【安価SS】全6話・765プロ劇場ドラマ制作!
1 : 兄ちゃん   2021/06/13 18:57:19 ID:w3EMKvSgPE
試しに立ててみた(立っていたらいいけど)

【概要】
公序良俗を遵守
2日に1話更新を目標に
各話1000字程度を目安として
1話につき4~5箇所の安価
スレの過疎・あまりに混沌とした展開等がなければ完結させる気概はあります!
原則連投禁止→安価無効 直下あるいは再安価

前回の制作はこちら
http://imasbbs.com/patio.cgi?read=20101

※メインのキャスティング方法以外は前回の流れをおおよそ踏襲するつもりです。
※パート/シリーズスレかなと敬遠されても嫌だったのでスレタイに第2弾であることは示しませんでした。
117 : 変態大人   2021/06/20 19:27:24 ID:ZrxhnOJlyM
A 大阪府警から出向してきたナオ!
B 定期券
C まつり姫5人がかりでも動かないような研究装置がまるっと消えていたり
D 高3夏、資料を漁っていると謎の黒コートの女に「幻の林檎は人を幸せにしない(既存の種を味、病気に対する耐性、天候に左右されない供給などの生産のしやすさ、コスパ含めて全ての面で圧倒する林檎は市場から既存種を駆逐し、既存の農家の経営を傾かせる等々で経済を混乱に陥れ、必要以上に不幸な人を生むことになる)」と囁かれ(警告され?)そのことがずっと引っかかり、秋口に2度目の警告で幻の林檎プロジェクトには乗らないことを決め、そこから中退までの記憶は無く、現在も続く虚脱感だけは覚えている
118 : EL変態   2021/06/20 19:35:04 ID:Cv49Sn.DoQ
A 琴葉
B 液体入りのアンプル
C 研究所近隣で植物に関する怪談が広まっていた。
D のり子が農業以外の分野に興味を持ちはじめたが、それを上手く言い出せずに喧嘩になった。
119 : ハニー   2021/06/20 20:11:45 ID:nMf/4L3zrY
Aあゆあゆ
Bゲル状にドロドロになったリンゴ
C予測される爆心地の磁場が異常(100kgを超えているような研究機器が浮かんでいる。しかし人体には影響が無い)
D研究する農作物の育成方法ですれ違いが起きた
120 : ハニー   2021/06/20 21:35:06 ID:KmjFOXiwMU
A紗代子
Bめっちゃ研究について書かれてあるノート
Cリンゴの苗木の破片
121 : おにいちゃん   2021/06/21 06:46:03 ID:PCF1QnWDtE
A千早
B鍵束
122 : ボス   2021/06/22 07:46:01 ID:T17wfysrz6
レスありがとうございます!
以下にまとめていきます
活かせなかったレスがあり申し訳ないです
123 : プロデューサー様   2021/06/22 07:46:37 ID:T17wfysrz6
第5話(前編) aパート

(前略)
千早「桃子―――? どうしてこんなところにいるの!?」

小走りに近づいてくる女性は大きな声をあげる。
思わずそれに反応して桃子たちに視線を向ける人も多くいた。が、女性がキッと睨み返して、関わらないほうが身のためと判断したのか目を逸らすのだった。

のり子「えっと、桃子、この方は?」
おずおずと桃子の後ろからのり子は訊ねる。
桃子「従姉の如月千早さん。見てのとおり警察官……刑事なの」
雪歩「アイドルの間違いじゃなくて?」
環「すれんだー美人だぞ!」
千早「質問に答えなさい、桃子。野次馬なんてらしくないわよ。仮にも爆発現場、何が起こるのかわからないわ。早く帰りなさい、危ないから」

桃子のこと以外は目に入っておらず、声も耳に入っていないようだった。
理由を訊ねてはいるが、とにかく桃子をここから遠ざけたがっている。過保護……なのだろうか?

桃子「千早お従姉ちゃん、お願い、桃子の話を聞いて」
千早「うっ、そんな、お願いなんてずるいわ……なに?」
きりっとした表情から一変、ゆるゆるとなる千早。

桃子「かくかくしかじかローリング△さんかくなの」
千早「いつか○になるから見ててね!ってことね……名曲だわ。私ともデュエットしてほしいわね」
124 : P君   2021/06/22 07:47:04 ID:T17wfysrz6
(中略)
千早「荷物だけが残されていたわ。ブブゼラだったり、砂を詰めた瓶だったり、メモ書きだったり……でも本人はいない。爆発に巻き込まれたふうでもない」
のり子「じゃあ、いったいどこに!?」
千早「調査中よ」
雪歩「あ、あの! ひなたちゃんの残した持ち物に本はありませんでしたか?」
千早「本? いえ、なかったわ。―――って、あなた、萩原雪歩さん?」
雪歩「ぽえ?」
環「雪歩お姉ちゃんのこと知っているの?」
千早「本人の前で言うのもあれだけど、怪しい発明品をばんばん開発している会社の社長でしょ? ここらじゃ有名よ。自称ちんちくりんのくせして、私より出るところは出ているの。とんだ嘘つきだわ。私とはinfernoな関係ね。いつかどこかで偽証罪で立件したいって思っているわ。しかも近頃じゃ、アイドルが鱒釣りを競い合うなんて、クレイジーなゲームの開発に携わったって偶然耳にしたけど……」
自分で口にしておいて、まさか冗談よねと言いたげだった。雪歩は弁解したいところだったが今はそんな場合じゃないと思い直して「むむむ……」と唸るだけだった。

桃子「ねぇ、メモ書きって? 何が書かれていたの?」
千早「それは……」
桃子「お願い、千早従姉ちゃん」
千早「しかたないわね。でもね、桃子。そんな重要なものではないと思うわよ?そこの無駄に美人な社長が趣味にしているポエムみたいなものだから」
雪歩「!?」

千早は部下に頼んでメモを持ってこさせた。
透明なビニール袋に入ったそれを、のり子が読み上げていき、雪歩が内容を書き留める。

『楽園への第三の歩。
 九つの暁、熱き乙女たちの汗と涙を受けとめし砂を一握振りまき、祈るは再生
 轟音響かせる魔笛を十夜にわたって聴かせ、願うは破滅』
125 : プロデューサー   2021/06/22 07:47:19 ID:T17wfysrz6
千早「そういえば、あと気になっているのは直近で私の新規SSRが実装されたから周年FES候補からは実質外されて、萩原さんが有力になっていることかしら」
桃子(あ、あの、千早さん! 台本と全然違うよ!?)ササヤキモモコ
千早「こほん……失礼。研究所近隣である噂が広まっているわ。こんな田園で広まるのも妙だけど、内容はもっと妙ね」
環「うわさ……?」
千早「そう。植物に関する怪談よ」
のり子「幽霊の正体見たり枯れ尾花、なんてことも言うけれど……植物自身の怪談ね。具体的にはどういう?」
千早「ありえない速度で成長したり、かと思えば一晩で枯れていたり、風もないのに踊るようにくねくねと動いたり、果てには歌ったり……聞いてみたいものだわ、それが本当なら」
雪歩「もしかして野生のフラワーロック!?」
のり子「社長、そういう話じゃないと思う……というか、フラワーロックが通じる人、きっとそんないないよ」
126 : Pさぁん   2021/06/22 07:47:36 ID:T17wfysrz6
第5話(前編) bパート

(中略)
環「あのね、たまきとももこじゃ、ひなたのお母さんたちからあんまり話を聞けなかったんだ」
桃子「所詮は春からのちょっとした知り合いってだけ、そう認識されていてもおかしくないよね」
雪歩「でも、のり子ちゃんは違う。そうだよね?」
のり子「そ、そんな、わざわざみんなで台詞を分けて言うことじゃ……」
桃子「のり子さん!」
のり子「!」
桃子「桃子たちに、そろそろ教えてくれる?」
のり子「え……」
環「ひなたと何があったの?」
雪歩「私も知りたいな。お願い、のり子ちゃん」



のり子「……きっかけはバイクだった」
127 : そこの人   2021/06/22 07:47:52 ID:T17wfysrz6
環「バイク?」
のり子「そう。ひなたと一緒に見に行ったアクション映画でさ、主演女優が大きなバイクを乗りこなして、敵組織の追跡を振り切るシーンがあったんだよね。それがもう、めちゃくちゃかっこよくて。アタシ、それで免許とろうって思ったんだよね。当時は大型取得はまだでも普通までなら取れる年齢だったし、先輩にはバイク通学を許可されている方もいたから、いろいろ話を聞いて」
桃子「それって、時間もお金もかかるんじゃない?」
のり子「鋭いね、桃子は。ずばりそれが理由でアタシはどんどんひなたとの時間を減らしていってしまったんだよ。教習所に、資金稼ぎのアルバイト、それに加えてバイク関係でできた新しい友達との交流……そういう刺激って、ひなたとの日々にはあんまりなかったからかな、ついついのめりこんじゃって」
雪歩「……それで、ひなたちゃんは?」
のり子「楽しげに新しい世界のことをアタシが話すと、『のりちゃんはすごいべさ』なんてさ……ちゃんと聞いてくれるもんだから、なんていうかな、許されている感じがあったんだよね。話す時間がちょっとぐらい減ったところで、アタシたちの友情にヒビなんて入ると思いもしなかったよ………あの日が来るまでは」
128 : せんせぇ   2021/06/22 07:48:43 ID:T17wfysrz6
第5話(前編) cパート
高3の夏のことだから、今からだいたい一年前のことだね。お互い、受験勉強に明け暮れていたっけ。同じ大学目指してさ。………その日、アタシとひなたは久々に休日を丸一日共にする予定だった。うちの高校の先生の知り合いの紹介で、農業化学、なかでもリンゴに関しては学術的権威とされる方と話せる機会ができたんだ。それでアタシたちふたりで会いに行った」
アタシたちにとっての夢、幻のリンゴ。ひなたはアタシが知らない間に、アタシの何十倍も専門的な知識を身に着けてその先生をうならせていた。それでも、幻のリンゴの実現は難しいという事実は翻らなかったし、もし本気で開発に挑むならそれ相応の環境に身を投じなければならないという話をしてくださったんだ」
先生の話に感銘を受けて、いっそう農学を勉強しよう、夢のために一歩ずつ確実に進んでいこう。
――――そう思えたのはひなただけだった。
129 : Pチャン   2021/06/22 07:48:55 ID:T17wfysrz6
アタシは………馬鹿だよね、そんなひなたの隣りで腐っちゃったんだよ。いつの間にか、ひなたに農業のことでこんなにも差をつけられていて、そのことに打ちのめされてさ、アタシなんかがこの子と一緒に夢を追いかけるなんておかしいんじゃないかって。
それなのに、ひなたはバイク乗り回して遊んでいるアタシのことを、すごい、すごいなんて、あれ?本当はひなたは最初からアタシのことなんてただの友人、大学にいったら捨てられちゃうんじゃないかって……そんな風にどんどん悪い方向、おかしな方向に考えが進んじゃって。
それで、その日、先生のもとから去ると、その後は元々は受験勉強の気分転換に遊びに行こうって予定だったんだけどね、アタシ、気分がのらないから帰りたいなんて言っちゃってさ。
そうしたら、ひなたが腕をさ、こう、掴んできた。会った時から全然変わらない、小さな手で、弱々しく、泣きそうな顔をして。
ぎょっと驚くアタシに、ひなた、なんて言ったと思う?



「のりちゃん……あたしのこと、嫌いになったべさ?」
130 : プロデューサーさま   2021/06/22 07:49:09 ID:T17wfysrz6
そうじゃない、そうじゃないんだよ。でも、アタシ、すぐにその言葉が出てこなかった。
きちんと説明して、それでまたひなたに負けじと勉強して、頑張ればいい。そう思えるのは今だからで、そのときのアタシは、馬鹿なアタシは―――怒ったんだよね。
何に対する怒りか、ってそれは間違いなく自分に対する怒りなんだろうけれど、それをひなたにぶつけてしまっていた。
なんでアタシに黙って、そんな専門的なことまで勉強しているんだよ!とか、バイクに夢中になっているアタシを止めてくれればよかったのに!とか、ひなたは……ひなたは本当にアタシといっしょに夢をかなえるつもりはあるの?なんて、そんなどうしようもなく自分勝手なことを散々言っちゃったんだ。
それで弱々しい腕を、きっとアタシが振りほどいた。
俯いてすすり泣きをはじめるひなたに背を向けて歩きだすアタシは、その時になってもまだ、ひなたが何か声を、振り絞って声をアタシにかけてくれることを期待していたんだ……。
131 : 番長さん   2021/06/22 07:49:21 ID:T17wfysrz6
のり子「ぐす……。ははっ、まぁ、こんな感じ。全部さ、アタシが悪いんだよ。それは間違いないんだ。会わなくなって半年以上経って、そして今、会いたくても会えなくなって、やっと、うん、やっと、気づいた。ひなたはその名前のとおりさ、アタシにとって陽だまりだったんだって。アタシはその眩しさに、目を背けてしまったろくでもない日陰者なんだよ―――」



第5話後編につづく
132 : Pちゃん   2021/06/22 07:52:04 ID:T17wfysrz6
のりひなの過去についてはもっともっと丁寧に書きたかった気持ちもありましたが、めんど……じゃなくて、時間と体力がなかったので、まぁ、妥協しました。
大切なのは、ほら、再会できてからなので……。

後編のあらすじ投下は、早ければ今夜を予定。明朝になるかも?

ご意見・ご想像募集中です!
ひなた、今、どこにおるんや……(何にも考えていない)
133 : あなた様   2021/06/22 21:23:10 ID:T17wfysrz6
第5話後編 投下していきます
ご協力何卒お願いします……!
134 : お兄ちゃん   2021/06/22 21:23:26 ID:T17wfysrz6
第5話(後編) aパート
茶店でのり子が打ち明けた過去、ひなたとのすれ違い。
雪歩たち3人は何と声をかければいいかわからなかった。
冷たい麦茶、グラスの中の氷が溶けていく。
やがて、からんと小さく響く。

のり子「取り戻したいんだ」

目元をすっと拭うと、のり子が3人の顔を見て言う。

のり子「じゃなきゃ、これからずっと暗い道を歩んでいくことになるから。ひなたともう一度会って、謝って、話して、それで……どこを歩いているのかさっぱりな日々とはさよならする。……ひなたがアタシを許してくれるか、それはわからないけれど」
135 : 箱デューサー   2021/06/22 21:23:40 ID:T17wfysrz6
雪歩「私から言えることは……」

のり子の決意を聞いて、雪歩がたどたどしくも、しかしのり子の赤らんだ目をしっかり見て言う。

雪歩「ひなたちゃんはのり子ちゃんを友達だって、大切な人だって、今でもきっと思っているに違いないってことかな。それは桃子ちゃんたちからの話からもわかるよ。ひなたちゃんはのり子ちゃんを悪く言ってなんてないし、>>100さんの言うとおりだと思いますぅ」

桃子「うん。許すも何も、ひなたさんはのり子さんを恨んでなんかいないんじゃないかな」

環「ひなたはのりこのこと、好きだって思うぞ。のりこは? のりこもひなたのこと、好き?」

のり子「…………うん」

雪歩「それをひなたちゃんに伝えないとね。大丈夫、喧嘩するほど仲がいいっていうし、半年なんてのり子ちゃんたちが紡いできた日々よりもずっとずっと短いでしょ?」

のり子「……うん」

桃子「はいっ、それじゃあ、調査再開!」

のり子「―――うん!」
136 : Pサン   2021/06/22 21:23:51 ID:T17wfysrz6
桃子の号令を合図に、4人は調査を再開する。
雪歩はひなたと同じく行方不明となっている例の研究所の所長の情報を追う。
桃子・環は例の本の著者について調べにひなたの通う大学へと。
そしてのり子は木下家へ。ひなたがエデンに行き着いた経緯を調べに。
137 : Pサン   2021/06/22 21:24:10 ID:T17wfysrz6
第5話(後編) bパート
のり子「ひなたの家……久しぶりだな。おばさん、元気にしているかな」

一軒家に祖父母と両親と共に5人暮らしのひなた。(※劇中の設定 一人っ子)
中高生の頃、のり子はよく木下家におじゃましたものだった。

夏の午後6時、まだまだ日は高く、暑い中、のり子はインターホンを鳴らした。
返事がなく、もう一度鳴らす。留守、だろうか。
間をおいて、3度目のインターホンを鳴らそうとしたとき、後ろから「のり子ちゃん?」と声がした。
振り返ると、そこに見覚えのある女性がいる。が……記憶よりも老け込んでいる。疲弊しているふうだった。

のり子「こんにちは―――小鳥おばさん」

小鳥「おば……!? い、いやねぇ、のり子ちゃん。久しぶりだからって、そんな言い方せずとも、小鳥さんでいいのよ、ええ、そうしなさいな」

のり子「え? でも台本……」

小鳥「まぁ、立ち話もなんだから、あがって、あがって」

のり子「は、はい」
138 : Pサン   2021/06/22 21:24:29 ID:T17wfysrz6
のり子「えっ。おじいさんが亡くなった……?」

ひなたの母・小鳥おばさん(演:音無小鳥)に案内された居間で、のり子は衝撃の事実を知る。
ひなたが失踪するほんの一カ月前に同居していたひなたの祖父が心臓発作で亡くなっていたのだ。
のり子はそのことを知らなかった。もしかしたらのり子の家族や友達の誰かは知っていたかもしれない。
けれど、のり子の耳には入らなかったのだ。あるいは……入れなかったというべきか。

小鳥「ええ、今、思えば、その頃からひなたの様子がおかしくなっていったのよね。ただ、悲しんでいるふうではなかった。どうして私はそのことに気づいてあげられなかったのかしら……」
小鳥おばさんの声に悲痛さがこめられていく。警察関係者にもう何度か話していたのだろうか、のり子が訊かずとも、小鳥おばさんはひなた失踪までの様子を話してくれた。
結論、わかったのはひなたが何か、寝食を忘れてまで調べ物に没頭していたとのことだった。
のり子はひなたの部屋を見せてもらっていいか聞いた。小鳥おばさんはうなずく。ひなたがいなくなったときのままよ、と言う。


のり子「ひなたの匂いだ……」
部屋にドアを開き、中に入るとのり子は思わずそう口にしていた。懐かしい。そう感じずにはいられない。

のり子「これ……あのときの」
机上に置かれた【A】につい手が伸びる。
(以下、加筆予定)
139 : 高木の所の飼い犬君   2021/06/22 21:24:40 ID:T17wfysrz6
のり子は木下家を後にする。研究所以外でひなたの行方を示す手がかりはなかった。
しかし、ひなたがエデンを求めた理由は予想できる。
それは祖父の死が起点となっている……いや、もしかしなくとものり子との喧嘩なのだろうか。
ひなたは表面上はいつもどおりでも、その心には陰りが生まれていたんだ。
ただの人を超人と変えるエデン。楽園の林檎。
それがあれば、悲しむこともなくなる、すべてがうまくいく―――そんな盲信をひなたはしてしまったのかな。
友との別れと身内の不幸が理性を蝕み、オカルトを信じる結果となった。
自分がそうなる可能性だってあったのだ、そうのり子は思った。

桃子たちに調査の進捗をメールで訊ねるとまだ時間がかかるようだった。
140 : Pしゃん   2021/06/22 21:25:04 ID:T17wfysrz6
第5話(後編) cパート
翌日の昼。曇天。例の茶店に集まった4人。

桃子「例の本の著者の論文を見つけたよ。論文って言っても、内容が支離滅裂……思春期の中学生が勢いで書いたようなものだったからなのかな、ちゃんと管理がされていたわけではないけどね」

環「エデンの作り方もわかっちゃったぞ! ……よくわかんないけど」

桃子「雪歩さんの痛いポエム……じゃなくて、えっと、ほら、千早お従姉ちゃんが見せてくれたあのメモ。あれ、やっぱりエデンの作り方の一部みたいね。情報量はたぶんひなたさんが借りている本ほどじゃないけど、作り方がああいう感じに載っていたの」

のり子「あのメモ……たしかに『楽園への』とはあったね」

雪歩「読ませてくれる?……ふむふむ。え? これってつまり、あの砂の入った瓶も、ブブゼラも、エデンにつながるものだったってこと?」

のり子「『熱き乙女たちの汗と涙を受けとめし砂』は、雪歩さんが行ってくれた例のビーチ、超ビーチバレーの大会会場の砂のことだろうね。そして『轟音響かせる魔笛』ってのはブブゼラ……ショッピングモールで買ったのかな。とりあえずあるか聞いてみたのかも。タラバガニさんは何も言っていなかったけど、所詮はヤドカリ下目だし。

桃子「気になるのはこれが『第三の歩』(≠舞浜歩)ってことだね」
141 : おにいちゃん   2021/06/22 21:25:32 ID:T17wfysrz6
雪歩「ねぇ、桃子ちゃん。エデンへの道って、全部で何歩あるの?雪歩?」

桃子「5歩みたい。それとほら、ここを読んで」

『楽園への第4の歩【B】』

のり子「!! ねぇ、これって、まさか……」

環「なになに、どういうこと?」

雪歩「わかりましたぁ! 昨日のあの爆発、あれが第4歩の結果なんだね……!」

桃子「うん、そういうことだと思う。この際、一歩目と二歩目のことはいいとして、とにもかくにも、ひなたさんはエデンに確実に近づいているんだよ」
142 : プロヴァンスの風   2021/06/22 21:25:54 ID:T17wfysrz6
環「あれ? でも、あの研究所、ひなたの研究所じゃないよね?」

のり子「そう。協力者がいる。ううん、ひょっとしたらその人がひなたを唆した可能性だって……!」

雪歩「そのことなんだけど、例の所長、調べてみたよ。そうしたら……」

のり子「そうしたら?」

雪歩「所長―――【C】はその本の著者の孫娘だってことがわかったんですぅ! 」

桃子・環「どひゃぁっ!!」

のり子「なるほどね。これで事態が飲み込めてきたね」
143 : 彦デューサー   2021/06/22 21:26:13 ID:T17wfysrz6
のり子「ひなたからだったのか、それとも傷心中のひなたにその所長が偶然出会って、協力を求めたのか……いずれにせよ2人はエデンを作り上げるために動いているってことだよね」

環「もうできてはいないの?」

雪歩「たぶん……。第5の歩(≠舞浜歩)を解読しないことには、それが時間がかかるものか第4歩のあとすぐに達成できるかわからないかな」

環「エデンが出来上がったら、どうするつもりなのかな、ひなたは」

桃子「どうするって、それは……」

のり子「アタシが思うに、まずはひなたたちが食べるだろうね。自分で食べられないものを広めるようなことをする子じゃない」

雪歩「ひ、ひなたちゃんが超人になっちゃうってこと?そんなの組長よりやばいんじゃ……」
144 : お兄ちゃん   2021/06/22 21:27:08 ID:T17wfysrz6
のり子「阻止しないといけない。してみせるよ!」

桃子「そもそもエデンがそんな夢のようなものだとはどうしても思えないよ」

雪歩「うん。言うなれば人間の道理から外れる禁断の果実なんだよね」

のり子「さぁ、第5の歩(≠舞浜歩)を解読しよう。ひなたたちがどこにいったのかは、そうすればわかるはず」

環「うん!」

『楽園への第5の歩 【D】』
145 : おにいちゃん   2021/06/22 21:27:40 ID:T17wfysrz6
第5話(後編) dパート

(加筆予定)

※【A】ひなたとの思い出の品
※【B】エデン生成第四の工程 爆発へと至る様な記述 ふわっとした感じでかまいません
※【C】黒幕の名 必ず765プロのアイドルから選んでください。ただしひなたより年上に限定。なお、前話あたりで「変わった苗字」みたいな記述をした覚えがありますが気にしなくていいです。原則多数決。
※【D】エデン生成最終工程 【B】と同様に怪文書ばっちこいですが、ひなたたちの居場所が推理できるものでお願いします。なんだったら、「正解」も付記していただけると嬉しいです。文章が思いつかなければ、ひなたたちの居場所をレスお願いします。こっちでそれっぽい文章作ります。

クライマックスです。何卒最後までお付き合いを! ただ、第6話も前編・後編別れるかも。

レスの有効期限は6/24 03:59:59 まで 清書投稿は早ければ6/24の朝に。なんとか周年イベントまでに終わりそう!
146 : ご主人様   2021/06/22 21:48:59 ID:d8G0j8Q11U
A寄せ木細工
C風花さん
147 : せんせぇ   2021/06/23 21:55:35 ID:oT40GfQhUU
A 万年筆(副賞か何か)
148 : 夏の変態大三角形   2021/06/23 22:17:13 ID:Daps/vs6pw
B 純粋な固形水素から黄金を精製するのと同じ要領のため割愛
D 私のためにご苦労様でした。ここまで読み進めて律儀に実行してきたあなたに敬意を表し、消えて頂きます。(みたいな感じの具体的な工程ではなく殺害予告めいた文書)
149 : 番長さん   2021/06/23 22:47:36 ID:CG0fHBMr1I
A小学生の頃の落書き帳
B手順1~3で集めたものを765気圧の環境に39時間さらす。その後一気に元の気圧に戻す
Cロコ
D町から7本目の鉄塔の下、隠された地下室で「儀式」を行う
150 : 変態インザカントリー   2021/06/23 23:22:14 ID:Zr06iKxAsA
A:リンゴをかたどった飾り物(二人お揃い)
B:>>148>>149を合わせたところに1.21ジゴワットの電流を流してエデンを起動させる
C:紬
D:ひなたの身体は別の人物に作り替えられていた
(今まで出てきた誰か、不都合なら美奈子)
記憶はあれこれ抜け落ちてしまっているが、エデン起動だけは止めたいと奔走している
そして誰にも信じて貰えないだろうと一人で無茶をしようとしている
151 : ハニー   2021/06/24 05:29:54 ID:1A97uFWXY6
レスありがとうございます!

そして、ごめんなさい!
【D】の安価の出し方が悪く、説明不足もあってか、こちらで処理するのが難しく、再度、簡略化したものを出させてほしいです!
せっかく書いてくださったのに申し訳ない!何か別の形で活かせれば……!と思っておりますゆえ、何卒ご容赦を…!

ひとまずはできている部分をまとめていきますね。
152 : プロデューサーくん   2021/06/24 05:30:09 ID:1A97uFWXY6
第5話(後編) aパート

(前略)
のり子「ひなたの匂いだ……」
部屋にドアを開き、中に入るとのり子は思わずそう口にしていた。懐かしい。そう感じずにはいられない。

のり子「これ……あのときの」
勉強机、家族写真の入ったフォトフレームのそばに、万年筆が置かれている。
飾られている、といったほうが正確で、赤いリンゴを模した小さなペン立てに刺さったその一本はまるで伝説の剣。
思わずのり子はそっとそれを引き抜くとじっくりと検分する。
『○○○市農業科学大会 高校生部門 銀賞』
刻まれた文字を指でなぞると共によみがえる記憶。そうだ、あのときはまだアタシたちは親友だった。
3年生になったら今度こそ金賞を、なんて言っていたのに。

のり子は木下家を後にする。研究所以外でひなたの行方を示す手がかりはなかった。
しかし、ひなたがエデンを求めた理由は予想できる。
それは祖父の死が起点となっている……いや、もしかしなくとものり子との喧嘩なのだろうか。
ひなたは表面上はいつもどおりでも、その心には陰りが生まれていたんだ。
ただの人を超人と変えるエデン。楽園の林檎。
それがあれば、悲しむこともなくなる、すべてがうまくいく―――そんな盲信をひなたはしてしまったのかな。
友との別れと身内の不幸が理性を蝕み、オカルトを信じる結果となった。
自分がそうなる可能性だってあったのだ、そうのり子は思った。

桃子たちに調査の進捗をメールで訊ねるとまだ時間がかかるようだった。
153 : 箱デューサー   2021/06/24 05:30:26 ID:1A97uFWXY6
第5話(後編) bパート
翌日の昼。曇天。例の茶店に集まった4人。

桃子の見つけてきた論文もどきによって、ひなたが持ち出している本の内容、すなわち禁断の果実であるエデンの生成方法を知る4人。
ひなたがショッピングモールで楽器屋に寄ったり、超ビーチバレー大会の会場にいたりしたのも、すべてエデンのためらしかった。

雪歩の調べにより、教会の外観をした例の農業研究所の所長・豊川風花が、その論文の書き手(=例の本の著者=エデン研究者)の孫娘であることが判明する。
彼女がひなたに協力を仰いだのか、それともひなたから彼女に縋ったのか、それはまだわからぬままだったが、どうにかして彼女たちの行方を突き止めなければならない。

雪歩社長のポエムに匹敵する難解な用語が散りばめられた論文を解読すると、エデン生成の第4工程はそれまでの工程によって得られたものを、専用の装置によって765気圧の環境に39時間晒した後、一気に元の気圧に戻すというものだった。
第1~3の工程においては、純粋な固形水素から黄金の精製を試みたり、種子に1.21ジゴワットの電流を流したりと、さながら錬金術師の所業であったが、ひなた個人でそれを成せたとは到底思えない。
いずれにせよ、研究所の爆発は論文を読み解いてみるに、エデンへの道程で必要なものであるようだった。
154 : Pたん   2021/06/24 05:30:44 ID:1A97uFWXY6
第5話(後編) cパート

のり子「それで、最終工程はどうなの? それこそひなたたちが今いる場所の手がかりになるわけだよね」

雪歩「あの爆発が第4の歩を達成した証拠なら、早くしないとエデンが完成しちゃう……?」

桃子「各工程によって成し遂げるのに要する時間にばらつきがあるから、なんとも言えないけど……えっと、ほら、ここ。これが最終工程が記述されている部分みたいなの」

のり子「………これって、暗号?」

環「うーん、たまき、英語はわかんないぞー」

雪歩「アルファベットの文字列だけど英語ではないよね、これ。英語だったら劇中で高校生設定の環ちゃんがまったく読めないのも不自然だし」
155 : 兄(C)   2021/06/24 05:30:56 ID:1A97uFWXY6
桃子「そ、そうだね。えーっと……結論を言うと、暗号なの。しかもとんでもなく厄介な」

のり子「ええっ!? じゃあ、どうするのさ、そんなのアタシたちで解くなんて……」

桃子「大丈夫、もう解けているから」

雪歩「へ? ひょっとして桃子ちゃん、今回も天才少女だったの?」

環「すごいぞ、ももこ!」

桃子「ちがうよ。今回はJK桃子だけど。あのね……紬さんが解いてくれたの」

のり子「紬さん?」
156 : ご主人様   2021/06/24 05:31:15 ID:1A97uFWXY6
桃子「ほら、あの時の司書さん」

環「『なんなん……』って言っていた人?」

桃子「そうだっけ? ……大学でね、偶然出会ったの。というか、廊下の角でぶつかっちゃって」

雪歩「既視感のある流れだね。それで?」

桃子「桃子が持っていたこの論文が床に散らばって、それを拾ってくれたんだけど……この頁を見て『面白そうな暗号ですね』って」

のり子「へぇ……」

桃子「なんかね、名探偵の血を継いでいるとか、いないとかなんだって」

雪歩「急にその設定、なんなん……」
157 : プロデューサー   2021/06/24 05:32:00 ID:1A97uFWXY6
第5話(後編) dパート

某所

風花「もう少し……そう、もう少しでエデンが完成するわ。嬉しいでしょう、ひなたちゃん」

ひなた「…………」

風花「ふふっ、もう、聞こえていないかしら。でもね、大丈夫。貴女のこれまでの貢献を称して、栄えある最初の実験体は……ひなたちゃん、貴女にしてあげるからね」

ひなた「………ちゃ……ん」

風花「うん?」

ひなた「の……り……」

風花「のり弁? いやだわ、お腹空いているの?」



ひなた「のり……ちゃん……た……すけ…て」

最終話につづく―――
158 : プロデューサー殿   2021/06/24 05:36:57 ID:1A97uFWXY6
以下の内容のレスを募集します

【ひなたと風花の居場所(=エデン最後の生成方法≒あやしい儀式が行われる場所)】

※儀式の内容を付記していただいてもかまいません。
※宇宙とかそういうのは無しでお願いします。

レスの有効期限は6/25 01:59:59まで
いただいたレスをもとに、最終話(おそらくは前編)のあらすじを近日中に投下します。

何卒ご協力お願いします!
159 : Pちゃん   2021/06/24 05:38:43 ID:1A97uFWXY6
>>151
念のため申し上げると説明不足というのは、こちらの説明不足です!
いただいたレスに対する意見・感想じゃないです!
160 : P君   2021/06/24 06:25:39 ID:MnrcaMaIAI
研究所の隠し扉の先にある巨大な地下庭園(美しいがどこか生気のない植物が配され、気候、地域等の特色的に共存がありえない種が所狭しと並んでいる)
161 : 兄(C)   2021/06/24 19:31:24 ID:7JSm.24WvY
そこにいる生き物達が作り物めいている
162 : そこの人   2021/06/26 04:29:56 ID:YNh0DcIr9U
レスありがとうございます
最終話の下書き投下してきます
163 : 兄ちゃん   2021/06/26 04:30:57 ID:YNh0DcIr9U
最終話 aパート
エデン研究者の論文は、ポプマスでのブライダル限定衣装の立ち絵が美人過ぎる紬の協力によって解読された。
のり子・桃子・環・雪歩の4人は、雪歩の秘書の運転する車に乗ってエデン最終工程が行われるであろう場所へと向かった。

キキーッ、ドンッ

のり子「ここにいるんだね、ひなたが……」
桃子「ねぇ、今、何か轢かなかった?」
雪歩「まさか爆発のあった研究所、まだ立入禁止になってはいるけど、見張りの人はいないみたい」
環「よーしっ、せんにゅうだぞー!」

雪歩「みんな、待って」
のり子「え? どうしたの雪歩社長」
雪歩「ここから先は危険だから――――例のものをお願い」

雪歩がパチンと指を鳴らすと(きれいに鳴るまでNGを繰り返した)秘書が車のトランクから大荷物を取り出す。
164 : プロデューサー   2021/06/26 04:31:12 ID:YNh0DcIr9U
桃子「それは……?」
雪歩「何かあったときのことを考えて、用意したの。うちの非売品」
環「ひばいひん? 売っていない商品ってことだよね」
雪歩「うん。正確には売るのを断念した、売ることを許されなかったものなの。これらのビックリドッキり秘密道具がきっと研究所攻略の役に立ってくれますぅ!」
のり子(ヤッ○ーマンとド○えもん混ざっていない?)



雪歩「桃子ちゃんには、はい、これ」
桃子「これ、なに?」
雪歩「【A】」
165 : ぷろでゅーしゃー   2021/06/26 04:31:34 ID:YNh0DcIr9U
雪歩「環ちゃんにはこっちを」
環「おー!なんかすごいぞ!ありがとう、雪歩お姉ちゃん!」
雪歩「ふふっ、それは【B】。大切に使ってね」

雪歩「のり子ちゃんにはまず、これ」
のり子「え?これ……衣装?」
雪歩「いわゆるパワードスーツなんですぅ。その名も『アクションスピリッツ』! さぁ、さっそく着て!」
のり子「今ここで!?」
雪歩「そうそう、現役JDアイドルの生着替えでテコ入れですぅ!」
のり子「最終話なのに!?」



桃子「わぁ……のり子さん、よく似合っているね。まるで恒常SSR一枚目の衣装みたい」
環「パワフルガールって感じだぞ~!」
のり子「な、なんだか恥ずかしいな」
雪歩「それと、これも」
のり子「えっ、いきなり物騒なものだね」
雪歩「これは【C】。のり子ちゃんなら上手く使いこなせると思いますぅ」

かくして雪歩社長からビックリドッキり秘密道具をもらい、準備が完了した一同。
ついに研究所へと足を踏み入れる。目指すは地下庭園。そこにひなたがいることを信じて―――。
166 : 3流プロデューサー   2021/06/26 04:31:55 ID:YNh0DcIr9U
最終話 bパート
桃子「地下に降りる階段なんてないね……どこかに隠し扉があるのかな」
環「なんにも手がかりがないんじゃわかんないぞ」
のり子「雪歩社長、何かこういうときのための発明品ってないの?」
雪歩「ふっふっふ、もちろんあるよ。こういうときのために……じゃじゃーん♪」
桃子「なにそれ、ダウジングロッド?」
雪歩「なんとぉ!その名も『隠し扉探しロッド』ですぅ!」
のり子「そのまんまじゃん……」
雪歩「そのまんま雪歩ですぅ!」
環「たまきに使わせてー!」
雪歩「いいよ、はい」
桃子「緊張感ないなぁ」

39分後
のり子「この反応! うん、隠し扉はここだよ!」
雪歩・環・桃子「……………」←35分間、ロッドを交代しながら探していた3人
167 : 変態大人   2021/06/26 04:32:12 ID:YNh0DcIr9U
のり子「あ、あれ? 開かない。鍵がかかっているみたい」
雪歩「そういうときこそ、アクションスピリッツの出番ですぅ! のり子ちゃん、魂から湧き出る言葉を叫びながら扉にパンチしてみて!」
のり子「ええっ?! きゅ、急にそんなこと言われても」
桃子「いいから、早くして。のり子さんの役目でしょ」
環「たまきもいっしょに叫んであげよっか?」
のり子「い、いや、アタシひとりでやってみるよ。えーっと……」


のり子「【D】ーーーっ!!!!」

ズガゴーーンッッ

雪歩「やりましたぁ!」
桃子「これ、空けたというよりぶっ壊したって言った方が正しいんじゃ……あ、でもたしかに奥に階段があるみたいね」
環「下のほうから明かりがもれているぞ。誰かいるんだね」
のり子「……行こう」
168 : プロデューサークン   2021/06/26 04:32:42 ID:YNh0DcIr9U
??「そうはさせないわ」



一同が驚いて、声のした方向を見やると、そこに見覚えのある人物がいた。

のり子「あなたは………事務員さん!?」
静香「ふふ……名乗っていなかったわね。私は最上静香。あなたたちが最期に出会う人間よ」
雪歩「!? ど、どういうこと!?」
静香「偉大なる風花様のために、地下室へは行かせない。ここであなたたちはうどんの出汁にでもなってもらうわ!」
環「ええーっ!! それはイヤだぞ!」

静香「伸びて!『Catch my dream』!!」
掛け声と同時に静香の髪から太く逞しいうどんのような触手が何本も出てきて、のり子たちに襲いかかる!

桃子「させないっ!」
静香「なっ……」
のり子「桃子…!?」
桃子「ここは桃子に任せて先に行って!」
雪歩「そんなことできるわけ、」
桃子「いいから! ……大丈夫、こんな変態うどん狂、すぐに倒して追いつくから」
環「ももこ……」
のり子「桃子……ごめん。無茶だけはしないでね」
桃子「いいよ、桃子、こういうの慣れているから」ニコッ

桃子を信じて、3人は地下へと進む。
静香「あ、こらっ、待ちなさい!」
桃子「あなたの相手は桃子だよ!!」ドンッ
静香「くっ……しかたない。ちゅるちゅるっとあなたをいただいて、他の3人も始末してあげるわ!」ウドンッ!
169 : 兄ちゃん   2021/06/26 04:33:03 ID:YNh0DcIr9U
最終話 cパート
のり子「ここが地下庭園――――なんて、綺麗で、でも、どこか生気のない……」

気候、地域等の特色的に共存がありえない種が所狭しと並んでいる庭園であった。しかもそこにいる生き物たちは皆、作り物めいている。
綺麗であるのに感動よりも恐れを抱く3人。

雪歩「奥に進んでみるしかないね」
のり子「うん……」
環「!! 待って、ふたりとも、なにか聞こえない?」
雪歩・のり子「え?」

チュパァ、チュパァ……

のり子「この声、いったい……」
雪歩「上から来るよ!気をつけて!」
環「う、うわぁっ!!!!」

天井に貼りついてでもいたのか、3人目がけて降下してきた謎の生物!

雪歩「こ、これは!」
のり子「知っているの!?雪歩社長!」
雪歩「間違いない、スペースチュパカブラですぅ」
環「すぺーすちゅぱかぶら?」
雪歩「地球を侵略しにきた悪いやつらですぅ。でも、最近、謎のわんだほーなお姫様系女子大生によって「ほ?」されたって聞いたけど……」
のり子「生き残りを見つけて研究していたってこと!?」
雪歩「そういうことにしておきますぅ」
環「ちょうてんかい!」
170 : プロちゃん   2021/06/26 04:33:19 ID:YNh0DcIr9U
SCP(※スペースチュパカブラ)「チュパッ、チュパァ……」
環「わ、笑っているぞ」
のり子「不気味なやつ……こいつをどうにかしない限りは先に進めないよ!」

雪歩「……ここは私にま、
環「ここは環たちに任せて、のりこは先に行って!」
のり子・雪歩「えっ!?」
環「ひなたを救うんでしょ? こんなところで止まっているわけにはいかないよね?」
のり子「環……」
環「くふふ、たまきと雪歩お姉ちゃん、2人が力を合わせればこんなの楽勝だぞ~!」
雪歩「え、あ、うん、そうだよ! のり子ちゃん、先に行って!後から必ず追いつくから!」
のり子「ありがとうっ、それじゃ任せたよ!」

SCP「チュパァーーッッツ!!!」
環「くるよ、雪歩お姉ちゃん!」
雪歩「う、うん! 私の【E】で瞬殺ですぅ!」
171 : Pたん   2021/06/26 04:33:45 ID:YNh0DcIr9U
最終話 dパート
地下庭園最奥部

そこは礼拝堂のような場所だった。
そして十字架にかけられた少女の姿――――。

のり子「ひなた!!」
そばに近寄ろうとするのり子。が、危険を感じて、後ろに飛び退く。刹那、のり子がいた場所に光る球体が落ちてきて、爆発した。

のり子「!!」
風花「……避けたか。やるじゃない」
のり子「あ、あなたが、豊川風花ッ!?」

圧倒的美人ッ!! グラマラスボディ!! 清楚を置き去りにしたまさに色気の権化がそこにいた。

風花「この私のことを知り、ここまでたどり着くなんてね……褒めてあげるわ」
のり子「ひなたを解放しろ!」
風花「悪いけれどそれはできないわ。彼女はエデン完成にとって必要不可欠な存在だもの」
のり子「……!」
風花「超人を生み出す禁断の果実、エデン生成の最終工程。それをあなたは知っている?」
のり子「20歳未満の心身共に純潔なる乙女の生血が3.9L必要……ひなたを犠牲にはさせない!」
風花「ふふふ……犠牲ねぇ。尊い貢献者と言ってほしいわね。それにね、ひなたちゃんに流れる血を全部使ったって、足りないのよ」
のり子「え?」
風花「ほんと、いいところにきてくれたわ―――『のりちゃん』」
のり子「―――っ!!」
風花「感謝しなさい、ひなたちゃんと共に、あなたは新世界の幕開けに名を残すことになるのだから!」

風花「喰らいなさいっ、超ビーチバレーを越える超ビーチバレーの奥義!」
のり子「アタシは負けられないんだーーっ!!」
172 : 兄ちゃん   2021/06/26 04:34:01 ID:YNh0DcIr9U
最終話 eパート~ (加筆予定)

※【A】桃子のためのビックリドッキリ秘密道具 
※【B】環のためのビックリドッキり秘密道具 
※【C】のり子のためのビックリドッキり秘密道具 名前だけでも可
※【D】のり子の掛け声 魂の叫びとは
※【E】雪歩社長の持つビックリドッキリ秘密道具 瞬殺できなくてもいいです

レスの有効期限は6/27 04:59:59  清書投稿は6/27中を予定
清書投稿後も安価は1つか2つある予定
173 : プロデューサー殿   2021/06/26 04:36:03 ID:YNh0DcIr9U
地の文、書くのがめんどうになって、いろいろ残念な感じに……
でも、まだ清書じゃないので! 終わり良ければ総て良しなので!

何卒最後までお付き合いください!
174 : バカP   2021/06/26 05:19:47 ID:KFmyMWjMnk
Aジェリーポップビーンズ(食べた色によってシング=(攻撃力特化)、アクト=特殊能力(自分の想像した力が出せる強さは思いの強さに比例)、トーク(防御力)、ダンス(機動力)のいずれかの力を強化する)
Bファンシー・リリカル・ヤクザソード(つまりドス。)

Dひなたあああああああああああああっ!!
Eギガドリル
175 : プロデューサーちゃん   2021/06/27 08:55:51 ID:.OSdEydYgs
>>174
レスありがとうございます!

以下にまとめていきます
176 : 我が友   2021/06/27 08:56:12 ID:.OSdEydYgs
のり子「ひなたあああああああああああああっ!!」

ズガゴーーンッッ

雪歩「やりましたぁ!」
桃子「これ、空けたというよりぶっ壊したって言った方が正しいんじゃ……あ、でもたしかに奥に階段があるみたいね」
環「下のほうから明かりがもれているぞ。誰かいるんだね」
のり子「……行こう、ひなたのもとへ」


失われた陽だまりを求めて 最終話「陽はまた昇る」
177 : Pチャン   2021/06/27 08:56:23 ID:.OSdEydYgs
桃子パート
研究所の隠し扉を発見した4人を強襲したのは、ひなたの通う農業大学で事務員として働いている最上静香だった。
彼女は豊川風花の研究開発によってなのか、髪の毛の一部を太く逞しいうどんのようなものに変化させている!

静香「馬鹿な子……あなた一人じゃ、390秒だって足止めできないわよ?」

桃子「桃子のこと、舐めていると痛い目にあうんだから」パクッ

静香「? 今、何を食べたの? うどんじゃないみたいけど」

桃子「―――力がみなぎってくる…!」
178 : おにいちゃん   2021/06/27 08:56:40 ID:.OSdEydYgs
雪歩『はい、桃子ちゃんにはこれ』

桃子『これは?』

雪歩『ジェリーポップビーンズですぅ! 食べた色によって身体能力が強化されるの』

桃子『へぇ……魔法のお菓子ってことなんだ』

雪歩『そうそう。でもね、一度にたくさん食べちゃダメだよ? 精神と身体の両方に負担が大きいから』

桃子『ねぇ、後遺症とかないんだよね?』

雪歩『ぴゅー、ぴゅー』

桃子『口笛、吹けていないよ』

雪歩『大丈夫、ちょーっとだけ身長が伸びにくい体質になるだけだから』

桃子『……なるべく使わないようにするね』 
179 : Pしゃん   2021/06/27 08:56:51 ID:.OSdEydYgs
静香「なんだっていいわ、私の『Catch my dream』からは逃れられないわよ!」

うねうねとしたうどん触手が桃子めがけて、素早く伸びてゆく。
しかし、そのどれもが空を切る。

静香「なっ……!?」

桃子「遅いよ」

青のジェリポは桃子の速度を強化する!今の桃子はノーツ速度300よりも速い!
そのまま桃子は携帯していた踏み台を展開し、ハンマーとして静香にぶつける。

静香「ふぎゃっ」

速さに対応できない静香は顔面にくらう! だが……
180 : ハニー   2021/06/27 08:57:09 ID:.OSdEydYgs
静香「こんなの痛くないわよ!」

桃子「!?」

よろめくこともせずに、静香は触手を再び桃子に振るう。
すべてを間一髪で躱し、薄い本展開を阻止する桃子。静香と距離をとって考える。
スピードだけじゃダメなの……?


静香「どうやら甘くみないほうがいいみたいね。『Catch my dream』ACTⅡ!!」
静香の髪が元通りになった代わりに、今度は静かの両腕がうどんとなった!?

静香「はぁーっ!」
鞭のようにうどんを床にたたきつけると、床に亀裂が走る。さっきよりも攻撃力が増しているようだ。
181 : der変態   2021/06/27 08:57:30 ID:.OSdEydYgs
桃子「じゃあ、このジェリポで……!」パクッ

静香「うどん以外のものを食べているんじゃないわよ!!!!!」
両腕をしならせ、床に、天井に、壁にと打ち付けながら桃子に近づく静香。
逃げ場はない、速さだけではどうにもならないぞ桃子!

うどんが桃子に襲いかかる。
ベタンッベタンッベタンッ。うどんアームズが容赦なく桃子を叩く。

静香「ふふふふふ、うどん粉よりも粉々になりなさ――っ!?」
桃子「メタル桃子だけど」

銀色のジェリポは防御力を高める!鋼と化した桃子はうどんなんてものともしない。

静香「こ、この、ちびすけがぁーーー!!!」
桃子(うっ……たしかに防げはするけど、このままじゃこのうどん怪人を倒すことはできないし、ジェリポの効き目が終わったら、間違いなく木端微塵になっちゃう!)
182 : der変態   2021/06/27 08:57:45 ID:.OSdEydYgs
静香「はぁ……はぁ…はぁ」
うどんアームズを振るい疲れた静香が息を整える。

静香「ねぇ……桃子ちゃんと言ったかしら? あなたも私たちの仲間にならない?」
桃子「え?」
静香「風花様にかかれば、あなたの身長を180㎝にだってしてくれるし、胸だってFカップぐらいなら簡単になれるわよ?」
桃子「でも、あなたは平たいままじゃない」
静香「そ、それは、うどんと一体化することを優先したってだけよ。そもそも私には私のイノセントボディという魅力が……」
桃子「ううん、ないよ」
静香「なんですって!?」
桃子「怪しい研究で人の道理を外れたあなたにそんな魅力なんてないって思う。桃子は……桃子自身で勝負する」
静香「現在進行形で、怪しい食べ物で力を得ているじゃない!」
桃子「それはそれ、これはこれだよ!」パクッ
183 : 箱デューサー   2021/06/27 08:58:03 ID:.OSdEydYgs
静香「私を本気で怒らせたわね。『Catch my dream』ACTⅢ!!」
そう言うと、静香の身体が無数のうどんに包まれる!白く大きなモ○ジャラとなった。

静香「うどん神の怒りを喰らいなさい!」
そしてそのまま桃子のほうへと転がってくる!
逃げ場もなければメタル桃子でさえ受け切れるかわからない。どうする桃子!


桃子「その姿じゃ、避けられないよね」スッ…
桃子の構えはドラ○ンボールの天津飯の新気功砲……いや、この三角は、ローリング△さんかくだぁーっ!
184 : 下僕   2021/06/27 08:58:16 ID:.OSdEydYgs
全身をうどんと変化させた静香、その巨体が桃子が飲みこもうとするその寸前で、桃子の△から放たれるエネルギー派!
虹色のジェリポは想いを力にする! 邪を祓う光の△だ!

静香「うどぉぉぉぉおおおおおんんん!!!!」

かくして、うどん怪人は灰塵となった 完

桃子「うっ……3粒でこんなにも、身体が重く感じるなんて……みんな、あとはお願い……」ドサッ
静香との激闘を終えた桃子はデコレーション・ドリ~ミンッ♪の世界へ。
185 : 番長さん   2021/06/27 08:58:29 ID:.OSdEydYgs
雪歩・環パート
綺麗で奇妙な地下庭園でのり子たちを迎えたのは、なんとスペースチュパカブラの生き残りだった。
のり子を先に向かわせ、雪歩と環の2人はSCPをどうにかして倒そうとする。

雪歩「環ちゃん……さっき渡したビックリドッキリ秘密道具、ちゃんと持っているよね?」
環「うん! このファンシー・リリカル・ヤ○ザソードだよね!」
雪歩「そう。桃子ちゃんパートは勢いで書いたからわりと字数があるけど、このパートは巻きでいくよ!」

SCP「チュパ……チュパチュチュパ…チュッパァァ!!」

雪歩「環ちゃん、そのソードの使い方は、かくかくしかじかちんちくりん」
環「なるほど、わかったぞー!」

SCP「チュパァアッ!!」

空気を読んで待っていたSCPが2人に襲いかかる!
186 : ボス   2021/06/27 08:58:40 ID:.OSdEydYgs
雪歩「宇宙をも穿て、天元突破ギガドリル!」
環「――――くふふの呼吸 参拾玖の型 天照大神」

ギガドリルがSCPの身体に大穴を開け、太陽の煌めきを纏ったファンシー・リリカル・ヤ○ザソードがSCPを斬る。
瞬間、SCPの全身が炎に包まれ、やがて灰となった。

雪歩「はい、終わりですぅ」
環「雪歩お姉ちゃん、これ、すごいね!」
雪歩「環ちゃんだからこそ、そこまでの威力を発揮できたんだと思いますぅ」
環「あ、あれ? ソードが折れっちゃったぞ」
雪歩「役目を果たしたってことだね。私のドリルも壊れちゃった。さぁ、のり子ちゃんを追いかけよう」
環「うん」
187 : せんせぇ   2021/06/27 08:58:55 ID:.OSdEydYgs
チュパァアアアアアア!!


雪歩・環「!?」


SCP×10「チュパ……チュパ……チュパ」

雪歩「ぎょえええっっ!??」
環「まだこんなにいたの!? 雪歩お姉ちゃん、他のビックリなんとかは!?」
雪歩「な、ないですぅ! も、もうおしまいですぅ! 私たちチュパカブラに、めちゃくちゃに○されちゃうんですぅ! お茶の間で放送できないですぅ!」

どこからともなく現れたSCPたちの群れが雪歩たちににじり寄る……!
絶体絶命の危機に雪歩は
①かわいい雪歩ちゃんは突如、反撃のアイデアがひらめく
②真ちゃんや千鶴さんがきて助けてくれる
③かわせない 現実は非常である
188 : プロヴァンスの風   2021/06/27 08:59:14 ID:.OSdEydYgs
チュパカブラたちの緑の立派なチュパカブラが雪歩たちに触れようとしたそのとき、雪歩たちは声を聞く。
可憐な声だ。しかし信念の込められた声だ。あまりにこの場に似つかわしくない、少々、間の抜けた調子でもある。

「はいほー!」

雪歩「!?」

直後、爆発のような音と衝撃。だが、それは群れの一匹が破裂する音だった。
砲弾、グレネード、いや、違う。あれは拳だ。

まつり「こんにちは、小さなお姫様! 悲しそうな顔をして、どうしたの?」

平然とそこにいたのは、ひなたの大学での友達である徳川まつりだった。

環「まつり~~!!! 助かったぞ~!!」

雪歩「ま、まつり!? も、もしかして貴女が、あのフェスティバル・トクガワ!?」
一企業の長として、知っている。この町には地上最強の乙女と謳われる存在がおり、何人たりとも彼女の「お城」を侵してはならないのだと。

まつり「しっ。見知らぬお姫様、そのことは環ちゃんには内緒にしてほしいのです。ね?」
雪歩「は、はいぃぃっ!」
可愛すぎる威圧に、雪歩は首を縦にぶんぶんと振る。
189 : プロデューサーさん   2021/06/27 08:59:28 ID:.OSdEydYgs
まつり「それにしても、この数がまだ残っているなんて。環ちゃんたちは、隠れているのです。まつり、実は誰かを守りながらは戦い慣れていないのです」


「はい、はーい! それじゃあ、私が2人のこと、ちゃーんと見ておきまーす♪」

まつり・環「!?」

雪歩「ほわぁっ!? あ、あのときのセクシーなお姉さん!?」

麗花「あれれー?名乗っていなかったけ? 北上麗花だよ♪ 足裏や脇腹もいいけど……私、耳とか首筋も好きなの!」

雪歩「ひ、ひぃっ!!」

まつり「仲間……なのです? とりあえず、ふたりをお願いするのです!」

麗花「がってんしょうちー♪」

雪歩「あわわわわ、麗花さん、その、優しくしてくださいね///」
190 : P君   2021/06/27 08:59:55 ID:.OSdEydYgs
のり子パート
地下庭園最奥部 礼拝堂
十字架にかけられ眠っているひなたを前に、のり子と風花は対峙した

191 : 番長さん   2021/06/27 09:00:12 ID:.OSdEydYgs
のり子「…………」

風花「あっけないわね。所詮はただの人間、か」

神衣・アクションスピリッツの力を借りたのり子は風花に挑んだものの、風花の圧倒的な妖艶に為す術なく倒れてしまった……。

風花「ふふ……FES衣装の前では、恒常1の衣装なんてその程度よ。せめてアナザーにしていたら違ったかもしれないけどね」

のり子「くっ……くそぉ……こんなところで……! ひなた……!」

風花「下手に動かないで。新世界のために、あなたの血を役立てないといけないんだからね」

のり子「どうして……! どうしてそこまでして、エデンの力を欲するんだ! 今のままでも、充分にヒトの力を超越しているのに…!」
192 : プロデューサー様   2021/06/27 09:00:26 ID:.OSdEydYgs
風花「そうね、冥土の土産に教えてあげるわ。私がエデンを求めるようになった理由をね……長々書くのも大変だから、手短に話すわよ」

のり子「あ、はい」

風花「私は高校生の頃は、将来有望な超バレーの選手だったの」

のり子「………」

風花「キングなんて呼ばれもしたぐらいよ。地元じゃ負け知らずで、プロからの誘いももちろんあった。……けれど3年生の最後の大会を直前に私は、車に轢かれそうになった野良猫を助けようとして身を挺し……足に大怪我を負ってしまった」

のり子「!!」

風花「たかだか野良猫一匹のために明るい人生を棒に振るなんて、そういうふうに直接言う人もいたわ。最初こそ自分の行いに後悔なんてないのだと強がっていた私も、チームが大会で敗北し、スカウトの人たちからは足の回復を待つことはしないと言われ、実の両親たちは喧嘩に明け暮れる毎日……さすがにまいってしまったわ。私が馬鹿な真似をしなければ、私にもっと力があれば、強靭な肉体があればなんだってできるのに―――」

のり子「………」
193 : 彦デューサー   2021/06/27 09:00:37 ID:.OSdEydYgs
風花「療養目的で訪れたおじいちゃんが所有していた別荘地、そこにあった何年も放置されていた蔵の中、私はそこで運命的な出逢いを果たした」

のり子「それが……エデン研究」

風花「そういうこと。私が生まれる数年前に亡くなったおじいちゃんのことを、親族が極力、話題にあげなかった理由もわかったわ。おじいちゃんが亡くなる前にしていた研究は明らかに異質、異様、異常の類で、それは道徳から外れていたからね」

のり子「だったら……!」

風花「でも、だからこそその時の私はそれこそが私の進むべき道だと思えた。超ビーチバレー選手としての生命を断たれ、弱小アイドルプロダクションから下心丸見えの誘いがあったのも断って、私は自分の第二の人生をエデン研究に捧ぐと決めた」
194 : プロデューサー殿   2021/06/27 09:00:52 ID:.OSdEydYgs
のり子「反対する人だっていたはずだよ!」

風花「ええ、いたわよ。いい研究材料になってくれたわ」

のり子「なん……だって……」

風花「おかげで私はこの新たな脚を手に入れ、当時は72もなかった胸囲も今ではこのとおり」

のり子「このマッドサイエンティストめ……!」

風花「今更なによ。ここまでくるのに時間がかかった。正直、もうダメだとも思った。そんなとき、ひなたちゃんが私を訪ねてきたの」

のり子「ひなたが!?」

風花「ふふふ……可哀想な子、おじいさまを亡くして、親友とも喧嘩別れしたままで、幻のリンゴなんてものを追ってはいるけど何の進展も無しで……。そして図書館で借りた本を頼りに、私までたどり着いた。とても優秀な子よね。その純真無垢な心、そして身体こそ、私が追い求めていた最後の鍵、そう確信したわ」

のり子「そんな……」
195 : Pサン   2021/06/27 09:01:08 ID:.OSdEydYgs
風花「悲しみのない世界を実現することができるんだったら、って喜んで実験に協力してくれたわよ。小さな体に宿る大きな使命感に私は心を打たれて、エデンを完成させると誓ったの」

のり子「嘘だっ!! ただ自分の野望のために利用しただけでしょ?! エデンを得て、超人になって、いったいそれでどうなるっていうんだ!! 人間社会から今よりもっとはみ出して、あんたはいっそう孤独な生き物になる、それだけだよ!!」

風花「それは違うわ。『上』に行くのよ。私は人間の上位存在となる。そうよ、私は新世界の神となる!」

のり子「そんなことさせないっ! あんたみたいな化物を生み出すことがひなたの望みなんてありえない!」ダンッ

風花「!! 私としたことが話し過ぎたようね、あなたに再び立ちあがる時間を与えてしまった。ふふふ……でも、そんなふらふらじゃ、どんなに頑張っても指一本届かないわよ?」

のり子(思い出すんだ―――雪歩社長の言葉を)
196 : 夏の変態大三角形   2021/06/27 09:01:28 ID:.OSdEydYgs
雪歩『のり子ちゃん、そのアクションスピリッツにはね、私でも把握できていない力が秘められているみたいなの』

のり子『えっ? どういうこと?』

雪歩『素材としてクリア・スカイの破片を使っているからなのかな、潜在能力が未知数というか……』

のり子『えーっと、その力を引き出すにはどうしたらいいの?』

雪歩『なんか、こう、気合で?』

のり子『えぇ……』

雪歩『きっとのり子ちゃんの想いの強さに応えてくれるんじゃないかな。大切な人を、そして世界を護りたい、譲れない正義を貫く乙女の決意がその衣装の真の力を引き出してくれる……そんな気がしますぅ』

のり子『ふわっとした説明だなぁ。ま、わかったよ。アタシ、やってみるよ。それで、ひなたを助けてみせる!』
197 : 高木の所の飼い犬君   2021/06/27 09:01:42 ID:.OSdEydYgs
風花「どうしたの黙っちゃって。今になって怖じ気ついちゃったかしら?」

のり子(桃子、環、雪歩社長、小鳥おばさん、そして――――)

風花「ねぇ、息している? 立ったまま絶命しているの? 来ないなら、こっちから行くわよ?」

のり子(ひなた。アタシに力を貸して……!)

風花「!? なに、その光は!! 妙なことはさせないわ! ダークネスフーカボール!」
198 : Pーさん   2021/06/27 09:01:54 ID:.OSdEydYgs
風花「……!」

風花ダークネス(セクシー度390%)の混沌の一球を受けたのり子。しかし、彼女を包む光はまだ絶えない。
やがて、光が解き放たれ、そこに立っていたのは先ほどまでとは違うのり子だった。

風花「なんなの……その衣装は……!」
199 : プロちゃん   2021/06/27 09:02:11 ID:.OSdEydYgs
のり子「乙女、風に吹かれて」

風花「!!」

のり子「アクションスピリッツ、モード・オトメティカル……」

のり子「『ミルクティーン・ダイヤ』!」ドンッ

200 : 彦デューサー   2021/06/27 09:02:30 ID:.OSdEydYgs
風花「くっ、ただ着替えただけなのに、な、なに、このオーラは!」

のり子「悪いね、ここから先はアタシの独擅場、アタシはアタシの道を切り拓く……! アタシのマイペース☆マイウェイだよ!」

風花「させるかぁあああ!!」



2人の正義が衝突する!

風花(!? よ、避けられない―――!?)

のり子「いくよ…」

201 : P様   2021/06/27 09:02:45 ID:.OSdEydYgs
のり子「ノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリノリーコ、フックダァアアアアア!!!!!!!」
202 : Pしゃん   2021/06/27 09:03:15 ID:.OSdEydYgs
765撃に及ぶ拳が風花のダイナマイトボディを点火させる……!
そして音なきゴングが鳴る頃、風花は原形をとどめていなかった。

のり子「終わった……。風花、あんたのためにタオルを投げ入れてくれる人は誰もいなかったよ」


血だまりのなか、立ち尽くすのり子は見上げる。親友の安らかな寝顔に、つい「ははは……」と笑い声がもれた。

のり子「帰ろう、ここは暗くて、寒すぎるよ」



エピローグにつづく
203 : 魔法使いさん   2021/06/27 09:04:58 ID:.OSdEydYgs
エピローグはたぶん今日中に書き上がるはず
ご意見・ご想像募集中
千早は再登場と最終安価の予定あります
204 : おやぶん   2021/06/27 18:30:05 ID:.OSdEydYgs
エピローグ aパート

のり子たちによって救出されたひなたであったが、心身共にひどく衰弱しており、しばらくは入院生活を送ることになるという話だった。
ひなたの失踪は解決したものの、依然として豊川風花の「失踪」、並びに彼女と深い関係にあったことが家宅捜査によって判明した最上静香の行方も警察は調査を続けている。
如月刑事に桃子はどこまで事情を話したのだろうか? 
後日、のり子のもとに訪ねてきた千早はのり子に「今度、あの子を危険な目に合わせたらたとえ桃子が許しても私は許さない」と言い、しかし研究所のことは聞かずに立ち去った。
ちなみに地下庭園や研究設備はまつりと麗花が壊してくれた。雪歩社長が「ちょっと、もったいないですぅ……」と小声で言い、桃子と環に怒られていた。
その雪歩社長は麗花だけではなくまつりにも気に入られたようで、3人で「1ミリも知らない女の子たちを従わせるゲーム」、略して「ミリシタ」の開発をしているという噂だ。

のり子「アイマスに続いて、間違いなく業界の覇権を握るゲームになると思うよ」

ひなた「そうかい? あたしはゲームは相変わらずからっきしだからねぇ」

のり子「退院したらさ、いっしょに行こうよ、ゲームセンター。なんだったら、パチスロにする?ほら、最近、ミリオンライブの……」

8月30日 のり子はひなたのいる病室にきていた。
あえて此度の騒動について話題にあげようとしない2人。けれども、なかったことにするには2人とも大人ではなかった。
205 : そなた   2021/06/27 18:30:18 ID:.OSdEydYgs
ひなた「ねぇ……のりちゃん」

病室、窓の外を見やってひなたが言う。のり子からその表情はうかがえないが、その声の調子から何か真剣な話をしたがっているのは察した。

のり子「なに?」

ひなた「あたし………」

のり子「うん」

ひなた「あたしねぇ……間違っていたんかなぁ」

震えた声に、のり子は思わず口を閉じてしまう。が、ひなたは自分の言葉を待っている。
親友としての答え? それとも―――
206 : プロちゃん   2021/06/27 18:30:41 ID:.OSdEydYgs
エピローグ bパート

のり子「エデンじゃ、誰も幸せになれないよ」

ひなた「!」

のり子「アタシたちが目指した幻のリンゴ……それは食べた人たちがみんな笑顔になるような、そんな素敵なものだった」

ひなた「…………」

のり子「たとえばさ、エデンでつくったアップルパイ食べたい? アタシは嫌だなぁ、食べたら、筋肉モリモリ、マッチョガールの変態になるなんてさ」

ひなた「ちがうべさ! エデンは、エデンは……!」

振り向いたひなたがのり子を見る。いや、焦点はのり子に合っていない。ただ、否定したくて。自分が信じた幸福の手段がマッドサイエンティストの野望を叶える道具だったとは認めたくなくて。
のり子は首を横に振って、それから椅子から立ちあがるとベッドにいるひなたに近づく。
ひなたは接近を拒むように、手を出してくるが、抵抗するにはか細い腕だ。簡単にのり子に退けられてしまう。
のり子はひなたのこめかみから両頬あたりにかけて手を添えて軽く抑えるようにする。すなわち、ひなたの眼差しを自分に半ば強引に合わせた。

のり子「楽園なんてないんだよ。あるのは、どうしようもない現実。時に逃げ出したくってたまらない、実際に逃げ出しちゃうことだってある、でも………いつか向き合わないといけない現実なんだよ」

ひなた「……っ」

のり子「アタシはさ、やっとわかった。失ってみて、離れてみて、初めて気づけたんだよ」

ひなた「のり、ちゃん……?」
207 : レジェンド変態   2021/06/27 18:31:02 ID:.OSdEydYgs
のり子「ひなたが、お日さまなんだって」

ひなた「????????」


何この人、やばい。ひなたの瞳が訴えかけてくるのを、のり子は「あー、えっと、まぁ、その」と誤魔化す。
えっ、ここは感動されるところじゃないの?アタシたち、そんなに通じ合っていなかったの?と唐突な疑心暗鬼が生じるのり子だった。

のり子「アタシ、変わる。とりあえずさ、【最終安価】する! このまま親のすねに蹴りをかまし続けるようなことできないし!」

ひなた「そ、そうだねぇ」

のり子が手を離す。困惑した表情のひなただったが、やがて――――

ひなた「ねぇ、のりちゃん」

のり子「うん?」

ひなた「ごめんね、いろいろ、それから……ありがとう。のりちゃんが友達でいてくれて、あたし……嬉しいよぉ」

ぽろぽろと。言い終わる前に、ひなたの澄んだ目から大粒の涙が溢れて。
思えば、ひなたの涙を最後に見たのはいつだっけな。あ、そっか、あのときか、アタシが自分勝手に、言いたいこと言って、それで……

のり子「アタシのほうこそ、ごめん!! ……ありがとう、かな。うん、アタシもひなたが友達でいてくれて……嬉しい」

すーっと、のり子からも涙が流れる。「あれ?あれ?」とのり子はその事実に驚く。
ここ最近、涙なんて流していなかったなあ、って。色のない虚しい日々には涙の潤いさえもなかったなって。
でも、これからは違う。止まない雨はない。曇天だっていつか晴れる。陽はまたのぼるんだ!
208 : プロちゃん   2021/06/27 18:31:17 ID:.OSdEydYgs
エピローグ cパート
(100字程度加筆予定 蛇足?)
209 : Pはん   2021/06/27 18:35:05 ID:.OSdEydYgs
最終安価出すだけ出します。

【事件を終えて、のり子がこれからすること】

やり残したことというよりは、この先どう生きるか、のり子の決意表明
cパートではこれをふまえて少しだけ書いて、締めくくろうかなと

レスの有効期限は本日21:29:59まで 
1つもレスがつかなければ自分でさらっと書きます
(こんなふうな展開になってもいちおうは)安価スレだから物語の落としどころは任せたいんです!
210 : 箱デューサー   2021/06/27 22:04:41 ID:.OSdEydYgs
眠いので明日書きますね
211 : プロデューサーさま   2021/06/28 03:55:41 ID:.ikFHRsGec
投下していきます!!!!!!!!
212 : おやぶん   2021/06/28 03:56:20 ID:.ikFHRsGec
エピローグ cパート
のり子「アタシ、変わる! とりあえず就職する! こんなアタシでも役に立てそうなところ、知っているからね」

ひなた「そうなのかい?」

のり子「うん! ひなたもさ、新しい夢を追いかけることにして、どっちが先に叶えるか競争だ!」

ひなた「ありゃ~」
213 : Pさぁん   2021/06/28 03:56:38 ID:.ikFHRsGec
後日

雪歩「えー、というわけで、今日からうちで働くことになった福田のり子さんですぅ!」

のり子「よ、よろしくお願いしましゅ!」

雪歩「ふふっ、そんな緊張しなくてもいいよ、のり子ちゃん。さぁ、この人たちがのり子ちゃんが加わる企画チームのメンバーね」

紗代子「よろしくね!福田さん!」

亜利沙「松田亜利沙です!よろしくお願いします!(うひょぉおお!! すごく可愛い子です!)」

奈緒「私より涙もろそうなやつが入ってきて嬉しいわ私は!!」

海美「今日はフルマラソンだーー!!」

美奈子「私が作ってあげるから、いつでもお腹空いていいよ、この食いしん坊ー♪」

春香「天海春香だよ。メインヒロイン」キラッ

歩「新人ンンンンン!!!ダンスは好きかぁーーーーー?????」

のり子と萩原エンターテインメントの新しい物語がはじまる!物語の舞台はついに新世界へ!!
214 : プロデューサーさん   2021/06/28 03:57:01 ID:.ikFHRsGec
765プロ劇場ドラマⅡ

『失われた陽だまりを求めて』

215 : 5流プロデューサー   2021/06/28 04:01:09 ID:.ikFHRsGec
終わった―――!!!
レスがつかなくなったのが最終話だったから打ち切りすることなしに、駆け抜けたべさ!
こんな流れでどうかと思いますけど、周年明けに第3弾やるつもりです
正直、悔しい!


ご協力ありがとうございました!!!!!!!!!

216 : 下僕   2021/06/28 12:07:27 ID:fzv5tVRSm.
お疲れ様でした!
気付いたら安価の締め切りになってたりしてあまり参加出来なかったけど、楽しかったよ!
次回もできる限り参加したいのでよろしくです
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