュウ「お前に言われると腹が立つな」

百合子「サンダーのことはともかく、私もPカチュウさんには早く元気になってもらいたいです…」シュン

Pカチュウ「…そうだな、いつまでも俺がこんなんだと百合子たちが悲しむだけだもんな」

百合子「Pカチュウさん!」パアァ

Pカチュウ「とりあえずサンダー、一発殴らせろ」

サンダー「何ィ!」

このみ「OKよ!」

サンダー「このみ!?」

瑞希「私も抑えます」ガシッ

タケシ「やれPカチュウ」ガシッ

サンダー「やめろ!HA☆NA☆SE!」

フリーザー「諦めて制裁を受けろ」

サンダー「フリーザー、お前もか!」ガビーン

Pカチュウ「喰らえこのやろおおおおお!!」

サンダー「いわああああああああああっく!!うあああああああああああ!!」

百合子「やっぱり楽しく賑やかなのが一番ですね」ニコニコ
463 : 1   2020/06/23 22:39:54 ID:WTSK95inS2
数日後
~サントアンヌ号~

Pカチュウ「ある日道端で生き倒れてたおじいさんを助けたら、まさかの大富豪でお礼にサントアンヌ号のチケットをもらって旅行を満喫できるなんて思わぬところで幸運が舞い降りてきたな!」

タケシ「なぜ説明口調!?」

百合子「Pカチュウさん、タケシさん、お待たせしました」

このみ「私たちの水着姿に見とれちゃだめよ♪」

瑞樹「うっふーん……ちょっと恥ずかしいぞ」

Pカチュウ「3人とも似合ってるぞ」

百合子「本当ですか!えへへ、ありがとうございます!」///

瑞樹「やったぞ……ぶい」

このみ「流石プロデューサーね、私から漂うアダルティーな魅力をばっちり感じ取ってくれたのね!」

Pカチュウ(そこまで言ってないんだけど…満足そうだしまあいいか)

タケシ「さて、俺も水着に着替えるか」

瑞樹「タケシさんも、水着を用意していたのですか」

タケシ「ああ、俺の自慢のブーメランをな!」

Pカチュウ「おえっ!」
このみ「おえっ!」

タケシ「なんだそのリアクション!……まあいいさ、ほら行くぞPカチュウ!」

Pカチュウ「え!?なんで俺まで!や、やめろー!」ズルズル
464 : 1   2020/06/23 22:56:55 ID:WTSK95inS2
百合子「ま、まさか狭い個室で2人っきりに…!踏み込んではいけない禁断の領域に踏み入ろうというの…!?」ドキドキ

このみ「想像したくもないわね」ドヨーン

???「失礼、そこの魅力的なお嬢さん」

このみ「え?私!?」

???「当然!あなた以外に誰がいると仰る!私の名前は『ジェントルマン』!以後お見知りおきを」

このみ「ご丁寧にどうも、私はこのみと言います」

百合子「七尾百合子です!」

瑞樹「真壁瑞希です」

ジェントルマン「あ、君たちには聞いてないんでお構いなく」

百合子「え!?」

ジェントルマン「君たち、見た感じ13歳以上だろう?私は君たちのような年増には興味が微塵もなくてね、やはり女性は汚れを知らない12歳未満でないといかんのだよ!」

百合子「ええ…」ドンビキー

このみ「ちょっと」
465 : 1   2020/06/23 22:57:32 ID:WTSK95inS2
ジェントルマン「おや、どうしたのかなお嬢ちゃん」

このみ「さっきから聞いてれば、随分と失礼なこと言ってくれるじゃない!」

ジェントルマン「何をそんなに怒っているのかね?もしかしておねむの時間かな?」

このみ「バカにするのもいい加減にしなさい!私は24歳のアダルトレディーなのよ!」

ジェントルマン「…今、なんと?」

このみ「だから!私は24歳なの!この子たちより年上の!大人のお姉さんなのよ!」

ジェントルマン「…失礼、年増の方でしたか」

このみ「誰が年増よ!」

ジェントルマン「まったく!紛らわしい容姿をしないでいただきたい!せっかく仕事中に魅力的な女の子を発見したと思ったのに、これじゃテンションもダダ落ちですよ!」

このみ「勝手に勘違いしたのはそっちでしょう!」

ジェントルマン「不愉快だ!失敬する!」タッタッ

このみ「ムキー!不愉快なのはこっちよ!」

瑞樹「あの方はいったい何だったのでしょう」

このみ「知らないわよ!あんな変態!」

百合子「まあまあこのみさん!気を取り直してあっちでドリンクでも飲みながら景色を眺めましょう!私、取ってきますね!」
466 : 1   2020/06/23 23:03:40 ID:WTSK95inS2
~サントアンヌ号・とある客室~

???「波の音、心地いい風…やはり船旅は良い…静かで落ち着く」

ガチャ!
ジェントルマン「あの年増め!私を騙すとは許し難し!逮捕ものだよこれは!」

???「…」ジー

ジェントルマン「おや、どうしたのかね私をじっと見つめて」

???「…いえ、この船旅にそぐわない怒声が聞こえて驚いてしまっただけですよ」

ジェントルマン「ハハハ、それはすまなかったね!てっきり私に惚れたのかと思ったよ」

???「あいにく僕にそっちの気はないんで」

ジェントルマン「それは私も同じだよ!いくら君が小さい子供とはいえ、男と年増の女に興味はないよ!心が満たされないからねえ!」

???「…小さい子供って…あなたもしかしてワザと言ってます?僕、怒りますよ」

ジェントルマン「またまた失礼した!君を怒らせてしまうと今後の仕事に差し支えてしまうな!気を付けよう!」

???「…僕たちは遊びに来たわけじゃないんですよ…逃げた『あいつ』を捕まえるためにわざわざここにやってきたんだ、その辺りはしっかりと自覚してくださいよ?」

ジェントルマン「もちろん分かっているとも!さて、私は幼女の写真をおとなしく眺めているとしようかな!」

???「わかってるんですか!本当に!?」ガビーン

ジェントルマン「はぁはぁ…不純物のない純白の肌…たまらん」

???「…なんなん」
467 : 1   2020/06/23 23:09:50 ID:WTSK95inS2
~サントアンヌ号・男子更衣室前~

Pカチュウ「なんで俺がこんな所で待ってないといけないんだ…」

タケシ「ならお前も更衣室に入ってくればいいだろう」

Pカチュウ「断固拒否する!」

タケシ「全くお前ってやつは……あ」

Pカチュウ「ん?どうした?」

タケシ「……いや、何でもない!」

Pカチュウ「そっか、なら早く着替えて来いよー」

タケシ「待たせたな!」バッ

Pカチュウ「はやっ!」

タケシ「早着替えには自信があるんだ!」

Pカチュウ「何だよそれ……ってお前何だよ、着てる水着普通のやつじゃん!しかもアロハシャツまで着ちゃってさ!」

タケシ「普通のって…お前何期待してたんだ?」ジトー

Pカチュウ「違うわ!お前がブーメランとか変なこと言うからいけないんだろうが!」

タケシ「あ、ああ…やっぱり女と一緒だからな、流石に自重しようと思ってやめた」

Pカチュウ「ほお、お前にしては珍しくいい配慮だな」

タケシ「珍しくって…」

Pカチュウ「とにかく百合子たちと合流しよう」

タケシ「…そうだな」
468 : プロデューサーちゃん   2020/06/23 23:36:11 ID:fr17os1Cn6
え?そっち?
469 : 1   2020/06/24 22:44:10 ID:cc.fACz4tI
~サントアンヌ号・デッキ~

百合子「よいしょっと!早く2人に飲み物持っていこうっと!」

ピジョン「ピー」

百合子「ピジョンだ、誰かのポケモンかな?」

男「おい!人のピジョンに何ちょっかい出してんだ!」

百合子「ご、ごめんなさい!……あ」

リーダー「あ…」

2人「ああああああああああああああ!!」

百合子「ロケット団……野球の人!」

リーダー「お前は、百合子!」

百合子「どうしてここに!?ロケット団は全員捕まったはずじゃ!?」

リーダー「…あいにく俺はタマムシでお前らにやられてからロケット団をクビになってな…捕まらずに済んだってことよ」

百合子「ま、まさかサントアンヌ号で悪事を働く気じゃないですよね!」スチャッ

リーダー「はっ!あいにく今の俺はただの無職!今日は暇つぶしに船旅をしながら釣りをしにやってきただけだ!」

百合子「そうだったんですか……改心したみたいで良かったです」

リーダー「改心だと!ふざけんな!」

百合子「ひっ!」

リーダー「情けねえ話だぜ!泣く子も黙るロケット団の部隊長だった俺が、お前みたいなガキにやられて職を失うとはな!」

百合子「い、いいじゃないですか、ロケット団は悪の組織なんですよ!形はどうあれ抜けて正解です!」

リーダー「うるせえ!俺にとってはロケット団が全てだったんだ!」

百合子「リーダーさん…」
470 : 1   2020/06/24 22:50:26 ID:cc.fACz4tI
リーダー「…はぁ…お前に言っても今更どうなるわけでもないのに…何やってんだ俺は」

百合子「…あの!」

リーダー「あ?」

百合子「私が言うのもなんですけど、元気出してください!このジュースあげますから!」

リーダー「え、いやいいし!」

百合子「遠慮しないでください!どうぞ!」

リーダー「いらねぇよ!」

百合子「どうぞったらどうぞ!」

リーダー「……ちっ、しょうがねえ」

百合子「…」ゴクゴク

リーダー「…」ゴクゴク

百合子「…これからどうするんですか?」

リーダー「…さあな」ゴックン

百合子「何かやりたいこととかないんですか?」

リーダー「やりたいことか…忘れちまったよ、そんなもん」

百合子「だったらこれから見つけましょう!」

リーダー「余計なお世話だ!」

百合子「このまま無職でいいんですか!?」

リーダー「それこそ余計なお世話だ!つーか誰のせいで職を失ったと思ってんだ!?」ガビーン

百合子「リーダーさんが悪に手を染める前の…それこそ小さい頃とか、何か夢があったはずです!」

リーダー「…だからねーよ、んなもん!仮にあったとしてもこの歳で出来ることなんてねー!」

このみ「あら、そんなことないと思うけど」

百合子「このみさん!」
471 : 1   2020/06/24 22:56:13 ID:cc.fACz4tI
リーダー「何だこのガキ!?」ビクッ

このみ「あなた年齢を言い訳に逃げようとしてない?」

リーダー「何だと…!?」

このみ「確かに何かやりたいことがあるなら若い時にやった方が断然にいいわ…けどだからと言って遅いからダメってことはないの、大事なのは新しいことに挑戦する『気持ち』よ」

リーダー「気持ち…」

このみ「24歳になってアイドルを目指してる私が言うんだもの、間違いないわ!」

百合子「そうですよ!リーダーさんもやりたいことやっちゃいましょう!」

リーダー「…っけ!くだらねぇ!ガキどもがしゃしゃってんじゃねー!」バッ

百合子「どこに!?」

リーダー「じゃあな!」タッタッ

ピジョン「ピー…」バサバサ

百合子「…行っちゃった」

このみ「仕方ないわ、結局のところ本人の気持ち次第なんだもの。ここからどうしていくかは彼に任せるしかないわ」

百合子「流石このみさん、大人の対応ですね」

このみ「…まあ彼に対して少し負い目もあるし、ね」

百合子(そうか、このみさんってロケット団の幹部だったんだもんね…)

このみ「さて!瑞樹ちゃんも待ってるわ!もう一回ジュース買って戻りましょう!」

百合子「そうですね!」


数分後

船長「ふんふふーん!今日も絶好の船出日和だ!」

ガチャ

黒い人(犯人)「…」

船長「誰だ君は!?」

黒い人(犯人)「…」ニヤリ
472 : 1   2020/06/24 23:03:33 ID:cc.fACz4tI
船長「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!」


百合子「!?何ですか今の叫び声!?」

このみ「男性の悲鳴のようだったけど…?」

瑞樹「船長室の方向から聞こえました、行ってみましょう」


Pカチュウ「おい、大丈夫か!」ドンドン

百合子「Pカチュウさん!一体どうしたんですか!?」

Pカチュウ「わからない、お前たちと合流しようと思ったら叫び声が聞こえたから来たんだけど、扉が開かないんだ!」

タケシ「おーい!鍵を持ってきたぞ!」

ガチャ!

瑞樹「こ、これは……」

百合子「ひっ!」


船長「」


Pカチュウ「船長が倒れてる…」

このみ「ま、まさか…」

瑞樹「…脈はあるようです」

タケシ「気絶しているだけか」

百合子「よかったあ…!」

瑞樹「安心するのはまだ早いかと」

Pカチュウ「そうだな、船長を襲った犯人がどこかに潜伏しているかもしれない!」
473 : 1   2020/06/24 23:10:19 ID:cc.fACz4tI
ジェントルマン「ほお、事件のようですな」

百合子「あ、さっきの人!」

ジェントルマン「これはこれは年増の皆さん、また会いましたね」

このみ「ムキー!何しに来たのよ!」

ジェントルマン「何しに来たのよ、とは不躾な!」

Pカチュウ「…知り合いか?」

瑞樹「私たちも先ほどお会いしたばかりなので詳しいことはあまり…」

このみ「私たちをナンパした挙句、年増とか言ってバカにしてきたのよ!失礼しちゃうわ!」プンプン

タケシ「新手の変態か」

ジェントルマン「失敬な!私は12歳以下の幼女にしか興味がないだけだぞ!何の問題がある!」

Pカチュウ「問題しかないぞ!」

瑞樹「それで本当にどういったご用でしょうか?」

ジェントルマン「決まっている!このサントアンヌ号で事件が起きたと聞いてね!私の出番だと思い、参上したまでのこと!」

Pカチュウ「だから、事件であることとあんたの登場にどういった関係が?」

ジェントルマン「大いに関係している!何故なら私は「こくさいけいさつ」だからだ!」

タケシ「…な!」

Pカチュウ「こくさいけいさつって!あの!?」
474 : 1   2020/06/24 23:15:08 ID:cc.fACz4tI
百合子「知ってるんですか?」

Pカチュウ「ああ、各地方の事件を取り締まってる警察組織だ!」

ジェントルマン「ほお、よくご存じで」

Pカチュウ(ポケモンのゲームはやりこんでるからな…とこの世界の人に言ってもややこしくなるだけだから言わないでおこう)

このみ「本当に警察なの!?このロリコンが!?」ガーン

ジェントルマン「私が、ロリコン…?やれやれ、今更褒めても何も出ませんよ!」

このみ「別に褒めてないんですけど!?」ガビーン

ジェントルマン「証拠の警察手帳だ、これで信じてもらえたかな?」

瑞樹「本物のようですね」

このみ「全く、警察もどうかしてるわ!子供好きの変態を野放しにしているなんて!」

ジェントルマン「子供好きの変態だと!君!私を侮辱する気か!?」

このみ「さっきと何の違いが!?」ガビーン

ジェントルマン「とにかく!ここからは私たちの出番だ!」

百合子「私…たち?」

ジェントルマン「こくさいけいさつと協力関係にある、世界でも名高い名探偵が今日乗船しているのだよ!」

百合子「名探偵!!」キラキラ

???「名探偵は褒めすぎですよ、捜査官殿」

百合子「え!?」

このみ「ええ!?」

瑞樹「これは…」

Pカチュウ「お、お前は…!?」

ジェントルマン「見た目は小学生だが、甘く見てはいけない!彼は様々な難事件を解決してきた凄腕の実力者!紹介しよう、名探偵のウォーカーくんだ」

ウォーカー「よろしく、お嬢さんたち」
475 : 1   2020/06/24 23:16:24 ID:cc.fACz4tI
プラチナでお馴染みの国際警察ですが、実は赤緑から既に存在しているのです

476 : 師匠   2020/06/25 00:19:21 ID:sAzOt2b4Nw
>>475
あー、いたっけか
477 : 1   2020/07/26 21:32:27 ID:EKTrkiOnmE
百合子「紬さん!どうしてここに!?」

瑞樹「白石さんもこちらの世界に…?」

Pカチュウ「ってかなんで子供の姿になってるんだ!?」

このみ「私とは逆バージョンね」

タケシ「何だ、お前たちの知り合いか?」

百合子「はい、私たちの元いた世界で一緒にアイドルを目指している仲間なんです」

ウォーカー「…君たち、さっきから誰かと勘違いしてないか?もう一度言うけど、僕の名前はウォーカー。君たちとは初対面なのだが…」

百合子「紬さんじゃ…ない?」

Pカチュウ「どうやらこの世界にいるそっくりさんのようだな」

このみ「それにしてもそっくりよね…しかも私たちが出演した作品の登場人物と同じ名前だなんて」

瑞樹「こういうこともあるのですね」

Pカチュウ「でもなぜ子供?」

ウォーカー「こう見えても僕は大人だ。この姿になったのは、ある黒ずくめの組織の取引現場を目撃してしまって、取引の様子に夢中になっていた僕は背後から襲い掛かってきたもう一人の男に気づかずやられてしまって、そのあと飲まされた薬のせいで…」

Pカチュウ「どっかで聞いたことある設定だな!」ガビーン

ウォーカー「とにかく雑談はここまでだ、早速捜査に取り掛かろう」

百合子「流石探偵!やっぱり捜査は基本ですよね!」グイイッ

ウォーカー「君、ちょっと距離が近いよ!」ビクッ

Pカチュウ「こらこら百合子、捜査の邪魔をしない」

百合子「すみません、間近で本物の探偵を見れて感動してしまいました」エヘヘ

ウォーカー「百合子…君の名前?」

百合子「はい、そうですけど何か?」

ウォーカー「いや…何でもない」

百合子「?」

ウォーカー(そうか、彼女が百合子…か)
478 : 1   2020/07/26 21:33:32 ID:EKTrkiOnmE
タケシ「でも本当に分かるのか?」

ウォーカー「こう見えて僕は数々の難事件を解決してきた、こういう現場の空気には特に敏感でね……例えば今、部屋の入口でこそこそこちらを監視している何者かの目線とか肌に刺さってすぐに分かる」

このみ「え!?」

Pカチュウ「誰だ!出てこい!」

リーダー「…」スウッ

百合子「リーダーさん!」

ウォーカー「盗み見とは行儀が悪いね」

リーダー「別に盗み見してたわけじゃねえ!叫び声が聞こえたから気になってきてみたらお前らがいたもんだからつい…」

Pカチュウ「何でこいつがここに?」

百合子「リーダーさんは今、自分探しをしているんです!」

リーダー「ちげーっての!」

ウォーカー「何だ君たちの知り合い、か」

ジェントルマン「やれやれ!幼女の知り合いだったら大歓迎でしたのに、残念ですな!」

Pカチュウ「あんた少し黙っててくれ」ドヨーン

ウォーカー「…ん、これは」

百合子「何か見つけたんですか?」

ウォーカー「窓の鍵が開いている」(窓を開ける)

ジェントルマン「ということはここが犯人の逃走経路で間違いなさそうですね」

ウォーカー「ああ、恐らくひこうポケモンで逃げたのだろう」

このみ「みずポケモンではなくて?」

ウォーカー「さっき僕は窓を開けた、つまり犯人は『外側』で窓を閉めたということだ…ここは2階だからみずポケモンで脱出した場合、それを行うのは不可能。ギャラドスのような巨大なみずポケモンがいたとしても、それだけの大きなポケモンが現れれば乗客が気づかないはずがない…ひこうポケモンなら船の死角を飛んで移動できるからね」

瑞希「なるほど、納得です」
479 : 1   2020/07/26 21:36:09 ID:EKTrkiOnmE
このみ「犯人の目的は船長を襲うことだったのかしら?」

Pカチュウ「恐らくそうでしょうね」

百合子「じゃあ犯人は目的を達成して、さっさと逃げてしまったってことですか?」

タケシ「ならこの船はもう安全だな」

ウォーカー「いや、まだ犯人が潜んでいる可能性がある」

百合子「え!?」

ジェントルマン「犯人が空を自由に移動できるのなら、再度別の窓から忍び込むこともできますからな」

ウォーカー「この船にある全ての部屋を隈なく捜索する必要があるな」

リーダー「んなことやってたら日が暮れちまうんじゃねえのか?」

ウォーカー「ああ…しかし無関係な乗客が危険に晒される可能性がある以上、手をこまねいている場合じゃない、今は地道でも行動することが事件解決につながる」

瑞希「では手分けして捜索しましょう」

Pカチュウ「だな!手数は多い方がいいだろう」

ウォーカー「一般人の手を借りるのは気が引けるが、今はそうも言っていられないな…君たちは腕に覚えがあるようだし、任せてもよさそうだ」

百合子「任せておいてください!」キリッ

リーダー「俺はこんな厄介ごとに巻き込まれるのは御免だぜ!部屋に帰らせてもらう!」

百合子「この場面でそのセリフはフラグですよ!行かないでください!」ガビーン

リーダー「服を掴むな!離せっての!」
480 : 1   2020/07/26 21:37:24 ID:EKTrkiOnmE
ジェントルマン「ふふふ、皆さん…ここから出る必要はありませんぞ」

このみ「どういうことよ?」

ジェントルマン「こんなこともあろうかと!事件前に船内の至る所に隠しカメラを仕掛けてあるのです!誰にも見つからないように念入りにね!ふふふ、これで犯人の居場所はもはや特定したも同然!」

Pカチュウ「ちょっと待て!事件が起こる前にどうしてカメラを仕掛けた!?」

ジェントルマン「私のこくさいけいさつとしての勘をなめてもらっては困る!こういった事態を事前に予測することで、犯罪を最小限に防ぐのです!その対価として、未来ある子供たちの成長記録も一緒に残しているのですよ!あ・と・で、観賞するためにね!」

Pカチュウ「うわあ…」

このみ「引くわ…」

リーダー「俺が言うのもなんだけど、こいつやべーぞ」

ジェントルマン「私はカメラをチェックしに部屋に戻る!では!」タッタッ

タケシ「…」

ウォーカー「すまない、彼は性癖はあれだが正義感はとても強い男なんだ…性癖があれだが」ドヨーン

このみ「事件解決したら即没収しないといけないわね」

Pカチュウ「そうですね」

ウォーカー「…ところできみたち…別世界から来たというのは本当なのか?」

Pカチュウ「!?」

百合子「え!?どうしてそのことを知ってるんですか!?」

リーダー(別世界?何のことだ?)

ウォーカー「ある人物から君たちの話を聞いていたんだ…そうか、やはり君たちがそうか」

瑞希「ある人物とは誰ですか?」

ウォーカー「…ああ、それは―――」


ジェントルマン「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


このみ「え、何!?」

瑞希「この声、こくさいけいさつさんでは?」

タケシ「あっちから聞こえたぞ!行ってみよう!」
481 : 1   2020/07/26 21:44:54 ID:EKTrkiOnmE
ジェントルマン「」グッタリ

ウォーカー「捜査官殿…!」

百合子「倒れてる…」

瑞希「脈はあります、気を失っているだけの様です……ほっ…」

このみ「機械も壊されてるわ!」

タケシ「道中のカメラも壊されてた!これじゃあ映像が確認できないぞ!」

Pカチュウ「くそっ!やられた!」

ウォーカー(部屋の真ん中で倒れている捜査官殿、機材は全て破壊されている……そして)

百合子「部屋中に鳥の羽が散らばってる…」

瑞希「鳥ポケモンの羽ですね」

このみ「ウォーカーくんの推理通り、犯人はひこうポケモンを操っていたってことね」

ウォーカー「…皆さん、僕がいいというまでここを動かないでください」

百合子「…ウォーカーさん?」

ウォーカー「…捜査官殿は隠しカメラを調べるために別行動をとり、そこでやられた…そのことを知っているのはあの場にいた僕たちのみだ…」

Pカチュウ「まさか…!」

ウォーカー「犯人はあの場にいた人間!つまりこの中にいる誰かということになる!!」

百合子「え…ええ!えええええええ!?」



サント・アンヌ号から少し離れた場所で不敵に笑う影

「『あいつ』上手くやってるようだな…へへへ、その調子だぁ…!このままどんどん追いつめろ!『あの2人』を恐怖と苦しみのどん底に叩き落とせ!全ては復讐のため!俺を地獄に落とした『あの2人』への復讐だ!!」
482 : 夏の変態大三角形   2020/07/27 12:35:45 ID:8uIozcKjHk
鳥…?あ…。
483 : 1   2020/09/02 00:43:03 ID:HfSnV3qYm2
百合子「私たちの中に犯人が……で、でも私たちはずっと一緒に行動してましたよ?」

Pカチュウ「恐らく鳥ポケモンに襲わせたんだろう、ここに羽が散らばっているのがその証拠だ」

ウォーカー「その通り。船長室では羽根を回収したのだろうが、捜査官殿の行動は犯人にとってもイレギュラーな事態だった…焦りからなりふり構わず襲い掛かったということだろう」

タケシ「ということは、犯人は鳥ポケモンを持ってるやつってことになるな」

ウォーカー「この中で鳥ポケモンを所持している人は名乗り出てほしい」

百合子「はい」

このみ「私もね」

ボールの中のサンダー「MA☆TTE!!」ヒソヒソ

ボールの中のフリーザー「私たちは美しく無実だ!」ヒソヒソ

このみ「そんなこと言われなくても分かってるわよ」ヒソヒソ

リーダー「…」

ウォーカー「…あなたもですね?」

リーダー「…ああ」ボソッ

タケシ「ってことはお前が犯人か!」

リーダー「はぁ!?」

タケシ「この状況、犯人はお前しか考えられないだろ!」

リーダー「…」

百合子「待ってください!リーダーさんが犯人だと決めつけるにはまだ早いと思います!」

タケシ「だけど俺たちの中で犯人がいるとも考えられない!お前は仲間を疑うのか?」

百合子「それは…」

リーダー「ちっ!馬鹿馬鹿しい!言いたきゃ勝手に言ってろ!付き合ってられるか!」

百合子「どこへ!?」

リーダー「そんなの俺の勝手だろ!」タッタッ

百合子「待ってください!」
484 : 1   2020/09/02 00:44:08 ID:HfSnV3qYm2
このみ「私が行くわ!」タッタッ

百合子「このみさん…、お願いします!」

タケシ「あいつ1人に任せて大丈夫か?相手は悪人だぞ」

瑞樹「このみさんはこの中で一番の実力者です、問題ないかと」

百合子「それにリーダーさんが犯人と確定したわけじゃないですし!」

タケシ「そ、そうだな…俺もちょっと熱くなりすぎた」

ウォーカー「やれやれ、この場から離れてほしくなかったのだが」

Pカチュウ「犯人が鳥ポケモンを使ったこと以外の証拠とかないのか?」

ウォーカー「今はまだ…だが必ず見つけ出して見せるさ…!」

Pカチュウ「この手の事件は俺たちじゃどうしようもできない、だからこの場はあんたを頼るしかなさそうだ…すまない」

ウォーカー「ふふっ、謝る必要はないさ…!むしろ探偵冥利に尽きるってやつだな」

百合子「どこの誰か分からないけど、こんな悪いことをして事件を起こして…!私たちの船旅が台無しですよ!」プンプン

タケシ「そうだよな、何事もなければ今頃楽しんでたはずなんだよな」

瑞樹「そういえばタケシさん、珍しくアロハシャツを着ているんですね」

タケシ「あ、ああ…!船内で水着姿のままで歩くのってちょっと恥ずかしいと思ってな」

百合子「!?」

Pカチュウ「…百合子?」

百合子「タケシさん…」

タケシ「どうした急に静かになって」

百合子「犯人はタケシさん……いえ、タケシさんに変装したあなたが犯人ですね!」ドンッ!!
485 : 1   2020/09/02 00:45:01 ID:HfSnV3qYm2
ウォーカー「ええええ!?」
Pカチュウ「何!変装!?」
瑞樹「おお……びっくりしたぞ」

タケシ?「…おいおい、急に何を言い出すんだ…何の証拠があるっていうんだ?」

百合子「証拠はありません!」

タケシ?「ほら見ろ!目立ちたいからって変な発言をするのはやめておけ」

百合子「けどあり得ないんですよ!万年半裸のタケシさんが水着姿を恥ずかしがるなんてことは!!」

タケシ?「お前何を言って…」

Pカチュウ「た、確かに…」

瑞樹「それはおかしいですね」

タケシ?「えええええ!いやいや、おかしいことはないだろ!普通の考えだろ!誰だって抵抗感を感じるだろ!?」ガビーン

百合子「タケシさんに限ってそんなこと考えるはずがありません!」

ウォーカー「そうなのか…彼はそんなにもへんた…」

タケシ?「違う違う違う!俺は正真正銘のタケシだあああああああ!!」

百合子「どんなに上手く変装できても!今まで築き上げてきた友情は決して誤魔化せたりはしない!さあ、正体を現しなさい!!」ビシッ
486 : 1   2020/09/02 00:45:23 ID:HfSnV3qYm2
タケシ?「…はー、うまく行ったと思ったのによぉ!まさかこいつがここまでの変態だったとは!」

Pカチュウ「お前!本物のタケシをどこにやった!?」

タケシ?「安心しなよ、本物は更衣室のロッカーでおねんねしてるぜ!」

瑞樹「あなたは一体…何者ですか?」

タケシ?「あんたとそこにちびっこ探偵は初見だが、お前らは俺のことを知っているはずだぜ」

百合子「え?私たちが?」

Pカチュウ「どっかで会ったことがあるのか」

タケシ?「会ったことがあるなんてもんじゃねぇ!あの時お前たちが俺にしたことを今日この瞬間、お返ししてやるぜ!」

そう言うと、偽タケシは顔の皮…正確には顔に被っていたマスクを破り取った

???「久しぶりだなぁ!百合子ぉ!!」

百合子「あ、あなたは…!」
487 : 下僕   2020/09/02 06:16:26 ID:YBDDU.SrNo
だれだ?!
488 : ぷろでゅーしゃー   2020/09/30 22:34:08 ID:Iv/uLgydPc
保守
489 : 1   2020/10/05 18:43:31 ID:7m5l0u9QYc
とりつかい「そう!我が名はとりつかい!貴様を地獄に葬る者だ!!」

百合子「…え?誰?」

とりつかい「冗談はやめろ!忘れたのか俺のことを!」

百合子「忘れたも何も、私たち初対面ですよね?」

とりつかい「思い出せ!ほら!>>4で出てきた俺だよ!」

Pカチュウ「ほぼモブじゃないか!!」ガビーン

百合子「すみません、モブの方を全て覚えるのはちょっと…」

とりつかい「なん…だと…!俺はあの日お前たちに倒されてから恨みを募らせていたのに、当のお前たちは俺のことすら覚えていないだと…!ふざけるなよ…!」プルプル

ウォーカー「おい、何だかまずい空気になってきたぞ」

瑞希「爆発まで後5秒、といった感じですね」

とりつかい「ゆるっさあああああああああああん!!ぶっ倒してやるうううううううううううおあああああああああああああああ!!」
490 : 1   2020/10/05 18:44:03 ID:7m5l0u9QYc
~サント・アンヌ号デッキ~

このみ「見つけたわよ」

リーダー「…1人で俺を追ってきたのか、舐められたもんだぜ」

このみ「別に私はあなたを力づくで捕まえに来たわけじゃないわ、あなたと少しお話をしに来たの」

リーダー「お前と話すことはねえ!」

このみ「…そう、じゃあ独り言を言うわ」

リーダー「は?」

このみ「私は昔からこの見た目で実年齢よりちょーっと子供と間違えられてきたわ!だから牛乳を飲んだりありとあらゆる手を使って身長を伸ばそうと思ったけど、結局今になってもこのまま…!私ずっと子供扱いされたままなのかしらって思ったわ」

リーダー「はあ…?」

このみ「そこで思ったのよ!たとえ身体は子供でも心はセクシーな大人でいようってね!」

リーダー「セクシーである意味ねえだろ」

このみ「そこ!うるさい!……まあ、とにかくよ!変わるってことはそんなに簡単なものじゃないわ、けど変わろうって意思を持つことって過去に自分に打ち勝つ第1歩だと思うの!」

リーダー「過去の自分に…勝つ…」

このみ「だからこそ前にも言った、新しいことへの挑戦なのよ。あなた、自分を変えたいって思ってるんじゃないの?」

リーダー「そんなことは…」

このみ「変わりたいと思ってるからこそ、さっき先入観で疑われたことに傷ついたんでしょ?」

リーダー「…俺は元ロケット団員だ」

このみ「過去は関係ないわ、大事なのは今あなたがどうなりたいかってことよ」

リーダー「…あんたはあんのか?なりたいものってやつが」

このみ「あるわ…、私はトップアイドルになること。誰もが認めるセクシーでアダルティなアイドルにね!」
491 : 1   2020/10/05 19:40:29 ID:7m5l0u9QYc
リーダー「…アイドルか、理想が高いんじゃねーの?」

このみ「そうね、周りからそう言われたこともあるわ…けどね、だからこそ成し遂げた時の感動は一入だと思うの!その時には私は多くの人たちから認められたってことだもの」

リーダー「…俺には真似できねえな」

このみ「そんなことないわよ!変わりたいって意思がある限り、あなたはこの先何者にもなれるのよ!お互い、人生これからだもの!ね!」ニコッ

リーダー「…」

このみ「さあ次はあなたの番よ!あなたの夢、教えてもらえる?」

リーダー「俺の、夢は…」

ドゴオッ!!
リーダーが言葉を発すると同時に大きな物音と共に百合子たちがデッキに吹き飛んできた!

百合子「うわああああああ!!」ゴロゴロ
Pカチュウ「ぐへっ!!」

リーダー「!?」

このみ「な、何が起こってるの!?」

とりつかい「はぁはぁ…どうだ!思い知ったか!」

このみ「え?誰?」

とりつかい「お前まで俺を忘れたのかああああああ!!」ギロッ

このみ「ええ!何のことよ!?」ガビーン

とりつかい「やれお前たち!こいつら全員ぶっ倒せ!!」

とりつかいが指を鳴らすと、上空からオニスズメやオニドリルの群れが現れた!

ウォーカー「なんて数の鳥ポケモンだ!10、いや30はいるのか…!?」

とりつかい「こいつらの統率は完璧だ!お前たちじゃ手も足も出ないだろうな!」

Pカチュウ「なるほど、こいつらを使って船長やロリコン紳士を襲ったのか!」

百合子「行きましょうPカチュウさん!」

とりつかい「先手必勝!やれえええええええええええ!!」

百合子「ちょっと!こっちは何の準備もまだ!」

とりつかい「うるせえ!覚悟しろ!!」
492 : 1   2020/10/05 19:43:15 ID:7m5l0u9QYc
瑞希「プテラ、お願いします」

プテラの両翼で襲い掛かるオニスズメたちを払いのけた

とりつかい「何!誰だお前!!」

瑞希「真壁瑞希、七尾さんたちの仲間です」

とりつかい「なるほど!つまり敵ってことだな!」

瑞希「その通りです」

オニドリル「クエエエエエエッ!!」

百合子「瑞希さん、後ろ!」

ルージュラ「!!」バシッ!
オニドリル「クエエッ!」バタッ

瑞希「…ありがとうございます」

このみ「仲間を助けるのは当然よ♪」

とりつかい「またしても邪魔を!」

このみ「それはこっちのセリフよ!せっかくの話に水を差すようなことをして!お姉さん、怒ってるのよ!」

瑞希「というわけなので、ご覚悟を」

このみ「ルージュラ!“れいとうビーム”!」
瑞希「プテラ、“つばさでうつ”」

オニスズメ「!!?」カッチーン
オニドリル「グエッ!!」バタッ

ウォーカー「凄いな、あれだけの数のポケモンを相手に互角以上に立ち回っている」

百合子「当然!あの2人は私より強いんです!」ドヤッ

ウォーカー「それ威張って言うことかい?」ドヨーン

とりつかい「だったら更に増員だ!!」

ボンッ!ボンッ!ボンッ!

このみ「嘘!まだいるの!?」

瑞希「流石に少々……大変、だぞ」

とりつかい「終わりだあ!!」
493 : 1   2020/10/05 19:44:03 ID:7m5l0u9QYc
タケシ「そうは行くか!!やれ、ゴローン!」ビュンッ

タケシの投げたゴローンが鳥ポケモン軍団の一部に激突!

百合子「タケシさん!無事だったんですね!」

タケシ「悪いな、ロッカーの中に閉じ込められててな!何とか脱出してきた!」

ウォーカー「どうでもいいが、君その姿は…」

タケシ「似合ってるだろ!ブーメランパンツ!」ビシッ

Pカチュウ「それでこそタケシだ!」

タケシ「おいお前!さっきはよくもやってくれたな!どこの誰かは知らないけど、覚悟してもらうぞ!」

とりつかい「どこの誰か…だとお!お前もかああああ!!許さん!!」

タケシ「ええ!?怒るとこそこ!?」ガビーン

とりつかい「オニスズメ!オニドリル!あの男を始末しろ!!」

タケシ「くっ!またゴローンを投げつけてやる!」ビュンッ

敵に向かってゴローンが投げつけられた!
しかし、鳥ポケモンたちは散り散りになって避けたのであった!

とりつかい「さっきは不意を突かれたが、来ると分かってる攻撃を避けるなんて容易いぜ!」

タケシ「くそっ!」

とりつかい「はははは!ざまあみろ!」

リーダー「おいモヒカン!調子に乗ってると痛い目にあうぜ!」ブンッ

バッドを構えたリーダーはそのままゴローンを打ち返し、鳥ポケモンたちを吹き飛ばした!

とりつかい「何ィ!?」

タケシ「やるなお前!」

リーダー「お前もいい球だったぜ」

このみ「リーダーくん」
494 : 1   2020/10/05 19:44:32 ID:7m5l0u9QYc
リーダー「…おいあんた、俺の夢を聞かせてやる!俺はこう見えて野球が好きでな、将来野球選手を目指してたんだ!」

このみ「ええ、何となく察してたわ」

百合子「あからさまにバッド持ち歩いてれば、ね…」

リーダー「何!?」ガビーン

このみ「けどいい夢じゃない!ぴったりだと思うわ!」

リーダー「ふっ…なんかすっきりした気分だぜ!さらに気持ち良くなるために、この小悪党ぶっ倒してやるぜ!」

タケシ「俺も手を貸そう!このゴローン投げでな!」

リーダー「懐かしいな!ガキの頃はよくイシツブテ投げて遊んでたもんだぜ!」

タケシ「イシツブテ合戦か!けど今の俺たちならゴローン合戦も余裕だ、な!」ビュンッ

リーダー「あったりめえ、よっと!!」カッキーン

とりつかい「ゴローンを投げてそれを打ち返してるだと!こいつら人間か!?」

リーダー「ははは!よく効くなあ!」

タケシ「ひこうタイプはいわタイプに弱いからな!はははは!!」

百合子「凄い光景ですね」

Pカチュウ「ああ…言葉が出ない」ドヨーン

とりつかい「…あ…あ…」

このみ「私たちも行くわよ、瑞希ちゃん!」

瑞希「はい」

とりつかい「俺のポケモンたちが…」

このみ「“ふぶき”!」

瑞希「“はかいこうせん”」

オニドリル「グエエエエエッ!!」バタッ

とりつかい「ぜ、全滅…!?こんな、訳の分からない連中に…」ガクッ
495 : 1   2020/10/05 19:45:00 ID:7m5l0u9QYc
百合子「さあ観念しなさい!」

Pカチュウ「良い所だけ取ろうとするな」ムニー

とりつかい「くそっ!くっそおおおおお!」

ウォーカー「君を拘束する、詳しい話は署で聞こう」

とりつかい「まだだ!まだ俺には『親分』がついているんだ!!」

百合子「おやぶん?」チラッ

Pカチュウ「俺のことじゃないぞ!」ガビーン

ウォーカー「君みたいな小物が客船を襲撃するなんて大それたことをするのは妙だと思ったが、やはり黒幕がいるのか」

とりつかい「へへ…親分は最強なんだ!お前らなんか一捻りだろうよ!」

百合子「誰ですか!その親分は!?」

???「オレのことだ!!」

ボオッ!!

このみ「何もない所から急に火が!?」

???「どうだオレの炎はよぉ!そんじょそこらのものとは訳が違うぜェ!」

ウォーカー「誰だ!どこにいるんだ!?」

???「上だ!上!!」

一行が上を向くと、そこには炎を纏った飛行物体がいた

瑞希「鳥ポケモン…?」

タケシ「あいつがこの火を一瞬で出したのか!?」

リーダー「さっきまでいなかったのにいつの間に出てきやがったんだ!?」

このみ「喋る鳥ポケモンって…」

Pカチュウ「おい、まさかあいつ…!」

ボンッ!
フリーザー「やはりお前だったか」

サンダー「久しぶりだな、『ファイヤー』!」

ファイヤー「会いたかったぜ元同志!」ニヤァッ
496 : 1   2020/10/05 19:45:22 ID:7m5l0u9QYc
Pカチュウ「やっぱり伝説のポケモン、ファイヤーか!」

とりつかい「親分!あんたの力でこいつらを始末してくださいよぉ!」

ファイヤー「うるせえ!このくそ雑魚があ!!」ボウッ

とりつかい「ぎゃああああああ!!」バタッ

タケシ「味方を攻撃した!?」

ファイヤー「あいつはオレの目的のために利用していたにすぎない!もう用済みだぜ!」

タケシ「お前も俺たちを狙ってきたのか!」

ファイヤー「それはそいつが勝手にやってたことだ!オレはゆりなんとかとか言うやつのことは興味がねえ!」

このみ「じゃあいったい何が目的なの!?」

ファイヤー「そんなの、そこの連中に聞けば分かるだろうよ!」

フリーザー「…」
サンダー「…」

ファイヤー「俺はお前たちから受けた屈辱を晴らしに来たのだ!!」

このみ「あなたたち、何をしたの?」

フリーザー「いや、それが…」

サンダー「心当たりが多すぎて特定できない…」

一同ズッコケる

ファイヤー「だったら教えてやるぜ!数百年前、オレを地獄に突き落としたあの忌まわしい事件をな!!」
497 : 1   2020/10/05 19:45:42 ID:7m5l0u9QYc
>>488
保守サンクスです!
498 : 監督   2020/10/05 20:11:52 ID:YpPfutlos.
おつです!!
とりあえず、イシツブテはまだわかるがゴローンは投げんなwww

あ、ゴッドバードさんちーっす!
499 : 1   2020/11/11 14:44:58 ID:z9NoeikAaQ
百数年前、オレたちは己の力を磨くために修行に明け暮れていた

フリーザー「見よ!この美しい舞を!」クルクル
ファイヤー「144…145…146…」フンフン
サンダー「クマを1頭伏せてターンエンド!」

そして運命の日がやってきた
俺を地獄に落としたあの忌々しい事件と共に…

フリーザー「これが私の新しい力か…!」

フリーザーは レベル51 に あがった!
フリーザーは あたらしく ふぶきを おぼえた!

サンダー「ふはははースゴいぞーカッコいいぞー!!」

サンダーは レベル51 に あがった!
サンダーは あたらしく かみなりを おぼえた!

サンダー「おいファイヤー、お前はどうだった?」

ファイヤー「…」

フリーザー「どうしたのだ?何を覚えたんだ?」

ファイヤー「…にらみつける」

フリーザー「は?」

ファイヤー「だから!“にらみつける”だよ!」

フリーザー「そ、そうか…それはまた…ぷっ」

サンダー「おいおい笑ったら失礼だZE…ぷくく」

ファイヤー「てめぇら笑うな!オレを笑うなーっ!」ギロッ

サンダー「にらみつける超こえー!ハハハ」

フリーザー「そう言ってやるな、命中率100%は安定してていいではないか、ふふふ」

サンダー「レベル51ってか、レベル2馬の骨だろこれ!」

フリーザー「ふふ、確かにな!」

ファイヤー「く、くそおおおお!お前ら、今に見てろよ…!」

オレを見下したことをいつか後悔させてやるからな!!
500 : 1   2020/11/11 14:46:47 ID:z9NoeikAaQ
ファイヤー「そしてオレは世界を憎んだ」

一同(ええええええええええええ!)ドヨーン

Pカチュウ「話飛躍しすぎだろ!」

瑞希「世界を憎むほどのことではないと思います」

ファイヤー「うるさいうるさいうるさい!オレだってかっこいいわざを覚えたかったんだい!それなのに“にらみつける”って何だよ!ヒトカゲがレベル15で習得するわざだぞ!こんな理不尽あってたまるかよぉ!うわああああああああ!!」ナミダドバー

タケシ「さっきまでの悪役ムーブが嘘のようだな」ドヨーン

サンダー「あいつは元々ああいうやつだ」

ウォーカー「まるで駄々っ子だな」

リーダー「なんつーかよぉ、こいつ見てると俺の今までの悩みが馬鹿馬鹿しく思えてきたわ」

百合子「でもほら!最近流行りの勇者パーティーから追放されたやつみたいで、ここから逆転劇が始まるかもしれませんよ!」

Pカチュウ「どう見ても転落劇だぞあれ」

百合子「で、ですよね~」

このみ「…あなたたち、今の話本当なの?」

サンダー「MA☆TTE!あの時はちょっとしたいじりのつもりだったんだ」

フリーザー「その通りだ、悪意はなかった」

このみ「その些細な一言で傷ついてる子がいるのよ?少しは反省しなさい!」

フリーザー&サンダー「は、はい…」
501 : 1   2020/11/11 15:04:10 ID:z9NoeikAaQ
ファイヤー「今更反省したってもう遅いぜ!オレはてめぇらを徹底的にいたぶるって決めたんだからな!」

サンダー「…それでこの船を襲ったのか?」

ファイヤー「最近人間と仲良しこよしやってるそうじゃねぇか!だったらてめぇらの周りの人間も巻き込んで、精神的に追い詰めてやろうって考えたのさ!ついでに人間どもから嫌われて孤立させることもできるしな!ハハハハハ!!」

フリーザー「なんて陰湿なやつだ、美しくない」

ファイヤー「てめぇらがそうさせたのさ!恨むなら過去のてめぇらを恨みな!」

フリーザー「くっ…」

ファイヤー「ははははははは!いい気味だぜぇ!!」

瑞希「何とかしないと不味いですね」

タケシ「空中から攻撃を仕掛けられたら俺たちに逃げ場はない!あいつが喋ってる今の内に何とかした方がよさそうだ!」

フリーザー「ならお前の出番だな、Pカチュウ」

Pカチュウ「…そうだな、俺なら“でんこうせっか”であいつの所まで移動できる…けど、仮にあいつは伝説のポケモンだ、俺に出来るのか…」

サンダー「安心しろ、お前ならできる…!何せこの俺のエネルギーを分け与えたんだからな!」

このみ「そうよ自信をもって!」

瑞希「私はプロデューサーを信じています……ファイトだぞ」

百合子「やりましょう!私もいます!」

Pカチュウ「…ああ、そうだな!あいつに一発喰らわせてやろう!」

百合子「はい!」
502 : 1   2020/11/11 15:30:51 ID:z9NoeikAaQ
ファイヤー「ふん!何を企んでるか知らねぇが、こいつら既にオレを倒せる気でいやがる!とことんオレを舐めやがって!」

百合子「周りに置いて行かれて焦る気持ちはわかります!けどその身勝手な考えは間違ってる!だからあなたはここで私たちが倒します!」

ファイヤー「…こいつを見てもそう言えるか?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

瑞希「ファイヤーの体にエネルギーが集まって…これはもしや」

フリーザー「“ゴッドバード”か」

ファイヤー「俺だって遊んでたわけじゃねぇ!復讐を成し遂げる、その一心で編み出した俺の最強わざだ!こいつでてめぇらを船ごと海の藻屑にしてやるぜぇ!!」

Pカチュウ「やれるものならやってみろよ」

ファイヤー「!」

Pカチュウ「その前に俺が倒してやる!」ビシュッ

ファイヤー「と、飛んだ!?嘘だろ!!」

Pカチュウ「うおおおおおおおおおおお!!」

ファイヤー「ま、待て待て!このわざは発動までに時間がかかって…」

Pカチュウ「うおおおおおおおおおおお!!」

ファイヤー「って聞いてねえええええ!」ガビーン

Pカチュウ(マサキ戦では力不足で皆を不安にさせてしまった…サカキ戦ではただ見てるだけしかできなかった…!ずっと自分の不甲斐なさを気にしていた……けど今は違う!皆のおかげで俺は力を取り戻せた!俺は今度こそ!)

ファイヤー「止まれ!やめろ!来るな!!」

Pカチュウ「過去の俺を超えて、もっと強くなってやる!!」
503 : 1   2020/11/11 15:38:07 ID:z9NoeikAaQ
ファイヤー(も、もう俺の目の前に…!)

百合子「“かみなり”!!」

Pカチュウ「うおおおおおおおおおおお!!」

ファイヤー(奴の尾に電気エネルギーが集約していく…!)

Pカチュウ「喰らええええええええええええええ!!」

ファイヤー「ぐへえ!!」

百合子「こうかはばつぐん、です!」

Pカチュウの渾身の一撃がファイヤーの脳天を直撃!
そのまま勢いよく吹っ飛び、海へと落ちていった

タケシ「よし!ファイヤーを倒した!」

サンダー「不死鳥は 再び墓地へ 舞い戻る」(サンダー心の一句)

百合子「やりましたねPカチュウさん!」

Pカチュウ「ああ…!」

サンダー「流石は俺の弟子だ」

Pカチュウ「いつお前と師弟になったんだよ!」

ウォーカー(百合子とPカチュウ…タイプ相性があるとはいえ、伝説のポケモン相手に単騎で勝利するとは…その仲間たちもあの軍勢を相手に臆せず立ち向かう勇敢さ…噂通りただ者ではないな)

瑞希「あの、そろそろ助けた方がよいのではないでしょうか」

ファイヤー「」プカプカ

百合子&Pカチュウ「あ」
504 : 1   2020/11/11 15:41:43 ID:z9NoeikAaQ
数十分後

ジェントルマン「ほら歩け」

とりつかい「もうこいつらと関わり合いになりたくねぇ…刑務所でも何でもいいから連れてってくれ…」ビクビク

ジェントルマン「君たちのおかげで船の襲撃犯を捕まえることもできた、礼を言わないといけませんな」

百合子「当然のことをしたまでです!」キリッ

ジェントルマン「年増なのに見事なものです」

Pカチュウ「一言余計だろ」ドヨーン


リーダー「…」スッ

このみ「もう行くの?」

リーダー「ああ、俺も何か行動しねぇとな…とりあえず故郷に帰ってやり直しだ」

このみ「頑張って、応援してるわ」

リーダー「ありがとよ…じゃあな」
505 : 1   2020/11/11 15:42:56 ID:z9NoeikAaQ
タケシ「さて、後はこいつをどうするか」

ファイヤー「大勢でイキってんじゃねぇぞゴルァ!ほら来いよ!オレがタイマン張ってやんよオラァ!!」

Pカチュウ「ほう」バチバチ

ファイヤー「ひいいいいいい!サーセン!調子乗ってましたあああああ!もうあの電撃は勘弁してくれえええええ!!」

ウォーカー「驚くくらいの小物っぷり、本当に伝説のポケモンなのか…」

ファイヤー「あんたらには本当に迷惑かけたと思ってます!ほんとマジサーセンっしたー!!煮るなり焼くなり好きなようにしてくだせぇ!けど命だけはお助けをぉ!」(土下座)

このみ「別に命なんて取らないわよ」

ファイヤー「…え?」

このみ「反省してるならもうそれでいいわ…ね、皆?」

Pカチュウ「まあ一発お見舞いしたし、俺もこれ以上追い打ちかけるつもりはないですよ」

タケシ「俺を閉じ込めたあいつも成敗してやったしな」

百合子「罪を憎んで人を憎まず、ですね!」

このみ「過去に辛いことがたくさんあったと思うけど、これからは未来に向かってその歩みを進めてほしいの…形はどうあれ“ゴッドバード”を使えるようになるまで強くなれたんですもの、大丈夫よ!あなたなら出来るわ!」

ファイヤー「…ぐすっ…初めてだ…こんなに優しい言葉をかけてもらったことは…こんなオレなんかのために……よし、決めたぜ」

フリーザー(もしや)

サンダー(この流れは)
506 : 1   2020/11/11 15:47:58 ID:z9NoeikAaQ
ファイヤー「オレはあんたの仲間になるぜ!」

フリーザー&サンダー「帰れ」

ファイヤー「何で!?」ガビーン

フリーザー「このみの一番の仲間は私だ!これ以上お荷物の加入は御免だ!」ポカスカ

サンダー「お荷物って俺も含まれてるのか!ふざけるなよこの鳥野郎!」ポカスカ

ファイヤー「てめぇも鳥だろうがゴルァ!」ポカスカ

百合子「また始まっちゃった」

瑞希「いつもの光景ですね」

このみ「いい加減に、しなさああああああい!」

三鳥「!?」

このみ「今更拒否するつもりはないわ!全員私が受け入れてあげようじゃない!」

ファイヤー「いいのか…オレも一緒について行っても」

このみ「もちろんよ、だからあなたたち少しは仲良くしなさい!」

フリーザー「まあこのみがそう言うのであれば…」

サンダー「仕方ないな」

ファイヤー「…ありがとう、このみ…」
507 : 1   2020/11/11 15:49:45 ID:z9NoeikAaQ
瑞希「また賑やかになりそうですね……楽しくなってきたぞ」

ウォーカー「この雰囲気になれるまでしばらく苦労しそうだ」フフッ

百合子「ってウォーカーさん!それどういう意味ですか?」

ウォーカー「私も同行させてもらおうと思ってね」

百合子「ええ!?」

Pカチュウ「…何を企んでいるんだ?」

ウォーカー「人聞きが悪い、僕はただ君たちと一緒にいれば目的が達成できそうだと判断しただけさ」

瑞希「目的、ですか?」

ウォーカー「ああ…実は今、ある人物を追っていてね。はっきり言うと、その男は君たちと接触する可能性があると僕は睨んでいるんだ」

百合子「ある男?」

ウォーカー「ああ、君たちもよく知っているはずだ。ロケット団と乗っ取って、悪事を働いた超一級犯罪者を…!」

百合子「まさかそれって…」

ウォーカー「マサキ…!逃げだしたあの男を捕らえることが僕の真の目的さ」
508 : P君   2020/11/11 18:38:24 ID:sSzdGa4eZk
よし!三体揃ったから合体だな!
509 : プロちゃん   2020/11/29 09:33:02 ID:JHyl2O2jow
保守あげ
510 : 1   2020/12/06 22:48:17 ID:VQ2iJ15qlA
百合子「マサキさんが逃げた!?」

ファイヤー「誰だそりゃ?」

フリーザー「人間たちの間で名の知れた科学者らしい。ロケット団とかいう悪の組織と手を組んで人造ポケモンを生み出した」

サンダー「人造ポケモンを造っただと…!そんな鮫の様な奴が人間世界にいるってのか…」

ウォーカー「みすみす逃がした警察サイドにも責任があるが、逃げ出した以上彼を捕まえなくてはまた悪事を働くかもしれない。だから僕はこのカントーにやってきたんだ」

百合子(マサキさん…改心したんじゃないんですか…!)ギュッ

Pカチュウ「マサキが何を考えているのか分からないんだ、今は考えてても仕方ないさ」

百合子「Pカチュウさん…」

Pカチュウ「だから気にするな」ニコッ

百合子「…はい!」

タケシ「ウォーカー、付いてくるのは別に構わないけど、俺たちの所にあいつがやってくる保証はないぞ」

ウォーカー「その時は別の方法を考えるさ」

瑞希「とりあえず近くの宿で休みましょう。流石に疲れました……ぐったり」

Pカチュウ「そうだな、せっかく仲間も増えたし今日は豪華なもの食べよう!」

ファイヤー「礼を言うぜ!」

Pカチュウ「あ、お前も付いてくるんだっけ?」

ファイヤー「おい!」ガビーン

このみ「…」
511 : 1   2020/12/06 23:09:13 ID:VQ2iJ15qlA
百合子「それでは!ウォーカーさんの加入を祝して!」

「「「「「かんぱーい!!」」」」」

エグゼ「一番エグゼ!首分離しまーす!」ビュウンッ

瑞希「ならば私は手品を披露しましょう」

タケシ「だったら俺も行くぞ!おい、おしょう手伝ってくれ!」

おしょう「?」

タケシ「俺の体のどこでもいい…攻撃しろ!全て筋肉で受け止めてやる」ムキッ

おしょう「…」ブンッ

おしょうの攻撃がタケシの下半身の大事なところに命中した

タケシ「ウッ!」バタッ

エグゼ「タケシさあああああん!」ガビーン

瑞希「どうか安らかに」

ウォーカー「ハハハ、本当に君たちはユニークだな」パチパチパチ

シルフ「!」バクバクガツガツ

百合子「うわあ!あんまり食べ過ぎるとまた太っちゃうよ?」

シルフ「!」ニコッ

Pカチュウ「久しぶりに見たな、こいつの大食いっぷり…」

このみ「…」モグモグ

Pカチュウ「このみさん?」

このみ「え?プロデューサー、いつの間に!?」

Pカチュウ「さっきからいましたけど……何だか箸が進んでませんけどどうしたんですか?やっぱりジュースだと物足りないですか?」

このみ「え!?違う!違うの!そうじゃなくって…」

Pカチュウ「俺で良かったら話を聞かせてください。さっきから考え事してたみたいだったし、気になってたんですよ」

このみ「…よく見てるのね、これじゃ隠し事なんてできないわ」

Pカチュウ「俺はあなたたちのプロデューサーですから」

このみ「サント・アンヌ号での一件で、リーダーくんは過去を乗り越えて新しい夢を追いかけていったわ…彼だけじゃない、プロデューサーもファイヤーも……だから私も、そろそろ過去の罪に決着をつけないとって考えていたの」
512 : 1   2020/12/06 23:18:58 ID:VQ2iJ15qlA
ウォーカー「罪…?」

瑞希「ウォーカーさん、今日は星がたくさん見えるそうです。行きましょう」

ウォーカー「いや、僕はここにいるよ」

タケシ「遠慮するな!俺の筋肉もセットでつけてやるぞ!」グイッ

瑞希「出発、ゴーです」グイッ

ウォーカー「ええ!?なんなん!?」ズルズル

Pカチュウ(2人とも…ナイスフォロー、サンキュー)

このみ「だからお願いがあるの!私をシオンタウンに行かせてちょうだい!」

百合子「このみさん…」

このみ「記憶喪失だったとはいえ、私はシオンタウンの人たちに迷惑をかけてしまった!そのことを直接謝罪したいの!暴言を浴びせられても石を投げられても構わない、私にできることは何でもするつもり!だから行かせてほしいの!」

Pカチュウ「俺は反対です」

このみ「!?」
百合子「Pカチュウさん!?」
513 : 1   2020/12/06 23:19:16 ID:VQ2iJ15qlA
Pカチュウ「このみさんは最年長で責任感が強いから一人にすれば絶対必要以上に背負い込んでしまう!あなたが傷ついてくるのが分かってるから……だったら行ってほしくないっていうのが俺の正直な気持ちです!」

このみ「で、でもだからって目を背けるわけにはいかないのよ…」

Pカチュウ「うん、だから俺も一緒に行って一緒に謝ります!」

このみ「何よそれ、プロデューサーが町の人たちに謝ることなんて何一つないじゃない」

Pカチュウ「『アイドル』と『プロデューサー』は一蓮托生!理由なんてそれだけで十分です!」

百合子「一蓮托生っていうなら、そこに『仲間』も入れてもらわなくては困りますね!」

フリーザー「無論『ポケモン』、もな」

ファイヤー「オレが絶対に許してもらえる土下座の方法を教えてやるぜ!」

サンダー「色んな意味で悲しいからやめとけ」ドヨーン

このみ「百合子ちゃん、あなたたちまで…」

百合子「このみさんはこの話題になるといつも落ち込んでしまいますから、このみさんの心に決着をつけてもらって心の底から笑ってもらいたいんです!だから私も協力を惜しみません!」

Pカチュウ「それじゃ次の目的地が決まったな!」

百合子「はい!シオンタウンに出発です!」

このみ「皆…ありがとう…っ!」グスッ
514 : 1   2020/12/06 23:23:25 ID:VQ2iJ15qlA
百合子「というわけで、私たちは明日からシオンタウンに向けて出発するのであった!」

ウォーカー「どういうわけだい!?僕たちが席を外している間に何が!?」

百合子「こ、細かいことは気にしないでください!」

ウォーカー「…まあ、僕は君たちについていくだけだ。異論はないよ」

瑞希「同じくです」

タケシ「俺もだ」

このみ「3人とも、ありがとう…」

Pカチュウ「それじゃ気を取り直して歓迎会の続きだ!」

このみ「ええ!」


タケシ「なあPカチュウ、シオンタウンに行くなら例のあれを見てもらった方がいいんじゃないか?」

Pカチュウ「あの心霊写真か」

タケシ「あれから気にしないようにしてたけど、百合子に幽霊が憑いてる可能性があるんだよな」

Pカチュウ「…この機会だ、きとうしさんにお祓いしてもらえるか頼んでみよう」

百合子「何話してるんですか?」ヌッ

Pカチュウ「い、いや何でもない!」

タケシ「そうそうこっちの話だ!」

百合子「こっちの話って…はっ!やっぱり2人はそういう関係!?」

Pカチュウ&タケシ「んなわけあるか!!」
515 : 1   2020/12/06 23:27:21 ID:VQ2iJ15qlA
サンダー「おいファイヤー!お前も何かやれよ」

ファイヤー「ハァ!?何でオレがしなきゃいけねぇんだよ!」

フリーザー「散々迷惑かけておいて何を言うか、せめて道化を演じて我々を美しく楽しませろ」

ファイヤー「偉そうにしやがって!このナルシストが!」

フリーザー「聞き捨てならんな」ガタッ

サンダー「おいおい本当のこと言っちゃ可哀そうだZE☆」

フリーザー「黙れエセ遊戯王!」

サンダー「その発言、イラッとくるぜ!!」ガタッ

このみ「ちょっとあなたたち!喧嘩はやめなさい!」

ファイヤー「だってこいつらが…」

このみ「仲間なんだから仲良くしなさい!あなたたちは3人組…いいえ、3人のユニットなのよ!」
516 : 1   2020/12/06 23:27:41 ID:VQ2iJ15qlA
三鳥「ユニットォ!?」ガビーン

このみ「そうよ!ユニットってのはね、性格や能力が違う人たちが同じ目的のために協力し合うのよ!1人じゃできないことも仲間となら乗り越えられる……ぶつかり合うのは大いに結構だけど、その中で相手のいい所を見つけて理解することも大事なのを覚えておきなさい!」

サンダー「このみには悪いが、それは無理な相談だ」

ファイヤー「昔からつるんでることはあったけど、それは利害が一致してたからだ!今回も同じだ!」

サンダー「じゃなきゃこんな奴らと仲良しこよしなんてしんでも御免だZE☆少なくとも俺はこの先こいつらと協力することは絶対にしない!」

このみ「うーん…じゃあ試しに共同生活してみたらどうかしら?ふふっ、4Luxuryを結成した時のことを思い出すわね」

三鳥はそれぞれ共同生活の風景を想像した

三鳥「おえぇっ!」

このみ「んもう!この調子じゃ私たちがいなくなった後が心配だわ」

おしょう「!?」
つむぎ「!」
ユニー「…」
シルフ「!?」
エグゼ(…そうだった…ボクたちはいつかマスターたちとお別れしないといけないんだ…)
517 : 高木の所の飼い犬君   2020/12/07 12:39:33 ID:AuD32R/3.s
そういや、マサキいたなー
518 : 1   2021/01/04 16:56:15 ID:4geypgR8r6
Pカチュウ(あいつら…)

出会いもあれば別れもある
そういうだけなら簡単なことだろう
しかしPカチュウにはそれが言えなかった
それだけ、Pカチュウにとってもこの仲間たちとの日々が大事なものになっているから
別れの話を口にしてしまえば、それを受け入れなくてはいけなくなるから
今はこの瞬間をただただ楽しんでいたいという気持ちが勝っている

Pカチュウ(俺もまだまだ大人になりきれないな)


このみ「お姉さんたちがセクシー漫才を披露するわよ!」

タケシ「お前もしかして何でもセクシーってつければいいって思ってるだろ」

このみ「行くわよサンダー!」

サンダー「どうもサンダーでーす!」

このみ「ファイヤーも準備がいい?」

ファイヤー「ファイヤーだぜ!どんとこい!!」

このみ「そして最後は!」

フリーザー「ホッホッホ、私の戦闘力は53万です」

このみ「ってそれはフリーザーじゃなくてフリーザでしょ!」ビシッ

一同「…」

このみ「ふふっ、あまりの面白さに言葉も出ないのかしら?それともお姉さんのセクシーオーラ―に当てられて放心したとか?」

ウォーカー「どっちもノーですが……あ、瑞希さん。そこに置いてある唐揚げ取ってくれませんか?」

瑞希「はい、どうぞ」スッ

このみ「ま、まあ若い子にはまだ早すぎたのかしら、ねぇ…はは、は…」
519 : 1   2021/01/04 16:57:11 ID:4geypgR8r6
百合子「それじゃあ次は私の出番ですね!とうっ!」

スタスタスタ

タケシ「って普通に壇上に上がるんかい!さっきの掛け声の意味は!?」

Pカチュウ「何を見せてくれるんだ?」

百合子「私は朗読をします!私が大好きなファンタジー小説を全章分!」

Pカチュウ「それ絶対長くなるやつだろ!」ガビーン

このみ「みんな疲れてきてるし、そろそろお開きにしましょうか…」

百合子「『ここはとある王国、この国には1000年前からの言い伝えがあった』」

Pカチュウ「人の話聞いちゃいない!」ガビーン

百合子「『大いなる闇が世界を覆う時、伝説の光が』――」


百合子「!?」

気づいたときには、知らない空間に百合子は立っていた
人も物も何もない、ただの真っ暗な空間

百合子「この場所、ヤマブキジムの時と同じ…」

???「百合子さん…」

百合子「その声…!?」

杏奈『百合子さん……久しぶり、だね』

百合子「やっぱり!杏奈ちゃんだ!!」ダキッ

杏奈『えへへ……くすぐったい……♪』

百合子「心の中の杏奈ちゃんに会うのもシルフカンパニーの時以来だね!」

杏奈『うん……けど今日は百合子さんに……大事なお話があって、会いに来たの……』
520 : 1   2021/01/04 16:57:52 ID:4geypgR8r6
百合子「大事な話?」

杏奈『うん……2つあるから、順番に話すね……まず1つ目だけど……百合子さんたちがいるこの世界が、今……大変なことになってるの……』

百合子「ええ!?」

杏奈『すごく大きい力……悪意の塊のようなものが……世界を侵食しようとしてるの……』

百合子「そんな…ロケット団は壊滅したし、ボスであるサカキも倒した…もうこの世界でそんな悪いことをしようとする人なんて……」

ふと百合子の脳内に浮かんできたのは、かつて行動を共にした男の姿…

百合子「マサキさん…?」

杏奈「少しずつ世界は悪意の存在によって変わってきてるの……それがさらに大きくなってきたらもしかしたらあっちの世界にも……」

百合子「あっちって…私が元いた世界にも!?」

杏奈『気をつけて百合子さん……敵はもう動き出している、よ……』

百合子「…分かったよ、ありがとう杏奈ちゃん!このことは私たちに任せておいて!」

杏奈『うん……流石、百合子さん、だね……』

百合子「で、もう1つの話は?」

杏奈『もう1つの話は…百合子さんにとっても結構重要な話……』

百合子「重要な話…」ゴクリ

杏奈『スマブラでセフィロス……参戦したよ……』


百合子「それ!すごく重要だよー!!……ってあれ?」

目線の先には杏奈の姿はなく、そして空間もなくなり、
元のいた場所へと戻ってきた
ただ違う点としては、百合子以外の皆はぐったりとしてその場で眠っていること

百合子「朗読している間にこんな時間に…さっきのも夢の中の話だったのかな……けど」

夢の話だからと言って無視することが出来ないのは、今までの経験から一目瞭然だった
百合子は自身の想像の世界で仲間たちの呼びかけで何度も危機を乗り越えてきたからだ

百合子「世界の危機…」
521 : 1   2021/01/04 16:59:55 ID:4geypgR8r6
~セキレイ高原~

カンナ「シバ、戻ったわ」

ワタル「戻ってきたぞ!」ドヤッ

カンナ「威張るな職務怠慢のくせに!」ゲシッ

シバ「ようやくワタルを捕まえられたか」

カンナ「こいつ、あの百合子って子の所にずっといたのよ!しかもサカキの捕縛に失敗してるし!」

ワタル「失敗したのではない!まだその“刻”ではなかった、それだけのことだ!」

カンナ「うっさいわボケ!」ゲシゲシ

ワタル「さっきから人の足を蹴るな!」

シバ「相変わらず仲がいいな!だけど、そんなイチャついている場合ではないぞ!」

カンナ「だ、誰がこんな奴と!」///

ワタル「同感だ」

カンナ「…」ボコッ

ワタル「おまっ…腹パンは流石に…」

シバ「…痛がっているところ悪いが、お前に大事な要件を2つ伝えなくてはいけない」

ワタル「ふ、2つ…?」

カンナ「何よそれ、私も初耳だわ」

シバ「お前たちが不在の時に起きた出来事だからな……さあ、良い話と悪い話、どっちから聞く?」

ワタル「無論良い話を聞こう!これを聞いている間に心の準備をする必要があるからな!」

カンナ「ヘタレな理由ね…」ドヨーン
522 : 1   2021/01/04 17:00:42 ID:4geypgR8r6
シバ「実はな、この間通販で買ったプロテインが超美味かった!」

ワタル「…」
カンナ「…」

シバ「…以上だ」

カンナ「ええええええええ!それだけ!?」ガビーン

シバ「で、悪い話なんだが…」

ワタル「待て待て!まだ心の準備が出来てない!」アタフタ

シバ「キクコが目覚めた」

ワタル「なん・・・だと・・・!?」ピタッ

シバ「しかもやつはどこかへ姿を消した」

カンナ「ど、どうして今になって…!」

シバ「分からない!しかしこれは由々しき事態だ!」

ワタル「…文字通り、眠れる獅子が目を覚ましたということか」

シバ「俺はこれからキクコの捜索に当たる!カンナ、手伝ってくれ!」

カンナ「…分かったわ。ワタルはここで待機してて!何かあったら連絡するわ」

ワタル「ああ、頼む…」

カンナとシバは慌てた様子で部屋を後にした

ワタル「『どうして今になって』か…、そんなの分かりきっている。異世界人たちの存在がキクコを目覚めさせたんだ…!はは…これは本当に終焉戦争が始まるかもしれないな…」
523 : 1   2021/01/04 17:02:18 ID:4geypgR8r6


百合子「ふあああ~よく寝た~……おはようございます」

ファイヤー「おはようございます!百合子さん!」

百合子「うわっ!びっくりした!というかさん付け!?」

ファイヤー「百合子さんは敬愛する姐さんの同期と聞いたからな!敬意をもってさん付けさせてもらうぜ!」

百合子「姐さんってもしかしなくても…」

このみ「その呼び方やめてって言ってるでしょ!」

百合子「や、やっぱり…」

ファイヤー「だって仲間から『このみ姐さん』って呼ばれてるって…」

このみ「字が違うわよ!」ガビーン

ファイヤー「けど俺は姐さんと呼ばせてもらうぜ!へへ…」

Pカチュウ「どこか小物臭いよなあいつ…」

タケシ「一応伝説のポケモンなのにな」

瑞希「かっこいいですね……姐さん」

このみ「瑞希ちゃん!?」ガビーン
524 : 1   2021/01/04 17:04:48 ID:4geypgR8r6
百合子「皆さん、おはようございます!」

Pカチュウ「ああ、おはよう」

ファイヤー「おはようございます!瑞希さん!Pカチュウの旦那!そして変態のタケシ!」

タケシ「何で俺だけ悪口!?」ガビーン

ファイヤー「え…だって旦那がそう呼んだ方が喜ぶからって…」

タケシ「おい」ジロー

Pカチュウ「やっぱりお前はこういうポジションだよな!」ビシッ

タケシ「…ファイヤー、こいつを旦那呼びなんて勿体なさ過ぎる。ツルピカPカチュウで十分だ」

Pカチュウ「誰がツルピカじゃー!俺はまだふさふさだっつーの!」

タケシ「うるさい!お返しだ!」

ファイヤー「喧嘩はやめろって!じゃあ半裸の大将でどうよ?」

タケシ「いいなそれ」ニコッ

百合子「えええええ!いいんですかそれで!?」ガビーン

瑞希「先ほどと違いが分かりませんね」

Pカチュウ「そういえば百合子、夜はずっとしゃべり続けてたけどよく眠れたか?」

百合子「夜…」

百合子は夢で杏奈に言われたことを説明しようとした…が

百合子(でも夢の出来事を皆に話して信じてもらえるか分からないし…それに…)

ウォーカー「皆さんお揃いで」

このみ「おはようウォーカーくん」

ファイヤー「おはよう、ちびっこ探偵!」

ウォーカー「こう見えても僕は大人なんだが……そもそも僕が子供の姿をしているのは黒の組織の取引現場を目撃して…」ウンタラカンタラ

百合子(ウォーカーさんにマサキさんのこと悪く言ってほしくないし…まだ言わなくても、いいよね…)
525 : 1   2021/01/04 17:13:34 ID:4geypgR8r6
シオンタウンに向けてどうろを進む一行

百合子「つ、疲れた…」

瑞希「長い時間歩き続けていますからね、私も少し足が痛くなってきました」

百合子「何か乗り物があればそれに乗っていけるのに」

瑞希「ここに乗り物は流石に…」

ウォーカー「…」スイースイー

何か板状のものに乗りながら2人の横をスイスイと移動するウォーカー

瑞希「あ…見つけた」

百合子「ウォーカーさん!それ何ですか!?」

ウォーカー「ああこれか。これはこくさいけいさつが開発した探偵グッズで、ターボエンジン付きのスケボーです」

Pカチュウ「どこまで某探偵に寄っていくんだお前は」ドヨーン

ウォーカー「なかなかの馬力で、複数人乗っても速く移動できるんですよ」

百合子「じゃ、じゃあ私も乗ってみていいですか!」

ウォーカー「ああ、どうぞ後ろに」

瑞希「あの、私も」

ウォーカー「いいとも!」

このみ「あら、私も乗ってみてもいいかしら?」
タケシ「俺も乗っけてくれ!」
Pカチュウ「実は俺もちょっと興味があるんだ」

ウォーカー「え…」
526 : 1   2021/01/04 17:15:54 ID:4geypgR8r6
1つのスケボーに乗る5人と1匹
先ほどまでスピードの出ていたスケボーは今や見る影もなく
隣を歩く瑞希のコダックが追い越してしまうくらいゆったりと動いていた

ウォーカー「…」キーキー

百合子「…何だか思ったより遅いですね」

瑞希「がっかりです…」シュン

ウォーカー「どう考えても定員オーバーが原因なのだが!?」ガビーン

タケシ「言い訳はよせって」

Pカチュウ「こくさいけいさつの技術ってのも大したことないな」

ウォーカー「…それは聞き捨てなりませんね……降りてください」

全員を降ろした後、ウォーカーは再びスケボーに乗る

ウォーカー「見せてあげましょう!このスケボーの真価をね!」

そう言うと、猛スピードで道を走りだした!

Pカチュウ「はやっ!」

瑞希「おお……すごいぞ…」

ウォーカー「ふふふ、どうですか!これが最先端の技術力ですよ!」フンス

このみ「ウォーカーくん!前!前!」

ウォーカー「え?」

ドンッ!
目の前の巨大な壁に激突し、ウォーカーはスケボーごと吹っ飛んでいった

ウォーカー「ぎゃああっ!!」

タケシ「…あいつもこの一行に染まってきたな」

このみ「でも道の真ん中に何で壁が…」

Pカチュウ「いや、あれは壁じゃない…!」


カビゴン「ZZZZ…」ドッシリ


百合子「巨大なポケモンが道をふさいでる!?」
527 : Pちゃま   2021/02/17 13:22:50 ID:q5xwnFKAxc
場繋ぎおまけ編
528 : Pちゃま   2021/02/17 13:23:03 ID:q5xwnFKAxc
一同「ポケモン25周年おめでとう!!」

タケシ「実にめでたい日だな!」

瑞希「はい、感慨無量です」

このみ「私たちもこれからもっと頑張っていかないとね!」

Pカチュウ「そうですね……あれ百合子、どうしたずっと黙って?」

百合子「私たちって23周年記念日に冒険をはじめてた気が。けど今は25周年ってことは…」

Pカチュウ「気のせいだ」

百合子「え!?でもスレタイ…」

Pカチュウ「気のせいだ!俺たちが冒険を始めたのは25周年からだ!誰が何と言おうと今も昔も25周年なんだ!」

瑞希「七尾さんは悪い夢を見ているんです。23周年と謳っておきながらいまだに完結せずにいるなんて事実はありえません……間違いない」

百合子「そ、そうですよね!私たちはずっと25周年を記念してきたんですよね!そしてこれから聖剣エクスカリバーを手に魔王城に乗り込むところなんですよね!」

このみ「2人が百合子ちゃんに存在しない記憶を植え付けたせいで更に妄想を重ねちゃってるじゃないの!」ガビーン

Pカチュウ「いやこれは百合子の地ですよ」

このみ「ま、まあ残り後少しだし頑張っていきましょう!」

タケシ「スローペースの冒険だけど、絶対に終わらせるつもりだから,結末は見届けてほしい」

百合子「じゃあ最後にお馴染みのあれ、やりましょうか!」

瑞希「それは賛成です」

Pカチュウ「お馴染みのってなんだ?」

百合子「それじゃあ行きますよ……私たちの戦いは!」

「「「「これからだーっ!!!!」」」」

Pカチュウ「それ打ち切りのやつー!!」ガビーン
529 : プロデューサーさま   2021/02/17 13:24:10 ID:q5xwnFKAxc
次回更新
明日か明後日
530 : 1   2021/02/19 21:36:28 ID:ZwBRpFI3x6
カビゴン「ZZZ…」

Pカチュウ「カビゴンだ…道の真ん中で寝てるせいで道が塞がってる」

タケシ「随分と巨大なカビゴンだな、通常の何倍も大きい…山かと思ったぞ」

瑞希「これでは先に進むのは難しいですね」

そう言いながら瑞希は上半身だけ埋もれていたウィーカーを引っこ抜く

ウォーカー「ゲホッ…通常のカビゴンは2.1m…なのにあれは5m近い巨体…ゲホゲホッ…恐らく突然変異体だ…」

このみ「まともに戦ったら危険ね」

タケシ「ふんっ!ふんっ!……ダメだ押してみたけどびくともしない」

Pカチュウ「百合子、ポケモンのふえを使ってカビゴンを起こすんだ」

百合子「無理やり起こしたら怒って襲ってきませんか?」

Pカチュウ「仮にそうなったとしてもあの巨体なら逃げるのは簡単だ」

百合子「分かりました!美しき風の音色で眠れる巨人を目覚めさせてご覧に入れましょう!」
531 : 1   2021/02/19 21:37:09 ID:ZwBRpFI3x6
百合子はポケモンのふえを取り出した

百合子「…」スーッ

カビゴン「ゴオオオオンッ!!」ハックション

Pカチュウ「!?」

このみ「カビゴンのくしゃみ…!?」

ウォーカー「大変だ、百合子さんがくしゃみの衝撃で飛ばされてしまった!」

Pカチュウ「ええ!?」ガビーン

百合子「私は今、風と1つになっていまああああああああす!」ビュウンッ

瑞希「案外余裕そうですね」

このみ「強くなったわね」ホロリ

ウォーカー「そんなこと言っている場合ですか!?」ガビーン

このみ「ファイヤー!百合子ちゃんを助けて!」ボンッ

ファイヤー「任せろ!!」ビュンッ

ファイヤーは物凄いスピードで先回りをし、百合子を受け止めた

百合子「ありがとうございます」

ファイヤー「当然のことですよ!百合子さんはこのまま捕まっててください、ふえはオレが持っておくんで――」

ボッ
…メラメラ

ファイヤー「あ」

百合子「ふえが…燃え…」ポカーン

Pカチュウ「何やってくれてんだお前ええええ!」ガビーン

ファイヤー「す、すんませんっしったー!!」(土下座しながら)

タケシ「積んだな…」
532 : 1   2021/02/19 21:41:14 ID:ZwBRpFI3x6
ウォーカー「いや、まだ諦めるのは早いですよ…ふえが使えないのなら別の手段で目を覚まさせてあげればいいんです」

タケシ「そんなうまい方法があるか?」

ウォーカー「僕の情報によると、カビゴンが一日400キロの食事をすると言います。つまりかなりの大食い…」

このみ「なるほど!食べ物で釣れば起きてくるかもしれないわね」

ウォーカー「その通りです」

ファイヤー「でもあいつが満足できるような食いもん、ここにあるの――」

一同「…」ジー

ファイヤー「あれ?何で皆してオレの方を見てんだ…?も、もしかしてオレを差し出そうなんて考えてねぇよな…?」アセダラダラ

ウォーカー「…」(『築〇魚〇岸三〇目』風作画で包丁構えながら)

ファイヤー「ちょっと!ちょっと!ちょっとォ!!」ガビーン

ウォーカー「安心してください…こう見えて僕は唐揚げを作るのが得意なんですよ」

タケシ「短い付き合いだったな」
Pカチュウ「お前の尊い犠牲は無駄にはしない」
瑞希「お元気で」
百合子「あなたのことは忘れません!」

ファイヤー「いやだああああ!靴でも何でも舐めますんでマジ命だけは勘弁してくれええええ!!」

このみ「もう皆…冗談はその辺にしなさいって」

瑞希「ファイヤーさんごめんなさい、ちょっと冗談が過ぎました……反省」

百合子「えへへ、つい悪乗りしちゃいました!」

Pカチュウ「ほら泣きやめって」

タケシ「誰もお前を食おうなんて思ってないぞ」

ファイヤー「み、みんなぁ…」ウルウル

ウォーカー「…チッ」(包丁をしまう)
533 : 1   2021/02/19 21:50:36 ID:ZwBRpFI3x6
百合子「料理を作ることが出来ないなら想像力に訴えかけましょう!」

瑞希「と言いますと?」

百合子「私がカビゴンにグルメを題材にしたファンタジー小説の読み聞かせをします!そうすればカビゴンの脳内は料理のことで頭がいっぱい!加えてこの物語をもっと聞きたくなって起きてくるはずです!」

Pカチュウ「パス!」

百合子「何故ですか!?」ガビーン

Pカチュウ「どう考えてもそれ長くなるやつだろ!だからダメだ!」

百合子「えー…せっかく布教のチャンスだったのに」

Pカチュウ「カビゴンに本の布教してどうするんだよ…」

このみ「でも話しかけるって言うのはいい考えかもしれないわね…お姉さんのセクシーなささやき声で興奮して起き上がっちゃうかも♪」

タケシ「それはどうかは知らんが、試してみるか…」

一同、一斉に声を出す

百合子「起きてカビゴン!私が面白いお話を聞かせてあげますよ!」
このみ「道の真ん中で寝てる悪い子はお姉さんがお仕置きしちゃうぞ♪」
瑞希「朝のラジオ体操の時間だぞ……いっちに、さんし」

カビゴン「…」ピクッ

Pカチュウ「おっ!反応があるぞ!」

カビゴン「…」ブッ

このみ「こ、このにおいってまさか…」

瑞希「」ガクッ
百合子「み、瑞希さああああああん!!」

Pカチュウ「この野郎!よくもうちのアイドルに屁を!このデブ!!」
ウォーカー「でくの坊!!」
タケシ「バカアホマヌケ!!」
ファイヤー「お前のかーちゃんでーべそ!!」

このみ(悪口の語彙力…)ドヨーン
534 : 1   2021/02/19 21:55:46 ID:ZwBRpFI3x6
カビゴン「…」ピクピクッ

一同「?」

カビゴン「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」ピキピキ

百合子「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」ナミダドバー

Pカチュウ「めっちゃブチキレてるうううううう!!」

カビゴン「!!」ドスッ

起き上がったカビゴンは百合子たちに向かって拳を放つ!
その強力な一撃で地面に大きな穴が空いた

ウォーカー「な、なんて威力…あんなのを受けてしまったらひとたまりもない」

カビゴン「ぐがああああああああ!」ドスドス

ファイヤー「え?オレ!?」

カビゴン「ぐがあああっ!!」ドスッ

ファイヤー「何でオレばっかりに攻撃すんだよー!」

Pカチュウ「お前、母ちゃんでべそとか言ってただろ!それでカビゴンキレたんだよきっと」

百合子「絶対そうですよ!自分のお母さん馬鹿にされて怒ってるんですよ!」

ファイヤー「いやいやそんなまさか!」

このみ「とりあえず謝っておきなさい!」

ファイヤー「姐さんがそういうなら…」
535 : 1   2021/02/19 22:00:34 ID:ZwBRpFI3x6
両翼を地面につける

ファイヤー「本当にすんませんっしったー!!」(土下座)

Pカチュウ「なんてきれいな土下座だ…長いことプロデューサーをやっているがあんなに美しい土下座を見たことがない…この点だけは俺も見習わなければ」

タケシ「どの点も見習うなよ」

ファイヤー「…ちらっ」

カビゴン「ごおおおおおおおおおおおおん!!」ピキピキ

ファイヤー「ダメじゃああああああああああああん!!」ナミダドバー

カビゴン「!!」ブンッ

百合子「まずいですよ!このままじゃ直撃しちゃう!」

ファイヤー「オレ…終わった…」

ファイヤーが全てを諦めかけていた…その時だった!

ガシッ!

カビゴン「!?」

ファイヤー「カビゴンの攻撃を受け止めた!誰が…!?」

瑞希「やっと目が覚めたようですね…」

ファイヤー「そ、その声は…!」

瑞希「そして私も目が覚めました……おはようございます」
536 : 1   2021/02/27 00:09:47 ID:ql30MTfdZA
ミリオンライブ 8周年&ポケモン赤緑25周年
おめでとう!愛してる!!
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