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【安価SS】全8話 765プロ劇場ドラマ制作!
1 :
主
2021/08/05 20:36:02
ID:7Ez7aEaegU
立つかなー
90 :
プロちゃん
2021/08/12 07:03:47
ID:uoh2IMcE4s
― 雪歩の部屋 ―
いっしょの布団に入るふたり。天使たちかな?
雪歩「ねぇ、やよい」
やよい「なんですかー?」
雪歩「他に何かプレアデスから聞いていない?」
やよい「他に……。あっ」
雪歩「なに?」
やよい「ながいもずる高校が甲子園に21世紀枠で出場できることになったって!」
雪歩「……それは普通にニュースで見たよ。そうじゃなくて、えっと……可憐ちゃんのこと」
やよい「可憐さんの、ですか?」
雪歩「うん。心配なの。元気でいるか街には慣れたか友達できたか寂しかないかお金はあるか―――」
やよい「………」
雪歩「今度いつ……うん、いつか帰ってきてくれるのかって」
やよい「雪歩さん……」
雪歩「な、なーんて、ごめん。ついおふくろっぽくなっちゃったね。このネタ、伝わらない人だって多いだろうに」
91 :
高木の所の飼い犬君
2021/08/12 07:04:00
ID:uoh2IMcE4s
やよい「雪歩さんっ」ギュッ
雪歩「やよい……?」
やよい「すみません、可憐さんのこと何も聞けていません」
雪歩「いいの、やよいは悪くないよ」
やよい「私でよければ……えっと、異界での聞き込みや庭でとれたお野菜をおすそ分けする以外でも、何でも依頼してください!雪歩さんたちの役に立ちたいんです」
雪歩「ありがとう、やよい。ふわぁ……今日はなんだか疲れちゃったな。もう眠ろう?」
やよい「は、はい」
そうして雪歩はやよいを抱き枕にして眠りについたのだった。
92 :
Pちゃま
2021/08/12 07:04:15
ID:uoh2IMcE4s
翌朝。
春香がやよいを家まで送り届けに出発してから、百合子は厨房に向かう雪歩を引きとめる。
百合子「おはようございます! あの、白雪さん……その、」
雪歩「おはよう。……質問は1つだけでお願いね」
百合子「! じゃあ―――『HOTDOGS』って何か名前の由来があるんですか?ホットドッグってあれですよね、ソーセージを細長いパンで挟んだやつ」
雪歩「百合子は会ったことないからわからないか」
百合子「え?」
雪歩「可憐ちゃんと高坂海美は……どことなく犬っぽいの。わんこ系女子ってやつなんですぅ!」
百合子「え……?」
雪歩「だからじゃないかな」キリッ
百合子「いや、キリッとされても! そんなんでいいんですか!?」
雪歩「私、本物の犬って苦手なの。あっ、食用犬の話じゃないよ、これ」
百合子「いきなりなんですか、もうっ、聞いて損し、」
雪歩「意趣返しかもしれない」
百合子「えっ」
雪歩「と言っても、何か2人に恨まれることした覚えないけど。でも……私のこと、よく思っていないだろうから。それでもしかしたら私が苦手な犬と関連するするような名前にしたのかなって」
百合子「そんな……な、ないと思いますけど」
雪歩「そうだね。考えすぎよね。はいさい、この話、終わり!」
93 :
プロデューサー君
2021/08/12 07:04:27
ID:uoh2IMcE4s
昼過ぎ。3人で小さな中庭を上手に使って流しそうめんを堪能し、その片付けがちょうど終わった頃、誰かが店に近づく気配を3人は感じた。
雪歩「パンピーね」
百合子「お客様ですね!」
春香「大したもの仕入れていないんだけどなー。パンケーキでいいかな39段重ねの」
果たして店の前できょろきょろとしている、いかにも迷い込んできた少女を春香が見つけた。
雪歩より小柄で南国育ちの完璧少女は響と名乗った。シタからはじめて非担当だと編み物が趣味ってのはあまり知られていないのではないか。
1コマ漫画でペットたちのためにいろいろ作っているが、なかなかに器用な子である。
春香「『YUKIHO'Sキッチン』へようこそ! 何か悩んでいるでしょ!」ワシャワシャ
響「こ、こらー!頭を撫でながら言うんじゃないぞ!」
百合子「これが、がなはる……何気にダイヤモンドダイバー◇が出そろったんですね」
94 :
P殿
2021/08/12 07:04:43
ID:uoh2IMcE4s
春香「えっ?久しぶりに旧友と会えるのはいいけれど、昔交わした約束を守れそうにない?」
響「そうなんさー」
百合子「約束って?」
春香「歩こう~♪ 果てない道~♪」
響「歌おう~♪ 天を越えて~♪」
百合子「いや、そうじゃなくて!」
春香「なんくるないさー、ここで食べていけば全部解決だよ!」
響「うさんくさいぞ……」
春香「いいから、いいから、話が進まないんで、入った、入った!」
百合子(仲いいなぁ)
95 :
EL変態
2021/08/12 07:04:56
ID:uoh2IMcE4s
― 客間 ―
響「それにしてもそれ、おしゃれな服だな!ステージ衣装みたいだぞ!」
百合子「えっ、わかる人にはわかっちゃうかー、いやー、困っちゃいますねー」
春香「見たまんまだと思うよ?」
百合子「これは【エピックナビゲーター】!貴方が主人公の物語に登場する案内人の衣装。どんなに辛くて苦しい物語でも、貴方を必ずハッピーエンドへ導きます♪」
春香「SSRキター! 眼鏡がいいよね。よく似合っているよ、文学少女感がお手軽に出せているし」
百合子「えへへ」
雪歩「百合子、しあわせのレシピの検索お願いできる?」
百合子「喜んで!」
春香「料理作ろう~♪ 大切な人の為に~♪」
響「うぎゃー、勝手に人の持ち歌、歌いだすなーっ」
百合子(さっきのはいいの!?)
partBにつづく!
96 :
der変態
2021/08/12 07:05:27
ID:uoh2IMcE4s
※どの料理を採用したかはpartBで
※響と旧友との約束の詳細はまだ思いついていないので、こういうのでいいんじゃない?ってのがあればレスください(採用を約束できませんが)
※雪歩の口調が安定しないのは伏線です 伏せてないけど
partBは早くとも明日の夜になる予定
遅くとも今週中には
最後までお付き合いください!
97 :
ハニー
2021/08/12 07:20:17
ID:sK4j17vHuM
「ステージ衣装みたい」って台詞を伏線にして響自身がブレイク前の新人アイドルで約束が故郷の病弱な旧友(同じくアイドル志望だった)が寂しくないように全国区のTVで活躍するという約束とか
98 :
プロデューサー様
2021/08/13 21:37:56
ID:RQimf.eHCs
partB下書き投下していきます!
99 :
魔法使いさん
2021/08/13 21:38:15
ID:RQimf.eHCs
客間に春香が残り、響の相手をしている間に雪歩と百合子は厨房にて調理を開始する。
魔導書によってレシピを導く百合子であるが、彼女自身の料理スキルは食材に対する知識含めて未熟と言えるのだった。
雪歩は、百合子をただのレシピ本をめくる存在にはせず、積極的に調理の手伝いをさせている。
とはいえ、たとえば包丁を持たせて何かを切らせたり、烈火の前に不用意に立たせたりなどしない。
食材に触れ、それらが形を変えるのを直に目にし、音として聞き、香りを嗅ぎ、時に(仕上げの味見係として)味わいもする。
そうした経験が百合子を魔導書の契約者として次の段階に至らせる―――そう信じている雪歩の方針であり、また百合子の希望でもあった。
仮に百合子が魔導書に心を侵されきった人形に等しい存在であったのなら、決して家族同等の仲になることなんてありえなかっただろう。
百合子と彼女が契約した魔導書に関して、雪歩たちが知るところは多くない。
春香と可憐、師匠とこの場所で10年程度いっしょに生きてきたのに対し、百合子とはまだ半年余りしか共にしていないのだった。
穿鑿を避けてきたことがある。迂闊に踏み込めば百合子だけではなくこちらが壊れてしまいそうな何か危うい事実が潜んでいるようで。
そろそろ頃合いかもしれない……。どれが本当の呪文なのかよくわからない、百合子の掛け声を耳にしながら雪歩はそう思った。
100 :
おやぶん
2021/08/13 21:38:34
ID:RQimf.eHCs
― 厨房 ―
雪歩「フレンチトーストのほうは完成ね」
百合子「は、はい。あのー……」
雪歩「なに?言いたいことがあったら言いなさい」
百合子「普通にコーヒーとセットでよかったんじゃ……?」
雪歩「だったら、このお店でなくていいでしょう?」
百合子「けど、ケバブとのセットはおかしくないですか」
雪歩「甘すぎないように、肉や魚とも合うフレンチトーストに仕上がっているわよ」
百合子「うーん……だったら、いいのかな……」
雪歩「でも、そうね。インパクトに欠けるとは思っていたのよ」
百合子「へ?」
雪歩「うん、決めた。隠し味に【A】を足すわよ。フレンチトーストとケバブのセットでより啓蒙を高めるには、これがいいわ!」
百合子「隠れてなくないですか?!」
101 :
der変態
2021/08/13 21:38:49
ID:RQimf.eHCs
― 客間 ―
春香「へぇ、響ちゃんってアイドルなんだ」
響「まだ候補生だけどね」
春香「旧友との約束ってのに関係している?」
響「うん……実は自分、もともとは南の島でローカルアイドルをやっていたんだ」
春香「いわゆる、ロコドルってやつ? あっ、モフモフ髪のアーティスティックアイドルは今はノーコネクションです!」
響「その旧友と2人でしていたんだ。高校生の間の期間限定でって。旧友にはアイドルとは全然別の夢があって、それを叶えるにはその分野に強い大学に進学するのがいいらしくて、だから、旧友にとってはロコドル活動はあくまで……趣味?って感じだったんだ」
春香「……響ちゃんにとっては?」
響「もともと、うまく乗せられていつの間にかステージに立っていたんだけど……いろんなお仕事させてもらっていくうちにアイドルっていいなって。ローカルにはローカルならではのよさがあるのは十分に感じたうえで、もっと広い世界を見たくもなったんさー」
102 :
下僕
2021/08/13 21:39:09
ID:RQimf.eHCs
そんな時、響は自社所属のアイドルのPV撮影にやってきていた某アイドルプロダクションのプロデューサーの目に止まった。
しかし旧友はそうではなかった。そのプロデューサーは響だけを候補生としてスカウトしたいと申し出たのだ。
「真剣度が違うのが一目でわかったのかな。ううん、響には私にはない魅力に溢れているから、当然の結果だね」
といった内容を島言葉で旧友は響に言い、悩む響を送り出した。ローカルアイドルとしての彼女たちの活動は終止符を打ち、それぞれの夢に向かって、別々の道を歩み始めた。
いずれそうなることが決まっていたとはいえ、それは想定したよりもずっと早い決別となった。
別れの日、響は約束した。今度会う時は一人前のアイドル我那覇響としてだと。
響「でも、それはかなわないみたいなんだぞ……」
春香「というと?」
響「来週、うちの看板アイドルユニット3人組が自分の故郷の島でとあるバラエティ番組のロケを行うんだ。それに自分はガイド役として同行することになって……」
春香「ガイド役かぁ。一人前のアイドルとは言い難いかー」
響「予定だとちょうど旧友も帰省しているんだよね。きっと旧友のことだから、同行できているだけでも、えっと、つまりさ、アイドルとして進み続けているだけでも褒めてくれるっていうか、励ましてくれるだろうなーってわかるんだけど、でも、」
春香「どうせなら、約束どおりアイドルとしての姿を見せたい?」
103 :
プロちゃん
2021/08/13 21:39:30
ID:RQimf.eHCs
響「うん……。ま、まぁ、ロケ期間に旧友と会ってきちんと話す時間がとれるかわかんないんだけどね、ははは……」
春香「チバリヨ!」
響「う、うん」
春香「大丈夫だよ、響ちゃん!そのロケの日、シンデレラにしてあげる!」
響「えっ? そんなことできるのか?自分たち765プロだよね?」
春香「ふふっ、できるよ。そう、YUKIHO'Sキッチンならね」ドヤッ
春香が雪歩たちの料理を知らぬまま、そんな勝手な約束をしていると、完成した料理を持って2人が現れた。
本来、給仕はあなたの仕事よね?と雪歩の視線が痛いが、素知らぬふりをする春香だった。
104 :
おやぶん
2021/08/13 21:39:45
ID:RQimf.eHCs
雪歩「お待たせしました。反逆のフレンチトーストとケバブのセット~真実の赤を添えて~です」
響「あ、この流れで『Rebellion』なんだ……」
百合子「ちなみに対価は【B】だそうです」
響「うぎゃー!」
(以下、響と旧友の約束解決編)
105 :
兄ちゃん
2021/08/13 21:40:05
ID:RQimf.eHCs
その夜 月の見えない空の下
『YUKIHO'Sキッチン』から1人の少女がそーっと出ていこうとするのを、背後から声をかけるもう一人の少女―――
春香「夜の散歩なんてするものじゃないよ」
声をかけた側の少女である春香。その口調は優しい。
かけられた側はびくっとして、ゆっくりと振り返った。暗がりでその表情には半ば諦念がある。見つかってしまった、と。
春香「何に襲われるかわかったものじゃないよ。可愛い女の子だったらなおさらね」
雪歩「……起こしちゃった?でも寝室は別なのに」
106 :
プロデューサーはん
2021/08/13 21:40:17
ID:RQimf.eHCs
春香「どれだけいっしょにいると思っているの? 1人で行く気だったんでしょ?」
雪歩「どこへ?」
春香「プレアデスのところ」
雪歩「………」
春香「沈黙は肯定とみなすよ。ねぇ、焦ってもしかたないって話したばかりだよね」
雪歩「………でも」
春香「でもじゃない。もし仮に、プレアデスのもとに確かめにいくとしたら3人いっしょ。ちがう?」
雪歩「それは……それがいいのはわかってはいるけど、でも、」
107 :
プロヴァンスの風
2021/08/13 21:40:34
ID:RQimf.eHCs
春香「でもじゃない」
雪歩のそばへと一歩踏み出す春香。顔と顔、息が当たりそうなぐらいに近い。
春香「三度目は言わせないでね」
雪歩「……っ」
春香「ほら、入って。夏でもこの時間は肌寒いでしょ?」
雪歩「私はちゃんと外に出るための恰好しているから問題ないよ」
春香「じゃあ、私に風邪を引かせる気?」
わざとらしく肩をすくめて苦笑してみせる春香に、首を横に振る雪歩。
108 :
ボス
2021/08/13 21:40:54
ID:RQimf.eHCs
雪歩「…………ごめん」
春香「Recipe3のpartAでさ、3人で行こうよ、プレアデスのもとへ。ね?」
雪歩「………うん」
春香「そんな声出さないでよ。私が悪者みたい」
雪歩「ごめんね」
夜風が吹く。くしゃみをしたのは雪歩だった。
109 :
そこの人
2021/08/13 21:41:09
ID:RQimf.eHCs
春香「今日はいっしょに寝よっか」
雪歩「……うん」ギュッ
春香「あ、そうだ。1つ聞いていい?【C】」
(以下、雪歩の反応)
110 :
あなた様
2021/08/13 21:42:08
ID:RQimf.eHCs
※【A】隠れていない隠し味とは!? 響の反応も加筆予定
※【B】響が支払う対価 響の約束の叶え方(=料理の効果)自体はこちらで考えがあるにはあります
※【C】春香の質問 シリアスである必要ないです 春香なりに場を和ませようとしているんじゃないかなって
※【D】プレアデスこと永吉昴の居所 次回partAで、3人で外出する場所になります 地名というより施設名や場所の性質(?)をレスお願いします
※響の口調再現については勉強不足ですみません。
違和感があれば(雪歩同様に)ドラマ中での口調変更ってことでお許しください
レスの有効期限は 8/14 22:59:59まで
清書投下は早ければ8/15夜 たぶん8/16朝になるかと
111 :
do変態
2021/08/13 21:50:44
ID:SYgMWW3Ze.
A パイナップル
B 向こう数日間動物たちから特に理由もなく吠えられるようになる
D テレビ局(既にHOTDOGSが料理バラエティで王者に君臨して次の挑戦者を募集している段階ーとか ここから料理バトル路線にもいけるし)
112 :
監督
2021/08/14 00:28:26
ID:cd6DN6p7vY
Aドリアン
B東北弁になる(期間は不明)
Cそんな派手な服着ててバレないと思ったの?
Dオフィス街のオシャレなコーヒーショップ
113 :
そなた
2021/08/14 04:10:37
ID:dzYIM4wwyM
A:完熟トマト(仕様か否か、完熟でないのも混じっている)
B:いじられる頻度が急激に上がる(それがきっかけで人気が上がる)
C:「本当は誰かに気付いて欲しかったんじゃないの?」
D:さだまさしのライブ会場(案山子とか歌っていたりして)
114 :
ぷろでゅーしゃー
2021/08/14 20:01:16
ID:DpbHtgylXw
副業終わりに定期age
まだ募集中ですよー
115 :
Pたん
2021/08/15 06:20:07
ID:PhP7iOfAE6
想定より早く書けたのでRecipe2partB投下していきます
116 :
魔法使いさん
2021/08/15 06:20:23
ID:PhP7iOfAE6
Recipe2 partB
百合子が雪歩たちと出会ったときには既に、彼女たちの隣に可憐はいなかった。
現在、百合子が使わせてもらっている部屋は可憐の部屋と言うわけではない。
可憐の部屋とされている場所。百合子はそれを知っているが、立ち入ったことは一度もなかった。
雪歩たちから止められているわけではない。入る理由がないだけだ。好奇心だけで覗くのも気が引ける。
春香が定期的に掃除していることも知っていた。時間の止められた部屋に降り積もる埃なんてほとんどないのに。
117 :
兄ちゃん
2021/08/15 06:21:02
ID:PhP7iOfAE6
(中略)
雪歩「うん。決めた、隠し味にパイナップルを足すわよ!! よしっ、できあがり!」
百合子「隠す気ないですよね!?」
雪歩「フレンチ感でてる?」
百合子「微塵もないですよ!!」
118 :
変態インザカントリー
2021/08/15 06:21:18
ID:PhP7iOfAE6
(中略)
雪歩「お待たせしました。反逆のフレンチトーストとケバブのセットです」
響「パイナップル!?」
百合子「ちなみに対価は、いじられる頻度が急激にあがるだそうです」
響「なんで!?」
春香「やったね、響ちゃん!これでアイドル仲間やお仕事でいっしょになった芸人さん、それにスタッフさんからも、いじられっぱなしの毎日だよ!!」
響「うぎゃー!! 一生そうなっちゃうの!?」
雪歩「安心して。せいぜい39日ってところだから。それだけあればトップアイドルになれるわよね」
響「アイドルなめんな!!」
百合子「弄られることでしだいに気持ちよくなっていく響さんは、いつしか弄りつづけられていない物足りない身体になってしまい……ってことになりませんかね!!」
119 :
兄ちゃん
2021/08/15 06:21:36
ID:PhP7iOfAE6
そして1週間後、響の故郷の島―――
ロケ終了後
響「ふぅ……もう、みんなひどいよ!自分がガイド役だからって、なんでもかんでも無茶ぶりしすぎだぞ!」
同僚アイドルA「ごめん、ごめん、響ちゃんの反応が可愛くってさぁ。ねぇ?」
同僚アイドルB「うんうん。がんばってくれたね、えらい、えらい!」
響「わわわ。きゅ、急に撫でるなーっ」
P「冗談はともかく、よくやってくれた我那覇。君のおかげで今回の番組、かなりいいできに仕上がりそうだ」
響「ほんとう!? えへへ……自分、カンペキだからなー」
120 :
そなた
2021/08/15 06:21:52
ID:PhP7iOfAE6
P「なんか欲しいものあるか?ご褒美に、300円以内ならなんでも買ってやるぞ」
響「300円!? それ、小学生のお小遣いレベルじゃないの!?」
A「えっ、響ちゃんばっかりずるいですよP! 私にもグランドピアノとかテニスコートとかマンション買ってください!」
響「予算オーバーマスター!?」
B「んー、それで響ちゃん、何か欲しいことやしたいことないの? この島に来てからそわそわそわそわそわしているけど?」
響「『そわ』多くない!? えっと……」
P「ずばり会いたい人がいるんだな?」
121 :
兄ちゃん
2021/08/15 06:22:03
ID:PhP7iOfAE6
A「ふぁっ!? 響ちゃん、私がいるのに浮気!? どこのベルリンよ!!」
B「ふつーに家族や友達じゃないの?」
響「う、うん。親友なんだ。えっと、813プロに入る前は、ふたりでここでロコドルしていたんだぞ」
A「ふつうじゃない島人女子高校生が【ろこどる】やってみたんだぞ。ってか!」
P「……時間ならいちおうとれるぞ」
響「え?」
A「ねぇねぇ、私たちにも紹介してよ!」
B「うん。感動の再会シーン、撮れ高グンバツだね」
122 :
番長さん
2021/08/15 06:22:17
ID:PhP7iOfAE6
P「べつに撮らないって。で、どうする我那覇。君さえよければふたりを……いや、俺もいっしょにいいかな?客観的にこれまでの我那覇のこととこれからの展望を報告するのも悪くないと思う。もとはと言えば、俺がその親友と君とを別れさせたわけだから」
響「P……あ、あの!じゃあ、その、お願いがあるんだけど……」
A「おっ、なんやなんや、まさかワンマンライブやらせてくれって?さすがやね響ちゃん!」
響「………」
B「へぇ、その顔……あながちAの勝手な推測、はずれじゃない感じ?」
P「我那覇……?」
響「うん―――あいつに今の自分のすべてを、アイドルとして、ステージの自分を見てほしいんだ。……って、む、無理かな」
123 :
夏の変態大三角形
2021/08/15 06:22:28
ID:PhP7iOfAE6
P「無理じゃないだろ。アイドルがいればそこがステージだ」
響「!」
A「え?それっぽい台詞だけど、どういうこと?」
B「ライブするような機材は持ち込んでいないけど……ま、その親友さんのために歌って踊るのを止めることもしないってことじゃないの?」
P「ガイド役の君も輝いていたけど、アイドルとしてステージで輝きたいって気持ちは、普段のレッスンを見ていて知っているよ」
響「じゃ、じゃあ……」
124 :
プロデューサー様
2021/08/15 06:22:42
ID:PhP7iOfAE6
P「ああ、俺もできるだけ協力するよ。あの子に今の我那覇を見せてやろう!」
A「俺たち、でしょ?」
B「日が完全に沈んでしまう前に動こう」
響「みんな……!」
そんなわけで親友のために響は歌と踊りを急ごしらえのステージで披露することになった!
125 :
変態大人
2021/08/15 06:23:00
ID:PhP7iOfAE6
親友「ビッキー……背、伸びた?あ、ごめん気のせいだったわ」
響「うぎゃー!普段はいじってくるタイプじゃなかったのに! と、とにかく!今日は自分の成長、ちゃんと見てよね!」
親友「……うん」
P「我那覇、こっちは準備完了だ。いつでもいいぞ」
A「なに歌うんだろう」
B「やっぱ、Pon De Beachじゃないの?」
響「あなたの遺伝子が呼んでいる―――」
A・B(ここで『Next Life』!?)
126 :
おやぶん
2021/08/15 06:23:18
ID:PhP7iOfAE6
♪~ ♪~
A「…………!」
P「驚いたな」
B「うーむ まずいなァ あいつ私たちより(アイドルとして)強くねー?」
この出来事から一か月後、候補生から正式メンバーとなった響が、AやBと共に813プロの看板を背負うアイドルとなっていくのだが……それはまたべつのお話である。
127 :
せんせぇ
2021/08/15 06:23:29
ID:PhP7iOfAE6
(中略)
春香「今日はいっしょに寝よっか」
雪歩「……うん」ギュッ
春香「それはそれとして、1つ訊いておこうかな」
雪歩「なに?」
春香「そんな恰好で、ほんとは気づいて欲しかったんじゃないの?」
雪歩「ぽえ?」
128 :
der変態
2021/08/15 06:23:55
ID:PhP7iOfAE6
春香「夕食後、部屋に行ったら、やけに気合入れて服選んでいたよね? あの時点で怪しかったわけだけど。あのさ、もしかしてプレアデスのところにいけば、あの日から一度も会えていない可憐ちゃんにも再会できるチャンスがあるかもー、なんて思ったわけじゃないよね?」
雪歩「………」
春香「それでそんな気合入った恰好で夜にそっと抜け出した―――。なーんて、まさかね。いくら雪歩でも……ね?」
雪歩「もう寝るわよ。百合子に気づかれても面倒だし」
春香「ふうん。そこは穴を掘って埋まるわけじゃないんだ。成長したね。………顔真っ赤なんだろうなー、暗くてよく見えないけど」
雪歩「………う、うるさいなぁ」
Recipe3につづく!
129 :
3流プロデューサー
2021/08/15 06:26:23
ID:PhP7iOfAE6
レスありがとうございました!
Recipe3partAは明日(8/16)に投下する予定です
料理の効果が微妙なところですが、響はたしかに親友の前でアイドルとしての自分を見せることができた(その機会を得られた)ってことでお願いします
ご意見・ご想像募集中です!
130 :
プロデューサーはん
2021/08/16 12:10:35
ID:ol/gJ73B.2
Recipe3partA投下していきます!
131 :
3流プロデューサー
2021/08/16 12:10:54
ID:ol/gJ73B.2
やよいの訪問から一週間後
雪歩たちはやよいの協力によって情報屋プレアデスと会って話をする手配を整えた
待ち合わせ場所として指定されたのはオフィス街のコーヒーショップだったのだが………?
雪歩「2人とも出発の準備はいい?」
春香「あー、ちょっと待って。百合子ったらオフィス街にいくのにパルフェ・ノワール着ていたから、今、着替えさせているところなんだ」
雪歩「逆にセーラー水着とかどう?」
春香「逆に、じゃないよ!! 目立ってどうするの?!」
雪歩「ドラマなんだし、これまでどおり衣装を着ていくってのでいいと思うけどなぁ。百合子の衣装楽しみにしている視聴者も多いって聞いたよ。むしろそれしか見ていないって」
春香「もっと見聞きするものあるよね!?可愛いけどさ!」
132 :
P様
2021/08/16 12:11:22
ID:ol/gJ73B.2
百合子「お、お待たせしましたぁ~」
春香「えっ」
雪歩「………どことなく、うん、どことなーく和の心意気を感じるね。そう、金色の大和撫子みたいな」
春香「借りたの?」
百合子「お揃いってだけです。スタッフさんにファンの方……ご贔屓様がいたみたいで。お手製なんだとか」
春香「えぇ……」
雪歩「さ、行くわよ」
133 :
彦デューサー
2021/08/16 12:11:41
ID:ol/gJ73B.2
― オフィス街 ―
春香「どっちみち、この時間のオフィス街に私たちは浮いちゃうよね」
雪歩「あ、ごめん。はい、これ。春香の分」
春香「なにこれ?酢昆布?」
百合子「存在感を薄くする酢昆布ですよ。昨夜、作ったんです。効果時間短いですけど」
春香「なぜ酢昆布……?というか、あるならもっと早く出してよ」
雪歩「百合子、謝っておきなさい」
百合子「私のせいですかぁ!?」
そんなこんなで3人がじゃれ合いつつ歩いていると目的のコーヒーショップに到着する。
看板は地上にあるが地下に店を構えているようだ。
百合子「『シャレオツ』……いかにも業界人っぽいですね」
春香「かえってお洒落感失われていない?」
雪歩「指定の席で合言葉を言わないとプレアデスのいる部屋には通してもらえないそうよ」
134 :
魔法使いさん
2021/08/16 12:12:11
ID:ol/gJ73B.2
店内に入った3人
百合子「うわあああああ! オシャレを越えたオシャレじゃないですか! オシャレな椅子、オシャレなテーブル、オシャレなBGM、オシャレな床、オシャレなメニュー、オシャレな店員」
雪歩「恐らく書き手にはおしゃれコーヒーショップを描写する力がないと考えられるね」
春香「お客さん……全然沸いていないんだけど、いいのこれで……」
店員a「Pourriez-vous s'il vous plaît lécher ma zone érogène?」
春香「ゆ、百合子ちゃん、何語かわかる?」
百合子「シルブプレって聞こえたので、たぶんフランス語だと思いますけど……」
雪歩「へぇ、なんて?」
百合子「いや、そこまでは」
店員b「Darf ich deine kleine Brust reiben?」
春香「……今度は?」
百合子「音からするとドイツ語?でも何を訊ねているかわかりません……」
雪歩「お、おしゃれレベルが高すぎる……!」
春香「外国語ってだけだよ!? ねぇ、翻訳できる蒟蒻とかないの?」
百合子「そんなものあるわけないですか」
雪歩「さっさと指定された席につこう」
135 :
ボス
2021/08/16 12:12:29
ID:ol/gJ73B.2
3人が席につくと、先の2人とは別の店員がやってきた
店員c「山」
雪歩「川」
店員「……どうぞこちらへ」
百合子「合言葉、ひねりなさすぎ!?」
春香「シンプルイズベストってことかな」
雪歩「私たちの顔はプレアデスには知られているからね。もう別室で確認は済ませているかも」
136 :
兄(C)
2021/08/16 12:12:45
ID:ol/gJ73B.2
― 地下2階 ―
そこは地下1階のコーヒーショップの内装とはうってかわって殺風景で質素な空間だった。
向かい合う革張りのソファとその間にはよく磨かれた低いテーブル。どちらも清潔感はあっても高級感はない。
誰かと待ち合わせて話すためだけの部屋のようだ。プレアデスはこういった部屋をこちら側と異界においていくつも用意できる人物なのかもしれない。
昴「待っていたよ」
春香・雪歩・百合子「!!!」
百合子「こ、こここ、」
昴「こ?」
百合子「恋しますよ!!!!(絶叫)」
昴「」
137 :
do変態
2021/08/16 12:13:26
ID:ol/gJ73B.2
春香「あかん……これはなんていう破壊力なんや……まさかのイケメン男装昴ちゃんなんて、そんな聞いてへんやん……。こんなん、昴ちゃんのクラスメイトの女の子で、これまでは男子たちからは裏でちやほやされていた昴ちゃんのことを『ふん!ちょっと可愛いだけじゃないの、あんなの5流アイドルよ!』って思っていた子が見て、ファンになるどころか、ガチ恋勢になってしまうやつやん……」
雪歩「真ちゃんを継ぐ者、こんな形で発見できるなんて。とりあえず拝んでおきますぅ。ありがたや、ありがたや」
百合子「どうして参考画像がないんですか!!!!!」
770秒後
昴「あ、えっと、話……していいか?」
百合子「すみませんでした。私のなかで乙女ストームが吹き荒れちゃって。えへへ」
雪歩「ありがたや、ありがたや」
春香「雪歩、そろそろ戻ってきて。私も口調戻ったから」
138 :
P様
2021/08/16 12:13:45
ID:ol/gJ73B.2
昴「念のため、訊こうか。今日は何について知りたい?」
春香「もちろん、『HOTDOGS』のこと。そうだよね、雪歩」
春香の言葉に小さくうなずく雪歩。その隣で百合子がぶんぶんと縦に首を横に振る。
昴「だろうな……。まず誤解のないよう言っておくと、ラブリーマイエンジェルやよいたんに『HOTDOGS』のことを教えてしまったのは、本当に事故なんだ」
雪歩「へぇ……」
昴「きちんと取引できる程度に情報が集まってからであれば、意図的に流したかもしれないが」
春香「ってことは、まだ『HOTDOGS』の動きについてはそんなに詳しく知らない?」
昴「ああ、残念ながらね。とはいえ、まったくというわけではない。そこで、だ」
雪歩「取引、ね」
百合子「ごくり……。も、もしかして私の身体を要求するんですか!!そうなんですか!!」
春香「そんなわけないでしょ! 普通に考えてみなよ。私たちが普段何をしているかをさ」
百合子「えっと……桃鉄で3人がかりでCPUボコボコにしたり?」
春香「いや、たしかに昨夜も盛り上がったけど」
雪歩「料理よね。何が食べたいの?」
昴「ふふっ、話が早……くもないけど、まぁ、とにかく――――】
139 :
Pーさん
2021/08/16 12:14:00
ID:ol/gJ73B.2
昴「【A】を作ってくれないか?オレが満足のいくできだったら、それ相応の情報をやるよ」
春香「うん?ずいぶんありふれた料理だね」
雪歩「春香、忘れたの?私たち同様、プレアデスは異界とこちらを行き来するプロの情報屋よ。つまり食材は……」
昴「察しがいいな、白うさぎちゃん。単に作るだけじゃなくて条件がある。こいつを有効活用してくれ」
そう言って、プレアデスは荷物を取り出す。
140 :
番長さん
2021/08/16 12:14:18
ID:ol/gJ73B.2
百合子「これは……?」
昴「【B】っていうんだ。保存状態さえよければ、そんなすぐには腐りはしない。オレも忙しいから、そうだな、明後日そっちに直接行くことにするよ。情報以外で、何か手土産でも持っていくことにしようかな」
雪歩「わかったわ」
春香「見てのとおり異界食材だね。なるほど、これをどうにかうまく調理しないといけないわけか。どう?百合子」
百合子「えーっと、今の時点ではなんとも」
雪歩(これはあの秘密兵器【C】を使って調理しないとかな……)
かくして情報屋プレアデスから『HOTDOGS』に関する情報を得るべく異界食材を用いた課題料理に挑戦することとなった3人。
果たしてプレアデスの身も心も満足させられるのだろうか……?
141 :
der変態
2021/08/16 12:15:34
ID:ol/gJ73B.2
※【A】情報屋プレアデスこと昴が作ってほしい料理とは?卵焼き等、調味料を除いて食材そのものが少ない料理はご遠慮ください
※【B】料理する上で使用が必須となる異界食材 あまりに常軌を逸するもの、SAN値直葬されるものはご勘弁を
※【C】『YUKIHO'Sキッチン』が所有する異界食材を調理するための道具のひとつとは? ふわっとした感じでかまいません。三日月宗近とか、そこまで大袈裟じゃなくていいです
※【ID判定】partBに登場するアイドル 予定ではプレアデスと共に来訪予定 可憐・海美含め登場済キャラは再判定
レスの有効期限は 8/17 17:59:59まで
清書は8/18中に投下予定
ご協力お願いします!
142 :
Pちゃま
2021/08/16 13:12:27
ID:3T/7IWWMUE
A 冷やし中華
B ミルキーウェイの鉢植え(実と葉が食用。いい感じにメルヘンなビジュアルと甘みのある実と滋養強壮、ペーストにしたら肩こり腰痛神経痛に効く葉が特徴。葉を燻すのはご法度らしい。ビジュアル的にもご法度)
C インフェルノバーナー(軍事転用厳禁のシロモノ。何かを炙るらしい)
143 :
監督
2021/08/16 13:25:57
ID:CTEpce1ZBE
昴と言ったら卵焼きだろ!っと思ったら禁止されてた…
A肉じゃが
B魔法使いマリーから貰った喋る野菜。口が悪い上に美味しく料理されないと怒る
C超☆圧力鍋。うるさいヤツらを色んな意味で黙らせる
144 :
プロデューサーはん
2021/08/16 17:39:37
ID:vLG3DvSyfY
A:グラタン
B:チーズ各種(普通な感じの異界産のもの、異界のものとしか思えない現世のもの等色々)
C:組み立て式(!!)スチームコンベクション(様々なモードで使用が可能、動力は人力で賄う模様)
145 :
der変態
2021/08/17 06:26:19
ID:NPz2Uevl4g
定期age
ID判定処理
>>141
3T/7IWWMUE →「T」=百瀬莉緒
partBで昴といっしょに雪歩たちを訊ねるのは莉緒ちゃんに決定
雪歩とはダイヤモンドな関係ですなー
レスはまだ募集中です!
146 :
ハニー
2021/08/18 05:00:20
ID:CZn9VuqqVo
レスありがとうございました!
Recipe3partA、さくっとまとめたので投下します
147 :
プロデューサーさま
2021/08/18 05:00:43
ID:CZn9VuqqVo
Recipe3 partA
やよいの訪問から1週間して、雪歩たち3人は凄腕の情報屋プレアデスに会う手筈を整えた。
待ち合わせ場所となったのは、とあるオフィス街のおしゃれなコーヒーショップ。
地下2階の一室で対面したプレアデスのイケメンぶりに思わず恋しちゃいそうになる百合子。
プレアデスは『HOTDOGS』の現状について、ある程度は知っているようだった。
情報提供の対価として提示してきたのは、雪歩たちの料理。
肉じゃがを作ってほしいのだと言う。条件として、使用を余儀なくされたのは何種類かのチーズだった。
肉じゃがにチーズ……なくはないが、どちらかというと一度作った肉じゃがの残りをグラタンにリメイクするイメージがあるだろうか。
プレアデスが差しだしたチーズを検分してみると、どうやら異界食材であるようだった。
たとえば1000種類以上あるナチュラルチーズのすべてを知っているわけではないが、漂うオーラに異界を雪歩は感じたのだ。
かつて共にいたあの子であるならその匂いでどういった食材か、詳細を掴めたかもしれない。春香はそう思った。
異界のチーズを使った肉じゃが作り。このプレアデスの課題に応じるための策として、雪歩が頭に思い浮かべたのは『YUKIHO'Sキッチン』にある、異界食材用の調理器具であった。
これまで百合子が魔導書を用いて導いたレシピにおいても、それらの特殊器具を何度か使ってきている。
日頃、そうした機材のメンテナンスは専ら春香の仕事なのだが。
雪歩「きっとあれの出番だね」
春香「あれ?」
百合子「って、なんですか」
雪歩「地獄の業火に焼かれてもらいますぅ……!」
partBにつづく
148 :
EL変態
2021/08/18 05:01:37
ID:CZn9VuqqVo
partBの下書きは早ければ今日中に
最後までお付き合いください!
149 :
P様
2021/08/18 20:50:57
ID:CZn9VuqqVo
明日の朝一になりそうです
150 :
お兄ちゃん
2021/08/19 05:56:47
ID:ht9h/141EU
投下していきます!
151 :
ぷろでゅーさー
2021/08/19 05:57:19
ID:ht9h/141EU
Recipe3partB下書き
プレアデスと別れ、『YUKIHO'Sキッチン』に戻った3人。
さっそく客間にて作戦会議を始める。
春香「もらったチーズ以外の食材はこっちで用意しないといけないね」
雪歩「ええ。現時点で備蓄として肉じゃがの材料が一式揃っているわけではないもの」
百合子「となると、買ってくるか、あるいはとってくるかですね。獲る・捕る・採る……食材によっては冒険の予感がします!」
春香「はは……プレアデスは明後日にもう来るそうだから、遠出はできないよ。それにあくまで―――」
3人は包みの中の塊に目をやる。
百合子「鍵となるのはこのチーズ、ですか。白雪さん、どうやって肉じゃがと合わせるつもりなんですか。地獄の業火がどうこうって言っていましたよね?」
春香「うーん、加熱するとどうなるか試してみる? まったく溶けないタイプなのか、溶けにくいタイプなのか、瞬く間にとろけるタイプなのか」
雪歩「その必要はないわ」
さらりと雪歩は言う。しげしげとチーズを眺めていた春香と百合子は雪歩のほうに顔を向けた。
152 :
プロデューサー殿
2021/08/19 05:57:35
ID:ht9h/141EU
春香「つまり?」
雪歩「この子を見て、触れてティンときたってこと」
百合子「白雪さんにはこのチーズの使い道、調理法ってのが既に見えているってことですか!?ビジョンってやつですか!?」
雪歩「大それた話じゃないわ。レシピの細部までを思い描けていないし」
春香「まぁ、レシピってのは通常なら時間をかけて、それも1日、2日なんかじゃなくて1カ月、2カ月単位、もしかしたらそれ以上の月日をかけて形にしていくものであるはずだよ」
雪歩「そして絶対がないのも事実ね。その時々、ありとあらゆる状況下で食材の状態だけではなく食べる相手によって最適な味付け、分量等々にも気を配らないといけない」
春香「そんな科学であり化学でもある料理の摂理を、ある意味で壊す術を私たちは知っている。だよね、百合子」
百合子「へっ? それって……」
雪歩と春香は百合子に視線を移す。
153 :
変態インザカントリー
2021/08/19 05:57:51
ID:ht9h/141EU
百合子「この魔導書ということですね……!」
抱えている本をぎゅっといっそう強く抱きしめる百合子。
雪歩「そういうこと。八百万のレシピはただのレシピじゃない。それは料理魔法の集積にして極み。百合子、久しぶりにあれをやるわよ」
百合子「薄々そんな気はしていました。け、けど、心の準備をさせてください。まだうまくやれる自信、ありませんから」
春香「PSTだね。頑張って、ふたりとも!」
PSTすなわちプラチナスターチューンとは、魔導書の契約者である百合子が勝手につけた名称なのだが、事象としては非契約者と魔導書とが同調を果たし、その非契約者の望むようなレシピ、欲しているレシピを導く方法である。
その仲介を担うのが契約者の役割となる。といっても単なる仲介というわけではない。魔導書を通じて契約者は非契約者の心を読み解く必要があり、当然、非契約者側にしても心を開き、通わせなければならない。
早い話、雪歩と百合子の信頼関係がなければできない。かつて雪歩が百合子を厨房に入れることをも躊躇っていた時期に試したのが最初で、そのときは百合子が雪歩の心の壁にはじかれてしまったのだった。
百合子(あの時、白雪さんの心の端に触れた瞬間に、うっすらと目にした人影……師匠さんなのか、可憐さんなのかわからないけど、私はまだその人のことを知らない……)
154 :
ダーリン
2021/08/19 05:58:24
ID:ht9h/141EU
雪歩「さて、と。春香には食材の仕入れをお願いしたいわ」
春香「ふふっ、言われるまでもなくそのつもりだよ。期待していいよ。最近、噂であの高名な魔法使いが育てていたっていう喋る野菜の話を聞いて……」
雪歩「わかっていると思うけど、今回の料理には『HOTDOGS』の情報がかかっている。可憐ちゃんが今どこで何しているかの手がかりが。そうよね?」
春香「も、もちんわかっているよ!! 近所の商店街、通称『昇天街』で良質な食材、揃えてくるっ!」
そう言うや否や早足で去っていく春香。気合は十分なようだ。
雪歩「心の準備ができたら、私の部屋にきて」
春香が出ていくのを見届けた雪歩が百合子にそう言って、後を追うように客間を出た。
残された百合子は無意識に溜息をつく。
百合子(春香さんたちの幼馴染がメンバーの1人だという『HOTDOGS』かぁ。今回の一件が終わったら、ちゃんと2人から話を聞きたいな。聞く資格……あるよね?)
ふと百合子は今では遠い日の記憶をよみがえらせる。
春香と雪歩、半年余り前、2人に初めて出会ったのは【A】だった。
(以下、3人の邂逅シーンわずかに加筆予定)
155 :
師匠
2021/08/19 05:58:48
ID:ht9h/141EU
そして迎えたプレアデス訪問当日
午後一番に来る予定だが、朝早くから東奔西走しているのは春香だった。
食材の仕入れが思ったより難航した、いや、これはいい、そんなのはハザマとして生きる人間として当然だ。
どこにでもある誰にでも扱えるような代物を料理するのが自分たちではない。
まな板を前に包丁を振るうことのない自分が雪歩のためにできることは、彼女のために最高・最適の食材を用意してあげること。
気恥ずかしくて口にはしないが、それは春香の生きがいのひとつと言えた。
そんな春香が忙しくている理由……。
春香「あー、もうっ、私ひとりかーっ!ワンオペですよ、ワンオペ!」
客間の掃除や(春香でも許可されている)下ごしらえの他、あれこれと雑用に追われている。
それもこれも雪歩が納得いくまで百合子にリテイクを繰り返し、何度も繋がって、2人揃ってかなりの疲労感のせいで早くに起きられないのが悪い。
春香「ってか、部屋からは生々しい声が聞こえるし、悶々としっぱなしですよ!」
雪歩「悪かったわね」
春香「げえっ、雪歩」
雪歩「朝早くからありがとう。あとは任せて。えっと……【B】を買ってきてくれるかしら?」
春香「は? なんでまた急にそんな……何に使う気?」
雪歩「いいから、いいから。ね?お願い。ダ、ダメぇ?」
春香「はぁー、上目づかいでおねだりとかさぁ。こういうときばかり、そういう表情するんだから」
雪歩「よろしくね」
春香「はいはい」
156 :
プロちゃん
2021/08/19 06:00:06
ID:ht9h/141EU
正午過ぎ 路地裏 店の前
起床してから30分しない、レッスンウェアを着た百合子が寝ぼけまなこで軽くストレッチしているところに2人の人物がやってきた。
莉緒「おまたせ♪」
昴「待たせたな」
プレアデスと、もう一人は比較的背丈の高い女性。ハイヒールを履いていることもあって175㎝はある。
はだけている胸元がセクシーだ。
百合子「いらっしゃいませ! えっと、そちらのセクシーな女性は?も、ももももももしかして、ふぃ、ふぃあんせ?!」
莉緒「ま、だいたいそんな感じよね。ね、プレちゃん?」
昴「どうとでも言うがいい」
百合子・莉緒「きゃぁーーー、クール!」
莉緒「やだ、この子、私と気が合いそう♪」
百合子「えへへ」
莉緒「私は莉緒。ハンドレッドなんて通り名で【C】を生業としているわ。それでまぁ、情報屋ともつながりがあるってことなの」
百合子「なるほど」
157 :
番長さん
2021/08/19 06:00:30
ID:ht9h/141EU
雪歩「お待ちしておりました。さぁ、こちらへ」
昴を除いた3人が話に花を咲かせようとしているところに、雪歩が音もなく現れる。
プレアデスを見据えるその瞳には炎が宿る。
ただもてなすだけじゃない。今日は聞きださねばならない情報があるのだ―――その熱き想いが静かに燃え上がっていた。
(以下、課題料理パート さくっと書く予定)
158 :
Pさん
2021/08/19 06:00:54
ID:ht9h/141EU
※【A】雪歩たちと百合子が出会った場所・シチュエーション こちらで改めて書く予定もあるので、さらっとした感じでかまいません
※【B】雪歩が春香に買い出しを頼んだもの 非食材でも可 ただし気軽に近場で購入できるものに限定
※【C】莉緒の身分・地位・職業 健全なものでお願いします
※【D】昴から得られる情報(の種類)は以下の4択からいずれか1つを選んでください。原則多数決 同率でID判定処理に移行
a『HOTDOGS』をプロデュースしている奴がいるそうだ
b『HOTDOGS』を異界市場で見たっていう人がいるようだ
c『HOTDOGS』はとある料理大会に出場する予定らしい
d『HOTDOGS』の大ファンだというお嬢様がいるみたいだ
※【ID判定】Recipe4で登場するアイドル選出 このレスの直後レス 登場済キャラ再判定処理
※今回の料理については食べる人物の「悩み」や「対価」は関係ありません(たぶん)
レスの有効期限は8/20 18:59:59まで
清書は8/21中を予定。
何卒最後までご協力お願いします!
159 :
do変態
2021/08/19 09:54:46
ID:n8fjfb6BvE
A 図書館で魔導書柚子胡椒の数々に埋もれてた百合子を助けた
B 柚子胡椒
C ファッション誌の記者
Dc
160 :
プロデューサーちゃん
2021/08/19 14:41:20
ID:ZoGlJLVryU
A魔導書を抱えて行き倒れていたところを助けてもらった
Bお茶請け
C異界食材の密猟者を追う捜査官
Dc
161 :
プロデューサー殿
2021/08/19 20:06:32
ID:dX8VODwcQs
A:古書店の片隅で魔導書と出逢った百合子
いつの間にか魔導書と一緒に異界に迷いこんで、紆余曲折の末に二人と出会う
B:チーズおろし器(客の目の前でチーズをおろして仕上げるのには、新品の方が良い)
C:硲もといハザマ関係の私立探偵(後に雪歩達の依頼を受ける展開も?)
D:b
162 :
せんせぇ
2021/08/19 20:19:44
ID:77OeuB85bg
>>159
についてはAは思い切り誤字なので柚子胡椒はスルーでお願いしゃす
あとCにファッション誌記者+モデル兼任ってことで頼んます
163 :
Pちゃん
2021/08/20 16:08:34
ID:T2zZl7gfU6
定期age ID判定選出
>>159
n8fjfb6BvE→n=春日未来
未来ちゃは次回登場確定!
第1回終盤ぶりかな
引き続きレス募集中ですよー
164 :
プロデューサーちゃん
2021/08/21 12:47:41
ID:nxc9lrevGM
レスありがとうございます!
Recipe3partB投下していきます!
165 :
我が友
2021/08/21 12:48:04
ID:nxc9lrevGM
Recipe3partB
異界チーズを使った肉じゃが作り。雪歩は何か思いついたことがあるようだった。
それをより洗練させるために、百合子とともにPST(プラチナスターチューン)することに。
魔導書を介しての契約者と非契約者との同調。互いの信頼関係があってこそ成立する、レシピ獲得法である。
かつて、まだ「家族」扱いされてはいなかった百合子はその同調中、雪歩の心の端に触れ、何者かの影を見たのだった。
思い出してみれば、と百合子は過去を振り返る。
こことは違う、魔法のない百合子にとって「普通」の世界で、妄想少女もとい、文学少女であった百合子。
古書に興味を持ち出したのはつい一年前であっただろうか。絶版となってもう半世紀以上経つ代物から、もっともっと古い時代の本たち。
もともと古書店が家の近くにあったことも百合子の古書趣味を後押しした。が、それを実際に購入するにはお金が足りない。
そんなとき、あれはいったい誰からだったろう、古書含めて珍しい本がずらりと並んだ小さな図書館があるという噂を耳にして百合子はその場所へと1人で向かったのだった。
今になって考えてみるに、百合子に噂を与えた者は異界の住人だったのかもしれない。
百合子がたどり着いた、たどり着けてしまったその場所は、「普通」の図書館ではなかったのだから―――。
166 :
監督
2021/08/21 12:48:22
ID:nxc9lrevGM
記憶の細部はもはや崩れて落ちている。思い出すことができるのは、その図書館にて何か恐ろしい体験をして、本を一冊抱えたまま、出口を求めて駆けていた自分の姿。
やがて奇妙な紋様の施された扉から出た百合子はその外が自分のいた世界とはべつであるのを悟る。
しかし慌てて振り返ればそこに戻るための扉はなかった。へなへなとその場に座りつくす百合子。
彼女がその世界、すなわち今いる世界で初めて出会った人間が2人の可憐なる少女であったのはこれ以上ない幸運であった。
判明したのは百合子が抱えていた本が幻とされる料理魔法に関わる魔導書であり、その契約の対価によって元いた世界を追われてしまったということ。
けれども百合子は契約した覚えがないと話す。あの日、あの図書館で何が起こったのか。それは既に泡沫の夢となっていた。
プレアデス訪問当日
長く、深く繋がった雪歩と百合子は疲弊し、いつもよりずっと長時間の睡眠を貪っていた。
春香はひとり、訪問者をもてなす準備をする。
そしてやっと起きてきた雪歩は春香に、お茶請けを買ってくるよう頼む。
このタイミングで?と思う春香であったが、雪歩のおねだりには逆らえなかった。
167 :
プロちゃん
2021/08/21 12:48:39
ID:nxc9lrevGM
プレアデスと共にやってきたのはセクシーな女性。現行イベントで雪歩たちとともに『真夏のダイヤ☆』を歌っている莉緒だった。
莉緒「これでも異界食材の密猟者を追う捜査官なの。近頃は個人じゃなくて一団となって管理区域内の貴重食材を根こそぎ奪う連中も出没しているのよ」
百合子「ええっ、捜査官!? か、かっこいいです。もしかして例の機関の方ですか」
百合子の言葉に莉緒は笑顔を引きつらせた。まずいことを聞いたかなと不安がる百合子にプレアデスが話す。
昴「いや、ちがう。たしかに過去には機関からの依頼も何件かこなしてみたいだが……待遇や報酬に満足できずに、今では仮に依頼がきても断っている。そうだろう?」
莉緒「まあね。やつら、こう言っちゃなんだけど、密猟者どもより質が悪いところあるもの。実体が掴めないのも、不愉快ね」
百合子「は、はぁ」
昴「表向きはファッション誌の記者として働いているんだが、そっちのほうが儲けている」
莉緒「あーっ、もう、そんなこと言わなくていいの! ん、でも、そうね、百合子ちゃんはコーディネートしがいがありそうね♪ ねぇ、今度、モデルやってみない?」
昴「やめとけ、やめとけ。表に出られない辱めを受けることになるぞ」
莉緒「ええ~、まだあのこと、根にもっているわけ?」
百合子(いったい何があったんだろう……)
莉緒「ま、そんなわけで捜査官というよりも、実際はハザマ関係の私立探偵みたいなもんかな。以後、お見知り置きを、なんてーね」
168 :
プロデューサーさん
2021/08/21 12:49:02
ID:nxc9lrevGM
― 客間 ―
雪歩「お待たせしました。こちらになります」
莉緒「わぁ!肉じゃが!うーん、いいわね、この香り。柚子胡椒?」
雪歩「ええ」
昴「あれが見当たらないが?どろどろに溶かしたのか?」
雪歩「いえ――――これから仕上げをお客様たちに見せましょう。春香、お願い」
春香「よいしょっと」
百合子「これは……」
春香が抱えてきたのは見た目が工業用ハンドトーチガスバーナーで、しかしそれにしてはいやにごてごてとした赤黒い物体だった。
調理器具というよりも重火器に近い。
昴「インフェルノバーナー……実物は初めて見るな」
雪歩「さすが物知りですね」
莉緒「ねぇ、これって珍しいものなの?」
昴「ああ。インフェルノシリーズは、その筋ではいわゆる4つ星に区分される異界調理器具シリーズだ。職人が絶えてもう十数年……後継機は望めないのが惜しいな。見たところ整備もしっかりとされている」
春香「えへへ」
莉緒「で、これをどうつかうの」
昴「チーズを炙るのか?だが、こいつの火力を考えれば……」
雪歩「跡形もなくなる、ですか?」
昴「ちがうのか?」
169 :
プロデューサー様
2021/08/21 12:49:21
ID:nxc9lrevGM
雪歩「インフェルノバーナーは何も高火力が売りというわけではありません」
昴「ほう……」
雪歩「地獄の業火はより罪人を長くいたぶるためにあるのです。消し炭にしてしまうなんて使い方は二流以下もいいところです」
春香「はい、持ってきたよー」
春香がサイコロ状に切ったチーズを雪歩の前に用意する。
百合子は固唾を呑んで成り行きを見守る
雪歩「業火(ひ)をつけて…」
幻想的な炎が美しくチーズを熱する!
昴「『inferno SQUARING』、まさかこんな形でお目にかかれるとはな」
莉緒「見て…!サイコロだったチーズが―――!」
百合子「丸くなって、真珠のようになった!?」
春香「うん、きらきらとして、本当に宝石のみたい」
昴「それだけじゃない、炎をチーズが吸収したように、体積が増している」
雪歩「しらじらしいですね。このチーズの特性、あなたが知らないわけがない」
莉緒「え、どういうこと?」
170 :
プロデューサークン
2021/08/21 12:49:53
ID:nxc9lrevGM
雪歩「百合子とのPSTによって得たレシピが、このチーズの詳細を私に教えてくれました。私の直感どおり、このチーズは簡単に言えば、炎を旨味に変換して蓄えるんです」
春香「な、なんだってーーー!!」
昴「ふっ。そのPSTってのが何だがわからないが……正解だ。それはフレイムイーターの名で知られる異界チーズだ」
百合子「火焔喰らいだなんて、仰々しいですね」
昴「半端な熱であれば、旨味に変わるどころか異臭に変わってしまう。そして高熱であっても、短時間であれば食べることがかなわないカチカチの出来損ないの玉に変わる」
春香「インフェルノバーナーの火は短時間で長時間分の燃焼を可能にする。よくわかんないけど、そんな感じ!」
昴「こいつがこんなにも綺麗なパールとなったのは初めて見るよ」
雪歩「ふふっ、見た目だけではありませんよ。これをこうしてっと」
雪歩が肉じゃがの盛りつけられた皿に、パールと化したフレイムイーターを手際よく移していく。
莉緒「んっ!?柚子胡椒の香りが壊れたり邪魔するどころか、これは……調和、まさしく『Harmony 4 You』!!」
雪歩「さぁ、ご賞味あれ!」
171 :
ぷろでゅーしゃー
2021/08/21 12:50:10
ID:nxc9lrevGM
食後
昴「ご馳走様、期待以上だったよ」
莉緒「感動したわ。これがハザマの料理……仕事柄、食材はわりと触れるけど、あんまりハザマの料理を食べられないのよねー」
雪歩「さて、それではあなたの番です、情報屋プレアデス。食後のお茶を淹れますから、ゆっくりと話していただきましょう」
春香「お茶請けもあるよ!」
百合子「栗ようかんとは、いい趣味していますね!」
春香「百合子ちゃんの分はないよ?」
百合子「ええーっ!?」
172 :
あなた様
2021/08/21 12:50:25
ID:nxc9lrevGM
昴「『HOTDOGS』についてだが、前に話したとおりその居場所は突き止めていない。だが……」
雪歩「だが?」
昴「近々、現れる場所ならわかる」
春香「それって……」
百合子「行きつけの料理店とかですか?」
昴「いや、実は大会があるんだ」
雪歩「大会……」
昴「君たちよりも、異界寄りのハザマにはもう声がかかっていると思う」
春香「つまり料理大会ってこと?」
173 :
Pはん
2021/08/21 12:50:40
ID:nxc9lrevGM
昴「そうだ。でもそんな大規模な大会じゃない。異界に幅を利かせている富豪の令嬢が、なかなかの食通でね」
雪歩「なるほど。そのグルメ令嬢を満足させる料理人探しの大会というやつですね」
昴「まあな」
春香「それって気軽に私たちも参加できるんですか?」
昴「参加者の大部分は富豪と元々付き合いのある人間がどこからか見つけてくる料理人だ。それらとはべつに挑戦枠がある。当然、審査があるけどな」
百合子「予選ってことですね。その令嬢と1ミリも関係ない料理人であってもそれに合格すれば、本選に参加できってことですよね!」
昴「ああ。『HOTDOGS』は予選には参加しないがな。一カ月前ほどに、令嬢の友人と偶然なのか仕組んだのか、関わりを持ったらしくてすぐに本選に参加できるみたいだ」
春香「狙いがあるとしたら……あの、その大会には何か賞品があったり?それとも得られるのはその富豪との人脈だけですか?」
雪歩「………」
174 :
兄ちゃん
2021/08/21 12:50:52
ID:nxc9lrevGM
昴「さあ。実はそこはぼかされているんだ。『異界料理人にとってすばらしいもの』だってな」
莉緒「最高位の5つ星調理器具か、レジェンド級の食材、SSR調味料、古代文明の遺したシステムキッチン……まあ、いろいろと候補はあるわよね」
春香(オトメティックパワーの増大に役立つ何かの可能性もあるってことだよね)
雪歩に耳打ちする春香。ちょうどSHS状態だったため直に吐息があたり、「ひゃんっ」と艶っぽい声をあげる雪歩だった。
隣で「あわわわ」と百合子が赤面する
雪歩「……こほん。大会の詳細を教えてくれますよね。申し込み方法とか、そういうの」
かくして『HOTDOGS』の情報を入手した3人だったが―――?
Recipe4につづく
175 :
お兄ちゃん
2021/08/21 12:54:18
ID:nxc9lrevGM
Recipe4partAは早ければ明日(8/21)中に投下予定
今のところ、
Recipe4→大会準備編
Recipe5~7→大会編
Recipe8→????
って構成予定 安価しだいでは変わるかも
あと雪歩・春香・百合子の3人のユニット名をRecipe4か5で安価予定なのですが、もし既に「これだ!」っていうのがレスしてくださると嬉しいです。
(例によって採用は確約できませんが)
ご意見・ご想像募集中です!何卒最後までお付き合いください!
176 :
ハニー
2021/08/21 18:28:10
ID:aaPkZ9YVcY
「グリルモワール」とかいう感じかな?
もうちょいひねった方が良いのかな?
177 :
プロちゃん
2021/08/21 21:49:04
ID:nxc9lrevGM
>>176
グリルとかけたんすねー、いいっすね
暫定的にこれにしておきしょうか
今回のpartBで安価とろうかな
そんなこんなで予定より早く書けたのでRecipe4partA下書き投下していきます!
178 :
ぷろでゅーしゃー
2021/08/21 21:49:22
ID:nxc9lrevGM
Recipe4 partA 下書き
プレアデスから異界料理の大会に『HOTDOGS』(以下、熱犬)が参加するという情報を得た雪歩たち。
熱犬は大会の開催側である令嬢の友人と友好関係を築いたことで、既に本選への登録を済ませてあるという。
対して、雪歩たちは予選審査をまずは通らなければならない。
プレアデスの話では開催はこちらの世界でいうところの3週間後の満月の夜、それは異界にとっては夜ですらないかもしれないが、じずれにしてもまだ日はある。
大会申し込み自体は直前で問題ない、なんだったら飛び込みでもという話だそうだ。
プレアデス訪問から3日後 早朝
厨房で雪歩が3人分の朝食を作る。春香はそれを手伝う。
慣れた手つきだ。普段は料理中にあまり会話しない2人であったが、その日は例の大会に向けての準備についてあれこれと話す。
179 :
夏の変態大三角形
2021/08/21 21:49:34
ID:nxc9lrevGM
雪歩「それじゃ、春香。百合子のこと、頼んだわよ」
春香「うん。素質はあるから大丈夫だと思う」
雪歩「そうね。ポテンシャルだけで言えば、私たちの中で一番かも」
春香「へぇ?雪歩が言うならそうなんだろうね。百合子に直接言ってやりなよ。喜ぶよ」
雪歩「そうかしら。戸惑うだけじゃない?」
春香「ここにきたばかりの百合子だったらね。あの子は、なんていうかああ見えて………タフだよ。家族や友達と突然の別離、見知らぬ大地、そこは異世界……とんでもない漂流者なんだよね。凄くない?少なくとも異常妄想愛者ってだけじゃない」
雪歩「そうね……百合子は独りでこの世界に来たのだったわね。―――私たち3人と違って」
180 :
プロちゃん
2021/08/21 21:49:49
ID:nxc9lrevGM
同時刻 百合子の部屋
プレアデスでの一件が済んでから、百合子はタイミングをずっと見計らっていた。
それはつまり、雪歩たちに「可憐ちゃん」と呼ばれている彼女たちの幼馴染のことを聞くタイミングである。
いかにして雪歩たちの元を離れて熱犬のもとへと進んだのか、そこまでを知りたいとは思わない。
ただ、単純に自分以上に「家族」として認識されているであろう存在、雪歩と春香にとって間違いなく大切な存在である少女のことを聞いておきたいと思っている。
もっと言えば、自分が大会に参加する意味や意義。雪歩たち「家族」に協力することに異論はない。
が、その先にある「可憐ちゃん」についてほとんど何も知らないでいるのはいかがなものか。
181 :
der変態
2021/08/21 21:50:23
ID:nxc9lrevGM
百合子「私には可憐さんのことを知る権利と資格がある」
全身を映し出す鏡の前で少女は自分を見つめてそう言った。
続けて、彼女自身を奮い立たせるような言葉が並んでいき、彼女は彼女を肯定する。
自己暗示。少女がこの世界で平常心を保ち続けるために、人知れず毎日行っている儀式めいた習慣のひとつ。
セブンテイルズと名乗ってみたり、あたかも自分自身をはじめから異界の住人、特別な人物であるとしたりするのは、くだらぬ妄想ではなく、百合子なりの防衛本能の賜物なのだろうか。
できるだけ肌身離さず持ち歩かなくてはならない魔導書。契約という名の呪い。
この本があるから私はここにいられる?白雪さんや春香さんのために役に立てる。
じゃあ、もしも、そう、もしも仮に私がこの本を扱えなくなったら―――
そうした不安が杞憂だと言えるようになったのは、実は最近になってから
2人から確かな信愛を感じられるようになってからだった。
百合子「……また今度にしよう。今日は日が悪い。それに、白雪さんなら、きっと私から言わずとも話してくれるはず、だよね? 前にそんなこと言っていたし。うん……大丈夫」
少女は鏡に埃よけの布を被せながら、そう弱々しく呟いた。
182 :
ご主人様
2021/08/21 21:50:37
ID:nxc9lrevGM
百合子「護身術?」
春香「うむ。しかもただの護身術にあらず、だよ」
朝食後、春香は百合子を、話があると自分の部屋に招いた。
春香「異界は危険だからね。心得があるにこしたことはないかなって」
百合子「な、なるほど。それで先生役を春香さんが?」
春香「うん。知ってのとおり、私はこちら側に限らず、時期を見て異界でも食材の仕入れを行っているから、まぁ、それなりに動けるからね」
百合子「へぇー……」
春香「そうは見えないでしょ?いつも転んでばかりなのに不安だって思った?」
百合子「ッ!? 読心術まで身につけているんですかッ?!」
春香「おいコラ」
183 :
プロデューサーさん
2021/08/21 21:50:50
ID:nxc9lrevGM
春香「こっちとあちらじゃ、身体の動かし方が違うんだよ」
百合子「というと……?」
春香「こっちだと非力な少女であっても異界だとそうとも限らないの。そう、マナをうまく使えたらね」
百合子「おお……急にバトルファンタジーな雰囲気出てきましたね!」
春香「掘り下げすぎてもしかたないから、ざっくり話すね」
百合子「あ、はい」
春香「異界の空気中に漂うマナ。場所によって濃度の分布、再生の程度はまちまち。それを身体に取り入れたり、纏ったり、より高位のエネルギーに変換したり……つまりは行使することで超常的な能力を発揮する」
百合子「ふむふむ。簡単に言ってしまえば、魔法の世界ってことですね」
春香「そうそう。マナとの相性、能力の発現の在り様は人それぞれ、資質がものを言うわけ。ってことで、はい」
百合子「これは……カード?」
184 :
ボス
2021/08/21 21:51:04
ID:nxc9lrevGM
春香「機関が採用している、その人の資質を調べるアイテムだよ。一般にも流通させているの。あ、異界での一般ってことね。昨日、莉緒さんに貰ったんだ」
百合子「莉緒さんに?」
春香「美味しかったな~、絶品スイーツ。あっ、これ、雪歩には内緒ね。というか、ほら、市場調査ってやつだからね!遊んでいたわけじゃないから!うん、だって現にこれを貰ってきているし、お仕事ですよ!お仕事!」
百合子「えっと、それでこのカード、どう使えば?」
春香「単純明快。持って、にーちゅっと力を込めるの。カードに何か紋様が浮き出すまで込め続けるんだ。対応表も貰ってきているから。大まかな能力の系統がわかるんだよ。さ、やってみて」
百合子「その前に、春香さんはどうなんですか?」
春香「へっ。私? 私は……正統派だよ?」
百合子「???」
春香「身体能力向上系ってこと」
百合子「………」
春香「地味って思った?」
百合子「ッ!? 読心術まで身につけているんですかッ?!
春香「それはもうええがな!!」
185 :
そなた
2021/08/21 21:51:20
ID:nxc9lrevGM
春香「こっちの世界の人間が異界で発揮できる能力としては過半数を占めるんだよ、身体能力向上系って。言い換えればこっちの2人に1人は向こうでは基礎ステータスがぐーんとあがる感じ。そういった人たちみんなが異界のストリートファイターやっているわけじゃないけどね。極めさえすれば、最も強大だって言われている系統ではあるんだよ」
百合子「力こそパワー!ってやつですね。たしかに攻撃力に極振りでなんとかなるのも多いし」
春香「そういうこと。あと、大事なことを伝えるの忘れていた」
百合子「ん?なんですか」
春香「ノリで設定作って書いたはいいけど、戦闘描写は1回か、あっても2回ぐらいだからそう気負う必要はないよ」
百合子「ええーっ」ドンガラガッシャーン
春香「またベタなリアクション……」
料理メインだからしかたないっス
そういうわけで大会開催まで定期的に、異界のほとりにて戦闘訓練をつむつむする春香・百合子であった
【A】→百合子の能力系統
186 :
ハニー
2021/08/21 21:51:36
ID:nxc9lrevGM
2日後の午後
現行イベントに便乗(?)してダイヤモンドゲームをはじめたはいいものの、すぐに飽きてしまった3人は駄弁りながらミリシタのMV観賞会をしていた。
初期・早期実装曲と比べてみるとカメラワークひとつとってもその進歩がわかる。それはそれとして初期に多い、斜め落ちノーツ、てめぇは許さん
そんなところに1人のお客様がやってきた。
未来「あれ~?ここどこだろう~?」
店の前できょろきょろしている、わんこ系の少女。先に断わっておくと実は熱犬のリーダー!っていう展開はない
あと、引くことはできていないがミリカンのパジャマ姿が可愛い。
雪歩「『YUKOHO'S』キッチンへようこそ」
毎回言うつもりが久しぶりに言った気がする台詞を雪歩はその少女にむかって言う。
未来「キッチン?もしかしてここお料理屋さんなんですかっ? それともお惣菜とかテイクアウトできるお店…?」
春香「離乳食から末期の水まで!ここは私たちが経営している料理店だよ!」
未来「乳はないんですか?」
百合子「ツッコミどころ、そこじゃないから!」
187 :
プロデューサークン
2021/08/21 21:51:52
ID:nxc9lrevGM
未来「わっ! 素敵な洋服ですね。風を感じるっていうか……嵐?」
百合子「この服はインフィニティストームです!」
例のごとくその場で一回転してみせる百合子。
いろいろと丸出しの衣装。グリ時代のイラスト時点で既にその露出度の高さにPたちのなかで嵐が起こったとか起こっていないとか
ユニット名(乙女ストーム!)の印象が強すぎるせいか曲名『Growing Storm!』を忘れがちなのは自分だけだろうか。
未来「風にのって羽ばたく翼を、衣装に可愛くあしらいました。」
百合子「どんな風でも力に変えていける乙女たちは」
未来・百合子「いつだって無限大の可能性!」
未来・百合子「でへへ~」
雪歩「みらゆりですか、大したものですね」
春香「こらこら」
188 :
ダーリン
2021/08/21 21:52:05
ID:nxc9lrevGM
互いに自己紹介を済ませた後、話はとんとん拍子に進み、未来は客間へとたどり着く。
今回は百合子が未来の話を聞くことに。
未来「悩み……はい、それだったら、たぶん【B】のことです!」
百合子(意外!)
以下、解決編まで(partA内で)パパッと書く予定
189 :
Pはん
2021/08/21 21:54:01
ID:nxc9lrevGM
※【A】セブンテイルズこと百合子の能力系統は?大雑把な感じでかまいません 劇中で言及があるとおり、そこまでの活躍(戦闘描写はない予定) チート級なのはご遠慮ください
※【B】未来の悩み せっかくのドラマということで、意外なやつで もちろん健全なものに限定
※【C】未来のために作る料理
※【D】partBで3人のうち少なくとも1人(場合によっては全員)が訪れる場所 異界以外でお願いします
※【ID判定】partBに登場するアイドル 大会関係者 登場済アイドル再判定処理
レスの有効期限は8/23 16:59:59まで 早ければ8/22の夜に清書投下します
何卒ご協力お願いします!
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