【安価】全13話 765プロ劇場ドラマ制作スレ
1 : 5流プロデューサー   2021/05/23 15:08:43 ID:Ny8OOBMAcI
試しに立ててみた(立っていたらいいけど)

【概要?】
公序良俗を遵守
(初日を除いて)1日1話更新を目標に
各話あらすじ 390字程度 
そのうち安価4〜5箇所程度
スレの過疎・あまりに混沌とした展開等による打ち切りあり
原則連投禁止→安価無効 直下あるいは再安価

今日(5/23)中についたレスのなかからドラマのタイトルをスレ主の独断で決定
ただし、(あくまで安価が主体としたいので)出演者や展開を明示するようなタイトルは採用しない方針
109 : ぷろでゅーさー   2021/05/28 11:55:51 ID:d2rctwPQYo
A.空中に浮かぶ古代神殿で、緑色の怪物5体くらいが焚き火の周りを踊っている
C.可奈
D.歴史に名を残す
F.昼間食べたアイスのフレーバーと同じ香り
110 : 魔法使いさん   2021/05/28 16:47:42 ID:kXG8H3ra7o
B:土砂降りの日に雨宿りしている二人
他に誰もいない中、何となく話し始める(お互いに相手から話しかけてきたと主張)
気がついたら雨は止み、雲の間から夕方の日差しが差し込んできた
顔を見合わせて笑い合う二人
どちらからともなく「ああ、あの時と同じ空」と呟いた
111 : P様   2021/05/28 21:24:55 ID:59W9m6ksvk
レスありがとうございます!

第5話 その1
琴葉が桃子の誘いにどう応じるか迷っていると、そこに琴葉を心配してやってきた育が姿をみせる。育は桃子を見て、琴葉にあらぬ疑いをかけるが、どうにか誤解を解く琴葉。
すると今度は、育が桃子を可愛がりはじめ、この人どうにかしてよと桃子は琴葉に言ってくる。「と、とりあえずソフトクリーム食べにいこっか?」と琴葉が提案し、3人は桃子のいうソフトクリーム屋さんへ。
公園脇に移動販売車を止めて売っているらしかったが、その店員の容貌をみて、ぎょっとする一同。育が「なんで桃子ちゃんまで驚いているの?」と訊ねると、どうやらこのソフトクリーム屋さんの情報はあの歌織から聞いたものらしい。なんでも宇宙の神秘が味わえるとのことだったが……。
3人はそれぞれバビロン・ストロベリー、バビロン・ピーチ、バビロンバニラという怪しげなフレーバーに挑戦する。
112 : do変態   2021/05/28 21:25:14 ID:59W9m6ksvk
その2
ソフトクリームを口にした琴葉の脳裏に稲妻のように駆け巡ったイメージ(光景)、それは南極に秘密裏に建てられた研究所を謎の宇宙船から降下してきた緑色をした何かが研究員を襲うというものだった。
スペースチュパカブラ……?秘匿され続けてきた研究って……? 強烈なイメージに動揺する琴葉だったが、自分をよそに仲良くなっている桃子と育には黙っておくことする琴葉。
日が沈んでいき、暗くなりつつある帰り道、育は桃子ちゃんがいてくれるなら大丈夫そうだねと琴葉に言う。琴葉はまだ知り合って間もない桃子と友人と呼んでいいのか悩んだが、桃子が空気を読んで「まぁ、しかたないね。桃子が田中さん……ううん、琴葉さんのこと、面倒みてあげるよ。勉強だって教えてあげられるし」と言うのだった。
再び琴葉の部屋の前。桃子を見送ったふたり。育は改めて琴葉に電話で怒ってしまったことを謝る。私のほうこそ、と琴葉。
そして育は出し抜けに「ねぇ、琴ちゃん、覚えている? ほら、私たちが初めて出会った日、それから友達になったあの日のこと」と訊ねた。
琴葉が「ふふっ、初めて出会ったのは4歳の頃だったよね」
113 : Pさぁん   2021/05/28 21:26:07 ID:59W9m6ksvk
その3
―――そうだ、あれは家族でショッピングモールにお出かけをした日のこと。お母さんたちとはぐれた私がたどり着いたのは広いホールのような場所で、そこでマイティーセーラーショーがあって、お母さんたちのことを忘れるぐらいに夢中になって観たっけ。私が惹かれたのはどちらかというと悪役のお姉さんだったけど……。
ショーが終わって、夢から覚めた心地であたりを見回すと、育と目があった。自分と同じぐらいの年の女の子。そしてその時の彼女もまた一人だった。
私は迷子になっている育を迷子センターに届けてあげたんだ。育は「私が迷子になっている琴ちゃんを案内してあげたんだよ」って言い張っているけどね。
「ドラマみたいだよね」
育があの日の無邪気さで笑うので、琴葉もつられて顔をほころばせた。
「それから……何年も経って、再会するなんてね。最初は気づかなかったけど」
今から5年前になるのかな、中学1年生の初夏のこと。あの頃は今よりもさらに内気で、人の目を見て話せなかったっけ。友達も少なかった。
都会の人ごみに本格的に嫌気が差してきたのもその頃だっけ。傘を忘れた私は放課後の教室に残って、ただ窓の外をぼんやりと眺めていた。一人きりだと思って油断していたんだと思う、ほとんど無意識に鼻歌を歌っていた私。曲はデストルドーのテーマ曲。
まさか育が教室に忘れ物をとりにきて、私の鼻歌に反応して声をかけてくる、なんて今でもちょっと信じられない偶然。外の土砂降りと違って、ぽつぽつと私たちの会話は続いて、どういう流れだったのか忘れたけれど、あの日の迷子ふたりだってことが判明した。
そうして私たちは友達になった。雨が嘘みたいにパッと止んで、雲間を裂いて注ぐ夕焼け色、その光はまるで私たちの新たな関係を祝福しているみたいだった―――。
114 : せんせぇ   2021/05/28 21:26:26 ID:59W9m6ksvk
その4
「あのね、どうしようもなく月並みな言葉だけれど、この空はつながっているんだよ」
育は日の沈みゆく空を、そのずっと向こうを見つめてから、琴葉に向き直って言う。
「また琴ちゃんがうじうじしちゃって、部屋の隅、冷たい床の上で膝を抱えることになったそんな時には―――どこにいたって、こうやって私が駆けつけるんだからね!」
琴葉は首を縦に振る。言いたいことが山ほどあるはずなのに上手く出てこない。それでもやっと「ありがとう」と出てきて、それでまたふたりで笑い合った。
115 : プロデューサーちゃん   2021/05/28 21:26:48 ID:59W9m6ksvk
その5
その夜。なんとなく落ち着かなかった琴葉は、空猫喫茶店へと行くことにした。
店のドアを開く前に、またあのフルートの音が聞こえた。おそるおそる店内に入った琴葉は店のなかをゆっくりと見回す。
すると、一番奥の席、窓の外へと身体を向けてたしかにフルートを吹いているらしい客がいた。意識しなければ霞のように存在が希薄な人……本当にこの世の人なのだろうかと琴葉は思う。
琴葉が聞き入っていると、美也が後ろから「いらっしゃいませ~」と囁いてきて、「どひゃぁっ」と仰天する琴葉。
同時にフルートの音が止んで、そちらを見直すとそこには誰もいない。
美也は「む~ん……可奈ちゃん、いなくなってしまいましたね~」とのんびりと言うのだった。
閉口する琴葉に美也は続けて、「今夜は、空が晴れていて星がよく見えますよ~」と琴葉をこじんまりしたテラス席へと誘った。
「綺麗……」と琴葉は見上げた夜空についうっとりとする。美也が淹れてくれた珈琲で内側から温まりながらたわいない話をするふたり。
美也がお店をはじめたきっかけは「誰かの癒しになりたいから」らしい。それがいつしか、みんなが癒される空間の創造になった。
「大好きなおじいちゃんと多くの時間を過ごした縁側のような場所にしたいんです~」と優しい表情で言う美也だった。
客足は数少ないが、店とはべつに株式投資でそれなりに稼いでいるのだとか。そういう種の人に見えなくて、琴葉は飲んでいた珈琲を思わず吹き出しそうになった。
116 : プロデューサーさん   2021/05/28 21:27:09 ID:59W9m6ksvk
その6
夜空の下、気がつけば長い時間が過ぎていた。
くしゅんっと琴葉がくしゃみを1つすると、まるでそれを待っていたかのように、ふらりと歌織がやってきて、琴葉に厚手のブランケットを「どうぞ」と差しだす。
ブランケットはなぜか昼間食べたアイスのフレーバーと同じ香りがして、これも宇宙の神秘なのかなと思う琴葉だった。
お礼を言う琴葉に、歌織は「お返しに付き合って欲しいところがあるの」とにやりとする。
それはどうやらバン●イナムコエンターテイメントに関係する場所のようだったが―――?
117 : Pたん   2021/05/28 21:33:05 ID:59W9m6ksvk
>>112
琴葉、琴葉書きすぎたー! 誤字脱字見逃してください。

というか、こんなん毎回書く時間も体力もないよ!
それでいて物語進んでいないのはご愛嬌。
ちなみに今回やたらレスを分けたのは、(1200字いっていないはずなのに)やたらはじかれたからです。

例のごとく、次回以降のご意見・アドバイス募集中です。
次は下書き段階からもう少しスッキリした形で組むつもりなので見放さずについてきてくれるとありがたいです。
118 : プロデューサーさま   2021/05/28 21:38:28 ID:kXG8H3ra7o
ありがとうございます!
ゆっくり、ゆっくりでいいからね?
119 : プロデューサー様   2021/05/28 21:45:28 ID:rT46/1lMB6
乙!安価の調理が上手い

可奈は何者なんだろうか
120 : Pーさん   2021/05/28 22:38:12 ID:wJhzz8o.Zo
安価が採用されてて嬉しい
ここからどう話が転がっていくのか楽しみですな~
121 : せんせぇ   2021/05/29 06:08:02 ID:wdosIXy8KE
第6話 あらすじ(下書き) aパート
5月最後の日曜日
琴葉は歌織に誘われてBNE未来研究所を訪れた。歌織がESを送ろうと考えているBNEのいわゆる企業内研究所で最先端の情報科学技術の他、宇宙研究部門、生体工学部門といった多岐にわたる分野での「未来」を開発・推進している場所であった。
一部のフロアは一般に公開されており、企業博物館・科学館に近かった。
宇宙人ゆえなのか、歌織は宇宙技術に興味津々である。琴葉は「べつに完全に信じているわけではないですけど」と前置きをして、歌織にどうやって地球に来たのかを訊いてみた。
歌織は「【A】よ」と応じる。肩透かしをくらったように感じる琴葉。そんな琴葉におかまいなしにフロアを探索する歌織だったが、ある場所までくると、ぴたりと足を止めて目まで閉じてしまうのだった。
何か集中している気配で、話しかけることもできない琴葉。そのまま30秒ほどして、歌織は「こっちね」と関係者以外立ち入り禁止のポップがでかでかと貼られたドアを指差すのだった。
ずんずんとそちらへ向かう歌織を慌てて止める琴葉だったが、「見張りは頼んだわよ」とあっさり言われてしまう。まさか最初から侵入目的で―――?と顔を青くする琴葉。
歌織が施錠されているドアに手のひらをつけて数秒後、ガチャリという音がした。目を丸くする琴葉に「これで信じた?」と笑う歌織。宇宙人というよりエスパーなのでは、と今はどうでもいいことを考えてしまう琴葉だった。
ついてきて、という仕草をする歌織に琴葉はぶんぶんと首を横に振る。しかし、【B】。琴葉は歌織のあとに続いてドアの内側へと入った――――。
122 : Pーさん   2021/05/29 06:08:18 ID:wdosIXy8KE
※BNE未来研究所 現実のバン○ム本社ビルおよび関連会社とは一切関係のない創作上の研究所
【A】「琴葉が肩透かしをくらった」という記述を参考に。少なくとも歌織自身が開発した宇宙船でやってきたわけではないみたいです。
【B】琴葉への説得・脅迫・口説き文句、等の交渉を簡単に書いていただければ幸いです。
123 : der変態   2021/05/29 06:08:31 ID:wdosIXy8KE
第6話 あらすじ(下書き) bパート
歌織の足取りに迷いはなかった。建物の構造を知っているというより、探し物がどこにあるかをはっきりと感じている、そんな風だった。
でも、いったいなにを……?琴葉はハラハラしながらついていく。もし誰かにあって咎められたら、いや、それよりも、もしも歌織が邪魔になる人間には躊躇なく危害を加え、武力行使で障害を排除する「人」だったら……。
悪い想像ばかりが琴葉の頭で膨らんでいく。「ここみたいね」と歌織がある部屋の前でぴたっと足を止める。琴葉はその背中にぶつかって「ふぎゃっ」と小さく叫んだ。
そこでようやく歌織は振り返って琴葉の顔をまじまじと見る。「どうしてそんなに顔色が悪いの?」とたじろぎさえする歌織。
「だって―――」と琴葉が不安を伝えようとしたとき、足音が聞こえた。「まずいわ」と歌織は、目的地であると思しき部屋に、先ほど同様、手のひらをあてた。
近づく足音。が、その主が琴葉たちを見ることはなかった。間一髪でドアを開錠し、体を室内へと滑り込ませたふたり。
部屋の明かりはついていなかった。唐突な暗闇が琴葉のパニックに拍車をかける。
不意に不思議な香りが琴葉を包む。「大丈夫よ」と歌織が琴葉を抱きしめて囁く。「ごめんね。でも……」と言いよどむ歌織。
琴葉の頭の中で「歌織さんの香りは不思議な香り、歌織さんの香りは―――」と場違いなフレーズをリフレインさせていた。
しばらくして、落ち着いた琴葉を歌織が解放し、それから照明のスイッチをつけた。小さな部屋。物置のようだ。
棚の1つ、一番下に置かれて埃のかぶっている段ボールを歌織が開く。
中から出てきたのは【C】だった。

【C】できれば宇宙にちょっとだけでも関係するものを。猟奇的なやつはお控えください。
124 : P君   2021/05/29 06:08:50 ID:wdosIXy8KE
第6話 あらすじ(下書き) cパート
「何か感じない?」と歌織が【C】を琴葉に触れさせて問う。「え?」と琴葉はかぶりを振った。
「集中して」と歌織。言われるがままに琴葉は触れながら集中してみる。でも、何をどう考えれば……と思ったそのとき、琴葉の脳裏に浮かぶ光景があった。
それは【D】というもの。びくっと、【C】から手を離す琴葉。今のはいったい―――?
混乱の渦に飲みこまれる琴葉を歌織は何か期待するように見つめているのだった……。

【D】直感で書いていただければよいかと。
125 : 魔法使いさん   2021/05/29 06:10:48 ID:wdosIXy8KE
第6話は歌織回 
安価のハードルが高い……気がしますが、ふわっとした感じでもレスしていただければ大助かりです。
もちろん詳細を書いてくださっても!

レスの有効期限は昨日同様 5/29 19:59:59まででお願いします。
126 : 番長さん   2021/05/29 06:18:08 ID:TpFKRUzrGw
C:海の比率が今より多い地球儀
127 : ごしゅPさま   2021/05/29 06:49:34 ID:t4KDxR4hW6
A:「ランデブーよ」
何とのかの質問には「すぐに分かるわ」とあっさりかわされる

B:「あなたは何も憶えていないの?」
瞳を見つめられ、何かの風景が脳裏を過ぎると
「良かった、これならすぐに思い出せそうね」と安堵の笑みを浮かべる歌織
混乱しながらも、ただ一つ分かったのは「もう後には戻れない」ことだった
128 : P殿   2021/05/29 07:09:54 ID:64ABI0Do06
D.無数の隕石が降り注ぎ赤く燃える原始の地球
129 : プロデューサーちゃん   2021/05/29 07:26:36 ID:6cdevisVtY
A気楽にジャンプをして
C生き物のように動き回る結晶体を保管したカプセル
D太古の地球に巨大な生物が落下してくる
130 : プロデューサーちゃん   2021/05/29 22:28:20 ID:wdosIXy8KE
遅くなりましたーっ! レスありがとうございます 
以下にまとめます

第6話 aパート
5月最後の日曜日
琴葉は歌織に誘われてBNE未来研究所を訪れた。歌織がESを送ろうと考えているBNEのいわゆる企業内研究所で最先端の情報科学技術の他、宇宙研究部門、生体工学部門といった多岐にわたる分野での「未来」を開発・推進している場所であった。
一部のフロアは一般に公開されており、企業博物館・科学館に近かった。
宇宙人ゆえなのか、歌織は宇宙技術に興味津々である。琴葉は「べつに完全に信じているわけではないですけど」と前置きをして、歌織にどうやって地球に来たのかを訊いてみた。
歌織は「気楽にジャンプをしてよ」と応じる。肩透かしをくらったように感じる琴葉。まさかそんなわけ……何か隠したいことがある?と勘ぐる琴葉。
そんな琴葉におかまいなしにフロアを探索する歌織だったが、ある場所までくると、ぴたりと足を止めて目まで閉じてしまうのだった。
何か集中している気配で、話しかけることもできない琴葉。そのまま30秒ほどして、歌織は「こっちね」と関係者以外立ち入り禁止のポップがでかでかと貼られたドアを指差すのだった。
ずんずんとそちらへ向かう歌織を慌てて止める琴葉だったが、「見張りは頼んだわよ」とあっさり言われてしまう。
ひょっとして最初から侵入目的で―――?と琴葉は顔を青くする。
131 : プロデューサーはん   2021/05/29 22:28:33 ID:wdosIXy8KE
第6話 bパート
歌織が施錠されているドアに手のひらをつけて数秒後、ガチャリという音がした。
目を丸くする琴葉に「これで信じた?」と笑う歌織。宇宙人というよりエスパーなのでは、と今はどうでもいいことを考えてしまう。
ついてきて、という仕草をする歌織に琴葉はぶんぶんと首を横に振る。
しかし、歌織は「あなたは何も憶えていないの?」と言う。
瞳の奥の奥まで見つめられ、刹那、琴葉の脳裏に何かの風景がよぎって、かと思えば泡のように消えた。
混乱する琴葉であったが、歌織はまるですべてを見通したように「良かった、これならすぐに思い出せそうね」と安堵の笑みを浮かべるのだった。
わからないことだらけ。ただ一つ分かったのは「もう後には戻れない」ことだった。
そうして琴葉は歌織のあとに続いてドアの内側へと入った――――。
歌織の足取りに迷いはなかった。建物の構造を知っているというより、探し物がどこにあるかをはっきりと感じている、そんな風だった。
でも、いったいなにを……?琴葉はハラハラしながらついていく。もし誰かにあって咎められたら、いや、それよりも、もしも歌織が邪魔になる人間には躊躇なく危害を加え、武力行使で障害を排除する「人」だったら……。
悪い想像ばかりが琴葉の頭で膨らんでいく。
132 : Pチャン   2021/05/29 22:28:45 ID:wdosIXy8KE
第6話 cパート
「ここみたいね」と歌織がある部屋の前でぴたっと足を止める。琴葉はその背中にぶつかって「ふぎゃっ」と小さく叫んだ。
そこでようやく歌織は振り返って琴葉の顔をまじまじと見る。「どうしてそんなに顔色が悪いの?」とたじろぎさえする歌織。
「だって―――」と琴葉が不安を伝えようとしたとき、足音が聞こえた。「まずいわ」と歌織は、目的地であると思しき部屋に、先ほど同様、手のひらをあてた。
近づく足音。が、その主が琴葉たちを見ることはなかった。間一髪でドアを開錠し、体を室内へと滑り込ませたふたり。
部屋の明かりはついていなかった。唐突な暗闇が琴葉のパニックに拍車をかける。
不意に不思議な香りが琴葉を包む。「大丈夫よ」と歌織が琴葉を抱きしめて囁く。「ごめんね。でも……」と言いよどむ歌織。
琴葉の頭の中で「歌織さんの香りは不思議な香り、歌織さんの香りは―――」と場違いなフレーズをリフレインさせていた。
しばらくして、落ち着いた琴葉を歌織が解放し、それから照明のスイッチをつけた。小さな部屋。物置のようだ。
棚の1つ、一番下に置かれて埃のかぶっている段ボールを歌織が開く。
中から出てきたのは海の比率が今より多い地球儀だった。
133 : あなた様   2021/05/29 22:29:04 ID:wdosIXy8KE
第6話 dパート
「何か感じない?」と歌織が訊く。「え?」と琴葉はかぶりを振った。
感じる? 何を?
よくよく観察してみると、それは地球儀といっていいかわからない代物だった。大陸の形は琴葉の知るものとは異なっている。おそらく地名なのだろうが、印字されたその文字列たちは1つとして読めはしない。
この世に無数に存在する文字体系をすべて把握しているわけではないが、しかし、直感としてそれはこの星のものではない気がするのだった。
つまり……これは地球ではなく別の星を模している?
琴葉の思考がそこまで至った時、歌織が琴葉の手をとって「集中して」とその球体に触れさせた。
集中って何をどうすればいいのだろう、何について考えれば……。試しに琴葉は目を閉じてみた。何かを見出すために。
球体のひやりとした感触。重ねられた歌織の手の温度。それから……?
「何が見える?」
歌織の囁きに呼応するかのように、鮮烈なイメージが琴葉を襲う。
青き星に降り注ぐ隕石、赤く染まる地表、そしてそこに降り立つ巨大な――――
びくっと、地球儀(?)から反射的に手を離す琴葉。冷や汗が流れると共に全身がこわばっているのを感じる。これ以上は見たくない。
そんな琴葉のことを一部始終見守る歌織、その眼差しは何かを期待しているようであった……。
134 : ぷろでゅーしゃー   2021/05/29 22:36:24 ID:wdosIXy8KE
明日のあらすじ(下書き)の更新は遅くなりそうです。たぶん午後4時ぐらい。
読んでのとおり、安価をわりと改変しちゃっています……。
琴葉が見た光景については、太古(原始)の地球の線はまだ残しつつ、異星で進めていくかも……ちょっと思いつく展開があったので。
明日もお付き合いしていただけると嬉しいです!!
例のごとくご意見・ご想像募集中です。
135 : Pちゃん   2021/05/29 22:49:47 ID:MWOvp8jsA6
歌織が「見込んだ通りね」とか言って何らかの計画に巻き込む展開?
育桃子美也との関係もそろそろ動くかな?
136 : Pさぁん   2021/05/29 23:00:54 ID:6cdevisVtY
ソフトクリーム屋がターニングポイントを作ったりするんだろうか
137 : Pしゃん   2021/05/30 16:45:18 ID:iLGd3ckQ/k
第7話 aパート

謎の地球儀をダンボールごと持ち、人目を避けながら――歌織は堂々とした態度であったが――BNE未来研究所を出たふたり。
琴葉は歌織に対して詳しい事情の説明を求めるも「また星がきらめく夜に」とはぐらかされてしまう。
そうして歌織が琴葉を残し、風のように去った後、茫然とその場に立ち尽くしていた琴葉であったが、桃子からのメールで正気を取り戻す。
用件は【A】を手伝ってほしいというものだった。このまま部屋に帰っても悶々とするだけだよね……。気晴らしにでもなればいいかな、と桃子の頼みを承諾する琴葉だった。
桃子の手伝いが終わると、桃子は「はい、これ。手伝ってくれたお礼」と【B】を渡してくる。年相応な報酬を微笑ましく思う琴葉だった。
そういえば、と琴葉は思い出して、なぜ桃子が法学部の資料を持っていたかを訊ねる。桃子は少しめんどくさそうに【C】と答えるのだった。

※【A】現実的で、3時間もあればできることでお願いします。
※【B】文脈どおりに。
※【C】任せます♡
138 : そなた   2021/05/30 16:45:34 ID:iLGd3ckQ/k
第7話 bパート
星がきらめく夜に―――そう歌織は言っていたが、梅雨に入るとそれに相応しい夜がなかなか来ない日が続いた。
雲の上ではたとえ昼まであっても星は輝いている。ただ自分たちがそう見えないだけ。
ある曇天の夜、空猫喫茶店を訪れた琴葉に美也はそういう話を美也らしくした。歌織とは違ったふうに、美也は人を彼女自身のペースに巻き込む。
琴葉は相変わらず大学では桃子先輩(と桃子が呼ぶように琴葉に命じた)を除けば独りだった。そのことを聞いた美也は「一歩ずつでいいんですよ~」と言うのだった。
実際、琴葉は空猫喫茶店という場所を見つけたことによって、孤独に思い悩むことはなかった。
ふと、またフルートの音が聞こえた。琴葉は演奏者を驚かせることがないように、言い換えれば今度こそ「可奈」を捉えようとした。
前と同じく一番奥の席に彼女はいた。存在が希薄であるのも以前と同じだ。
演奏が一区切りしたのを見計らって、「【D】」と琴葉は呼びかけた。少しの間があって、彼女は【D´(※Dに対する返答 こちらで考えます)】と返してきた。
(以下、可奈との短いやりとり まとめるときに加筆するかも)

※【D】劇中の口下手な琴葉だったらほぼ初対面で何か気の利いたことを言うのって難しいんでしょうけれど、そこにこだわらなくてもかまいません。この短い期間で(劇中の)琴葉に変化はあったでしょうし。
139 : ご主人様   2021/05/30 16:45:47 ID:iLGd3ckQ/k
第7話 cパート
数日後、梅雨の晴れ間。琴葉は日中からそわそわとしていた。
今夜、空猫喫茶店にいけばきっとあの人が―――。
寂しさがあったわけではない。ましてや愛しさを感じていることもない。
けれど、自分には知るべきことがあって、それをあの人は教えてくれるに違いない……琴葉はそう信じた。
そして/しかし その夜、歌織は【E やってきたorやってこなかった】

※理由までは付けずに二択でお願いします。多数派を採用
 ぶっちゃけるとどっちでもいいんですが、このパートで何も安価出さずに第7話を締めるのもなぁと思って(汗
140 : プロデューサーはん   2021/05/30 16:48:00 ID:iLGd3ckQ/k
第7話は、(全13話中の)後半への助走回
回収していない部分を補完しようかなと

レスの有効期限は5/30 20:59:59まで
もしかすると寝落ちして目標(毎日1話更新)が達成できないかもですが、お付き合いいただけると幸いです!
141 : Pさん   2021/05/30 17:00:51 ID:VjY.epH9Vg

B琴葉が取ってるやたら試験が難しいことで有名な課目(演劇史)の過去問&(それを史上唯一満点でパスした)桃子の模範解答
D待って、怪しいものじゃないから...
Eやってきた
142 : プロデューサー   2021/05/30 17:19:55 ID:EZGaZTQCPE
A論文書くから参考にする資料集めを手伝ってほしい
B育にお裾分けしてもらった飴ちゃん
Cゼミの教授に持たされた
Dあのっ、可奈さんですか
143 : バカP   2021/05/30 19:17:47 ID:KfL16PDyhg
A.研究室の資料整理
B.某遊園地のマスコットキャラのキーホルダー(桃子とおそろい)
C.個人的な理由で資料を集めてる
D.フルート、上手なんですね
E.やってこなかった
144 : ぷろでゅーさー   2021/05/30 20:59:22 ID:Q3Za5/5B5I
E.やってきた!
145 : EL変態   2021/05/31 02:55:46 ID:jEii1MDSDo
レスありがとうございます!
以下にまとめていきますね。
146 : レジェンド変態   2021/05/31 02:55:56 ID:jEii1MDSDo
第7話 aパート
謎の地球儀をダンボールごと持ち、人目を避けながら――歌織は堂々とした態度であったが――BNE未来研究所を出たふたり。
琴葉は歌織に対して詳しい事情の説明を求めるも「また星がきらめく夜に」とはぐらかされてしまう。
そうして歌織が琴葉を残し、風のように去った後、茫然とその場に立ち尽くしていた琴葉であったが、桃子からのメールで正気を取り戻す。
用件は研究室の資料整理を手伝ってほしいというものだった。どうやら論文執筆のための資料収集もかねているらしいとのこと。
このまま部屋に帰っても悶々とするだけだよね……。気晴らしにでもなればいいかな、と桃子の頼みを承諾する琴葉。
手伝いが終わると、「はい、これ。手伝ってくれたお礼」と桃子は琴葉にキーホルダーを渡してきた。それは某遊園地のマスコットキャラクターで知られ、謎猫の愛称(?)で多くの人に慕われているものだった。
年相応な報酬を微笑ましく思う琴葉だった。しかも桃子とおそろいだという。はっきりそうだとは言わない桃子だが、桃子は桃子で友達という間柄の人間は少ないようだった。
そういえば、と琴葉は思い出して、なぜ桃子が法学部の資料を持っていたかを訊ねる。
桃子は少しめんどくさそうに「なぜか妙にかまってくる法学部の教授のひとりに渡されたの」と答えるのだった。
桃子は可愛いから悪質な人間に目をつけられてしまったのでは、と不安になる琴葉だったが、もう少し話を聞いてみると相手は桃子の遠戚にあたる女性で、1人でいることが多い桃子のことを心配して暇をみつけて話しかけているらしかった。
147 : Pチャン   2021/05/31 02:56:11 ID:jEii1MDSDo
第7話 bパート
星がきらめく夜に―――そう歌織は言っていたが、梅雨に入るとそれに相応しい夜がなかなか来ない日が続いた。
雲の上ではたとえ昼まであっても星は輝いている。ただ自分たちがそう見えないだけ。
ある曇天の夜、空猫喫茶店を訪れた琴葉に美也はそういう話を美也らしくした。歌織とは違ったふうに、美也は人を彼女自身のペースに巻き込む。
琴葉は相変わらず大学では桃子先輩(と桃子が呼ぶように琴葉に命じた)を除けば独りだった。そのことを聞いた美也は「一歩ずつでいいんですよ~」と言うのだった。
実際、琴葉は空猫喫茶店という場所を見つけたことによって、孤独に思い悩むことはなかった。
ふと、またフルートの音が聞こえた。琴葉は演奏者を驚かせることがないように、言い換えれば今度こそ「可奈」を捉えようとした。
前と同じく一番奥の席に彼女はいた。存在が希薄であるのも以前と同じだ。
演奏が一区切りしたのを見計らって、「フルート、上手なんですね」と琴葉は呼びかけた。
少しの間があって、彼女は「あ、ありがとうございます。聞こえるんですね、この音が」と返してきた。
148 : ご主人様   2021/05/31 02:56:29 ID:jEii1MDSDo
琴葉「え? は、はい。えっと、私はその、怪しい者じゃなくて、あ、あの、あなたは可奈さん……いえっ、違うんですっ、べつに沖縄方言で愛しているってことじゃなくて、前に美也さんから名前をうかがっていて、だから……」

美也「琴葉ちゃん、落ち着いてください~。しじみ汁をどうぞ~」

琴葉「す、すみません。いただきます」

可奈「あの……琴葉さん?」

琴葉「!? ど、どうして名前を!?」

可奈「ええっ! 今、美也さんがそう呼びかけていたので……」

琴葉「そ、そうでした」

可奈「そっか、本当にこの音が聞こえるんだ。やっぱり歌織さんが言っていたとおり……ううん、私から言うことじゃないよね、うん、今はまだ―――」

ぶつぶつと独り言を言い出した可奈に何と声をかけたらいいかわからない琴葉だった。
しばらくして、可奈のほうから「あの、それじゃまた、今度は星の綺麗な夜にでも……」と言ってきたかと思えば、すーっと煙のように消えるのだった。
狐につままれたように、ぽかんとする琴葉をにこにこと美也が見ていた。
149 : 貴殿   2021/05/31 02:59:06 ID:jEii1MDSDo
第7話 cパート
数日後、梅雨の晴れ間。
日中から琴葉はそわそわとしていた。今夜、空猫喫茶店にいけばきっとあの人が………。
寂しさがあったわけではない。特別に愛しさを感じていることもない。
でも、気にせずにはいられない。
自分には知るべきことがあって、それをあの人は教えてくれるに違いないのだ……琴葉はそう信じた。

その夜、琴葉は空猫喫茶店を訪れた。最初に訪れたときと同様、フルートの音色が中から聞こえる。可奈さんもいるみたい。
美也が「いらっしゃいませ~。今夜は星がよく見えますな~」と迎える。
一杯目の珈琲を飲み終える頃、琴葉の頬をそよ風が撫でる。
思わず風が吹いてきた方向を見やる琴葉。

「お待たせ」

これまでよりもいっそう蠱惑的な笑みを浮かべる歌織がそこにいた。
150 : ご主人様   2021/05/31 03:03:42 ID:jEii1MDSDo
やっぱり日をまたいでしまいました。
第8話のあらすじ(下書き)の更新は今日の夕方になる見込みです。
たぶん清書はまた明日になるのかなと。

ご意見・ご想像募集中です。
展開についてはわりとこっちで決めちゃっている部分もありますが、それよりもグッとくるような展開、面白いなと思ったものは取り入れていこうかなと。
せっかくの安価スレだし。
あと、端役でアイドルをもう何人か出演させたいところ。
151 :   2021/05/31 04:37:41 ID:CyrnXi5CVA
法学部の教授役に千鶴さんを出そう
あ、ゆっくり書いていただけたら良いのですよ
152 : プロデューサー殿   2021/05/31 10:16:12 ID:h29Lgx6KkE
高校時代の後輩にエレナか紗代子のどちらかをゲストで出して地元の昔話に花を咲かせてみたり。クールが短いので厳しいかもだけど、主人公の背景もちょっとばかり深みを持たせるのも御一興かと思います
153 : プロデューサーちゃん   2021/05/31 18:43:01 ID:jEii1MDSDo
下書き投下します。
第8話 aパート
梅雨の晴れ間、星降る夜に宣言どおり姿を現した歌織。べつに待ってなんていませんでしたよ、と言えるのは心の中だけの琴葉だった。
その代わりに今日こそは先日の一件を問い詰めるんだから―――美也に気つけの一杯(しじみ汁)を注文した琴葉。
断りもなくさも当然のように隣に腰掛けてきた歌織を見据えて、さぁ切り出そうとした矢先、「先日はごめんね」と歌織は言って、頭を下げさえした。
琴葉は一瞬、育とのやりとりを思い出したが、しかしあれとこれとはまるで違う。
だって、今回の一件は私に非なんて微塵もない。窃盗に加担させられ、怪しげな物体を触らせられた……。
琴葉が黙っていると、歌織は「【A】」と言う。
許したわけではないが琴葉は渋々、彼女の話を聞くことにするのだった。実際には初めから聞かないという選択肢はなかったわけだが。
「あの球体は地球ではなくて、私の故郷を模したものなんだ」
歌織の言葉に、琴葉はできるだけ平然と「それで?」と続きを促した。
琴葉の頭に、可能性としてあった答えの1つだった。歌織が宇宙人、すなわち地球とはべつに故郷の星をもつ者であれば、あの妙な地球儀もどきの正体の予想として歌織の母星はあがってくる。
では、問題は何か。BNE未来研究所にあった理由、なんてのは琴葉にとっては些末な問題に過ぎない。
より重要で、謎めいているのは――――なぜそれに触れた時に琴葉の脳裏にあんな光景が駆け巡ったのか、だ。
「地球とよく似た星だよ、ううん、星だった、かな」
歌織は声のトーンをいくらか落とす。
「今はそうじゃない?」
琴葉が訊ねると、歌織は「まあね」と返し、それから少し考える素振りをして「もう、ないんだ」と言った。
それはその喪失を受け入れられている者の口調ではなかった。
154 : 変態大人   2021/05/31 18:43:17 ID:jEii1MDSDo
第8話 bパート
どんなに環境保全に努めてみたところで今に生きる自分たちは終末を実感する前にこの世からいなくなっている、そう、確信があるからこそ、どこまでも、いつまでも皆で地球に優しくなんてできないのだろう。
自分たちの暮らしている星が消滅する。どんな気持ち?なんて易々と聞けはしない。
「なぜ?」と琴葉は最小限の言葉で最大限の説明を求めた。なぜ、歌織たちの星は滅びたのか。
155 : 監督   2021/05/31 18:43:33 ID:jEii1MDSDo
歌織「笑わない?」

琴葉「笑えないと思います。どんな理由でも事実なら」

歌織「たとえば、しじみ汁を飲み過ぎたせいでしじみ星人から報復を受けた、とかでも?」

琴葉「………嘘、ですよね?」

歌織「ええ、嘘よ」

琴葉「………」

歌織「そんなに見つめられると、照れてしまうわ。私たちは目で恋をする生き物なのよ?」

琴葉「嘘ですよね?」

歌織「半分は」
156 : P殿   2021/05/31 18:43:50 ID:jEii1MDSDo
琴葉が辛抱強く黙って、歌織が続きを話してくれるのを待っていると「降ってきたのよ」とぽつりと歌織が言った。
「降ってきた?何が?」と琴葉は訊ね返しながらも、あの日、頭に浮かんだ光景を思い出さずにはいられなかった。
「ただの隕石、最初はそう思っていたわ。私たちは運が悪かったんだって」
天から降り注いだ隕石たちは歌織の故郷に甚大な被害を与えこそしたが、それだけではまだ星が滅びるには至らなかった。
ところが数年後、まだ傷の癒えないその星に、ちょうど歌織が子供から大人になった頃に、それは降ってきた。
今度は、琴葉は降ってきたものの正体を問うことはしなかった。というよりできなかった。
歌織の表情に悲痛があった。それは地球人となんら変わりのしない、悲しみと痛みを抱えたものだった。
そして――――

「【B】よ」

歌織が絞り出した言葉に、琴葉は自分の耳を疑わずにはいられなかった。
どれぐらい時間をかけてだろうか、やっとのことで琴葉は「【C】」と返していた。(以下、【C】に対する歌織の一言)
157 : ぷろでゅーさー   2021/05/31 18:44:09 ID:jEii1MDSDo
第8話 cパート(安価なし)
「さて、ここからが本題ね」と歌織は言う。
本題?たしかに自分がなぜスペースチュパカブラが歌織の母星に降り立つ姿をフラッシュバックさせたかは明らかになっていない。
もしかして、いや、そんなことは絶対にないだろうけれど、私もまた宇宙人―――?
琴葉の混乱をよそに歌織が話しだした本題というのは、琴葉の混乱を混沌へと変えた。

「奴らは地球も狙っているわ……! 奴らの侵略を阻止することができるのは、あなたたち、スターエレメンツしかいないの!」

※【A】歌織なりに琴葉に許してもらおうとしているような台詞(贖罪の提示、交渉等々)
※【B】歌織の母星を滅ぼした正体は? 当初は「スペースチュパカブラ」にこちらで決めていましたが、ここは大事な部分なので安価で決めようと思い直しました。
※【C】任せます。琴葉の天然炸裂でもなんでもかまいません。常識的な範囲でなら。
※言うまでもなく、ここでのスターエレメンツはあのSTAR ELEMENTS とは異なる意味で使用しています!
※ここからが風呂敷広げまくって、畳めなくなる……なんてことのないよう、頑張ります。全13話(打ち切りの可能性はあり)は、ぶらさないよ!
158 : プロデューサーちゃん   2021/05/31 18:47:52 ID:jEii1MDSDo
な、なんだってーー!!
ってなったのは書いている側もいっしょです。

レスの有効期限は5/31 23:59:59 まで
清書の更新は明日の午前7時頃を予定しています
何卒最後までお付き合いを………!
159 : 監督   2021/05/31 18:54:24 ID:5n4l/ZVnLY
B.全身が結晶に覆われた宇宙生命体。体の表面にある結晶体であらゆるエネルギーを吸い尽くして死に至らしめるという、ゴジラに出てくる怪獣みたいな特性がある
C.綺麗でしたか……?
160 : Pちゃん   2021/05/31 19:28:04 ID:sqlMIFSSRY
A:ごめんなさい、あなただから巻き込んだの
B:人工太陽
C:もしかして美也さんも...?
161 : ごしゅPさま   2021/05/31 20:34:44 ID:MzCnH/nbN2
A:あなたと同じように、私も巻き込まれたままだったわ…
でもね、『私たち』なら打開できるのよ…!
B:私たちは『クリア・スカイ』と呼んでいるわ
C:何ですか、オゾン層から何からクリアにするのですか?
162 : Pさん   2021/06/01 07:17:30 ID:/YpQxZSpeA
レスありがとうございます!! 以下にまとめてみました。
重複箇所だったり、削ってもいいかなと判断したところはCut. Cut. Cut.しています。
163 : 師匠   2021/06/01 07:17:42 ID:/YpQxZSpeA
第8話 aパート
歌織は「誰でもよかったわけじゃないの。あなたでないとダメだったのよ。琴葉だから巻き込んだの」と言った。
からかっている風ではない、真剣な面持ちと口調に琴葉は怯んだ。思えば、歌織に名前を呼ばれたのは初めてな気がする。いくら年上――実際に何歳であるかは知らないが――であっても呼び捨てだなんて、なんだかずるい。
許したわけではないが琴葉は渋々、彼女の話を聞くことにすることにした。真実を知るためにはこの人の話を聞くしかあるまい、と。
「あの球体は……地球ではなくて、私の故郷を模したものなんだ」
歌織の言葉に、琴葉はできるだけ平然と「それで?」と続きを促した。
それは琴葉が予想していた答えの1つだった。歌織が宇宙人、すなわち地球とはべつに故郷の星をもつ者であれば、あの妙な地球儀もどきの正体として歌織の母星は候補にあがってくる。
問題は別にある。BNE未来研究所にあった理由、なんてのは琴葉にとっては些末なことに過ぎない。
より重要で、謎めいているのは――――なぜそれに触れた時に琴葉の脳裏にあんな光景が駆け巡ったのか、だ。
「地球とよく似た星だよ、ううん、星だった、かな」
歌織は声のトーンをいくらか落とす。
「今はそうじゃない?」
琴葉が訊ねると、歌織は「まあね」と返し、それから少し考える素振りをして「もう、ないんだ」と言った。
それはその喪失を受け入れられている者の口調ではなかった。
164 : せんせぇ   2021/06/01 07:17:54 ID:/YpQxZSpeA
第8話 bパート
琴葉が辛抱強く黙って、歌織が続きを話してくれるのを待っていると「降ってきたのよ」とぽつりと歌織が言った。
「降ってきた?何が?」と琴葉は訊ね返しながらも、あの日、頭に浮かんだ光景を思い出さずにはいられなかった。
「ただの隕石、最初はそう思っていたわ。私たちは運が悪かったんだって」
天から降り注いだ隕石たちは歌織の故郷に甚大な被害を与えこそしたが、それだけではまだ星が滅びるには至らなかった。
ところが数年後、まだ傷の癒えないその星に、ちょうど歌織が子供から大人になった頃に、それは降ってきた。
今度は、琴葉は降ってきたものの正体を問うことはしなかった。というよりできなかった。
歌織の表情に悲痛があった。それは地球人となんら変わりのしない、悲しみと痛みを抱えたものだった。
「この星の言葉で表現するなら―――」
目を閉じた歌織が今まさにその災禍の新たな名付け親になろうとしているのがわかった。

「クリア・スカイよ」
165 : Pチャン   2021/06/01 07:18:06 ID:/YpQxZSpeA
第8話 cパート
クリア・スカイ―――それは降り注いだ隕石とは異なり、「生きていた」
全身が結晶に覆われた宇宙生命体。それより前に歌織の故郷を強襲した隕石は、クリア・スカイが宇宙という無限に広大な海において目的の星へと正確に停泊するための、いわば錨(アンカー)だったのだ。

歌織が絞り出した言葉に、琴葉は自分の耳を疑わずにはいられなかった。
どれぐらい時間をかけてだろうか、やっとのことで琴葉は「綺麗でしたか……?」と返していた。
歌織は肯き、怒りも悲しみもない声で「そうね、真昼の空を幾億の星々が満ちているかのような光で包み込んだそれは、私が知るあらゆるものの内でもっとも美しく、残酷よ」と言い切った。

「さて、ここからが本題ね」
本題?たしかに自分がなぜスペースチュパカブラが歌織の母星に降り立つ姿をフラッシュバックさせたかは明らかになっていない。
もしかして、いや、そんなことは絶対にないだろうけれど、私もまた宇宙人―――?
琴葉の混乱をよそに歌織が話しだした本題というのは、琴葉の混乱を混沌へと変えた。

「奴らは地球も狙っているの。そして―――奴らの侵略を阻止することができるのは、あなたたち、スターエレメンツしかいないわ……!」
166 : Pくん   2021/06/01 07:25:17 ID:/YpQxZSpeA
第9話のあらすじ(下書き)の更新予定は今日中を目標に
おそらく清書は明日……という、第8話と同じ流れになるかと。

>>151
>>152
無理のない範囲で入れ込めたらなー、と思います。せっかくくれたレスだし。

ご意見・ご想像募集中
スターエレメンツがどういう存在で、具体的にはどういう方法でクリア・スカイの侵略を阻止するのかはまだ考えておりません。
十中八九、安価に頼るかと。お付き合い、お願いします!!
167 : 3流プロデューサー   2021/06/01 12:46:26 ID:WKi5LuKg5.
クリア・スカイは最終的に太陽に叩き込んで吸収しきれなくなったエネルギーで自滅させとか無いと勝ち目なさそう
168 : 下僕   2021/06/01 17:10:37 ID:/YpQxZSpeA
第9話 aパート
「スターエレメンツ……それっていったい…? 私たちがクリア・スカイの侵略を阻止する―――?」
訊き返す琴葉を見る歌織の表情は険しいものから一転、優しげなものへと変わって「何から話せばいいかしらね」と口元に笑みを浮かべさえするのだった。
「ざっくりと説明すると――――」
歌織の話によれば、クリア・スカイの侵略を阻止するためには、まず錨(アンカー)を地球に打ち込ませてはならない。
しかし、今の人類にこの錨を宇宙空間において物理的に破壊する技術はない。せいぜい地球に衝突する数日前にそれらを観測するのがやっとのことであるらしい。

「ということは……それより前、クリア・スカイが宇宙空間をただ遊泳している段階、つまりは地球を狙いに入れてはいるけれど、まだ向かってきていないぐらいの時に何か対策しないとってことですか?」
「ふふっ、話が早くて助かるわ」
「けれど、それこそ今の私たちの技術では到底―――あっ、もしかしてあなたは何か超技術を有して……?」
 
琴葉は歌織の超常的な能力の一端を思い返したのだった。が、歌織は首を横に振る。

「いいえ。私たちにできたのは、終末を迎えた星からほんの数十人をどうにか遥か彼方、どこかの星へとバラバラに導き、誰か一人でもたどり着いた星で適応するのに賭けることぐらいだったわ」
それでも今の地球の文明ではできそうにない、琴葉はそう思った。ただ、歌織以外の脱星者はどうなったのかを訊く勇気はなかった。
169 : Pサマ   2021/06/01 17:11:10 ID:/YpQxZSpeA
「実は私以外にもこの星には異星人が住み着いているのよ。もちろん、私の故郷の星とは別」
「えっ!?」
「私が管理しているマンションって、まぁ、そういうことなの」
「今日に至るまで、いろいろあったの。いろいろ」
「あ、あの…! あなたはいったいいつから地球にいるんですか?」
「【A】よ。言っていなかったかしら?」
(以下、琴葉の反応)
170 : プロデューサーちゃん   2021/06/01 17:11:21 ID:/YpQxZSpeA
第9話 bパート

歌織「話を戻すと……その異星人の内の一人が、この地球にクリア・スカイが訪れると予言した。具体的にいつかはわからないけど、おそらくはミリシタが4周年を迎える頃には、と」

琴葉「!! も、もうすぐじゃないですか!?」

歌織「ええ、新規P獲得のためにキャンペーンも行い始めているわ」

琴葉「――っ!! 3周年のスペトレがまだ終わっていないっていうPは、終わらせておかないとですね」

歌織「そうね。時勢が時勢だから何とも言えないけれど、周年イベントにかけているPさんたちも毎年いるみたいだから……」

琴葉「健康管理に気をつけてほしいですね」
171 : 兄(C)   2021/06/01 17:11:52 ID:/YpQxZSpeA
異星人の予言を知ってからというものの、歌織はクリア・スカイ回避の方法を模索し続けてきた。
自分の故郷はもう二度と戻ってこない、その事実は誰よりもわかっているはずなのに、それでも救星の術を得た時、失われた自分の母星もまた何か救われるのではないか、そんな思いがあった。
そうして長い時間を経て、たどり着いたのが、星をみるひと―――スターエレメンツという特殊な能力を持った乙女たちの存在だった。
「わ、私がそうだっていうんですか? そんな……」
「そう。琴葉はただの可愛い根暗口下手ぼっち女子大生じゃないの」
「…………」
「思い当たる節があるはず」
「それって、あの妙な味のソフトクリームを食べた時や、あの球体を触れた時に、」
「ちがうわ」
「え?」
「それらはあくまで琴葉がスターエレメンツだってことを確かめるためのもの。そうではなくて、私が言いたいのは……」
172 : プロデューサーはん   2021/06/01 17:12:07 ID:/YpQxZSpeA
「琴葉、あなたの孤独は本当にこの町に来てからのもの?」
歌織が何を言わんとしているのか琴葉にはわからなかった。
たしかに、もとより友人が多い方ではなかった。でも高校では独りということはなかった。
そうだ、育をはじめとして、同級生数人……なかでも委員長の紗代子はなにかと気にかけてくれたっけ。
あのときはどうして私なんかにかまうんだろう、委員長らしくしたいだけじゃないの?なんて斜に構えていたけれど、卒業して会わなくなってからあの子は本当に熱くて優しくていい子だったんだってわかった。
ううん、より正確にいうなら卒業式の日だ。たくさんの人に囲まれて涙をこれでもかと流している紗代子。もっと心を開いていれば、きっと親友にだってなれたかも、なんて思った。そんなことをついこぼしたら、育は今からでも慣れるよって言っていたっけ。
私には育がいるから、その言葉は嘘ではないけれど、紗代子と向き合わなかった後悔も嘘じゃないんだよね……。
琴葉は首を横に小さく振り、過去を振り払うと「何が言いたいんですか?」と歌織に向き直った。
「琴葉は綺麗な目をしているわ」
「はい?」
「何か普通でないものを見てきたんじゃないかしら?」
「……!!」
173 : プロデューサーちゃん   2021/06/01 17:12:43 ID:/YpQxZSpeA
「なんで………そのこと……」
琴葉は愕然とする。育にだって、いや、家族にだって、誰にも打ち明けたことないのに。
「半分当てずっぽうだったんだけど、やっぱり目だったのね。あなたのその力こそ、トライスタービジョン」
「トライ、スター、ビジョン……?」
どこか懐かしい響に胸がざわつく琴葉。
「教えてくれる? あなたが何を見ることができるのか?」
歌織の要求をすぐに拒むことはなくとも、琴葉に躊躇いはあった。
今まで見ないふりをしていたんだ私――――この【B】を見通す力が、普通の人にはなくて、異常なものだってわかっていたから、それを利用して何かするなんて考えないようにしていて、だから、それで私は知らず知らず人との関わりを避けるようになって、そうなんだ、私はある意味でずっと孤独を選んでいたんだ。

「私は……私には、この目は……」
「うん」
「【C】」
174 : 5流プロデューサー   2021/06/01 17:12:56 ID:/YpQxZSpeA
第9話 cパート
琴葉の心労を考慮して、その夜の話はそこまでとなった。
美也とそして可奈もまた歌織の事情――それは正確にはもう琴葉の事情でもあるわけだが――に一枚噛んでいる雰囲気を琴葉は察した。
翌朝、琴葉は午前の講義を自主休講、つまりサボった。それが初めてのことで、これまでに孤独を感じながらもサボりなどしなかったのは、一度そうしてしまうと、二度と外に出たくなくなるからだった。
「琴ちゃんは真面目だな」――ふと、親友の声が思い出された。なぜだか涙がこみあげてきたのを我慢して、琴葉はその親友、育に電話をかけた。
「ごめんね、急に。忙しかった?」
「ううん、大丈夫。どうしたの」
「えっと…………こ、声が聞きたくなって」
「えっ。なに、いきなり。めんどくさい彼女系琴ちゃんなの?」
「ち、ちがうけど!」

しばらく育と電話した琴葉は気持ちを落ち着けることができた。
午後からは講義に出席しよう。それから、うん、それが終わったら【D】にでも気晴らしに行ってみようかな―――。
175 : おにいちゃん   2021/06/01 17:13:20 ID:/YpQxZSpeA
※【A】歌織のこれまでの地球滞在期間年数 さすがに紀元前とか、逆に一カ月とかはちょっと……手加減お願いします!
※【B】トライスタービジョンの能力 琴葉が何を見ることができるのか クリア・スカイ阻止に直結しなくても大丈夫です というかチートすぎたり、ネタに走りすぎたりだと困るので(汗
※【C】(このタイミングで)歌織に打ち明けるか否かの選択 素敵な台詞を考えてもらってかまいませんよ♡
※【D】閑話になるかもしれない第10話の内容を左右する安価 大学終わりに行ける場所で。
※紗代子の扱いですが、たぶんエピローグで言及がちょっとあるぐらいのキャラにしちゃって申し訳ない。

レスの有効期限は6/2 04:59:59まで
ご意見・ご想像、ついでに読んでくれる人/レスしてくれる人が増えてくれるようなアイデア募集中です!
(どんな形になったとしても)最後までなんとか駆け抜けたい!
176 : ごしゅPさま   2021/06/01 18:38:08 ID:Fy23pdDYwU
A:200年
B:人々の想いを物理的な力に変える
D:ファミレス
177 : おにいちゃん   2021/06/01 19:20:01 ID:p24mKfnWiw
A:4年弱
B:物事を実現させる最短ルートを見いだす
普段はどこに貼り紙をすれば効果があるかぐらいしか分からないが、
「地球儀」を「起動スイッチ」にするにはこの力が不可欠
C:もう一度、あの地球儀の所に行かせてください
D:例のマンションの屋上
178 : 師匠   2021/06/01 20:54:56 ID:.Nrzfn30FU
A 200年
B 人や物体に意識を集中させることで、相手が強く思い描くイメージ、または物体に込められた念を見ることができる(ただしかなり集中しないと見えない)
可奈の場合はフルートに込められた可奈を感じていて、フルートから意識が外れたため消えた

あと1話で仲良いはずの琴葉と育がいきなり電話で口論になったところには何かの介入があったり…
179 : 彦デューサー   2021/06/02 06:26:09 ID:d8MfDHSb.M
レスありがとうございます!
今日は時間ないので、今夜まとめられるか難しいけど、近日中には必ず…!
180 : プロデューサー様   2021/06/02 20:11:33 ID:d8MfDHSb.M
第9話 aパート
歌織の話によれば、クリア・スカイの侵略を阻止するためには、まず錨(アンカー)を地球に打ち込ませてはならない。
しかし、今の人類にこの錨を宇宙空間において物理的に破壊する技術はない。せいぜい地球に衝突する数日前にそれらを観測するのがやっとのことであるらしい。
「ということは……それより前、クリア・スカイが宇宙空間をただ遊泳している段階、つまりは地球を狙いに入れてはいるけれど、まだ向かってきていないぐらいの時に何か対策しないとってことですか?」
「ふふっ、話が早くて助かるわ」
「けれど、それこそ今の私たちの技術では到底―――あっ、もしかしてあなたは何か超技術を有して……?」
 琴葉は歌織の超常的な能力の一端を思い返したのだった。が、歌織は首を横に振る。
「いいえ。私たちにできたのは、終末を迎えた星からほんの数十人をどうにか遥か彼方、どこかの星へとバラバラに導き、誰か一人でもたどり着いた星で適応するのに賭けることぐらいだったわ」
それでも今の地球の文明ではできそうにない、琴葉はそう思った。ただ、歌織以外の脱星者はどうなったのかを訊く勇気はなかった。
「実は私以外にもこの星には異星人が住み着いているのよ。もちろん、私の故郷の星とは別」
「えっ!?」
「私が管理しているマンションって、まぁ、そういうことなの」
「今日に至るまで、いろいろあったの。いろいろ」
「あ、あの…! あなたはいったいいつから地球にいるんですか?」
181 : ハニー   2021/06/02 20:12:37 ID:d8MfDHSb.M
「200年前からよ。言っていなかったかしら?」
「ええっ!? そ、それじゃぁ、江戸時代後期から日本にいるってことですか!?」
1820年代となると、11代将軍徳川家斉の治世だ。1833年頃からは天保の大飢饉があったはずだけれど……
「いいえ、当時は独立戦争のはじまったばかりのギリシアにいたわ」
「ギリシア!?」
「ええ、でもその頃はまだ、その…………人の形をしていなかったけれどね」
琴葉はぽかんとした。下手に穿鑿すべきではないことだってある、そう言い聞かせた。

異星人の予言を知ってからというものの、歌織はクリア・スカイ回避の方法を模索し続けてきた。
自分の故郷はもう二度と戻ってこない、その事実は誰よりもわかっているはずなのに、それでも救星の術を得た時、失われた自分の母星もまた何か救われるのではないか、そんな思いがあった。
そうして長い時間を経て、たどり着いたのが、星をみるひと―――スターエレメンツという特殊な能力を持った乙女たちの存在だった。
182 : ごしゅPさま   2021/06/02 20:13:01 ID:d8MfDHSb.M
第9話 bパート
「琴葉、あなたの孤独は本当にこの町に来てからのもの?」
歌織が何を言わんとしているのか琴葉にはわからなかった。
たしかに、もとより友人が多い方ではなかった。でも高校では独りということはなかった。
そうだ、育をはじめとして、同級生数人……なかでも委員長の紗代子はなにかと気にかけてくれたっけ。
あのときはどうして私なんかにかまうんだろう、委員長らしくしたいだけじゃないの?なんて斜に構えていたけれど、卒業して会わなくなってからあの子は本当に熱くて優しくていい子だったんだってわかった。
ううん、より正確にいうなら卒業式の日だ。たくさんの人に囲まれて涙をこれでもかと流している紗代子。もっと心を開いていれば、きっと親友にだってなれたかも、なんて思った。そんなことをついこぼしたら、育は今からでも慣れるよって言っていたっけ。
私には育がいるから、その言葉は嘘ではないけれど、紗代子と向き合わなかった後悔も嘘じゃないんだよね……。
琴葉は首を横に小さく振り、過去を振り払うと「何が言いたいんですか?」と歌織に向き直った。
「琴葉、あなたは綺麗な目をしているわ」何か普通でないものが見えるんじゃないかしら?」
「なんで………そのこと……」
琴葉は愕然とする。育にだって、いや、家族にだって、誰にも打ち明けたことないのに。
「あなたのその力こそ、トライスタービジョン」
どこか懐かしい響に胸がざわつく琴葉。
「教えてくれる? あなたが何を見ることができるのか?」
歌織の要求をすぐに拒むことはなくとも、琴葉に躊躇いはあった。
183 : プロデューサーはん   2021/06/02 20:13:51 ID:d8MfDHSb.M
第9話 cパート
今まで見ないふりをしていたんだ私――――この目の持つ力が、普通の人にはなくて「ずるい」ものだって。物心がつくとその異常性に気がつき、人との関わりを避けるようになった。そうよ、私はある意味でずっと自ら孤独を選んでいたんだ。
トライスタービジョン、それは物事を実現させる最短ルートを超常的に見いだす力……頭の回転がどうこうでもないし、いわゆる天才のそれでもなく、もっとオカルトじみたもの。
私は集中力を振り絞ることで、(特定の人や物を媒体として)望む未来への軌跡を視覚的に予習することができるッ!!

「ごめんなさい、今はまだはっきりと打ち明けられません。私もこの能力についてすべてを把握できているわけではありませんし」
「…………そう」
「でも――――あの球体、いえ、あれ以外でもクリア・スカイに関わる何かが手元に揃えば、それを通じて私は救いの一手、そのほんの端っこを見ることができるかもしれません」
琴葉の言葉に歌織はしばらく何も返さなかった。というより返すことができずにいた。
ようやく出てきたのは「心強いわね」という、本心なのかそうでないのかが、いまいち掴めない声色をした短い称賛だった。
184 : der変態   2021/06/02 20:14:08 ID:d8MfDHSb.M
第9話 dパート
琴葉の心労を考慮して、その夜の話はそこまでとなった。
美也とそして可奈もまた歌織の事情――それは正確にはもう琴葉の事情でもあるわけだが――に一枚噛んでいる雰囲気を琴葉は察した。
翌朝、琴葉は午前の講義を自主休講、つまりサボった。それが初めてのことで、これまでに孤独を感じながらもサボりなどしなかったのは、一度そうしてしまうと、二度と外に出たくなくなるからだった。
「琴ちゃんは真面目だな」――ふと、親友の声が思い出された。なぜだか涙がこみあげてきたのを我慢して、琴葉はその親友、育に電話をかけた。
「ごめんね、急に。忙しかった?」
「ううん、大丈夫。どうしたの」
「えっと…………こ、声が聞きたくなって」
「えっ。なに、いきなり。めんどくさい彼女系琴ちゃんなの?」
「ち、ちがうけど!」

しばらく育と電話した琴葉は気持ちを落ち着けることができた。午後からは講義に出席しよう。
それから、うん、それが終わったらコ○スにでも気晴らしに行ってみようかな、そこじゃなくてもまたコラボしてほしいし―――。
185 : P君   2021/06/02 20:20:23 ID:d8MfDHSb.M
先延ばししても、こちらがモヤモヤするので、なんとかまとめてみました!

・トライスタービジョン
>>177さんが考ていたものとは、ずれの大きい能力になったかもしれません……。
いちおうは自分なりにこの先の展開を考えてみての結果です。
単純な未来視ではないのは確かです。

・スターエレメンツ
まだまだ謎のベールに包まれてはいますが、さっさと明らかにしたいところ。

第10話のあらすじ(下書き)の投下は明朝を予定。ご意見・ご協力募集中!
186 : do変態   2021/06/02 20:55:52 ID:QPH4T2qdFk
琴葉が平穏な日常を謳歌しているころ、極秘で開発された探査宇宙船が宇宙空間を航行中にクリア・スカイのアンカーである隕石と衝突、で敵さんの行動を示してみたり
187 :   2021/06/02 21:00:51 ID:ej6GqYj75o
>>177ですがそれはそれで面白いと思います
琴葉がクリア・スカイに対して二者択一を迫られる展開があれば、
私の性癖にヒットします
(育と桃子で意見が真っ二つに分かれたりして)
188 : せんせぇ   2021/06/03 06:16:22 ID:V60j79paeo
第10話 aパート
「ふぅ……一人ファミレスも慣れると悪くないわね。初夏フェアも堪能できたし、満足だわ。レジ打ちを担当したの、同じ学部の人だったけど」
琴葉はファミレスでの食事を終えて、近くの人気のない公園でブランコに乗って、夕焼け空をぼんやり眺めた。
宇宙からの侵略者だなんて、そう簡単に信じられはしない。ましてや破滅を免れるのに、私の力が必要だなんて……。
琴葉はブランコをぎこぎことしながら、公園内の数少ない遊具のひとつである、シーソーを見た。
ブランコ同様、今の自分にとっては小さい。が、それは1人で遊ぶことを想定などしていない代物であるから、実のところ今の琴葉にとっては大きすぎる。
「『ときどきシーソー』ってどきどきシーソーと間違えやすいわよね」
そんな独り言は虚しく夕闇に飲みこまれていった。
不意に琴葉は視線を感じる。そちらの方向を見やると、二人組が自分のほうへ向かって歩いてきていた。
公園で遊びたがっている子供には見えない。
どちらも女の子/女性で、言ってしまえば凸凹コンビだった。もう暗いからはっきりとその姿がわかったのは、琴葉のすぐ近くまでに来てからだったが、見た目からは親子とは思えない。
琴葉は何かされることを危惧して、逃げ出してしまいたがったができないでいた。
え?これって金縛り―――?
琴葉は直感する。彼女たちはこの星の人間ではない。
「………お前が田中琴葉か」と長身の女の子/女性【A】は機械的な声で言った。しかし琴葉は頷くことすらできない。いや、そもそもその機械的な調子には疑問符がついていなかった。確信しているのだ。
「ふうん、想像したより可愛い子じゃないの」と背の低い女の子/女性【B】はどこか楽しげに口にするのだった。
189 : 変態インザカントリー   2021/06/03 06:16:33 ID:V60j79paeo
第10話 bパート
【B】が指をパチンと鳴らすと、固まっていた琴葉の体に自由が戻り、その反動で「きゃっ」とブランコから転げ落ちそうになった。
「あ、あなたたちは……?」
おそるおそる琴葉が訊ねると【B】が「怪しい者だけれど、危険ではないわ」と笑った。
【A】が「【C】」とだけ言う。首をかしげる琴葉に【B】が「あれ?歌織から聞いていないの?」と訝しんだ。
今のはどうやら歌織の管理するマンションの名前らしい。なんてぶっ飛んだセンス……あの人らしいかな。
「ってことは、お2人は―――」
「まぁ、平たくいえば宇宙人。【C】に住まわせてもらっているね」
さっきの金縛りも宇宙人ゆえの超能力ということみたいだった。
「わ、私に何のご用ですか……?」
とって食べられるわけではない、と言い切れない。だって相手は宇宙人。
「交流。興味本位」と【A】が言う。片言なのは、こちらの言葉に不慣れということだろうか。
「歌織がやっと見つけた希望、興味が湧いたの。それだけ。べつに何かするってわけじゃないわ」
「そ、そうですか」
190 : プロデューサーちゃん   2021/06/03 06:16:48 ID:V60j79paeo
「歌織ってああ見えて、こっちでもそれなりに辛い経験しているのよ」と【B】は神妙に言い、【A】もうんうんと頷く。
故郷が失われて、こんな異星で暮らしているだけでも充分に苛酷な状況だと思う。でも、そんな素振りって見せていないな、あの人。
「付き合いがせいぜい半世紀しかない私たちが知っているだけでも、例の予言絡みとはべつに、気落ちすることがあったわけ。1年、2年で立ち直れないような、ね」
「たとえば……?」
「そうね、【D】とか。あ、これ私たちが言ったっていうの内緒よ?」
「は、はい」
(以下、琴葉の反応 +短いやりとり加筆予定)
191 : あなた様   2021/06/03 06:17:02 ID:V60j79paeo
第10話 cパート
その日の夜。小雨が降る中を琴葉は空猫喫茶店に向けて歩いた。
じっとしていられなくなった。美也と話して気を紛らわしたく思った。
美也がいつもどおりあたたかく迎えてくれた。
そしてフルートの音色。琴葉はいつもよりずっと集中して、その演奏に耳を傾けた。
不思議な音色、それはまるでこの世のものとは思えないような―――

「あの、琴葉さん」

聞き入ってしまって、ついうとうととしていた琴葉。自分を呼ぶ声は可奈のもので、彼女は気がつけばすぐ隣にいた。
近くで見れば、見るほどに、彼女の存在感がおよそ生者のそれとは異なることに気がつく。もしかせずとも、彼女は……

「えっと、そ、そんなに見つめられると、うう~、照れちゃいます」
「ご、ごめん。それで、どうかしたの?」
自然と敬語がとれていた。

「そろそろ、私の話もしておこうかなって」
「可奈さんの?」
「はい。歌織さんからもOKが出たので。結論からいうと、私は琴葉さんの持つ力を高める役割なんです」
「私の力を、高める……?」
「はい! この力を歌織さんは【D】って呼んでいます。なんだかカッコいいですよね♪」
そうかな、という言葉はなんとか飲みこむ琴葉だった。
192 : お兄ちゃん   2021/06/03 06:17:23 ID:V60j79paeo
可奈から詳細を聞こうとしたそのとき、店の出入り口のドアが開いた。
そこにいたのは雨に濡れた歌織だった。いつの間にか、雨足は強まっていたらしい。
「やぁ」と軽い調子の挨拶は、強がりだとわかった。その表情に焦りがあった。
「電話でもよかったんだけど、さ」
歌織は水滴を吹きもしないまま、ずかずかと琴葉たちに近寄ってくる。そこにいつもの余裕はない。
緊張する空気の中、美也だけがのんびりとした声で「どうぞ~」と大きめのタオルを歌織に渡す。
礼を言って、受け取ったタオルを頭から被る歌織。
「何があったんですか」
ようやくそこで琴葉はそう訊ねることができた。

「観測した、らしい」
「え――――?」
「歌織さん、まさか……」

可奈の声が震える。

「アンカーが観測された」

美味しかったな、コ○スの炙り明太子の冷製クリームうどん。琴葉の頭をよぎったのはそんな場違いな、というより現実逃避でしかないことだった……。
193 : Pサマ   2021/06/03 06:18:59 ID:V60j79paeo
※【A】身長162㎝以上のアイドル名(歌織をのぞく10人が候補) 口調についてはあくまで演じているだけ
※【B】身長152㎝以下のアイドル名(育をのぞく9人が候補) こちらも口調についてはあくまで演技
※【C】マンション名 ネタに走ってかまいません 下ネタはNG
※【D】可奈の持つ力の「名称」 効力は考えてもらってかまいませんが、採用するかは半々。
※実食していませんが、炙り明太子の冷製クリームうどんって、つまり、ジュリア+静香+未来ってことしょうか。静香歓喜?

【A】と【B】の出番はたぶんここだけ 育と桃子はまだ登場します!

レスの有効期限は6/4 14:59:59 まで 清書更新は早くて6/4 17:00頃になるかと
194 : おにいちゃん   2021/06/03 06:35:21 ID:0MJf/2vml.
A莉緒姉
Bこのみ姉さん
Dバースオブカラー
195 : プロデューサー   2021/06/03 06:46:57 ID:NGauWSVqfU
C RED 荘NE
D ステラ・ハーモニクス
196 : プロヴァンスの風   2021/06/03 06:57:18 ID:oey6M3Xpv6
A.千鶴さん
B.茜ちゃん
C.スカイビュー『美来(みらい)』

>>190>>191で【D】が重複してませんか?
197 : 1   2021/06/03 07:41:38 ID:mLyLHoq6a.
>>196
はっ!ほんとだ!ご指摘ありがとうございます!
順番前後しますがこれまでくださったレスを参考に、歌織の過去は【E】としますね。
198 : Pしゃん   2021/06/03 18:27:02 ID:Cg91xU8p7E
E:マンション管理が地味に赤字だったり
199 : 夏の変態大三角形   2021/06/04 05:16:19 ID:wGI4J57sro
A:莉緒
B:このみ
C:ビッグバンズコーポ!!!!!
D:ギブミーメタファー
E:妹を二人亡くしている(静香や杏奈はまだ出番が無かったはず)
200 : レジェンド変態   2021/06/04 18:22:16 ID:uACKqZ8Vwk

第10話 aパート
「『ときどきシーソー』ってどきどきシーソーと間違えやすいわよね」
そんな琴葉の独り言は公園の夕闇に虚しく飲みこまれていった。
不意に琴葉は視線を感じる。そちらの方向を見やると、二人組が自分のほうへ向かって歩いてきていた。
公園で遊びたがっている子供には見えない。
彼女たちは言ってしまえば凸凹コンビだった。はっきりとその姿がわかったのは、琴葉のすぐ近くまでに来てからだったが、見た目からは親子とは思えない。
琴葉は何かされることを危惧して、逃げ出してしまいたがったができないでいた。
え?これって金縛り―――?
琴葉は直感する。彼女たちはこの星の人間ではない。

莉緒「………お前が田中琴葉か」
このみ「ふうん、想像したより可愛い子じゃないの」

背の高い女性が機械的な調子だったのに対し、小さい女の子はどこか愉しげで、いやに大人びた声色でもあった。
201 : ごしゅPさま   2021/06/04 18:22:37 ID:uACKqZ8Vwk
少女が指をパチンと鳴らすと、固まっていた琴葉の体に自由が戻り、その反動で「きゃっ」とブランコから転げ落ちそうになった。
「あ、あなたたちは……?」
おそるおそる琴葉が訊ねると「私はこのみ。こっちが莉緒。怪しい者だけれど、危険ではないわ」とこのみは笑った。
莉緒が「ビッグバンズコーポ」とだけ言う。首をかしげる琴葉に「ビッグバンズコーポ!!!!!」と繰り返した。
えっ、なにこの人、すっごく美人なのにやばい、ちょっとあれな人なの……?
琴葉の不安をよそに「あれ?歌織から聞いていないの?」とこのみが訝しんだ。
ビッグバンズコーポ、それはどうやら歌織の管理するマンションの名前らしい。なんてぶっ飛んだセンス……あの人らしいかな。
「ええと、つまりお2人は―――」
「まぁ、平たくいえば宇宙人。ビッグバンズコーポに住まわせてもらっているね」
さっきの金縛りも宇宙人ゆえの超能力なのだとリトルセクシーエイリアンは話した。
「わ、私に何のご用ですか……?」
とって食べられるわけではない、と言い切れない。だって相手は宇宙人。
「交流。興味本位」と莉緒が言う。片言なのは、こちらの言葉に不慣れということだろうか。
「歌織がやっと見つけた希望、興味が湧いたの。それだけ。べつに何かするってわけじゃないわ」
このみがふふん、としたり顔をする。かわいい。
「そ、そうですか」
202 : せんせぇ   2021/06/04 18:22:52 ID:uACKqZ8Vwk
そして話題は自然と歌織に移った。
「あのね……歌織ってああ見えて、こっちでもそれなりに辛い経験しているのよ」とこのみが神妙に言い、莉緒も「悲しき過去」とだけ言って、うんうんと頷く。
故郷が失われて、こんな異星で暮らしているだけでも充分に苛酷な状況だと思う。でも、そんな素振りって見せていないな、あの人。
「付き合いがせいぜい半世紀しかない私たちが知っているだけでも、例の予言絡みとはべつに、気落ちすることがあったわけ。1年、2年で立ち直れないような、ね」
「たとえば……?」
「そうね、妹さん2人を亡くしているとか。あ、これ私たちが言ったっていうの内緒よ?」
「は、はい。あれ? あの、その妹っていうのは……」
「義理!」
「あ、はい」
「かれこれ70年ほど前って言っていた気がするわ。歌織がこの国にきてから知り合ったふたりで、生活するうえでいろいろ面倒みてくれたみたいよ」
「えっと、別れは、寿命で……?」
歌織の今の容貌から察するに、ある意味、人間とはまるで違う時間を生きているといってもいいだろう。
「戦争!」
「……そう、だったんですね」
「歌織はそれまでも違う国で、人間の争いごとを見てきてはいたみたいけれどね。でも……大切な人が巻き込まれるのはそのときが初めてだった」
妹、か。きっあの人のことを慕っていたに違いない。そしてあの人もまた……。
「残ったのは、歌織のためにと妹たちが考案途中だったゲーミングうどんのレシピだけ。最近になって歌織はついに調理に成功したみたい」
「奇跡!」
味の保障はできないけど、とこのみは小声で付け加えるのだった。
203 : 変態インザカントリー   2021/06/04 18:23:05 ID:uACKqZ8Vwk
第10話 cパート
その日の夜。小雨が降る中を琴葉は空猫喫茶店に向けて歩いた。
「あの、琴葉さん」
可奈のフルートに聞き入ってしまって、ついうとうととしていた琴葉。自分を呼ぶ声に気づくと、すぐ隣に彼女はいた。
近くで見れば、見るほどに、可奈の存在感がおよそ生者のそれとは異なることに気がつく。もしかせずとも、彼女は……
「そろそろ、私の話もしておこうかなって」
「可奈さんの?」
「はい。歌織さんからもOKが出たので。結論からいうと、私は琴葉さんの持つ力を高める役割なんです」
「私の力を、高める……?」
「はい! この力を歌織さんはバースオブカラーって呼んでいます。なんだかカッコいいですよね♪」
「カッコイイかはさておき……なんだか、クールもカワイイも叶えてゆける、ちっぽけでタフネスな勇気と努力を感じますね」
「???」
「それでその能力っていうのは―――」
可奈から詳細を聞こうとしたそのとき、店の出入り口のドアが開く。
そこにいたのは雨に濡れた歌織だった。いつの間にか、雨足は強まっていたらしい。
204 : せんせぇ   2021/06/04 18:24:22 ID:uACKqZ8Vwk
>>203
cパート×  
bパート○
205 : Pたん   2021/06/04 18:24:41 ID:uACKqZ8Vwk
「やぁ」と軽い調子の挨拶は、強がりだとわかった。その表情に焦りがあった。
「電話でもよかったんだけれど」
歌織は水滴を吹きもしないまま、ずかずかと琴葉たちに近寄ってくる。そこにいつもの余裕はない。
緊迫感に包まれる中、美也だけがのんびりとした声で「どうぞ~」と大きめのタオルを歌織に渡す。
礼を言って、受け取ったタオルを頭から被る歌織。
「何があったんですか」
ようやくそこで琴葉は訊ねることができた。

「観測された、らしい」
「え――――?」
「それって、まさか……」

可奈の声が震える。

「アンカーが観測された」

美味しかったな、コ○スの炙り明太子の冷製クリームうどん。ゲーミングうどんはもっと美味しいのかな。
琴葉の頭をよぎったのはそんな場違いな、というより現実逃避でしかないことだった……。
206 : プロデューサーさん   2021/06/04 18:29:34 ID:uACKqZ8Vwk
と、いうわけでまとめてみました!
レスありがとうございます!!
可奈の能力名、どれを選ぶか迷いました。スタエレ関係だったら、ギブミーメタファー一択だろって最初は思いもしたし、ステラハーモニクスってポプマスじゃねぇか!!ってツッコミを入れたりもしていましたが……。
二人組については、たしかにこのりおっぽいなぁって気はしていました。
そこをあえて外しての茜・千鶴……にしようと半分決めかけたところで、まぁ、その多数決に。

いよいよクライマックス!
第11話のあらすじ(下書き)は早ければ明日の17:00に投下する予定です。
(何回言うんだよって気はしますが、)最後までお付き合いください!!!
207 : Pサン   2021/06/04 20:23:30 ID:RHgZUy8O4E
後三回⁉︎早いなぁ……
208 : プロヴァンスの風   2021/06/04 21:46:59 ID:LKJSTVQP3A
アンカー降下の阻止に一度失敗。次なる手立てを考えると歌織が初めて降り立った地に実は有力なものが眠っているとかクライマックスで使うと熱いかもしれない
例えば、たまたま歌織が気まぐれで植えた割り箸畑が特殊なエネルギーを発生させる磁場になってて、そこに念を込めることでクリア・スカイに対抗できるとか
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